聖杯戦争/最終/再世の塔    企画/ゴルロア聖杯戦争/4期


- 再世の塔 ・ 永劫なる妄執と潰えた理想の境界 -

永劫なる妄執と潰えた理想の境界
 


編集:聖杯戦争/決戦/再世の塔R  差分:聖杯戦争/決戦/再世の塔R

 
お名前:
  • - 再世の塔 ・ 最上階 -
    • (事は、成された)
      (最後に瞳に映ったのは、命令の行使を終え、色を失ってゆく令呪と)
      (カインの剣から離れる、自分の手。目の前の怪物が、消えてゆく姿)

      (その視界もまた、『肉塊』の黒い細胞に侵されて――自分の世界は、暗闇に包まれた)

      (次いで訪れたのは、鼓動や、耳鳴りすら聞こえない、静寂)
      (身体は浮くように、一糸も纏わず、また何にも触れていないように思えた)
      (傍に居たはずの男性の匂いも、口に滲んだ血の味も、今や感じられない)

      (やがて、深い疲労感と飢餓感の波が押し寄せて)
      (その苦痛と共に、意識だけが取り残された)

      (『――自分の時間を、使い切った』)


      (季來は――)
      (身動きの一切を失い、乾き切らぬ粘土像のように、軟らかさを保ったまま、少しずつ体温を下げてゆく)
      (黒い細胞は、新たな変質を遂げ。その肌は、暗黒色から――灰白色へと移り変わり始めていた)
      (その手中に、念願の『聖杯』を収めていたことなど、知る由も無く――) -- 季來 2011-11-09 (水) 03:17:38
      •  
        (形を喪い、崩れゆく破壊の巨人。手にしていた剣もその役目を終え、主の描いた血文字に戻り…零れて消える)
        (アーネンエルベと同調し、意識を失った主を抱きかかえ… 崩れ落ちるその巨体を滑るようにして床に下り立ち、離れる)

        …マスター
        (剣馬、ベルと合流し、そっと膝をついて主を座らせる)
        労わせてくれ、マスター。貴女は、成し遂げた
        (声をかける。目を開かぬ主に)

        …マスター?
        (異変は、始まっていた。黒く変色していた主の肌が、肌色を超えて白く染まる…)
        マスター!
        (肩を強くノックするように叩き、覚醒を促す。だが、事情を知る剣士には解っていた。それが只の気絶ではないことが)
        マスター! おい、マスター!
        (揺さぶる。普通ではありえない昏睡に対して)
        マスター! …阿鉈賀季來!

        (剣士の目が迷い、揺れる。赤い瞳に映るのは、動かぬ主が手にする眩い真球の輝石。聖杯) -- カイン 2011-11-09 (水) 04:03:55
    • (ふらふらと、壁に手をつきながら最上階へようやく辿り着く)
      (その場に足を踏み入れて、まず目に入ったのは倒れている季來とそれを抱きかかえるサーヴァントの姿)
      (結局、敗れたということなのかと一瞬不安になる。しかし、倒すべき敵の姿も無く つまり)
      ……勝った、のですか? -- アルム 2011-11-09 (水) 21:56:50
      • (それに応えるべきものは、今はマスター季來のセイバーのみ。他のものは、倒れ伏したままである)
        (しかし、ケンマもベルも生命が尽きたわけではなく、意識を失い倒れているようで、呼吸で小さく背が動いているのが見える) -- 剣馬 2011-11-09 (水) 22:39:34
      • (呆然と辺りを見渡せば、倒れているマスター二人が目に入る)
        …っ(死んでいるのかと、息を呑む。ますます状況が掴めなくなり、セイバーへ説明を求めようにもどうにも声をかけ辛い)

        (少なくとも、現れた敵自体は倒したのだろう ならば聖杯は?)
        (願いは、間に合わなかったのだろうか それとも聖杯自体戦いの中で壊れてしまった?)
        (困惑する視界が、剣馬の背を呼吸により動くのを捉えた)
        …マスター剣馬…!(駆け寄るにはまだ体力が足りず、何とか歩み寄ると傍らに跪く)
        (その背に指先を触れれば、体力も魔力も酷く消費しているのが分かった)
        しっかりして下さい…!この状況は…
        (僅かに回復した魔力を分け与える、しかしその目を覚まさせるには到底足りないだろう)
        (唇を噛む。ここまできて、また役に立たないのかと)
        (今から医者を連れてくるには余りに時間が足りない。しかし自分ではこの状況を打開できるような魔法は使えない)
        ……誰か…
        (無意識に出る、助けを求めるような言葉。けれどこういう時に力になってくれるサーヴァントはもう、居ない)
        (先ほど歩いてきた通路へ目をやる、ここで狼狽えていても状況は変わらない。ならば動こう、と)
        (そしてその目は、やってくる誰かを映して)
        貴方は… -- アルム 2011-11-09 (水) 22:52:48
      • (人が来る。重い影を引き摺り、歩いてくる。最後の戦いを生き残った者達と、違わぬほどの満身創痍で、近づいてくる)
        (くすんだ金髪は纏まり悪く跳ねほうだい、服装にはどうしたことか焦げと汚れが夥しく、しかし眼は蒼く深く爛々としている)
        (彼が近づくと柔らかな香りが漂う。胸の裏側を翼の根元の柔らかい羽毛で包まれるような、優しい植物の香りがする)
        (ひとくち吸い込めばそのまま眠りに落ち、肌に触れれば暖かく、魂を洗って晴天に干すがごとく、癒しの香りが漂う)


        (咥えタバコの煙を燻らせ、ケンマたちの傍まで近づくと口を開いて話し始める。“終わり”を知り、安堵の笑みを浮かべながら)
        通りすがりの薬草売りだ。多分、無茶してぶっ倒れてるであろう真っ直ぐな馬鹿へ、薬をつけにきた。
        (手を伸ばすとケンマの手首を無造作に掴む)疲弊しきってやがるな。そっちの嬢ちゃんも……。だが、癒しは専門だ。
        すまんね、邪魔するぜ……。(タバコの煙が落ちてゆく。白く留まり、地を覆っていく) -- キフィ 2011-11-09 (水) 23:18:04
      • …マスター、キフィ でしたか…(その姿だけは見たことがある。しかしその人隣は知らない)
        (僅かに表情に警戒が浮かぶ。ともすれば状況を忘れて安らぎを覚えてしまいそうな香りすら、罠に思えて)
        (この男もマスターであるなら、それなりの願いを持っているのだろう。ならばこの状況は好機に見えるかもしれない、と)
        (そして、口調からどうやらこの男が、倒れている彼の知合いであるらしいことを悟った)
        癒し……マスター剣馬を、回復させられる…のですか?
        (まだ、その声色は固い。知合いであるから、味方であるとは限らない)
        (だが今は信じるしかないという事も分かっている。なので行動は邪魔しない)
        (…考えてみれば、今何が起きた所で自分に出来ることはたかが知れているのだ)
        ……なら、お願いします…
        (立ち上がって、一歩下がる) -- アルム 2011-11-09 (水) 23:28:20
      • ここまで、大変だったんだぜ……朽ち果てた機械兵士の遺骸、血の広がる死闘の痕、えも言えない戦いの爪跡……。
        ようやっと上がってきたが、敵の一つにも会わなかったのは運命か何かなのかな。(笑みを返す。その固い反応は自分に相応しい)
        (確かな“敵”として彼と相対したのだから。憎くもないのに、手段を選ばず……。だから、その、罪滅ぼしに来た)
        (疲れ果てて消えかけたケンマとその仲間を癒し、目蓋の奥で燻る、自らの痛みを消しに来たのだ)


        (足の裏へ力を感じる。立ち上る湯気のごとく力は、地球の底から昇ってきて、空まで覆って包み込む)
        (天蓋の向こうにある空へ力を感じる。落ちる光を柱として、背骨に通して地面に根ざさす)
        (躰の中へ力を感じる。赤い血が右手の先から左手の先まで、頭から爪先まで巡って、大きな波を起こす)

        (「集中を」指先が震えて、額の上に一筋の白い光が閃いて、目に映る景色は白紙に変わり、回帰する流れを見る)
        源泉から 源泉へ 私を通して流れよ 上と下 回帰するために流れを変え 清らかに

        Uhhhhhhhhhhhhhhhhhhh.........
            Ohooooooooo........
                 Eheaaaaaa.......


        (声を響かして、煙を揺らしたあと、ひときわ大きな叫びを上げる)

        Aha (a)a (a)a (a)a (a)a (a)a (a)aa (a)a (a)a (a)......!!!!!

        「イーリアスの勇猛な英雄は、驚くべき力を秘めたその槍で、傷つけることと治療することの両方をやってのけたのだ。」
        終にはその槍も捨てられ しかし打ち錆びた槍の山から薫るものがある 汝のまことの名、それはヤロウ
        ギアウィの名を持ち 体を癒すもの 悲嘆・救済 ヴィーナスよ 治療の力よ
        魂の火よ 心の火よ 炉の火よ 風の火よ 枝の火よ 時の火よ!
        彼女は全てに光を放ち、全てに焼きつく!


        (澄み渡る癒しの力は、鎖状の力になって、倒れた者の身に纏い、傷を癒して活力を取り戻させる) -- キフィ 2011-11-10 (木) 00:08:49
      • (──暗く閉じた世界の中。優しい、香りがした。暖かな、光りに包まれるような感覚を覚えた。ふわりと、身体が軽くなるような浮遊感、もしかして自分は死んでしまったのではないのか、ここは所謂、天国なのでは──)
        (などと、愚にもつかないことを目を覚ました時一番最初に考えていた。そう、目を覚ました、ぱちりと。何事もなかったかのように。傷も、火傷も、癒しの力により、自己の治癒力も手伝い、急速に回復していく)
        ……俺は……(倒れ伏した状態、手を動かし頭を押さえる、無理な魔力と生命力の行使、頭痛が酷い。目に入り込んでくるのは──)
        (カッ)白のパンツとすべすべ太ももッ!!(しゃがみ込み様子を見てくれていたアルムからのラッキーショット!がばりと撥ね起きた、ベホマを唱えられた戦士のように体力満タンで!)

        じゃなくてっ!なんだ……どうなったんだ、季來は……セイバーは……。(辺りを見回す、既に邪悪なほどに強烈なプレッシャーを放っていた巨神はその存在を根本から消されたように見当たらず。)
        ……なら、俺たちが勝ったんだ……(次に目に止まるのは、キフィの姿、今、ここで回復魔法を詠唱していたなどつゆ知らず)あ……ン?……キフィ?そうか、生きてたのかよ、良かった……つまり、あの異変はお前らの仕業だったってことか。なるほど、合点が行った、道理であの胸糞悪いシスターの姿が見えねえと思ったぜ……。つーか……ひさしぶりだな。ははっ、無駄にボロボロになりやがって──(笑顔で、応えた、久しぶりにあった友人に向ける、偽りのない穏やかな笑顔だった) -- 剣馬 2011-11-10 (木) 00:43:12
      • (魔導の力が、心の力が抜け落ちていく。不思議と不快感のない、雲を払った青空の心地がする)
        (「ケンマは……」案ずると、その瞬間に目蓋が開かれ、爛々とした瞳が顕わになる。その後の発言も、“余分に”生命力が満ちていて、)
        ……しぶてぇー。こいつすごくしぶてぇー。(ここは一発殴っておくべきところなのに、手が動かない。力が足りない。歯がゆい。「畜生」)
        拙詠はお気に召したか鋤出彫の馬鹿め! こっちの台詞だ馬鹿! 剣馬鹿! 使い切りも、使い切りだったぜテメエ。“塔”なんて絶異と闘ってたんだから仕方もねえか。
        ともあれ……不当に傷つけたんだから、今度は不当に治してやった。ようやっと、テメエから目を逸らさずに済む……。
        あれだ、毒は……やりすぎた。死にかねなかったし、酷かった。でも、反省してるから許してくれ。許せ。はい許された。
        (言った傍から目を逸らして言い逃げるようにそっぽを向いて座り込み、向こうを見る)……いよいよ、終わるな……。 -- キフィ 2011-11-10 (木) 01:11:12
      • (指先から気だるさが消える、まさか自分まで癒しの範囲に入っているとは思わなかった為、目を見開いて)
        …マスターキフィ…貴方 はっ?!(大声に驚いてそちらを見る、視線を辿って)
        …!(慌てて両手でその先に会ったものを隠し、僅かに赤くなった頬で咳払いする)
        ……元気なようで何よりです、それより…
        (この状況は、と聞こうとし言葉を止めた。二人のやり取りは邪魔してはいけないような気がして)
        (…何かわからないが、取り敢えず何かの蟠りは解消したらしい)
        ……その、すいません マスター剣馬、この状況は……
        その、マスター季來は一体…(それに、聖杯は…と) -- アルム 2011-11-10 (木) 01:23:26
      • なんだよ、そんなこと気にしてたのかよ。お前は馬鹿か。俺の拳は必殺じゃねえと?素手だから毒に劣るというのか?殺す殺さない、死ぬ死なないは別として、俺もお前も全力を出して切り札も切りあった。それだけだ。
        だから、気にしちゃいねえさ。お前は知らねえだろうが、子供の頃の俺はオオスズメバチに2回以上刺されても死ななかった男だぜ。(笑う、許すも許さないも、対等に戦い、全力を持って競り合えた。ただそれが嬉しかったのだから)

        (身体が軽い、治癒魔法の効果か)お前が治してくれたのか。俺を。恩に着るよ、指一本も動かせなかっただろうしな。
        終わる、あぁ終わるな……だから、なんつーか、勝ったんだよ、俺たちは。聖杯の中心に居た化物が……──(キフィに視線を移動させられ、アルムから問いを投げられる。半ば異形と化し、狼狽した様子のセイバーに介抱される季來を見て──状况は、と聞かれそれに応えようとしていた口は止まり、眉を顰める)
        ……な、んだ……おい、断罪の!どういうことだ、お前のマスターの姿……どうなってんだよ!!なんで……(ふらりと立ち上がると、セイバーへと駆け寄る。勝利を手にし、聖杯を手にし、世界を守った、そのサーヴァントとマスターへ) -- 剣馬 2011-11-10 (木) 01:32:47
      • そうか……俺も、馬鹿だったってわけだな……。(くくっと喉を鳴らして笑いながら、何でもないように、聞き流すように、そう返事をする)
        (心に刺さっていた氷の棘が溶け、もう、痛みを感じない。なんの気もなく、軽く話すことが出来るようになる)
        (許されることなんて、心の底では解っていた。ただ、今漸く自分で自分を許すことが出来たのだ)
        ……あったなー……そんなの。アナフィラキシーショックの泣き声が聞こえてくるようだったぜ。

        (期間で言えばきっと短い。しかし、短いと言われるが長かった。出会いに別れにまた出会い。夕焼け空のように濃密な時間だった)
        (この空間にその最後の残滓が詰まっている。煌き輝くような美しさがある。恐らくこれは、月並みな言葉で言うと破壊であり再生なのだ)
        ま、良くやったと言っ────どうした。何が、何がおかし……いや、あれは、あれは……?
        (“それが自然”なものだと錯覚していたものが突然像を結び、そこへ異形を際立たせて、鮮烈に目に焼きつく)
        ……あれは─……。(迷宮の入り口・『銀のバスケット』つぎ、つぎ、と情景が浮かぶ。あの二人には逢ったことがある)
        (その片割れの躰は、記憶と大きなずれのある姿をしていて、頭の中へ異物感を覚え、目をしばたかせる)
        何が、起こってる……。もう、終わりなんじゃなかったのか。 -- キフィ 2011-11-10 (木) 01:59:08
      •  
        (「聖杯」に魂を吸われたかのように、それを凝視したまま逡巡していた剣士。夢から覚めたように顔を上げ、暗紅色の目に光を宿す)
        君たちは…(瞳は順にアルムを、キフィを見る) そうか。無事だったか
        …世界を「再生」させようとしていた「敵」は、倒した。だが

        主は…阿鉈賀季來は、その体に爆弾を抱えていた(訥々と語り始める)
        身を削るたびに、削られた部位と入れ替わり、増え… いずれ宿主の身体全体を乗っ取る魔法生物だ
        この戦いで、無理をしすぎたらしい。今まさに、阿鉈賀季來は「それ」に変わりつつある
        (言葉を切る。ひとたび、闇を宿した紅玉の目を閉じる)

        彼女は、聖杯の暴走を止め… この世界の崩壊を、「再生」を止めた
        無論、誰の助けもなく成し得た事じゃない。ここに集まった皆も含めた、聖杯戦争の参加者たちの犠牲あってのことだ
        だが… 俺の「願い」でもある聖杯戦争の終焉を成し遂げたのは、他ならぬ彼女だ
        (輝く球を手に示す)
        ここに「聖杯」がある。俺は、俺の「願い」を叶えてくれた彼女に、彼女の「願い」をもって応えたい

