うさぴょいうさぴょい
- BOOM!!
決着はブラスター・ピストルの銃声と共についた。
発砲したのは肉襦袢めいた強固なサイバーウェアに身を包んだ大柄な男。その手にしたブラスターの銃口がまだ赤々と熱を湛えている
しかし男は微動だにしない。何故ならば、既にその喉元を凶器で貫かれていただからだ。
- 「い、いつの間に…」
男の背後の虚空より ブロックノイズと共に外套を棚引かせ、全身黒ずくめの小柄な「マスク」が姿を現す
そして同時に、男を貫くマチェーテもその姿を表した。
「いつの間に…裏を…とってやがった」
マスクはその問いに答えない。ただ無言のまま、エネミーのHPが0を指し「KILL+1」のアラートがサイバネティック網膜に表示されるのを見届けるのみだ。
- 「…チッ、無言かよ…」
男は致命的な傷を受けているのにも関わらず軽口で悪態をついた。
それもその筈だ。この戦いはVR・サイバーパンクMMORPG「Ussa」のレーティングバトルの1戦であったのだ。
今まさに決闘が行われた ゴミが散乱する仄暗い超近未来的市街地の裏路地も、遠景に林立するブラックメタリックのビル群も
オイランが艶かしくドロップを口にして見せる3Dホログラフィック看板も。実際に存在するかのようなリアリティを持つ「仮想現実」の世界。
- 現在この世界にて最強を決めるべく日夜決闘が行われている。
10億という法外な賞金を賭けられたこの戦いに 各々に望みを掛けて望んでいることだろう。
現に、いままさに 交戦したこの2者もそれは同じ。
男も夢に手を伸ばして居た者の1人だったのだろう。だが それが一歩遠のき、そしてマスクが一歩夢へと近づいた。
「……」
マスクが動く。凶器を握っていない側、空いた左手で恭しく手刀を構えた。
「………対戦、…ありがとうございました。」
厳かに告げられる”対あり”。共にマチェーテが引き抜かれ、勝負はここに決した。
男は一瞬己が耳を疑う。小さく、細い声であったが、その声色はまるで―
- 「あっ。あ、ありがとうございまし…たあああああああああっ!!?」
次の瞬間 男のバトルスーツがビリビリと激しく裂ける!180cmあろうかという益荒男の筋骨隆々なあられもない姿が晒された!
大敗を喫したバニーは容赦なく脱がされる。システム的にそうなっているのかは分からないが、そうなるのが定め。
圧倒的な自由度を誇るUssaにおける数少ない不文律なのだ。
- 同時に、フィールドが解除され観客の歓声が飛び込んできた。試合であると同時に賭けの対象でもあるこのバトルが纏う熱は並大抵ではない。
しかし、勝者となったマスク……兎矢カランコエは、その熱を一瞥することもなく 再びネオ・トーキョーの闇の中へと消えていったのだった。
- …
…
「だから、ウソじゃねーっての!あれぜってぇ女の声だった!」
「んなワケねーだろ。中身は黒肌マッチョのガキだって噂の方が先にあんだぞ。オイラン広告の音声聞き間違いただけだろ」
―〜カブキシティ、ビアホールでの喧騒の一幕より〜―
- (ネオトーキョーの夜は早い)
(…と言うよりはゲーム的に夜の時間が長めに設定されている。夜の方が、暗い方が、闇の中に在る方がサイバーパンクらしいから、という理由でだ) (そんな長い夜の闇の中、ゆかりんは公園の歩道を歩いていた) (場所はネオシンジュクセントラルパーク。新宿中央公園相当の大きな公園だが) (リアルであるはずの緑は僅かに残る程度であり、替わりにスクラップの類が山と積み上げられている) (歩道の脇に設えられた外套もほとんど壊れており、僅かに生き残っている物も点滅を繰り返している) (そしてそんな外套の下には、ダンボールや廃材で作られたホームレスのバラックが密集している) (そこでは人口の大半である力なき貧民…まあそのほとんどはNPCだが…が肩を寄せ合いひっそり生きているのだ) (多額のサラリーを稼ぐ大企業の社員たちが働く、天高く聳えるオフィス街の高層ビルを見上げながら) うーん、末世末世。ポストアポカリプス一歩手前といった感じだねえ。 さーて、彼…彼女かな?はどこに居るのかな。あのボロマントから察するに「こちら側」の人間だとは思うが…。 (キョロキョロと周りを見回しながら歩く白いナース姿。朽ちて寂れた公園にその姿は不釣り合いであり) (なんだかとっても目立っている)兎矢くーん?ああ、フレンド登録とかしておくんだったなあ…。 -- ゆかりん
- (スラムの夜は中心部とは打ってかわり、独特の薄暗さと希薄ながらも人の気配がまばらだ)
(こんな場所をうろついていれば、いかにもガラの悪そうな輩が湧いてきそうであるが…) (流石にオンラインゲームの中で、そこまで徹底したあらくれロールプレイをしてくる者は稀なのだろう) …ゆかりん? (そんな人探し中の彼女の後ろから、ノイズ混じりの声がかかる) こんな夜分に…シンジュクターミナルにでも行くの? (意外にも早く探し人は現れた。全身黒ずくめなので、マスクの発光が浮かんで見えて不気味だ) -- 兔矢カランコエ
- (ジャンルとしてはMMORPGに属するこのゲーム。危険地帯に居ればチンピラという名の敵キャラに遭遇する事もある)
(しかしゆかりんはこう見えても半廃人プレイヤー、そんじょそこらの「敵」に後れをとるほど弱くはない。サポート職だとしても) (もっともこの夜は幸運な事にそういった遭遇戦にはまだ出くわしてはいない) (それはただの偶然か、それとも、この辺りの敵を狩り尽くした猛者でもいるのか…) (それはわからないが、敵の代わりに探していた人物の声が耳に届いた) やあ、兎矢。いいや今日のところはターミナルには用はない。 あれからキミの事が気になってしまってね。 (言葉を返しながら周囲を見回す。全身義体のゆかりんにとって夜の闇は然程問題ではない。両の目は闇を見通し、耳は音源の位置を特定する) (ノイズの混じったボイチェン音声、それが発せられる方角へ顔を向け) キミみたいな人が、毎日どこで、何をして過ごしているのかなって。 -- ゆかりん
- へぇ?
それでわざわざ、こんなスラムに…? (その回答は予想外だったらしく、マスクが揺れて声が僅かに上ずる) 私に用事があったとしても…てっきり、例の話の回答を求めに来たのかと思ってたんだけど。 (それはそれで、回答を求めに来るのが早いという話になってしまうが、自身に興味を向けられるよりかはあり得ると思っていたようで) (今いちど、発言したゆかりんの姿を見直す。…うん、別に先日と違いはないようだ。) …まあ、別にいいか。いや、君はちょっとばかしラッキー…かもしれない。 フリーPVPやPVE挑みに行ってる事が多くて。偶々さっき、チンビラ掃討戦のCo-op(協力戦)が終わって…戻るところだったんだ。 (こうしてタイミングよく会えたなら、リアルラック強い方じゃない?と笑いながら) -- 兔矢カランコエ
- ああ、こんなスラムにだ。そしてこの辺りに居そうだという私の勘は当たったようだね。
(ふふん、と誇らしげに胸を張る。もっとも、駅の周辺と聞いていればこそではあるが) まあそれも含めてではあるが、答えについては急いではいないよ。 それよりキミという人間が…どこに所属していそうでもない、特定の仕事をしていそうもない そんな自由な人間が、この閉じ込められたゲームという世界の中で如何に過ごしているのか? そんな事を考えたら、確かめてみたくなってね。 (多少失礼な物言いを挟みつつ、しかし相手への興味を隠そうともしない。まるで知りたがりの子供の様に) ふんふんなるほど、つまりは戦闘漬けといった感じか。道理で敵キャラもロクに出てこないわけだ。 テキトーに倒しながら歩いて、Uとサイバーパーツ素材を集めつつキミを探そうと思っていたのに。 (等と言うものの、集団を1人で相手するのは骨が折れる。正直助かったと思っていたり) まあ私は運の良さには……(ちょっと口ごもる。うーん?と唸り)…定評があるのさ(ちょっと自信なさげに言うのだった) で、戦果はどうだい?何か得るものはあったのかな? -- ゆかりん
- (なるほど、直接出向いてきたということは道すがら副産物も算段に入れていたのか。なかなかしっかりちゃっかりしている)
