カクダン家出身 サンド 20395 Edit

めでたしめでたし
ID:20395
名前:サンド・カクダン
出身家:カクダン
年齢:28
性別:
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前職:
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理由:
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状態:
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戦歴:ステータス / 個人年表
背後霊:ようやく少しは手が動く感じに
更新:2-8に挿絵追加。ようやくにも程が。


番外編?ベントレーの所で彼視点での宴会編クロスオーバー話掲載してもらってた!■1■■2■ 感謝感謝!



やふう Edit

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5月5日はこどもの日 Edit

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また薬でちんまくなって娘に説教される母の図。

で、さんざからかってたら別の薬が!?
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たぶん夢だ、きっと、うん

二世キャラ参戦! やむを得ない事情により! Edit

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…そんな今年の四月一日。

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できれば反論してくれ娘…

ある小さな孤児院 Edit

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■コメントログ   

はやまるな! 編集すれば間に合う! 多分! / 勝手口に回ってみる
※沈んだツリー延ばしたい時は勝手に表示件数増やしてくれて い い の よ

お名前:
  • おいおっサン 生きてたのか!
    • 生きとるわ! 稼働キャラはいねーがな!
      つーかなんか生死の心配されてたみたいだからちまちま集合絵に乗ったりしてたんだがなー、うぐぐ…
      • 集合絵って最後にやったのいつさ!いつさ!それ以前に二世キャラが出てるのを今初めて知って吹く
      • もちろん俺でじゃねーが! ドドンパの野球ポジ配置とか群馬のアレとか? あと名簿はちまちま弄り続けておるのだよ?
        いやはっはコレは見ての通り四月馬鹿ネタでだな、そもそも厳密に黄金暦適用するとそろそろ三世四世世代になっててもおかしくないという…
      • あー、そう言えばドドパッパのやつに徒弟が出てたな…あれも相当古いけど。
        あ、四月馬鹿だったのかー まあ黄金暦だとおっサン達が現役だったのって既に60年前とかそういう時代だしな…うn -- ??
      • まあ冒険者にゃなってねーってだけで普通に育っちゃいるぞ? もちろんな? あとやっぱそれ抜きでも俺側としちゃさせたくねーなー…
        実は学園祭行ってない皆の衆用にイベント会場的な集合絵背景を用意しようとか考えてたんだが
        ふと気付けば流れに乗じてラズよしを弄りたおしてしまった、特に反省はしていない。
      • まあ不死身属性の類でもついていない限り娘息子を冒険に出すのはなあー…いや不死身属性ついてても嫌だけど。
        まあ学園祭行っている人達の知らない間にラズ吉の頭が食べられると解っただけいいじゃないか!
        こっちは連休を活かして娘のステ画をがーっと進めるんじゃグフフ…(スカートの線を何度も修正しながら) -- ??
      • 某白い方の娘がコケたときの落ち込みっぷりとか見るとな−、やっぱ鬼門だわなー…
        ところで褐色さんやそちらの跡継ぎはまだかのうげほげほ、わしが生きておるうちに見たいものじゃて(無理を言う)
        きし麺ラズ吉本日開店、お代はいけ麺でございますとかそういう…?
        ああ連休、連休ってなんだ…だがまあ俺もなるべくちまちま作業を進めてーな、新天地への移行がどんなカタチになるかもわからんしなー。
      • 二世三世キャラは大抵出オチる みんな知ってるね(男女問わず落ちていくしろほのこの家族達から目を逸らしながら)
        hahaha、抱き締めてうへへへへしてるだけの生活に満足出来なくなったら子作りに入るかもしれないって話だ。というかおっサン何歳まで生きるんねん
        誰 上 言 。新天地の方は取り敢えず今現役の娘達が終わる迄は移行するつもりだが、その後がさっぱりだなー やっぱり一緒に来るパパ次第だなと思わざるを得ない。データの確保とかは大体済ませてはいるんだけんども -- ??
      • あれは最初にうっかりすげー長持ちしたのがな、余計ガツンときたんだろうなー…最初っからロックな生き様だったら楽だったかもしれん。
        寿命か、どうなんだろなー…もうとっくにな歳になってる気もするんだがまあそこはなあなあに処理させてもらおう、うん。
        逆に俺は新しく現役作るとしたら新天地に行ってからになりそうだな、それまでは既存キャラがらみに集中しつつ様子見ってとこだ。
      • 何かよく解らん事件に巻き込まれたついでに寄ってみたぞ。元気かおっさん(とあるラスボスのなれの果ての結晶をお土産に転がしながら)
        俺は今回の妖精王が消えると同時におさらばする予定なんでな、おっサンにも挨拶に来たってーワケだ。
        気が付きゃ嫁さんのスペースも消えているしなあ…潮時って奴だ。というわけで、インランの頃からすっげー長い事世話んなったな。サンキュー。あばよ! -- ブレイク?
      • どうすんだこの土産! 床の間にでも飾れっつーのか!?
        おう、お疲れさん。いよいよあっちの村の生活に専念するっつーわけだあな?
        …まあ、もうちょっくらソイツは待ってもらえりゃありがたかったんだがしゃあねえ。俺は…まあもうちょい流れ見っかなあ。
        世話した覚えはあんまねーっつーかなりっ放しな気もするが、一応受け取っとこう。そんじゃまあ嫁さんとしっかりやってけよー!
        (いつだか貰った蝶柄のバンダナを振り回しつつ、敬礼)
  • (数日後、孤児院の昼下がり。揺りかごで赤ん坊が眠っている)
    よしよし、今日もよく寝てんな。
    そんで名前だったか…改めて、おまえはつけたい名前あるか?
    • (ずびッ)んぁ……?(どうやら一緒に眠ってたようだ)
      あぁ、ごめんなさい、あらあら……(タオルで口のよだれを拭きつつ)
      うーん……正直に言うとピンと来ないのよね、どういう気持ちで付ければいいのか……(前髪を指でねじりながら) -- タイガ
      • ははは、どっちが赤ん坊だかわかんねえなあ?…