        サーヴァントたる俺に扱いおおせるか、判らない。また、聖杯に願いをかけることは皆の悲願でもある
        俺を、止めるものがあるなら名乗り出てくれ。…この戦争の「契約」だ
        (紅の従者は満身を血に染め、剣を喪い、なおも揺るぎなく立つ。気高き鷹さながらに胸を張りながら)
        俺は最後まで、戦うだろう -- カイン 2011-11-10 (木) 01:47:32
      • (ベルの元へ跪き、意識こそ未だ失っているもののその呼吸が健やかなことを確認する)
        (この小さい体で良く持ちこたえた、と半ば感心の混じりの安堵の息を吐いて…)…マスター季來…
        (間に合わなかったのか…と、姿を変えつつあるその体を見て、眉を顰めた) -- アルム 2011-11-10 (木) 02:04:39
      • ……馬鹿を言え、もし戦うとしても互いに万全の状態で、何の悔いも残らない正々堂々とした列記とした試合にしてもらいたいもんだ。
        お前は、季來のことを助けたいんだろう、ならば、願えよ。祈れよ。聖杯に。
        少なくとも敵将を討ち果たしたのはお前ら二人だし、お前ら二人でないと成し遂げられなかったことなんだろ?
        ……だったら。その誉は受け取れ。俺はそれに関して何も言わない。まぁ、彼女は……(傷は回復した様子だが、今だ昏睡状態の幼い彼女を見て)聖杯を得られず落胆するだろうがな。まぁ子供なんだ、許してやってほしい。(今、彼女が起きていなかったことに安堵を覚えつつ)
        アルム、キフィ。お前らはどうする、目の前に目的としていた聖杯があるぞ。今から、コイツと戦うのか?奪うのか?(後ろを振り返り、声を投げる、もしも戦うなら、自分もセイバーへ加勢すると言わんばかり、二人の前に立ち) -- 剣馬 2011-11-10 (木) 02:06:29
      • …その問は、あまりに人を馬鹿にしていますね(答えるまでもない、そう言いたげな目で剣馬を見上げ)
        ここであのセイバーが、自らのマスターの為に聖杯を使わないというのなら…その時は聖杯を奪う、という手段も考えますが
        (しかし、そうでない以上邪魔する意思はない。それに、聖杯なんて使わなくても自分はもう、十分すぎる程満たされている) -- アルム 2011-11-10 (木) 02:14:37
      • (“やまい”に蝕まれていく。視覚的に黒々と、不健康を訴えるその姿はある記憶を想起させる)
        (笑いに隠してその裏で、病魔に蝕まれて、生きようにも生きれなく、助けように助けられなかった女性が、記憶の中で晴れやかな笑いを飛ばす)
        俺の願いは“人を助けるためのもの”だ。そのひとを見捨て置き、それを得てなんになる。本末転倒も甚だしい。
        それ以前に! 喪ってからではもう遅いんだぞ、いいか、取り返しのつくうちに、さっさと願ってしまえ。さもなきゃ、地獄でも思い出すことになる。
        (ケンマの顔、セイバーの顔、順に見て、その瞳に意志を伝える)これが俺の意見だ。ああ、もう、やっている間にさっさと治してしまえ。はらはらする。
        かけがいのない人なんだろう! 俺達全員纏めて切り伏せてでも治せ!(落ち着かなく、地団駄を踏んでいる) -- キフィ 2011-11-10 (木) 02:16:22
      • (二人の視線と言葉に、判っていたとばかりに笑みを返してから)だ、そうだぜ、セイバー?大体サーヴァントが最後まで残ってたのは結局、季來ペアなんだろ。形としては優勝といっても違いはねえさ。
        最も、まっとうな試合でなら負ける気はしねえんだがな……俺も。だが、俺のセイバーはもう居ない。つまり先にリタイアだ。
        さて、だったら、もう此処に要はない。願いは優勝者の手に。俺ら敗者は、立ち去るのみよ。(三人の元へ歩み) -- 剣馬 2011-11-10 (木) 02:23:19
      •  
        …ありがとう
        (伝えられた言葉に、伝わった想いに… 鷹は目を伏し、頭を垂れ)
        (陽光のような輝きを放つ球を手に、祈るように念じる)

        「聖杯」に願う。阿鉈賀季來であった、この命の器を… 阿鉈賀季來に、戻してくれ
        今や異物に満たされたこの器が、彼女の血肉だけで満ちていた頃に… 戻してくれ

        (光の球は横たわる季來の胸の上にかざさされ、ひとたび沈黙が周囲を支配する)
        (まるで「聖杯」が暫し逡巡するかのように) -- カイン 2011-11-10 (木) 02:21:07
  • カインの願いを、受けて―― -- 2011-11-10 (木) 02:51:49
    • (――『聖杯』は、光を放ち。中空へと、浮かび上がる)
      (そして、光の粒子を放ち……彼女の許へと、路を形作る)

      (しかし……)

      (その粒子は、彼女の肌に触れるや否や)
      その身体を、同種の物質へと、分解し始める

      (願望を実現する膨大な魔力は、何の造作もなく、機械のように
       彼女の全身を光へと変えてゆき、路を通し、聖杯の身へと収めてゆく)
      (やがてその場には、中身の消えた、彼女の和装の衣服だけが残されて……)

      (――それでも、『聖杯』は。願望機は、光を放つことを止めていなかった)
      -- 2011-11-10 (木) 02:52:02

    • (『――声が、聞こえる』)

      (……自分の意識は、まるで、星のない空の果てにあるように思えた)
      (そこには、空気はなく。そこでは、人は生身にして生存できないそうだ)
      (そこに放り出されたら、きっと、『ここ』よりも、ずっと苦しいのだろう)
      (……けれども、死んでしまえるのだろう)

      (だから……『ここ』は、『そこ』ではない)

      (それほど経っていないと思えたが、気の遠くなる程に長い時間を過ごしているようにも感じられた)
      (自分はこのまま、空想と思索を続けて、何もない世界を『生き続ける』のだろうか)
      (……それとも、いつかは『それ』は訪れるのだろうか)
      (――もし、『それ』が訪れる時があるのなら。なるべく、早く来て欲しいと思う)
      (それも、できたら。心が ばらばらになってしまう前に――)

      (――もう一度、『空想の海』へ、意識を浮かべよう。時間は、いくらでもある)
      (『あの時』から、それほど経っていないとも、思えたが――)

      (――『そう』)

      (『――声が、聞こえる』)
      (『忘れてしまっていた、誰かの声が』)

      (『それと、光が、視えて――』)
      -- 季來 2011-11-10 (木) 02:57:10

    • (『聖杯』は、浮かび、光を放ち続ける)
      (それは、願望を実行し続けている証左でもあった)

      (やがて、その直下の空間が――波打つように、歪み)
      (ぼんやりと、人の像が、水面へと浮き上がるように顕れ――)


      \ ラ ス ボ ス 登 場 /

      (――彼女は、『海』から出でる)
      (――彼女は、『時間』を取り戻し)
      (――彼女は、『戻り、帰ってきた』)

      ――『再世』を、果たして
      -- 2011-11-10 (木) 03:10:50
    •  
      (主の姿をした「器」が聖杯に飲まれ、消えても… 鷹の目の剣士はただ強く歯を噛み締め、見守っていた)
      (しかし、再び姿を現した主にその目は見開き、安堵したように息をつく)

      通じた…か
      俺の願いが、聖杯に

      (一糸纏わぬ主に自らの外套を纏わせようと… しかし、それは傷だらけの血まみれで)
      (脱げ落ちた主の服を拾い上げ、それを血色を取り戻した細い肩にかけて)

      マスター
      阿鉈賀季來

      (傅く。帰還を果たした主の前に)

      改めて、感謝する
      全て、終わった。終わらせたのだ。貴女が

      (季來が目にするのは幾度目になるだろう、気負いも何もない、心からの笑顔を浮かべて)
      (主を見上げる) -- カイン 2011-11-10 (木) 03:31:11

    • (それもまた聖杯によるものか、彼女は、何かの力場に支えられ)
      (引き揚げられるようにして……静かに、その全容を現す)
      (そうして、ふわり、と舞い降りて)
      (爪先が、冷たい床へと触れる)

      (触れて――)

      (ぐらり、と)
      (力なく、前のめりに、倒れこんでゆく……) -- 季來 2011-11-10 (木) 03:49:15
    •  
      (予め主の前に膝をつき、甦る姿を見守っていた従者は、やすやすとその身を受け止める)
      マスター
      (かろがろと、季來を抱き上げて立たせる。背には手を回したまま)

      まだ、目が覚めていないのか? マスター
      (耳元で呼びかけ、そっと手を… 身を離す。一歩下がって)
      (笑みを、苦笑に変じながら) -- カイン 2011-11-10 (木) 03:58:30
    • カイン、さん……。
      (薄らと目を開け、彼のその顔を確かめて……)

      はあー……。
      (緊張感のない声を洩らしながら、深く、深く、息を吐く)

      あたま……
      おっもい、です……すっごく。
      (次いで、緊張感のなさに拍車を掛ける声色で、状況とややズレたことを宣う)
      (けれども、再世した際に……髪は、なぜか、とてもとても長くなっていて)
      (ボブカット、いわゆるおかっぱに慣れていた自分にとっては
       かつて無いほどの重みとして、頭と首、それと肩に負担を強いていたのだから……)

      ぁと、すっ……ごく。おなかすきました、です……
      (……それと。今の自分の胃腸は、本当に全く空っぽだったのだから……
       今は、腹の虫すらも責めないで遣って欲しいと思えた) -- 季來 2011-11-10 (木) 04:06:03

    • (もう、慣れた。剣士の苦笑は揺るぎもせず、言外に語る)
      存外、長い付き合いになったが マスター
      (ゆっくりと下りてくる「聖杯」を手に取り)
      これが最後の「失礼」だ
      (ふわり、再び主を背負う。まだ羽織った服の前も合わせていない、柔らかな体を)

      ここはもう、
      (そして恐らくは自分も)
      長くはもたない
      (塔が、聖杯戦争を差配していた中枢が崩れ落ちようとしている)
      (サーヴァントをこの世に現出させていた理 =ことわり= もまた)

      (聖杯戦争は、終わったのだ)
      走るぞ、マスター

      (一足ごとに、何かが抜け落ちるように)
      (自分の存在が、軽くなっていく)
      早く塔を出て、なにか美味いものを食うとしよう

      (今は手にした聖杯から溢れる光が、かろうじて自分を繋ぎとめている)
      (そう感じる)

      (焦りは無い。自らは満たされている)

      (カインは駆けて行く。微笑さえ浮かべて)
      (季來の護った世界、季來の帰るべき世界へと)
      -- カイン 2011-11-10 (木) 17:15:29
    • ……はいです。
      (最低限の衣服と、紐付けされていた少しの荷物だけを手に。ふわりとその身を背負われる)
      (……ややあって、カインの背へと密着する身体に、少し居心地悪そうに身を捩り)
      ぁ、でも……ぇとぁの。せめて、服を整え…… 〜〜うゃぁぁっ!?
      (言い終える前に、脱出劇は始まった。思わず上げた素っ頓狂な声を、空間に響かせて――)

      (――カインの身体へ回した手を、ぎゅっと、強く握り締める)
      (再び取り戻した、色ある世界から、振り落とされないように)
      (この『冒険』で手に入れたものを、絶対に手放さないように――)

      (――『黒』と『赤』が、塔を疾る)
      (旧時代の記憶も、探索の日々も、聖杯を巡る戦いの爪痕も)
      (全て、瓦礫の下へと、消えてゆく……)

      (そして、星明りの下へと――) -- 季來 2011-11-11 (金) 00:40:50

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  • - 再世の塔 ・ 最上階 -
    • (事は、成された)
      (最後に瞳に映ったのは、命令の行使を終え、色を失ってゆく令呪と)
      (カインの剣から離れる、自分の手。目の前の怪物が、消えてゆく姿)

      (その視界もまた、『肉塊』の黒い細胞に侵されて――自分の世界は、暗闇に包まれた)

      (次いで訪れたのは、鼓動や、耳鳴りすら聞こえない、静寂)
      (身体は浮くように、一糸も纏わず、また何にも触れていないように思えた)
      (傍に居たはずの男性の匂いも、口に滲んだ血の味も、今や感じられない)

      (やがて、深い疲労感と飢餓感の波が押し寄せて)
      (その苦痛と共に、意識だけが取り残された)

      (『――自分の時間を、使い切った』)


      (季來は――)
      (身動きの一切を失い、乾き切らぬ粘土像のように、軟らかさを保ったまま、少しずつ体温を下げてゆく)
      (黒い細胞は、新たな変質を遂げ。その肌は、暗黒色から――灰白色へと移り変わり始めていた)
      (その手中に、念願の『聖杯』を収めていたことなど、知る由も無く――) -- 季來 2011-11-09 (水) 03:17:38
      •  
        (形を喪い、崩れゆく破壊の巨人。手にしていた剣もその役目を終え、主の描いた血文字に戻り…零れて消える)
        (アーネンエルベと同調し、意識を失った主を抱きかかえ… 崩れ落ちるその巨体を滑るようにして床に下り立ち、離れる)

        …マスター
        (剣馬、ベルと合流し、そっと膝をついて主を座らせる)
        労わせてくれ、マスター。貴女は、成し遂げた
        (声をかける。目を開かぬ主に)

        …マスター?
        (異変は、始まっていた。黒く変色していた主の肌が、肌色を超えて白く染まる…)
        マスター!
        (肩を強くノックするように叩き、覚醒を促す。だが、事情を知る剣士には解っていた。それが只の気絶ではないことが)
        マスター! おい、マスター!
        (揺さぶる。普通ではありえない昏睡に対して)
        マスター! …阿鉈賀季來!

        (剣士の目が迷い、揺れる。赤い瞳に映るのは、動かぬ主が手にする眩い真球の輝石。聖杯) -- カイン 2011-11-09 (水) 04:03:55
    • (ふらふらと、壁に手をつきながら最上階へようやく辿り着く)
      (その場に足を踏み入れて、まず目に入ったのは倒れている季來とそれを抱きかかえるサーヴァントの姿)
      (結局、敗れたということなのかと一瞬不安になる。しかし、倒すべき敵の姿も無く つまり)
      ……勝った、のですか? -- アルム 2011-11-09 (水) 21:56:50
      • (それに応えるべきものは、今はマスター季來のセイバーのみ。他のものは、倒れ伏したままである)
        (しかし、ケンマもベルも生命が尽きたわけではなく、意識を失い倒れているようで、呼吸で小さく背が動いているのが見える) -- 剣馬 2011-11-09 (水) 22:39:34
      • (呆然と辺りを見渡せば、倒れているマスター二人が目に入る)
        …っ(死んでいるのかと、息を呑む。ますます状況が掴めなくなり、セイバーへ説明を求めようにもどうにも声をかけ辛い)

        (少なくとも、現れた敵自体は倒したのだろう ならば聖杯は?)
        (願いは、間に合わなかったのだろうか それとも聖杯自体戦いの中で壊れてしまった?)
        (困惑する視界が、剣馬の背を呼吸により動くのを捉えた)
        …マスター剣馬…!(駆け寄るにはまだ体力が足りず、何とか歩み寄ると傍らに跪く)
        (その背に指先を触れれば、体力も魔力も酷く消費しているのが分かった)
        しっかりして下さい…!この状況は…
        (僅かに回復した魔力を分け与える、しかしその目を覚まさせるには到底足りないだろう)
        (唇を噛む。ここまできて、また役に立たないのかと)
        (今から医者を連れてくるには余りに時間が足りない。しかし自分ではこの状況を打開できるような魔法は使えない)
        ……誰か…
        (無意識に出る、助けを求めるような言葉。けれどこういう時に力になってくれるサーヴァントはもう、居ない)
        (先ほど歩いてきた通路へ目をやる、ここで狼狽えていても状況は変わらない。ならば動こう、と)
        (そしてその目は、やってくる誰かを映して)
        貴方は… -- アルム 2011-11-09 (水) 22:52:48
      • (人が来る。重い影を引き摺り、歩いてくる。最後の戦いを生き残った者達と、違わぬほどの満身創痍で、近づいてくる)
        (くすんだ金髪は纏まり悪く跳ねほうだい、服装にはどうしたことか焦げと汚れが夥しく、しかし眼は蒼く深く爛々としている)
        (彼が近づくと柔らかな香りが漂う。胸の裏側を翼の根元の柔らかい羽毛で包まれるような、優しい植物の香りがする)
        (ひとくち吸い込めばそのまま眠りに落ち、肌に触れれば暖かく、魂を洗って晴天に干すがごとく、癒しの香りが漂う)


        (咥えタバコの煙を燻らせ、ケンマたちの傍まで近づくと口を開いて話し始める。“終わり”を知り、安堵の笑みを浮かべながら)
        通りすがりの薬草売りだ。多分、無茶してぶっ倒れてるであろう真っ直ぐな馬鹿へ、薬をつけにきた。
        (手を伸ばすとケンマの手首を無造作に掴む)疲弊しきってやがるな。そっちの嬢ちゃんも……。だが、癒しは専門だ。
        すまんね、邪魔するぜ……。(タバコの煙が落ちてゆく。白く留まり、地を覆っていく) -- キフィ 2011-11-09 (水) 23:18:04
      • …マスター、キフィ でしたか…(その姿だけは見たことがある。しかしその人隣は知らない)
        (僅かに表情に警戒が浮かぶ。ともすれば状況を忘れて安らぎを覚えてしまいそうな香りすら、罠に思えて)
        (この男もマスターであるなら、それなりの願いを持っているのだろう。ならばこの状況は好機に見えるかもしれない、と)
        (そして、口調からどうやらこの男が、倒れている彼の知合いであるらしいことを悟った)
        癒し……マスター剣馬を、回復させられる…のですか?
        (まだ、その声色は固い。知合いであるから、味方であるとは限らない)
        (だが今は信じるしかないという事も分かっている。なので行動は邪魔しない)
        (…考えてみれば、今何が起きた所で自分に出来ることはたかが知れているのだ)
        ……なら、お願いします…
        (立ち上がって、一歩下がる) -- アルム 2011-11-09 (水) 23:28:20
      • ここまで、大変だったんだぜ……朽ち果てた機械兵士の遺骸、血の広がる死闘の痕、えも言えない戦いの爪跡……。
        ようやっと上がってきたが、敵の一つにも会わなかったのは運命か何かなのかな。(笑みを返す。その固い反応は自分に相応しい)
        (確かな“敵”として彼と相対したのだから。憎くもないのに、手段を選ばず……。だから、その、罪滅ぼしに来た)
        (疲れ果てて消えかけたケンマとその仲間を癒し、目蓋の奥で燻る、自らの痛みを消しに来たのだ)


        (足の裏へ力を感じる。立ち上る湯気のごとく力は、地球の底から昇ってきて、空まで覆って包み込む)
        (天蓋の向こうにある空へ力を感じる。落ちる光を柱として、背骨に通して地面に根ざさす)
        (躰の中へ力を感じる。赤い血が右手の先から左手の先まで、頭から爪先まで巡って、大きな波を起こす)

        (「集中を」指先が震えて、額の上に一筋の白い光が閃いて、目に映る景色は白紙に変わり、回帰する流れを見る)
        源泉から 源泉へ 私を通して流れよ 上と下 回帰するために流れを変え 清らかに

        Uhhhhhhhhhhhhhhhhhhh.........
            Ohooooooooo........
                 Eheaaaaaa.......


        (声を響かして、煙を揺らしたあと、ひときわ大きな叫びを上げる)

        Aha (a)a (a)a (a)a (a)a (a)a (a)aa (a)a (a)a (a)......!!!!!

        「イーリアスの勇猛な英雄は、驚くべき力を秘めたその槍で、傷つけることと治療することの両方をやってのけたのだ。」
        終にはその槍も捨てられ しかし打ち錆びた槍の山から薫るものがある 汝のまことの名、それはヤロウ
        ギアウィの名を持ち 体を癒すもの 悲嘆・救済 ヴィーナスよ 治療の力よ
        魂の火よ 心の火よ 炉の火よ 風の火よ 枝の火よ 時の火よ!
        彼女は全てに光を放ち、全てに焼きつく!