(背丈は同じぐらいだが、無軌道に戦いを繰り返す自分よりかはしっかりしているだろう。……などと、思う) ……(質問に対して一時押し黙る。何やら思う所があると押し黙る癖がある) 単純明快。この世界は…やることなすこと、全てが自分自身で決められる。 そして…バニーファイトで自分にBetして勝てば、普通に稼ぐ以上の実入りがある。強さこそが資産であり、自由なんだ。私はそう思っているから― (一息に言い切ると、ふうっ、と息を継ぐ) …強さを求めているんだ。単純だろう? うーん、ドロップに目ぼしいものは無かった…小銭稼ぎさ(と、インベントリを見えるように開いて見せる)と、あっ。 (とん、とホログラム映像の一端を指先で叩く、一つのアイテムがズームされた) 一応、レアカテゴリではあるんだけど…私には無縁なんだよね、こういうの… (それは未鑑定、未開封のアバターアイテムであった。) ……ゆかりん、要る…?(ただ、必要としているかどうかわからない以上、ちょっと…控えめに伺った) -- 兔矢カランコエ
- (MMORPGというジャンルの常ではあるが、金策、レア彫り、素材集めなどは誰もがやらざるを得ない作業だ)
(ゲームのリリースからそれを毎日続けてきたゆかりんは、そのあたりは身に染みてしまっている) (なので戦果に対する質問もまあ、アイサツの様なものだ。しかし黙ってしまう兎矢の様子を見ると目を輝かせ) おっ、その様子だと何かレアなアイテムでも手に入れたのかな? 持っている事を知られたらPKに狙われる様なやつを!それとも新種かい!? (期待感に目をキラキラさせながら言う。リリースからそれほど経過していないこのゲーム。未知のアイテムもまだまだ多い…と思われている) って、なしかあ…そっか。まあレアなアイテムがそう簡単に…ん、なんだい? (一転がっくりと落胆しそうになるも、アイテム映像がホロ表示されればそれに目を向け) ははあ、アバターアイテムのボックスか。中身はまだ不明。 (しかしそのボックスは虹色に輝いている。SSR級のレアアイテムが出るのは確実だ) ふーむ。私も今の格好に興味はあるのだが…。でも滅多にお目にかかれないレアボックス…。 けど中身が似合わないものだったら…(うむむと唸り、腕組みをして悩む) (1分ほど悩んだあと)よ、よーし、それなら50万Uでどうだ! (それはSSR級アバターアイテムの半額程度の額。未鑑定ゆえの安さだ) -- ゆかりん
- (無邪気に、レアアイテムの存在に目を輝かせ、期待に胸を膨らませる姿を、イベントリを開いたままぽかん、と言えるような感じて見ている)
………ゆかりんてさ… (先日の会話のイメージを引きずっていたので、学者肌のリアリストのイメージを抱いていた模様。だがイメージが壊れたわけではなく) …面白いね。(同じゲームを楽しんでいるに違いないのだ。そう考えると思わずふふっ、と笑みがこぼれた) 50万Uか…いいね、乗った。大分奮発してくれたじゃない(販売価格の下を見れば分の良い儲け話に違いない) 今の君には…幸運の流れがきてるかもしれない。やってみるかい?運試し。 道のアバターが出てくるか…はたまた…兎の尻尾が出るか…!(※ちょっと運が上がるけどもこっとしたしっぽが増えるだけ、所謂残念レア) -- 兔矢カランコエ
- な、なんだいそれは!?…キミほどにはユニークではないよ。
(何とも言えない評価に面くらい、ちょっと気恥しそうに口を尖らせ) 未鑑定アイテムとしては相場程度さ。出て来るアイテムによっちゃこれが100万にも化けるし、不人気アイテムなら10万にもならない…。まったくガチャは悪い文明だ。 ああ、やってみようじゃないか。じゃあまずはアイテムトレードだね。 (兎矢にトレード申請を出し、こちらから50万Uを出すよう入力。相手側の操作を待つ) (トレードが終われば即、ボックスを開くつもりだ。そしてそこから出てくるアイテムは――) (次の兎矢のレスの下1桁で決まる!) 0:うさぎのしっぽ 1:エリート企業スーツ 2:ゲーミングコート 3:セクシーランジェリー 4:ポスアポモヒカンスタイル 5:中二病ゴスロリドレス 6:うさぎのもこもこ着ぐるみ 7:エッジランナーズコラボコス 8:水星の魔女コラボ制服 9:GUNDAM (――運命は兎矢に託された!) -- ゆかりん
- それを言われたら
返す言葉がないんよ。(肩を竦める覆面マント黒兎) (トレード申請の内容を一目、二目。間違いがないことを確認すると) オッケー。では今からこれはゆかりんの物。 良いものが…出ると良いな。(運命の下一桁。ポチッとな) -- とや?
- よし、トレード完了だね。
(今の状況で身を飾るだけの、それも不確かなアイテムに50万Uを使うのは正直賢いとは言えない) (しかしこれもまた兎矢との距離を縮めるきっかけにはなるだろう。そんな事を思いながらトレードを終え) (さっそくこちらに移ってきたばかりのアイテムボックスを取り出す) うーん、これも流行って奴なんだろうね(虹色に輝くその箱は、この廃墟の様な公園には実に不似合い。浮きまくっている) まあいいか。じゃあ早速開けるよ?(言ってアイテムボックスをオープンする。ぱかっと開いた箱から七色の光が天へと放たれ、その光の中にアイテムが出現する) (「GUNDAM」と雑に殴り書かれた、穴のあいたダンボール箱が!) 箱から箱が…って、なんだこれー!!?(あんぐりと口を開け、思わずその場にぺたんと座りこんだ) -- ゆかりん
- オンラインゲームあるある…まあ…それぐらいなら慣れちゃうわ
(夜のスラムにぺかーっと虹色に輝くエフェクト。プリズムめいた輝きは収まり、その光源が形を作り―) なになに……(こっちも開封直後、覗き込んだままの体制で硬直する) なんだこれ なんだこれ!!(一緒にエコーする二者のなんだこれ。思わず「GUNDAM」とゆかりんの顔を交互に見てしまう) …ぷっ…は、はははははっ!! ほ、ほんとになんなのこれぇ…(あまりに突拍子もだったのか、思わず笑い出し) たしかに場所的には…くっ、合ってるけどぉ… う、うん、ゆかりん…着てみる…?くっ…(肩を震わせ) -- 兔矢カランコエ
- (夜空に登り煌いた直線の虹は消え、ゆかりんの手には珍妙なダンボールが残された)
う、うそだろ…。なんだというか知ってるけど、知ってるけどさ…! なんなら世界一有名なガンダムコスプレグッズかもしれないけどさ…ご、50万Uがこんなものに…! (まかりまちがっても、見た目はアレだが実は強い!という事もない) (なぜならこれはアバターアイテム。見た目を変更するための物なのだ) ち、ちくしょー!!(やおらがばりと立ち上がると、ナース衣裳の上からそのダンボールをがぼっと被り、サイドの穴から腕を出した) 私が!私がガンダムだ…!!(半ばヤケクソの様に叫んだ) -- ゆかりん
- (その言葉に…世界一有名なガンダムコスプレグッズという言葉に誰もが答えただろう)
(「そうに違いねぇ」と。) いや…でも、レアには…違いないんじゃないかなぁ。 高いかもしれないし…こんなのっ、みたことなブフゥ (あまりの潔さと勢いにご、ごめっ…と言いながら吹いた。スゴイシツレイ!) はぁー…ごめんねごめんね…でも、ゆかりんがこんなコトするなんて思ってなくて… 記念に写真取っちゃっていい? (腹を抱えて震えながら隣に並んで、カメラを呼び出す) -- 兔矢カランコエ
- なんか、そこらのゴミで作れそうな気もするんだけどね…
(公園の片隅に打ち捨てられ、ボロボロになっているダンボール箱をちらりと見る) す、好きにすればいいさ!バニーファイトに負けて剥かれるよりは恥ずかしくない…ような気がする…ような…。 (どちらの方が恥ずかしいか判別がつかないまま、例のコスプレ写真のポーズをとる。キリッ) それにしても、キミも笑うんだな。まあ当たり前と言えば当たり前だけど。 -- ゆかりん
- 脱がされるのを比較対象に持ってこられるあたり、君に同情するよ。はいチーズ♪
(パシャリ。りりしくGUNDAMの構えをしている白衣と覆面マントのツーショットである、情報過多でどこから突っ込めばよいのかと言われそうな絵面が出来上がってしまった) (コンソールの写真フォルダに収まったのを確認しつつ)おや…人工知能か、そうでなければ…鉄仮面とでも思ってたのかい? …ん、いや…それと余り、変わらなかったのかも知れないな(ちら、とゆかりんを見て)ここまで笑ったのは、久しぶりな気がする。 (息を整えると、ふー…と一息ついて) そうだ、アドレス…渡してなかったね。わざわざ探しに来てたし。 (ポッ、とフレンド申請のポップアップがゆかりんのデバイスへと送られる)これで…所在と現在地データがわかる。 ……まあ、今すぐとは言わないし…嫌だったら蹴ってくれても構わないけど。 -- 兔矢カランコエ
- うぬぬぬ…もう二度と着ないからなこれ!