        まあ、俺もいろいろ考えたんだけどな。大事にできそうな名前、ってことになると…
        一応ひとつ、思いついたっていうか…思い出したのがあるんだが。考えようによっちゃちいと重たいかもしんなくてな。
  • こんな時、両親が居てくれたらって思うわね……まあ、お母さんというかお姉さんは居るわけだけど……(タオルを畳みつつ)
    少しずつでも、そういうの学んでいかないとね……(椅子を引き腰をかける)
    (サンドの話に耳を傾け)ほう、大事に出来そうな名前とな……言ってみたまえサンドくん……!(両肘を机に乗せ、手のひらを重ねつつ、それで口元を隠すポーズをとる) -- タイガ
  • ウチも親は早くに死んでっからなあ…ま、村に戻りゃ総出であれこれ面倒見てくれるだろうけどさ。
    ああ、その点に関しちゃ間違いねえと思う、が…少々キッツいぞ?
    おまえが前に話してた…仲の良かった友達っていただろ、修道院にいた頃の。
    その子から、さ…せめて名前をな、もらっちゃどうかってさ。
  • あぁ、面倒とかそういうんじゃないの、ただ母親の気持ちってどんなのかなって何も知らなかったから……
    (予想してなかった回答が帰ってきた為、少し動揺する)……アレット……(ちょっとの間、考え込む)
    (生きる術を教えてくれた友であり、生きる意味を最後にくれた友、彼女は私達を祝福してくれているだろうか)
    (少しだらけていた表情が徐々に閉まっていく)うん、その案はいいかもしれないわね……!というか、よく覚えてたわねサンドさん -- タイガ
  • ははは、もう10年ちかくお母さんお母さん呼ばれてきてそれか?
    ま、それこそ今度、エイラの話じっくり聞いてみりゃいいんじゃねえの? 俺の方もいろいろ勉強しねえとなあ…
    と、いいのかそれで? いや、正直いろいろ思い出してしんどいって言うのが半々ぐらいかと思ったんだが…
    そりゃな、ちょっと忘れらんねえ内容だったしな
    …それにアレだ、おまえ憶えてないかもしんねえけど。前に薬でチビになった時その子の名前出てきたんだぜ?
    くくく、えっらい世話かけてたみたいじゃねえか。今度はおまえが世話してやらねえとな?
  • あー、そういえば……たしかにアレットアレットーって連呼してたかもしれないわね、ふふ……
    (椅子から立ち上がり、揺りかごのほうへ向かうとすやすやと眠っている我が子を眺める)
    いつか仲間達を一緒に救うって約束したよね、私はこの子と共に今一度、あなたに誓うわ……だから、名前を貰ってもいいかしら……?
    (少しの静寂の後にサンドの方へ振り返る)サンドさんも、それでいいかしら? -- タイガ
  • (同じように立ち上がって、揺りかごの我が子の前に立ち、タイガの肩を抱くと)
    ああ、それなら決まりだ。(天を仰いで)そういうわけだ。どんな風に育つかわかんねえけど大事に育てる、それは約束する。
    …さ、呼んでやろうぜ?
  • アレット、あなたの名前はアレットよ……(頬に触れ、慈しみながら語りかける)
    (私はこの世界で戦い続ける、サンドさんと子供達と一緒に……)
    (そして、この子が笑顔でいられる未来を……だから、見ていてください、私の……)
    (サンドの手に自分の手を重ねる) -- タイガ
  • (同じように頬に触れると)アレット、これから俺らも目一杯のことはするからさ。
    おまえは同じ名前の子の分まで山ほど笑って、タイガに…母ちゃんにいろいろ取り返させてやってくれな?
    (頬を撫でていた手を離すと)よっしゃ、そういうわけだ。まずはここの6人みんなで笑わねえとな!(両腕でタイガを抱きしめた)
    あー、それに…俺としちゃ、できたらいつか7人目もな?
  • こんばんは、赤ちゃん!来るついでに夕食ちゃん買ってきたわよぉー!!(ババァーンと扉を開け)
    ……あ、あれ?もしかしてちょっちタイミング悪かった? -- エイラ
  • …アーイエ、ケシテソノヨウナコトハゴザイマセヌヨ?
    イラッシャイマセ御母堂サマ、ヤア夕食とは気の利いたコトデ…
    ほらアレット、えーと、ば…じゃねえや、やや複雑な位置づけのオネーサンが来てくれたぞー?
  • ナナニンメッテ、ナーニカシラァー?えぇ、娘の旦那様よぅ!(ドロップキックをかます)
    (そのまま四の字固めに移行、残念ながら孤児院にロープはない)さぁさ、アレットちゃんは私が見てるからアンタは夕食つくる!OK? -- エイラ
  • オ、おっけぃー……!(相変わらずパワフルな母を見て半分引きつつも安心する) -- タイガ
  • アダダいやそこは別におかしかねえだろ即この場でどうこうって話じゃねえアダダダダ!?
    いやそりゃ作るよ作らざるをえねーよチビたちもそろそろ帰ってくるし!!
  • たっだいまー!……あぁ婆ちゃんじゃねぇか!?イヤッホウ、ひっさしぶり!!(サンドに水平チョップをかます) -- ウェル
  • (ちょっとウェル!)あぁー、エイラおb…お姉さん、こんばんは!相変わらずお綺麗で何よりです♪(ウェルをチョップで失神させながら一礼) -- アド
  • 待てやウェル!!
    なんでその流れで俺にチョップか!! そこは久しぶりの相手に成長見せるトコだろうがよ!?
  • なーにバカなことやってんの、赤ちゃん起きちゃうだろう?
    ただいま、お母さん!これから夕食?手伝うよ(そそくさとマイエプロンをかけキッチンへ) -- イリス
  • …って沈んだ! アドつええ!?
    …ってイリスも来たか、この騒ぎで起きねえんだから相当なモンだぞコイツ!
    おう手伝ってこいこい、そんでできたら俺が完全破壊される前に晩飯ブレイクで頼む〜…
  • さて、と……(一通り技をかけ終えてサンドを解放、二人の子供も手伝いに行かせる)
    七人、か……これからもっとアナタ達の負担が増えるかもしれなけど、よろしく頼むわね、私も出来る限りのことはするつもりだからさ
    ま、今日は湿った話はナシでパァーッとやりますか、ねーあれっとちゃーん♪(ほっぺたプニプニ) -- エイラ
  • ね立
    えて
    おう、まあその辺は任せてくれ。ま、大事にならなきゃそれにこしたこたねーが(伏したまんま)
    だな、たまにゃ羽根伸ばしてってくれ。…あー、しかし懐くの早えな…基本的に同じだってわかんのかね?
    (いつの間にか目をさましてキャッキャとエイラの指に絡みつくアレットを横目に)
  • はわわ、あれっとちゃんはいいこでしゅね〜(タイガ、よく頑張ったわね、アンタは本当に偉い子ね)
    ん?タイガが旦那様のこと呼んでるわよ、早く行ってあげなさい!(サンドの体を起こし、背中をバンと叩く) -- エイラ
  • (…なんだこのテンションの落差)メロメロだなばー、もといオネーサン…
    ん?(なんとか身体を起こす、なんか全身からいろいろしちゃマズそうな音がするが置いといて)
    なんだなんだ、イモの皮でもむけってかー?(よたよたとキッチンへ向かう半死人)
  • ……頼んだわよ。
    (窓に明かりが灯る、こうして見れば種族や生まれの違いなど、ほんの些細なことのように思える)
    (月に照らされた孤児院、そこには当たり前のように温かい家族が存在していた)

