お話ログ Edit

登場人物とか Edit

  • アトイ:JC、ドラゴン連れた不思議ちゃん(?)
  • クレハ:JC、たまに人魚とかになる。

わくわく動物フレンズにサンキュー Edit

  • 枝 -- アトイ 2017-10-29 (日) 22:37:08
    • 放課後のことだった。端末に学校からの通知が入り、部活や帰りの生徒達でざわつく校内にアナウンスが流れ出す。
      『現在、学校敷地内に大型の鹿が侵入しています。生徒は校舎から出ないようにしてください、繰り返します…』
      端末に入った通知も同じ内容だ、よほど緊急らしい。アトイは端末をポケットにしまうと、鹿?奈良県民?
      と騒ぎながら窓に駆け寄る生徒たちの後ろでひょい、と机に飛び乗った。
      果たして無人の校庭を、大きな湾曲した角を持つ生き物が悠々闊歩しているではないか。
      「…アイベックスじゃないですか」
      机から降りてクレハの方を振り返る。 -- アトイ 2017-10-29 (日) 23:35:10
      • 「あいべっくす?鹿と違うの?あ、トナカイさんの仲間?」
        聞き慣れぬ名を聞いてクレハが小さく首を傾げた。同時に丸っこい生物が同じ様に首を傾げた。
        「君も知らないかー」
        クレハが問い掛けながら撫でるとその丸っこい生物は目を細めモヒモヒとクレハに鼻面を押しつけてきた。
        犬でも無ければ猫でも無い、コアラに似ているが耳は小さく尖った長い爪も無い。
        双前歯目ウォンバット科…そのままずばりウォンバットだ。 -- クレハ 2017-10-29 (日) 23:59:46
      • 「アイベックスはヤギの仲間で、ウシ科の生き物です、トナカイはシカ科ですね。
        トナカイやシカの角は枝角と言って枝分かれした形ですが、アイベックスの角は枝分かれしませんし生え変わりもしないのです。…それ、どっからもってきたんです。」
        クレハに撫でられて、人懐っこい犬のようになってるウォンバットにアトイは首を傾げ。 -- アトイ 2017-10-30 (月) 00:11:57
      • 「鹿っぽいのにヤギの仲間なんだ?トナカイさんとは違うんだ」
        アトイちゃんは博識だねーと感心し頷くクレハ。丸っこい生物…ウォンバットも同じ様に頷いた。
        そして、それと聞かれれば、これ?とウォンバットを指差すクレハ。
        「んっと…そこ歩いてたの!迷子になったのかなぁ?」
        今度はクレハがアトイと同じ様に首を傾げ。さらにウォンバットも首を傾げる。