        (澄み渡る癒しの力は、鎖状の力になって、倒れた者の身に纏い、傷を癒して活力を取り戻させる) -- キフィ 2011-11-10 (木) 00:08:49
      • (──暗く閉じた世界の中。優しい、香りがした。暖かな、光りに包まれるような感覚を覚えた。ふわりと、身体が軽くなるような浮遊感、もしかして自分は死んでしまったのではないのか、ここは所謂、天国なのでは──)
        (などと、愚にもつかないことを目を覚ました時一番最初に考えていた。そう、目を覚ました、ぱちりと。何事もなかったかのように。傷も、火傷も、癒しの力により、自己の治癒力も手伝い、急速に回復していく)
        ……俺は……(倒れ伏した状態、手を動かし頭を押さえる、無理な魔力と生命力の行使、頭痛が酷い。目に入り込んでくるのは──)
        (カッ)白のパンツとすべすべ太ももッ!!(しゃがみ込み様子を見てくれていたアルムからのラッキーショット!がばりと撥ね起きた、ベホマを唱えられた戦士のように体力満タンで!)

        じゃなくてっ!なんだ……どうなったんだ、季來は……セイバーは……。(辺りを見回す、既に邪悪なほどに強烈なプレッシャーを放っていた巨神はその存在を根本から消されたように見当たらず。)
        ……なら、俺たちが勝ったんだ……(次に目に止まるのは、キフィの姿、今、ここで回復魔法を詠唱していたなどつゆ知らず)あ……ン?……キフィ?そうか、生きてたのかよ、良かった……つまり、あの異変はお前らの仕業だったってことか。なるほど、合点が行った、道理であの胸糞悪いシスターの姿が見えねえと思ったぜ……。つーか……ひさしぶりだな。ははっ、無駄にボロボロになりやがって──(笑顔で、応えた、久しぶりにあった友人に向ける、偽りのない穏やかな笑顔だった) -- 剣馬 2011-11-10 (木) 00:43:12
      • (魔導の力が、心の力が抜け落ちていく。不思議と不快感のない、雲を払った青空の心地がする)
        (「ケンマは……」案ずると、その瞬間に目蓋が開かれ、爛々とした瞳が顕わになる。その後の発言も、“余分に”生命力が満ちていて、)
        ……しぶてぇー。こいつすごくしぶてぇー。(ここは一発殴っておくべきところなのに、手が動かない。力が足りない。歯がゆい。「畜生」)
        拙詠はお気に召したか鋤出彫の馬鹿め! こっちの台詞だ馬鹿! 剣馬鹿! 使い切りも、使い切りだったぜテメエ。“塔”なんて絶異と闘ってたんだから仕方もねえか。
        ともあれ……不当に傷つけたんだから、今度は不当に治してやった。ようやっと、テメエから目を逸らさずに済む……。
        あれだ、毒は……やりすぎた。死にかねなかったし、酷かった。でも、反省してるから許してくれ。許せ。はい許された。
        (言った傍から目を逸らして言い逃げるようにそっぽを向いて座り込み、向こうを見る)……いよいよ、終わるな……。 -- キフィ 2011-11-10 (木) 01:11:12
      • (指先から気だるさが消える、まさか自分まで癒しの範囲に入っているとは思わなかった為、目を見開いて)
        …マスターキフィ…貴方 はっ?!(大声に驚いてそちらを見る、視線を辿って)
        …!(慌てて両手でその先に会ったものを隠し、僅かに赤くなった頬で咳払いする)
        ……元気なようで何よりです、それより…
        (この状況は、と聞こうとし言葉を止めた。二人のやり取りは邪魔してはいけないような気がして)
        (…何かわからないが、取り敢えず何かの蟠りは解消したらしい)
        ……その、すいません マスター剣馬、この状況は……
        その、マスター季來は一体…(それに、聖杯は…と) -- アルム 2011-11-10 (木) 01:23:26
      • なんだよ、そんなこと気にしてたのかよ。お前は馬鹿か。俺の拳は必殺じゃねえと?素手だから毒に劣るというのか?殺す殺さない、死ぬ死なないは別として、俺もお前も全力を出して切り札も切りあった。それだけだ。
        だから、気にしちゃいねえさ。お前は知らねえだろうが、子供の頃の俺はオオスズメバチに2回以上刺されても死ななかった男だぜ。(笑う、許すも許さないも、対等に戦い、全力を持って競り合えた。ただそれが嬉しかったのだから)

        (身体が軽い、治癒魔法の効果か)お前が治してくれたのか。俺を。恩に着るよ、指一本も動かせなかっただろうしな。
        終わる、あぁ終わるな……だから、なんつーか、勝ったんだよ、俺たちは。聖杯の中心に居た化物が……──(キフィに視線を移動させられ、アルムから問いを投げられる。半ば異形と化し、狼狽した様子のセイバーに介抱される季來を見て──状况は、と聞かれそれに応えようとしていた口は止まり、眉を顰める)
        ……な、んだ……おい、断罪の!どういうことだ、お前のマスターの姿……どうなってんだよ!!なんで……(ふらりと立ち上がると、セイバーへと駆け寄る。勝利を手にし、聖杯を手にし、世界を守った、そのサーヴァントとマスターへ) -- 剣馬 2011-11-10 (木) 01:32:47
      • そうか……俺も、馬鹿だったってわけだな……。(くくっと喉を鳴らして笑いながら、何でもないように、聞き流すように、そう返事をする)
        (心に刺さっていた氷の棘が溶け、もう、痛みを感じない。なんの気もなく、軽く話すことが出来るようになる)
        (許されることなんて、心の底では解っていた。ただ、今漸く自分で自分を許すことが出来たのだ)
        ……あったなー……そんなの。アナフィラキシーショックの泣き声が聞こえてくるようだったぜ。

        (期間で言えばきっと短い。しかし、短いと言われるが長かった。出会いに別れにまた出会い。夕焼け空のように濃密な時間だった)
        (この空間にその最後の残滓が詰まっている。煌き輝くような美しさがある。恐らくこれは、月並みな言葉で言うと破壊であり再生なのだ)
        ま、良くやったと言っ────どうした。何が、何がおかし……いや、あれは、あれは……?
        (“それが自然”なものだと錯覚していたものが突然像を結び、そこへ異形を際立たせて、鮮烈に目に焼きつく)
        ……あれは─……。(迷宮の入り口・『銀のバスケット』つぎ、つぎ、と情景が浮かぶ。あの二人には逢ったことがある)
        (その片割れの躰は、記憶と大きなずれのある姿をしていて、頭の中へ異物感を覚え、目をしばたかせる)
        何が、起こってる……。もう、終わりなんじゃなかったのか。 -- キフィ 2011-11-10 (木) 01:59:08
      •  
        (「聖杯」に魂を吸われたかのように、それを凝視したまま逡巡していた剣士。夢から覚めたように顔を上げ、暗紅色の目に光を宿す)
        君たちは…(瞳は順にアルムを、キフィを見る) そうか。無事だったか
        …世界を「再生」させようとしていた「敵」は、倒した。だが

        主は…阿鉈賀季來は、その体に爆弾を抱えていた(訥々と語り始める)
        身を削るたびに、削られた部位と入れ替わり、増え… いずれ宿主の身体全体を乗っ取る魔法生物だ
        この戦いで、無理をしすぎたらしい。今まさに、阿鉈賀季來は「それ」に変わりつつある
        (言葉を切る。ひとたび、闇を宿した紅玉の目を閉じる)

        彼女は、聖杯の暴走を止め… この世界の崩壊を、「再生」を止めた
        無論、誰の助けもなく成し得た事じゃない。ここに集まった皆も含めた、聖杯戦争の参加者たちの犠牲あってのことだ
        だが… 俺の「願い」でもある聖杯戦争の終焉を成し遂げたのは、他ならぬ彼女だ
        (輝く球を手に示す)
        ここに「聖杯」がある。俺は、俺の「願い」を叶えてくれた彼女に、彼女の「願い」をもって応えたい

        サーヴァントたる俺に扱いおおせるか、判らない。また、聖杯に願いをかけることは皆の悲願でもある
        俺を、止めるものがあるなら名乗り出てくれ。…この戦争の「契約」だ
        (紅の従者は満身を血に染め、剣を喪い、なおも揺るぎなく立つ。気高き鷹さながらに胸を張りながら)
        俺は最後まで、戦うだろう -- カイン 2011-11-10 (木) 01:47:32
      • (ベルの元へ跪き、意識こそ未だ失っているもののその呼吸が健やかなことを確認する)
        (この小さい体で良く持ちこたえた、と半ば感心の混じりの安堵の息を吐いて…)…マスター季來…
        (間に合わなかったのか…と、姿を変えつつあるその体を見て、眉を顰めた) -- アルム 2011-11-10 (木) 02:04:39
      • ……馬鹿を言え、もし戦うとしても互いに万全の状態で、何の悔いも残らない正々堂々とした列記とした試合にしてもらいたいもんだ。
        お前は、季來のことを助けたいんだろう、ならば、願えよ。祈れよ。聖杯に。
        少なくとも敵将を討ち果たしたのはお前ら二人だし、お前ら二人でないと成し遂げられなかったことなんだろ?
        ……だったら。その誉は受け取れ。俺はそれに関して何も言わない。まぁ、彼女は……(傷は回復した様子だが、今だ昏睡状態の幼い彼女を見て)聖杯を得られず落胆するだろうがな。まぁ子供なんだ、許してやってほしい。(今、彼女が起きていなかったことに安堵を覚えつつ)
        アルム、キフィ。お前らはどうする、目の前に目的としていた聖杯があるぞ。今から、コイツと戦うのか?奪うのか?(後ろを振り返り、声を投げる、もしも戦うなら、自分もセイバーへ加勢すると言わんばかり、二人の前に立ち) -- 剣馬 2011-11-10 (木) 02:06:29
      • …その問は、あまりに人を馬鹿にしていますね(答えるまでもない、そう言いたげな目で剣馬を見上げ)
        ここであのセイバーが、自らのマスターの為に聖杯を使わないというのなら…その時は聖杯を奪う、という手段も考えますが
        (しかし、そうでない以上邪魔する意思はない。それに、聖杯なんて使わなくても自分はもう、十分すぎる程満たされている) -- アルム 2011-11-10 (木) 02:14:37
      • (“やまい”に蝕まれていく。視覚的に黒々と、不健康を訴えるその姿はある記憶を想起させる)
        (笑いに隠してその裏で、病魔に蝕まれて、生きようにも生きれなく、助けように助けられなかった女性が、記憶の中で晴れやかな笑いを飛ばす)
        俺の願いは“人を助けるためのもの”だ。そのひとを見捨て置き、それを得てなんになる。本末転倒も甚だしい。
        それ以前に! 喪ってからではもう遅いんだぞ、いいか、取り返しのつくうちに、さっさと願ってしまえ。さもなきゃ、地獄でも思い出すことになる。
        (ケンマの顔、セイバーの顔、順に見て、その瞳に意志を伝える)これが俺の意見だ。ああ、もう、やっている間にさっさと治してしまえ。はらはらする。
        かけがいのない人なんだろう! 俺達全員纏めて切り伏せてでも治せ!(落ち着かなく、地団駄を踏んでいる) -- キフィ 2011-11-10 (木) 02:16:22
      • (二人の視線と言葉に、判っていたとばかりに笑みを返してから)だ、そうだぜ、セイバー?大体サーヴァントが最後まで残ってたのは結局、季來ペアなんだろ。形としては優勝といっても違いはねえさ。
        最も、まっとうな試合でなら負ける気はしねえんだがな……俺も。だが、俺のセイバーはもう居ない。つまり先にリタイアだ。
        さて、だったら、もう此処に要はない。願いは優勝者の手に。俺ら敗者は、立ち去るのみよ。(三人の元へ歩み) -- 剣馬 2011-11-10 (木) 02:23:19
      •  
        …ありがとう
        (伝えられた言葉に、伝わった想いに… 鷹は目を伏し、頭を垂れ)
        (陽光のような輝きを放つ球を手に、祈るように念じる)

        「聖杯」に願う。阿鉈賀季來であった、この命の器を… 阿鉈賀季來に、戻してくれ
        今や異物に満たされたこの器が、彼女の血肉だけで満ちていた頃に… 戻してくれ

        (光の球は横たわる季來の胸の上にかざさされ、ひとたび沈黙が周囲を支配する)
        (まるで「聖杯」が暫し逡巡するかのように) -- カイン 2011-11-10 (木) 02:21:07
  • カインの願いを、受けて―― -- 2011-11-10 (木) 02:51:49
    • (――『聖杯』は、光を放ち。中空へと、浮かび上がる)
      (そして、光の粒子を放ち……彼女の許へと、路を形作る)

      (しかし……)

      (その粒子は、彼女の肌に触れるや否や)
      その身体を、同種の物質へと、分解し始める

      (願望を実現する膨大な魔力は、何の造作もなく、機械のように
       彼女の全身を光へと変えてゆき、路を通し、聖杯の身へと収めてゆく)
      (やがてその場には、中身の消えた、彼女の和装の衣服だけが残されて……)

      (――それでも、『聖杯』は。願望機は、光を放つことを止めていなかった)
      -- 2011-11-10 (木) 02:52:02

    • (『――声が、聞こえる』)

      (……自分の意識は、まるで、星のない空の果てにあるように思えた)
      (そこには、空気はなく。そこでは、人は生身にして生存できないそうだ)
      (そこに放り出されたら、きっと、『ここ』よりも、ずっと苦しいのだろう)
      (……けれども、死んでしまえるのだろう)

      (だから……『ここ』は、『そこ』ではない)

      (それほど経っていないと思えたが、気の遠くなる程に長い時間を過ごしているようにも感じられた)
      (自分はこのまま、空想と思索を続けて、何もない世界を『生き続ける』のだろうか)
      (……それとも、いつかは『それ』は訪れるのだろうか)
      (――もし、『それ』が訪れる時があるのなら。なるべく、早く来て欲しいと思う)
      (それも、できたら。心が ばらばらになってしまう前に――)

      (――もう一度、『空想の海』へ、意識を浮かべよう。時間は、いくらでもある)
      (『あの時』から、それほど経っていないとも、思えたが――)

      (――『そう』)

      (『――声が、聞こえる』)
      (『忘れてしまっていた、誰かの声が』)

      (『それと、光が、視えて――』)
      -- 季來 2011-11-10 (木) 02:57:10

    • (『聖杯』は、浮かび、光を放ち続ける)
      (それは、願望を実行し続けている証左でもあった)

      (やがて、その直下の空間が――波打つように、歪み)
      (ぼんやりと、人の像が、水面へと浮き上がるように顕れ――)


      \ ラ ス ボ ス 登 場 /

      (――彼女は、『海』から出でる)
      (――彼女は、『時間』を取り戻し)
      (――彼女は、『戻り、帰ってきた』)

      ――『再世』を、果たして
      -- 2011-11-10 (木) 03:10:50
    •  
      (主の姿をした「器」が聖杯に飲まれ、消えても… 鷹の目の剣士はただ強く歯を噛み締め、見守っていた)
      (しかし、再び姿を現した主にその目は見開き、安堵したように息をつく)

      通じた…か
      俺の願いが、聖杯に

      (一糸纏わぬ主に自らの外套を纏わせようと… しかし、それは傷だらけの血まみれで)
      (脱げ落ちた主の服を拾い上げ、それを血色を取り戻した細い肩にかけて)

      マスター
      阿鉈賀季來

      (傅く。帰還を果たした主の前に)

      改めて、感謝する
      全て、終わった。終わらせたのだ。貴女が

      (季來が目にするのは幾度目になるだろう、気負いも何もない、心からの笑顔を浮かべて)
      (主を見上げる) -- カイン 2011-11-10 (木) 03:31:11

    • (それもまた聖杯によるものか、彼女は、何かの力場に支えられ)
      (引き揚げられるようにして……静かに、その全容を現す)
      (そうして、ふわり、と舞い降りて)
      (爪先が、冷たい床へと触れる)

      (触れて――)

      (ぐらり、と)
      (力なく、前のめりに、倒れこんでゆく……) -- 季來 2011-11-10 (木) 03:49:15
    •  
      (予め主の前に膝をつき、甦る姿を見守っていた従者は、やすやすとその身を受け止める)
      マスター
      (かろがろと、季來を抱き上げて立たせる。背には手を回したまま)

      まだ、目が覚めていないのか? マスター
      (耳元で呼びかけ、そっと手を… 身を離す。一歩下がって)
      (笑みを、苦笑に変じながら) -- カイン 2011-11-10 (木) 03:58:30
    • カイン、さん……。
      (薄らと目を開け、彼のその顔を確かめて……)

      はあー……。
      (緊張感のない声を洩らしながら、深く、深く、息を吐く)

      あたま……
      おっもい、です……すっごく。
      (次いで、緊張感のなさに拍車を掛ける声色で、状況とややズレたことを宣う)
      (けれども、再世した際に……髪は、なぜか、とてもとても長くなっていて)
      (ボブカット、いわゆるおかっぱに慣れていた自分にとっては
       かつて無いほどの重みとして、頭と首、それと肩に負担を強いていたのだから……)

      ぁと、すっ……ごく。おなかすきました、です……
      (……それと。今の自分の胃腸は、本当に全く空っぽだったのだから……
       今は、腹の虫すらも責めないで遣って欲しいと思えた) -- 季來 2011-11-10 (木) 04:06:03

    • (もう、慣れた。剣士の苦笑は揺るぎもせず、言外に語る)
      存外、長い付き合いになったが マスター
      (ゆっくりと下りてくる「聖杯」を手に取り)
      これが最後の「失礼」だ
      (ふわり、再び主を背負う。まだ羽織った服の前も合わせていない、柔らかな体を)

      ここはもう、
      (そして恐らくは自分も)
      長くはもたない
      (塔が、聖杯戦争を差配していた中枢が崩れ落ちようとしている)
      (サーヴァントをこの世に現出させていた理 =ことわり= もまた)

      (聖杯戦争は、終わったのだ)
      走るぞ、マスター

      (一足ごとに、何かが抜け落ちるように)
      (自分の存在が、軽くなっていく)
      早く塔を出て、なにか美味いものを食うとしよう

      (今は手にした聖杯から溢れる光が、かろうじて自分を繋ぎとめている)
      (そう感じる)

      (焦りは無い。自らは満たされている)