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Ending-3 Edit

■3-1 9月a
「子供を預かってくれないかしら」
それが、エイラが今日訪ねてきた用件らしい。
そりゃまあここは孤児院だ、俺らに異存のあるはずもなし。
「それで何歳くらい? 男の子、女の子?」
「ああ、今すぐじゃないの。
 予約と言うか…この先何人もお願いするかもしれないから、前もってね」
…どういうこったろう。
「…最近の話。久しぶりに追っ手が来たのよ」
 まあ簡単にのしたけどねー、とからから笑う。母強し。
「楽でよかった、で終わればよかったんだけど…楽すぎたのよね。
 子供だったわ。ここの子たちよりまだ小さいくらい」

直接名前は出てこないが、例の修道会とかいう組織の話なんだろう。
いくらか前、薬でちまくなったタイガが戦闘訓練がどうのこうの言ってたが、
あのくらいからもう実戦に、それも単独で放り込むって滅茶苦茶じゃねーか…?
「…ああホラ、怖い顔しない。殺してないから安心しなさい」
してたか。
「今回は別口に預けたから連れてこなかっただけ。
 でもね、今後同じ事が続くかもしれない。だから引き受け先を確保しておきたいのよ」
その別口ってのはどこぞの山奥、村と呼ぶには少し足りないかくらいの集落で、
初めは脱走者たちの互助会程度のもんだったらしい。
最近じゃ外部の協力者も得られて、事実上の対抗組織的なものが出来つつあるとか。
「許容量の問題もあるけど、洗脳や改造の程度には個人差もあるものね。
 軽度な子なら街で普通に暮らして、人の中に馴染ませた方がいいでしょう?
 理解度でも安全度でも、この街より条件のいいところなんてまずないわ。
 ましてあなた達のところならね」

■3-2 9月b
「なあ、御母堂様」
「何かしら婿殿」
タイガが茶菓子の補充に立った頃合いを見計らって、質問タイムを設けてみた。
「半分口実作りだろアレ、タイガがこっから動けないようにってさ」
「わかる? だいぶマシにはなったけど、あの子どうも自分のこと大事にしないでしょ。
 先回りして役割と責任を振ってしまえば余計な事考えないかな、というわけ」
その辺、俺の手綱さばきも重要になってくるわけか。責任重大だなこりゃ。

■3-3 9月c
翌日。
「もう行くの? もう少しゆっくりして行ったらいいのに」
「そうもいかないのよねー。いろいろ約束もあるし、それに…これ以上、もたない」
まあ一晩中チビたちのおもちゃにされてたからな…
滅多に会えないだけに仕方ないっちゃないんだが、お疲れさんだ。
「約束って?」
「うふふ。デ・エ・ト♪
 …ってのは冗談で、例の別口の方でちょっと報告と話し合いをね。
 あ、でもいい男も結構いるのよ? 油断してると先に子持ちかもねえ、くっくっく」
「くっ…ま、負けないわよお母さんッ!?」
「よしよし、その意気その意気…ああそうだ、それで思い出したわ!」
「な、なに!?」
なんだなんだ?
「今後の生活で、これだけは最優先で守って欲しいことがあるの。