        先のアイベックスもそうだがウォンバットもこの街に生息する様な生き物ではない。
        この特殊な都市で野生の生物達が暮らす事は極めて難しく
        さらに個人での生物の育成や飼育においても制限がともなう。
        これは何かおかしい…アトイがそう考え始めていると……
        『クレハちゃんそれどうしたの?ペットかな?』『私知ってるタスマニアデビル!』
        ウォンバットに気付いた生徒達が騒ぎ始めた。 -- クレハ 2017-10-30 (月) 00:26:32
      • 「生息地はかぶってますが、ウォンバットですね。ウォンバットはウォンバット科、タスマニアデビルはフクロネコ科です…」
        みんなかわいい闖入者に夢中でアトイのつぶやきは聞いてない。アトイも人だかりでわいわいやってるのが苦手なので、押しやられるように脇へよけていく。
        「うひゃぁぁあぁあ!?」
        「ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛」
        すると今度は廊下から女生徒とフクロテナガザルの悲鳴がシンクロして響く!がらりと戸を空けたアトイの眼前をコンゴウインコが飛びすぎて、ニホンジカの群れが走りすぎ、廊下の窓にニホンザルによく似たアカゲザルが腰を下ろしている。
        すでに校舎内まで動物園状態だ。悲鳴や鳴き声が入り混じり。物珍しさに釣られる者、めったに見れない生きた動物を目の前に怯える者、教師たちも慌てて生徒たちを避難させようとしているが、混乱するばかりである。
        「なんだこれ…」
        呆然とするアトイを、ぼやっとした顔の柴犬が見上げると、チャッチャッと足音鳴らして通り過ぎていく。 -- アトイ 2017-10-30 (月) 01:06:41
      • 「もう大混乱だよ」
        柴犬を見送りながら呆然とするアトイの耳に声が聞こえた。クレハの声だ。
        しかし聞こえる位置が少しおかしい。アトイの背よりも普段聞き慣れたクレハの背よりも上方から。
        「アトイちゃんこれって……」
        アトイが見上げればそこにはヘラジカに襟元を咥えられたクレハの姿。
        ぷら〜んと釣り下がる姿が親猫に咥えられた仔猫の様でちょっと可愛いかもしれない。
        「へにゃ…!」あ、落とされた。
        「もっと丁寧に降ろしてよぉ!」
        ヘラジカに抗議するクレハだが、ヘラジカとはこんなに人に友好的な生き物だったろうか?
        確かに混乱の状況にはあるが人的被害は無いように見える。
        勇ましく悠々と歩くライオン、トリックスターの様にイタズラをする猿達。
        どれも人のイメージする所の動物達の姿だ。 -- クレハ 2017-10-30 (月) 22:25:26
      • 「うわっ…でっかいー…」
        初めて本物のヘラジカを見たアトイは、真顔で驚いた。本当にびびると人は唖然とするものだし、ヘラジカの体高は3mを超えることもある。四つん這いなのに人より背丈が高いのだ。
        しかし相手がどんなに偉大な生き物だろうと一切物怖じしないのもアトイである。
        アトイの背後で、ミニサイズだったドラゴンがむくむくと大型化してヘラジカと同じ目線で真正面から睨み合うと、ヘラジカはゆっくりと向きを変えて去っていく。
        「…行きましょう、混乱に乗じた方が都合がよさそうです」
        へたりこんだクレハに手を差し伸べながら言う。 -- アトイ 2017-10-30 (月) 23:26:01
      • 「アトイちゃん対抗意識燃やしてる?…ありがと♪」
        アトイに笑みを送るとその手を取り立ち上がるクレハ、そして去って行くヘラジカに空いた方の手を振り見送った。
        「やっぱりこれっていつもの奴だよね?」
        スカートを軽く払いながらアトイに問いかける。
        『いつもの』とはアトイとクレハが関わり続けている記憶素材による現象の事。
        もしそうであるならば早急になんとかせねばこの混乱が収まる事は無いのだろう。 -- クレハ 2017-10-30 (月) 23:52:30
      • 「でしょうね」
        手を引いて歩き出しながら、アトイは頷く。周りはどったんばったん大騒ぎ中なので、動物達と人の流れに逆らって歩きだす二人を止める者は居ない。
        「突然学校内に溢れ出したということは、ここにつながる地下階層で動物たちは発生したのでしょう」
        大きくなったドラゴンは首を地面すれすれに下げて、口を半開きにしつつワイパーみたく頭を動かしている。 -- アトイ 2017-10-31 (火) 00:10:58
      • 「なら急がないと…ほわ」
        クレハも頷き歩き始めるが、この混乱の中まるで海を割るモーゼの如く二人の進む道が出来て行く。
        アトイは時折不可思議な力を発揮するが、これもまたその一つなのだろう。
        「…やっぱり地下だよねー…口で匂いわかるの?」
        口を半開きにするドラゴンを見れば首を傾げるクレハ。
        なぜか付いて来ていたウォンバットやぼやけた柴犬が鼻で匂いを嗅いでいるから余計不可思議に見える。 -- クレハ 2017-10-31 (火) 00:27:18
      • 「口開けてた方が匂い感じやすくないです?」
        ちなみにアトイのドラゴンは、比喩的な意味でなく自身の身体の一部だ。なのでアトイは、よくドラゴンの方の五感も自分の感覚のように言うし、今の場合実際ドラゴンの口内には匂いを感じる器官でもあるのかもしれない、ヘビみたく。
        「出てきた場所が1つなら、動物たちの匂いの濃くなる方へ行けばいいと思ったのですが、どうやらアタリのようですね」
        -- アトイ 2017-10-31 (火) 00:47:14
      • 「そうかなぁ?はぁーふぅー…?」
        試してみるもよくわからないと言った顔で首を傾げるクレハ。そう言うものだろう。
        「ん?あ…こっちなんだね?そうなると少し覚悟した方がいいかな……」
        このまま出所へと至るならば、さらに多くの動物達と出会うと言う事。
        もしかしたら一気に押し寄せてくるかもしれない。 -- クレハ 2017-10-31 (火) 01:01:08
  • 途中関係者以外立入禁止の札のかかった戸を何枚か通り、二人は学校の地下区画に出た。
    ぶち破られてひしゃげた鉄製の扉の奥は都市構造体へ直結している。薄暗い蛍光灯に照らされた室内に、真っ黒な洞窟が不気味に静かに口をあけている。
    「匂いはしていますね、ですがみな広い階層内に散らばっているようです」
    暗がりに躊躇せず、アトイは扉の向こうへ入っていく。真っ暗だと思ったが、入ってみるとあちこちに点在する照明のおかげで
    薄ぼんやりと周囲は明るかった。無人の工業地帯のような雰囲気の都市の骨格内部は、およそ自然とは結びつかない空間である。
    ただ、むき出しの鉄骨やパイプの隙間から除く階層の広大さだけは、山や大渓谷の威容に似る。 -- アトイ 2017-10-31 (火) 01:27:49
  • 「ん〜匂い?私にはわかんない」
    クレハも試しにと鼻をスンスンとしてみるが鉄と埃、建材等の独特の匂い以外感じる事が出来ない。
    対してここまで付いて来たウォンバットや柴犬は何かの匂いあるいは気配を感じているのか、落ち着きなく鼻や耳を動かし続けている。
    「こうなると…みんなの感覚だけが頼りかな?」
    コンクリートジャングルと言う言葉があるが、ここは言うなれば鉄のジャングルだ。
    作業孔は洞穴、縦横無尽に渡る鉄骨やパイプは木の枝、垂れ下がるコードは蔓草。
    動物達にとって隠れ潜むには十分すぎる環境が整っている。 -- クレハ 2017-10-31 (火) 23:54:09
  • 「暗がりに身体が馴染んでくると、だんだん見えるようになりますよ。自分の心音に意識を向けてみてください、肌で気配がわかりやすくなりますよ」
    そう言いながら、アトイは先に立ってさっさと歩きだす。足元もおぼつかない暗さだが、慣れたものである。 -- アトイ 2017-11-01 (水) 00:28:32
  • 「目は馴染んで来たけど…自分の心音に…?んー?」
    なんだかんでで現代っ子なクレハ、そう言う感覚を理解するのは難しい様だ。
    それでも胸に手を当てて意識を集中すれば、トクントクンと鼓動する心音が聞こえてくる。
    同時にさわさわとした気配が……
    「この感覚かな…?…ほわ…!?」
    感覚ではなく何かの生き物がクレハの足元をすり抜けて行った。 -- クレハ 2017-11-01 (水) 00:43:13
  • 「キツネです、こっちを見てますね。…ちょうどいいのであいつから狩りましょう」
    何やら物騒なことを口走ったアトイがポケットからずるずるとやたらと長い物を引っ張り出す。絶対ポケットに収まらないサイズだが、
    アトイ曰く、全裸ならともかくポケットがあるなら物をしまえるのは当たり前じゃないですか。
    理屈は深く追求しない。それより出した物の方が問題だ。それはどっからどう見ても自動小銃だし、しっかり構えて狙いを定めている。 -- アトイ 2017-11-01 (水) 01:02:12
  • 「きつねさんかぁ…びっくりした…え…?」
    蛇等の怪しい系の動物で無いと知ればクレハはほっと息を吐いた。そもそも感触的に体毛あったからね。
    しかしアトイの続く言葉を聞き取りされた物を見れば目を丸くし驚いた。ウォンバットもびくっと驚いた。
    「まってまって狩るってどう言う事?」
    物理法則を無視した収納にも驚いたが、それよりもアトイの放った物騒な一言の方がクレハには重要であった。 -- クレハ 2017-11-01 (水) 01:19:41
  • 「これで撃ち殺すって意味ですよ」
    さらりと言って、引き金に指をかけると静かに装置の電源がONになり、銃の背に沿ってホログラムのガンサイトと射撃に必要な様々の情報が現れ、中央にオレンジのリングが表示された。リング内にキツネの姿を捉えると、標的をロックした合図にリングは無音で緑へ変わる、アトイはそのまま引き金を… -- アトイ 2017-11-01 (水) 01:43:22
  • 「だ、だめだよぉ…!?きつねさんにげてー…!!」
    あまりにもと言えばあまりにもなアトイの発言。クレハは絶叫に近い声を上げてしまう。
    その絶叫にきつねはぴょんっと大きく飛び跳ねた後、物影へと隠れてしまった。
    同時にアトイとクレハの周囲から多数あった気配が離れて行くのを感じる。 -- クレハ 2017-11-01 (水) 01:57:35
  • 銃弾は大きくそれて暗がりに火花をちらした。アトイの覗くガンサイトには東亜重工電子書体で射程外と表示されている。
    「びっくりして外しちゃったじゃないですか。危ないですよ本物なんですから」
    かなり本気でびびったのか、クレハを睨むアトイは、むすっとした顔になってる。 -- アトイ 2017-11-01 (水) 02:11:26
  • 「その危ないのがきつねさんに当たったらもっと危ないの!」」
    同じ様にむすっとした顔になっているクレハ。あまり迫力が無い。
    双方に抗議の理由があり、むすっとした顔同士のにらめっこが続く。
    「う、うー……」
    やがてクレハの瞳がうるっとなった。 -- クレハ 2017-11-02 (木) 22:36:02
  • 「どのみち元に戻せば消えるのですよ。これが一番てっとり早い…」
    何やら剣呑な雰囲気を感じてか、柴犬とウォンバットが、しきりに鼻をクレハに押し付けて慰めてるみたいにするものだから。
    アトイはちょっと気まずそうに目をそらし、銃の電源を切るとポケットにしまった。
    「…放ってはおけませんよ。珍しく大規模な事ですし…目撃者も多いので、原因が地下階層だと知られる前に片付けたいのです」
    -- アトイ 2017-11-04 (土) 00:18:42
  • 「うん、それはわかってる!でももっと穏やかな方法を捜そう?」
    うるんだ瞳を指でこするとにぱーっと笑みを浮かべるクレハ
    そして、ね?っと小さく首を傾げれば、柴犬とウォンバットも一緒に首を傾げた。
    アトイが銃を降ろし胸ポケットへとしまった事で場の空気は収まったが。
    しかしそれは新たな手段を捜さねばと言う事になる。
    「とりあえず…そっと近付いて捕まえてみよう!」
    そう言ってクレハはそっと立ち上がるとキツネが逃げ込んだ物影へと近付いて行く。 -- クレハ 2017-11-04 (土) 00:32:28
  • すると、クレハの頭の上にのすっとドラゴンが顎をのっける。
    「近くにはもう居ませんよ。双眼鏡代わりです、目を閉じてみてください」
    そういうとアトイは何やらごそごそと準備しだす、探すのはクレハに任せるということだろうか。 -- アトイ 2017-11-04 (土) 00:45:58
  • 「ほわ?んっと目を閉じるの?こうかな……」
    頭の上にドラゴンの顎を感じながら、アトイに言われるまま目を閉じてみる。
    すると……
    「わ?わ?暗いのによく見えるー!?」
    急に視界が大きく開けた。見ているのは自分ではない、しかし自分の視界として。
    いや、自分の視界以上に見える。 -- クレハ 2017-11-04 (土) 00:53:57
  • クレハが自分の目を開くと、夜の工場めいた薄暗がりがあり。再び閉じると急激に明度が増し、視力も視野までも拡大されるのだ。
    レーダーや赤外線カメラで得た情報を、視覚化して装着者に見せるヘッドセットは実際ある。しかし、プロ用の物でもドラゴンの目には敵うまい。
    「それで獲物の数や位置を見ておいてください」
    と声をかける背後のアトイの姿まで振り返らずに見えるのだ。
    色は古い写真みたいで褪せているが、動物たちの姿は明るく見え、物陰に隠れるネズミ1匹1匹の髭までかぞえられそうだ。
    この目は透視までできるらしい。辺りを見回せば、今まで見えなかったかなりの数の動物達がこちらを遠巻きに取り囲んでいるのが見える。
    柱や梁、構造物の高低差や壁の突起を利用して、3次元的に自由に動き回る様はまさにジャングルを彷彿とさせた。 -- アトイ 2017-11-04 (土) 01:12:50
  • 「すごーいすごーい!これがアトイちゃんの視界なんだねー」
    ドラゴンの視界を得て驚きのまま周囲を見渡すクレハ。
    普段ならば見えない物まで見える。遠くなのに側にある様にその質感までも。
    その視界になれると闇の中で蠢く姿…動物達だ!その姿が見えてきた。
    「わ?後ろまで見える……」
    振りかえらずとも後ろにいるアトイの姿が見えた、しかし……
    「ちょっと…まって…見えすぎてクラクラしてきたの……」
    そう言ったクレハの頭がふらふらしはじめた。
    所謂3D酔い…この場合4D酔いとも言えるかもしれない。 -- クレハ 2017-11-04 (土) 22:13:16
  • 「あ、私の視界までぐるぐるしてきました…」
    ドラゴンはアトイの身体の一部なのである。クレハの4D酔いがドラゴンを通じて伝わってくる…。
    するとドラゴンがみるみる小さくなって、クレハの頭の上にしがみつく格好になった。同時に視界も縮小し、解像度が下がり市販の赤外線カメラぐらいの視界に。 -- アトイ 2017-11-04 (土) 23:16:29
  • 「……はふぅ、これなら大丈夫かな…?アトイちゃん大丈夫…?」
    そう言いながらドラゴン→ミニドラと一緒にアトイの方へと振り向いた。
    先よりは精度も視界も狭いがそれでも見える情報量は普段よりも多い。
    「あ…?だんだんわかるようになってきた……
    酔いも収まり視界が馴染めば、視界の中に動く物を認識出来るようになって行く。 -- クレハ 2017-11-04 (土) 23:41:49
  • 「ちょっと変な感じしますが、大丈夫です」
    目頭をもみながらそういうアトイの前に、今度はずらずらと大量のモノが並べられている。
    見慣れないものもあるが、バネ式のねずみ取りとか、金網のカゴとか、アニメで見るまんまの形のトラバサミとか…どうみても罠の数々である。 -- アトイ 2017-11-04 (土) 23:47:26
  • 「よかった…んっと?これは何かな……」
    頭に乗ったミニドラを撫でながら、アトイが並べて行く物に首を傾げるクレハ。
    聞かずとも形状を見ればクレハにもおおよその想像はつくし、アニメ等で見た事のある物もある。
    これは所謂罠と言う奴だ。しかも物によっては動物達に致命的な一撃を与えかねない物も。
    「えっとえっと…これ使うの…?」 -- クレハ 2017-11-05 (日) 00:05:07
  • 「殺さずに捕らえればよいのでしょう。はい、オーソドックスな籠罠に、小動物用の粘着シートもあります。
    こっちのは反った竹が戻る力を利用して逆さ吊りにする奴ですね。バリエーションで弓矢を撃つやつもあります、通常毒矢ですがこれは睡眠薬です。
    こういった原始的な罠を発展させたのが、バネで作動するトラバサミです大型の獣はこれで捕まえます。
    それから、これは対人用のスマート地雷ですが、殺傷ではなく無力化するのにも使えます。効果範囲に獲物が入ったら端末に通知が入るし、遠隔で操作もできます。それからー…」 -- アトイ 2017-11-05 (日) 00:32:33
  • 「罠もだめぇ!バチンっとかビリッとか痛いし……ううっ」
    実際に自分がかかる所を想像してしまったのか、クレハはその場に屈むと頭を抱えてプルプル震えだした。 -- クレハ 2017-11-05 (日) 00:44:39
  • 「えぇー…これもですかー?んもぅわがままですねぇ…分かりましたじゃあ私が全部丸呑み…」 -- アトイ 2017-11-05 (日) 00:57:11
  • 「むぅーだってぇ……丸呑み!?食べちゃうのもだめー!」
    再び駄目出しするクレハ。二人のやりとりに疲れたのかウォンバットと柴犬はウトウトしている。
    「とーにーかーくー!別の方法を試してみようよー」
    物は試しと近くにいた兎さんにおいでおいでしてみるクレハ。 -- クレハ 2017-11-05 (日) 01:16:00
  • 「ほぅ、結構寄ってくるもんですね」
    アトイはサンタクロースみたいな大袋を担いでいる。うさぎが手の届きそうなところに来た瞬間。
    「はい、そこで捕まえて!」 -- アトイ 2017-11-05 (日) 01:33:38
  • 「うさぎさーんこわくないですよぉ…はい…!」
    ぴょんっと兎に手を伸ばすクレハだが、しかし……
    逃げられました……
    「ううっ……」
    つっぷしたままプルプルしてるクレハ。
    それを慰める様にウォンバットと柴犬が頭を鼻面でふにふにしてる。 -- クレハ 2017-11-05 (日) 01:40:40
  • 「大丈夫ですか?」
    クレハを助け起こしつつ、アトイはどこからともなく取り出した動物捕獲用の網を構える。 -- アトイ 2017-11-06 (月) 23:34:43
  • 「動物さん捕まえるのって難しいねぇ……」
    アトイに助け起こされながら乱れた制服を整えるクレハ。
    「それなら上手くいくかなぁ?あ、でもあんまり痛くしないようにね?」
    流石に素手で動物を捕まえる難しさに気付いたのか、網で捕獲は妥協点とした様だ。 -- クレハ 2017-11-06 (月) 23:45:00
  • 「大丈夫ですよ、とりあえず小動物から捕まえていきましょう」
    そう言うと、パイプの上に止まっていたセキレイににじり寄り、後ろからそーっと網を近づける。
    アトイはこういった構造体内で過ごす時間が長いと言うし、気配を消すことも得意だ。十分に近づいたところでサッと網を振り下ろす!鳥は羽ばたき飛翔!
    「むっ…結構すばしっこいですね」
    別の配管の上に居たアメリカアカリスに狙いを変えてやってみる、先の要領で近づき至近距離から網をかぶせる!アカリスはすり抜けるように柱の隙間へダイブ!
    アトイはポケットから出した餌をばら撒く。現れるアライグマとレッサーパンダ、まんまと両手で餌を食い出したところへ網!
    しかし振り下ろした時には、すでに2匹はアトイの足の間をすり抜ける!なんたる野生の反応速度!足をすくわれて転ぶアトイ!
    「………」
    立ち上がり、網を持って猛然と駆け出す。行く手にプレーリードック!網をかぶせたと思ったが、残念そこは巣穴の上だった。しかし諦めない、今度は手すりに飛び乗り、頭上に張り巡らされたパイプへ乗り移り、カニクイザルの群れを襲撃!反撃!撤退!
    脇をすり抜けるタイリクモモンガへ網をスイング!顔面にへばりついた後、飛んでいくモモンガ!ヴェローシファカ!意外と早い!ドール!ほぼ野犬!パス!キングコブラ!近づけない!ブラックマンバ!コブラよりやばい!ミツユビナマケモノ!なんなくゲット!ふたたび野うさぎ!巣穴!トウキョウトガリネズミ!モグラ!イリオモテヤマネコ!天然記念物!オポッサム!どいつもこいつもすばしっこい上に警戒心が強い上に見た目以上に攻撃力が高い!ニホンザルヤバイ!爪痛い!うり坊!うり坊やった!親ァァァァァァァッッッ!!!
    「ふー…っ!ふーっ!」
    そしてミナミコアリクイと威嚇ポーズで対峙する満身創痍のアトイは、網をかなぐり捨てて銃を取り出す。 -- アトイ 2017-11-07 (火) 00:30:42
  • 「うん、大きいのは難しいもんね……」
    クレハの身長体格的に大型生物に挑んで吹き飛ばされるのは必然であった。
    そんな訳で小さな動物に狙いを定め捕獲に挑むのだが……
    「ハリネズミさーんまってー…ああん、そっち行ったら通れないよぉ」
    追えば猛ダッシュで逃げるハリネズミ。このハリネズミ途中から回転運動で逃げ始めましたよ?
    結局壁の隙間に逃げ込まれました。
    「…はふぅ…小さい子達でも難しいよ、アトイちゃんの方はどう…?アトイちゃん…?」
    アトイの声がする方へと向けば、そこにはカートゥーンアニメの様な展開を繰り広げるアトイの姿があった。
    「わぁ……、え?アトイちゃん!?」
    そして銃を取り出すアトイを見れば制するために飛び付いた…あ、こっちは簡単に捕まった。 -- クレハ 2017-11-07 (火) 00:53:22
  • 「むぐぐ…何なんですかこいつらのすばしっこさは!」
    クレハに止められて、乱射は未然に防がれた。よかった。
    しかしこんなに高密度に動物がいるのに捕獲となると一行に捗らない。クレハとミツユビナマケモノに抱きつかれたまま歯噛みするアトイの目の前を、間合いは見切ったとばかりに悠々とマスタングとオジロジカが通り過ぎていく。 -- アトイ 2017-11-07 (火) 01:22:33
  • 「アトイちゃん少し落ちつこうか…?私も少し疲れちゃったし…あ、君たちもかー?」
    動物達に軽くあしらわれ激昂寸前のアトイを撫でて落ち着かせるとクレハは側にあった建材に腰かけた。
    ウォンバットと柴犬も歩きまわって疲れたのかクアッと欠伸等している。呑気な子達です。
    「眠いのかな?じゃあ…歌ってあげる……、♪〜……」
    そう言って二匹の頭を撫でて歌い始めた。穏やかで静かな旋律……、どこかの国の子守唄の様だ。 -- クレハ 2017-11-07 (火) 01:37:05
  • 「むふぅー…っ」
    アトイは憮然とした表情で、大木の根のように巨大な柱に背を預けて寝転ぶ。ナマケモノは非常にゆっくりと側の配管を登っていく。
    ほとんどが黒か鈍い灰色の柱とパイプの谷底に、歌声がよく反響する。不思議な歌声だった。
    この階層全体は巨大な吹き抜けの空洞だから、常に渦を巻くような風の音がしていた。それが止んでいる。だから歌が響いているのに、かえって心地よい静けさに包まれているようで。
    寝転んだアトイが見上げる暗がりに、点在する照明の灯りが木々の隙間から見上げた星の様に見える気すらしてくる。
    (幻惑…でしょうか、そういえばこの人は、人魚の記憶が…)
    そんなことを考えていると、暗がりの中から気配が近づいてくるのを感じて、身を起こした。 -- アトイ 2017-11-07 (火) 02:09:36
  • 『きゅっ?』最初に暗がりの中から出てきたのは……
    白と黒のツートンカラーに黄色の眉…イワトビペンギンだ。眼光するどい紅の瞳でじっと二人の方を見ている。
    さらに暗がりから飛び出す影が二つ、兎と狐。先程取り逃がした子達だろうか?
    この二匹もイワトビペンギンと同じ様にそれぞれの瞳で二人を見ている。
    歌に誘われるように気配と姿は増え続ける。アトイが追跡と捕獲を断念した獣達の姿まで出てきた。
    気付けば二人の周囲は獣達で満ちている。本当に幻惑されてしまったのかと思える光景。
    照明を星灯りとするならば、ここは夜の森あるいはジャングルなのかもしれない。
    人と文明の侵入を拒む禁足地。そんな世界の中で歌声は響き続けている。 -- クレハ 2017-11-07 (火) 22:36:50
  • 「なるほど、最初からこうしていればよかったのです」
    人魚の歌声は、聞く者を暗い水底へ引きずり込む罠なのだ。さて、どうやって一網打尽にしてくれようかと…立ち上がりかけて、アトイはまた背もたれるように座り込んだ。ドラゴンもクレハの側にうずくまって腹ばいになってしまった。
    そのうちに、瞳を閉じると長く息を吐き続けて完全に気配を消し、冷たく重い構造物のひとつと変わらないまでに静かに意識を静める…。
    …ようは寝た。 -- アトイ 2017-11-07 (火) 23:59:57