      (カインは駆けて行く。微笑さえ浮かべて)
      (季來の護った世界、季來の帰るべき世界へと)
      -- カイン 2011-11-10 (木) 17:15:29
    • ……はいです。
      (最低限の衣服と、紐付けされていた少しの荷物だけを手に。ふわりとその身を背負われる)
      (……ややあって、カインの背へと密着する身体に、少し居心地悪そうに身を捩り)
      ぁ、でも……ぇとぁの。せめて、服を整え…… 〜〜うゃぁぁっ!?
      (言い終える前に、脱出劇は始まった。思わず上げた素っ頓狂な声を、空間に響かせて――)

      (――カインの身体へ回した手を、ぎゅっと、強く握り締める)
      (再び取り戻した、色ある世界から、振り落とされないように)
      (この『冒険』で手に入れたものを、絶対に手放さないように――)

      (――『黒』と『赤』が、塔を疾る)
      (旧時代の記憶も、探索の日々も、聖杯を巡る戦いの爪痕も)
      (全て、瓦礫の下へと、消えてゆく……)

      (そして、星明りの下へと――) -- 季來 2011-11-11 (金) 00:40:50
  • 破壊の為の右腕を失い、蹂躙の為の左腕を失ったその巨体……切り落とされた腕はぐずぐずと崩れ落ち、魔力の粒となってアーネンエルベの胸の球体へと吸い込まれていく
    肩口までバッサリと四腕全てが落ち、肩がかつてあった場所からは血とも闇ともつかないどす黒い魔力だけがだくだくと上天へ零れていく
    武器であり、防具である筈の腕を失ったその姿……宛らその様は天冠を縁と見立てたグロテスクな聖杯のオブジェにも見える
    巨大な四腕を失って尚……いいや、失ったからこそ、その巨体が際立つ。そして無言で威圧する――吾は未だ健在であると

    exp012583.png -- 2011-11-07 (月) 00:17:16
    • 胸元の球体から光を放ち、令呪の面を廻らせる -- 2011-11-07 (月) 00:18:11
      • (駆け寄る。主と、二人のマスターの下へ)
        残った首は、宝具を使ってくる。それも複数だ
        捧げられた者たちの力かも知れない。あいつを形作っているのは、サーヴァントなのだろう
        シスター・シモーネか…あるいはその背後に居た人間がマスターだったのかもしれないが、今やつを制御している者は居ない
        頭部の仮面にある刻印… あれが、あいつの令呪だろう。破壊しようとしたら防ぎに来た。裏を返せば、防がれなければ…俺なら斬れるということだ
        令呪さえ破壊すれば、サーヴァントも力を失うだろう。ここからは、やつの令呪を狙っていく
        (剣の柄を握りなおす、音が立つほどに強く) -- 赤髪のセイバー 2011-11-07 (月) 00:18:13
      • (急に崩れ落ちた腕から飛び降り、着地。中央付近のセイバーの元へ駆け寄り、話を聞く)
        なるほど、まぁなんとかかんとか腕は片付いた。狙う的は1つになるんだ。大分やりやすいぜ……。(剣を掴んだ右腕を左手で抑えたまま、ふらりと立ち)
        ……といっても、ちとはしゃぎすぎたな……何処まで援護できるか分かんねえぞ。断罪のセイバー。 -- 剣馬 2011-11-07 (月) 00:33:30
      • (体勢を立て直し、よろよろとセイバーへ近づいて……)
        ご……、ごめんなさいです、セイバーさん……私、また足を引っ張って……。
        (……とすん、とセイバーの背に行き当たる。視界の霞みはより深まり。距離感が、掴めなくなってきていた)
        (それを誤魔化すように、周囲を見回し、剣馬たちの姿を見つけ) ぃえ……ここまでで、充分すぎますです、剣馬さんも、ベルさんも。
        ……本当は、私が一番頑張らないといけないのに -- 季來 2011-11-07 (月) 00:41:30
      • (左腕との戦いでの消耗が激しいのかただ荒い息をつく まだ本丸が残っているのに……ここで倒れる訳には行かない、気力で意識をつなぎとめてはいる)
        私、だって……聖杯、欲しいから、戦わ、せて……(再びメダルを握り締めて皆に勝利の祝福を……と、魔術を発動しようとして残りの体力を使い果たしたかのように両膝を突く、混濁した意識の中で魔術を構成して……) -- ベル 2011-11-07 (月) 00:51:55
      • 満身創痍の一行を見下ろして……面の令呪が輝く。その次の刹那

         exp012587.png 

        アーネンエルベに魔力が集まり始める。闇から一転して光が胸の球体へと収束し、極光を放つ
        許容し、覆い隠す闇ではなく、断罪し、暴く光……ただただ暴力的なその光
        直視するだけでも網膜を焼き、残滓ですら触れれば損傷を免れる事はできない。ソレほどまでに強く、ソレほどまでに明確に拒絶の意志を示す光
        先ほどまでとは比べ物にならない濃厚な魔力の波動が渦巻き、胸の球体と背の天冠へと収束していく……今まで、タイムラグも詠唱もなしで軽快に宝具を扱っていた怪物が、態々魔力を練り上げている……その様を見れば、もうその場にいる誰の頭でも近い未来を予想する事は極めて容易であった
        次の一撃は致命的で絶望的で破滅的なものになる。そんな当たり前未来の予想が……いや、確信が脳裏を過ぎる -- 2011-11-07 (月) 00:56:32
      • これは…
        (この空間を測りおおせた鷹の目には判る。背を向けて離れたとて、刹那に迫る「光」からは逃れられないと)
        (スッ、と空を切る音をさせて剣を眼前で回す。さながら風車のように)
        マスター、それに二人も。俺の後ろに回ってくれ
        (長大さを増した宝具「護り手の剱」が作り出す、剣の分かち身たち。今はその限界を超え、無数の刀身を生み出す)
        (展開される剣の垣は七重に、八重に… 光を弾く鏡の盾として顕現する)
        大丈夫だ …俺が、護ってみせる! -- 赤髪のセイバー 2011-11-07 (月) 01:09:00
      • (周囲を見る、どうにも戦力はボロボロ。相手も両腕を失い戦力は落ちているとは思うが……)
        なぁに、季來さんが気負うことじゃねえよ。皆目的は、平和を取り戻すことについで、聖杯が欲しいってのもあるんだからな、躍起にもなるもんだ。
        って、おい、ベル……無理はするな。さっきあれだけの魔法を行使してくれたんだろ、ほんとうに助かった。だから、少しだけ休んで──(無理に魔法を構成しようとするベルへ歩み寄り、言葉をかける。その時であった)
        (腕が落ち沈黙を保っていた巨神が。圧倒的爆発的なまるで冗談みたいな魔力光を放つ。楽観視していた?自分の馬鹿さ加減にいい加減に嫌気がさすが、今はそのレベルの話ではない。想定外。想像を超える、絶する、終焉への鳴動。)
        は……?(規模が違いすぎた。不安定過ぎる抗魔力で何とかなるものではない。まるで恒星のような。余りにも理不尽な。増しゆく光に目を奪われ呆然と立ち尽くしそうになり──)
        (取り敢えず、近くにいたベルを庇うように眼前へ── その行為がどれだけ無意味か、自分でも理解はできていた、結局何一つ守れないまま、約束も果たせないまま、ここで朽ちるのか……)
        (そこへ投げられるセイバーの力強い言葉、確かに彼の能力なら、防御能力は今までの戦いで幾度も見せてもらった)
        分かった……!お前を信じる……っ。(最早選択肢は残されていないのだ。今は、彼を信じるほ他は無い。) -- 剣馬 2011-11-07 (月) 01:12:45
      • あっ……(圧倒的に大きな光、魔力、破壊力……例えどんなに万全な状況でも自分の力では守りきれる気がしない)
        逃げなきゃ……(後退しようとするが足が動かない、もうここで死ぬのか?聖杯は手に入れられないのか、そう思ったとき、自分の前に二人が立つ)
        (また、守られた……申し訳ないような、嬉しいような、悔しいような、色々な感情が綯い交ぜになって涙が流れる 言う事を聞かない体はまだ両膝を地面について座り込んだまま殆ど動かない) -- ベル 2011-11-07 (月) 01:18:06
      • (頷いて、ベルに寄り添うように、セイバーの背後へ入る)
        (この戦争の中で、かつて無い量を生み出される魔力は、それでも追い付かない程に、セイバーへと流れ込む)
        (けれど、足りない――まだ、もっと――護るために、身を挺し、怪物の正面に立つ彼の背を支えるには――)
        (令呪を使うか? ……否。これは、彼が『刻印』を穿くための、最後の一押しに必要となるはず)
        (ならば、今、捧げられるものは……)

        (すう、と目を閉じる。光に照らされ、瞼の裏に血潮の色が浮かぶ)
        (その紅い視界が。片隅より、少しずつ、黒く染まってゆく……)
        えぇ……、大丈夫です……。 ……絶対に! -- 季來 2011-11-07 (月) 01:45:09
      • 迸る殺意の極光……触れるもの全てを傷つける凶光。しかし、その凶光は攻撃ですらない。言うなれば、今のアーネンエルベはただ構えているだけなのだ……次の一撃を放つために構えているだけ……たったそれだけでもアーネンエルベは世界を傷つける。そう作られた聖杯という名のただのプログラムは世界の全てに仇を成す。そうする事こそが己の存在理由であると誇示するように

        「吾が名は遺産」(Ahnenerbe)
        視界を閉ざす闇にも似た極光の中、囁く様に声が木霊する。小さく、しかし確かに

        「吾が名は聖杯」(Ahnenerbe)
        『護り手の剱』(マ モ リ テ ノ ツ ル ギ)に相対する様に、『討ち手の楯』(ウ チ テ ノ タ テ)が展開される。乱雑に、しかし無数に

        「吾が名は願い」(Ahnenerbe)
        そして、唐突に光が晴れる。極光が一点……胸の球体へと集中し、聖杯(胎児)の瞳は今開かれる


         吾 汝 ラ ニ 願 イ(未来) ヲ 与 エ ン 


         汝 ラ  
         exp012584.png 
          罪 ナシ  


        見開かれた瞳が輝き、令呪の面が一層強く魔力を発した次の刹那――


         『NO FUTURE』(ア タ エ ラ レ タ ミ ラ イ) 

          exp012609.png  

        絶望が乱舞する
        アーネンエルベの天冠から、胸珠から……触れるもの全てを消し去る極光が、閃光の弾丸にして刃となって、全方位へと無数に放たれる
        死角などない。寧ろ死角全てからそれらは襲い掛かってくる。『討ち手の楯』(ウ チ テ ノ タ テ)に何度も反射し、時にはセイバーの『護り手の剱』(マ モ リ テ ノ ツ ル ギ)にすら反射……もしくは貫通を繰り返して乱舞する
        当然のような未来であり、当然のような終焉の様がそこにあった。元々、この戦争の(サーヴァント)は全てこの聖杯(Ahnenerbe)が用意したものなのだ。創造主にして破壊者が放つ聖杯の力を……どうして、聖杯の力の一部に過ぎないサーヴァントに留めることが出来るだろうか
        降り注ぐ否定の閃光の嵐。ソレはまさしく願いを吸い上げた傲慢な聖杯(デウスエクスマキナ)の最期の審判
        盤面の動きなど最初から関係ない。絶対者とはいつだってそういうものだ。独善を振り翳す(ゲームマスター)(プレイヤー)の意思など省みはしない
        舞台を最後で台無しにしてまとめることこそが 『贋物の神』(デウスエクスマキナ)の役目……愚直にただそれを果たさんとアーネンエルベは最低な裁定を下す -- 2011-11-07 (月) 23:20:07
      •  
        …ぐっ、う
        (狂奔する光の束、貫通してくるそれも折り重なる剣襖の半ばに散らしつつ…しかし)
        (経験したことのない魔力の消耗、幾十、幾百の剣身の維持に意識が焼ききれそうになる)
        (生来険しい双眸が今は血走り、瞳だけでなく切れ長の目そのものが紅に染まる)
        消えないでくれ… この一撃をしのぐ間だけでもいい!
        (刹那の幻影たる分身の剣は爆発的な光を精一杯散らしながらも、その外郭から次々に爆ぜ…あるいは溶け落ちてゆく)
        (圧倒的な熱量を遮る八重の垣根が四重に減り、二重に削れ… 散らしきれなくなった光の刃が幾つもの傷を剣士に刻む)
        うおぉおおおお!!

        ビシリ 光が剣を焼く音の中、写し身の元たる宝具…セイバーの手にある「護り手の剱」そのものが悲鳴をあげて)


        (再び、周囲がほの暗い空間に戻った時… 赤毛の剣士が手にしていた厚身の剣は、半ばから折れていた)
        (床に落ちた剣先がまだ、微かに震えていたが… それも、手に残った半身も、ほどけるように形を失って)

        ( 宝具は、喪われた )

        余すことなく、全てを裁く光…
        (脳裏に甦る漆黒のセイバーとの問答)
        貴様は… 貴様の核は
        俺だというのか
        -- 赤髪のセイバー 2011-11-07 (月) 23:38:00
      • (不安の発露からか、思わずうずくまり……ベルを全身で庇うよう、包むように抱いて)
        (怪物の、囁くような詠唱が、聴こえる――)
        (次いで、空間に響いたのは――『音』)
        (閉ざした視界の中、破壊、終焉、絶望の『音』が舞う)
        (与える魔力は、尽きることなく。それは確かに、セイバーの力を大きく底上げしているはずなのに)
        (“貫通”した『熱』の余波が、肩を、背を、身体を焼き、貫く)
        (しかしその痛みは鈍く。焦熱で爛れ穿たれた部位は、血液に代わり、黒い細胞が補うよう滲み出て)
        ぁくっ……! だっ、大丈夫っ……、大丈夫です、から……!
        (誰への言葉とも知れず、自身の健在を訴えるよう、か細い声を上げる) -- 季來 2011-11-08 (火) 00:22:04
      • (巨神へと向い立つセイバー。彼の宝具、用いた最硬を誇る固有結界、確かにこれならば防ぎきれる、と思った)
        (だが、現実は。自分でも、想定外だと思ったはずだった、規格外なのだ、全てが。人智を超えた力を見せるサーヴァントさえも軽々と超えて見せる、その力は──)
        (一撃必殺、否、必滅級の熱線が結界の周囲を飛び交い、獲物に群がる野犬の群れのように幾度と無く牙を向ける!このままでは、防ぎきる前に、一分崩壊した結界から注ぎ込む光で、それだけで終わる)

        く、そ……守られてるだけじゃ、駄目、だよなァ!!俺もよ……男の子なんだ、女の子くらい守ってナンボだろッ!!なぁ……ッ!!(それは誰とも無い、呼びかけ、己自身への呼びかけ、立ち上がり、徐々に削れ往く結界の内側、季來とベルを中心とし、セイバーと背を向かい合うように)

        あぁ、守るんだッ!!俺にだって……出来ることがあるのならッ!今全力を出さなくてどうするッ!!見せてみろよ、限界を超えろよ、俺の腕、俺の門、俺の──(それは独白であり、ある種の呪文詠唱のようですらあった、自己を高め、自己を開放し、自己を突破する)
        開けよォ!!お前の力はこんなもんじゃねえだろッ!!開けぇええええええッ!!!
        (腕を前面へと向ける!丁度掌の中心線を基軸とし、そこから横へ腕の肘の前辺りまで光が漏れるような線が入り──)
        (それは一気に開く、上下に、白く鋭い犬のような牙を剥き出しにし、大きくその口を開き!)
        誰一人、死なせるものかぁぁああああああッ!!(その口は異空間へとつながる。それが何処なのかは本人にも分からない、理解していない。だが、それは、滑りこんでくる光を飲み込む、食べる、魔力を美味しそうに貪る!貪欲に吸い込む!喰らいつく!異空間へ一筋も漏らさぬよう、余波をその体に浴びながらも、立ち、喰らい続ける!)

        (一撃目が終わった時、魔力の余波により、焦げた右腕を垂らし膝をつく、ケンマの姿があった、小さく乾いた笑いを漏らす、笑うしか無い。)……へ、へへ……なんとか生き延びちゃ……いるか……なんとかな……(だが、これ以上は、もう、どうしようもないだろう。ただその事実だけが、其処に色濃く残って) -- 剣馬 2011-11-08 (火) 00:36:22
      • あっ!?(そこまでして守ってもらいたいなんて思ってない、そもそもあなたがやられたらセイバーも消えてこの敵を倒せなくなる!そんな考えが頭をよぎる、今自分を庇っているこの人を殺させるわけには行かない)
        すぅー……(大きく深呼吸して精神を整え、大丈夫だと説得力の無い事を言う女性の腕の中で全てのメダルを床にまいた それらは独りでに一つの陣を形成していく)
        戦と、死の神、オーディンに、奉る……我が贄を、受け取り、その力を、与えたまえ……(胸が突き刺されたように痛い 呼吸も苦しくなってきた 視界も暗く……それでも唱える、ここで自分が、皆が勝利する為に)彼らに、その盾と、守りの、加護を、貸し与えよ……
        (メダルは全て血の様な赤い液体と化し、直線で構成された複雑な模様を描く 赤黒く輝く小さな光の粒子が自分を除く3人の周りを飛び交うのを見届けて、意識を手放した)皆……お願い…… -- ベル 2011-11-08 (火) 00:40:16
      • 荒れ狂う審判の嵐。永劫に続くかと思われた一瞬は収束する。耐え切った……君達がそう思った次の瞬間……

         exp012587.png 

        再びアーネンエルベが極光を放ち、光を収束し始める
        終末へのカウントダウンが始まる。時間さえかければ何度でも奴はアレを撃てる
        しかし、三度目は恐らくないだろう……何故なら、二度目で十分だからだ
        気に入らない駒を退けるだけだ。そう何度も打ち払う必要はない -- 2011-11-08 (火) 01:13:02
      •  
        「あれ」は
        (全身に傷を負い、今や無手となったセイバーが呟く)
        「俺」だ。 黒のセイバーと戦う以前の… 傲慢な、超越者
        マスター… 俺は「あれ」を許せない