(死蔵または売却される事が決定したSSRアバター。買い手がいるのかはわからないが) ま、まあこれも思い出か。リアルじゃこんな事できないものな…(自分に言い聞かせる様に呟き、気を取り直し) どっちかって言うと、そうだな…普段は寡黙。戦う時にはヒャハハハって笑う様な感じかと思っていたよ。 こないだ一緒にラーメン屋に行った時はもっと口下手だった感じだしね。 (見た目から想像していたイメ―ジを語り、しかしそれとは大分違っていたなと印象を改める) (であれば、兎矢はなぜこうも奇妙な格好をしているのだろう。興味は尽きない) …っとそうだった。キミが良ければアドレスを交換してほしい。 (そう言うより早くフレンド申請がきた。宙に浮かぶ了承のボタンを指で押す) ああ、これでいつでも連絡が取れるね。あらためてよろしく兎矢。 よし、それじゃ今日のところはお暇しようかな。 何か用があれば何時でもよんでくれ。用がなくてもいいけどね。 (…と告げると、軽く手を振って公園の出口へとゆっくり歩いていく) (…GUNDAMのままで)
(兎矢は気付いてもいいし気付かなくてもいい) (フレンド欄のゆかりん、そのプロフィール画面を開くと、体調不良アラートに赤…危険を示す色が灯っている事に) -- ゆかりん
- 確かに、私がゆかりんの立場であったなら…戦闘時にヒャアハハハハってしてそうなイメージを持つだろうな…
それを言うなら…君もそんな、体を張ってくれるとは思ってなかったよ。 (腕組み。ごもっともですと言わんばかり。そして互いに持っていたイメージはすっかり変わっていた) (―『フレンド申請が受理されました』通知がポップする。それをじっと見つめ)ん。…こちらこそ、ありがとうゆかりん。 (デバイスを閉じると軽く、片手を振り)そう…だね、またなにか…あったら連絡するよ。例の件の返事もまだしてないしな (公園を後にするGUNDAM姿を見送る。その姿は、シンジュクに林立するビル達と雑踏の間に程なくして消えていった) …はぁー〜〜…(擦り切れて素地がむき出しになった、そこにあるだけのような公園のベンチに腰を掛けると、再びデバイスを開く) まさか、フレンド申請OKもらえる時が来るなんてなぁ… (それが信じがたかったのだろうか、翳すように掲げたホログラムのフレンドページを二度、めくり直してそれがあることを確認している) (ずっとソロでやり続けていた兔矢の中に、ささやかながらも嬉しく感じる感情が残っていた。それは自分でも気づけなかった事だった) ………? (違和感。プロフィールを開き直す。) あれ、この赤いのって…何だっけ?(バイタルアラートを気にする機会が無かったのだろう。それでも余り気分の良い表示ではなかった) …ちょっと、調べてみよ… (その指先が、ヘルプへと伸びた。そこに表記されていたのは―) -- 兔矢カランコエ
- ♪( 'ω' و(و"
- ₍₍ (ง ˘ω˘ )ว ⁾⁾
- ⁽⁽ ⸜( ˙꒳ ˙ )⸝ ⁾⁾
- 軽々しい音と共に、銃身がくるくると宙を舞う。
「……ありえない…」
思わず口を衝いて出る。
今日の対戦相手は、いかにも武道家然としたファイターだった。朱のマントにチャイナドレス姿、腕には手甲めいた、分厚いアーマーを纏っている
恐らく、装甲で防御される可能性がある…兔矢カランコエは相手との距離を慎重に測り、そして銃を抜いたのだが…
見えなかった
銃撃を叩き込むよりも疾く、拳が飛んできたのだ。少なくとも、接近戦の場数を兔矢は、相当踏んでいたつもりだった。だが、その拳は余りにも速く、正確無比であった
いや、それだけではない。試合が始まってから20秒も経っていないというのに…全く、手も足も出ない。
速さも、位置取りも、正確さも。まるで違う世界の住人を見ているかのようにすら思えた
猛烈な打撃だったというのに、打ち据えたその拳はまるで空中に静止したかのように…力強く止められている――
- 「なに…それ…」
吹き飛んだ銃が転がっていくのを後目に彼女は、にっ と、爽やかに屈託なく微笑んで見せる。
『カラテ、やってたからね!』
ありえない。今度は心のなかで呟く。格闘の心得が在る、それだけで済む次元なのか
冷静に、冷静にすべきだと頭ではわかっている。しかし、「私」は理解してくれなかった
頭に凄まじい量の熱が集まってくるのが感じられた。頭も、顔も。まるで焼き付いたかのように熱い
”敗北”
その2文字がチラついて、離れない。
そして、心の中に囁きが溢れていく
(―ほら、ダメだったでしょ?)
(いっぱしに 夢なんか見るから―)
- 「……黙れ」
それは、誰に向かって毒づいたのか。
無我夢中でマチェーテを引き抜き、虎の子の光学迷彩を展開し、姿を空に消す
どれだけ格闘センスに優れていたとしても、あくまで的確な”動かすイメージ”が出力されるという点のみのアドバンテージに過ぎない
これはあくまでフルダイブVRなのだ。作戦で、戦術で、道具で上回ることも可能なのだ
相手はこちらを見ていない。少なくとも、視覚的にはロストしてるはず
狙うは…上から。アーマーも無い、防御の薄い首元に一撃を入れ、クリティカル・キルを狙う…!
建物の壁を三角跳びの要領で駆け上がる。蹴撃のタイミングを、方向を読まれないように
相手は不思議とその場から動く様子は無かった。いや…逃げられるよりは好都合だ。より狙いが正確になる
やや小麦色に染まった健康的な首元目掛け、一直線に飛び込んでいく――
- ―が
「………」
みしり。
自分に何が起こったかすら分からなかった
凄まじい衝撃、致命傷でさえ、過剰な痛覚にはならないこのゲーム内ですら、腹を突き抜けるような痛み。ごぽり、と口から血か、そうでなければ内蔵が飛び出たかのような錯覚すら覚える
…脚だ。よりによって…片足で、真上を、私の腹部を蹴り上げている!なんという体の柔らかさか、なんというカラテか!
完全に見抜かれていたというのか。バカな、そんなことが――
体が…動かない。蹴り上げた脚から崩れ落ちるかのように、逆さまになりながら落ちていく。その途中…彼女との目が、あった
まるで、別人のような…刺し貫くような目だった。腰を落とし、腕を引き…。目一杯振り絞った弓が、今まさに打ち込まれようとしているかのような感覚すら覚えた
『破ぁッッ!!』
堂に入ったカラテシャウトと共に突きが炸裂する。視界がノイズとスパークを纏って真っ暗になり…そして…
マスクが砕け散った。 いや、マスクだけじゃない。きっと服も吹き飛んで居ることだろう
。そういうゲームなんだから。
事実が受け止められない。抱いていた夢が、永遠に等しいほど…遠くに行ってしまったように思えて
いつしか、自身がだれかにやったように、膝から崩れ落ちて。ただ 何も物を言わない地面を見るしか出来ないでいる。
- 『試合、お疲れ様でした。……あの、ナイスファイト』
ぽんぽん、と背を叩き、励ますように、遠慮がちに、しかし優しげな声が耳に入る。そして何かが背中に被せられた。…マントだ、彼女が着けていた朱色のマントだ。
だが、俯いたまま、顔をあげることは出来ない
気遣いなんてそんなものいらない。いっそのこと、冷たく打ち捨ててくれていた方がまだ良かった。
バトルフィールドが解除されたのか、試合を見ていた観衆の割れんばかりの歓声が 俯いたままの頭の上から降り注ぐ
それだけの大人数に、忌々しい…「現実の私」が見られたと思うだけで吐き気すらした。
失敗してしまった、きっとまた…戻ってしまう。弱者の日常に。好奇と侮蔑をもって見られ、その中で愚かしくも自分より、更に弱者を探し心を慰める日常に。
正常な思考を失った脳は、ひっきりなしに自分を責め立てた。
喉奥から吐き気とは違うものがこみ上げてきて、視界が滲んで行く。ぼろぼろと床に何かがこぼれ落ちていくのが見えた
一刻も、一秒も早く…ここから逃げたい、逃げなくては。出口に向かって駆け出し――
そこから先の記憶は もう、無かった。
(第2週4戦目の戦果(スコア)は 08。完膚なきまでの敗北であった。)
- やあ兎矢、あれから調子はどうだい?
(場所はギョーエンオブシンジュク。先日とは逆側にある大きな公園であり) (こちらは大企業の管理下に置かれているのか、緑の多い公園らしい公園である) (フレンドリストから連絡を入れたゆかりんは、ここで待ち合わせる事にしたのだ) (特に重要な幼児があるというわけではないが、兎矢の体調が気になってはいた) (なにせあのボス戦の後、簡易の治療行為しかさせて貰えなかったのだ) (自然治癒力のないサイバーパーツは今もあちこち破損し、歪んでいるのではないか…そう思っての問いかけだ) (それともうひとつ、噂話を耳にしてはいたが…触れるべきかどうか迷っていた) -- ゆかりん
- ん〜ー…調子?