  • アトイは夢を見ていた。暖かくて優しい誰かと共にある夢。
    名前は思い出せない、でも手を伸ばせばいつでもそこにいてふわふわでふわふわで……
    ふわふわ…?
    「アトイちゃんくすぐったいよぉ……(もじもじ)」
    アトイが目を開ければすぐ真上に覗き込む青い瞳。
    「あ、アトイちゃん起きた…?」
    ふわふわの正体はクレハの太腿、所謂膝枕状態であった。 -- クレハ 2017-11-08 (水) 00:16:10
  • 「おはようございます」
    そう言いながら、覗き込むクレハの頬を指でつまんでふにふにとする。すごくふにふにだ。
    雪の様に真っ白なのに、暖かさを感じさせる不思議な白色に、つぶらな青い瞳がキラキラと…。なんだか妙に明るい、クレハが色白なのは元からだが照明を当てたようにクリアに見える。
    「…へぇ」
    二人の周りはいつの間にか、光る液体に満たされていた。クレハはその中に座りこんで、身を浸すように寝転んでいるアトイを膝枕しているのだ。
    手を液体から上げてみると、こぼれ落ちてキラキラと虹色に輝く。感触も見た目も完全に水なのに、服も手も濡れた感覚はない。 -- アトイ 2017-11-08 (水) 01:08:48
  • 「うん、アトイちゃんおはよう…♪…ふにっ」
    JCのもっちりほっぺ。エンドレスに摘まんでいたくなるような心地良い感触。
    そんなアトイをふわふわと微笑みながら見つめるクレハ。その瞳はブルーサファイアの様に煌めいている。
    「びっくりだよね?寝たらみんなこうなっちゃったの」
    みんなとは動物達。クレハが語るにアトイが眠ってすぐに動物達も眠りにつきやがて光の液体になってしまったらしい。
    そう、アトイとクレハの周囲にある光の液体は全て動物達だった物。
    動物達が液体になる摩訶不思議な光景、しかしクレハはそれに恐怖を感じなかったと告げる。
    「みんな元の姿に戻ったんだよね…アトイちゃんにも見せてあげたかったなぁ……」
    そう言ってクレハはまた微笑んだ。そしてこう言葉を繋げる「でも…アトイちゃんの寝顔可愛かったから」 -- クレハ 2017-11-08 (水) 01:33:07
  • 「………」
    アトイは目を逸しつつむっくりと起き上がった。白い光に照らされているのに顔がほんのり赤い。
    「あ、こいつらはまだこのままなんですね」
    最初についてきた柴とウォンバットだ。アトイが手を伸ばすと、彼らはうずくまっていたパイプの上から光る川へ飛び降りた。
    それが合図のように液体が静かに流れ始めて、2匹も歩きだす。
    「下へ流れて行くようです」
    みれば、二人の周囲にとどまっていた光は、構造物の間を縫って滝となる。 -- アトイ 2017-11-08 (水) 02:01:26
  • 「みんなあるべき場所へ帰るんだね……」
    クレハは寂しげにそう呟くと、金の滝を見つめたままアトイの手をぎゅっとにぎりしめた。
    それはアトイにどこへも行かないでね?と告げている様でもあり…… -- クレハ 2017-11-08 (水) 23:49:56
  • 「…それを探しに彼らはさまよい出たのかもしれません」
    光る流れが密やかに、地下へと染み込むように流れ去り、暗くなっていくのをじっとみていると。
    ふいに、光が差し込んで、顔を上げたアトイは、白い光の滝が遙か頭上から流れ落ちてくるのを見た。
    柱や鉄骨の塔へ当たって、虹色の飛沫を散らしながら、さっきの何倍もの量の光が流れ込んできて、あっという間に二人の立つ床も、膝の辺りまで光に満たされる。
    地上階層へと走りだした動物たちも、戻ってきたらしい。
    「どうやら、街は気に入らなかったのですね。あなたの歌が良い慰みになったようです。…また、聞きたくなって出て来るかもですね」
    アトイは、笑いながらそういった。 -- アトイ 2017-11-09 (木) 00:13:44
  • 「みんな帰る場所を捜していたんだね…もっと遊んであげればよかった…あ……」
    キラキラと光の滝が降り注ぐ。光のミルクを闇へと注ぐように。
    それは美しくもあり、別れである事のせつなさもあり……
    「みんなにとって街は狭かったのかもねぇ……
    …え?あ、えっと…んーたまになら…いいかなぁ?」
    歌で動物達を救えた事を嬉しくもあり、歌を褒められ照れ恥ずかしくもあり……
    そんな複雑な乙女心でクレハも笑うのであった。 -- クレハ 2017-11-09 (木) 22:30:15
  • 二人は光の流れて行くのを見送り続けて。やがて光の川の水位が下がり暗がりが静かに降りてきた時、二人の足元に二匹の獣が丸くなっていた。 -- アトイ 2017-11-09 (木) 23:49:03
  • 「あ、あれー…?」
    素っ頓狂な声を上げて二匹とアトイを交互に何度も見るクレハ。
    それ以上何を言ったらいいのかわからない。嬉しさ半分、驚き半分。
    とりあえず二匹の側に屈むと指で突いてみる……
    「本物だよ…?」
    そう言ってアトイの方を見上げた。 -- クレハ 2017-11-09 (木) 23:58:45
  • 「なるほど、巣穴よりも膝の上の方が気に入ったようです」
    アトイはそう言って頷く。
    「そのぐらいなら問題ないでしょう。では、帰りましょうか」 -- アトイ 2017-11-10 (金) 00:27:14
  • 「そっか♪じゃあ…君たちも一緒に帰ろうか…?」
    クレハはにっこり微笑むと二匹を撫でてから立ち上がった。そしてアトイの手を握ると、もう片方の手で二匹においでと手招きをする。
    それに応じる様に二匹…ウォンバットと柴犬も起き上がりアトイとクレハの足元へと擦りよって行く。
    「来る気まんまんだね」 -- クレハ 2017-11-10 (金) 00:37:53
  • 「しかし、妙に懐かれてますね。染み出した記憶絡みの事件も最近出くわす事が増えましたし…」
    柴犬と同じように、アトイも鼻を近づけてみて。
    「…美味そうな匂いでもしているのでしょうか」
    そういうアトイも、ぼんやりした面の柴や丸っこい有袋類の同類であった。 -- アトイ 2017-11-10 (金) 01:01:18