        (主に向き直る。真っ直ぐに見る、ほの暗い炎を灯した真紅の目)
        討つ。「次」が来る前に
        -- 赤髪のセイバー 2011-11-08 (火) 01:20:59
      • アンタ……討つって言うけどな、策もなしじゃ時間も無し体力も無し魔力も無しのこの現状、簡単には打開できねえぜ……
        (まだ、セイバーには打開策があるのか、強い言葉を紡げるだけの力が残されているのか。それが知りたかった)
        少なくとも、今の俺では、ベルちゃんに最後の力を託されて漸く立っていられるような状態の今の俺じゃ、アイツの面を一発殴りつける事さえ出来ねえ……情けねえ事に、な……(右腕を押さえる、今の体力で開放できるのはあと一度が限度といった所) -- 剣馬 2011-11-08 (火) 02:02:44
      • (『音』が収まったと、顔を上げ――眼を開く。抱いていたベルからは、まだ息衝きを感じられて)
        (再び、極光をその身に湛えはじめた怪物を見ては……茫然自失に程近い心境で、その『右目』を細める)
        (左の眼は、『差し出した』ことになった。今そこが開いているとも、閉じているとも知れない。
         そして、『差し出す』こと――その順序に、殆ど意味はなく。今や動かせることが不思議なほど、この肉体は自分のものではなかった)
        (間も無く、気を失ったらしいベルを、そっと、床に寝かせ……右の、こちらもまた喰らわれ衰えつつある眼で、剣馬とセイバー、二人の姿を確かめて)
        (セイバーの姿が、赤い靄にすら見えてくる。先ほどの傷に呼応して、身体の中で、密度の高い肉塊が蠢き、より変質が進む……)
        ……っ、ぇと……はい、です。令呪は、まだ一つ残っています。今の私の魔力と合わせれば……きっと -- 季來 2011-11-08 (火) 01:51:15

      • マスター・剣馬。大丈夫だ 俺はまだ、やれる
        (静かな声で告げ、自らの主に歩み寄る。こちらを見る目の焦点も合わない、自らと同じく満身創痍の主に)
        …貴女だけに背負わせはしない。マスター
        俺は貴女の盾で、貴女の剣だ
        俺が居た「断罪の剣」には「剣心一如」という言葉がある
        心が折れねば、剣もまた折れはしない。 …阿鉈賀季來
        俺が、貴女の剣だ

        俺はまだ、折れてはいない
        (ひらり、季來を背負う)

        刃が欠けて、直接壊すことは難しくなったが…「あれ」は「俺」だ
        マスターの言うように、「あれ」の持つ令呪…同じ「俺」の令呪でなら干渉することだってできるだろう
        (腕を自らの首に回させて)
        マスター。俺が貴女を運ぶ
        あの怪物に、止めを刺してやってくれ
        (駆け出す、妖しく輝き…再び心無い断罪の光を放たんと力を蓄えるその巨人めがけて)
        -- 赤髪のセイバー 2011-11-08 (火) 02:17:09
      • ……そうか、そんじゃあソイツに、その策に俺も乗せてもらうぜ。(最早、動かすことすらままならない筈の右腕を左腕で持ち上げ、セイバーへ向ける)
        (魔力開放出来る程度に口を開き、それを送る。残りの魔力など大した量ではない、が──)
        (それでも何もしない訳にはいかない。出来ることがあるのなら。誰かに何かを託すことが出来るのなら。──命を削るのも惜しくない。)

        (立つことすら困難となったか、ただ、今は腕を伸ばし、魔力を送りながらも、その場に倒れ伏す。信じるのは、季來とセイバーの勝利だけ。だったら、俺はこれでいい。後のことなど後になって考えればいいのだから) -- 剣馬 2011-11-08 (火) 03:17:04
      • セイバー……、さん? ぇ、ぁのっ……?!
        (身体が持ち上げられたらしい……続けて、何かに背負われたような感覚が、肌に伝わる)
        (『マスターが言うように』? 彼は何を言っている? 剣が……宝具が、『欠けた』?)
        そっ、そんな、だって……、りっ、理屈はわかりますです、ケド!
        (肩越しに、セイバーへと――まだ、声を荒らげるだけの元気はあったのかと、内心で自分でも驚きつつ、言葉を投げる)
        私が言ったのは、『強化』の用途です! こんな……こんなコトッ、不確実過ぎます……全部、無くなっちゃうんですよう!?
        剣がないなら、質は悪いケド、私の持ってるのでもいいですっ!! ……そです、剣馬さんの、セイバーの宝具は……?!
        (代案。いくつもの代案を、考える。あるはずなのだ、と。――この状況下、最善の手が――他に)

        私が……私なんかが行ったって……っ。
        (目を伏せ……彼の背の映る、残された視界に、黒い陰が宿る。直に、こちらも視えなくなるのだろう)
        ……私は……
        私は、ただの『枷』なんです……。この、『カインさん』の一番の願いを叶えるためには……っ!
        (右目から、涙の雫が落ちる。……身体が、揺れて。薄らと見える天地の紋様の光が、後ろへと走り出す。彼が、駆け出したのか) -- 季來 2011-11-08 (火) 03:16:55
      •  
        俺はもう、迷うことを責めはしない。マスター
        だが、これが確実な手だ。「あれ」が「俺」ならば

        (もう、慣れた。剣士の背中がそう語る。もはや主がどう揺らごうと、この男が寄せる信頼は変わらない)
        サーヴァントとして再び生を受けてこれまで、貴女ほど俺を変えた人間は居ない
        スィーニ・ツビェットの辛言も、ヴァルキサスの甘言も、俺を揺るがしはしなかった
        俺を揺るがしたのは…「あれ」を揺るがせるのは、マスター。貴女だけだ

        (駆ける、駆ける。赤い光弾となって。揺るぎなく、真っ直ぐに)
        「枷」などと、言ってくれるな。貴女は「あれ」を止めるという「俺の願い」に残された、「希望」だ
        (近付く程に肌を焼く光。それは放たれる直前に収束される。駆けながら、その機を狙う)

        (アーネンエルベまでの距離はまだある。あるいは、完全に力を蓄える前に放ってくるかもしれない…)
        (暗い朱の火が燃える目で自らの分かち身たる巨人を睨み、駆ける)
        -- 赤髪のセイバー 2011-11-08 (火) 03:36:43
      • っ…………。
        (一瞬、言葉を失い。彼のコートに皺が出来ることも厭わず……いや、
         むしろ『出来てしまえ』と思うほどに、回した手を、強く、握り締める)
        (『これが、確実な手?』……『信じられない?』……『彼の、言葉を』……思考は、巡り)
        (自分とて、魔術、聖杯、英霊――それらに関する知識を、この道程で蓄積していないわけもなく)
        (故に。頭に浮かぶ、いくつもの代案――その全てに、自分の云う『不確実性』が付いて回る)
        (――『駄目だ。考えろ。頭を回せ。それとも“黒い細胞”は脳にまで達してしまったのか』、と)
        (あるいは――『浮かび得る唯一の妙案が、“これ”なのか』、と――)

        (……とても、熱い。重ね、束ねられて、放たれる極光が、近づくほどに、鈍った皮膚感覚にすら負荷を訴えさせる)
        (その熱から逃れるように、セイバーの背に、顔をうずめて。ごく短い――思考で引き伸ばされた――時間の中で、黙する)

        (彼の背は、広い。それは立派な男性の骨格で、脂肪は少なく、強きものの筋を持ち)
        (彼の体温は、熱く、温かく。仄かに闘うものの匂いがして、それは父性すら感じさせる)
        (だから、彼といると――安心する

        もぅ……『希望』だなんて。……買い被りすぎですよう、セイバーさん。
        (……静かに、顔を上げ。目を細めて……肩越しに、囁く。穏やかな声色で……)

        ……わかりました、です。
        どうせ、時間もないですし……。
        『全部の、全部を賭けて』……『これが駄目なら、全部駄目』……
        そのくらいで。
        『全部守って、全部取り返す』には……丁度いいです!!

        (袖口より、守護と強化の呪文が練り込まれたダガーを抜く。
         それを口に咥え……自分の親指を、『押し当て、深く切りつける』)
        (次いで、懐より、折りたたまれた紙片――既に片面は文字で埋められている
         酒好きの風変わりな友人から貰った、たった一枚の切り札――自称、『神さまのメモ用紙』を取り出し)
        (その白い紙面に、血が滴る指で、記す。端的で、確かな言葉を。それは――)

        ――Reproduction.(いでよ)
        カインの剣

        ……取って!

        (紙片より顕れたのは、知識からの想起にして、記憶からの発露)
        (自分の心の生み出した――宝具としては、とても不完全な『再生品』)
        (自分の心に在る、セイバーの――カイン・ツヴァルゲンの、『剣』

        そして、克ちましょう!
        セイバー……カインさんっ!! -- 季來 2011-11-08 (火) 06:36:06
      •  
        元より、マスター。我々の「すべて」は盤の上に載っている
        …そうだ。この戦争の参加者がそれぞれに、崇高な覚悟で自らを賭けた
        (背中の、主の言葉。その決意に目を細め笑みをこぼす)
        盤を覆して胴元の総取り… 決して許しはしない
        いかさま賭博の摘発なら、こちらはプロだ
        (不敵に笑う。鮮血ノ執行者と呼ばれた、緋の断罪人の酷薄な笑顔)

        (駆ける、駆ける アーネンエルベまでの距離は見た目とその実を違え…二人を拒むかのように遠い)
        (肩越しに、あるいは密着した背に伝わる動きから、主の所作は察して取れる)

        (マスターの声に応じて、不意に現れた剣)
        (足を止め、咄嗟に掴む。失われた「護り手の剱」)
        (しかしそれは宝具であり、宝具でない… 主の願いが形作った、今この場限りの「最高の相棒」 )

        これは…
        (紅の目を見開く。同じ「業(わざ)」は生前に一度、目にした事がある。神業としか言えぬ、メモからの「再生」 )
        (含み笑いをする金髪の女… おぼろげな記憶が脳裏をよぎり 剣士もまた、ほくそ笑む) 「あいつ」か

        あり難い、マスター。…ああ、克とう
        (ボロボロだった体に力が、漲る。 再び、駆け出す。)

        断罪の剣が一振り… カイン・ツヴァルケン 貴様を、断つ!! -- カイン 2011-11-08 (火) 19:46:59
      • 悠然と、泰然と……アーネンエルベは向かって来る一騎のサーヴァントと一人のマスターを見つめる。それ以上はしない。否、する必要などない
        もう一度、振り払ってしまえば全ては済むこと。光の収束は既に佳境。徐々にアーネンエルベを覆う極光は縮まり……再び唐突に晴れる
        胸珠に全ての光を封じ込め、刹那の静寂が周囲を支配する
        獰猛にアーネンエルベの瞳が輝く。意志無き瞳に確かな殺意だけを秘めて
        exp012584.png -- 2011-11-08 (火) 22:39:07

      • (力の加減もわからぬままに、感覚の鈍化した左腕で、カインへとしがみ付き)
        (未だその右腕を包んでいたグローブを、口で咥え、引き剥がす)
        (曝け出されたのは、斑状に絡みあう、僅かに残った健常な肌と、肉塊に侵された黒い皮膚)
        (そして、その手の甲の中央には。尚も、紅い色を浮かべる、最後の令呪が残されていた)

        (アーネンエルベの怪物は。魔力の瀑布を束ねるものは、きっと、この戦争の全てであり)
        (聖杯そのものであり、サーヴァントそのものであり……故に『カイン』すら、内包するのだろう)
        (ならば、揺るがしてみせよう。聖杯そのものを――最後に残った、この一画の結晶(つながり)で)

        (――理は、立った)

        あとは、『繋がる』だけ……全然、簡単じゃないですケド……
        ……ぇと、カインさん。タイミング、お任せしますです。
        私、さっきは全然見てなかったですから……あの攻撃。
        (苦笑交じりに、微笑みを浮かべる。……背負っていては、見えないだろうけれども) -- 季來 2011-11-09 (水) 00:16:05
      •  
        (こちらが駆け寄るのを見て放射を早めてくるかと思っていたが、巨人は予想に反して泰然としている)
        (絶対の自信。幾度となく放つことのできる審判の光を武器に、自分たちを何の脅威とも感じていないのだろう)
        いいだろう。そうして侮るなら
        (体をさらに前に傾け、速度を上げる)
        こちらは楽ができる

        (肩越しの主の言葉に頷くと同時、空気が… 空間の気配が変わる)
        マスター、跳ぶぞ 堪えてくれ!
        (放射に向けた光の収束、その兆しを無双の洞察力を得た目が捉え… 地を蹴る)

        (サーヴァントの脚力に加え、全身から噴出す魔力がジェットのように跳躍に勢いをつけると同時)
        (赤黒く輝く霧が刹那、剣士の身を覆う。それはマスター・ベルの捧げた祈り)

        (軍神オーディンはまた風と嵐の神でもあり… その身を巨大な鷲に変じたと神話にある)
        (施された加護の力か、鷹の目をした剣士は紅蓮の鷹の羽ばたくごとくに)
        (身を縛る重力から解き放たれ、速度を増してアーネンエルベに迫る)
        (「希望」を、自らの主を背に。「願い」を、生み出された剣を手に)
        -- カイン 2011-11-09 (水) 01:03:33

      • 赤い光弾がアーネンエルベを撃つ。その鼻先を殴るかのように、巨大な影を揺らす
        炎が膨れ上がり、爆ぜる。そう見えたのはベルの施した加護が役目を終えて霧散する姿
        晴れた霧の中から現れたのは、巨人の仮面…その額に剣を付き立てる赤毛の従者と
        従者の首に手を回し、自らを支え…その腕の中に抱えられる女主人

        突き立った剣が… 宝具にして宝具でない、赤いセイバーとそのマスターを繋ぐ絆の剣が
        赤影と巨人…二人の断罪者を繋ぎ、アーネンエルベの昂ぶりに共鳴を始める
        -- 2011-11-09 (水) 01:06:34

      • マスター、今だ。手を
        (赤毛の剣士が促す。手を伸ばせばそのまま、アーネンエルベに共鳴する剣の柄に届くだろう)

        こいつを
        止めてやってくれ
        (願うように、祈るように、紅のセイバーが告げる) -- カイン 2011-11-09 (水) 01:08:14
      • はいですっ!!
        (時間は、残されていない)
        (怪物は収束した魔力を今にも解き放とうとしている)

        (急ぎ、伸ばした右手は、『剣』へと触れて)
        (『人』の字を象る、最後の令呪は、眩く輝き)
        『聖杯』(Ahnenerbe)へと――)

        『――繋がれ!!』

        (――直後。光が散り、視界が真っ白に染まる)

        (一瞬、『間に合わなかったのか』と、不安が過ぎる。……だが、そうではなかった)
        (身を焼かれる痛みはなく。停まった時の中でも、意識は極めて明瞭であり。
         永い時間の中で蓄積された、莫大な魔力と、情報の奔流を――
         何よりも、『彼』の気配を――とても、とても近くに、強く感じられた)

        (きっとそれが、『聖杯』(Ahnenerbe)そのものだった)

        (そして、その『気付き』を皮切りに、ゆっくりと流れ出す、時間の中で)
        (愛するものたちへと呼びかけるような、穏やかな声を……『聖杯』(Ahnenerbe)へと、響かせる) -- 季來 2011-11-09 (水) 01:56:14

      • 『アーネンエルベ。大いなる、旧時代の遺産よ。』
        『過去、託され――現在、求められた――全ての願いを忘れ』
        『破滅と虚無に身を委ねる、哀れなる白痴の怪物よ。』

        『我が友、“セイバー”カイン・ツヴァルゲンのマスターとして。』
        『――聖杯戦争の、奏者の一人として。』

        『あなたが、この地の全ての記憶と繋がるものなら。』
        『無数の心と願いを知るものであったのなら……。』

        この令呪を以って、阿鉈賀季來が、命じます。


        ()()なさい。
        ――そして、あなたの在るべき姿へと、戻りなさい。


        『黄金の時代は、ここにあり。』
        『――故に望みは、破壊にあらず。』
        『願いし者は、ここにあり。』
        『――故に、求むは……』

        『……私たちの、再世です!』


        (――白光は、散り……視界が、暗転する) -- 季來 2011-11-09 (水) 02:29:32
      • 意志無き巨人の瞳が、仮面の奥の瞳が、大きく見開かれた
        膨れ上がり、純粋な破壊力として凝固された光は、その役目を果たすこと無く解放された
        その光が赤いセイバーとそのマスターの視界を白に灼く。膨大な力は令呪に従って拡散し、収束していく
        アーネンエルベの巨大すぎる体から、プレッシャーのようなものが消えていく
        それは、その凶悪なフォルムに秘められた魔力もまた失われていっていることを示していた

        http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp012643.jpg 

        光が拡散していく。その中でアーネンエルベは、破壊された己の体を身動ぎさせる
        まるで失われていく自分自身を留め、破壊という救済をなおも二人の断罪者へもたらそうかというように

        しかしそれは叶わない。絆の剣によって繋がり、令呪という絶対の命令(コマンド)を受けた以上、その体は崩壊していくのみ
        やがてアーネンエルベの体が黒く染まっていく。聖杯の所以たる膨大な情報と魔力が失われた今……残るものは純粋な闇
        聖杯の主となり、再世を目論んだ哀れな機械人形の悪意と傲慢、それ自体だけが巨体を構成する情報となる
        同時に、闇もまた解けていく。聖杯という純粋な願望機には、闇も光も必要ないものだからだ
        意志を持たないアーネンエルベの断末魔のように、崩壊していく闇の轟音が響き――


        勝者たるマスターの手の中には、拳大の光の玉がひとつ。それこそが『聖杯』(Ahnenerbe)、究極の願望機
        (ゲームマスター)(プレイヤー)の意思など省みはしない
        だが(プレイヤー)だけが(ゲームマスター)の試練に打ち勝ち、その先にある褒美(ドロップ)を掴む資格を持っている


        そして今――純然たる力と、それを願いとして形にする資格は、(プレイヤー)の手に委ねられた -- 2011-11-09 (水) 02:39:14
  • 闇の縁から、聖杯の縁から、それは手を伸ばす。4つの巨腕を大儀そうに産道から引き抜いて、さらに手を伸ばし、闇に突き立てる
    肉とも岩ともつかない、異様としか形容できない威容。剣を頂く杯を思わせる令呪の刻まれた頭部、莫大な攻性魔力を溢し続ける醜悪なその身体。
    暴走した聖杯が求める事は今やただ一つ。救済の為の破壊……狂気という名の理性すら奪われたその身体は最早、指向性を失った力でしかない
    そう、其処にあるその偉容こそが聖杯。聖杯そのもの。聖遺物にして世異物……旧世界にして新世界の断罪者にして子宮……『アーネンエルベ』(Ahnenerbe)

     exp012533.png 

    「吾が母なる子にして世界の為に――共に幸福の凱歌を――」
    • 正面
      令呪の刻まれた能面のような頭部……そして怪しく輝く胸のクリスタル。旧世界を成す為に産まれた落とし子。産む為に産み出され、産み出す術を見失った胎盤。今はただ目前に迫る餌に手を伸ばす。産まれ得ぬ子を成す為の餌を今は求める
      • 覚悟! (肩を駆け抜けて、赤い弾丸がアーネンエルベの首を 巨人のごときその姿の、首を切り落とさんと跳ねる) -- 赤髪のセイバー 2011-11-06 (日) 02:25:37
      • 自らの身を切り裂かれ、溶鉄のような鮮血を魔力と共に噴出しながらもアーネンエルベはただ鷹揚に首を回し、令呪が描かれただけの無機質な貌……いや、貌すら呼べるかどうか怪しい白面を迫り来る断罪の紅へと向ける
        丁度、アーネンエルベから見れば子鼠ほどの大きさのその紅。それを相貌の正面に捉えて
         exp012539.png 
         同じように『視線』がその紅を捉え、同時に赤髪のセイバーの目前に無数の盾……否、盾というには余りに無機質な透明な壁が展開される