 …もし子供が生まれても、私のことお婆ちゃんって呼ばせるのはナシで!
 しょ、正直…伯母さんでもキツい…っ」

…言われたんか、昨夜チビたちになんか。
てなわけでその晩は『第一回ダメージの少ない代名詞を考えよう会議』が開催され――
結論? まあ、第二回が待たれるってコトで。

■3-4 10月
ここ最近、タイガがなにやらよくわからん研究を始めた。
シェーカー使ってあれこれ混ぜ合わせてはこうでもないああでもない…
最初はカクテルでも作ってんのかと思ったら、材料の中に酒が見あたらねえ。
曰く、
「お酒であってお酒でない飲み物とか…
 ああでも、何を残してどこを削ったらいいのかしら!?」
とかなんとか。

そういや最近あいつが飲んでるの見ねえな…
つられて俺も全然飲んでねえ。

■3-5 11月
「ただいまー! …ねえねえ、春になったら新しい花壇作っていい?」
「そうねぇ、西側の角なんかちょっと寂しいかも…それよりどうしたの急に」
まだ春どころか雪もないそんなある日、アドがなにやら花の種を買って帰って来た。
なんでも夏に行ってきた南の島に咲いてた花と同じモノが偶然見つかったんだとか。
「ほらほら、こんな赤い花が咲くんだぁ。きれいだよねぇ…」
そう言って見せてきた写真、確かにえらく見栄えのする花ではある…ものの、
「…? なんだか見たことある気がするのよね、というか生けた覚えすらあるような…」
だよな、確かに初めて見る花のはずなんだが。
「なのよねぇ…」
まあ、ソコはとりあえず置いとくとして。異国の花って簡単に栽培できるモンなのか?
「うー…やっぱり気候の違いとかでこの辺じゃ難しいみたい。
 …でも咲かせてみたいなぁ…」

てなワケで、この難題には我が一家の総力を結集して当たる事が閣議で決定された。
まあ、ちゃんとした花が見られるまでは何年とかかるかもだが…

絶対不可能ってこたあない、はずだ。


■3-6 12月
「今年は私がサンタやるから、あなたはスネーク的行為自重ということで」
そんな訳でおとなしく待機してた、24日から25日に変わるか変わらんかくらいの深夜。
「めりー! サンタさんですよー、最高のプレゼントをお届けじゃよー?」
宣言通り姿を見せたサンタイガは、頭に赤いでかリボンを搭載しておられた。
…えーとそりゃアレか、いわゆる…
「ちがーう! そもそもそんなの今更すぎるでしょ、もう!」
「つっても他に見あたらねえよ最高のプレゼントとやらが!
 どう見ても手ぶらじゃねーか!!」
「手ぶらに見える? …ふふ、まだ見た目にはわからないわよねー」
あ。
「気づいた? プレゼント袋はね、ここ」
そう言って、タイガは自分の腹を撫でて見せた。

ああもう、確かに最高だよこん畜生!!

■3-7 ?
小包が届いた。
なぜか差出人不明だが、まあ歳暮でもないのに豚のハムって時点で名前がわりみたいなもんだろう。
添えられた手紙にはたった一言、

「雌豚を見つけた」

それだけ書いてあった。

…ま、いずれまた会うときにゃ見せてもらえるか。
その時の表情が今から楽しみだ――やべえ、想像するとニヤニヤ顔が止まんねえ。
祝杯の一つでも上げたい気分、ではあるが…
「ねえ、これクリスマスの残りよね? なんでこんな時期に?」
ウチの雌虎の手前、子供用のシャンメリーで勘弁しといてくれ。

■3-8 4月
「時間に関する研究をしたいと思っているんだ」
チビたちの学校の宿題で、将来についての作文を書かにゃいかんらしい。
それで食後の居間で三人顔突き合わせてるわけだが、
イリスのそれだけがえらく具体的な内容だった。

「おまえ、魔法に興味あるみたいな事言ってなかったか?
 だからてっきりまほがっこ行きたいもんだと思ってたんだが」
「そう、その魔法学校でだよ。
 ただ学門として研究するだけじゃなくて、魔術でなんらかの干渉ができないかと、ね」
曰く、去年の春に起きたチビタイガ騒動がきっかけになったらしい。
確かに単なる若返り薬ってより『時間逆行薬』とでも思わせるシロモノだったのは確かだ。
「時間、ないし時空が必ずしも不可逆なものでないとすると、
 そこに干渉することで解決できることがらもたくさんあると思うんだ。
 …たとえば、私たちのような呪いを抱えた子供のこと、とか」
エイラの話を聞いてたのか、それ抜きでも今後必要になると考えてるのか。
いずれにしても、ただ波を避けてやり過ごす気はない…ってことなんだろうな。
「まあ、過去を弄ることはできないだろうし、してはいけないだろうけれど。
 ちょっと覗き見してヒントをもらうくらいは大目に見てくれないかなと…
 まあ、ズルには違いないかもね」

とは言え、ソレそのまま作文には書けねえなあ?
「そうなんだ、だからどこまでぼかしたものかが悩み所で…
 あまり曖昧だと子供の夢想で済まされそうで、少し癪だね」
…まったく、大人になってきたんだか子供のままなんだか。
笑いながらわしわし頭撫でてる間、ウチの長女は珍しく膨れっ面してたもんだ。

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■3-9 6月
「…ふぅ、なかなか面倒なことが多いわよねぇ…」
すっかり大きくなった腹を重そうにして、タイガはごろんと横になった。

