BGBR/0001
- うっかりうっかり、名簿名のスラッシュが抜けていたよ -- ゆかりん
- とりあえず明日の夜までに、ざっくりとでもいいから絵をでっち上げないといけないね。 -- ゆかりん
- 🐇
- (何者かが裏路地に在るその診療所の戸を叩いている)
(戸の前に立つは黒い、黒い兎の影。眠らない街 カブキシティの喧騒と、ネオンの光から逃れてきたかのような、黒尽くめの影であった。) -- 兔矢カランコエ
- (ネオン煌くカブキシティ、しかし路地に入ればその灯りの数も減っていき、やがては薄暗い路地裏となる)
(そんな路地裏の奥まったあたりに、ゆかりんの営む診療所は軒を構えている) (しかし違法営業…というRPだが…看板はなく、一見すると寂れた事務所か何か、そんな感じの入口があるだけだ) (その入口の戸を叩く音がすれば、診察室で自慢のコレクションを眺めていた少女は音の方へ目を向ける) この感じ、ポリス…ではなさそうだね。 (そう呟くと少女は足取り軽く入口に向かい、戸を開ける) (来訪者はたしかにポリスではないようだ。しかし、異様な風体。黒い兎…の) 着ぐるみ…?なんだい君は。急患にしては元気にも見えるが。 (ここに来るのは、大抵はここが闇病院だと知っている者だ。なのでそういう前提で問いかける) -- ゆかりん
- (兎を象ったマスクで貌は隠され、そして全身は外套に覆われている。伺えるのは僅かに覗く強化プラスチック製のサイバネティックな脚のみ)
(美しく、華やかなバニー達が彩るこの世界において、異質と言える佇まいだ) (黒兎は問いかけに答え無い。LEDアイカメラの冷たいオレンジ発色が、微動だにせずゆかりんの姿を見据えている。) 急…患…急患… (何秒経っただろうか、漂う沈黙を破ったその声はどきついボイスチェンジが掛かっており、性別どころか年齢さえも覆い隠している) ………もしかしてここは、「マツモト・ラーメン」では無い…? (マツモト・ラーメンは道沿いに進んで50m先、もう一つ先の路地裏。あろうことか迷子のエントリーである。) -- 兔矢カランコエ
- (この世界の住民はNPCを除けばアバター…)
(それもリアルの姿をスキャンし土台にするという悪趣味なものだ) (それゆえに己の容姿に自信が無い者は、布面積の多い衣装やフード、ヘルメット等で素の姿を隠しがちである) (目の前の人物もそういった類であろうか?とも思うが、纏ったその雰囲気は己に自信の無い者のそれではない) (しかし、正体を隠す。隠さねばならない事情を抱えている事は、補正を強く掛けられた声から察する事はできる) (もっともその声が発した単語は)…ラ、ラーメンだって?しかもマツモトラーメン…あの昔ながらの中華そば、を売りにしてるボロ店かい? (その店は知っている。昭和の佇まいを意識した路地裏の個人店。味も昭和当時のそれであり、現代っ子のゆかりんにはちょっと物足りない感じだ) あー、逆逆、反対側だ。表通りを挟んで逆側の路地の奥さその店は。 それにしても、そのナリでラーメン屋に入るつもりかい? (ぱたぱたと手を振ったあと、その路地の方角を指さす白いナース姿の少女) ここはご覧の通りの診療所さ。腹は満たせない事もないが、詰め込むのは御馳走ではなく脱脂綿かなにかになるよ。 もっとも、綿を詰めるにはちょうどいい姿をしているようだけどね? -- ゆかりん
- (小さく頷きながら彼女の指示した「反対側」の方を向き、話を聞いている)
勿論。この姿が私の正装。咎められる必要も、道理も存在しない。 ……少し…リアルの味が恋しくなって。特に夜になると…ラーメンが思い出されてたまらなくなる (勿論、腹は膨れることはない。だが、ほぼ完璧に五感を再現されているこの世界において、食事とは娯楽の一つに違いなかった。たとえそれがクリエイティブスキルによって生み出された虚像だとしても。) そうか、診療所だったんだ。夜分に突然きて、ごめん。(頭を垂れる。本当に間違ってきたらしい) 脱脂綿…絶対美味しくないでしょうそれ。防弾性に寄与するなら詰めるのもやぶさかではないけど… (と、ここで何かに気がついたのか、診療所内の設備を見渡し) …この診療所、サイバネ手術を取り扱っているのかい?(声色がラーメンとはまた別の興味を湛える) -- 兔矢カランコエ
- 別に咎めるツモリはないが、その中にどんな素顔が隠されているのか…は気になるところだね。
(普通の着ぐるみならばギザギザの歯の間なり、首元なりに覗き穴があるだろう。しかしこの着ぐるみはそこまで安っぽいものではない様だ) (なにせここはサイバーパンク世界。カメラとリアルタイムで視界をリンクする事など朝飯前だ) (ゆえに黒い兎の表面をじろじろと見たところで、中身を覗き見る術はない) つまりキミはよく夜遅くにラーメンを食べに出歩いていた人というわけか。羨ましい限りだ。 (とりあえず中身は子供というわけでは無さそうだ。羨ましい、というのはポロリと出た本音で) 別に構わないよ。この街では夜こそが活動時間だからね。 綿で銃弾がどれだけ防げるかは私には判りかねるが…耐弾性がほしいなら、軍事用のサイバースキン、お安くしておくよ? (急に商売っ気を出してにひっと笑む。相手からの質問への解答も兼ねて) もちろん、怪我の治療などもしているけどね。 -- ゆかりん
- 半分あたりで半分外れ…ぐらいかな。
外食で作りたてのあつあつのラーメンを口にする…それだったら最高だったんだけど。生憎、夕飯がインスタント漬けだったんだ (単に夜の外食ラーメンという贅沢をしていたと、それを羨ましがられたと思ったのだろう。少しばかり戯けとも寂しみとも言える人間味を言葉のはじに滲ませる) …お高いのでしょう? (夜の通番番組めいて返す。軍事用サイバースキン。少なくともサイバーウェアの中ではかなりのハイクラスであり、同時に”ヘヴィ”な代物だ) …でも、興味が湧いた。例えば (引きずりそうなほどの外套の裾をめくって自身の脚を見せる) ドクターだったら、コイツにどう手を加える?何が出来る…? (跳躍力を向上させるためのアクチュエーター、高所からの降着すら可能にするランディングフレーム、瞬発性、走力、可動域…) (見れば決して大きいとは言えない脚は、相当に改造とチューニングが成されているのがその分野のものであれば見て取れるかもしれない) (しかし同時に、精通しているものであれば…軽量化が極まりスカスカの骨に異常な筋肉を付け、ツギハギで出来た―フランケンシュタインの怪物のような歪ささえ感じられるだろう) -- 兔矢カランコエ
- なるほど、それはまた不健康な事だねえ。
(言葉ではそう返すものの、しかしそれはそれで羨ましい。憧れの一般的な生活の形だ) まあ、ここでは贅沢だって好きにできる。夜のラーメンはもちろん、お菓子三昧も、高級車も もちろん人を超人に変える様なサイバーパーツだって着け放題だ…先立つUさえあればね。 (右手の親指と人差し指で円を作って笑む) (外套の下から露出される脚。よかった、足あった。オバケじゃなかった、等と思いながらも身を屈めるとそれをしげしげと眺める) ほー、ジャンプ力を高める機構に、こちらは人口筋肉の密度がみっちり…まるで兎の脚だ。 人として、いや獣の様に走ったり跳んだりするなら既に申し分ないものだが…そうだなあ… (立ち上がると腕を組んでふーむ、と考え)まずバランスが悪い。筋肉の付け過ぎで、最大限の負荷をかけたら骨が歪むか…場合によってはポッキリ折れてしまいそうだ。 既にそうしているかは分からないが、チタン合金製、軽さ重視ならカーボンナノチューブ製の骨に替える事をおススメするよ。 Uに糸目をつけないなら絶対に折れない、単分子骨という手もあるけどね。 (最後に口にするのは一般には出回らない、取引の禁じられた品だ。しかし少女の目はそれも可能と物語っている) 望むなら、中で詳しく相談を受けようか?それともラーメンを啜りながらがいいかな? -- ゆかりん
- ……
(彼女の鑑定にじっと言葉に耳を傾ける。技師としての一面を見る為に試した所もあったようだ) (口にはしないが、最低でも、看板を用意しているドグに肩を並べられる程度の目はある。方向性も要求と合っている) ああ。そうだ。生憎毎日のように飛んだり跳ねたり踊ったりで…忙しい兎なんだ ただ、強く。強くあらねばならない。それならば…糸目は付けない(同じく指で円を作り、そのてをぎゅっと握りしめる。マスクの奥は微笑んでるとは思えない、ぎらついたものがあった) 少なくともそのマテリアル―単分子骨は初めて聞く。もっと、聞かせてくれ。ドクターに何が出来るか…いや。”どこまで出来るか”を。 (今この時を持って、迷子が顧客となったのを意味した) …えっ、あ…(が) ううん…そうだな。ぜったい、ラーメンを食べながらの方がいい…(本来の目的を思い出した様子) -- 兔矢カランコエ
- 毎日ねえ。サイバーパーツと言ったところで人体は人体だ。たまには休ませてメンテもした方がいいと言っておくよ。