お出かけする話 Edit

その1 朝は眠いです Edit

  • お天気:良い -- 2017-10-05 (木) 00:33:52
    • 本編用 -- 2017-10-05 (木) 00:34:18
      • 「アトイちゃん今日はどこ行くの?ふわぁ……」
        そう尋ねながらクレハは仔猫の様な欠伸をした。目をこすりこすりする様がますます仔猫っぽい。
        これはとある休日の出来事。
        多くの学生達がそうする様にクレハもまた休日の朝をいつもよりも長い睡眠ですごしていた。
        しかし、布団の中そして夢の中巨大なドーナッツに齧り付こうとした所で携帯端末の呼び出し音が鳴り響いた。
        呼び出し主はアトイ、要件は短く「すぐに来てください」
        そんな訳で急ぎ身支度し寝惚け眼のままマンションのエレベーターを降りて来た訳だが…… -- クレハ 2017-10-05 (木) 00:59:19
      • 人気の無い通りに、爽やかな日差しが差して鳥の声だけがよく響く。
        超構造体内の街は、見上げる空の半分以上が円筒形の構造物に覆われいるのだが、ピラーで日光を調節しているから、明るさは地上と代わらない。
        「おはようございます、やっときましたね」
        斜め後ろから声がしたと思ったら、建物の影のとこに潜むようにアトイが居た。 -- アトイ 2017-10-05 (木) 01:25:09
      • 「アトイちゃんは相変わらず物影が好きだねぇ…ふわぁ……」
        振り返りつつまた欠伸。眠いせいか声が普段の三割増しにふわふわとしている。
        「今日はいい天気みたいだもんね、いつもよりピカピカしてる」
        ピカピカしてるとはピラーの事。やはり調整された光と自然光では明るさの質が異なる様だ。 -- クレハ 2017-10-05 (木) 01:41:45
      • 「躯体の中に潜れば、外の天気も気になりませんよ。さあ、行きましょう」
        相変わらずマイペースである。朝一に呼び出して何をするかと思えば。
        アトイはまた何か"妙なモノ"を見つけたので、調べに行くという。
        そういうモノは、大概夕暮れ時や夜の方が活発な傾向があるので、こんな朝早く営業しているのはレアで、わざわざクレハを叩き起こす理由もあるのかもしれない。
        が、レアリティの話以前に今日は休日である。価値だったらこっちも高いし、どうやっても気持ちよくしかならなさそうな空模様である。
        それをアトイは、薄暗くて何十年も人の通った気配の無い路地へモグラのように潜々するという。 -- アトイ 2017-10-05 (木) 02:08:02
      • 「むぃ、お散歩するにもお昼寝するにも最高の天気だと思うんだけどなぁ……」
        なんてアトイに抗議するクレハだが、その休みの日に惰眠を貪っていた故に強くは言えない。
        それでもこんな良い日差しにさよならするのを勿体なく感じてしまうは仕方の無い事。
        とにかく、さっさと『妙なモノ』について解決すれば後の時間は自由になるだろう事を期待し
        アトイの後をてっこてっこと着いて行くクレハであった。 -- クレハ 2017-10-05 (木) 23:15:41

その2 女の子達が集う通り Edit

  •   -- 2017-10-06 (金) 22:36:38
    •   -- 2017-10-06 (金) 22:37:03
      • 「開放階層の街ですかー?ここじゃ何も出ませんよ、日暮れならともかく…うわっ朝日超眩ぃ」
        アトイは、超渋そうな顔をした。直径6kmのシリンダー内の街にあって、この階層は壁面が取り外されて外部に露出しているのだ。
        おまけに都市構造体のよこに立つ高さ1.5kmのピラーが、階層の奥まで日光を送り込んでくれる。
        アトイの肩の上で、小さなドラゴンが羽に頭を突っ込んでいた。 -- アトイ 2017-10-07 (土) 01:32:27
      • 「もぉ…あんな薄暗い所ばかりに行ってたらカビが生えちゃうよ…?だからさ…行こ?」
        そう告げてミニドラを指で突くと、クレハはアトイの手を引き歩き始めた。
        あんな所とは廃墟区画の事。そこで色々あったのだが…その後が大変だった。
        休日の残りを薄暗い空間で過ごそうと言いだすアトイ
        それを押したり引っ張ったりでようやくここまで連れ出す事に成功したのだ。
        「アトイちゃん前から思ってたけど……
        JCとして色々損してると思うの!だから今日は私が街を色々案内するね♪」 -- クレハ 2017-10-07 (土) 01:51:22
      • 「え〜…この都市の構造なら、私の方が詳しいとおもうのですが…」
        よほど眩しいのかほとんど目を瞑った状態で、クレハに手を引かれていく。モグラか何かであろうか。 -- アトイ 2017-10-07 (土) 02:07:06
      • 「本当にそうなのかなぁ?でも行ってみよ♪」
        アトイの手を引きてっこてっこと走って行くクレハ。
        外縁通路から緑化区画を抜け都市区画へ、やがて二人はとある通りの入口へと至る。
        他の通りと比べ人通りも多いが、それよりも出入りする性別と年齢層の片寄を感じるだろう。
        そうこの通りに出入りするのはアトイクレハと同じか近い層の少女達だ。
        「ここだよ♪私がお友達とよく遊ぶところなんだ♪」
        ここからでもわかる。通りを飾る色彩の多さとにぎやかさ、まるできらきらとした玩具箱の様だ。 -- クレハ 2017-10-07 (土) 02:20:51
      • 「へぇー…」
        区画全体がパステルカラーのパレットのようで、カップルでも男などが居ると浮いて見える女児力空間である。
        そして、男性客と同じレベルでアトイも浮いていた。色彩が全体に黒っぽいせいでもあるし、なにここ、食えるの?とでも言い出しそうな雰囲気のせいでもある。
        「…それで、ここでは何をするのです?買い物ですか?」
        流石に喰うつもりは無いし、興味が無いわけでもないようで。土産物やの店先のように並べられた小物を1つ手に取ると。
        「あー…」
        食おうとしている。 -- アトイ 2017-10-07 (土) 03:02:20
      • 「なんでも出来るよ?あー…食べちゃダメだよぉ!」
        満面の笑みで答えるも、小物を食べようとするアトイを見れば慌てて制した。
        しかし実際食べたくなるのも仕方ない、アトイが手にとった小物はカップケーキを模した髪飾り。
        ふんわりしたクリームに赤橙桃のフルーツ、細かく細工されたそれは本物と見紛う程だ。
        「これはこうするんだよ?」
        クレハはアトイの手から小物を受け取るとアトイのツインテールに飾り始めた。
        「こうやって…一個だけじゃ足りないかな?、髪紐も変えようっか?」
        そう言って今度はイチゴとバナナの付いた髪紐を手に取りツインテールを束ねる紐と入れ替える。
        それだけに留まらない。さらにさらにと増えて行くフルーツにスイーツ。
        アトイの黒髪が徐々に彩り豊かになっていく…でもちょっと重い? -- クレハ 2017-10-07 (土) 21:07:00
      • 「髪飾りでしたか、匂いまでついてるのに。そこまでしておいて食べ物にしないのが不思議ですね」
        そう言うアトイは摩訶不思議なヘアスタイルになっていた。腰より長いツインテに、スイーツヘアピンがびっしりとデコられている。
        さながらスイーツナイアガラあるいは、漆黒の空に降る甘味流星群である。
        「…重い…」
        自重が重量過多となりプルプルとしだした。なんとスイーツは食べなくても体重が増えるのだ。 -- アトイ 2017-10-07 (土) 22:55:47
      • 「んー…匂いが付くと特別感が出るからかなぁ?」
        香り付きの鉛筆や消しゴムもあると説明しつつアトイをデコレーションするクレハ。楽しそうだ。
        「…あ?重かった?でも可愛いよ、ほら♪」
        そう言って側にあった円形のプレートに手を触れた。
        『SCAN…COMPLETE』合成音。そしてプレートの上にデコレーションされたアトイの姿が投影された。
        ホログラムミラー、服飾や装飾品の店舗にならどこにでもある一般的なガジェットだ。 -- クレハ 2017-10-07 (土) 23:18:30
      • 鏡と違って自分の後ろ姿も簡単に見れる。
        「うわっ後ろまでびっしり!?」
        自分の背中をみたアトイは、まるで虫か何かがひっついてるように言った。