(口にしていたストローから口を離す。手にはそこらへんで買ってきたシェイク。当然ゆかりんの側にももう一つ置いてある) (あれから?あれから…ああ、と考え) …ああ…体の方は、大丈夫だよ。サイバネ率は低めだし…どうせ食らったら終わりの紙装甲だし。 (脚をぶらぶらさせながら、こともなげに応える。実際、兔矢は「当たらなければどうと言うことはない」を地で行くようなピーキーな立ち回りを前から続けていた) (しかし…一方で、レート戦では戦果08、15と妙に精彩を欠いているの事実であった。) -- 兔矢カランコエ
- そうか、それは何よりだ…と言いたいところだが
(体の方は、という言い方が引っかかった。つまりそれは――) 体以外はどうなんだい?心なしか、元気がない様にも見えるんだけど。 (まあ心当たりはある。正体不明の黒尽くめがバニーファイトで敗北し、その中身を衆目に晒したのだという) (しかもその中身は女の子、それも爆乳美少女ということでその噂は尾ひれをどんどこ延ばしながら広まっているのだ) 私でよければ悩みなり愚痴なり聞くくらいは出来るが…どうだい? (シェイクをありがとうと手に取り、すぐ傍のベンチへと歩く) -- ゆかりん
- ………
(俄に押し黙る。ゆかりんの見立ては間違いなく正しかった。しかし) 元気が無いように…見えるかな? ……はぁー…参ったな、そんなに分かりやすい感じだったのか…私の様子は (手でマスクの顔を覆う。あくまで知られたくないことは知られたくないことであり、話したくない事でもあるのだろう。) (そして同時に、このタイミングで彼女が来たと言うことに、なんらかの察しがついた) ゆかりん、なんというか…こう聞くのはアレなんだけど…… 私について、何か…妙な噂とか…聞いてる? (声色が一気に沈み込む。威嚇などではなく、落胆を帯びていた) -- 兔矢カランコエ
- まあ何となく、だけどね、普段より俯き加減だし。
(先にベンチに腰を降ろすとシェイクをひとすすり。バニラあじ) ああ、カブキシティなんてとこに居るとどうしたって噂は聞こえてしまうのさ。 そう、キミが…そのローブの下に地面に届く様な超乳を4つもぶら下げた幼女だという話もね。 (あくまで深刻にならないよう、普段と同じ口調であっさりめに) (だいぶ尾ひれがついた噂を伝えた) いやーびっくりだね。人には大抵どこかおかしな性癖があるとは言うけれど。 -- ゆかりん
- …カブキシティだもんな……はぁー…
(それに、診療所を訪れる客の口伝えというのもあるだろうが) っって(思わずシェイクを取り落としそうになり、慌ててキャッチ) …まあ………それだったら隠すわね。人間じゃないもんね。ハハハ…んなわけねーだろ!! 私は化け物か何かか!? (思わず2段でツッコむ。マスクの下はさぞかし激昂しているだろう) ……ゆかりんに見られてないのは不幸中の幸いだ…(頭を抱えこんで、更に更に落ち込む。ドツボだ) (暫く、気まずい沈黙が流れる。比較的緑と生命の気配のあるギョーエンの一角にも関わらず) ……ねえ、ゆかりん。もう一つ質問…。ゆかりんはさぁ、自分自身のこと…好き? (3分ぐらいはそのままだっただろうか、漸く掠れるような声で口を開く) …嫌いなんだ 現実の自分が。見た目も、中身も。 -- 兔矢カランコエ
- 人の口には戸は立てられない。酒の入った人の口なら尚の事ね。
って、え?え?ど、どういう事なんだい…?(両手で包む様にシェイクを持ったまま兎矢の反応に目を丸くする) 自分のファンタジーすぎる性癖をそのままアバターにしたものの、流石にそれを丸出しには出来なくて そのマントで覆いかくした上で1人で楽しんでいた…とかではないのかい? (兎矢の真意はいざ知らず、ゆかりんなりに噂話と兎矢の姿を解釈した結果がこれであった!) ふーむ、ではなぜ隠す…とは聞かないほうがいいのかな。 (沈黙の中、うーんと考える。人にはそれぞれ事情がある。隠したい事も、人に言ってもどうにもならない事も) (それでも、それを聞きたいと思うのであれば…) …そうだねえ、ここでの私という意味なら割と好きだよ。自由だからね。 好きな事が出来るし、好きなものを食べられるし、好きな場所にこの脚で歩いていける。 でも、リアルの私のことは好きではない。何も出来ないし、美味しいものも食べられないし、どこにも行けないから。 (…まずは自分から教えるしかないだろう。人には知られたくない、その部分を) 私はね、ずっとベッドの上にいるんだ。もう、寝たままで出来るフルダイブVR…このゲームくらいしか楽しみもなくね。 -- ゆかりん
- (人から見たらどうせ超複乳幼女とあんまかわんないわ…と、心中諦めのボーダーラインを超えかけている所)
(ぴくり、と肩が動く。) (そうだ、きっと君なら自分を肯定出来ているだろう。) (普段から、なにもやましい事を感じさせない。好奇心と行動力の化身だ――) (そんな事を思っていた矢先に告げられたのは、思いも寄らない告白だった) ………何? (疑念と驚愕と、困惑を足して2で割ったような声で聞き返す) ベッドの上…?……… それは…… (何を言っているのか、とすら聞けなかった。疑う事すら怖かったのだ) ずっと…って…どれぐらい…? -- 兔矢カランコエ
- (好奇心を満たしたいのは、リアルでそれを満たせないから)
(行動力がある様に見えるのは、リアルでは動きまわる事などできないから) ファンタジーな願望を、アバターで満たそうとしているのは私も同じなんだろうね。 (すこしだけ自嘲気味に言う。兎矢もそうだと半ば誤解したままで) そうベッドの上。1年前までは…1年間ほどは散歩くらいは出来たんだけどね。 どのくらいって言うと、13年間ってとこかな。 ああジッサイはまったく外に出れないわけじゃないよ。車椅子に座って短時間なら大丈夫さ。 まあその私は…心臓がだめでね。 (自分の胸に手を当てながら、やれやれといった調子で言った) -- ゆかりん
- (頭の中になにか、ずしりとしたものが伸し掛かって来て、必死にゆかりんが口に出している「それ」を否定しようと思考が足掻く)
(13年…?一体、ここまでの人生のうちの、どれ程をそうやって過ごしたのか…?) (そんな事実、受け止められない。受け止めたくない。…だが) (思い当たる節が、幾つも湧いて出てくる。先のボスレイドも引っかかる点があった) (彼女ほどやり込んでいるプレイヤーなら、突然のターゲット変更に対応できると思っていたのだが、実際には間に合って居なかった) (それはもしかしたら…現実の体とアバターとの乖離が著しく、挙動イメージがついて行ってなかったからなのではないか) (何より、何故リアルの心臓を求めるのか。何故死後の提供を望むのか。その理由がもっともらしく付いてしまった) 心臓…心臓… ………そうか。君は… (マスク越しの顔を上げる) もしかして……「ドナー」を探しているのか… -- 兔矢カランコエ
- まあ、そう生まれてしまったものは仕方ない。
この世界の様に、身体のパーツをほいほい交換できればどれだけいいか、なんて思ってしまうよ。 (そんな事を軽い口調で言い、内心の動揺…自分の秘密を語ってしまった事の同様をシェイクを啜って誤魔化そうと努める) ああ、ドナーが欲しい。でも普通のドナーではだめなんだ。 私のちいさな体にぴったり合い、拒絶反応も少ない…そんな健康な心臓が欲しい。 そんな奇跡的な出会いを求めて、私はドクターになったのさ。 そして自分に心臓を提供して、私より先に死んでくれる人を求めている…まったく酷い奴だと思うだろう? それでも、私はまだ生きたいんだ。極悪人のクズになったとしても。 (そして自分の望み、願いを口にする) そんな折、バニーファイト優勝で願いが叶う…なんて話が降ってわいたんだけど どうも私はファイトには向かないらしい。戦績は落ちる一方だよ。 -- ゆかりん
- (//文通スイッチオーン!でお願いします!) -- ゆかりん
- (止めることが出来ない。続く言葉を止めることが出来ない。口火を切らせたのは自分だ)
(兔矢には、告白を止める権利が無い。) ああ…前、マツモトでラーメン食べながら、言った言葉…覚えてる? 「互いに願いを知ったら、やりにくくなるかもしれない」って。 ……正直言うとね、聞きたくなかった(ゆっくりと頭を振る) 君が、普段から嘘ばかり言って…歯牙も掛けないような人間であったのなら、どれだけよかっただろう… (嘘だった、と言ってくれないか。そう思ってしまう自身すら許せず、忌々しげに、しかし握った拳に目を落とすしか出来ない) ………… (思わず口を噤んでしまう。何が出来るというのか、何が言えるというのか) (彼女に比べたら、自分の悩みなんてどうだというのか) -- 兔矢カランコエ
- (//文通スイッチ了解しました!お返事トロトロでごめんねぇ…) --
- ああ、言ったねそういう事も。
(実際そうなる可能性はあるだろう。変に気を使わせてしまうかもしれない) それでも、私はキミのことが気になるのさ。 キミがなぜそこまで頑なに性癖を隠して、強さを求め続けるのか…と言うのを含めて キミのことを知りたい。 (まだ微妙に誤解をしたままで、自分の思惑を告げる) だからまず、私の事を話した。一方的なのは良くないからね。 (そして自分の事情について何かをしてもらおうと言うわけではない事も) -- ゆかりん
