冒険中/488074?
- 【クライマックスフェイズ - 暴走 - 】
- 『乱れ飛ぶ雷撃と炎、荒れる蒼炎…そして、影。うごめく巨影は解き放たれる』
「GaraaaaaaaaaaaaAAAAAAAAAAAAA」 「バーンズ!同調するんだ!バーンズ!」 「ハハハハハ!付属品の出来損ないはこれだ!やはりオリジナルの一部でしかない!」 「貴様の相手は俺だ…」
- 【ミドルフェイズ3 - 脈動 - 】
- 『島の原始的な風景とは一変していく。まるで迷い込んではいけないような場所へ…入ってしまったかのような…』
- 「なん、だ、これ…」
渓流沿いに歩いていたはずが、気が付けばところどころに機械が埋め込まれたパッチワークのごとき光景が広がっていく。 先導していく琴についていくまではよかった。水の場所まで案内しているのかと思っていたからだ。 しかし…今この状況を見れば、ただそのために先導しているとはとても思えなかった。 いや、正確に言えば…これから先、何が起きるのかが予想がつかない。 よくないことであるのは、わかるのだが。
- そもそもといえば、この島自体おかしい。歩いていてわかったが、花が咲き乱れ、木々が多い茂っている。
熱帯、亜熱帯の気候のように動植物が生きているのだ。そう、北方の海にある島なのに。 地熱、いや何かの熱がこの島全体に春をもたらしているのだ。そう、例えば… 機械を動かす、動力炉。つまりこの島は人工的に作られた。それはわかる。だが本題は何かの目的を持って作られたということ。 何を…?まさか、あの怪物に関係することが行われている? 確証のないまま、歩き続けていると山が見えてきた…山 先導していた琴は、その山を見上げて止まった。
「……」 低く、唸る。この先に確かにいる…感じられるが非常に微弱な反応になっている。 危険だ、いや危険で済んでいるのか…?あのコウサカに捕らわれた後で… 「!」 いや、この反応…3…4…?増えた、いや解放したのか3人とも。それでは…! 突如、山を切るように光線が薙いだかと思えば。山はまるで統べるように崩れて割れた
「なんだ!?」 山が、半分に割れた。袈裟切りのように山が切られた…!?山が、斬られた! 何が起こっているのかと地響きと地鳴りが交わり、土埃が上がるその山を注視すれば…右手が脈動する。 近い。自分に近い存在が、近いと知らせている…! 「いる…のか…!」 あの男と、女…のような存在。自分のように何かを宿した存在が、あの山にいる…!
- 琴が砂塵の中迷わず駆ける。行かないと!
何故かはうまく言えないが…いかなければいけない!
- 【ミドルフェイズ2 - 雷迅 -】
- 『輸送機のハッチが開く。目的地まで数100メートル…降下準備。二人。しかし彼らはパラシュートを装備していなかった』
- ≪草間さん!バーンズさん!アンデッドとコートニーは既に現地にいるとのことです!ご武運を!≫
- 「了解、降下!」
噴きこむ大気の流れに向かって二人は駆け出す。 後部ハッチの金属床を蹴る音が大気の噴流の音にかき消されながらも響く 大気の自由な世界が、二人を出迎えた。
風を切り、自由落下の最中…体をひねらせ軌道をずらし、正確な降下予定地点へ向かう。 そして、目視できた案内人の近くへ、向い…着地 無音。微なる衝撃。鳥のさえずりが聞こえる…森の中、一人の男が迎える。
- 「予定の時間通りだな。我々は当初の通り、研究施設を破壊する。」
出迎えたのはロングコートに白髪、口元をマフラーで隠した男。手には6尺の金属棒。 不死者(アンデッド)と呼ばれ恐れられる協力者の異能…アルマを持つ者。 語るべきことは語ったとばかりに二人へ背を向けて、森の奥へ歩き出す。 「待ってください、コートニーはどこへ?」 荷物のケースからライフルを取り出した男、草間が問う。当初の予定では、もう一人いたはずだ。 「ヤツは別のモノを探しに行った。異常があればこちらに来るだろう」 「別のモノ…?」 バーンズは考える。この時点で見つかる異常とは?敵であれば我々も共にいくはずだ。しかし一人で…? 「まさか!」 「不確定事項だ。進むぞ」
- 【ミドルフェイズ - 出会いと目覚め -】
- 『寒い。あんなに暖かかったはずなのに…暗い、寒い…ここは…どこだろう?』
- 「Bowwow!」
獣の声と共に、鼻に水が入って。思いっきりむせた。 「ェッ!ガッガッ!」 鼻がいたい。塩からい、というか痛い。顔を拭う、というか鼻をかむように鳴らした。まだ痛い 「…犬?」 犬。犬が座っていた。後ろに。どうやら位置的に僕を起こしたのは…この犬らしい。
- 「犬…?」 よく見れば首輪がある…いや、よく見れば。というより見せつけているかのように首を向ける。