        で、結局何も買わずに店は離れた。重たいし食えないからイラナイというアトイは女子力低めだが。かわいいのにーと本気で残念がっていたクレハもなかなかファンキーな趣味である。
        きっと持ち物にシールとか貼りまくる子供だったのだろう。
        いつの間にか通りはかなり混雑してた。まだ午前中なのに。
        「偉い賑わいですね」
        何気なく上を見上げれば、門前町の通りのようなショップの列が、頭上にも連なっているのだ。ショッピングモールの巨大な吹き抜けのような構造である。それが2階3階4階と、何重にも連なっている。
        「…そして全部のお店が異様にきらきらしている…」 -- アトイ 2017-10-08 (日) 00:16:16
      • 「学校がお休みだからねー、これでよし…♪」
        頷きながらせめてもとミニドラの尻尾にピンクのリボンをくくりつけるクレハさん。
        「じゃあ今度はこのきらきらに入ってみよっか…?」
        どこもかしこもきらきらしているのだが、とりあえずと一番近くの店に入った。
        衣服の専門店だ。ただの衣服では無いコスプレ衣装の専門店だ。
        アニメ系の衣装もあるし、ハロウィンやクリスマスに着る衣装もある。
        魔女に妖精にお姫様、それに合わせたアクセサリーも並び。
        そこかしこがキラメキに満ちている。 -- クレハ 2017-10-08 (日) 00:33:26
      • 「服屋ですか…服屋ですか?」
        あまり街のことには詳しくないアトイでも、尋常な服屋じゃないということはわかったようで。
        アトイの頭の上でミニドラは、自分の尻尾のリボンを覗き込んだり、そしてしっぽを追いかけて頭の上でぐるぐる回りはじめたり。
        「おっと…」
        そうするうちに、頭から転げ堕ちて更衣室の方へころころりん、と -- アトイ 2017-10-08 (日) 01:19:51
      • 「リボン気にいってくれたみたいだねぇ、ここって見るのも楽しいけど…あ…?」
        ミニドラににこにことするクレハ、そして説明をしようとした所でミニドラが転がった。
        「んーっと…誰か使用中だったり…よかった空いてた。丁度いいやアトイちゃんも中に入って…♪」
        いやん♪な展開はありませんでした。しかし何か思いついたのかクレハはアトイに更衣室へと入る様に促した。
        中は広め。二人あるいは三人程が入れる広さがある。壁には鏡(?)とハンガーフック。
        目を引くのはカラオケ機の様な装置と床に設置されたプレート類。 -- クレハ 2017-10-08 (日) 01:38:15
      • 「更衣室?…ですよね」
        それにしては妙に広い。 -- アトイ 2017-10-08 (日) 22:28:43
      • 「うん、一人でも楽しいけど…二人三人でやると楽しいからね…♪」
        そう言って制服を脱ぐとピンクのキャミソール姿になる。ブラと一体になったキャミソールブラだ。
        白い肌にほんのりふくらみかけが眩しいJCらしい体型です。
        さて、そのまま装置の側に行くとボタンをペタペタと弄りはじめた。
        「今回はランダムでいいかな…?あ、アトイちゃんも制服脱いだらそっちのパネルの上に立ってね?」 -- クレハ 2017-10-08 (日) 23:10:59
      • 「どういう場所なのです…あ、はい」
        クレハの着替えを撮影してたスマホみたいなやつを、さり気なくしまうと服をその場に脱ぎ落とした。その胸にブラの必要はなかった。 -- アトイ 2017-10-08 (日) 23:24:41
      • 「ふに?(気付かなかった)お楽しみはこれからだよ…えいっ♪」
        無防備さが心配になるが、操作を終えると自分もパネルの上に立った。
        『SCAN…COMPLETE』ふたたびの合成音。
        『RANDOM DRESS UP…OK!』さらに聞こえる合成音。なんかテンション高いです。
        声を聞きながらアトイがこれから何が起こるんです?と言う顔をしてると……
        まずはクレハの身体がキラキラと輝き始めた。そして星やハートのエフェクトが飛び散って。
        ピンクのリボンにふんわりスカート魔法少女風の衣装に姿が変わった
        「ね?面白いでしょ♪」
        にっこりしつつ決めポーズは欠かさない。 -- クレハ 2017-10-08 (日) 23:43:37
      • 「ほぉ…これは。あ、これ映像なんですね」
        クレハの服に手を触れようとすると、指先はスッと沈む。立体のプロジェクションマッピングみたいなものなのだ。体を動かすとちゃんと服も動くので裾や袖丈のチェックもできる。
        ふーん、へー、とうなずきながらアトイもコンソールを操作すると、何か適当な衣装が投影された。おそらく、魔法少女のマスコット的な何かだ。ほぼきぐるみである。
        「…あ、着心地までわかる」
        サクサクッとしてキュッって感じ。 -- アトイ 2017-10-09 (月) 00:41:31
      • 「うん映像!でもすごいよね…衣装のサラサラもわかるし。理屈は難しくて覚えてないけど!」
        くるくると回りながら衣装が気にいったら実物を買う事も出来ると説明。
        腕を大きく振り回しても足をスッと高く上げても映像はズレることなく追随している。ハイパーテクノロジー!
        「それにしても…アトイちゃんかわいい…♥」
        うずうずゲージが限界を越えきぐるみなアトイに抱きつくクレハ。 -- クレハ 2017-10-09 (月) 01:05:08
      • 「ディメンジョン・リプレイスメント物理の応用でしょう、情報を肌に感じる刺激として作出してる、街の柱やなんかt…うぉっ」
        クレハの腕は虚構のもふもふを通り抜けて、アトイはバランスを崩して倒れ込む。
        パネルからずれると衣装が消えて、下着姿で抱き合ってる状態に。 -- アトイ 2017-10-09 (月) 01:23:30
      • 「うにゃあ!?…わ……」
        倒れ込んだ驚きも束の間。自分達の状態と姿にぽっと顔が赤くなる。
        普段の学園生活で抱きついたり抱きつかれたりの多いクレハではあるがそれは制服姿での事。
        こんな風な下着姿同士でなんて初めての経験。
        布地の無い太腿や腕等は直接肌が触れ合っている。どちらもすべすべもっちりお肌。 -- クレハ 2017-10-09 (月) 01:45:21
      • クレハに押し倒される格好で倒れたので、垂れたクレハの髪でアトイさんの胸元がうまい具合に隠れている。
        「いいと思います!」
        しばし頬を赤くするクレハを赤い瞳でじっと見つめたあと、アトイは唐突にいいねした。 -- アトイ 2017-10-10 (火) 21:44:32

その3 くらげ Edit

  •   -- 2017-10-10 (火) 23:32:43
    •  
      • 「本当に色々なお店があるのですね」
        ウィンドウショッピング続行中。最初は気のない感じだったアトイだが、もとより好奇心は強めな性格なので、乗り気になってきたようだ。表情はあまり変わらないが。 -- アトイ 2017-10-10 (火) 23:43:39
      • 「うん、私もまだ行った事の無い店たくさんあるもん」
        立体ホログラムのコウテイペンギンを突きながこくこくと頷くクレハ。何の店だ?
        上下に広がる立体構造の通り、その店舗数は付近の住人ですら把握していないと言う。 -- クレハ 2017-10-10 (火) 23:56:43
      • 「ほぅ、ならば端から端まで数えながら歩き尽くしてみますか」
        きらりと目を光らせながら真顔で言うのだから、冗談に聞こえない。そして実際に何日でも費やしてやりかねない。
        しかも、すでに店の看板を数えながら歩きだしている。 -- アトイ 2017-10-11 (水) 00:06:20
      • 「日が暮れちゃうよぉ?それに歩くにも大変だし……」
        そう言いながらクレハはぴょんっと跳ねた。通りの果てはまだ見えない、見えるのは少女達の頭ばかり。 -- クレハ 2017-10-11 (水) 00:21:20
      • 「じゃあリフトに乗りましょうか」
        アレ、と指差した方向には小さなロープウェイのゴンドラみたいなのが止まっていて
        数人が中に乗り込むと一人でに、エレベーターのように登っていく。同じものがビル壁面に延々と連なる通路に添って、縱圓鵬紳罎眩っていた。
        路面電車みたいなもんである。 -- アトイ 2017-10-11 (水) 00:51:57
      • 「あ、そうしようか?…クラゲ持ってきたかな、あった…よかった……」
        クラゲとはリフト用の乗車カードの事。なぜクラゲかはマスコットキャラがクラゲだから。
        上下左右に自由に動くのがクラゲっぽいからとか? -- クレハ 2017-10-11 (水) 01:00:57
      • 「街の方のリフトってそんなの必要なんですね」
        クレハの手元のカードを覗き込むと、アトイは何食わぬ顔で最寄りに止まったリフトに乗り込んで手招きする。 -- アトイ 2017-10-11 (水) 01:11:53
      • 「リフト以外にも色々使えて便利なんだよ、ポイントもたまるし…あ、あれアトイちゃん…?」
        得意げに説明するも、何もせずリフトに乗るアトイを見れば呆けた表情を浮かべてしまう。
        しかしリフト発進が近いアナウンスを聞けば慌ててアトイの後を追った。 -- クレハ 2017-10-11 (水) 01:20:14
      • 「私はどこでもフリーパスですよ。なにせ人ではないのでセキュリティにはかかりません」
        ドヤ顔である。リフトの窓にのけぞり気味によりかかりつつドヤッている。
        通常12〜3人乗りのリフトに今は2人だけである。ちなみにリフトは区画を一周してから1階上へ登る横円軌道リフトと、一番上まで登って円を描いて降りてくる縦円軌道リフトの組み合わせが基本だ。
        扉が締まると、窓の外の景色は上から下へと流れて、リフトはビルの渓谷の中を上がっていく。 -- アトイ 2017-10-11 (水) 23:48:25
      • 「んー…便利そうだけど、やっぱりそれじゃダメな気がするよ…?」
        ドヤ顔で語るアトイに腕を組みながら唸るクレハ。
        普段ならば外の風景にはしゃぐ所だが今はそれどころではない。
        「うん!やっぱりアトイちゃんもクラゲ作ろうよ!人で無くても街で暮らすなら人に寄り添おう?」
        首振り人形の様に首を左右に数度傾げた後クレハはそう告げた。
        そしてアトイの手を両手で包む様に握り締めるとキラキラとした瞳を向けてくる。 -- クレハ 2017-10-11 (水) 23:59:46
      • 「…えぇ…」
        手を握られたまま微妙な返事で目線を逸らすアトイ。頭の上のドラゴンがめんどくさそうに目を閉じて、ふいにぱっちりと開いた。
        「ほら、クレハさん見てくださいきらびやかな街も、少し遠目にみればほんの一部分。そして人の居住する階層も、この都市構造体全体の一部分にすぎません」
        明るい窓を背に、逆光の中アトイはニヒルな笑みを浮かべながら。
        「この街は1つの完成された世界であり、その躯体が生み出した私は、世界のアウトサイダーなのですよ。人の世界の一歩外側に身を置くモノ…そんな私に定期券は似合わない…」

        頭の上のドラゴンと一緒に、心底めんどくさそうに目を閉じたままクレハに手を引っ張られるアトイさん。
        「えー、ほんとに作るんですかーもー」
        リフトを降りて最寄りのコンビニへ連行中である。 -- アトイ 2017-10-12 (木) 01:21:15
      • 誤魔化そうとしてもだめだよぉ?と言う顔でにっこり微笑むクレハさんでした。
        そして最寄りのコンビニへ到着。
        「いろんなデザインがあるから好きなの選ぶといいよ?」
        店の隅っこに設置された端末の前、操作方法等をアトイに説明するクレハ。
        クラゲ購入画面にはデザイン様々な見本が表示されている。数か月毎に新デザインが追加されるらしい。
        「アトイちゃんはどんなのが好きなのかな…?」
        必要要素だけデザインされたシンプルな物に、パステルカラーのファンシーな物。季節限定の物まである。 -- クレハ 2017-10-12 (木) 01:42:06
      • 「んー…じゃあなんか食べられそうなやつで」
        言われるままパネルを操作しつつ、てきとーな返事をするアトイさん。 -- アトイ 2017-10-12 (木) 01:54:47
      • 「アトイちゃんは相変わらずだねぇ…後でなんか食べにいこっか」
        そんな事を言いつつ、クレハは指でタッチ操作しながらアトイの要望に合いそうなデザインを捜す。
        「あ…これがいいかな?おにぎりクラゲ!」
        クレハの持つカードに良く似ているが。マスコットのクラゲがおにぎり風にアレンジされている。 -- クレハ 2017-10-12 (木) 02:06:22
      • 端末から出てきた、ほんのり温くてぴかぴかなカードを手に取りアトイはぐぅーと腹を鳴らした。
        コンビニで何か買えばいいじゃないですか。と言うアトイはまたクレハに引っ張られて別の階層へと移動した。今度はキセルせずにちゃんとカードを使って。 -- アトイ 2017-10-12 (木) 02:17:28
      • ちなみにクレハもアトイと色違いのデザインに新調更新しました。
        新しいデザインが出る度にクラゲを新調更新する子もいるとか? -- クレハ 2017-10-12 (木) 02:21:24