エイラから新しく孤児を頼むって話は、今のところまだ進展ない。
それでも一気に大所帯になる可能性が出てきた以上、ここの運営を単なる慈善事業的なものから、
ある程度ちゃんと銭の回転する経営に近づけにゃならんってなわけだ。

「それよりだ、入院の話どうなった?」
ワルプル先生が言うには、そろそろだからバタバタしなくて済むように
早めに入院を薦める、らしい。
「うん、明日の夕方からお世話になるつもりよ。付き添ってくれる?」
「そりゃ当然。まあ思ったより長くなるかもしんねえし、あれこれ手は回しとくか」
「ふふ、ありがと」


■3-10 6月b

「もうすぐだよ」

その晩、夢を見た…いや、聞いた。不思議とどんな声だったかも思い出せないが。

「会いに行くから、待っててね?」

「…聞いた?」
「ああ、聞こえた」
なんとなく、膨らんだ腹に耳を当ててみた。
「…聞こえる?」
「いや、なんも」
「ふふ、ならなんでいつまでもそうしてるの?」

Ending-2 披露宴と称するごりふれた大宴会 Edit

■2-1
俺らみたいな流れの冒険者崩れを筆頭に、この街はかなりの割合がヨソ者で占められる。
そもそもウチや隣近所の構成員ほとんどがそうであるように、
厳密な意味で言えば「人間」の定義に当て嵌まらない連中からして珍しくもない。

そんな環境だから戸籍制度なんてモノあってなきがごとし。
役場とかで手続きする場合でも、酒場のID番号のがよっぽど融通効く有様だ。
となれば婚姻形態もいわゆる内縁、事実婚が多い訳で――

俺らもそのご多分に漏れない。

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■2-2
「しきはあげないんですか?」
隣家のヌシが茶飲み話しにきて、タイガの薬指を見ながら切り出した。
「と言ってもねえ…私、教会とかいい思い出ないですし。
 この世界に神はいない…じゃなくて、
 初詣とかには行くしクリスマスも祝いますけど、単に季節のお祭りって感じで…」
「たしかにしんぜんしきってがらじゃないですかね?
 でもひろうえんぐらいはやりましょうよ。つーか、ちゃんといわわせれ」
「やろう」「やろう」
そういうことになった。

確かに一般家屋に比べれば、ウチ(孤児院)はデカい部類に入る。
「それでも中でバカ騒ぎはマズいよなあ」
「その場のノリで燃やされたらかなわないわよねえ、酒場みたいに」
「わたしの家もですよ…ちくしょう…」
そんな理由と夏だからってこともあって、庭でやろうって話になった。
なお本日もう一名の来客は某あ…英雄候補生様であらせられる。現在住所不定。
「ところで日はいつごろですか? できたら再来週あたりがいいなぁと…」
「ん? リューちゃんなにかあるの?」
「あ、いえ別にその…出席の都合がちょっと、ですね?」
あからさまに誤魔化しくせえ…が、まあ別に反対する理由もみあたらんよな。

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■2-3
当日。
「いようサンド、冬以来だなあ!
 なんだなんだ畜生、俺が雌豚見つける前にうまいこと雌虎捕まえたのか?」
「父さん、下品だよ…」
早朝からニヤニヤ全開でベントレーとエア…はいいんだが、その大荷物はなんだ。
「なにっておまえ、俺が持ってくるったら豚肉に決まってるだろうが」
「私はもうちょっと幅持たせろって言ったんですけど…ごめんなさい」
こ れ が 全 部 か 。
「いやいやまさか、そんな訳ないだろうが」
ですよねー?
「焼く道具がなくてどうすんだ? ほれ見てみろ、極上の樫炭だぜ?
 まあ黙って任せとけ。秘伝の焼き加減を堪能させてやるから」
言うが早いか目にも止まらん速度でコンロを組み上げ、炭に火をつけ、肉を捌き出すベントレー。
何だかんだ言いつつエアもちょこまかと手伝う。
微笑ましい光景ではある、あるんだが…
こりゃもうただのバーベキュー祭になっちまう予感がひしひしと。

「なあエア、母さんって人は今日も来ねえのか?」
「…用事があるって。一緒に来ようと思ったんですけど」
「そっか。まあしょうがねえ、会ってみたかったな」

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■2-3ex にゅー!(絵が)
が。
その願望が実現するのは早い――具体的には10分ほど後。
「ベーンートーレェー? 何やってるのアンタ!?」
ゴゴゴゴゴ、とか擬音が目に見えるような何かを纏って『彼女』は出現した。
「か、かーさん!?」
「あああアルメっ!? なぜここに、いやなぜの意味は二通りあるがっ!」
「その1、道中の聞き込み! その2、こんなことだろうと思ったからよ!
 あああ、やっぱり豚ぶたブタ…」
エアの言う「かーさん」、後で聞いたら正確にはアルメティーレって名前らしいが。
ともかく悪い意味で予想通りの状況をひとしきり(実力行使を踏まえつつ)嘆いたあと、
大慌てで用意したらしい『こんなこともあろうかと』をばさっと展開して見せた。
それは、
「うおおお! 魚だ貝だっ!!」
「野菜もたっぷりあるよ! ふわああ、すっごい豪勢に…!」
「救世主と書いてメシア! いやむしろ神、いわゆるゴッド!!」
かくて本日の食事情は救われた――不服そうな一人だけを除いて。