キミがどれだけ強いかは知らないが、その強さを維持したいのなら猶更にね。 (一部の有機的なパーツを覗いて、人口物であるサイバーパーツは自然回復はしない。定期的なメンテナンスは必須事項だ) ふふふ、じゃあ行こうかマツモトラーメン。 (そのまま入口から外に出ると、ドアノブを一瞥する…と、カチャリと鍵が掛かる音。サイバーリンクによる自動施錠だ) では店に着く前に自己紹介でもしておこうか。 (案内も兼ねて前を歩き、やや振り向いた姿勢で言う) 私はゆかりん。あの診療所でサイバネドクターをしている者だ。もっとも、無免だがね。 (そう告げて歩く。路地を出て人通りの多い表通りを横断し、向かい側の路地へ) (そこを奥へと1分ほどあるけば目的の店の、薄汚れた看板と、その真下にある入口へと到着する) ああそれと、バニーファイターもしているよ。戦績は…まあそこそこって感じだ。 -- ゆかりん
- それは気遣いか…それとも、医者としての忠告かな…?(コミュ障故に人当たりの良さを疑ってしまうのか、ふっと尋ねてしまう)
休むことが…勝ちに繋がるならば、その時に選択するよ (診療所と外科医を隔てる扉が開けば…「オニイサン、イッポンイットクー」「実際お手頃、お安め」カブキシティの賑やかな喧騒がかすかに聞こえてくる) (この街の雑踏に紛れれば否応なしに心は高揚してしまうというものだ。) 行こう行こう。きっと美味しいよ ん…ゆかりん(名乗りを反芻する、無免であるかどうかはあまりに気にてはない様子。それよりも腕前のほうが重要なのだろう) …私は兔矢カランコエ。こっちも…バニーファイターの端くれ。…まあ、足を見た時点でバレてそうだけど… 宜しくね、歌舞伎町のブラック・ジャック。Uの方も、ファイトも、色々とお手柔らかに頼むよ (ゆかりんの顔を見遣った後に、マツモトの時代錯誤にも程のある戸を引いた) -- 兔矢カランコエ
- 両方だよ。せっかくの良いパーツが壊れてしまうのも惜しいしね。
あ、でも壊れた方がうちは儲かるのかな?(くすりと笑いながら答える。特にもってまわった意味は無かった) まったく表通りは騒がしいったらないね。まあ、こういうのも嫌いではないが。 (そんな表通りの喧騒、行きかう色とりどりのサイバーパンク丸出しな風体の人々の間を抜け、相手の自己紹介を聞く) トヤ?カラン…コエ?変わった名前だなあ。よぶ時は兎矢でいいかい? そしてキミもバニーファイトを…そうか。目的は金かい?それとも願い… キミの場合は強敵とのバトル自体、かな? (黒い兎、兎矢がバニーファイトに参戦している可能性は考えていた) (そもそものバニーファイト人口が多いのもあるが、今のUSSRの状況を思えば、参戦しない手はない) (自分の強さにある程度自信がある者なら、尚の事だ) (そんな自己紹介を終えればちょうどラーメン屋の前。灯りが点いていなければ営業してるか否か怪しまれても仕方がないボロい店) (ガタガタと軋む引き戸を開け、店内に踏み入る) (「いらっしゃい」と電子新聞から顔を上げる不愛想な店主の声が響く) やあ店主、今日はお客を連れてきたよ。もちろん私もだけどね。 (ゆかりんは店主にそうアイサツをすると、壁のメニューを指さし) ここはスープも麺もちょっとアレだが、チャーシューだけは逸品だ。 (兎矢にそう告げ、そのまま続ける) キミは単分子の骨に興味があるんだったね? まず単分子、モノフィランメントがどういったものかは知っているかい? (単分子、それは主に一部の超高級な刃物に使われている素材) (その名の通り分子1個から出来ているため、通常の手段では破壊出来ず) (この世で最も鋭利な刃として用いられる事が多い、そういった物だ) -- ゆかりん
- 変わった名前だという自覚はある、呼び名は好きにして。
私が呼ばれてるって認識できるなら…何でも良い(振り向きはしないが、口調は穏やかだ) ………(バニーファイトの目的に話題が移ると、一時考えるように)賞金の為でもあり、願いでもあり…全部かな。 それ以上は…言及を控えとく。互いに知りすぎると、いざ当たった時に…やりずらくなるかも知れない。 (手書きのお品書きが並び、壁にはビールジョッキを手にしたビキニ姿が微笑んでいる。茶色いラミネート製のカウンターは長年の傷でくもりきっていた) (ゆかりんの挨拶に併せて会釈をすると、メニューを見上げる) 常連さんなのかい?…いいね、抜群にクリティカルな情報だ。…とんこつラーメン、チャーシュー増々でお願いしちゃおうかな (こうして待つ間、カウンターに腰掛けながらドクターのセールスに耳を傾ける。実に有益な時間の過ごし方だ) …普通には壊れない物質、か。そんなのがフレームになっていればさぞかし強そうだ…が ただ……話を聞く限り(小声になる)それどうやって加工してるの…めちゃんこ、高そうだね? -- 兔矢カランコエ
- では、兎矢とよばせてもらおう。
まあそうだね、大金や願い、それを得られるのは1人だけだ。 もっともそれも主催者の言う事が本当であれば、だけどね。 (人をゲーム内に閉じ込めて楽しもう、等という輩の言う事を真に受けるのはどうかと思う) (しかしそれに縋るしかないという状況である事も確かで、はへ、と溜め息を吐く) 常連というほどではないよ。ご近所としての付き合いくらいはある…まあそんな感じさ。 (兎矢に続いて自分もチャーシュー麺を頼み、出されたお冷の濡れ光るグラスを眺めつつ) そりゃあ強い、めちゃくちゃ強い。加工は自力では出来ないのでメーカーへの特注という形になるね。 なのでお値段もバカみたいにお高くなる。具体的には… 足と脚の骨は合わせて32。両脚で64。大雑把に見て7億U必要だ。 (それは人一人が一生、豪遊とまでは行かずとも余裕で遊んで暮らせる額だ) 課金でUを買うとしても70万円くらいになるね。 (1000円の課金で10万Uを得る事が出来るのだ。今はそのためのアクセスも難しいが) -- ゆかりん
- 愉悦のために戦わせていざ優勝しても反故にする…そうだったら世紀の大悪人だ。その場合はしっかり恨んでやる
(同じくはぁー…と長めに溜息を零した)だが、信じるだけ信じてみよう。そのほうが生きやすいに違いない ……(話を聞きながら手持ち無沙汰に並べられたおしぼりをくるくると丸めていたが、手が止まる) 7億? (懐からハンドサイズのスマートデバイスを取り出し、パネルを数字を叩いて見返し)…7億?(もう一度聞き返す) …ゆかりん、私は今…国家予算の話しをしてるんじゃないぞ?全財産フルベッドして勝ち続けても到底間に合わない (何やらメーカーのラベルが印字されたグラスの縁を指先でキュッキュしながら、黒光りするマスクの額に手を当てた) そうだな…もっと適用する量を減らせない?若しくは他のマテリアルを複合するとか…要は私の動きに耐えられれば良いんだ。 -- 兔矢カランコエ
- ネットの中に、とは言え人を監禁している時点で十二分に犯罪者さ。
閉じ込めの件は事故で済ます気かもしれないが…。リアルでどれだけの被害が出ていることか。 (寝たきり状態になっている肉体の事はもちろん、職業や学業に支障をきたしている例も多いことだろう…と付け加え) まあね。もし本当だったら…誰がどんな願いを叶える事になるのか、興味深いよね。 (等と話していると「お待ち」という不愛想な声と共に2人の前にそれぞれ湯気を上げる丼が置かれる) (よくあるとんこつスープの匂い。よくある麺に、これだけは異様に厚切りのチャーシューがどっかと載せられている) そう7億。なにせパーツ数が多くて、その全てがキミの体に合わせた特注の品になるからね。 っていやいや、国家予算はもっともっと高いから!ほら、聞いた事あるだろう53兆円! (それでも個人が支払うには、ゲーム内であってもかなり無理のある額だ) (もちろんゆかりんもそれを分かった上で言っている) 量を減らすというのはおススメできないね。さっきも言ったが大事なのはバランスだ。 一部の骨だけを強くしてそれに合わせた動きをすれば、強化していない骨のほうが保たなくなってしまうからね。 (言いながら割りばしを割り、さっそくとラーメンを啜る)…あっつ。 (カッコつけて啜りこもうとしたところ、熱さで舌を焼いた) そこで…んぐんぐ…だ(お冷を飲み、口の中を冷やして言う)Uの替わりに別のもので支払ってくれてもいい。 キミの身体の一部(箸の先を兎矢に向け、それを顔から下…胸の中央あたりへとゆっくりと移動させ) …そう。心臓、でね? -- ゆかりん
- んぇ…(変な声を漏らす)国家予算て…そんなに高かった…?あ、ああ…しばらくニュースを見てなかったので…(なんか都合の悪いところを掠めたようだ)
っと、わぁ…久しいな、この匂い…!(余程恋しかったのだろう、早速割り箸を割き、チャーシュー山盛りのとんこつラーメンに色めき立っている) そうか、力学的な問題もあるのか…このゲーム、そんなところまで作り込んでいるのか。変態的だな… (流石に手の届かないラインだとわかると気がひけるというもの。マスク越しでも半ば意気消沈しているのが分かる様相。ラーメンを箸で引き上げ、冷ましながら) …ん、何だ方法があるのか。それを先に― (―心臓。確かにこのドクターはそう言った。) (ラーメンを運ぶ手が止まる。その指摘はだいぶ予想外だったようだ) 何…?心臓をサイバネ化して置換すれば…7億がチャラになるのか…? (常識やモラルを疑っているのでは無い。心臓のサイボーグ化は例がないわけではない) (交換条件としてそれが出てきたことに驚愕を隠せなかったのだ) ……悪い取引じゃない、が…何故、「それ」なんだ? -- 兔矢カランコエ
- しかも数十年前の国家予算だ。今は…いくらくらいなんだろうね?