その4 食べたり飛んだり Edit

  • -- 2017-10-19 (木) 21:39:29
    •   -- 2017-10-14 (土) 23:09:37
      • ビルの最上階から空を見上げると、天井がある。上部階層の底部は、宇宙人の巨大母艦が浮いているような圧迫感とSF感があった。
        ぼへーっと見上げていた視線を戻すと、たこ焼きとベーグルと焼きそばとアボカドサーモンサラダとたい焼きとクリーム山盛りのワッフルがあった。
        どれもまるで作りたてで湯気が立ち、いい香りまで漂って。アトイは思わず手を伸ばす、ガッとモニターに突き指した。 -- アトイ 2017-10-14 (土) 23:22:28
      • 「ア、アトイちゃん大丈夫…?」
        潰れたカエルの様な鳴き声で振り向けば、手を上げ大丈夫です示すとアトイ
        しかし頭の上ではミニドラがプルプルと震えていた。
        「んと、これホログラムだよ、ほら」
        そう言ってベーグルを指で突くクレハ。指はたやすくベーグルを突きぬける。
        ホログラム、つまり街の通りでもよく見かけた立体映像だ。
        しかしアトイが見間違うのも仕方ない、映像だけでなく噴出孔からは匂いまで漂い出てくるのだから。 -- クレハ 2017-10-14 (土) 23:35:51
      • 「…紛らわしいんですよ、この立体モニター…」
        ごまかすように手をぷらぷらさせるアトイさん。実際のとこ取れたらそのまま食べるつもりだったのだろうか。 -- アトイ 2017-10-14 (土) 23:45:14
      • 「よっぽどお腹すいてたんだねぇ、早くどこで食べるか決めないとね?」
        本当に大丈夫?と言う視線を送りつつ微笑むクレハさん。
        今立っているのはフードコートの売店前だが、食事可能な店は他にも多数ある。
        和洋中に仏印、スイーツ類の店等多数だ。 -- クレハ 2017-10-14 (土) 23:58:43
      • 「そうですね…なんでも良いと言うと逆に決めづらいので、じゃあ甘いもの食べましょう」 -- アトイ 2017-10-15 (日) 00:14:58
      • 「甘い物かぁ、じゃあ…んっと……」
        甘い物が良いと言うリクエストを聞けばぐるりと周囲を見渡して……
        「あ、あそこにしよっか…?」
        そう言うとクレハはアトイの手を取り歩き始めた。
        二人に進む先にはポップな文字で『スイートパラダイス』と書かれた看板の掲げる店 -- クレハ 2017-10-15 (日) 00:25:39
      • 「ここですね」
        アトイはさっさと中に入っていく、すると間をおかず応対の店員がでてきて
        「おかえりなさいませ、お嬢様」
        メイドがにこやかに深々と頭をさげてアイサツ。アトイは一瞬固まった。
        「…あ、メイド喫茶?」
        後ろのクレハを振り返る。 -- アトイ 2017-10-15 (日) 00:51:41
      • 「はい!メイド喫茶ですよ…♪」
        にっこりと笑みを返すクレハさん。
        「ここって、制服も可愛いし学園の子達も良く来…ふにゃー…?」
        『クレハお嬢様いらっしゃいませー♥』
        メイドの一人に拉致されるクレハさん。お嬢様を迎えるって態度じゃないですよ? -- クレハ 2017-10-15 (日) 01:05:32
      • 「…え」
        突然のことにあっけに取られるアトイさんも、先のメイドさんに案内されてお席へと。
        「なるほど知り合いでしたか」
        店内は結構賑わっていたが、中部階層の街を一望できる窓際の席が、いつもの席としてキープされてるあたりクレハはなかなか上客のようである。
        というかなんかめっちゃ撫でられまくってる。これは客というより…お店に居着いた猫かなんかのような。 -- アトイ 2017-10-15 (日) 01:31:30
      • 「小学校の時からの先輩なんです…はうあう」
        撫で回されてるクレハさん。時折通りすがる他のメイド達も頭を撫でて行く。
        『お姉さまと呼んでもいいのよ?さて、クレハお嬢様はいつものセットでよろしいですね?そちらのお嬢様は何になさいますか?』
        クレハを撫でながらグランドメニューを大きく広げるメイドさん。器用だ。
        グランドメニューにはケーキは勿論ワッフルやクレープ、サンドイッチをメインとした軽食。
        セットメニューだけでなく単品もある。飲み物はコーヒー紅茶等がある。 -- クレハ 2017-10-15 (日) 01:46:55
      • 「ということは上級生の人でしたか」
        クレハとアトイの通う学校は中高一貫ゆえそういうことになる。
        アトイはメニューを覗き込こむ、クレハはナデナデされておられる。不意にアトイの肩に止まっていたドラゴンが羽を広げクレハに飛び移り
        そのままクレハの頭の上に居座ってしまった。
        「ダークチェリータルト、ホールで」
        アトイはメニューに視線を落としたまま注文する。 -- アトイ 2017-10-15 (日) 02:05:38
      • 「そう言う事です…ふに?」
        『あら、ペンギンさん?ペンギンさんもクレハお嬢様の事が好きなのね♪』
        ペンギンと間違われても意に介さず、クレハの頭の上を陣取り目を細めるドラゴン。
        可愛さアピールをしつつもここを動かないと言う意志表示をしている様にさえ見える。
        動かぬドラゴンに仕方が無いとクレハを撫でるのを諦めるメイドさん。
        そしてメニューを復唱すると一礼してから厨房の方へと引っこんだ。 -- クレハ 2017-10-15 (日) 21:53:19
      • 「ペンギンじゃないんですけどね…。というか骨格が違うじゃないですか骨格が…まぁいいですけど」
        ちょっと不満そうに呟くと、改めて店内を見回してみる。女性客が多いのは場所柄として、スタッフも女性ばかりである。
        どっちか言うとこういうお店は男性客に人気が出そうなものだが、本格的に気合の入った可愛い全振りのお店の雰囲気が、逆に入りづらいのだろうか。それはさておき。
        「大分知り合いが多いようでしたが、よくこのお店来るんですか?」 -- アトイ 2017-10-15 (日) 22:26:56
      • 「でも…ちょっとペンギンっぽいよ…?」
        普段の姿ならば猛禽類の様にも見えるが、今はサイズを縮小したミニドラゴン状態。
        もっちりした体型と白と黒のカラーリングはペンギンのそれに近い物がある。
        「ん?ここのスイーツは美味しいし…ここって女の子達の憧れのバイト先なんだよ…?」
        スイーツの店である事に加え制服であるメイド服も愛らしい。
        評判が評判が呼び人気店になったと説明するが…どうやらそれだけないようだ。
        クレハはあまり気付いていないが、来店する客は女の子同士のペアが多い。 -- クレハ 2017-10-15 (日) 22:44:09
      • 「ふむ、店員が若い女性ばかりなのはそういうわけでしたか。たしか高校生以上ならバイトも出来るのでしたね」
        「あら、すぐにでも働きに来てくれてもいいのよ、かわいい子は随時募集中よ♥」
        お盆を持ったさっきのメイドさんがやってきた。
        「…人の法に触れるのでは」
        「お手伝いってことで、お客さんや私達にモフらr…お相手したりー、特別メニュー注文したら一緒にお茶したりー」
        「なんのお店ですか」
        「指定席で1日ゴロゴロしてお客さんのお出迎えとお見送りしてくれるだけでも…」
        「猫店員ですか」 -- アトイ 2017-10-15 (日) 23:07:46
      • 「私も良く誘われるんだ、でも…接客とか恥ずかしいし……」
        肩を竦めれば苦笑を浮かべ、紅茶にミルクと砂糖をたっぷり入れなさるクレハさん。
        『クレハちゃんはいるだけで店員のやる気もあがるしお客も増えるから♥』
        やはり猫店員だ。そしてクレハの頭の上ではミニドラがみーみー鳴いて威嚇してる。 -- クレハ 2017-10-15 (日) 23:16:30
      • 「ダメですよ、探索で忙しいんですから…もぐ」
        ホールのタルトをフォークでざっくり取るともにゅっと頬張る。ほんのりとリキュールが香る大人な味だ。 -- アトイ 2017-10-16 (月) 00:25:03
      • 「あっそうだねぇ、今はそっちが忙しいもんね、美味しい…♪」
        スイーツの一片をフォークで掬いとると小さくなお口でぱくり!そして満面の笑み。
        クレハが頼んだのはクレープを何層にも重ねたミルクレープとそれを小さなケーキ達で囲んだ
        ジ・オーダーグランデオブスイーツ…この店のスペシャルメニューの一つだ。
        『二人もする事があるんだね、気が向いたらいつでもどうぞ♥』
        そう告げて二人に投げキッスをするとミニドラを突いてから仕事に戻るメイドさん。 -- クレハ 2017-10-16 (月) 00:42:10 