かすれているが読める文字だ…しっぽを振って呼ぶのを待っているかのようにも見える。 「琴?」幸い漢字には馴染みがあったので、読むことができた。別の言語だったらどうしたものかと思ったが 「Bowwow!」 呼ぶと勢い良く応え、しっぽを振っている…うん、犬だ。もしかして僕を助けてくれたのだろうか…? 海水で湿った上着を脱いで腰に巻く最中でも琴は待っていた。 -- 律
- 「えぇと…うん、お待たせしました」
「Bow!」 なんで敬語になっているんだろうか。とりあえず、近くを見たけど荷物もない…いや、わからない。 周囲には船の残骸だろうか?それに…人の死体もある。 そういった漂流物で、この海岸は埋め尽くされていた。 「これも全部…あの何かのせいなのか。」よく生きていたな、というのが正直な話だ。 おそらくあの時フレメクスを出していなければ…僕も同じく。 「この人らが何をしたっていうんだ」 単純な感想。だがあの街でもそうだ。この人らがなんでこんな目に合わなければいけない? これから観光する予定だった人達。仕事に向かう人ら… 船に乗っていた人たちは、みんなそんな人たちだ。 あの怪物にそれを奪う権利が、いや…していい理由があったのか?あるのか? フレメクスを表出させていないというのに、右手が熱を帯びて湿気を飛ばしていく。 徐々に全身に広がり、髪まで乾いていった。 -- 律
- 「Bow!」
海岸を見つめていた意識が、ふと返る。振り返れば、隣に琴はいた。 「あぁ、えぇと…」 よく見れば足元の砂浜まで乾き始めている。ちょっとおかしい事態を招いていた。 「Bowwow!」 しかしそんなことをお構いなしに、琴は背を向け海岸の砂を踏みしめ駆け出していく 「ちょ、ちょっと待って!琴!」 海岸から島の内部へ、ただ追いかけるように駆けだしていった… -- 律
- 【マスターシーン - 冬空 - 】
- 『しんしんと雪が積もる庭。雪灯篭が白化粧にて華咲かせる昼…縁側にて3人』
- 寒い日だった。布団のような半纏を被せられて。両脇にいる人達と雪を眺めていた。
きっとほかの人から見れば3世代ぐらい離れた関係なんだろうと。最近思う。 今でもそれがどういうことかはわからなかったけれども。
- おかしいのは、この人のことをみんな詳しく知らないことだ。先生からは奥さん?だと聞いているけど。
他の人は知らないし、知ろうともしない。不思議な人だった。僕からすればもう一人のお母さんみたいな人だったのに。 それでも先生は何も言わなかった。だから僕はそれも当然なんだろうと思った。 でも、どちらかと言えば引き取られてすぐだったから。気にする余裕がなかったのかもしれない。
- 半纏のせいかもしれない。冬なのにとても暖かい時間だったのを覚えている。
一日、一週間、一か月、半年、一年…三人で過ごす時間が。当然になって。 いつのまにか増えた門下生とも…幼馴染とも遊ぶ日々が。楽しくて。 本当の、とか義理のとか。育てのとかじゃなく…父と、母だと…僕は思っている。今でも。
- 【オープニングシーン2 - 発令 - 】
- 『会議室…せわしなく動く人の足音を背に、バーンズは壁に体を預ける…この緊急招集はなんだ…?』
- 「何があった?」
会議室に入ってきた男に問う。その内容がおそらく今回の事件につながる。 「コウサカの手の者と思われる生態兵器が確認されました。北方洋上です」 「それにしては数が多い、俺らだけでは足りないのか」 画像を一枚、バーンズに渡すのは…このSIRリーダー、水之江柳生。 彼らを纏め国際的な団体としてSIRを広げた立案者でもある。 「このサイズは…大型船舶と同サイズか。」 そこには大型船舶と交差するように、同じサイズの巨大な怪物が映し出されていた。 衛星写真である。 「時緒とガッドがいれば別の対応ができたかもしれないが…コートニーは?」 もう一人。自身の妹であり同じアルマを宿すエレナと長い付き合いの…彼女を思い出す。 ここで合流するかと思っていたが、そうでもなかったのだ。 「先に生存者を確認しに行ってます。あなたも追って向かってください」 「了解。SIR、バーンズ。第一種発令により出動する。」
- 今あの化け物に対抗できる手段は限られている…生存者が存在しない場合は…
そう整理しつつも、先に向かった彼女からの報告を待ちつつ。現地に飛ぶ戦闘部隊、そしてバーンズであった。
- 【オープニングシーン - あるいはまた早すぎた世界 - 】
- 『冬の海の風が冷たく頬を、髪を撫でる…今ここは冬の海、それを渡る船の上…甲板で手すりに体を預けて一人物思いにふける』
- 今までの情報、そしてルシードが齎してくれた整理すると…1つの真実が導き出された。