        『討ち手の楯』(ウ チ テ ノ タ テ)

        低く呟く声色。誰の声でもない声。男だの女だのそんな話の埒外にある声が偽りの宝具の名を告げ、展開する。殺意の魔力を帯びたその盾は紅を圧殺せんと殺到してくる -- 2011-11-06 (日) 02:52:35
      • (中空で迫り来る幾多の盾…いや、壁の群れ。微かな光の屈折でそうと知れる、見えざる障壁が殺到する)
        …宝具か!?(僅かな空間の歪みを、しかし紅の瞳は逃がさない)
        (肉薄した「それ」を、身を分かつ宝具の剣で「同時に」叩き伏せるように打ち、反動で剣を支えに…軽業師のように身を翻す。輝く盾の紋章が爆ぜる)
        こちらには、時間が無いんでな  どうでも一太刀 くれてくれる!
        (見えざる盾の上に、虚空に縫い付けられた壁の上に立ち、さらに高く跳ぶ。サーヴァントの跳躍に、足場が加わり仮面のさらに高みにまで)
        (裂帛の気合に呼応し、魔力が形作る「輝く剣」の刀身がその丈を増す。仮面ばかりかアーネンエルベそのものを断たんと、振り下ろされる) -- 赤髪のセイバー 2011-11-06 (日) 03:10:45
      • 剣を振り下ろす紅を不気味な生気に満ちたその視線で追い続ける。その間にも背中の天冠にも似た外骨格に魔力が満ち……またアーネンエルベは呟く

        『情無用の魔弾』(All'ombra Di Una Der Freischutz)

        再びその口から出るのは偽りの宝具の名。極光を放つ一条の白が天冠より唸りをあげて紅に迫り……そのすぐ横を通り過ぎる
        そして、直後に背後に展開されたままの『討ち手の楯』……赤髪のセイバーが足場にしたそれに跳弾し、死角より断罪の紅へと喰らいついてくる -- 2011-11-06 (日) 03:49:26
      • (振り下ろす太刀、身をかすめる白皙の飛礫。凶弾は外れた… ) 違う
        (この剣士の心眼を心眼たらしめているのは、何より潜り抜けてきた死線の数。その勘が告げる。眼前の巨人からすればまさに目と鼻の先の距離、意図も無く「外す」ことは無いと)
        〜ッ!!(空中で身を捩る。来るであろう「何か」に備えて)
        (そして防ぐ。死角からの魔弾…しかし、不可視の剣閃さえ幾度と無く防いだ赤毛のサーヴァントにとってはけして必中たりえない)
        (小さな瞬きとともに慣性を殺された弾が重力に引かれ、落ちる。自らも、また)
        …くっ、届くか!? (さらに、身を捩る。無駄と知りつつも、「高さ」を失ってなお剣を振るう)
        (苦し紛れの一刀、歪な剣閃を残して赤い影は落ちてゆく) -- 赤髪のセイバー 2011-11-06 (日) 04:04:07


      • 『吾が身は刃にして鎧』(チャリスオーヴァゼァ)

        漆黒の魔力で外骨格を強化し、ブレた断罪の刃を面でそのまま受ける
        まるで普通の剣を強靭な鋼鉄に打ち付けたかのような手応えを伝え、その証拠とばかりに剣と白面の狭間で火花を散す
        丁度、瞳の上を擦過した剣閃によって瞳から僅かに血の涙を流し、落下する紅い影を見つめる
        有り余る魔力を湯水のように使うことで、聖杯の化身たるそれはまるで指先でも動かすかのように宝具を発動する。本来世界を作り直すために貯蔵されていたはずの魔力……それすらも破壊する為に使い、ただただアーネンエルベは目前にいる最後のサーヴァントを打ち倒し、喰らおうとする
        最早意味も失った自らの完成の為に、それを視線で追う
        無機質なその容貌からでもありありと理解できる程の殺意を赤髪のセイバーへと振り撒きつつ、再び『情無用の魔弾』(All'ombra Di Una Der Freischutz)を天冠から放ち、跳弾をうちこむ -- 2011-11-06 (日) 04:45:20
      • (落下しながら、体勢をたてなおす。どうにか無事地面に下り、距離をとって仕切りなおしたい。その視界の隅に、閃く白い影)
        追撃か。幾つも来ると、拙いな
        (足場の無い中空であれど、弾丸であれど、防御に特化し収斂されたサーヴァントの技量はそれを防ぐ)
        (身を丸め…抱えるようにした剣で弾丸を弾くと同時、その場に残った「剣の写し身」を蹴り、落下の速度を増しながらアーネンエルベと距離をとる)
        (さらなる追撃を逃れるために… かくて、緋色の影は床に下り立つ。5階建ての屋上ほどの高さから、転がるように衝撃を殺しつつ)
        宝具を使う。それに仮面の模様…あれは、令呪か
        (立ち上がり、剣を仕舞う。仕切りなおすため、一度マスターとも合流したほうがいい)
        サーヴァントにして、マスターだというのか? …それなら、令呪を破壊すれば どうなる?
        (遥か高みの仮面。令呪の記されたそれを朱の目で睨み…その場を離れ、主の下へ駆ける) -- 赤髪のセイバー 2011-11-06 (日) 05:01:17
      • 離れるその姿を無理に追撃しようとはしない。それだけ離れれば四腕で相手をすればいいだけのこと。再び瞳を令呪の下に閉じて魔力を練り上げ始める -- 2011-11-06 (日) 22:37:26
    • 右翼
      腕は四本……うち、右二本。歪に発育したそれらは、歪に進化した世界を薙ぎ払う力
      • (自らに伸ばされてきた右腕… 丸太のような、いや樹齢幾千という古木のような巨大なそれを、間合いあやまたず抜き打ちに弾く)
        (近接型サーヴァントの膂力で斬りとばさんと放たれたそれに、しかし刃は無い。薙ぎ払う力、その一端を… 剣に受けた手応えを確かめるように柄を握りなおし、正眼に構えて二本の腕の向こう… 「それ」の頭部を睨む) -- 赤髪のセイバー 2011-11-06 (日) 00:39:49
      • (右腕が自らの意思を持つかのように、セイバーの視界を遮る。打ち据えられた指から煙の)
        (ような光がゆらりとのぼった。その腕に宿った機能は、記憶にある何よりも強靭で)
        (あること。超鋼の鎧であり、鮮烈な刃。巨大な悪魔のような手が手刀の形となった。)
        (頭上から影を落とす硬質な巨腕。振り下ろされ、セイバー目掛け腕が薙ぎ払らわれた。) -- 2011-11-06 (日) 01:13:44
      • …見える (スキル「心眼」 漆黒のセイバーとの一戦で超常の域にまで研ぎ澄まされた「それ」に、二つの軌跡は緩やかにさえ見えた)
        (頭上からの打ちおろしを僅かな動きでかわすと同時、腕だけでセイバーの何倍もあるかと思われるもう一本の凶悪な肉塊を一本の剣で受け止める)
        (それは打ち破られぬ鉄壁の守備の顕現たる固有結界、「八重垣」。受け止めた攻撃の、対セイバーでの慣性をゼロに変える不退転の光輝の盾)
        (巨腕が薙ぎ払う無双の力は、輝く盾のイメージとともにセイバーの剣先に露と消え… そのまま振りぬくにも腕を引くにも、ままならぬ状態でそこに留める)
        「作られし者」たるお前に罪は無いのかもしれないが (アーネンエルベの腕を縫い付けた剣はそのままに、赤毛のセイバーはその腕を駆け登る)
        (瞬刻の間の後、その鋭い爪を持つ腕を押さえていた剣は消える… 防御時に剣身の分身を生み出す、宝具「護り手の剱」の力)
        ただ荒れ狂う力となった今、このまま見過ごすことはできない。「それ」を許し、見逃すものは善なるものを傷つける…
        (剣の分かち身が消える頃にはもう、鎧を好まぬ剣士のサーヴァントは肩口にまで達している。刃は無くとも、その剣に切っ先はある)
        主なく荒ぶるだけの力。お前は、悪だ
        (剣を突き立てんと振るう、二本の腕の付け根に。 僅かに遅れて、スキル「断罪の理」により剣から魔力が噴出す。悪を断つ光の刃となって) -- 赤髪のセイバー 2011-11-06 (日) 01:24:44
      • ぅあっ……! (アーネンエルベの巨体と捻れた空間が相まって、距離感が狂い切る)
        (然程近づけていないと思ったはずなのに、薙ぎ払いの圧に、その身を吹き飛ばされそうで)

        (身を低くし、セイバーの姿を目で追う。確かに、今の彼は『全力』であった)
        (けれども――『まだ、足りない』と感じられた。身体を奔る痛みは、未だ僅少。少しも自分の動きを妨げず…)
        (あの怪物の狙いはセイバーだと、一目見て理解できた。こちらを狙うまで、少しのラグがあるだろう。……ならば、『もっと』)
        (『彼に、もっと、力を』――効率化された生命を、最適な魔力炉へと通し、彼に齎さんと――)
        (……集中。そして送り出される魔力の奔流と共に、黒い細胞は蠢く。四肢はもとより、侵さざる領域を目指し、下顎部にまで表出する……)
        ……行って……。セイバーさん……! -- 季來 2011-11-06 (日) 01:41:35
      • (セイバーを捕らえ損ねた手刀が空間を切る。軌道にあった景色がぐにゃりと曲がった。)

        (中空に光が盾の姿を結ぶ、そこへぶつかる節足動物の足のような5つの指。)
        (盾を貫こうとする手。その装甲の下で脈打つ組織と唸る機関の音がした。)
        (火花を散らしながら巨大な腕がその場でのたうつ)

        (腕を駆け上がるセイバーの刃がアーネンエルベの肩に突き立てられる。断罪の言葉とともに)
        (切り裂かれる装甲と組織、その下から溶けた鉄のような輝く血しぶきがあがった。)

        (二股に分かれた巨腕が狂乱した。語る言葉はない、ただ、装甲を軋ませ、血脈と機関を唸らせる。)
        (もう1本の右腕が巨大な手のひらを開いて、肩の上に乗るセイバーへと迫る。) -- 2011-11-06 (日) 01:56:06
      • …次だ (元より、この剣士が目するは腕の破壊ではない。打ち込んだ剣を手馴れた様子で「捻り」肉と剣との間に隙間を作り)
        (今や悪という悪を断つ魔力の刃となったそれを、埋もれた肉を斬り飛ばすかのように横薙ぎに抜き…駆け出す。肩の上を)
        (再び迫る、クラーケンのごとき巨大な掌。肩に乗るセイバーを払おうと迫るそれも、駆けながらに視界の隅に捉える)
        邪魔を するなッ! (鷹の目は鋭く、剣先の届く間合いに入ると同時に向きなおりざまアーネンエルベの指先を弾く)
        (同時に盾の形をした魔力塊が弾け、セイバーに向かっていた手の動きが「リセット」される。固有結界「八重垣」の力)
        (すぐに、再び腕は動き出すだろうが… 赤毛の剣士は肩の上を疾る)
        (首の位置にそびえる巨体、仮面のような頭部を持つ巨人にむけ跳躍し 輝く刃が今、横殴りに巨人の首を狙う) -- 赤髪のセイバー 2011-11-06 (日) 02:23:03
      • (赤い刃の軌跡ようになってセイバーが疾る!その背後にひときわ大きな輝く溶鉱のしぶきが上がった。)
        (そのしぶきを散らしてセイバーの背を追った右の手のひらが、再び盾に阻まれ)
        (空中に縫いとめられる。二本の右腕が火花を散らし閃光と闇が支配する空間を振るわせる振動)
        (を産んだ。巨大な獣が猛り狂うような咆哮が響く。) -- 2011-11-06 (日) 02:42:01
      • (セイバーが跳び、怪物の首を捉える――その姿を映す瞳が、視界が、濁り、霞んでゆく)
        (覚悟していたよりも、痛みはなく。立ち上がろうと思えば、そうできて。知覚した世界に、不足を感じることもなく……)
        (雲の上にいるような、奇妙な気分だった。見上げれば、彼はそこで剣を振り降ろさんとしていた)
        (怪物の咆哮も、震える空気も、遠くのものに感じる。手足の先から、痺れも痛みも、少しずつ消えて……それが、昇ってくる)
        (恐怖こそあったが、自分の『残り時間』を抉り取っただけの価値が、あの『剣』にはあったと……この瞬間、思えた) -- 季來 2011-11-06 (日) 02:55:03

      • (霞む季來の視界の中で、噴水のように溶鉱のしぶきが明々と吹き上がった。)
        ごおおおおおおおん巨大な機械の唸りめいた怪物のあげる軋みが衝撃となって)
        (あたりに吹き荒れる。セイバーの残した盾を巨大な二つの手がそれぞれ握りつぶす。)

        (巨大な獣が喉を鳴らす音がする。それは巨大な出力を秘めたの内部組織の音。)
        (装甲の下で爆発を繰り返すように脈打つ滾る血肉の動作音だ。)
        (突き刺され血を流そうとも、巨大な暴威は消しきれない。意思無き暴力は消えることはない。)

        (噴出した溶鉱の血が腕を伝って指先から落ちて煙を上げた。)
        (あらたな獲物を探して血を滾らせる、獣が涎をたらすような姿だった。) -- 2011-11-06 (日) 03:16:35
      • ぁ……(この場にそぐわぬ、悠長な色の声が、洩れる)
        (想定した通り、怪物は、今ようやっとこちらにも狙いを定めてきたらしい)
        (けれども……溶鋼の高熱の光も、けだものの唸り声も、自分の『霞み』を晴らすことはなく)
        (ただ、『逃げなくてはならない』という思考だけが浮かんできて。『肉塊』に喰らわれた、筋組織が――)
        (――歪み、戦慄き、伸縮し。『雲海の中で、踊れ』と囁く)
        (自分を狙う『それ』を挑発するように、動きを見定めるように、ステップを踏む)
        (身体が、恐ろしく、軽かった) -- 季來 2011-11-06 (日) 03:49:46
      • (獲物が跳ね逃げた瞬間に身を伏せた獣が走り出すように。巨大な腕が伸びる。)
        (ステップを踏む季來目掛けて一直線に走った手が空を掴む。閉じられた手に)
        (引きちぎられるように、光るラインと無限の暗がりの空間がゆがんだ)
        (その腕の上を這うようにさらにもう一本の腕が伸びる。)
        (腕から飛び散るオレンジ色の血しぶき。腕に秘められた暴威が押さえきれず)
        (あふれ出しているかのよう。爪が追う、指が伸びる、動くだけで周囲を)
        (歪ませながら唸り上げる豪腕が獲物を追う。) -- 2011-11-06 (日) 04:06:40
      • (その腕は、見た目以上に疾く。空を切ったとき発された圧は、先のものと何ら違いはないはずなのに)
        (肌で感じるそれらは、全て『虚』に感じられた。……全ての感覚が、『霞み』に包まれていく)
        (それでも、浮き上がった思考が体を動かして。『雲』を切り裂いて迫り来る怪物に対し――『踊るように』)
        (これは最早、自分の体ではないと、強く意識する。正確に振り分けられた熱量は、全組織を『生存』へと向かわせる)
        (二度、三度と続く紙一重の動作に、身を守る外装は最早不要と言わんばかりに、怪物の手に掠め、砕け落ちる)
        (そうして、息の上がる様子もなく。霞む瞳は、虚ろにも見えて。……聖杯戦争に『最適』な人型が、この一時だけ産まれた)
        (――と……、身を捩り、次の動作へと移ろうとしたとき。霞む世界の中に、落ちてゆく――緋い剣士が、投影される)
        ……セイバー……、さん……? -- 季來 2011-11-06 (日) 04:32:52
      • (目も耳もない腕が、そのうちに秘めた暴虐を為すための器官で獲物の息遣いを捕らえた。)
        (腕が、血が粒子となって蒸発していくような、禍々しい色の光に包まれていく。) -- 2011-11-06 (日) 22:29:45
      • (気の逸れたほんの一瞬のうち、怪物の腕の、様子が変わる)
        (その光の本質を読み取ることはできずとも。それが発する現象が示すものは、膨大な『熱』、あるいは――)
        (……そうだ。如何に変質しようと、結局のところ自分を形造っているのは『肉』なのだ)
        (元より叩けば潰れるものを、そうできないのなら。より、確実な手段を用いる……当然のことだった)
        (――『どうする?』 変質した肉体でも、すぐには腕の届く範囲の外へ逃れることはできないだろう)
        (身を守る鎧は既に砕かれて。忍ばせた守護の短剣も、この場ではあまりに心許なく――)
        ……っ!! (後ろへ跳びながら、苦し紛れに背を丸め身を守る体勢を取るが――きっと、自分はここで――)
        (――今に臨界を迎えようとしている、禍々しい光が、腕の隙間から洩れて見えた) -- 季來 2011-11-06 (日) 23:07:23
      • マスター!
        (声が届く。つい先程、落ちゆく姿を目にしたばかりの、そのサーヴァントの)
        (スキル「断罪の理」の発動により敏捷性も増した今、鎧を好まぬセイバーは紅の弾丸となって駆け、跳ねる)
        (主に迫る、無慈悲な破壊の腕に向けて)
        気安く…
        (振りかぶられる剣は剣士の気迫に呼応する。纏う真白な魔力の刃は巨人の持つそれのように長大に)
        (振り下ろされ、象の胴のような手首を断ち… 斬り返されたそれがアーネンエルベの腕を裂かんと迸る。肘まで達せよとばかりに)
        俺の主に、触れるな 
        (冷酷な断罪者の瞳が剣の先を睨む) -- 赤髪のセイバー 2011-11-06 (日) 23:12:02
      • (ただ純粋に威力だけをもって世界を歪ませ、焦がすその腕に秘められた機官が臨界を迎えた。)
        (一切の存在をそのうちに許さない赤く、そして黒い熱量の奔流が、腕の周りに焼滅の領域を広げる。)
        (赤黒い業火の中でうごめく腕のシルエットは、本当に獣になったようで。)
        (その爪が、指が、その牙が顎が開かれ。喰らい付くし、焼き尽くさんと・・・)