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■2-4
にしても、放浪してたはずのコイツがどこでどう耳にして来たんだか。
そんな疑問を上乗せするように、来るわ来るわ懐かしい顔が。
すぐ次の用事があるから乾杯だけー、なんて忙しいヤツが大半ではあるが、にしてもまあ結構な人数になった。
「がんばりましたよ?」なんて顔で無い胸張ってる見た目だけ幼女はまあおいとく。

と、目に付いたのがその中に混じってきた白い猫。
少し前にウチ――前に俺だけで住んでた方のだ――の縁側にふらっと来てったよな?
その後見かけなかったが、そうか元気だったか。
そんな言ってもいないことを察したようにひとつ鳴いたあと、タイガの方に寄って行った。
…ただあの時だけの見覚えじゃねえ気がするんだけど、なあ。

「初めて会った気がしないのよねぇ、なんでかしら?」
そう感じるのはタイガも同じらしく、抱き上げたりもふったりしながら
物言わぬ白猫相手にあれこれと…一方的に喋ってるだけのはずなんだが、
どっか普通に会話が成立して見えるから不思議なもんだ。


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■2-5
「ドレスなんて見るの、酒場で結婚式があった時以来かしら…
 あの時はまさかね、自分で着ることになるとは思わなかったわ」
「アトとしてはむしろ、こんなにじかんかかったほうがふしぎですよ?」

遡ること数日前、差出人不明で届いた荷物の中身がコレだ。
『親愛なる我が娘と婿殿へ。
 衣装を作ったので送ります、出席はできないからお祝い代わりってことで』
アンタかよ! まあ、確かに堂々と表にゃ名前書けねえ立場か。
『ずいぶん前から作り始めてはいたんだけど、意外と早く必要になって焦ったわー』
どんだけ牛歩イメージ持たれてんだ俺ら! …すいません否定できません義母上様!

で、なんで俺は紋付袴なんだ。統一感とか全然ねえぞコレ!?
『いやーごめんごめん。どうしても君にタキシードが似合う気がしなくてね?』
返事すんな手紙!!

『追伸。
 それにしても、サイズ合わせに行く必要なくてそこは楽だったわー。
 でも試着とは言えこんなの着てると、ちょっとは浮かれた気分になるものね? ふふ』

さて、そんな見世物の準備も出来上がったところで。
空いたビール箱を演台代わりに、フローがマイクのスイッチを入れた。
「あーあー…よし。グラスは皆行き渡っているか?
 既に出来上がったのもいるようだが、一応乾杯の音頭はとっておく。
 酒の肴を買って出たそこの二人と、それに群がった懐かしい顔の今日を祝して――
 呑もうぜ!!」

「「「「呑もうぜ!!」」」

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■2-6
「はむ…ドレスで串焼き肉ってのも変な気分よねぇ…おいしいけど、はむはむ」
飛び交う酒瓶、轟く喚声、人数半減すれどもその趨勢にかげりなく。
そんな感じで1時間ほど騒いだころ、ソイツは動いた…おいイリス、なんだ一体その紙の束。
「ふふふ、それをこれから発表しようというんだよ?」

「ええと、みなさんちょっとお耳拝借ー。ここで残念ながら欠席された方の祝電披露を」
さっきフローが立ってたビール箱にもう一つ重ねて、その上に我らが孤児代表。
なにかと思えば祝電、ねえ。そんなモンまで集めてきてたのか。
「苦労したぞ? とにかく連絡の取りづらい相手でな、使えるツテは総動員した」
ロリコン騎士はかく語りき、さて一体誰だそりゃ…

『フッ、祝辞を述べるなど造作も無いことです』
『娘が生まれても手を出さないように! このロリコンどもめ!』
『お幸せに…ですわ〜♪ / おめでとう…♪』
………


「え、え…? ねえ、これって…」
「あー、そりゃ簡単にゃ連絡取れねえわ…そういやあの世帰りだったっけアイツ」


■2-6ex
「さてさて、今度はフツーに生きてる人の方です−」
ざわつき冷めやらぬ客席なんぞお構いなく、祝電披露はまだまだ続く。
っても宣言通り引退して今は遠くで暮らしてる元冒険者連中だとか
俺の生まれた山の方からだとか、そういうホントにフツーの内容揃い…だったが。
「次はー…あ、これ手紙だ。東の街のシルヴィアさん、母…もとい新婦の昔の職場、託児所での御縁とか」
「シルヴィちゃん!? うわぁ、懐かしいわねぇ…
 ご両親の都合で引っ越したんだっけ、うふふ…可愛い子だったなぁ…
 やわらかい金髪のこう〜、くるくるっと巻き毛でね…ほっぺたなんかもう…うふふ」
おいタイガ、よだれよだれ。

「えー…『ご結婚おめでとうございます、よだれ先生

「 ! ? 」

『私もそれなりに大きくなって、今は近所の子達の面倒を見たりもするようになりました。
  世話は思ったよりずっと大変で、あの頃の先生の気持ちが今になってわかる気がします』

うんうん、普通にいい話だ。聞かせたい当の本人は石化してるが。
『でも、それ以上に子供たちが可愛くてたまらないので頑張れてます。
  うん、なんていうか本当にたまらないですよね。うふふえへへ』