- (更に長い溜息)
完全に…逃げ道を経たれた…私の番だな …分かったよ、フェアじゃないもんね。 ただ…先に言っておくと。別に…面白い話でもない、君の好奇を満たせるような生い立ちは無いよ。 (装備欄をポチポチ) あと…ゆかりん…絶対勘違いしてると思うから、コレだけは正しとく。 アバター調整してない。こいつは「自前」のままだ(マスクを脱ぐと同時にマントも収納して、素の姿(とは言ってもバニー姿だが)を曝け出して見せる) (ノイズで歪みが与えられていた声は、貌に合った、少女の声へと戻った) ……(姿を晒すのが落ち着かないらしく)ん…えーと…何から話せばいいってか…(なかなか落ち着かない様子であったが、ぽつり、ぽつりと喋り始める) …私、昔から…なんつうか、泣き虫で、人付き合いも苦手で…さ せめて、大人しくしていれば、周囲に同調していれば……無害であれば、なんとかなるんじゃないかって思ってたんだよ。昔の頃はね。 …でも、進学したら…人間関係みんなリセットされちゃってさ。なにをどうしたらいいのか解んなくなっちゃって (眉間に皺を寄せ膝を抱え込んで) 結局……もっと駄目になったんだ。ようやく今までのやり方が失敗してた、って気づいたときには…もう、手遅れだったんだ 何を言われても効いてませんって顔でヘラヘラ誤魔化して、そのクセそんな人間関係さえも壊すのを怖がっていて いつの間にか良い奴じゃなくて「どうでもいい奴」になってて、そして…「何しても良いやつ」になったんだ。 ……成長したらこの有様だろう?この見た目のせいで、何を言われて来たか、なにをされて来たか… -- 兔矢カランコエ
- (そこまで語って、顔を上げる)
だから、私は逃げたんだよ。この世界に。自分の何もかもが嫌いになって。 正直…こうしてこのゲームに取り込まれて、喜んですら居た。ずうっとこのままで居たいとすら思った。 姿を偽れば、だれもが平等に接してくれる。それどころか…現実で持ってなかった強さを手に入れることができた。 一番下だった私がトップ争いに混じれるんだ…!そう、思った時は…とても幸せだったよ。 例えずっと一人であったとしても、戦い続けられるなら、より強くなれるなら…なんでも良いって思ってたんだ。 願いなんて、何でも良かった。ただ…10億を得て、皆に、私の強さを、価値を…!認めてもらいたかった…! 貰いたかった……はずだったんだけどなぁ…(振り向くと苦笑ともとれる笑みを浮かべた) 今日、もっとでかい、目標が出来ちゃったよ…。 -- 兔矢カランコエ
- 別に無理にとは言わないよ。私の事は私が自主的に語ったんだしね。
それに、これでダメなら別の手段も考えてある…そう、2通りほど。 (指を二本立ててにひっと笑む。しかし話してくれるのならと聞く体勢) 面白いかどうかはともかく、興味は尽きないと思うよ。 だってフレンド、いや友達の事じゃないか。 もしつまらない話だとしても、それはキミという人間を形作る情報には違いないんだから。 …って、え?調整をしてない?ということは―― (リアル超乳。そんな単語が脳裏に浮かび上がるが、それも兎矢の姿と声の変化に驚いて霧散した) おお…それがキミのアバター。いや、調整をしてないなら本当の姿というわけか。 で、でかい(噂程ではないが、どうしても目が行ってしまうサイズ) (思わず自分の胸に手をやる。こちらも大きいが、しかしそれは調整したものだ)むむむ…(ちょっと悔しそうに唸った) (進学、ということは高校生か大学生か。ぱっと見の顔立ちから考えれば中学生という事もありえる) (それが爆乳で目立ちつつ、しかし周囲に塩対応をし続け孤立してきたというわけだ) (学校での人間関係というものは、ロクに通学のできないゆかりん…いや紫には実感のないものではあるが) (漫画や本などで得た知識から察するに、イジメられてきたのだろう) 出る乳は打たれる…(そんな言葉が口をついてでた) …なるほどね。キミはここに、USSRに居場所を見つけたわけだ。 まあ逃げた先で生きがいを見つける、という事は私は否定しないよ。 ゲームだろうとVRだろうと、それを実際に体験しているからには現実の内だしね。 バニーファイトで優勝できるのなら、Eスポーツのチャンピオンとなんら遜色はないだろうし(賞金額的には遥かに上ですらあるのだ) キミが強いことは私も含めて周知の事実だろう。多くの人が認めていると思う。 それでも優勝には遠いというのが…まったく気が重くなるね(はへ、と肩を落とす底辺ランカー) 目標?10億よりも、名声、キミ自身の存在価値を確立する事よりもかい? -- ゆかりん
- ……喋ってからで、なんだけどさ…(好奇心には勝てなかったようで)その2つの手段は一体何するつもりだったの…?
うん。びっくりしたのはわかるけどさぁ…乳から離れよう?ね?(出る乳は打たれるやらなんやらを聞いて笑っている。笑うという行為は本来攻撃的なものであり獣が牙をむく行為が原点である。) ……(ほっとしたのだろう。文字通り胸を撫で下ろす)…正直、ある程度は…在り方を否定されるかと思ってた。…ありがとう。 現実のウチ…か、そんな考え方、したことなかったな。いや、私達にとっては、第2の生活みたいなもんだもんね。 もし…最強になれたらだけどさ。10億より、欲しい願いが出来たんだよ ゆかりんをベッドから開放させてくれって、願うつもりにした。 ………あっ、ごめん。カッコつけしいな…。でも、嘘じゃないから…(言っておいてバツが悪そうにしている) -- 兔矢カランコエ
- 聞きたいかい?手段の1つは買収。単分子骨格と引き換えにね。でもまあこれは無理目だろうから最終手段。
それは力づくだ。キミにバニーファイトを挑むつもりだった。負けた方が言うことを何でもひとつ聞く、そんな賭けファイトをね。 (とは言うものの、実際に戦って勝てる気はしない。事前準備でメタを張ってどうにか勝率3割…そんなところだろうか) (なので最終手段を使わずに済んだことには正直ほっとしてるのだった) お、おう…。だがわかってほしい、世の中にはそれが欲しいと願ってやまない女も沢山いるという事を…(ちょっとしょんぼりした) 私もここの存在には救われているからね。自分で歩いても苦しくならないという事がどれだけ嬉しいか…。 第2の生活、そうだね。第一のほうの生活もなんとかしたいものだが――… (言葉が止まる。続く兎矢の言葉を信じられないといった顔で聞く) キ、キミは何を言っているんだ。フレンドはいえ… こんな出会ったばかりの私のために願いを使うだって!? いや、信じていないわけではない。でも、よく考えたほうがいい。 一生に一度のチャンスだ、それを他人のために使ったりしたらきっと…。 (それは一生の悔いになりかねない。そんな気がする) -- ゆかりん
- いや…ムリ目って事はない。もっともっと、強さが欲しい。2周めに入ってから…手も足も出ない戦いさえある。もっと…
だから、単分子骨格の脚を私に授けて欲しい。勿論…以前提示された、代価は払うよ。もう…ゆかりんには隠す必要無いしね。 お願い…できる?(と、改めて、神妙に尋ねる。無論そのための臓器データの提出を飲み込んだ上で) ………現実で、自由に動けたら、もっと良いと思わない? せっかくこうして知り合ったんだし、だったら…空っぽな願いより、知ってる誰かの幸せの方がいい。 ……それに…どーせ、私が願いを叶えたら…「胸小さくしてくれ」とか頼むよ?そうだったら許せる?(珍しく悪戯っぽく) 「袖振り合うも多生の縁」って諺…キライなんだけどさ、今日ばかりは有効利用しようと思うよ。 -- 兔矢カランコエ
- 私も第2シーズンに入ってから、ただでさえ低い戦績がさらに落ちてきている…
もうすこし戦い方に幅を持たないといけないのかな。 って、おお、その気になってくれたのかい。 じゃあ時間のある時にでも私の診療所に来てくれたまえ。 まずは骨格データをとらないといけないからね。 (これは久々に大仕事になるぞ、と目を輝かせる) ああ、もちろん料金がわりにキミの身体…心臓のデータをいただくよ。 (うむり、と大きく頷く) (そして思う。願わくば兎矢の心臓が自分に合わない事を) (もし合ったのならば、きっと自分はこの優しい友達の死を願わざるを得なくなるのだろうから…) ああ、リアルで好きな場所に歩いていけたら… 旅行をしたり、いや通学や散歩や買い物を自由にできたらどれだけ楽しいだろうって思うよ。 (空を見上げ、空になったシェイクのカップを手に夢見る様に言う) って、それをすてるなんてとんでもない! 好意はうれしいけど、キミ自身の特にもなる様な願いかたをする事をおススメさせてもらうよ。 言葉と頭は使い様さ。 (そう言ってベンチから腰を上げるとすぐ傍にクズ籠まで歩き、カップを捨てる) (そして振り返り)まあいずれにせよ、まずは優勝を目指さないとだね。私にだってまだチャンスが無いわけではないしね。 それじゃ私は今日はこの辺で。帰ってパーツメーカーに連絡をいれておかないとだ。 (そう言って踵を返すと公園の出口のほうへとゆっくり歩き去っていく) (とりあえず友…人生最後の友かもしれない者への理解が深まった。そんな一時に満足しながら) -- ゆかりん