      • その後、あちこちとお店を巡って遊び歩いたりして。今は二人してまたリフトに乗っている。
        階層を支える床部分に潜って走りだして大分たつ。-- アトイ 2017-10-17 (火) 00:14:59
      • 「ふぁ…外の景色が見えないと眠くなるねぇ……」
        くあっと仔猫の様な欠伸をするクレハ。
        上から下への階層移動は縦に移動する地下鉄の様な物で、見えるのは躯体を支える壁や柱やパイプ類ばかり。
        たまにチューハイを飲むアイドルの立体広告等が見えるが、動きのある風景はそのくらいだ。 -- クレハ 2017-10-17 (火) 00:26:32
      • 「そうですね」
        暗い車窓を見つめて返事をするアトイ。その瞳は過ぎ去っていく灯りよりも、その間の、光を当てられない構造物の躯体を見ているようである。
        1日街を遊び回ってみたけれど、つまらなさそうではなかったが、彼女はさほどはしゃいでるでもなかった。
        結局アトイの興味は人の営みには無くて、人々の足元と頭上をささえて、普段はその存在を忘れている構造物にしか無いのかもしれない。
        それはそれで、らしいといえばらしいけれど、同じ年頃の友達としては物足らない感じもあって。 -- アトイ 2017-10-17 (火) 01:01:31
      • 「むぃー……」
        アトイの反応を見ればクレハは眉を寄せ空気の抜ける様な声を発した。
        そしてアトイの顔を5秒ほどじっと見つめ、口を開いた。
        「アトイちゃ…あ……」
        しかしクレハが何か言わんとしたところで視界が大きく開けた。下の階へと抜け出たのだ。
        先まで床だった部分は天井となり、下を見れば建造物群が無機質なタケノコ様に生え伸びているのが見える
        建物の中には天井を支える様にあるいは貫く様に伸びている物も多数ある。
        カクン そんな光景に目を奪われているとリフトの移動方向が縦から水平へと変わった。 -- クレハ 2017-10-17 (火) 22:04:00
      • ピラーの反射鏡によって送り込まれた夕日に映えて、天井から生えたビル群は、オレンジ色の表と黒い影に塗り分けられている。
        リフトの床も同じように一部だけオレンジに明るく、その周りは窓枠の黒い影だ。
        しばらくリフトは走り続けて、構造物外周部のデッキへと滑り込んだ時、街頭の灯りが灯った。
        「着きましたね、開口部にある展望公園とは、なるほどこういうところでしたか」
        吹き付けてくる風にアトイは髪を抑える。標高500m付近にある公園は建物に囲われた街中と違って、吹き曝しであった。
        巨大な円筒形をした構造物の外周を半周できる長大な遊歩道になっていて、遙か眼下、地球の丸みにそって弧を描く水平線に夕日が沈んで行くのが一望できる。 -- アトイ 2017-10-17 (火) 23:12:36
      • 「うん到着♪はぁ…やっぱりここに来るなら朝か夕方が一番だね……」
        アトイと並び立ちながらクレハはそう言ってコクリと頷き
        金の髪を風に遊ばせつつも顔にかかる髪は押さえ、水平線に沈みゆく夕日に目を細める。
        無言の時間が続く中、やがて夕日は水平の彼方へと立ち去り、そして星空の時間が訪れた。
        「太陽沈んじゃったね……」 -- クレハ 2017-10-17 (火) 23:34:07
      • 「私には星明かりがちょうどよいのです」
        僅かにオレンジ色の残光を残す空を眺めながらアトイは呟く。
        外周の展望ブロックは照明がほとんど無く、他の人影はいち早く暗がりの中に溶け込んで周囲にはほとんど誰も居ないように見えた。
        人気の無い暗がりで落ち着いたのか、アトイが大きく深呼吸するのが聞こえて、ドラゴンはミニサイズから大型犬サイズになって二人の間にのそりと座った。
        人目もあまりない、ここなら目立つこともないだろう。
        「ところで…」 -- アトイ 2017-10-18 (水) 00:21:19
      • 「…アトイちゃんはやっぱり暗い所の方が好きなんだね……」
        クレハはアトイの言葉にそう返すと目を伏せ、そしてその場に屈んだ。
        そして大型犬サイズとなったドラゴンの頬をふにふにと突いた。
        「ん…なぁに…?」
        ぼんやりとしていたのかクレハはアトイの呼びかけから間を空けて反応した。
        そして見上げる様にしながらアトイの顔を見た。 -- クレハ 2017-10-18 (水) 00:41:07
      • 「さっきなにか言いかけてませんでしたか」
        アトイは延々と続く手すりに持たれかかりながらドラゴンは撫でるクレハを見ている。
        見た目の厳つさのわりに、鱗ではなく短い毛で覆われたドラゴンの頬は柴犬ぐらいもっちりしている。 -- アトイ 2017-10-18 (水) 00:57:31
      • 「さっき?えっと……あ、あれかぁ」
        ドラゴンを撫で続けながら考えれば、質問に対する答えはすぐに出てきた。
        「…うん、アトイちゃん楽しく無いのかなぁって……」
        自分を見つめるドラゴンの顔を覗き込みながら、クレハそう告げた。
        楽しい所へ行こうと提案したのは自分、しかしアトイの反応を見ると楽しんだのは自分だけで
        一方通行のひとりよがりだったのではないか…そんな不安があって。 -- クレハ 2017-10-18 (水) 01:18:28
      • 「ふむ…」
        ドラゴンを覗き込むと、アトイと同じ赤い色の瞳がクレハを見つめ返す。そしておでこを鼻面でぐいぐいと押してくる。
        「タルト、美味しかったですね。あれは初めて食べました。私、食べることができるから、気が向いたら口に放り込んでただけで。食べ物においしいとかかわいいとか、考えたこともなかったですし」
        手すりに寄りかかったままそう言って。
        「そうすると、何かお礼でもしないとですね」 -- アトイ 2017-10-18 (水) 01:49:35
      • 「あは、くすぐったい…♪…ふぁ…?」
        大型犬の様に甘えてくるドラゴンを撫でながながら、クレハはぼんやりとアトイの言葉を聞いた。
        ぽつぽつと語るアトイ。たんたんとした口調はいつもと変わらぬ様にも聞こえる。
        しかし、そこに込められた意味そして想いに気付けば、クレハの表情が一気に変わる。
        「え、えっとえっと…それって楽しかったって事だよね?ううん!お礼なんて……」
        アトイの言葉が嬉しかったのか、ドラゴンをぎゅむっと抱きしめるクレハさん。 -- クレハ 2017-10-18 (水) 21:54:17
      • 「そうですか?」
        急に、クレハの両腕の中のドラゴンの感触が大きく太く、両腕で抱えられないほどになる。
        みっしりとしたカーペット状の毛に、片頬が埋まってしまい。毛の下にゴムタイヤのように分厚く硬い筋肉が動くのを感じさせる。
        「前に乗りたがっていたので」
        ドラゴンが羽を広げると、強い風が吹きぬける。向こうの方で帽子を飛ばされた人影が追いかけていったりしたが。不思議と誰もこちらを注目していない。 -- アトイ 2017-10-18 (水) 22:24:39
      • 「おっおっ?」
        大きく膨らみ、抱えきれぬほどのサイズになったドラゴンを見ればぽかーんとなってしまう。
        でも頬に触れる毛の感触がくすぐったくも気持ち良い。
        「乗れるの?うん乗りたい…♪」
        そう言って立ち上がると、クレハはドラゴンの背に両手を伸ばしもぞもぞと乗ろうとする。
        二人と一匹の周囲だけ世界から切り離された様な感覚。
        でも孤独感や寂しさ等はない、むしろ嬉しさ楽しさの気持ちの方が強い。 -- クレハ 2017-10-18 (水) 23:05:08
      • 「では、行きましょうか」
        背の上に立つと、アトイはクレハの手を取って引き上げる。
        「せっかくです、ここよりももっと眺めの良い場所へ…」 -- アトイ 2017-10-18 (水) 23:15:14
      • 「ん、ありがと♪」
        アトイの手を借りドラゴンの背に上がるとちょこんっと座るクレハさん。
        手触り良い竜毛は座っても心地良い。
        「これがドラゴンの背中なんだねぇ…行こ♪」
        不安は無い。不安よりもこれから起こる事への期待の気持ちが強く。
        なによりこれはアトイが喜んでくれたと言う証だから。 -- クレハ 2017-10-18 (水) 23:23:30
      • クレハに促されて、ドラゴンは柵を超えて宙へ滑り出す。一瞬ふわっと身体が浮き上がる感覚があって、ドラゴンはゆっくり羽ばたきながら都市構造物の外壁に添って飛び始めた。
        左手側を、灰色の断崖がジェットコースター並に後ろへ飛び去っていく。反対側には、まだ赤い帯を引く空と、すでに月の登っている夜空が交互にあらわれては、ゆっくりと過ぎ去っていく。
        一周する度に視界が高くなるにつれて、暗い海の上に灯る灯りが増えていく。星空と水平線の境界が曖昧で
        星の灯りが地上へ流れ込んでたまっているようで、一巡りする度にその源流へと近づいていくのだ。 -- アトイ 2017-10-18 (水) 23:54:51
      • 浮遊感に驚き目をクレハは思わず閉じてしまう。
        「…?ふわぁ……凄い……」
        気持ちが落ちつきゆっくり目を開けばそこにはクレハの知らぬ世界があった。
        右手の方を見れば月と星の煌めきの世界、左手の方を見れば聳え立つ街の世界。
        見慣れた世界が別の世界としてそこにある。
        「凄い!凄いよアトイちゃん!」
        アトイにしがみついたまま幼子の様にはしゃぐクレハ。
        二人を乗せたまま高く高く舞い上がるドラゴン。
        夜空と海、境界が曖昧となり上下の間隔すら曖昧になって行く。 -- クレハ 2017-10-19 (木) 00:39:30
      • 「ふふ、やはり穴蔵の中よりはこっちの方が良いようですね」
        言ううちに、構造体を外側から支える巨大なアーチの下をくぐり抜け、もう一度旋回した時にはその上を飛び越した。
        「頂上を超えました」
        このまま街のてっぺんに降り立つのもよし、あるいは…。 -- アトイ 2017-10-19 (木) 00:54:02
      • 「うん!あのねあのね…私が思うよりもっと広くて綺麗で…んっとんっと」
        アトイには聞こえる声だけでもわかる、クレハがいかに喜び感動しているかと言う事が。
        今日一日二人小鳥の様に飛び歩き、そして今は夜空を飛んでいる。これほどの締めがあるだろうか?
        あふれんばかりの嬉しさ、クレハはその気持ちを伝えたくなった、だから……
        「ちゅっ…♥」
        アトイの頬に柔らかな感触。アトイが僅かに振り向くと同時にクレハの唇が触れたのだ。
        「えへへ…♪」
        月明かりの中、照れ恥ずかしさに頬を染めるクレハの顔があった。 -- クレハ 2017-10-19 (木) 01:18:00
      • 「…」
        アトイの目がまん丸くなっていた。さっきクレハが覗き込んだ、ドラゴンの何も考えてない犬みたいな目にそっくりで。
        気がつけば、ドラゴンも旋回するのを忘れて、月に向かってまっすぐ、海の上に飛び出している。
        「…もう少し、飛んでみましょうか」
        ごまかすように言った。 -- アトイ 2017-10-19 (木) 01:33:08
      • アトイの言葉にこくりと頷く事で返事とするクレハ。
        そしてまたさきよりも強くアトイの背に抱きつく。なんかドラゴンが蛇行飛行始めましたよ?
        そんなこんなで二人の時間はもう少し続く……
        ちなみに家に帰るのが遅くなってクレハママに怒られたり、クレハママが察して色々あったりするのだが……
        これはまた別のお話。 -- クレハ 2017-10-19 (木) 01:58:27