それは3つずつ…正確には1つのアルマ、と呼ばれる器か祭器のようなものが奉られていた場所を中心に 街が存在したような歴史。 そしてそれらを中心に2箇所に似たようなものが存在しており、それらもまた 文明の中心に存在していたということ。情報を精査し分別するのは半ば直感的なものだったが… いや、正確に言えば内なる存在。自身でいえばフレメクスが助言したようにも思える。 とにかく、まるで惑星とその衛星のように連なる存在がいくつか確認できた。 その数はまだまだわかるだけでも多く…8から…12だろうか。 ただ、自身のフレメクスを中心に2つ存在していたものは既に目覚めていたらしく遺跡はもぬけのからで、特に争った様子も見られなかった。 そこで失踪した、あるいは消えた人も手がかりらしいものは見つからず、ただ男女一人ずつ消えたというものぐらいだった。
- 「どうしようかなぁ…この先」
正直それらしい、場所に向かってはいるものの実際は何もつかめていないに等しい。 ただ闇雲に探すというのも、そろそろやめておきたいところだ。 師である義明や、調べてくれたルシードに対してのこともある… 師のことだ。きっとなにか知ってて自分が打ち明けることを望んでいるに違いない。 しかし現状はよくわからない力があり、それがどういうものなのかもわからず。 どういうことかそれを組織的に運用しているものがいる…ような、曖昧なヴィジョンしか見えていない。 先の街の事件や、失踪についてもそうだ。事件となれば騒がれるはずなのに…何かしら大きな力が働いているように思える。 とかく、個人でやるにはどうも届かない世界なのかもしれない。
- 「はぁ…どうしようかなぁ」
それらしい検討の場所に船で向かって入るものの…その先でもまた同じように。 手がかりもなし、でまた別の場所に行っては同じで…の繰り返しだったらと。 見えない壁に突き当たったような困惑が浮かんでくる。 いっそ何もなかったことにしておくのも手ではあるが。 何もなかったというのもな…と沈むように手すりに頬を預ける。 ぼんやりと冬の海を眺めて気を散らそうと思っていれば…影 海面に黒い巨大な影が、船に近づいてきた。
- 「イル…カ?」
にしては大きいなと思った瞬間、船が轟音を立てて揺れる! それまで体を預けていた手すりから跳ね飛ばされるように甲板に叩きつけられて転がるしかなかった 「なっ…!」 驚いたのはその直後。船体が真っ二つになって折れているのだ。 Vの字型に折れた船を後目に再び黒い影が海面に現れ…そして 大口を開けて咆哮を放つ! 必死に甲板を登ろうとするが、自身の体が追い付かない…! 「フ、フレメクス!!!」 右手だけを変化させ、甲板を切り裂きながら踏みとどまるも…足りず。 そのまま轟音を立てて沈む船体と、渦に引き込まれる船体に巻き込まれ… 意識は消えた。 (あれは…一体…) …………………… ……………… ………… …… …
- 【マスターシーン】
- 『焦土と貸した小島。夜の世界を照らすのは炎と月明かりのみ…そこに伸びる影は二つ』
- 「レイスの野朗…!」
(素手のまま瓦礫を抉るように掴む男はその怒りが、周囲の炎が同化しているかのように燃えている) (短く切りそろえられた赤髪、白い肌。しかしシルエットは鍛え上げられた戦士そのものだった)
- 「まんまと裏をかかれたのです…エレナは既に他の場所に搬送された後だったなんて…」
(対する影は少女。穏やかな口調ではあるもののその言葉のいくつかには屈辱、怒りがにじみ出ていた) (事実その腕や手にしている長柄の武器には生々しい鮮血が滲んでいる。)
- 「やはりオリジナルがいなければ…俺達はオリジナルに太刀打ちすることができないのか…」
(無造作に瓦礫を放り投げるその姿には諦めも滲んでいた。) (今より数時間前。ここで戦闘が始まった。彼らが所属する…することを望んだS.I.R 多国籍連合戦略介入攻撃部隊と企業連邦が掲げる自由進化調停軍との戦い) (主義主張の違えはあれど悲しくもそれは人類のこの未来をかけた戦いでもある) (ナノマシン研究技術や武器を多数研究し実践に投入。またそれらによって強化した兵士を前線に繰り出す人道など配慮しない戦術…)
- 「…それは、仕方がないのです。そうあるように選んだのは私達なのですから」
(しかし彼らS.I.Rはそれを是とせず、多くの兵士と、かき集められるだけの武器。そして彼ら…アルマヴァーチェを前線に敷くことで対処をしようとした) (しかし結果は、多くの同胞を失い…また、彼の。彼の戦士の身内であり同じくアルマを宿すものを連れ去られてしまった) (超常の存在である彼らは一人一人が一騎当千であるが…それでも彼らに近い存在を培養、増殖、またはインプラントした軍団に数で攻められれば不利であった) (それが各々、人の道に。人として踏み外さないように選んだ道であったとしても…)
- 「探しましょう。オリジナルを…きっと近くにいるはずなのです。バーンとエレナの近くに…そうなるようにあったのだから」
(あぁ、そうだな。と意を新たに。迎えに来た軍用の輸送ヘリコプターのライトを見上げて。バーンズは呟いたのだ…)
- とりあえず最初から… -- 律
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