- 私にとっても得になる願いかた…ねぇ…
(特に思い浮かばない様子を見せながらも、それは一理あった) …そうだね、もっと勝ちが近づいたら…ちょっと、考えてみるよ。 …うん。じゃあまた…来週にでも。それで…強くなれるのなら。 (夢見るように語っている間、ゆかりんの顔をじっと、眺めていた) (本当に、切望しているのだろう。そして…それが夢にすぎないという現実があるのだろう、と思う。) (いっそのこと、互いの心身が交換出来てしまえば…この子は幸せになれるのだろうか…とも。) …またね。色々お世話になるけど…よろしく。(去るゆかりんを座ったまま見送って居た) (コンソールを開き、2週目の戦果を見る) ………勝たなくちゃ…何が何でも… (その風貌は、既に黒兎となって伺うことは出来なかった。) -- 兔矢カランコエ
- (診療所での身体走査から数日…ゲーム内時間で1週間弱が経過したある日の朝)
(兎矢にフレンドリストを使ったメッセージが届く、内容は――) 「おはよう兎矢。 例のブツは今日の午前中にうちに届く予定だよ。 施術はいつでも開始できる様にしておくので、予定がつき次第診療所まで来てくれ。 ああ、しばらく動けないので水分はしっかり摂って、腹は空いてるくらいが好ましいので そういう感じでよろしく。 (――というものである) -- ゆかりん
- はっ…はぁっ…
(肩で息をしながら、敵に突き刺したマチェーテを引き抜く。周囲には夥しい数の討伐対象の残骸が転がっていた) (そんな中、メッセージの着信を意味するSEが響く) ……ん。メール…? (いそいそと端末を手にして届いたメッセージに目を走らせ―) (マスクの下に隠された表情は、間違いなく笑っていただろう) ……待っていた…このときを…! (「返信:要件了解したよ。本日の午後にそっち行くね。」手短に返信をすると、足早にその場を去ったのだった) -- 兔矢カランコエ
- さて、と…。久々のオペだ。気合を入れていこう。
(兎矢からの返信を確認した後、早速手術の準備に取り掛かる) (――と言ってもこの世界は技術レベルが進んだサイバー世界。しかも同サイズ同型のサイバーパーツの交換なのでそれほど難しいものではなく) (作業自体は何かトラブルでもない限りはアッサリと終わる事だろう) (それこそ自作PCのパーツでも交換するかの様に) せっかくだし、周囲のパーツのメンテもしてしまおうとしようかな。 (そんな事を考えながら、手術台のセッティングをする) (下半身をまるごと開く事になるため、患者を吊り下げる必要がある。そのための準備だ) (そんな事をしている間に時は過ぎていき、壁掛けのハト時計が正午を告げた) -- ゆかりん
- (患者が現れたのはぴったり、正午であった)
…はろー。思った以上に…早かったね。 (いつも通り落ち着き払って…居るように装っているが、気が急いているのだろう。早足でゆかりんの前にやってくる) もう、現物自体は組み上がってるの…? -- 兔矢カランコエ
- キミも早いね。待ちきれないと言ったところかな。
(壁の時計が鳩の模型を突き出すのと同時の開かれると同時に、診療所の入口からは黒い兎が入ってきた) (その様子にくすりと笑みながらも、どうぞと診察室の向かいにある手術室。その手前にある準備室へ案内する) じゃあまずは脱いでおくれ。上はこれ…手術衣だ。で、下はすっぽんぽんだよ。 (入院着の裾をを短くした様な簡素な衣類とスリッパ、脱衣籠を手渡す) (そして手術室の扉を開き、中を見せる) (手術台のほかに、座った状態で施術できるチェアタイプの施術台) (壁際には多用な手術のための装置が置かれており、そして天井からはいくつもの枷が天井から鎖で吊るされている) (その鎖を指さして)キミをアレで吊るした状態で手術を行うよ。 足と腰を前後ともに開かないといけないからね。ベッドの上だと寝てる患者を転がすのは大変なんだ。 (そう説明しながら自分は一度その場を離れ、手術衣に着替えて戻ってくる) まあ普段のナース姿でもいいんだけど、気分ってやつだね。 (手にぴっちりとフィットするゴム手袋をハメながら言った) ああ、念のために言っておくけど、知っての通りここは正規の病院じゃない。 なので手術の結果、何がどうなっても責任はとれないよ。いいね? -- ゆかりん
- 勿論だとも。この前から…待ちきれなくてずっとうずうずしてたよ。
もっともっと、強い世界が見れるかもしれないんだ。これを楽しみにしないで…何を心を躍らせるんだい (マスクを脱げが短めの赤髪がふわりと弾む。喋りながらてきぱきと、別段恥ずかしがりも、物怖じする様子も無く着替えていく) (しかし流石に吊るされた状態で施術をされるとは思ってなかったらしく、些か面食らった様子) なんか…アレだね。アンコウを捌くヤツみたいな…(腕組みをしながらむむぅ、と思わず唸る) まぁ…それがベストなんだろう?少なくとも…君は趣味でそうするタイプじゃないだろうし。 ふぅん…?何か…大変なことになる場合もあるの…? ダメだった時は…笑って誤魔化してくれれば良いよ。もうここまでくれば、一蓮托生みたいなものでしょう? -- 兔矢カランコエ
- パーツの性能は最高峰。どれだけ無理をさせようとヒビひとつ入らないし歪みもしない。
でもどれだけ強くなれるかはキミ次第であり、キミとパーツの相性次第さ。 (マスク越しに言いながら先に手術室へ。天井から機械式のクレーンで吊るされた鎖を引き下ろし、兎矢を手招きする) 胴体2か所と頭、腕2か所ずつ、それと足首で吊るすからね。 最初はちょっと苦しいと思うけど、すぐに感じなくなるから気にしなくていい。 って、趣味ではなく効率化のためだよ。助手なしで手術をするにはこうするのが一番なのさ。 (言いながら胸の下、腹、頭部、二の腕、手首、足首に合成革の枷をハメていく) 効果の保証はできないって意味さ。 それにゲーム的には私でも約5%の確率で失敗をするからね。その時にはせっかくの最高級パーツがおじゃんさ。 (つまりはファンブル。致命的失敗。その可能性はいつでもあるのだ) そうだね。なので私がここ一番でしくじらない様、祈っておいてほしい。 何に祈るかはキミにまかせるよ。さ、体を持ち上げるよ。 (枷をはめおえれば、鎖を巻き上げるスイッチを押す) (あくまでゆっくりと、重量が分散する様にバランスを取りながら兎矢を宙釣りにしていく) 痛いとこや苦しすぎるとこはないかい?大丈夫な様なら麻酔…というか感覚遮断をするけど、いいかな? -- ゆかりん
- サイバネ施術スキルに関しては…私はさっぱりだからね。一応目と脚を施術したことは有るけどさ
細かいところは全部、ゆかりん任せだよ。 ……しかし、5%…か。 (体を固定されながら、その数字を繰り返す) (低いと見れば低いし、高いと見れば高い数字…) …思いがけないところに試練が転がってたって気分だけどね。………上等…。受けて立ってやろうじゃないか。 えぇっと…どうしようか、とりあえず…ハヴォック神にでも祈っておこうか… (ゆっくりと、視界が高くなっていく…。いよいよといった雰囲気に否応なしに胸が高鳴る) 大丈夫。問題ない。流石に、死ぬほどの痛みが出力されるようには出来てないんだろうし、そっちは気にしてないよ。 ああでも…それ以上に、手術シーンを見るのはちょっと、嫌…かな (んむむむ…と、目を閉じて) //ちょいと文通入れます…! -- 兔矢カランコエ
- えっ、それ自分でやったのかい?それはそれでおっかない話だね…。
(自分で自分を手術。それは簡単なものであっても恐怖心が先に来る。…兎矢、繊細な様だがいざとなれば度胸を発揮するタイプかと人物像を改め) 5%、20回に1回。しかし安心したまえ、リアルの医療ミスに比べれば若干確率は低い。 その神に祈るのか。手術中にどっかに吹き飛んでいかないでおくれよ? (くすくすと笑いながら鎖の上昇を止める。兎矢の足腰がゆかりんの胸あたりに来る高さ。これなら作業も楽々だ) それじゃ始めるよ?ああ寝ていてくれてもいいし、おしゃべりをしても大丈夫。 ほしければ音楽を流すよ?…大手術でも全身麻酔がいらないって楽だよね。 (壁際の端末から伸びるコードを兎矢のサイバーパーツ、表皮上のジャックへ繋ぐ) 触覚と痛覚を停止…と。どうだい、私が触ってるのわからないだろう? (兎矢のふとふとももをぺちぺちと軽く叩き、ついでに擽る。しかし特別な事がない限りその感覚は脳へ届かない) じゃあ右脚から行くか。動脈血流ストップ。人口筋肉への信号カット…OK。 (端末で脚の状態を確かめながらまずはサイボーグならではの麻酔と大量出血を防ぐための処置を行っていく) (これにより腰から下の人口筋肉がすべて弛緩、まるだしの股間から尿が溢れてくるかもしれないがそこは慣れたもの。下にバケツを置いておく) さあ脚を開いていくよ。はい、皮はぎー(メスを取り出すと、太腿に浅く刃を入れる) (それはパーツの上に貼りつけられた人口皮膚、見た目を人間らしくするための薄皮をはぎ取るためだ) (切り込みから人口皮膚をはぎ取り、その下に隠されているメンテナンスハッチを特殊なドライバーで開いていく。まずは太腿だ) (太腿の表と裏、その双方のハッチを開け、血管を傷つけない様に注意しながら厚い人工筋肉を1本1本はずしていく) 外すのは楽だけど着けるのが面倒なんだよねえ、筋肉は。 (その奥が人口の骨。人口筋肉の圧によりだいぶガタがきているサイバーパーツの骨が顔を覗かせた) ははあ…。カーボン製の骨がだいぶ歪んでいるよ。普段から随分無茶な動きをしている様だね。//了解いたした!(ズォォォォォ) -- ゆかりん