        (動き出すよりも早く、汚れた黒い炎の中を鮮烈な赤が裂いた。)
        (巨大な腕の黒いシルエットが首を落とされた蛇のような姿を見せる。)
        (鉄骨が引き裂かれ倒壊していくときのような軋みと轟音が響いた。)
        (ゆっくりと送られていく巨腕の崩壊の中を、ふたたび閃く真紅。)
        (真っ二つに裂かれた獣が、腕がその形を失う。制御を失い、自らの熱量に崩壊する。)
        (爆ぜる、腕を構成していた最小単位のセルの総てがほぼ同時に破裂した。)
        (熱風と閃光をまいて、右の巨腕二本は爆轟の中に消えた。) -- 2011-11-06 (日) 23:34:42
    • 左翼
      腕は四本……うち、左二本。歪に発達したそれらは、歪に円熟した世界を削ぎ落す技
      • な、んだ、よ……ありゃあ……(見上げた。余りに敵が巨大すぎた。これで全身でないという。となれば全長は以前キャスターが召喚した巨大兵器以上となる。)
        (後ろの様子をみる、世界を救うためには前に出て戦うべき状況なのは分かる、だが、彼女をおいて、ここから離れ戦えるだろうか。常に彼女を守っていたバーサーカーはもう、居ないのだから)
        (魔力と威圧感に押されつつも、剣を右手に構え左手を横に伸ばしベルを庇うように前に立つ) -- 剣馬 2011-11-06 (日) 00:47:56
      • (だが庇われていた少女は前へ出て剣馬の右に立つ ダガーを自分の指先に滑らせてその皮膚を切り裂き、剣馬の右手の剣の柄に触れる)
        汝、勝利を望むなら……勝利のルーンを、その剣の柄に、刻むべし……(柄に触れた指を離すと上を向いた矢印が紅く刻まれていた)ティール!(勝利をもたらすルーン文字、剣を軽く、鋭く、振るい手すら強化する)
        少しは、マシだと、思います……私は、私で、出来る事を……(言いながら後ろ歩きで下がる、メダルを用いて準備をしつつ) -- ベル 2011-11-06 (日) 00:55:44
      • ……ベルちゃん……(そうだった。もう彼女は守られているだけの少女ではない、バーサーカーと戦場を共にしてきた立派な戦士だ。)

        恩に着る。(剣を、両手持ちで構える。呼吸を整え、意識を集中させるルーンの宿った剣へと更なる強化。雷撃を宿す。剣を中心に魔力と雷撃を渦巻かせ)

        後ろは任せた……援護、頼むぜ!(魔力と雷撃のブーストで普段の数十倍に強化された身体能力で以って、近づくものを薙ぎ払うべく存在する腕へ攻撃を仕掛ける!)
        (地を駆け、そのうち空を駆け。空間が意思により変わる曖昧な存在なのを逆手に取り斜め上方からの高速の空間殺法!まだ相手は空間の狭間に囚われた不完全な存在!ならば!!) -- 剣馬 2011-11-06 (日) 01:08:49
      • (とりあえずは守りの陣を……スリサズとイサのルーンをもって)雄雄しき、トールのごとく……硝子のごとく、宝石のごとく……そびえ、輝け……
        (相手が何をするのかも見えない、いざとなれば攻撃にも転化できる術を練っておく事にする) -- ベル 2011-11-06 (日) 01:16:02
      • 歪で剛直な腕と指。そのフォルムとは裏腹にしなやかに十指は蠢く。
        なぞるように虚空を掻くと浮かび上がる不可思議な幾何学模様。
        その図形はこの階層に描かれた光の幾何学模様に似ている。その魔術陣が脈動し同調するかのように輝きを増していく・・・
        力に対し機動戦闘を仕掛けてきた剣馬。異様な空間に対しても臆せず最良かと思われる攻撃を繰り出したのはここまで勝ち抜いてきたマスターであるからなのか。
        その強襲は確実に死角を捉えた。
         
        しかし、それは剛直な巨神の如き破壊の腕であればこそ貫ける技であろう。
        雷撃と魔力が重なり合った剣撃は雷の散光を放ちながら阻まれる。遠雷が幾重にも重なった高音が響く。
        その点を中心に描かれ始める幾何学模様の魔術陣、雷撃の余波は陣を描くベルにまで届かんとしていた。
        -- 2011-11-06 (日) 01:28:36
      • (動きは鈍い、が、あれはなんだ。魔方陣!?完成させる前に叩く!)うううぉおおおおおおおおおおおっ!!
        (咆哮を上げながら、手首、脈の当たりに剣を叩きつける── が、届かない、通らない、及ばない)
        くっ、おおおおおっ!!(足りない、パワーが足りないというのか。雷撃を散らしながらも押し進めるが、無為に体力を削るだけだと判断、左手より後方へ飛び退る……次の手を考えろ、攻めなければ負ける。) -- 剣馬 2011-11-06 (日) 01:45:49
      • ひっ……(雷撃の輝きに身を竦める……が、魔術を破棄する訳には行かない きっと自分を守ってくれている人を自分が守って上げられる、守らないといけない時なのだから)氷の門よ……閉じよ!ソーン!
        (氷の輝きと冷たさを持つ棘が地面から這い上がり剣馬と左腕の間に立ちはだかる 何をするか未だ分からない魔法陣はともかく、雷撃くらいは阻めると信じて)
        続いて……イサ!(この効果はまだ発揮しない、通用するかどうかはともかく魔法陣に対処する為の、云わばカウンター) -- ベル 2011-11-06 (日) 01:55:21
      • 魔術陣は既に完成されていた。このフロアに光で描かれた幾何学模様が同調しているせいか
        その速度は魔術に秀でた英霊ならば持ちえるかも知れぬ高速詠唱に酷似してる
        もはや神世の戦いなのだ。模造品といえど世界の力による戦いは始まってしまった。
        剣馬を護るために割って入った氷の棘は相殺、いや氷の壁が勝る。いうなれば剣馬の雷撃が流されたため…
        この魔法陣に描かれたその力によって流されたのだ。
        思考を働かせる剣馬、護り備えるベルにそれぞれ二腕の五指が大きく開かれると指先に人の頭ほどの火球が灯る。
        渦を描く炎の球が十球…剣馬とベルに放たれた。小さい炸裂音と共に五球ずつ死を呼ぶ爆裂弾が飛ぶ。
        -- 2011-11-06 (日) 02:30:03
      • (眼の前に現れた氷の棘の壁。コレはベルの補助魔法。2階でも使用してみせたソーンの派生魔法だろう。心のなかで彼女に感謝し、役目を終え崩れる氷の壁から異常な魔力を発する腕の先、指の先へと目線は移動し)
        (それは、直感。セイバーと共に戦い、死線を潜って来た中で確実に芽生え鍛えあげられてきた生存するための能力。あの魔法は、魔力量は──当たってはいけない気がする)
        (何時もなら魔術否定の概念を持って砕きに掛るだろう、次の一手を、ただ、その火球を避けるためだけに使った。同時に、叫ぶ!)ベル!!避けろッ!!
        (此方よりは距離がある、彼女なら避けるために動ける、と信じるほかない。ギリギリのラインを掠め横軸後方へと速度を上げ飛んでいく火球に息を飲みながらも)
        (次の一手を行動に移す、力が足りないのなら、人間の手では遠く及ばないならば、異形の力を持って挑む!口に剣を噛み、左手を持って右手の封印を解く)

        (解放された異形の口はガチガチと凶暴な外見にて歯を鳴らす。普段行うだろう魔力放出へと行動を移す、その前に今度はその口に剣の柄を飲み込ませ、がっちりと噛み合わせる)
        線がダメだってんなら……!!(腕自身を柄とし、刃を立て、魔力を一気に解放させる、肩口から青い稲妻と魔力の混じり合った光が轟々と迸り。ブースターのように後方へとその軌跡を伸ばす)
        すべての力を点に集め穿つッ!!(全ての斬撃において最大効率をはじき出すことが出来る万能剣鉈、ペインキラー。今はその能力を突きにのみに集約する!ブースターと化した魔力によって空間に雷光を残しながら腕の一点へ突き進む)
        (穿つ!一点でも傷をつければ、刺さることさえ出来れば!相手が神域の存在だとしても現界した肉体を持つ存在であるならば!人間と同じ姿をしているのならば同じ構造ならば!動きを止めることくらいはできるッ!!その為の布石を、布石のために全力を持って挑む!) -- 剣馬 2011-11-06 (日) 02:59:10
      • その、流れの全て、凍てつかせよ……(残していた魔術を発動させないまま走る)
        はっ……はっ……(今までなら守ってくれた、庇うのが無理なら抱えて走ってくれた、そんなサーヴァントはもういない 自らの足で走るしか……バーサーカーの事を思い出しながら足に力を込める)
        (火球に炙られながらの危なっかしい逃避行を続けながら剣馬の方を伺う 今この腕を止める攻撃力を持つのは彼なのだ、何かあれば自分が助けなければ……今用意している魔術は停止のルーン、火球でも、あの腕でも、全力を尽くせば一瞬動きを止める事くらいは出来るだろう) -- ベル 2011-11-06 (日) 03:09:29
      • 10の連続した爆裂音が響く。火球自身が放つ小さな炸裂音とは裏腹に人を10度殺すには充分すぎる爆発が起きた。
        まだ生きている。その命を感じているかのように脈動する二腕は緩やかに脈動を早く…
        剣馬という贄を掴もうとする五指がそれぞれを光の幾何学線が結び魔法陣を描いた。
        脈動が早まるにつれてコイルのように雷を生み出し、弾ける火花のように放たれるのを待つ。
        好機か直ぐにでもその時は来た。愚かにも自ら飛び込むその命を掴もうと五指が蠢き稲妻が網のように放射状に放たれる。
         
        だが…そうその雷よりも早く、剣馬という命は動いた。雷光を残しただ一点を穿つために突き進んだのだ。
        英霊に近く英霊に遠いその右腕と、英霊である英霊のための剣が歪ながらも噛みあい結ばれた。
        圧倒的な神世の肉体もその肉体を護る力との戦い…均衡か、剣馬が押されるかという刹那
        左腕の一点に刺さり、そこから魔力放出の勢いを持って腕の表面を削ぎ落とすように肩まで疾る。
        腕からは溶鉱の如き血が噴出した。しなやかな五指、十指の動きが硬直する。
        -- 2011-11-06 (日) 03:48:47
      • (後ろで炸裂音が響く。振り返ってそれを眺めていれば思わず只々苦笑を浮かべていただろう、そんな威力の壊滅的な威力の爆撃)
        (弾いていたら、抗魔力で打ち消す前に爆熱にさらされていたかもしれない。)

        (確かに突き刺さった強固な皮膚を貫き、刃を突き立てた、通した!右の指と口、2つの力でそれを支え、さらに力を込める)
        (ここからだ、如何様に化け物の姿をしていても、仮想のものであっても、魔術的な物質であっても、その中身は骨と筋肉、神経を模したものを持って動かされている、ロボットやハリボテでないのなら、人の形という生命の枠からは逃げられない。神でも悪魔でも、肉があるならそれは一緒だ。)

        (力を込め、意識を集中させる、生と死の狭間で極限にまで高められた精神力と、剣に宿る勝利のルーンの力を借り、概念の力を固定、確立させる)
        はあああああああああああああああッッ!!!!!!
        (それは、雷撃。生命力を変換し、溢れ出る魔力と共に、純粋で膨大な高圧電力へと法則ごとねじ曲げ変えられたものを鋼の刃を通し、体内へと濁流のごとく流した!)
        (直接の高圧電流を持って、繊細な存在である神経を焼き殺す。腕を使い物にならなくする。それが目的。)

        (すべての集中力を腕の一本へと注いでいた、後先考えていない行動、故に、腕が一本だけではないことを失念してしまうこととなる、相手は人に近しい姿を持ちながらも全く別の、異形の存在なのだ) -- 剣馬 2011-11-06 (日) 04:31:49
      • やっ……(やった、と思った 例えば自分ならあそこまで腕を潰されたら死なないまでも動けはしない、その内に頭を潰せれば、あるいは)
        (だがすぐに気付いた、まだだ この怪物には4本の腕がある、つまり左に2本の腕があり、剣馬が潰したのはその内の1本……では残りは)
        霧よ……覆い、包め!(先ほど破壊されて散らばっていた氷の欠片がそろって飛び、残った腕に突き刺さる)剣馬さん……もう、一つっ!(もう一つをどうするのかは自分では判断がつかない、ただ注意を促し、自分は魔術へと集中する)くっ……!(時間に干渉する停止の魔術を完全に使いこなせるほどの力はないのか、小さな氷の棘に包まれたもう一本の腕は完全には止まらない 断続的に一瞬とまっては動きを繰り返す……時間稼ぎが精一杯だ) -- ベル 2011-11-06 (日) 04:45:34
      • 雷撃が雷撃を呼び電流が電流を呼ぶ。剣馬の力を注ぎ込み作られた高圧電流は腕の神経を焼ききっていく。
        噴出する溶鉱の血も高圧電流を受けてその噴出量が一気に膨れ上がり水風船を潰したかのように流れ出た。
        内側から焼ききられた神経は張り詰めていたゴムを切り離したかのように暴れて溶鉱の血を撒き散らす。
        さしもの巨腕も成す術はなし。引き裂かれた肉詰めのように幾何学模様の描かれたフロアに倒れこんだ。
         
        しかしその腕、左腕の一つに過ぎず。未だもう一方の左腕はかろうじて健在。
        いかにその電流圧がすさまじかろうともう一方の腕の指先まで焼ききるには至らずひじ先まで焦げ付いている。
        魔術行使には充分。己が腕を焼ききったこの人間を凍てつかせ砕き飲み干そうと冷気の爪が伸び…
         
        だがその爪は届くことはならず鈍る。未だ健在なる腕にまで刺さった氷の棘が神経に食い込み脈動が悲鳴を上げる。
        魔力はあれど立ち向かわぬ贄の手痛い反撃に狂ったように五指の氷爪がもがき苦しむ。
        人の手を離れた機械のように鈍く動きを繰り返し手を広げては虚空を掴む。行使するはずの魔術の氷爪が宙を切り雪を降らせた。
        -- 2011-11-06 (日) 05:01:07
      • (腕を一本、破壊した。出来た。だが、そこで見せたのは。喜びの表情ではなく、背中へと影を落とす、もう一本の腕に)
        (神経を焼ききれなかった、もう一つの左腕が凶悪な氷爪を携え、自分へと迫りくる瞬間を目撃し、身構えるしかできない、そんな苦笑の表情)

        (──俺は、頑張れたのか、この一手でなにか変えられたのか。ベルは、攻撃をかわしきれたのか、季來さんは、赤いセイバーは、まだ健在なのか、世界は救えるのか。まず、そんなことを考えて)
        (自分の知り合いのことを考えて、自分の家族のことを考えて、帰りを待ってくれているであろう人の事を、考えて──俺達を、身を呈してここまで進めてくれた仲間の事を考えて、セイバーのことを、考えて──)
        (別れも言えなかった、本当は側にいて一緒に戦いたかった。最後を迎えてしまうというのなら、それを見届けてあげたかった。セイバー……お前から託された剣を使ってこのザマじゃ、やっぱ……怒られる、よな。そんな、事を考えて──)

        (刹那、意識が、表層へ戻される。頬に張り付いているのは、雪。眼前へと迫る爪は、ギリギリの所で止まり、否、ゆっくりと動き出しつつある状況だった!)
        (諦めかけていた、死んだものだと、自分としたことが馬鹿げたことを。そうだ、この魔術はベルの……また一つ、恩義が出来てしまった、命を助けられた)
        (だったら、頭の中で馬鹿げたことにグルグル思考回してる場合ではない。生きているのなら、助けられたのなら。其れに、その期待に応えるだけ。静に感謝の気持ちを胸に抱き。剣を、引き抜き、停止した腕を踏み台替りに)
        うっ、おおおおおおおおおあああぁッ!!!(飛ぶ、そして、もう一本の左腕へと着地。走る!狙うは、神経断裂により、ダメージを追った左腕上部、血管破裂による傷口を目指し、駆ける!!)
        もう一本!貰ったァあああああああああああ!!(勝利のルーンを煌々と輝かせ、生命を削った雷撃を纏わせ、無痛の内に最大の激痛を与えるため全力で剣を振るう!!) -- 剣馬 2011-11-06 (日) 22:32:13
      • もう、少し……!(もう少しだけもって、と祈る 今自分が力を緩めたら、魔術が解けたら、このチャンスを逃してしまう)
        (左の2本の腕だけではあるが、これを奪えば頭も潰しやすくなるだろう これが自分の戦い、この巨大な敵を倒して聖杯を得る為の……もう何もせずに怯えている私じゃない)い……いっけぇー!(剣馬に向かって叫ぶ、この声には魔力も何も乗ってはいないが、心を込めた 敵を倒して、自分の為に、私の為に、皆の為に、世界の為に)
        (あの攻撃が効くかどうかは自分には分からないが、効くと信じ、停止の魔術を維持し続ける メダルを握り締める手に力を込めすぎ血が流れた) -- ベル 2011-11-06 (日) 22:43:11
      • 引き抜かれた英雄の剣をぬらりと恨むかのように溶鉱の血が飛ぶ。
        剣馬が諦めてその身をさらし続ければ氷爪がその身を切り裂き血と肉に変えていただろう。
        しかし
        この男の右手には異形の口と、英雄の託した剣。その背には魔術でもなんでもない声援が届き
        アーネンエルベの左腕にはベルが放った停止の魔術が宿る氷の棘…
        母からも父からも見放された巨大な赤子の手は何も掴めなかった
         
        左腕上腕部、最後の一本の左腕の傷口を無痛の激痛ペインキラーが抉る。
        雷撃が血管か脈のように左腕を疾り五指すらも切り裂く。
        悪魔の氷爪は炸裂音と共にひび割れ散り、魔術回路であるサーキットを焼き斬った。
        力なく死に絶えたように最後の左腕はフロアへと沈んでいく…何も掴めぬままに…
        -- 2011-11-06 (日) 23:05:47
  • 長い階段を一行は昇り続ける……しかし、光は一向に近付いてこない。相も変わらず階段のはるか先にあるだけだ
    それだけだったはずの光が……不意に階段の暗闇を奔り出し、

    http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp012488.jpg

    一瞬で幾何学模様を描いて一行を取り囲む
    気付けば最早そこは階段ではない。足場ですらない……しかし、しっかりと立つことはできる
    うねる魔力の胎動。そして闇の彼方から響く小さな、しかし間違いなく音源は巨大な鼓動……最早察する事は容易い。此処こそが最も聖杯に近い場であると -- 2011-11-05 (土) 22:51:36
    • ッ……こ、ここは……(眼前に広がる見たこともないような空間。其れはまるで、セイバーから話は聞いていた、心象風景、固有結界のようであり)