(小首をかしげてみせる。学校にもロクに行けてない身、実のところ知らないのである) (今度はふーふーして冷ましながら、ちゅるちゅると麺を食べていく。業務用スープと業務用の麺。昔の個人店を再現した味だ) 最近のゲームの物理演算は大したものだよね。こうしてコップを丼に押し付けても吹き飛んでいったりしないんだ。 (実際にそれをやってみせる。小物がカタカタ震えたりもしない) (ラビ―イクリプス自体は高性能ではあれあくまでゲーム機だ) (だとするとこの世界の膨大なデータの管理と、各種計算はどこで行われているのだろう?そんな事を考えてしまう) というか、そのままで食べるんだなキミ…。 (食べる時くらいは着ぐるみの頭めいたヘルメットを上げるなり何なりするか、と思っていたがそんな素振りもない) (こんなところばっかりゲームしてるのか、とちょっと残念そうに口を尖らせた) そう、心臓。キミの…というよりはキミの中身。つまりはプレイヤーの心臓のスキャンデータだ。 とりあえずはそれだけ。でももしキミが、私の探している「理想の心臓」の持ち主であったなら その心臓を提供してもらう。キミが死んだ時にね。 (何故と聞かれると、箸をとめてちょっと考えてから) それが私の趣味だから。心臓コレクターとでも言えばいいのかな。 私の診療所の奥は、データから再現した心臓の標本でびっしりだよ。 (おかしいかな?と笑いながら問いつつ)あ、もちろん返事は今すぐでなくてもいい。今日はラーメンを食べに来たのだしね。 -- ゆかりん
- 作り込みは確か…だね。あまりにリアルすぎて、不気味なくらいだ
この世界で、人に生活として享受させるだけの自信はあったからこんなことを…したんだろうかね。 ん、残念だった?(マスクを撫でながら)ふふ、ちょっとグリッジめいてるけど…このスタイルが正装だから。そこだけは…譲れなくてね。 (そう呟きながら、冷ましていたラーメンをおもむろに頬張る。この異質なマスクのためだけに特殊なモーションを仕込む余力はなかったのか…。派手に啜る面子が居ない妙な光景)…………… (何故心臓を求めるのか、その理由を麺を漉きチャーシューを口に運びながら聞き、暫し口を噤む。何かを考えるかのように指先をとんとんと突き合わせ) ……このアバターのではなくリアルの心臓のデータがお望みか。 …正直に言わせて貰うと(くるくると、だいぶ減ってきたラーメンの中をレンゲでかき回している。そう前置きを入れつつもやや逡巡している) 悪くないが、特殊だな。顔を隠している私が言えた言葉ではないけれども…リアルの情報を提供するには、そうだな…互いに信用が足りていない。担保するものもない…。 (だが同時に、それらがクリアできれば応じても良いというニュアンスも含んでいた) 条件は了承した、ドクター…返事は暫く、保留させて貰おう。(最後の一切れのチャーシューを大事そうに口に…いや、マスクの中に運ぶ) …ふー、良いラーメンだ…。本当に「本物のようだ」(ぱちん、と手を叩く)ご主人、ご馳走様ー。 -- 兔矢カランコエ
- 視覚聴覚はもちろん、五感で味わう事のできるデータ。どれほどの手間暇を掛けたのだろうねこのゲームは。いや…あるいは…
(ゲームと言うにはあまりにも無駄が多く、精緻。反面ゲーム性は薄い) (はじめからヴァーチャルの、もうひとつの世界でも作ろうとしていたのではないか?そんな疑問を覚える) だとしたら、神様気取りの誰かさんは私達をここから…自分の世界から逃がす気があるのかどうかも怪しくなってくるね。 (しかしまあその辺りはバニーファイトの決着がつけば分かる事だ。なので今はそれ以上は言及せず) う、うーん、一応口で食べている…ように見えなくはないかな…。 (ヘルメットのバイザー。歯が閉じた口。そこに麺が消えて行く様はまあいいとして) (強さを求める者が、何故常時兎の姿なのだろう。不思議に思い首を傾げる) (もちろんそこには何かの事情があるのだろう。傍目には奇行…それは自分も同じことなのだ) ああ。まあ流石にアバターの内臓なんて設定上のものだしね。 信用がないのはまあしかたない。なにせ先ほど遭ったばかりなのだし。だから急ぎはしないさ… 幸い、ここでは時間がある。それなりにね(ふー…と息を吐く。落胆ではなく、満腹感で) では、こんなもので信用を得られるとは思っていないが、お近づきの印だ。ここは私に奢らせてもらおう。 (そう言って店主に勘定を、と告げる。現金ではなく、リンクによる電子マネーのやり取り) (店主は「まいど」とだけ不愛想に告げた) あるいは本物なのかもしれないね。本物のラーメンを食べた誰かの味覚をデータとして抽出したもの。 それを私達は味わっているのかもしれないよ。 (そんな予測を口にしながら店を出る) (カブキシティの空気はお世辞にも良いとは言えないが、火照った身体に夜風は心地よい) -- ゆかりん
- (逃がす気があるのかどうか、そんな言葉に顔を上げたまま呟く)全ては…後2週間。経てばわかる(そして、その時最終的な勝者も決まる。果たして、誰が頂点に立つのか、誰が願いを叶えるのか―)
おや…むむ、ふとっぱらだねゆかりん。さっそくちょっと貸しを作ってしまった(が、決して抜群に裕福なワケではなかった) …ここは有り難く…ごちそうさま…でっす(ぺこりと頭を下げると兎耳もぷらんと動いた) (まだまだ、カブキシティの夜は長い。未だ絶えぬ人波は、些細な悩みすら流してしまいそうだ) この世界の味覚が…誰かさんの美味しかった体験の追体験してるってことだったら… 大層なグルメだねぇ。良いもん…食ってるよ、本当。 (なんて軽口を叩きつつ、診療所のある路地裏の入り口に差し掛かる) それじゃあドクター、私はシンジュク・ターミナルの方に住んでるから…(と、シンシュク駅の方を指さす)今日はここでお別れだ。 また…色々、詰めなきゃいけないこと沢山有るからね。追って尋ねるよ(す…と、外套の裾から手を挙げる) -- 兔矢カランコエ
- 2週間、あっと言う間なのだろうね。
その時、私達がどうなるのか。その後、ここがどうなるのか…ちょっと楽しみではあるね。 (うんうんと頷きを返しながら答える。どうなるにせよ、ゲーム自体は存続してほしいものだと思いながら) ふふふ、こう見えても医者だよ?結構なU持ちなのさ私は。 (とは言え所詮はラーメン。二人分合わせて2000Uもしないのだった) そうだねえ…やはり味の濃いものは美味い。等と言うと子供舌だと笑われそうだが…まあ美味いものは美味いのだ、うん。 (濃い味のもの。塩分の濃いもの。リアルでは味わう事のできない味は、ゆかりんには御馳走そのものであった) あの辺りか‥(言われるままにターミナルの方へ目を向ける) (そこは企業のビルが立ち並ぶオフィス街と、公園を中心としたスラムに二分されている区域) (兎矢がそのどちらに属しているのかは、考えるまでもなく察する事ができる) 分かった。まあ近所みたいなものだ、そのうち御用伺いにでも行くよ。 それじゃ、お休み。…いや、キミの1日はこれからかな? (じゃあね、と手を振るナース姿の少女は、兎矢の姿が雑踏に紛れて行くまで見送るのだった) -- ゆかりん
- 🐇
- 🐇
- (夜の東京湾)
(灰色の曇り空が垂れアスファルトのように黒々とした水面には、プラスチックの漂流物が列を作り、時折対岸の高層ビル群の光をテラテラと輝かせていた) (何時もであれば水質汚染が極まっていて尚、釣果を求め埠頭に座り込む人間か) (そうでなければささくれたパーカーを纏い、裏取引のために闇夜に紛れるバイヤーが利用するぐらいの場所だ) (だが、この日は普段とは少々、異なっていた。) (巨大な一つのシルエットと、2つの小さいシルエットが、闇の中を飛びかっている) BUNG!! (銃声が響き、マズルフラッシュでサイボーグめいた4mはあろうかという巨人と、対峙する白衣と黒マントのバニーの姿が顕になった―) (事の発端は「面倒なボスが湧いてるので、手を貸して欲しい」と、兔矢より送られてきたTellであった。) (Carnageとネーム表記された、全身銀色のサイボーグ系ボスユニットはその強固さと一撃火力の高さが厄介な代物) (一度は兔矢も撤退を余儀なくされた相手であった。) (だが―) ………凄いな… (ゆかりんのサポートを受け、立ち回る兔矢が思わず驚嘆の呟きを漏らす) ここまで…明確な差が出るものか… (叩き込まれたショットガンの一撃で、カーネイジのドラム缶のようなサイバネ義手が吹き飛び、地響きを上げて地面に落着する) (見るからにダメージが累積しており、もう既に虫の息といった様相を呈していた。) -- 兔矢カランコエ
- (東京湾。現実では徐々に浄化が進み、生き物の数も増えつつある海ではあるが)
(ネオ・トーキョーの海は暗く汚い。理由は明白、この国を支配する大企業にとっては未来の環境より目先の利益の方が大事だからだ) (何時死ぬか分からない。ゆえに刹那的に生きざるを得ないこの世界では、誰も遠い未来の事など考えもしないのだ) (そんなゴミと科学物質で汚染された海に面する埠頭で、白いナース姿の少女は「敵」と相対していた) ほらがんばれがんばれ。大丈夫、多少の負傷なら後で治してやるさ。 (巨体のサイボーグはこの港一帯を縄張りとするサイバネヤクザの用心棒) (とにかくタフでパワフル。一撃貰えばHPの半分から7割をもっていかれるヤバイ奴) (しかしそれも当たらなければどうという事はない) (敵がモーションに入ってから回避を始めても間に合うだけの反応速度と、神経の反射についていける身体能力) (その双方を備えていれば、よほどの不運が無い限りは負ける事はないだろう) (そして今、兎矢はその域にあった。ゆかりんのもたらすたっぷりのバフ…) (薬物の注射により反応速度と身体能力がそれぞれ50%増しになっているのだ!) しかし凄いな。もともと強い奴に使うとこんなにも効果を発揮するのか、割合バフというものは。 …おっと、油断するんじゃないぞ。そろそろ「発狂モード」にはいるはずだ。 (一定以上のダメージを受ける事で戦闘スタイルを変える) (RPGのボス敵にはよくある仕様だが、この用心棒の場合は…) ヤクザらしく、道連れにしてでも…そんな感じになるはずだ。 (ボスもまた後先考えないドラッグを使用したのだろう) (身体から陽炎が、口と鼻から蒸気が見てとれるほど体温が上昇し、肌の色が赤く染まっていくのが見てとれる) 恐らく攻撃力、俊敏さが上がっているはずだ。…それだけかは分からないが。 (兎矢の背に忠告しておく。サイボーグというやつは…) (その体に何を仕込んでいるか分からないのだ) -- ゆかりん
- (そう、当たらなければどうと言うことはない)