…風向きおかしくなってきた。
『私たちの前でいつもよだれ拭いてた先生が不思議でしたけど、
  そっちの気持ちも今になっていやもーすごーくよくわかって』
 …ナニコレ…
あー、読んでるイリスもなんつーかジト目だ。
いやもとからいっつも眠そうな目だが、それとは別の半目だあれ絶対。
…はッ!?
石化解除。だがもう遅え、遅すぎる。
「すすすストーップ! ストップイリス、それ以上いけない!!
 みみみ皆さん違いますー! この祝電はフィクションであり実在のよだれ先生とは以下略ーッ!!」
落ち着けよだれ先生。きっちり肯定してんぞよだれ先生。
『今度そちらの街に立ち寄る事があったら、お酒…はまだ無理なのでお茶でもご一緒させてくださいね?
  今なら一晩でも語り明かせる気がします。それでは、その日を楽しみに。
  親愛なるよだれ先生の幸せを祈って、シルヴィア・ポート』


■2-7
「じゃあ次はスピーチとか…とぅ!」
一通り読み終えたイリスが無造作にマイクを放り投げる、いやブーケじゃねえんだから。
で、思ったよりでかい放物線を描いて…演台に背中向けて肉がっついてたブレイクの脳天を直撃した。

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「…まあなんだ、俺はタダ酒飲み食いできるっていうから寄っただけだが。
 一応礼儀として、おめでとうと言っといてやろう」
さすがにこうもごちゃごちゃ狭っ苦しい状態だと、子供の機動力にはまず敵わん。
5分ほどイリスを追い回したあと、ブレイクはしぶしぶマイクを握った。
「えらい回り道したからな、ここに集まった連中としても重い荷一つ下ろせた気分だろうよ。
 まあ、俺としちゃ嫁の物理的重さの方が重要課題だからどうでもいいがー?
 どうにかこうにか落ち着いたんだ、後はせいぜいよき夫よき妻として頑張るこった。
 まあ、トビラがこの世で一番可愛い良き妻なのは確定的に明らかだから無駄な努力だがな!
 トビラー! うおおおおトビラあああああああ!!」
結局嫁自慢か! ああわかってたよそうだろうと思ってたともよ!!
「なんだと!? 撤回してもらおうか、ルゥの方がいい嫁だぞ!!」
「いいえ、エレンが一番です!!」
「フェイー! フェイぃいーーーーッ!!」
ってなに変な火点いてんだ一部来賓! まだ赤くねえようるせえよ!!
かくて、演台は男どもの戦場と化すのであった…なんだかなあ。


「いやいや、懐かしいなこの光景。ツッコんでないでおまえも叫べばいいだろうに」
にやつくベントレーに、いいえ私は遠慮しておきます、と余裕を装って返す。
まあ正直俺も腰上げかけたんだが、そこは一瞬早く裾掴まれたからな。
今日は名目上だけでも主役らしくどっしりしてよう、とそう思ったワケだ。うむ。
つーか、おまえこそ混じんねえでいいのか? …ぬう、アルメ女史の表情が地味に読み取り辛え。
「バレたか? いや実はずっとうずうずしててな…行ってくるぜ!」
おう、行け行け! ちょうどいい機会だ!
「おおおおおお! 雌豚ァアアアアアア!!
そうじゃねぇえええええ!!

■2-8
なんだかんだで、あれだけあった食材もほとんど片付きつつある。
ベントレー一家持参の他にもウチで用意したのとか、フローが持ち込んだのとか、
来賓各位の持参とかもあったんだが…
思った以上に人数いたこと踏まえても、なんつー胃腸してやがるかコイツら。

そこへさらにトドメとばかり、食後のケーキ様がご登場あそばした。
っても御入刀とかやるようなバカでかい奴じゃない、チビたちが悪戦苦闘しながら
何個も焼いてくれたモンで、ひとつひとつの大きさはせいぜい8号とかあのへんだ。

だから普通に切り分けて配る…それはいい、予定通りなんだが。
問題は…誰がやった? なんであっと言う間に全員分準備整ってる?
チビたちを見てもタイガを見ても、お互いに「あれ、違うの?」みたいな顔してやがる。
「ふふふ、ご一家なにやら訝しげ?」
「…そういうリューちゃんはなにやら楽しげだけど?」
赤酒場状態の間ずっとギギギしてたくせにな、えらくニマニマしてやがる。
てか、アンタかコレ?
「まさかそんな。わたし元お嬢様ですよ、鈍器より重いものとか持ったことないですよ?」
どう考えても十分だ! 菓子ひとつ切るのにどんな超兵器使う気かアンタ!
「ええまあ、そんなことはよくてですね。
 さっきの霊界祝電のとき、ちょーっと不機嫌そうにしてたかなーって気がするんですけど?」
ン?
ナンノハナシデスカナ?
「あら違う? 不機嫌というか物足りなそうというか。
 もっと言うと、そんなもの取ってこれるんだったらアイツの分はないのかよ、的な」

「まあ、ちょっとワケありなので許してあげてくれませんか?
 あの子のわがままにも困ったものですよね、まったく…
 でもほら、ちょっとあれ見てくれません?」
まさか!?
期待がないと言えば嘘になる、がばっとリュウが指差した真後ろを振り向いた。
が、その先には別に変わったものもなく、思い思いに騒いでる野郎どもがいるだけだ。

…ああ、そっか。
ああして生きて祝ってくれる奴らがいるんだ、贅沢言ってちゃ悪いやなあ。
そんな感じで納得して振り返る――いや振り返ろうとした、
まさにその瞬間。

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「半・透・明…キーーーーーック!!」

聞き慣れた声に合わせて、目の前で盛大に火花が散った。

■2-9
「おのれ何奴ッ!? 背後からとは卑劣なり!!」
「うるせー! ヒレツもカツレツもキッカもねーよ、なに勝手に黄昏れてんのさ変態! 変熊!!
 三つめがなんだかわかんないけどとにかくねーよこの夜の炭坑夫!!」

