ここの名簿の主はエスターク・レイネスじゃないですよ
- (いつものように部屋から通りを眺めている) -- リリス
- む、そこのお嬢さん……俺と魔法剣士を目指さないか?(ふと魔力を感じたので声をかけてみる魔法剣士) -- イラリオン?
- え?(部屋の窓は町の通りに面している。道行く人々を間近で見られる代わりに、向こうからも声をかけられる)
(しかしこんなに突拍子もない声のかけられ方をしたリリスは戸惑って)
それは魔法を使う騎士団へのお誘いでしょうか。(クスクスと笑って)なんだか随分と突然ですね。 -- リリス
- あーいや、騎士団とかそんな大したもんじゃないんだよ。(手を振って否定しながら) ただ片っ端から魔法剣士やってみないかーって声かけてるだけだから
つってもただ適当に声かけてるわけじゃないんだけどさ。えーっとそっちの名前は…ああ、俺の名前はイラリオンていうんだよろしく -- イラリオン?
- それは面白い声のかけ方ですね。でも私が「なります!」って言い出したらどうするつもりだったんですか?
イラリオンさん。(確かめるようにその名を呟き)私の名前はリリス・マーレンです。
(淑やかに笑うと立ち上がり)よろしく、イラリオンさん。家に入ってお茶はいかがです? -- リリス
- そりゃもうリリスさんにぜひにでも魔法剣士になってもらいますよ!(笑顔で答える毛皮帽子)
え、お茶っていいんですか?いや悪いな急に声かけてお茶なんて…じゃあ一杯だけご馳走になります -- イラリオン?
- あらあら。(口元に手を当てて)それじゃイラリオンさんが頑張ったら町は魔法剣士だらけですねぇ。
ええ、是非。(ドアを開けて青年を招くと既に用意してあったカップに紅茶を注ぎ)
ああして人を眺めるのが趣味なんです。でも、こちらに興味を持ってくれた人をお茶に誘うほうが楽しいですから。
(テーブルにつき、自分もカップを持ち)どうぞ。口に合うかはわかりませんけど… -- リリス
- 趣味の最中だったんですか、それなのにわざわざありがとうございます。ああいい香りだなあ(お茶を一口啜りながら)
うーん、町が魔法剣士だらけになるのはちょっと困るかもなあ…。まあでも失敗ばかりですから!
最初から魔法使ってる人には声あんまりかけないせいだろうなあ。リリスさんの場合は例外になったけど
あ、魔法使えるんですよね?なんとなくそう感じたんですけど違ってたらすみません -- イラリオン?
- 趣味は趣味です。でも人が通らない日は退屈です。気にしないでください、今日は退屈な日でしたから。
(長い髪を少し気にしながら紅茶を一口)まぁ。次は成功するといいですね?
ええ。私は魔法を使えますよ。(苦笑しながらカップを置き)とはいっても、杖の先から火を出すくらいしかできませんね。
魔力を感じたのは私が魔術で体を強化している再生者だからですよ。
イラリオンさんは私が本当はおばさんというくらいの年齢だと言ったらどうしますか? -- リリス
- いやそれで充分だよ!俺も魔法剣士って言ってるけど、本があってようやくちょっとした雷出せる程度なんで…
え、?リジェ……?(リリスの口にした言葉に首をかしげる) いやそんな、おばさんだなんて冗談ですよね?
どう見ても見た目俺よりちょっと上って感じじゃないですかハハハ(ひとしきり笑うとお茶を口に含む) -- イラリオン?
- //(凄い勢いで土下座)
そうなんですか? じゃあ剣のほうがメインなんですね。
(クスリと笑って)いえ、魔法剣士なんですからどちらがメインというのもおかしい話ですね。すいません。
魔術で擬似的な不老処置や肉体の再生力を高めた人間のことを言うんです。やっぱり魔法を使う人には初見から違和感があるようですね。
私は120年代に冒険していた15歳の少女、エストの姉です。家名こそ違いますが、そこから計算してみてください。ふふ。 -- リリス
- //(い い の よ)
剣のほうはずっと練習してたしやっぱ剣だな。魔法は冒険者になってから先生見つけて学んでるんで大分追いついてはきたけど……(苦笑しながら答える)
へえ、魔法でそんなことまで!やっぱ魔法って凄いな……え、不老?
(指を折って数えながら)えーとざっと計算しても40越えてる…。全然そんな風には見えないんだがなあ。でも嘘を言ってるようにはううむ
おっとつい長居してしまった、お茶ご馳走様リリスさん、また遊びに来させてもらうよ!(残った茶を飲み干すと帰っていく) -- イラリオン?
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- (今にも降り出しそうな曇り空の下、一階の窓から通りを眺めている女が一人)
――逃げろ、月よ、月よ、月よ。
もしもジプシーたちがやって来たら、
お前の心臓で白い首飾りと、白い指輪を作るに違いない。
(ぽつり、ぽつりと呟くように佳き時代の唄を諳んじ、歌う) -- リリス