(人間一人叩き潰せてしまいそうなアームハンマーも、切り札然として仕込まれた仕込み刃さえも、まるで宙を舞う枯れ葉のようにすり抜けれてしまえる。) (風切り音と共に猛然と振り下ろされたそれは命中を伴わず、地面に「八つ当たり」されるしかなかった。) (それはレベルと練度が為せる技なのか、それとも使用タイミングが的確なのか…。) …オーケー。(ちら、と背後にいるゆかりんに振り向くと、了解の代わりに手で○のサインを作った) (忠告を聞き、一歩距離を置く。その体は白熱した鉄のように赤く、危険であると一目でわかる様相を呈していた) 『fuck!』 (ストーリーラインにそった台詞を吐きながら「カーネイジ」が吠える) 『あの時、お前を…潰しておけば!こんな事にはならなかっただろうに!』 (次の瞬間、腹部が吹き飛ぶ!いや、吹き飛んだだけではない、そこからガトリング砲の銃身が―) …ッ! (現れた。が、その時点で既に、身体能力を1.5倍まで引き上がられた兔矢の斬撃が砲を切り飛ばしていた。) ……うん…良い読みしてる、「それだけじゃなかった」。 (切り抜け、マチェーテを振り払うと、ガトリング砲が炸裂する。コレ以上のギミックはないだろう…そう、兔矢が一瞬気を抜いた瞬間、それは起きた) (思考パターンが変わったのだろう。ボスはぐるり、とゆかりんの方に向き直ったではないか!) 『キサマ…だけは…っ』 …!ゆかりん、そっちに行った…! (兔矢が叫び、駆け出すのと同時に、満身創痍となりながらもゆかりん目掛け、カーネイジが猛然と突っ込んでくる!) -- 兔矢カランコエ
- (速さで圧倒できる。これは戦闘においてとても有利な事だ)
(しかしその速度を得るためにも代償は必要だ) (代償は日々の鍛錬だったり、身体の改造だったり、薬物の料金だったりするのだが) (時に、後払いの代償というものも存在する) (生命を燃やして限界以上の力を発揮する、と言った類のものだ) (死に体のボスはその代償を支払おうとしている) どれだけ速くなるか分からないぞ。…って腹が弾けた!? (露わになった腹腔の内部。そこから突き出す束ねられた銃身) (ガトリングを体内に仕込む。ちょっとした小屋並の巨体だからこそ出来る芸当か) うわわわ、それはまずいって!(咄嗟にその場から横に飛びのくもガトリングの銃身は兎矢が切り落としていた) ああびっくりした。腹から取り出して銃身を向けて撃つ。…今のキミにしてみればトロい行動か。 よし、そのまま一気にたたみこんでしまえ。そしてお楽しみのボスドロップを―― (言葉が止まる。ボスの顔、視線が自分の方に向けられたのに気付いたのだ) なんで私!?ちょ、ちょっと待… (慌ててガンタイプの注射器を取り出し、自分の首に当てるゆかりん) (しかし、取り出し、構え、射つ…その動きは加速したボスにとってはとても遅いものだった) BOGOOOOOOOON (次の瞬間、豪快な音が夜の埠頭に響き、ゆかりんの小さな身体は宙に舞った) (単なる体当たり。しかしトラックに等しい体躯と重さ、パワーをもったボスのそれは人ひとりを数十m吹き飛ばし) ぐえー!? (どぼーん!…海に落とすには十分な威力であった) (ザザザザーッとアスファルトを削りながら脚を止め、ボスは追いすがる兎矢へと向き直る) (…と同時に兎矢へと掌打を放つ!その掌は普通の人間の耳では捉えられない高周波を放っている) (高周波振動破砕機。そんなものまで仕込んでいるのだ) -- ゆかりん
- (恐らく、思考パターンが変わったと同時にヘイト値もリセットされたに違いない。)
(いや、それは割りとどうでも良かった。なにせ、体当たりが見事に炸裂してしまったのだ…!) えっ……ちょっ……ゆかりーん!? (可憐な白衣のバニーが東京湾に着水するのが、反射神経ブーストされた目に実にゆっくりと、しっかり見届けてしまう) (心配、そして自責、まずそれらが頭をもたげるが、それらをハイスピードで別の思考が塗り替えた) (「まずはコイツはぜってーぶっ潰すわ。」) (急停止しながら向き直るボスの頭目掛け、装甲もぶち抜く虎の子のショットガンを引き抜き、狙いを合わせ―) パキン。 (銃身から妙な音がした。同時にステータス上に表示される「弾づまり」の表記) (周波数が合った武器の構造が破壊されてしまったのだ。) ―!?…何をしt (言い終わるよりも速く、胴ほどもありそうな巨腕での掌底が直撃!) (二度、三度。真っ黒な塊がバウンドし、土煙と火花を撒き散らして吹っ飛んでいく。埠頭のコンテナに激突してその体はようやく停止した) (もうもうと砂煙が立ち込めている…生きているかすら怪しい。) -- 兔矢カランコエ
- (自分の行動が間に合わなかった、のは分かった)
(まあ分かるより先に視界が、いや自分の身体が宙に舞ったのも今となってはわかる) (そして海に落ちたのも)まずいなこれは…。 (サイボーグ、特に超人的な身体能力を有する戦闘サイボーグにも欠点はある) (それは身体が重いこと。水に対し比重が人体以上に重い。ゆえに自然に浮く事ができないのだ) (まあ人工の心肺は1時間ほどの潜水にも耐えられるのだが)…とにかくどこか、登れるとこを探さないとだ。 (ゴボゴボと呟くと、暗緑色の海水の中、ヘドロの体積した底を歩く) (まあ岸の方角は体内のコンパスにより分かる。とりあえず兎矢の健闘を祈りながら上陸場所を探すことに決めた) (バフの、ドラッグの効果が切れる前に決着をつけろと案じながら)
(――一方、ボスの掌打は、怪力のみならず、高周波の振動による破壊…) (防具効果を無視し、人体内部の水分を沸騰させ、硬い骨を粉と砕くその一撃は兎矢を捕らえていた) (振動は多分にショットガンに吸われてしまったがそれでも効果は十分だ) (ボスはコンテナを背に倒れているのであろう兎矢にのしのしと、しかし機敏な動きで歩みよる) (時折、ボスの身体、体表の一部が破裂し赤い蒸気が噴き出す) (体温の上昇が続いているのだ。ボスの方もまた戦える時間は長くない) (だからトドメを刺しに行く) 『ハイクを読め』 (辞世の句を詠む事を勧めながら、煙の中の兎矢へと手を伸ばす) (兎矢の頭を握り、持ち上げた上で直に高周波を叩きこむつもりなのだ) (相手の脳を、直に破壊するために!) -- ゆかりん
- (ついでに言えば、不意打ちを極限まで成功させるために、速度局振りだ。ボスが代償を払ったように、兔矢もまた防御を犠牲にしているという代償を支払うことになった) (ぶらり、実に軽々と。そのシルエットが頭を持って掴み上げられる。そして腕部に充填されていくエネルギー、ハイクが読まれれば即座に爆散は必至だ)
「カイシャクしてやる」…か? (ガリッ。マチェーテが赤熱するボスの手首に深々と食い込む) ちょっとばかし…早まったよ…アンタ。 イィィッ…ヤーッ!! (手首を切り飛ばした!生きていた…だけではない、何という復帰の早さか!) (それはひとえに、バフ効果の一つ、アドレナリンブーストの存在のお陰であった。攻撃力の向上だけでなくダウンからのリカバリーも高速化し、痛みで挙動が阻害されるのを防ぐ) (まさしく、ドラッグブーストの名に恥じない効果。それだけに効果が切れた時の落差が恐ろしくも在るが) 『グワーッ!』 ゆかりんを殴った分…お前は全力で潰してやる!! 『キサマこそ…そのまま死んでいたほうが良かったと思わせてやるわーッ!!』 (ここに壮絶なインファイトでの殴り合いが開幕した!砕け振るわれる剛腕、千切れ乱れ散る刃。急げ急ぐのだゆかりん!兔矢の方がちょっと分が悪い!) -- 兔矢カランコエ
- (ボディアーマー等を無効とする高周波も、もともと装甲をもたない者にはそれほど意味はない)
(それでも人体、サイバーパーツを含めたそれに対する破砕効果は十分) (力を失った様な兎矢の頭をむんずと掴む掌、そして指は焼けるかの様に熱い) (ボスもまたサイボーグとは言え、体内が燃える様な温度では長くは保たない。特に、脳は) 「ハイク、ハイク、ハイク、カイシャク!!…違う、トモニ共に共に死ねお前だけはお前だけはオマエダケハ!!」 (その証であるかの様に、言っている事がおかしくなってくる) (脳、言語野にダメージを負っているのだ) (――そんな状況からの最後の一撃。自分の脳の沸騰を代償、敵の脳を沸騰させる) (そんな最後の高周波が、下腕に仕込ませた発生器から掌へ伝導――) (しなかった!その寸前に手が下腕から切り離されたのだ) (丸太めいた腕を切り落とすとは何たるワザマエか) (そしてはじまるドツキ合い。ボスはその身に秘めた兵器を失い、残り僅かな命を燃やし、獲物をしとめるべく壊れた量腕を振るう) (ボスもまた苦痛を感じていない。薬理的な効果ではなく、もはや感じる事ができないほどに脳が損傷しているのだ!) (しかし正面からの殴り合いはウェイトが物を言う) (例え苦痛を感じずともダメージは減りはしない。先に打ち砕かれるのは――) 『グワオオオオオオ!!!!』 (獣の様な咆哮をあげ、ボスが兎矢に手首から先のないスレッジハンマーを見舞おうと両腕を振り上げた) (その時――)
そこだ、兎矢くん! (の台詞と共に兎矢の首筋…ヘルメットとマントの間に注射器が突き立つ) (海から上がってきたゆかりんが投げた注射器が) (その注射器に収められているのはワイルドバーサーカー。それも最高濃度、身体能力を100%アップさせる薬だ) (そしてゲームならではだが、薬の効果は即時適用される) そして狙うべきは――、そう、「そこ」だ。 (大きく両腕を振り上げたが故に、ガラ空きになるボスの巨大な腹) (そこは先ほど兎矢が破壊したガトリングの残骸が残る大穴であり――) (同時にそのガトリングの弾がたんまり詰まった弾薬庫でもある!) -- ゆかりん
- (これまでか―そう、脳裏によぎった瞬間であった)
(聞き覚えのある声と共に、首筋にチクリとした痛みが走る) (いや痛みだけではない。世界が走馬灯めいて遅く感じられるようになり、同時に…どこに存在したというのか、爆発しそうなほどの力に飲み込まれた) (ワイルドバーサーカー…これまでの物とは、文字通りケタが違う。まさしく狂戦士をここに生み出したのだ) (斬撃) (斬撃につぐ斬撃。) (一瞬にして何発の斬撃が叩き込まれたのだろうか) (最早人の動きではない、システムによって再現された無数の斬撃は、大量の装甲と、薬莢と、バイオ循環液と火花を散らし叩き切っていく) 『グワアアアアアアア!!』 (ボスが、カーネイジの体が大きく揺らめいた。その瞬間に) ウオオオアアアアア!! (全力の蹴りが見舞われた。巨体が吹っ飛び、そのまま東京湾へと沈み込んだ) 『オマエ・ダケハーッ!!』 (ああ、なんという断末魔か。巨大な水柱をあげ、狂気に飲まれたカーネイジは大爆発と共に四散した―) …うぇへ… (喜ぶ間もなく、変なうめきを上げてそのばにバターンと倒れる兔矢) -- 兔矢カランコエ