校内探索 Edit

  •   -- 2017-09-20 (水) 22:18:44
    •   -- 2017-09-18 (月) 01:33:19
      • 「んっと…どこのポイントが一番近いかな…?」
        手にしたスマホを覗き込みながら隣に立つ黒髪にツインテールの少女へと問いかける。
        スマホの画面に映るのは地図、二人が通う巨大な巨大な学園の地図だ。
        マップの中心には少女達の現在地を示すマーカーがディフォルメされた人形の姿で手を振っている。 -- クレハ 2017-09-18 (月) 01:42:34
      • 「ありますね、すぐ近くです」
        同じ端末の画面を繰りながら、アトイは答えた。しかし、人形の周りにチェックポイントは表示されていない。
        どこ?と問う間もなくアトイは窓の外に身を翻していた。床は遙か下である。 -- アトイ 2017-09-18 (月) 02:09:43
      • 「すぐ近くって…アトイちゃん!?」
        どこ?をすっ飛ばし、さらになんでー?をすっ飛ばし慌てて窓の方へと。
        クレハの身体能力は普通、アトイに続いて窓の外へ身を翻すなんて出来るはずがない。
        だから飛び出したアトイがどうなったのか確認する事しか出来ず。 -- クレハ 2017-09-18 (月) 02:23:40
      • 「はい」
        クレハの眼前に、下からにゅっと顔をつきだす。彼女は校舎外壁の出っ張りに立っていた。
        緩やかにカーブを描く外壁に沿って桟道めいて突き出した、構造体の柱である。幅は拳2つ分、高さは100m以上ある。猫だってこんなところ足が竦むし、平気なのは高山のヤギぐらいだ。彼女はヤギの化身やもしれぬ。
        「すぐ下の階にありますからいきますよ」
        風に髪とスカートをはためかせるアトイの背後は、標高1000m超えの街と海の大パノラマである。実にいい眺めだ、誰かに見つかったら飛び降り自殺だと思われそうで。 -- アトイ 2017-09-18 (月) 02:45:18
      • 「わっ?…そ、そんな所に立って大丈夫…?」
        顔を突き出すアトイに驚きつつもアトイが無事な事を確認すればクレハほっと息を吐いた。
        しかし安堵も束の間アトイの立つ場所を確認し再び驚きの声を上げた。
        アトイの身を支えるのは僅かな幅、平均台ほどの幅。違うのは落ちれば柔らかな体育のマットではなく空中に放り出されると言う事。
        そんな所に喜んで立てるのは大道芸人か危険遺伝子の短いアメリカンくらいだろう。
        さらにアトイは「いきますよ」と言っている、それは自分についてここを渡って行くと言う事。
        「いきますよって…あうえう……」
        無理無理私には無理とクレハは首を左右にふるふるする。首を振る度長めの金髪がきらきら。 -- クレハ 2017-09-18 (月) 22:40:12
      • 「近道ですのに、行くのを決心させる方が時間がかかりそうですね」
        言うが早いか窓枠の上で前転して、足音も無く廊下へと戻ってくると、階段へ向けて歩きだす。 -- アトイ 2017-09-18 (月) 23:52:25
      • 「うー…こんな所平気で歩けるのアトイちゃんか小鳥さんくらいだよぉ……」
        肩を落とししょぼんっとするも、歩きだすアトイを見れば慌ててその背を追いかけ。
        そしてアトイの手を握った。このままだと一人でどんどん行ってしまいそうな気がしたから。 -- クレハ 2017-09-19 (火) 00:03:45
      • 繋いだ手をちらっと振り返ると、握ったままクレハの手を引いて歩きだす。
        「なるほど、鳥のように飛んでいくという手もありましたね」
        アトイのドラゴンの事である。今は姿が見えないが、必要とあればいつの間にかいて。かと思えば用も無くアトイの側で昼寝していることもある。
        ペットのようであり、アトイは体の一部だと言う。 -- アトイ 2017-09-19 (火) 00:13:34
      • 「そっかぁ、アトイちゃん達飛べるもんね?」
        だから先の様な場所に立っても怖くないのだろう。それ以前の問題な気がしないでもないが。
        その件のドラゴン、常にアトイの側に存在しているらしいが今は姿が見えない。 -- クレハ 2017-09-19 (火) 00:24:40
      • 「飛べますよ。あなたも飛んでみますか?」 -- アトイ 2017-09-19 (火) 00:39:44
      • 「飛べるの?飛びたい!」
        即答であった。アトイの手を両手で握り瞳をキラキラとさせている。 -- クレハ 2017-09-19 (火) 00:53:17
      • 不意に、クレハの頭上を影が覆う。今まで何も居なかった窓から、恐竜めいた生物が身を乗り出しているではないか。
        窮屈そうに窓枠いっぱいに体を差し込んで、窓縁につかまる様はなんだか鳥に似ていて、実際胴の両脇に大きな羽がたたまれてある。しかし体の前で、ちょこんと両手を揃えて居るから骨格はコウモリやなにかに近いのかもしれない。
        などとよく観察していると、ドラゴンのおおきな足が伸びてきて、クレハの肩をむんずとつかむ。 -- アトイ 2017-09-19 (火) 01:08:04
      • 「ふに?急に暗く…わぁ!?」
        アトイと出会ってから何度か見た事のあるだが、大抵はすぐに引っ込んでしまうので間近で見る事は少なかった。
        「こ、こう改めて見ると迫力だねぇ…でも可愛いかも…はい?」
        生物的迫力に満ちた姿、そしてそれを可愛いと言ってしまう感性なクレハさん。お嬢様の趣味は謎であった。
        しかしドラゴンの足が伸び、そして肩を掴まれればぽかーんとした表情を浮かべ……
        「えっと…これって……?」 -- クレハ 2017-09-19 (火) 01:21:13
      • 「はい、落ちないようにしっかり掴んでますので」
        つまり、猛禽類が獲物などを運ぶスタイルで空中散歩を楽しんでもらおうというわけだ。
        真顔で言うアトイと顔を並べて、トカゲめいた鱗面のドラゴンはカトゥーンのような笑みである。 -- アトイ 2017-09-19 (火) 01:32:06
      • 「ほわぁ!?背中に乗るんじゃないの?」
        何かの映画で見た翼竜に攫われる人の姿を思い出せば手をぱたぱたと振るクレハ。
        理想と現実の違いであった…… -- クレハ 2017-09-19 (火) 01:40:18
      • 「馬のようにはいかないでしょう。何倍も早いので…」
        言いかけて、アトイは視線をよこへやると。途端に、ドラゴンの姿も掻き消えてクレハは解放される。
        2〜3人の生徒が、二人の横を通り過ぎていった。 -- アトイ 2017-09-19 (火) 01:49:48
      • 「そうなんだぁ…でも乗るならやっぱり背中がいいなぁ……あれ?」
        やはりイメージとして浮かぶのはファンタジーの騎竜等、そんな乙女思考のクレハ。
        そんな事を思っているとドラゴンの姿が不意に消えた。
        「あ、ごきげんよう」「ごきげんよう」
        小さく首を傾げる様にしながら通りすぎる生徒達と挨拶を交わす。お嬢様学校ならではの習慣であった。
        そしてドラゴンが姿を消した理由も理解した。 -- クレハ 2017-09-19 (火) 01:56:08
      • 「…」
        挨拶を交わすクレハの横で、アトイは壁の一部にでもなったように仏頂面で突っ立っていて。通り過ぎた生徒たちも、壁か何かだと思ったのかアトイに気づいた様子も無い。-- アトイ 2017-09-19 (火) 08:09:29
      • 「むぅ……」
        生徒達の背を見送るとアトイの方へ向き直り、ぷくぅっと頬を膨らませた。
        「アトイちゃんダメだよぉ、挨拶はちゃんとしないと」 -- クレハ 2017-09-19 (火) 22:40:10
      • 「まぁいいじゃないですか、彼女らには私が知覚できていないのです」
        そんなことより、ふくれっ面かわいいみたいな笑みを浮かべると、また先に立って歩きだす。 -- アトイ 2017-09-20 (水) 00:43:56
      • 「知覚…見えないって事だよね?んーでもそう言うのは…あ、もぉ……」
        誤魔化されないぞと思いつつ慌ててアトイの後を追いかけるクレハ。
        そしてアトイに人並みの交友を持たせようと決意するのであった。 -- クレハ 2017-09-20 (水) 00:50:39

お話するだけ Edit

  •   -- 2017-09-07 (木) 01:04:29
    •   -- 2017-09-07 (木) 01:04:41
      • 「また、妙なものが出るという話を聞きました」 -- アトイ 2017-09-07 (木) 01:20:14
      • 偶然小耳に挟んだと言う風に、アトイが言った。
        リサイクルショップを丸ごと一部屋に押し込んだような部室に窓は無く、電球1つが灯るだけで薄暗い。 -- 2017-09-07 (木) 01:20:23
      • 「またなの?この学園って本当に噂が尽きないね……」 -- クレハ 2017-09-07 (木) 01:30:37
      • アトイの言葉を聞けば金の髪を揺らしながら顔を上げるクレハ。
        手元には先程まで突いていた木造りのアヒルちゃん。ちなみに部の備品である。 -- 2017-09-07 (木) 01:30:46
      • 「ふふん」
        アトイは、ソファの肘掛けに肘をついて、半分寝そべりながら腰掛けている。
        「影に取って代わられるんだそうですよ」
        -- アトイ 2017-09-07 (木) 01:48:54
      • 「影に…取って代わられる?えっと…影って影だよね…?」
        小さく首を傾げるとクレハは手に持っていたアヒルちゃんを電球に翳し
        床にアヒル型の影を落としてみる。
        「それと入れ変わっちゃうの?じゃあ本人の方は……」
        言いかけてクレハの小さな肩がブルッとふるえた。怖い想像になった様だ。 -- クレハ 2017-09-07 (木) 02:00:19
      • 「ふふっ」
        光の加減でそう見えただけぐらい微妙に、アトイの浮かべていた笑みが増す。
        「丁度今ぐらいの時間でしょうか、放課後ですね。人気のなくなった教室は静かなものです」
        とは言っても、校舎の中にはまだ人は残っている。部活をする子、用事のある子。だからそういう音があるわけだが。
        どういうわけか、それが一切消えてしまう時があるのだという。
        「そんな時、不安になってつい人を探してしまうと、人影を見てしまうのだそうですよ。
        その人影と目が合うと…目はおろか顔も無い影なのに不思議なことですが。影の中に自分の顔が浮かぶのだとか」
         そしてハッとした瞬間、奇妙な世界にとらわれてしまうのだという。色の少ない世界、夢の中のように
        感覚や動きの鈍い世界。正常に見えているのは自分の体だけ。 -- アトイ 2017-09-07 (木) 02:28:08
      • 「あぅ……」
        小悪魔の様なとはまさにアトイのための言葉だとクレハは思う。特にこの様な笑みを浮かべるのはクレハを驚かせる事に全力を尽くしている時だ。アトイとの交流の中クレハそれを理解し始めていた。
        「か、影の中に目が…あるの?」
        わかっている…なのにアトイの語る言葉にはどこか真実さえ混じっている様に感じ。それが虚言や作り話だとしてもつい聞き言ってしまう。それだけの魅力があるのだ。
        「じゃ、じゃあ…自分の身体はどうなっちゃうの?ううん自分自身は?」
        だから震え怖がりつつもついアトイの語る話の続きを求め聞き返してしまう。 -- クレハ 2017-09-07 (木) 02:49:42
      • 「安心して下さい。もし妙な世界に行った子が、戻って来れなかったのなら。私は誰からこのお話を聞いたんです?」
        今度ははっきりとアトイは目を細めて笑みを強めた。少し意地悪い彼女のじゃれ合いなのだ。 -- アトイ 2017-09-07 (木) 02:59:13
      • 「あ?そ、そっか…そんな事になったらお話できないもんね……」
        つまり今の話はやはりアトイの作り話のと言う事、それを理解すればクレハはほっと息を吐いた。しかし……
        「もぉ!アトイさんったらすぐ私の事驚かせるんだから!」
        ぷくっと頬を膨らませると拗ねた表情を浮かべ、アトイをぽこぽこと叩く。あまり痛く無い。
        こんなやりとりもまた二人の日常なのだ。 -- クレハ 2017-09-07 (木) 22:01:31
      • 「驚かすつもりはなかったですが。ああ、クレハさんは怖がりでした。忘れてましたね」
        笑ってぽこぽこされるがままになってから。クレハの手を手のひらで受け止めて立ち上がると。
        「では、行きましょうか」 -- アトイ 2017-09-08 (金) 00:13:11
      • 「うー…忘れないでよぉ」
        ぽこぽこしつつ抗議するもクレハのこんな反応がアトイを喜ばせてしまうのだろう。
        「行くって…やっぱり行くの?」
        同じ視線の高さとなったアトイの瞳を覗き問いかける。
        先の話が作り話としても何かあるのは確かなのだろう。
        実際クレハは数度の経験を経て、『ここ』が『そう言う場所』であるのを知ってしまった。 -- クレハ 2017-09-08 (金) 00:29:01
      •  かつて星屑として宇宙にあったものや、生物として海にあったものが、地球の表面で鉱物になった。
        鉄筋やコンクリートの材料がそういうものであるように。今、街の土台を支えているのは、昔の誰かが残した
        記憶なのだという。
         実体の無い情報から、物質のインゴットを作出する技術が誕生して、世界の有り様は大きく変わった。
         パラダイムシフトから半世紀以上が経って、今では街のほとんどがそんなモノで出来ている。だから、街は時々誰かの記憶を思い出すのだという。
        サイダーの中に、前触れもなく気泡が生まれては消えるのに似た現象だ。都市の骨髄に溶け込んだ記憶の泡が弾ける時、不思議な事が起こるのだ。
        「こういうモノを追いかけるのが、この部活ですから」
        そう言ってアトイは手を取ったまま。
        「行きませんか?」 -- アトイ 2017-09-08 (金) 01:00:10
      • 「うー…行く!また『影響』出たら困るし……」
        受信体質とでも言うのだろうか?クレハはなぜか『記憶』の影響を強く受けてしまう事がある。
        影響を受けると身体や性格に変化が生じ、日常生活への支障及び恥ずかしい記憶を量産してしまう。
        「…それに影響の事だけなく変な事になる前に解決したいもん!」
        そう言うとアトイの手をぎゅっと握り返す。
        正義の味方をやりたい訳でないが、そこに事件があるのならなんとかしたい。そんな気持ちも少なからずあった。 -- クレハ 2017-09-08 (金) 01:18:47
      • 「クレハさんのそういうところ、良いとおもいますよ。では、行きましょうか」
        手を繋いだまま言った。 -- アトイ 2017-09-08 (金) 02:05:06
      • 「褒められてるのかな……」
        軽く乗せられ流されている気がしないでもないが、新しい何かの始まりなのは確かだろう。
        そんな事を考えながらアトイに手を引かれていくクレハ。 -- クレハ 2017-09-08 (金) 02:12:47

Last-modified: 2017-11-10 Fri 22:24:07 JST (1114d)