      ……どうなってんのかは分かんねえけど、なるほど、ここが……あの奥が!!(一歩、二歩と、慎重に歩む。歩めた。前も後ろも上も下もまるで不明な空間だが、進める!) -- 剣馬 2011-11-05 (土) 23:05:34
      • ここって、何……?き、気持ち悪い……(平衡感覚と視界を一致させられずに軽く目を回す)
        でも……行かなきゃ……(闇の奥の音源と思しき方向を見つめ、帽子を被り直して足を踏み出す 歩けるのなら、辿り着けない道理はない) -- ベル 2011-11-05 (土) 23:08:56
      • (平衡感覚の狂いそうな空間、幾何学模様が否応に頭をくらくらさせる。巨大な力のうねりは、今の自分にも、強く意識できて)
        ぅ……。(思わず、そこにあったセイバーのコートに、掴まってしまう……) 何が、起きているんです……?
        ここが、中枢部……?(ふらつきそうな足を、一度強く踏みしめて。足場を意識し、また、一歩一歩踏み出して) -- 季來 2011-11-05 (土) 23:14:07
      • (サーヴァントのスキル、心眼。四方を見渡した赤い目が間合いを、空間を「掴む」)
        マスター剣馬。 二人を頼む(駆ける。追い越しざま剣馬に一言告げて)
        此処が聖杯の間なら、守護者が居ないはずがない(駆ける、鼓動のするほうへ。剣の柄に手をかけて)
        先手を打ち、叩く! -- 赤髪のセイバー 2011-11-05 (土) 23:22:59
      • え……(赤い髪をしたセイバーがなぜ、どこへ向かって駆け出したのか分からなず思わず立ち止まる サーヴァント故の鋭敏な感覚で敵の所在を掴んだのか……戦う覚悟を主に自らに示すべくダガーを握る) -- ベル 2011-11-05 (土) 23:26:55
      • お、おいっ!頼むったって……!(剣を構え、セイバーの後ろ姿に声を)
        ったく!!(ここが固有結界なら、何が起きるか分からない。ここは、一旦セイバーに任せ、後方、周囲へ注意を向ける) -- 剣馬 2011-11-05 (土) 23:31:09
      • ぁ……(翻されたコートから手が離れ、駈け出したセイバーの姿が奇妙な空間の中に吸い込まれてゆくように思えて)
        ま、待ってください……(ベルや剣馬を見遣っては、その間にも遠ざかるセイバーを視界の内に戻し)
        ……っ、お二人とも、何かあったら……大声を上げてくださいです!! (その背を追って、自分もまた駈け出した) -- 季來 2011-11-05 (土) 23:42:34
      • 闇の中、胎動は深く、光の上、赤は疾かく。不気味に響く心音に翔ける赤髪のセイバー。その闘気に、魔力に……そして、サーヴァントの心音に同調するように……声が重なる
        重低音の胎児の声が。制御中枢である(シモーネ)を失い、そして胎盤である塔その物を踏み荒らされて――それでも尚、賛美歌を謳う胎児の声が
        「吾が胎は子の為に在りて」(Ahnenerbe)

        「吾が腕は此の為に在りて」(Ahnenerbe)

        「吾が身は処の為に在りて」(Ahnenerbe)

        「賛美せよ。汝等は幸福である」(Ahnenerbe)

        「賛美せよ。汝等に罪は無い」(Ahnenerbe)

        「賛美せよ。汝等も吾が過去となる」(Ahnenerbe)

        その声が光交わる水平線の彼方から……いいや、底無しの闇。そこの抜けた聖杯の闇からその声は木霊する
        意味も意義も意志もない無慈悲な頌歌が木霊する

        そしてそれは空間を、その闇を、光を、虚を裂いて……産まれ出てくる。目前に転がる最後のサーヴァント(最初の晩餐)を願い求めて。母乳を強請る赤子のように――その手を伸ばす -- 2011-11-05 (土) 23:44:09
      • ええっ……お、大声、苦手……(緊張感のない事を言いつつ、とりあえず剣馬の近くへ駆け寄る 近い方が何かと便利だろうと思う) -- ベル 2011-11-05 (土) 23:44:53
      • 声、だと……。ベルちゃん、もしもの為に、俺に強化魔法を頼む。ちいとなら庇えるはずだ。
        (空間が裂ける、それは、生まれいづるソレは。遥かに強大で、巨大で──)
        セイバー!季来さん!危ねえッ!!(巨大な手が伸び行くのをみて、思わず、声を上げる) -- 剣馬 2011-11-05 (土) 23:52:26
      • (まだだ。まだ距離がある。この空間、見た目どおりの「間合い」ではない)
        (駆ける、姿を現した「それ」の全容を納めようと、鷹の目を見開き)
        「作られしもの」か。以前の俺ならば、貴様を悪とは言わなかっただろう(駆けながら切られる剣の鯉口。覗く刀身はいまだ、鈍い鉄の色) -- 赤髪のセイバー 2011-11-05 (土) 23:55:11
      • う、うん……攻撃と、防御と……(メダルを用意しつつ)……な、何あれ……(メダルを探る手を止めて呟く、明らかに雰囲気が変わったのだ) -- ベル 2011-11-05 (土) 23:56:30
      • ……!! (……彼の言った通りに、後方で待つべきだったかも知れない)
        (空間に響くその声も、姿を見せたその姿も。自分が付いて行って何かが変えられる代物とも思えなかった)
        (それでも……足を止めることは出来ず。ただ、不必要な荷物を後へ棄てて、早く、疾くと、彼の背を追う)
        ……セイバーさんっ!! (みしりと、全身が痛む。それでも今、自分が行うべきことを。全身の魔力の開放を――) -- 季來 2011-11-06 (日) 00:08:13
  •  
    • 3Fを駆け抜け、窓のない暗い階段を登る。所々崩れ落ちている石造りの壁に冷たく足音だけが響いた。
      長い階段の先を見上げれば、出口から不自然に揺れる光―――もうすぐ最上階だ。 -- 2011-11-04 (金) 20:48:26
      • 暗い……(先ほど生み出した光を手の平の上に浮かべながら上を目指す、今はもう剣馬の背から降りて自分の足で歩いている)
        あれ……壊れてるんじゃ、ないよね?気をつけ、ましょう……(緊張にもう片手をきゅっと握りながら呼びかける もうみんなとっくに気をつけているのはわかっているが、心細くて声を出さずにはいられない かつかつとゆっくり、確実に階段を登る) -- ベル 2011-11-04 (金) 23:26:55
      • (主に、一団に先行して暗がりを睨んでいた赤い瞳。猛禽類の…梟のようなそれが階上から漏れる光に気付く)
        日の光では、なさそうだ(軽く、腰の剣の柄頭に手を沿えて)
        …ああ。そうだな(ベルの声に応え、変わらぬ確かな足取りで階段を登る) -- 赤髪のセイバー 2011-11-04 (金) 23:35:03
      • 暗いから足元気ぃつけろよ、ベルちゃんもな。(ぽん、と頭を撫でた。──結局アルムたちを残し、最上階へ向かう事になった。ここまで数十分に満たない。だが……置いてきた仲間を心配する、時間も多分俺達には残っていない。)

        もう少しで頂上か……(光が見える、それは希望の光となるか、絶望の影を生み出すのか、未だ、わからない) -- 剣馬 2011-11-04 (金) 23:46:04
      • は、はい……(剣馬の声に頷いてセイバーの背中を見る)
        上、どうなってるの、かな……(誰に問うでもなく呟いた もう守ってもらうのではなく、自分の身は自分で守らねばならない……そんな自覚からくる緊張を吐き出すように) -- ベル 2011-11-04 (金) 23:49:06
      • (先刻からの『痺れ』は、時折『痛み』に変わり。魔力を出力せずと、黒い肉の塊は身体を蝕み続ける)
        (しかし、それに泣き言を洩らす時間はなく。自分もまた歩みを止めることは許されず、ただ前を向き、ただ上を目指す……)
        (今尚も崩壊を続けていても、長期間探索を続けた遺跡の構造は頭に入っていて。その名残は、所々に見受けられるのだろう)
        (では、この階段を進んだ先にあるものは? ……あの光を見上げる度、ぬらりと……ざわざわと、奇妙な感覚が、脳裏に過ぎって)
        ……とにかく、覚悟しておくしかないです。鬼が出るか、蛇が出るか……ぃえ。今なら鬼しか出ないかもです、から……。
        (……ちら、と二人のマスターを見遣り) ……上の状況次第では、『お願いします』、です。令呪を―― -- 季來 2011-11-05 (土) 00:53:20
      • あ、令呪……(そう、令呪がある まだ使った事は無いが自由度は高そうだ、これがあれば今すぐにでもサーヴァントを呼び戻せるのではないか?袖をまくって右の二の腕にあるはずの痣を確認してみる) -- ベル 2011-11-05 (土) 00:57:20
      • 総力戦ってコトか……(未だ包帯で覆ったままの右腕。拳を握りしめて)
        (確かに。時間はない、だが、ほんの数秒、少しだけ、セイバーの事を想い、願った。約束の5分は、今、どうなっている……彼女は、無事だろうか……) -- 剣馬 2011-11-05 (土) 01:10:38
      • 総力戦なら、皆に、来てもらった方が……いい、よね(理由は何でも良かった、とりあえずサーヴァントに近くにいてほしい)
        (息を吸って初めての行使に挑む)令呪に、告げる……聖杯の規律に、従い、我がサーヴァントに、戒めの法を、重ね給え……バーサーカー……(来て、と言おうとして気付く 通じない、反応が無い、感覚として受け手がいない)えっ……嘘、バーサーカー……?(心の中で不安だけが大きくなって押しつぶされる 肥大する黒い心に押し出されるように涙がこぼれた) -- ベル 2011-11-05 (土) 01:49:51
      • (剣馬の言に頷いて、視線を階上へと移す……そこには、赤い髪のセイバーの姿があって)
        (自分から流れ来る魔力の量と質が変化していることは、既に彼も気づいているかもしれない)
        タイミングは、お二人にお任せします、です。ただ、なるべく早く……(手を握り締める。まだ、確かに動くが……)
        ……? ぇ……?(動揺の声色から、自然と視線がベルに向く) -- 季來 2011-11-05 (土) 01:56:25
      • バーサーカー?……バーサーカー、バーサーカー……バーサーカぁ……(ただただ名前を呼び続けるしか出来ない 足を止め、現実から逃げるように) -- ベル 2011-11-05 (土) 02:02:06
      • (返事は、来なかった。いや、そもそもつながってすら居なかった。手繰り寄せたはずの命綱が、まるでその先で途切れていたかのように。)
        (帰って来られなくなるだろうことは──分かっていた。だからこそ、自分に剣を託した。だからこそ一人残り、未来を託した。わかってはいた、だが、それでも、もう、彼女はこの世界に居ないのだという事実は余りにも──)

        (ベルを見る、動揺し、先ほどまでの決意も儚く崩れ去ろうとしている。彼女が口にしていた望みを思い出した、バーサーカーと一緒に、父母と暮らしたい。彼女にとって、サーヴァントは家族であり心の支えだったのだろう)
        (落ち着け、冷静になれ、ショックで白く塗りつぶされそうになる思考を今一度、正す。今ここで、俺まで不安の色を見せれば。どうなる。)
        (今ここで泣き崩れたら、セイバーは、どう思う。命を賭けて戦ってくれたこの想いは、思い出は──自分自身の、震える拳を、壁へと叩き付けた!鈍い音が騒然とした空間に静に響いた。包帯に血が滲む) -- 剣馬 2011-11-05 (土) 02:20:04
      • (二人のマスターの様子に、足を止める。主から供給される魔力の流れ…か細くなったそれはもはや一刻の猶予も無いことを告げているというのに)
        …そうか (低く、呟く。赤い瞳をそっと伏せて… ぎしり、歯噛みする音が漏れる) -- 赤髪のセイバー 2011-11-05 (土) 02:22:27
      • (幾許かの時の後、きゅっと唇を結んで涙を乱暴に擦る)……行き、ます
        (そうだ、元々こういう時の覚悟もしていたはずだ 聖杯を手に入れる、そうすれば全て元通り……いやそれ以上だ、ここで立ち止まっている場合ではない もう何も怖くない……いや、怖がっていられない 出口を見据えて足を踏み出す) -- ベル 2011-11-05 (土) 02:28:08
      • (だったら、どうする。どうすればいい、諦めるのか逃げるのか、塞ぎこむのか。──違う。そんなのは、そんな弱いところを、彼女に、セイバーに見せるのだけは──)
        ──そんなの、俺は嫌だ。俺は、絶対に嫌だ!!(腰にかけておいた託された剣──ペインキラーの一振りを肩に担ぐ)
        アイツらの、想いを!願いを!投げ捨てて無駄にしちまうなんて絶対にしねえッ!!俺は行くぜ、例え俺一人でもこの先に進む。そんで、聖杯も手に入れるッ!!
        (もう一度ベルを見る、彼女も腹を括ったらしい。本当に、強い。大した少女だ。そう、素直に思った。子供所以に、夢に強く身体を任せているだけだとしても、少なくとも同じくらいの頃の自分なんかよりも遥かに、大きく見えた)
        ホラ、なに、辛気臭い顔してんだ、お前ら!行くぞ、季來サンあんたのサーヴァントが今、唯一の頼りなんだからなっ!(思いっきり、にっと笑ってみせた、泣き顔は見せない。誰であれ。絶対に) -- 剣馬 2011-11-05 (土) 02:41:00
      • …マスター(主を、促す) 行こう。貴女にも 俺にも、時間は残されていない
        何者も、貴女には触れさせない。貴女の命を奪うものがあるとすれば、それは俺だ
        (肉塊が生み出す魔力を、彼女を支える全てを奪うことになろうとも…) 俺は全力で戦う。戦わせてくれ、マスター -- 赤髪のセイバー 2011-11-05 (土) 02:48:45
      • そんな……。(動揺が感染するように、震える声がポツリと洩れて……。あるいは、その動揺は自分の内より湧いて出たもので)
        (彼らは、この『塔』によって、志半ばに踏み躙られたのかもしれないというのに。それは、聖杯戦争と何ら違わないかもしれないのに)
        (今に、そこへと至ろうとしている、最上階にも。同じように、『それ』が待ち受けるかもしれないというのに……)
        (この断裂は、決して、無為ではなく。頂にて、4人のサーヴァントが揃うという楽観が断たれて尚も、誰も彼も、希望を捨てていないというのに)
        (……けれども、緩められた手指の先に、震えが生まれる。胸中に湧いて起こる不安の奔流が、『肉塊』の蝕みを、より早く推し進めるようで)
        (目の前の彼らは、自分より余程に心が強く。こんなことならば、自分たちが下層に残るべきだったとすら思えてきて)
        セイバーさん……。でも、私は…… (そうだ。『時間は残されていない』。迷っている暇もなく、決意は既に果たしたはずだった)
        (無意識に、震える手を、セイバーへと伸ばす。その指先は、爪の光沢を残し、全く黒く染まっていて)
        (ただ。ここにきて、自分はまだ独りではなく。『剣』はここにあり、『護り手』はここにあり、『希望』もまた、ここにあることを感じたくて……) -- 季來 2011-11-05 (土) 03:06:22
      • (主の手を、握る。血の気のうせた、冷たい手を… 剣を振るうもの特有の硬く、厚みのある… 暖かな手で)
        (それは季來にとって何度目かの感触。ずっと過去の記憶を呼び覚ますような… 懐かしい感触)
        大丈夫だ (眼前の剣士はいつも、動揺を巧みに心中に秘める。穏やかな声で、そう言って見せる。やはりどこか、懐かしい声で)
        俺は、マスター。貴女の迷いをもう、否定しない。「人は努力をする限り迷う」と、古い詩人も言っている。マスター
        俺はもう、貴女の努力を否定しない。そして、共に歩む。だからマスター 大丈夫だ。貴女は一人ではない。倒れるときも
        (手を引き、再び歩み始める。階段を登り… その先へと、主を導きながら) -- 赤髪のセイバー 2011-11-05 (土) 03:24:32
      • (一度目を閉じて確認する うん、大丈夫……思い出があるから、戦える)
        (過去を、幸せを取り戻すために、今はただ階段を上れと足に命じる 二人のマスターと今はただひとりになったサーヴァントに合わせて出口へと向かった) -- ベル 2011-11-05 (土) 03:27:06
      • (二人の話を黙って聞いて、頷く。皆、覚悟は決まったのだ、それぞれの思惑は重なることは無いとしても、それぞれの成すべきことは完全に一致していた。)
        (片手にしているペインキラーから、未だ、残り火のような彼女の魔力を感じる。思い出だけじゃない、此処にある。一緒に戦えるのだ。共に並び、戦うことが出来るのだ)
        (足をすすめる。駆け上がる、この先に何が待ちうけようとも、俺は止まらない。聖杯を、日常を、取り戻すために──) -- 剣馬 2011-11-05 (土) 03:47:15
      • ……セイバー、さん……。
        (手のひらに、彼の体温を、感じる。聖杯によって齎され、魔力に依って現界したものであっても、そこには確かな血肉があると確信できた)
        (一瞬、今にも泣き出しそうな表情を浮かべる。それは、悲喜入り混じった……この闘争の中で何度も体験した、感情の奔流の表出で)
        (今まで、何度もそうしてきたように。一旦顔を伏せ、感情、思考、意思の整理を付け……再び、その顔を上げるとき)
        (そこに浮かべていたのは、あまりに場違いな……いつもの、『微笑み』。けれども、その目には確かに決意の色が宿っていて……)
        ありがとう、です……
        (――強く、強く、その手を握り返す)
        (相も変わらず、黒い細胞の侵食の痛みと痺れは抜けず。それでも、その不安も震えも収まって)
        (手は、引かれるままに伸べて。足は、確かに階段を踏み締めて。上ってゆく――光の方へと) -- 季來 2011-11-05 (土) 04:04:06
  • ──────────────────────

Last-modified: 2011-11-11 Fri 00:40:50 JST (4741d)