- まったく。私が海底散歩を楽しんでいる間に終わっているものだと思っていたのだが。
(等と気取って言うものの、髪から服からずぶ濡れの濡れねずみ。靴はヘドロにまみれ、頭には謎の海藻が乗っている) だが、これで決まりだ。これで倒せなければ… (逃げるか、デッドするしかない。しかしその心配は無用だと思える) (何か爆発物でもあれば腹の大穴に突っ込んでやれば済んだだろうが、兎矢のショットガンもまた破損していた) (ゆえにボスの最期もまた綺麗にとはいかなかった。露出した人口臓器を周辺の肉もろともに切り刻まれ) (挙句の果てには汚染された海の中で爆発四散する羽目になったのである) (盛大に上がり、降り注ぐ水飛沫。普段ならばっちいと逃げるところだがとっくにその海水で濡れている) おつかれさん。いやあ手強い相手だったね。私もさっきの一撃で骨格フレームが歪んでしまったよ。 キミはどうだい?まったく無事には見えないが…まあうちに寄っていくといい、治療もしてあげよう。 どうせ今日明日は自力で食事をとるのもつらい事になるだろうからね? (にひひと笑って倒れた兎矢に告げる)さ、起きたまえ。薬が切れたら本当に動けなくなるよ。 今のキミはあちこち筋断裂を起こしてる筈だし、骨も神経も無事ではないだろう。 動けるうちに通りに出て車を拾わないとだ。 (そう告げながらボスが落としていったアイテムを回収する) 流石強いだけあってUも持っているねえ。…おや?これはキミの取り分だな。 (軍事用の武器コンテナ、の様に見える箱を兎矢の上に置く) (ボスドロップ。ミリタリー風のレア武器がランダム出現するアイテムボックスだ) -- ゆかりん
- ……(水飛沫が雨のように降り注いでいる。実に苦い雨だ)
(そんでもって、ゴロんと仰向けになれば逆さに映るゆかりん。全く、互いにひどい有様だ) ………おつかれ様でした。 なんつーか…ぐっちゃぐちゃだね(溜息)すまない。めっちゃしくった… (一瞬の油断がハチャメチャに繋がったことを悔いてか。のそり…とバツのが悪そうに起き上がった) 暫くご飯は食べないよ。別に…食わなくても死なないし…(と、たたらを踏んだ。やはりふらつく) あちゃ……こりゃ酷いな。ここは大人しく、ゆかりんの腕前拝見するわ… あっ、ただね…インスタント・リペア(簡易処理)でお願い。見られたくないデータも…あるからね (矢張り外套の下をきにしているらしい。それだけ、手短に言い含めた) ははぁ…私ら二人相手にしてコレだよ?多少は実入りがなくっちゃぁ… (トン、と渡されるコンテナ。) ん、あ…これは…?…私にルート権移ってたんだ… (ゆかりんをこのボスに誘ったのには、戦力的な意味以外にも、実はあった。) (医療関係のボックスもドロップ報告があったのだ。ただ…今回は、運に恵まれなかったようだ) (次はもっと出やすいとこ探すか…そんなことを思いながらも) (※前例に倣って次のゆかりんの秒数下一桁スロット!) 0:マシンガン系 1:ハンドガン系 2:ミニガン系 3:地対地ミサイル 4:ビームライフル 5:対空竹槍 6:打ち上げ花火 7:スコップ 8:パンジャンドラム 9:風船爆弾 // -- 兔矢カランコエ
- 別に謝る事はないさ。無傷で勝てるほど容易い相手ではなかった…それだけの事だよ。
そもそもキミが居なければあっと言う間にKOされていた筈だしね。 こうして協力してくれたお陰でストーリーイベントを先に進める事もできる。 (ボスが落ち爆散した暗い海面を眺めてむふーんと満足げ) (けっこう長い事このボスの攻略で詰まっていたようだ) 私のドラッグは割合バフだかね。地力が高い者に使ってこそ真価を発揮できる。 これまで幾人もの前衛と組んではきたが、キミほど俊敏性に秀でた者は初めて見たよ。 何せ痛みを感じるフルダイブVRシステムだ。防御を捨てる…という選択肢は考えてもそうそう出来るものではない。 キミは…勇気があるのか、それとも臆病なのか、よくわからないな。 (思い切りの良いキャラビルドに対し、まるで全身を覆い隠すかの様な衣裳…) (そのちぐはぐさに、また興味を惹かれる) それはそうと、ボックス開封の儀だね! (兎矢がオープンするアイテムボックスへ目線を移す) (この瞬間こそがMMORPGをしていてもっとも心躍る瞬間かもしれない) (果たして、出現するアイテムは――) -- ゆかりん
- ……お陰様、と言いたいのは…私の方だ。とてもじゃないが、ソロじゃ制限時間に間に合わなかったよ…
(いつでも彼女の言は前向きであり、そして洞察的だ。だからこそ、世辞ではない説得力を感じる事が出来た) (ふっと、リアルはどんな人なのだろう。と時折好奇心が脳裏に湧き出てくる。研究畑の人間なのか、物好きな一般人なのか…しかしそれを探ることはマナー違反も甚だしい事だった) たぶん…臆病な方だと思うよ。あとはひとすら愚かなだけさ(苦笑交じりに言いながら、ボックスを開封した) (ぱんっ☆と、いつぞやのSSR演出比較したら控えめではあるが、星を散らしながら迷彩模様のボックスが割れ、お待ちかねの品が姿を現す) お… (でかい筒だ) (でかくて重くてごっつい筒だ。ゆうに15kg以上はある。) 重っ! というか…対戦車ミサイルだこれ! (これまたごっつい物が現れたものだ。絶対に箱の容積を上回っている、そしてその過剰火力具合に引き気味) な…なんだろうこれ。ヤクザ・クランにでもカチコミに行けってことぉ…? (担いで見せる。木曜洋画劇場にありそうな絵面だ) -- 兔矢カランコエ
- ま、1人でほいほい狩れる様ならボスとしては役不足だしね。このくらいで丁度いいのかもしれない。
(本来であれば、4〜6人のパーティで挑むのが通例だ。それ以上の人数になると統制がとれないため、この程度が良いとされている) (しかしそんなボスを2人で仕留めることが出来た。やはり兎矢は只者ではないと感じる) 愚か、ねえ?(それはどういう意味だろう。自嘲である事は分かるが、真意を理解するには情報が足りない) まあネトゲに現を抜かしている様な人間なんて、少なからずリアルに何かあるものさ。 リアルを捨てて幻想の世界に溺れたい、そんな何かがね?(違うかい?と首を傾げて問い) (そして出てきたアイテムを見れば目を丸くし)うわでっか!なんだこれ…ロケット、いや違うね。ミサイルだこれ! (人間1人がぎりぎり担いで撃てるサイズのミサイルランチャー。形式などには詳しくはないが) 誘導兵器か、すごいじゃないか!ああ、戦車や、さっきのボスみたいな大型サイボーグ相手にも使えそうだね。 たぶんだけど、信管をいじるスキルがあればトリッキーな使い方もできると思う。 ふふふ、マッチョな俳優が軽々と担ぐのもいいけど 小柄なキャラが大型武器を持つというのもまた絵になるものだね。 さて、そろそろ立てるかな?通りにタクシーを探しに行こう。 (薬が切れればミサイルを持ち上げるどころの話ではなくなる。はい、と手を差し伸べる) -- ゆかりん
- (違うかい?と問われれば)
………うん。その、通りだ。 (純粋にゲームを楽しんでいるプレイヤーも居る、いつもの兔矢ならそう返してきそうなところであったが) (ぽつり、と。一言だけ返した。きっと、ゆかりんの言ったことは遠からず当たっているのだろう) 大ボス倒したら対大ボス用武装が出てくるって…もうちょっと早くほしかったなぁ、これ…! まあでも、言う通り楽しそうな代物だ。近接信管つけて開幕ぶっぱ、ステルスぶっぱ…(なんかとりあえずぶっ放す方向の思考に行っている) (差し伸べられた手を見る。今日のドタバタ激闘劇の痕跡がまだ残っている) …今日は付き合ってくれてありがとう、ゆかりん(改めて) うん…帰るか。ドーピングが切れたら本当に…家にすら帰れなくなるもんね(手を取り、ふらふらと歩き出す) … (タクシーをコールしながら、先導する彼女の姿を見た) (とてもそうには見えないが……君も、リアルを捨てて幻想に溺れたい、何かがあるのか…?そう、思わずには居られなかったのだ。) (バイタルサインは、今日も 赤く染まっている) -- 兔矢カランコエ
- (否定はされなかった)
(オンラインゲームとしてはソシャゲやFPS、カードゲーム等が人気のこの時代に) (フルダイブVRという魅力があるものの、MMORPGに没頭している…) (そうする理由が兎矢にも、どうやらある様だ) (このままその件について根ほり葉ほり聞き出したい衝動に駆られるも、今は治療設備のある場所に行くのが先だと思い直し) ま、今は強制的に没頭するほかない状況に置かれているしね! (冗談めかして笑いながら兎矢の手を引いて立たせ、そのまま肩を貸す) (2人ともボロボロかつ汚れた姿だが、ネット経由でよびだしたタクシーはNPC運転の物なので気兼ねは不要だ) (ともあれ、今日のところは診療所に帰るほかない) (兎矢には地獄の様な筋肉痛と倦怠感と衰弱と神経過敏の症状が待っているのだから)
(かくして2人は、互いが抱える何かを気にしつつ、ベイサイドを後にするのだった) -- ゆかりん
- 🐇
- 🐇
- (その日は、生憎の雨天であった。)
(流石に雨天の夜ともなればカブキシティの通りも静かなものだ。薄暗い空間にぼんやりと浮かんだ照明が人の気配を主張している) こんばんわ。……お世話になりに来たよ。 (傘も差さずに来たのだろうか、何時もの姿のまま戸を叩く。) (当然、何の用で来たのか…などというのは言うまでもなく) -- 兔矢カランコエ
- やあ、兎矢。雨の中おつかれさま。
準備なら出来ているよ。まあまずはキミの身体データの走査だけどね。 (言いながらまずは診察室に備えつけのリネンからタオルを1枚とって差し出す) 一応確認しておくけど、覚悟はいいね? (それは身体のスキャンデータ、すなわちリアルの姿をゆかりんに差し出すという事への意志確認だ) もちろんキミの心臓がどんなものであれ、単分子骨格はキミの腰から両脚に埋め込むので そこは安心してほしい。 -- ゆかりん
- ……ん、ありがとうゆかりん…
(渡されたタオルで肩についた水気をごしごししている。雨に打たれたからと言って風邪を引いたりすることもないのだが、現実の習慣もあるのだろう。) ……ああ…いいよ。その積りでここに来たんだからね。 7億U分のサイバネ化とトレードなら…安いもんでしょ? (一応は個人情報の漏洩になるのだろうが、のっけから問題も無さげに言う) 心配はしてないよ。むしろ… 理論上壊れない骨を持った脚…ふふ、どれだけ強くなれるか楽しみなぐらいだ。 -- 兔矢カランコエ
- 自分が大丈夫だからと言って油断していると装備が傷むよ?