- (はっ、として)おっと…語弊があった。施術して「もらった」ことは有ると言うべきだった。そんな自分の眼球を自分で改造するほど…弾けちゃいない
なんかこう…ゲームの話になると、自分でした体の言い方になっちゃわない?店員に武器を強化してもらったのに、武器を強化「した」って言っちゃったり… (その間も順を追って進められていく処置。流石に怖いというかグロいであろうそれを見ることは怖いのでしないが) うんうん、大丈夫。感覚は無い。 しかし………その…ゆかりん?ドクターに言うことじゃないだろうけど…なんか、実況されながらバラされるのコワイ! (ぅぉぉぉ…と、小声を漏らしながら戦慄している。実際人間味の無いフレームや人工筋肉でなければなかなか猟奇的であろうトーク) なぁに、フレームの損傷そんなに酷い? …あーでもなぁ、高所から飛び降りたりなんかしょっちゅうだし…スーパーヒーローランディング(※着地時に衝撃波を発生させるアクティブスキル)とか使ったりするしなぁ… (怒られても仕方ないぐらいの自覚あった) -- 兔矢カランコエ
- キミなら強さのために…でやりかねないと思ったがなるほど、そういう事か。
まあわからなくはないね。特にNPCを使った場合は「してもらった」とは言わないかもしれない。 (その辺りは納得はいく。USSRのNPCは五感で感じる分には体臭まであり生きているかの様だが、やはり言動的には人間味は薄い) (そんなおしゃべりをしながらも、目と神経は作業に集中している。右脚の太腿から脛、そして足へ…人口筋肉を全て外し終え) ふー、本数も密度も多くて大変だった。せっかくだし人口筋肉もリフレッシュしておこうか。 (それらの人口筋肉を洗浄し、有機パーツの培養槽へ漬けこんでおく) いやあ、私はけっこうおしゃべりなのかな。黙って作業するというのがどうも苦手でね。 うん、筋肉が最大に膨張した時に接触する部分が削れているし、ところにより凹んでいるよ。 (人口のものとは言え、直接骨を見せるのもアレなので兎矢の顔の横に、台に載せたモニターを持ってくる) (そこには兎矢の激しく損耗したサイバーパーツの状態が表示されている) まあロクにメンテもせずに戦い続けていれば当然だね。こないだのボス戦のダメージだってちゃんとは治してなかったんだし。 前にも言ったけどサイバーパーツは基本的に自己再生はしない。 強さを保ちたいなら定期健診は必須だよ。 (怒りはしないが以前と同じ忠告はしておく) (そして右脚からそれらの損耗した人口骨をひとつずつ、32個取り出してこれも洗浄機にいれておく) (そしてそのまま同様に左脚も表皮を剥ぎ、筋肉を外し、骨を取り出す) あーアレかー。カッコいいよねスーパーヒーロー着地。 多人数を相手どるときにも便利そうだし。 (さて、と呟いて洗浄済みの骨を持ってくる。それは一点の曇りもない真っ白な骨のセット) (それぞれが分子1つで出来ているがゆえ、傷など付く事もなく、へこみも削れもしない…いや、できない超技術の骨) ごらん、これが単分子の骨だよ。と言っても見た目は普通なんだけどね。 この骨は、接触した体内の別の分子を傷つけない様に磁気コーティングがされている。 人口筋肉との接続箇所を除けば、体内ではほんの数ナノmmだけ浮いた状態になるんだ。すごいだろう。 (自慢する様に言いながら、一番大きな太腿の骨を兎矢の目の前に翳してみせる) こうして持ってる時も、私の手袋と骨の間は実はほんのすこーし離れているのさ。 -- ゆかりん
- お疲れ様。……お喋りなのは嫌いじゃないよ。
寧ろ、私のほうが口下手なんじゃないかなぁ? (現実に接点を持てないからこそ、ゆかりんはこうしてよく喋るのだろう、なんて考えている。) (しかし…大したものだ、こうして取り留めのない世間話をしながらも手を休める事無く施術を続けている) (インスタントスキルでサクッと終わらせるプレイヤーが多くを占める中、態々手動でのメイキングを実行しているのだ。時間を代価に技術を持って最大効果を得ていると言って良い) その通りだね、見てもらった方がいい。…んだけど、やっぱ素を見せたくなくてさ…。 (薄目で見せられた単分子骨を見る) ……(骨だ。白いので余計に「骨」に見える) (なんか不思議そうな顔をして)すごい技術を使ってるのはわかった。…けど、素直に言うとね、…なんかこう…思ったより普通の見た目だったや… 虹色に光ってたりとか、後光が差してたりとかはないんだね(そう、パッと見では違いがわからない。高度になるほど自然な外見に近づけられているとも言えるのだが) -- 兔矢カランコエ
- そうだね。でも最初にいっしょにマツモトラーメンに行った時に比べたら
だいぶおしゃべりに付き合ってくれる様になったし、嬉しく思っているよ。 (たしかに同年代の子供や、同じ趣味、同じ遊びをしている人間と話せる機会は極端に少ない) (そのせいだろうか。医者や看護師を相手にしている時よりずっと饒舌になっている。本人にその自覚はないが…) そうだったね。まあインスタントにスキルを使うだけなら服を着たままでもいける…筈だけど… それでは味気ないんだよね。せっかくドクターをしているのだし、ちゃんと治療や改造をしたいものだ。 (こうして手順を踏む事によりミス確率を大きく減らし、通常以上の成功を得られる可能性は高くなる) (そういったゲームシステム的な面を置いておいても、VRMMOというのはRPに非常に向いた場所でもあるのだ) 物体を構成している分子が1個だから、むしろ色分けなんかは出来ないんだ。 塗装しようにも磁気が塗料を弾いて定着しないしね。 って、はははゲーミングボーンがお望みだったのかい?それなら中身が見えるように ボディをスケスケにしないといけないね! (クリスタルボーイ的なものを想像しながら、骨を乗せたワゴントレイを脚の方へ持っていく) (そして骨を外したのとは逆順…足の指先から太腿に向けて単分子骨を納めていく) (もっとも骨を支えるのは腱だ。人口筋肉を取り付けねば骨はただ入ってるだけの棒にすぎない) (なので酸化を除き、栄養をたっぷり吸わせてリフレッシュさせた人口筋肉を槽から取り出し、軽く培養液を落としてこれを着けていく) (…のだが)ん…んぐぐぐぐ…!弛緩させていてもやっぱり筋肉はかた…い…! (兎矢の脚を伸ばさせ、筋肉を張った状態で取り付けていく。こればかりは力仕事だ) (1本着けてはモニターを見ながら張りを調整。そんな作業を何度も続ける) (それが3時間ほどに及び、全ての筋肉を取り付け終わるとメンテナンスハッチを閉じてふーっと息を吐く) これでメインの部分は終わりだ。ミスなど無いかどうか…筋肉に信号を送れる様にするよ。 まずはゆっくりと、準備運動かストレッチでもする感じで曲げ伸ばししてみてくれ。 (そう告げて、遮断していた下半身への電気信号と感覚をONにする) 痛いところとかあったら言ってほしい。 -- ゆかりん
- …そうかなぁ?……(天井を見る)…そうかも。
(なにせ、ソロで活動していた頃は喋っているところすらレアな扱いされていたぐらいだ) (その点で言えば、偶々迷い込んだから会話の糸口が出来たのは奇遇であった。) なんつーか…アレなんだよね。背丈も近いし…なんかこう、年代が近そう、っていうか…そういうトコあってさ…。 いや、…違ってたらゴメンだけど (そこら辺のシンパシーは、互いに思っている所もあったのだろう) へぇ〜…えぇぇ…レーザーは効かない特製のボディかな…? や、やだよそんなのぉ…!特殊にも程があるじゃあないか! (爆乳スケスケクリスタルボゥイを想像する。見た目のインパクトは絶大だろう) (――3時間に及ぶ激闘の末、無事装着は完了したようだ。) (実に医療とは、力仕事である…) ……はー、ふー…超、おつかれさま。よしよししてあげたい気分だよ よしっ、それじゃっ…!(遮断していた感覚が復活すると、ぐぐっと足を込め) うっ…おおっ……!や、やっぱ初回はきっつ…! (神経接続の独特の感触と、解れ切っていない筋肉の感覚に悶え) た、たぶんっ、だいじょう…ぶっ!(ぐんっ、と足を伸ばして見せた。ひとまず大丈夫そうだ) -- 兔矢カランコエ
- 年代か。そうだね…この際言っちゃうけど私はリアルでは中学生だ。