(こういった世界ではお約束の酸性雨。体が溶けたりはしないが、服などはそうでもない) (もっとも兎矢の装備…マントなどはあまり問題も無さそうではあるが) では、こちらへどうぞ。 (兎矢を診察室へと案内する。診察室とは言ってもけっこう広い) (もともとオフィスや店舗向けのビルの1フロアを使っているのだ) それじゃまずは脱いでくれたまえ。そのままではスキャンもできないしね。んで脱いだら―― (診察室の奥のカーテンをシャーッと開ける。その奥にはCTの様な大型スキャニング機械がどーんと置かれている) …コイツで走査だ。まあキミは寝ているだけでいいんだけどね。あ、金属製品は身につけないでおいてくれたまえよ。 (指示をしてから兎矢の足元に脱衣籠を置く) どれだけ強くなれるかはキミ次第さ。どんな優れた装備も使い手次第だからね。 (言ってデスクの椅子に腰を降ろし、端末に向かってスキャン装置の起動セッティングを始める) -- ゆかりん
- それは…困るな。アバターアイテムとはいえ…劣化してもらってはね…
(ふむ?と小さく呟くと、ちらほら装備を見ては気にする) (診療所の奥には見たことのない装置。流石にこれを見たのは初めてらしく、そわそわした様子で) しかし、これは…立派だね。つーか…ゆかりん金持ちだよね…。医療ジョブってそんなに稼げるものなの…? (脱衣籠にマスクにマントに…そしてマントの下にある刃物やら装備やらをドサドサと投入しながら。服を畳まない辺り育ちが伺える) ああ、そのとおりだね。……使いこなしてみせるよ…絶対に。 (装置に腰掛けながら) -- 兔矢カランコエ
- 意外と大事にしている!マントの縁とかほつれてボロボロのほうが似合いそうだけどねえ。
(言葉を返しながらキーボードをカチャカチャッターン!してスキャン装置の起動を終える) ああ、私がUを持ってるのは課金の賜物さ。両親が過保護というか何というか…。 (バツが悪そうに頬を掻く。ラビーイクリプス本体も含めた、先の無い娘をせめてもと甘やかしているのだ) ドクターとしてはあまり儲かっていないよ。こうして金銭以外のものを要求しているからね。 ていうか装備多いなキミ!ああ下着は着けていていいからね。 (言い忘れていた事を告げ、スキャン装置の台に横たわる様に指示する) (それから一応ずり落ち防止様のマジックテープのベルトを兎矢の身体に巻きながら) (露わになった大きな胸をまじまじと見る)すごい。すごさがすごいとしか言えない…。なんてすごさだ。 それじゃスキャンを開始するよ。楽にしていてくれていいが、息を止めてと言ったらよろしくだ。 (一度デスクに戻ると端末からスキャンをスタートする) (――と、装置が動きはじめ兎矢の身体を台ごと、筒状のスキャンシステムの中へと運んでいく) 具合は大丈夫かな?身体の中に鉄のパーツが多いとたまに装置に張り付くんだよねえ。 (スキャンを開始してからそんな事を言って、くすりと笑う) -- ゆかりん
- ……そっかァ…
(なんとなく、察しがついた。ずっとベッドから離れられない我が子への施しである、と) (ちょっと変なこと聞いちゃったな…とも思い、それ以上は深掘りはしなかった) 光学迷彩…延長するためにいろいろ補助装置が必要でね…。あっ、大丈夫…下着に金属はついてないし。 (ごろんと横になると大人しく居ている。もっとも胸は形容し難いぐらい大人しくないが) …いつも一言多くない?おっぱいソムリエかい?(苦笑しながら) 具合はばっちり。いじってるのは脚ぐらいだし…動力系以外はほとんど、強化プラスチックだから(サムズアップ) どう?なんかヘンなモノ写ってたりしない…?(別段やましい事はないが、なんとなく尋ねる) -- 兔矢カランコエ
- ただでさえ人口心臓だの渡米だの入院だのでお金掛かってるのだし、ここまではとも思うけど…
でも感謝もしているんだ。お陰で今ここでこうして居られるわけだしね。 (スキャン開始。施術的には下半身だけでいいのだが、心臓のデータを貰うために結局全身を走査する) (装置はヴゥゥゥゥンと作動音をさせるのみで特に揺れたりはせず、どこを走査しているのか等も分からないだろう) いやあ、私も将来的には大きくなりたいものだと思ってね。 えーと、なるほど脚は人口筋肉がみっちりだ。で、骨の形自体はあくまで人間のものと… ああ、骨を替えるついでに背を伸ばしたりもできるけど…どうする? (言いながら骨の形状の3Dモデルを構築していく。これをメーカーに送りパーツを特注するわけだ) (そんなスキャン作業を脚の指先から腰まで行っていく。作業はほぼ自動でゆかりんがする事はエラーのチェックくらいだ) それにしても腰もくびれてるし、なんでおっぱいだけこんなにすごくなるんだろう。 遺伝子、遺伝子なのか…?ねえ兎矢、キミの家族というか一族はみんなこうなのかい? (スキャンは腰から上へ、おっぱいの3Dモデルが画面上に構築されていく。その中身は特に何かを仕込んでいる…というわけではない様で不思議だと首を傾げる) (そしてそのおっぱいの奥。胴体内部にスキャンは及ぶ。お待ちかねの心臓。…思わずごくりと唾を飲む) (アバターとしては兎矢もサイボーグであるため、高速戦闘に対応するため心肺も人口のそれに替えているだろう) (スキャンで出て来るデータはそのサイバーパーツのものだ)ああ、爆弾が埋め込まれたりはしてないよ。今のところはね。 (しかし、ゆかりんが欲しいデータはその奥。アバターというマスクに覆われた真実のスキャンデータ。リアルの臓器のものだ) (それを得るためのコードを打ち込む。どこで入手したのか管理者権限に関わる隠しコードを) (これよりアバターのデータと同時に、リアルの身体データが取得され、やはりモデル化されていく) サイズは…若干大き目だが私の成長を加味すれば許容範囲内だ。 脈拍、血圧と血流量も正常の範囲内。生活習慣がアレっぽいわりに健康だね、羨ましい。 (しかし問題はそこではない。身体の相性。拒否反応がどれだけ強く出てしまうかだ) (こればかりは遺伝子モデルを得、シミュレートしてみるほか手がない) (そしてせっかくなので頭部の方もスキャンしておく)おやおや、これは――… (ちょっと思わせぶりに数秒の沈黙の後で)親知らずが奥歯を圧迫しつつあるね。 リアルに戻れたら歯科に行くことをおすすめするよ。 (ふふっと笑いながら告げた) -- ゆかりん
- ……
(そうか、彼女としてはそれも不幸の形では無いのだ。ある種、それも親愛の形なのだろう) 現実だったら「是非とも!背を伸ばして下さい!!」…って言ったんだけど…… こっちはそうもいかないからね…走力は向上するだろうけど、当たり判定も大きくなるし。あと、相違が大きくなると動きに影響が出るから。そのままでお願いしていいかな。 (立ち回りの影響を最小限にすることに拘りがあるのだろう。) どう…?お望みの心臓のデータは取れた…? いや…こんなのは家族の中で私だけだよ(深くて重い溜息) どっから遺伝してきたんだろうね…もしくは橋の下で拾われてきたとかだったりして…。 (なんて、ネガティブな事を思わず吐いていたのだが) ………ん?な、何…?なんかマジで…宜しくないものでもあったん…? (思わせぶりな沈黙に思わず身を乗り出す) あー、あー…親知らずか!うん、うん!そうだね!戻ったらねっ! あーもう、脅かさないでよぉ〜…(くたーっと力が抜ける) -- 兔矢カランコエ
- 変化した視点の高さや脚のリーチに馴れるまでの時間も必要になるしね。まあ今回はしないほうが無難か。
(バニーファイトの期間は残り短い。変化を付けすぎれば慣れる前にファイトが終わってしまうだろう) (なので体形の変化は、どう考えてもデッドウェイトな胸も含めて無しとしておく) ああ、キミの心臓…いただいたよ。 (言いながらスキャンを止め、寝台を筒の中から出すように装置に指示を送る) そうか、まあ突然変異とか隔世遺伝とか…単純にホルモン過多なんてのもありそうだしね。 (寝台が完全に出てくると装置を停止させ、身体を固定するベルトをバリバリと剥がす) そうそう異物なんて入ってるものではないさ。自分で入れない限りはね。 大丈夫、キミはおおむね…あ、大きい胸って意味じゃないよ?…健康体だよ。 血液検査なんかはしないから、内科方面の保証はしないけどね。 さて。このデータを元にパーツを発注して、それが届くまで数日。 まあ届いたら手術の予定を立てて、連絡するよ。 キミとしても早いほうがいいだろうし、なるべく急ぐから予定はあけておいてほしい。 (デスクに戻り、端末の画面上に構築された兎矢のリアル心臓の3Dモデルを眺め、それをいろんな角度からの視点で見せながら) これがキミの心臓だ。ごらん、きれいな形の心臓が元気に脈打っているよ。 (血などが付着していない綺麗な臓器の3Dモデルがどくんどくんと動いている) こんなデータまでこっそり取っているなんて、何なんだろうねこのゲームは。 -- ゆかりん
- いや…その…なんて言うか…
(実に、不可思議なものを見る目で臓器の3Dモデルを見ている) ぞっとしないっつーか…本当に、ここまでがっつりスキャニングされてたの…私ら… もともとオンラインゲームじゃなくて、なんかこう…医療用のとかだったりしない…? (レントゲン写真なら兎も角、現物の自分の臓器を見るという機会はそうそう有るものではない) そうそう、後1週間…も無いんだよね… (ベルトから開放されるとすっと寝台から立ち上がって伸びをする。圧巻のでかさが際立つ) それこそ、うかうかしてると…あっという間だろうね。 新しい脚が実力を発揮するのも…ほんの数日か。いや…それでも、やれることはやっておききたい。 (衣服を整え、装備を装着し直しながら、兜の緒を締める) ……色々セカして悪いけどね…頼んだよ、ゆかりん。 -- 兔矢カランコエ
- 自分の内臓を見れるなんてそうそう無い事だからね。よく見ておくといいよ。
あ、私は自分の生心臓も見たことあるんだけどね!(ちょっと自慢げに言った!) ああ、健康状態をチェックするため…という名目でね。まあ半分は本当だろうけど。 (これらの個人データを何のために集めているのかは分からない。目的があるのかどうかすら) (大企業などいつかの時のために出来るだけ多くのデータを収集したがるものではあるが…) 可能性はあるね。だいたい脳に直に信号を送る…なんてものが医療技術抜きに作れるとは思えないしね。 (そこまで行って画面の心臓モデルから、兎矢へ目を移し) 1週間か。それで優勝できるにせよできないにせよ、リアルに戻れるんだろうか。 今自分の体がどうなってるのかと思うと、正直不安で…戻るのが怖いよ。 実は、健康状態レッドアラートが点灯しっぱなしなんだ。 (言って肩を竦めて笑ってみせ) ああ、まかせておきたまえ。早急に準備を整える。 私自身はちょっと勝ち目が無さそうな感じだし、キミには期待させてもらうよ。 -- ゆかりん
- へー、ゆかりんは自分の心臓を………んんん!?生心臓!?
(いきなり明かされる衝撃の発言にビビる) 生は…生はちょっとハードじゃないかなぁ…! 想像するだけでちょっと、血の気が引きそうなんだけど。それとも意外とこう…れいせいになっちゃったりするカンジ…?(思わず生唾を飲み込む) (状態がレッドのままなのは、最初はバグかなにかかと思ってたが、矢張り…現実の彼女の体調はよろしくないのだろう。うすうす感づいては居たものの、実際に本人の口から聞くと現実味を帯びてしまう) 大丈夫…なの…?あ、いや…私達じゃリアルのことは確認しようがないもんね… (笑って見せている彼女の笑顔がたまらなく寂しい) 極端な事を言えば、こっから…私含め、トップ9の争いをしている全員が惨敗してゆかりんが勝ちまくる可能性も0ではない 互いに、最後までベストを尽くそう。願いでも10億でも、どちからかが手に入れる事が出来れば…君の望みは叶うかもしれない (そう、無駄にでも希望に繋がるよう、言い含んで見せるしか無かった) ん……それじゃあ、また連絡頂戴。 ……またね。(小さく、手を振って診療所を後にした。「また」の機会まで、まだ彼女が無事であることを祈りながら) -- 兔矢カランコエ
- そう、私の胸から取り出した生心臓。
今の私の中には人口心臓が入ってる。つまり私はリアルサイボーグみたいなものなんだ。 (それを入れた後、取り出した心臓を見たというわけだ。もちろん手術中ではなく、後日止まった心臓をだが) 正直、現実味はない感じだったなあ…。血とかは綺麗にされてたしね。 (そういう意味では画面上の3Dモデルと大差はなかったのだ) 大丈夫ってことは無いと思う。ぶっちゃけ私達の脳って何日も動きっぱなんだよ。 それだけでも危ないのに、私の場合は素の体力もないからね。 (自分の頭を指さした後、腕を組んでうーんと唸る)まあこうしてプレイ出ている以上、生きてはいる筈だよ。 (最後までという言葉にはゆっくりと頷き)勝負は最後までわからないってね。 諦めたところで何か得があるわけでもなし、どうにか戦っていくさ。
ああ、なるはやで連絡をいれるよ。そちらもそれまであまり無理をしないように。 (大丈夫さ、と手を振って見送る) (それから椅子に腰を降ろし)この中のどれかでも… (兎矢の心臓のデータを、ほかの心臓のデータと同じフォルダに収める) (これまでのプレイで収集してきた心臓、その中に自分の命を繋ぐものがある事を願いながら) (そして同時にそれは他人の死を願う事である。そんな罪深さに溜め息を吐きながら) (いずれにせよ、あと1週間足らずでおおよその未来は決まる…) -- ゆかりん
- 🐇
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- (バニーズファイトの頂点は決まった)
(ログアウトまで後どれぐらいの時間だろうか、少なくとも遠くない時間で現実に戻れる事になった。そんな日) (診療所の戸を叩く者が居た。もう既に顔を隠す必要はないのだろう、覆面を着けずに神妙な面持ちを曝け出している) -- 兔矢カランコエ
- やあ兎矢、バニーファイトはお互い残念だったね。
私も終盤はロクに動けなくて、散々な有り様だったよ。ともあれ、お疲れ様だ。 (こちらは普段通りのナース姿。やれやれポーズで兎矢を軽く労った後、兎矢の姿をまじまじと眺め) ふーん、あの黒づくめはやめたんだ?あれはあれで格好よくはあったが、今のキミの方が魅力的だね。 どうぞ、あがっていってくれ。今はみんなログアウト待ちで患者も何もあったものじゃないしね。 (兎矢を診療所、診察室へと招き入れるといったん給湯室へ行き、コーヒーを2人分淹れてくる) -- ゆかりん
- ……ありがとう。
(コーヒーの入ったカップを出されるままに受け取る) よしてよ、やっぱ…素顔を出すのは嫌だし。 ただ、もうあと数分か、それとも数時間か…。このゲームが続くかどうかすらわからないのに、顔を隠してるのも…ね。 (そう言うと湯気が立ち上がる黒い水面に目を落とす) ……ごめん、ゆかりん。私は弱かった、頂点には手が届かなかった…。折角脚をくれたのにさ、全く叶わなかった… -- 兔矢カランコエ
- そこは変わりなく、か。せっかく可愛い顔をしているのにもったいない話だ。
(湯気のあがるコーヒーカップにミルクと砂糖をたっぷりいれ、ゆっくりとかき混ぜる。ほぼカフェオレ状態) ああ、このゲームはどうなるのだろうね。実質、人を監禁しているのだし 首謀者は…人間であれば…刑事罰を免れないとは思うけど…。 ラビー社が無事ならゲーム運営は継続されるかもしれないね。 (この事件がリアルでどう扱われているのかは、ログアウトしてみない事には判らない) (しかしそれよりも気がかりなのは――) いいさ、全力で戦って敗れたのならそれは仕方ない。 私なんてもっと酷い戦績だったしね!こんな事なら戦闘向けのキャラにしておくんだった、なんて思うよ。 でもそしたら、キミとはこうして仲良くなる事もなかったのかな? (――再び、この友人と会う事ができるかどうかだ) まあ、どうなるかはわからないし、一応言っておくよ。 今までありがとう、兎矢。またどこかで出会えるといいね。 -- ゆかりん
- こんなことしたら、ぜってー捕まるって。何の罪で捕まるのかは…分かんないけど
そのせいで流石にこのゲームが即時、サービス停止になるなんてことは…ない… ………と…思いたいな。 (何も入れていないのに、ブラックコーヒーをぐるぐると混ぜる) 仕方ないのは分かってるんだけどさ 誰もかも…蹴落としてでも、叶えたかったよ。きっと、それはみんな同じなんだろうけど… (暗い。兎に角暗い。相当に塞ぎ込んでいる。だが) ………そう、かも知れないな。 偶々ラーメン屋の隣が、ゆかりんの診療所だったから…こうして話をしてるんだよね。 (彼女の言に、ようやく顔をあげる。驚きともともつかない、複雑な表情で彩られている) …ありがとう、だなんて… そんなこと、私が言うべき言葉なのに!色々、ミッションとか、ご飯とか… とても楽しかった…私なんかと遊んでくれて…本当に…感謝しか無いのに…! -- 兔矢カランコエ
- フルダイブVRに関する法はどうなっていたんだったかな…(うーん?と唸るも知識はなかった)
今のご時世、失敗した者や犯罪者に厳しいからね。どう転ぶにせよラビー社は苦しい立場に追い込まれると思うよ。 特にこの事件、独り暮らしのユーザーの肉体とかどうなってるかわかったものではないからね…。 (なにせリアルでは一ヶ月近く経過しているのだ。肉体の餓死や枯死、気付かれていない者も恐らくはいる筈だ) ああもう、キミ自身の価値を証明するチャンスならまたきっとあるさ!このゲームでなくとも。 それにね、私はキミという人間が好きだ。これはキミに価値があるという事にはならないかい? (顔をぐっと近づけ、正面から目線を合わせて問う) (言う側としても気恥ずかしい言葉。でも今言わなければその機会は二度と訪れないかもしれないから) そこはお互い様さ。私も楽しんだのだし、それに私のために戦ってももらったんだ。 私もね、心臓集めなんて事をしている変人だし、リア友もいないし。 いっしょにミッションをする様な相手はいなかったんだ。 だからキミと組めた時どれだけ嬉しかったか。 それだけでも、ここに…この世界に来た甲斐があったんだと思う。 -- ゆかりん
- ダイブした人間…面倒見ているとは言ってたけど、本当かどうかすらわからない…。