まあ学校にはまるで行けていないけどね。 (その辺のリアル事情を思い出すと暗澹としてしまう。普通の子に比べて勉強はどれだけ遅れているやら) (できれば高校や大学に行ってみたいとは思っているが、二重の意味で無理そうである) そうそう、ビームがすり抜けちゃうけど物理はよく効くボディさ。 ああいうのもSFのサイボーグっぽくていいよね。 (女性型だとクリボーよりもガラスのクレアっぽくなるのかな?等と想像したり) …ああ、とにかく筋密度が高くて大変だったよ。でも緩めた状態で着けるといい張りにならないし、ここは仕方ないね。 (リフレッシュされた新品同様の筋肉は、兎矢のリクエストに完璧に…いや過剰なほどに反応する) 骨に関してはそもそも装着感などは無いからね、実践である程度の期間使ってみるしかないよ。 大丈夫か。それじゃ降ろしていくよー。 (クレーンを操作して兎矢の身体を脚が床に着くまで降ろす) (それから腕と胴体の枷を外し、足のそれも外そう…として手を止める) そうだ。せっかくだし引きちぎってごらんよ。 (悪戯っぽく言って笑む。枷は合成の革。鎖は鋼鉄。常人はもちろん並のサイボーグでも無理目の要求だ) -- ゆかりん
- え……
(まさか、カミングアウトされるとは思って居なかった) ……あー…奇遇、だね。実は…私も中学生だったり…して。 実際は中学生モドキっつーか…まあその…気にしないで…&br; (学校なんて行かなくたって…なんて、言えたものではなかった。「行きたくない」と「行きたいけど行けない」の間には大きい大きい隔絶が存在するのだ) ん〜…ほっ。…よしっ (無事、立つことも出いているようだ。そのままで) …………えー?そんな…ヒーローみたいな事できるかなぁ…? (突然の提案に苦笑する。多分何らかのジョークなんだろうと、思い切り力を入れ――) (バツン。) (何かが千切れ飛ぶ音とともに、振り上げた脚が高々と上がる。見れば合成皮革と鎖を繋ぐ箇所が引きちぎれて居るではないか) !?………やっべ。 (できるだけやってみて、ムリだってば〜アハハハハ という流れを期待していた。というかそうなるものだと思っていたのだが) マジ……。(その様を見て唖然。しかし) ……いや、いい、いいね…!ははっ、ゆかりん…やってくれるじゃん…っ! (表情に生気が漲る。今にでも戦いに繰り出したいと言わんばかりに) -- 兔矢カランコエ
- (ゆかりん、いやプレイヤーである紫にとって最早そのあたりを隠しておく意味はあまりない)
(既にリアル事情は、自分を特定するに足るだけの情報は話してしまっているのだ) おおー、キミも中学生!?もすこし上かと思っていたよ。 そうか、キミもあまり学校に行けていないんだね。 (気を遣わずにズバッと言う) (ネトゲにどっぷりな人間、それがどこかマトモではないのは以前に話した通りだし) (兎矢がその特異な容姿ゆえ、社会なり地域なり団体なりに溶け込めてないのは察していた事だからだ) まあそのことは置いておいて、さあフルパワーだ。思いっきり骨に…フレームに負荷を掛けてみたまえ。 って、うわ!?ひと蹴りでかい。もすこしこう…踏ん張る形になるかと思ったが…。 (兎矢のサイバーレッグと端末はいまだコードで繋がっている。長さに余裕のあるコードが切れなかった事に安堵しつつ) (今の蹴りの負荷、そのパワーと、パーツの消耗率をモニターで確認する) うん、やはり脚部フレームの消耗はゼロだ。筋肉はまあ従来通りだね。 メイン術式完了。あ、でも数日は慣らし運転のつもりで使っておくれよ。 (今すぐにでも強敵に挑みに行きそうな様子の兎矢に一応と釘を刺しておく) それとまだ表皮を貼ってないからね。 そんでその表皮についてだが…感度3000倍、は無理だけど10倍くらいなたできるけど、どうする? (それは基本的にエロ目的に使用されるパーツであり、闇医者ならではの取り扱い品だ) (まあ念のため、という感じで聞いておく) -- ゆかりん
- う゛っ…!その…通りです…ッ!
(学校に行けてないんだねとズバズバッと言われるとガードをすり抜けて泣けるレベルのダメージが行く。病床の少女と不登校では後ろめたさが違う) 元々…がっつり強化してあったのを、更に更新したからね…。 私もここまでブン回せるものだとは…思ってなかったけど(蹴り上げた脚を試すようにぷらぷらさせて見る。問題ない) ……んぅん…慣らし運転…しなきゃダメ? …ダメだね。はぁい…。…次のマッチングまでに仕上げておくかぁ… (刺した釘が効く程度にはのっけからそれなりに暴れる予定だった模様) ………ナンデ?10倍ナンデ…? (素で聞き返す。根っからの対人勢だった) 触感強化しても、被弾ダメージがデカくなるだけな気がするし…いや、むしろ… (表皮を入れるか、その選択にちょっと考え込む) もう装甲以外は剥き出しでも良いぐらい。なんつーか、以前よりタフな使い方しそうだからね… -- 兔矢カランコエ
- 別に負い目に感じる事はないさ。その分だけ別の事に力を注げばいいんだ。
(でも何時の日にか、兎矢の中の人が自分に自信をもって人前に出れる様になるといいな…とも思うのである) (そのためにもバニーファイトで優勝してほしいものだが、先日発表された第2シーズンまでの戦績は正直芳しくない) (今日の手術がこの状況を打破する一助になる事を祈るばかりである) どれだけ優れた機械でも慣らしは必要なものさ。まあ単分子骨は壊れないけど、その分、筋肉や腰に負担がいく筈だからね。 そのあたりの変化に慣れておかないと危ないよ。 (力が増したなら、より強く脚を振るえるなら、その反動も当然増える) (そういう意味では全身一律単分子フレームに替えてしまうのが理想だが…予算が心元ないのだ) ああうん、一応聞いただけだよ。キミの場合痛覚を抑える皮膚か あるいは耐刃、耐酸のものを貼るのがいいだろうね。触り心地はちょっとごわごわになるけど。 (いい太腿なのにもったいない。と言った感じでおススメを口にする) まあ貼るならそこのチェア型の施術台に座りたまえ。 貼らないならパンツはけ。 -- ゆかりん
- おっけおっけ…わかったよ。ちゃんと、主治医の忠告は聞いておくよ
(再三慣らしの必要性を説く彼女の言に押される形で納得の意思を示す。とてもじゃないが無下にする気にはなれなかった) (本当に医者みたいだ…いや、面倒見の良さはそれ以上だけれども) お…あるんだ、耐刃! そうそう……そういうのがあるならよりベスト…! (まるでそこに収まるように出来ていたかのように施術台にすとんと座る。実に現金) ん、貼らないなら…?………あ゛。 (すっかり、下着を着用していないままだったのを忘れていた。羞恥とも気まずさとも取れそうな表情に様変わりしたのであった) -- 兔矢カランコエ
- そうしてくれると助かる。ちゃんと定期的にメンテにも来るんだよ。1月に1度くらいでいいから。
(指を1本立てて告げる。耐刃の人口皮膚に食い付いたのを見れば、やはりそれかー…となって) アラミド繊維の網を埋め込んだ皮膚だよ。マジで感度割るくなるし、触った時に網のデコボコが分かるから女の子にはおすすめしたくないんだけどねえ。 まあこればかりは本人の選択だし仕方ないか。 (感度10倍にするのは諦め、一度診察室に戻ると耐刃の皮膚を持ってくる) (皮膚を貼る作業は難しくない。生体用の接着剤で張り付けていき、余った分をカットするだけだ) 終わったらシャワーも浴びていくといいよ。下半身を麻酔してする出術はどうしても汚れてしまうからね。 (言いながら皮膚を貼る作業をサクサクと進め、終える。指周りが少々面倒ではあるがそれもスキル値が高いので滞りなく終える) はい終わり。皮膚が完全にくっつくまで1時間くらいかかるから、それまでは暴れないように。 …と、これで全部終わりだね。お疲れ様。 (はふーと息を吐いてマスクと帽子を脱ぎ去る)あとはキミ次第だ。新パーツをどれだけ使いこなせるか。 時間との勝負になるだろうけれど、頑張ってほしい。 (シャワーを浴びて着替えたら帰って大丈夫だよ、と付け食わえ、浴室の場所を指さしてから後片付けをはじめるのだった) -- ゆかりん
- 1ヶ月に1回…意外と少なめだった。そんぐらいなら…私でも行けるかな。忘れてなければ…だけど。
普通の皮膚が必要になったら…また、張り替えてもらうさ。ゆかりん、そこらへんのスキル高いだろうし… (いいでしょー?と言いたげ。言うは易しである) じゃあ、ありがた〜くシャワー、借りるね。 (借りる前に、一息ついたゆかりんに振り向く) …お疲れ様、……ありがとう。 (ゆかりんに負担をかけてまで手に入れたものだ、決して無駄にはしまい。そう…胸の内に秘め。) (…手術は無事終了した。果たして結果につながるのか、それは…神のみぞが知るだろう) -- 兔矢カランコエ
- ああ、その時にはしっとりすべすべ赤ちゃん肌の表皮を用意しておこう。
(ただただキメ細かく、肌触りがいいだけのサイバースキン。そういうのもあると言って頷き) こちらこそだ。キミの活躍に期待しているよ。 (トップとの差を思えば自分にはすでに勝ちの目は無い。それが判っている以上、最後の希望は兎矢なのだ) (なのでそう告げて自分は手術室を出る。とりあえず診察室のベッドに横たわってひと休みだ) ……(そう言えば、と思う) (兎矢は優勝できた場合の願い事は決めたのだろうか?) (その事も話せばよかったな、と思いながらゆかりんは眠りに落ちていくのだった) -- ゆかりん
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