誰一人として、死んでては欲しくない…ね。 (実際、大丈夫なのか気になる人物が目の前に居るのだ。勿論、生きていることは確実なのだが) そっ、そんな!……う、嬉しいけど…(思いもよらぬ激励と告白、思わず目を見開く) (確かに変わった趣味を持っているとは思っていた。だがしかし、彼女なりの孤独や共通の喜びも持っていたことを今、初めて知った) い、いや、確かに心臓集めは引いたけどさ…でも、ちゃんとした理由があったし… きっと、知ったらみんな…納得するに違いないよ…。 (そしてこうして、ストレートに肯定して貰ったことがないのか、返す言葉が浮かばないのか。) (思わず目を逸してしまう) … …あの、実は…もう一つ。ゆかりんの願い、を叶えるのとは別でね… 考えてたやつ、いくつか有るんだけど、その中の一つにね (実に、言いづらそうにしつつ) ………友達になってほしい、って。 (ちらっ、とそらした目を再び合わせる。見る見るうちに顔面が茹だっていく) あっあっ、でも、それ願って叶えてもらうのもヤじゃない?だから…今、…こうして、……。 (必死に言葉を探す。ふと、思い立った一つの引きずり出した) ……そう、合ってる心臓があったかどうかも知りたいし…! だから、SMSでもなんでも……連絡先、交換…しない? -- 兔矢カランコエ
- そうだといいが、面倒を見るといっても勝手に人の家に上がりこんでいるわけではないだろうし…
(それはそれでやはり犯罪だ。それとも健康状態がアレなプレイヤーを救急に通報でもしているのだろうか。謎が多い) (自分については相当に危険な、いや恐らくは危篤な状態なのは察している) (バニーファイト終盤の戦績不審は反応の遅れが原因だ。恐らくは脳がちゃんと働いていない) (人工心臓はもうロクに動いてはいまい。脳への酸素供給が減り、朦朧状態、あるいは昏睡でもしているのかもしれない) どうかな。バカな子供の悪あがきと嗤われるだけかもしれない。 (そう言って肩をすくめてから、兎矢の願いを聞く。くすりと笑み) なんだ。それならキミの願いはとっくに叶っているさ。 私は前からキミを友達だと言っている。だから、後はキミが私をそう認めてくれればそれで、ね。 …それでも何か証が欲しいと言うのなら。 (ふむり、と考え、中空にフレンドリストを開く。兎矢を選択し、メッセージを送る) (メッセージにはLINEのアドレスが記されている) よければ登録してほしい。返事ができるかどうかは分からないけど。 -- ゆかりん
- それは…目覚めてみないとわかないね。意外と、本当に上がり込んでるのかもしれない…。
そんな、悪あがきなんて、笑うやつが居たら…私がぶっ飛ばしてやるよ。 …ゲーム中限定だけど…。 勿論…認めるに、決まってるじゃあないか…! ただ……友達って、どういうのか分からなくて……。 (そんな、いじいじしている間にメッセージがポップアップすると、いそいそと開いて――それを、じっと見る) (じっと見ながら) ごめん、ごめ゛んっ…ありがとう…! (既にぐずり混じりで、ボロボロ涙がこぼして泣いていた) うん…うん…!絶対…LINE……メッセージ送るから… 返事しなくても…大丈夫だから、見てくれればいいから…! (病床に伏して居るのは彼女の口から伝えられ知っていた) (それでも、いやだからこそか) 絶対絶対、また会って遊ぼう…! -- 兔矢カランコエ
- それはそれで嫌だな!まあ私の場合はその心配もないけれど…。
(最初から病院のベッドの上なのだ。誰かが来る必要もない、という珍しいケースである) ははは、頼もしいね。友達の定義なんて決まった形はないと思う。 だからこそ、互いに友達であると認める事が友達だっていう事になるんじゃないかな。 いっしょに何かをして楽しい、と感じたらそれで友達!それでいいと思うんだ。 まあ、それでも連絡手段はあった方が良いし便利――…って、な、泣かなくても! (流石に慌ててしまい、二の腕をかるくさする様にぽんぽんして) ああ、必ず受けとるよ。 (それまでは――…どうにか、と思う) (そして願う。まだ生きたい。生きてもう一度…) ああ、どこでだっていい。また会おう。 (頷いて言うのと同時に、二人の視界の端に告知ウインドウが現れる) (ログアウトが可能になりました、の通知。そしてそれに続く運営からの謝罪文だ) 来たか。さて、世の中でどれだけの騒ぎになっているか…ちょっと楽しみではあるね。 -- ゆかりん
- そっかぁ……うっ…ううっ
ゆかりんは大人だなぁ…っ (頷き、泣きじゃくりながら宥められどっちが歳上なのか分からない有様。もっとも、互いの年齢も知らないのだが) (ただただ、彼女の言葉に頷き、頷いて、頷いた。どこだっていい、会えれさえすれば) … 楽しみ…かな?本当、前向きだね…ゆかりん。 私は、少し気が重いよ…やんなきゃいけないこと、沢山あるだろうし… (謝罪文に目を通す気など無かった。それよりも欄下に強制ログアウト時間までの指定も有る。現実に戻る時が来たという事実が重要だった) (すぐに、帰った方がいい。本当に現実がどうなっているのか分からないのだ) (心配したほどの絶望や不安は無いかもしれない、逆に想像以上の困難が有るかもしれない) (それは、確認しなければどういうようもないのだ) …………ちょっとだけ、お別れだね。 (コーヒーはすっかり冷めていた。苦味が際立つそれを人思いに飲み干すと) (手を差し出す) …じゃあ、ね。また… -- 兔矢カランコエ
- だいたい同年代なのはもう知ってるだろう?
まあ私は少々達観してしまっているところはある…のかもしれないけど。 (毎日毎日、いつ止まってもおかしくない心臓など抱えて生きている) (死を、喪失を怖がるのにももう飽きてしまったゆえの大人びた性格だ。生きたいとは思っていても…) ああ、これまで通りゲームに没頭というわけにも行かなくなるかもしれない。 少なくとも親は、フルダイブVRというものに不信感を抱くだろうし…。むむむ。 (それはそれで困るな、と言った調子。VRは紫にとって唯一、外と自由を感じられる場所なのだから) ああ、いつかまた、ね。 (そう言ってぬるくなった甘いコーヒーを飲み干す。この味もしばらくは味わえないのだろうと思うと、少々切なくなる) (そして差し出された手を微笑んで握る。その手が微かに震えているのが伝わるだろうか) (楽しみとは言ったものの、帰るのが怖い) (アバターの身体すら思うように動かせない状態であれば、リアルの身体だってきっと…あるいは二度と…) (そんな不安を抱えたままで、けれど) バイバイ兎矢。…そしてまたね。 -- ゆかりん
- とんでもないことをしてくれたよ…『カピバラ』は
ホント…困った。でも…他にもサービスしてるのはあるんだ、また遊べるよ。大丈夫… (微かに震える手を握って、初めて―彼女の言葉の裏に、不安か、それとも恐れか…覆い隠しきれないなにかが有るのが感じられた) (現実の彼女の調子が芳しくないという事、極力目を背けたい事実であった) (しかし今の兔矢に出来ることは何も無かった。ただ、手をぎゅっと握り返すぐらいしか。) (ログアウト処理が開始された。ログアウトを実行しています…との表記が現れる) …… (名残惜しげに手を振る。涙でグズグズだったが、最後にぎこちなく少しでも微笑んでみせようと見せながら、そのアバターは最後に絶対、また。そう言ったのだろうか。) (黒兎の姿はブロックノイズの向こうに消えた。) -- 兔矢カランコエ
- そうだね。他社もあれこれ作るだろうし、競合タイトルを待つのもアリかな。
そうしたらもっと、風光明媚な世界で冒険の旅などしてみたいなあ。 (ファンタジーはRPGの基本だしね、と付け加えて笑う) (…と、ログアウトが始まった。強制的なログアウト) (まあUSSRがどうなるにせよ、一度はゲーム自体を停止させざるを得ないのだろう) (最後の言葉は、はっきりとは聞き取れない。ログアウトにともない五感…聴覚情報がカットされたためだ) (それでも言いたい事は伝わる)…まったく、無理難題を言ってくれるなあ。 (それが出来るかどうかは分からない。すべては…) (心臓、それ次第なのだ) -- ゆかりん
- 🐇
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- 運命は決した。
生きる術が勝利しかないのならば、敗者の辿る運命はその逆だ。
USSAをログアウトし現実世界に帰還したゆかりんこと津由草紫に待っていたのは 人工心臓の限界という避け得ない運命であった。 USSAに居る間にそれは進行し、しかもログイン中は実質睡眠状態である事から ただでさえ弱い体は更に弱り果て回復のためのリハビリも出来ず 自分で身を起こす事も出来ない有様だった。 紫の命は尽き果てようとしている事は、誰の目にも明らかであった。 --
- 残り僅かな人生をベッドの上だけで過ごす事を余儀なくされた紫。
サービス停止中のUSSAで遊べないのはもちろん ラビー・イクリプスの使用も禁止された彼女にとって 唯一の慰めとなったのは、友達とのメッセージのやりとりだ。 尤も、ベッド上に紫には語る様な事が起きないため もっぱらリアクションを送る側になったが…。 しかしそれは彼女がUSSAで得たただひとつの成果であり 彼女自身が初めて自力で獲得する事ができた 誇るべきものであった。 しかしそれもUSSAがあればこそのもの。 --
- だから最期の日。
これまで面倒を見てくれた医師に ラビー・イクリプスを与えてくれた両親に USSAを開発し、運営してくれたラビー社に そして自分と同じ小さな、しかし健康な心臓をもった友達に 紫は最後のメッセージを送信したのだった。 その言葉は―― --
- HAPPY DEAD END:「ありがとう」 -- ゆかりん
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