「ンだとこの不良半透明! どうせ今まで霊界銀球にでもかまけてやがったんだろうが…
 って、え?」
「…インランだと!?」
「インラン言うなイクイク!!」

「うふふ、すみませんね…どうしても直接、と言うので。
 都合良く8月だったから、なるべくお盆に近い日付を選んでもらったと」
そ う い う 事 か よ !
「簡単に言うけどね! 大変だったんだぞ!
 これだけ経つと普通にお盆でもなかなか降霊許可おりないっての!!
 そこをあの手この手使って網の目くぐり抜けてきたよクソァ! 感動しろ! 褒めろ!!」
「黙れや半透明! つーかなんだ今の体重乗った蹴り、なんですり抜けねーんだよ!」
「えーと修業とかしました、ヒマだったから!
 霊的な力を物質的パゥアに変換する気ッポイなにかとかそういう?
 まあ向こうじゃなんの意味もないんだけどね!」
「ちいっ! てえこたこっちからの攻撃無効はそのまんまかこのチート野郎!!」
「ははは嘆くといいよおののくといいよ! 地上の重力に魂を引かれた無力を噛みし」
げし。
はぐうッ!?
あれ、なんか普通に当たったぞオイ右フック。
「なに言ってんだおっサン、当たるわけねえだろ…あれ?」
頭上に?マーク浮かべたままブレイクが反対側から左アッパー…ごすん。
へぶぁあッ!? ば、バカな嘘だこんな騙したなあの天使ぃいいっ!?」
半透明の鼻血で放物線描きつつ、盛大にランラン君ふっとんだ。
まあ修業とかするタチじゃねーとは思った、付け焼き刃の力なぞこんなものよのう?

■2-9ex
「おいインラン、さっき網の目どうのこうの言ってたな? 具体的にどうやった」
ダウンしたランランにブレイクの尋問開始。追い込みに電気アンマのオマケ付き、過酷だ。
ああああやめてよやめてよ変態イクイおおおおお!?
 いや降りてこようと思ったのはいいけどお金なくてさー、
 霊界パスポートの申請とか旅費とかそのなんだ、無理?
 ちくしょう、あそこで二番艇が転覆さえしなかったら…!」
「ブレイク、速度アップ」
「あいよ」
ずどどどどど。
ちょちょちょちょっとらめぇええランラン潰れちゃぅう!!
 人類は女装趣味とオカマが別の存在だと知るべきだよおっサンド!?
 …そ、そしたらなかなか話の分かる天使がいてさ、
 銀球の当たり台教えたらいろいろ便宜図ってやるって…
 くそう、やっぱりテキトーに嘘ぶっこいたのがよくなかったのか!?」
「おっサン、もう一段階上げっか?」
「いいんじゃね?」
「え、ちょあーーーーーーー!?

■2-10
「それよかな見たかこの野郎、約束どうにか果たしてやったぞコラ!
 なんか賞品の一個もよこせ霊界銀球の特殊景品以外のヤツ!」
「いーやまだだね全然まだだねなに言ってんの!?  バカなの? 死ぬの?
 いやむしろ死ぬべきだね!
 具体的に言うとおっサンドはこれからヒーコラ頑張って子供作って孫もできて、
 いーやもう一声ひ孫にも見送られて最後まで地味に畳の上で野垂れ死ぬといいよ!
 そこまでやりとげてこっち来たらちょっとだけ褒めてやらんでもない!!」
「ンだとこの野郎! ああいいともさやってやらあな見てやがれこん畜生!!」

「おーおー安請け合いしたなあおっサン? こりゃ大へ」
半透明水平チョーーップ!!
ズビシ、とブレイクの脳天に手刀。それ垂直だランラン。
「ってえ!? てめえさっき食らった場所に二度までも!!」
「うるせー! イクイクもだよ!!」
「あ!? 確かにアレコレ言われるが俺自身は現状なんの不満もだな―ー」
「満足したらそこで試合終了だよ!?
 特にあんたら寿命とかないんだからさ、より貪欲であるべきだと思うね僕は!」

「好き勝手言いやがってこの野郎!」
「てめえこそいい加減転生でもして女装とか縁もねえ平穏な一生送りやがれバーカ!」
「なんだと!? 僕が僕でなくなって生きる意味がどこにあるんだこのダメ人間どもめ!!」
…かくて開始する第二ラウンドであった。

「…なにやってるんですかね、あのおとこどもは」
「まあ、直接降りてくると言った時点でこうなるのはわかってましたし。
 進歩がないのか変わらないのか…ああいう会話しかできないんですね、もう」
「…ふふ。でもなんだか羨ましいわね」

■2-11
さて、そんなこんなで日も暮れかけて。
手分けして片付けもあらかた終わり、一人また二人と帰っていく。

ベントレー一家も仲むつまじく川の字で…と言いたいところなんだが、
世帯主を両側から引きずって行くアルメ女史とエアの姿がそこに…
おい、ちょっと俺が見てない隙に何があったんだお前ら…?

それと。
「せっかくだしね、ウッちゃん家とか顔出してから帰る!
 タイガさんトビラさん、こいつらよろしく任せたよ! じゃーね!!」
ランランもそんな調子で、例によって悲壮感のカケラもなしの御退場。
「うーん…ここはもっと感動的なセリフ被せつつ光の中にスーッととか、ねぇ?」
「…そういう子でもないですからね。それにもしかしたら
 いろいろ持って行かないように気を遣ったのかも…うん、ないなあ」

「さて、と…今日はこれからどうしようかしら。
 みんなさすがに夕食いるほどお腹空かないわよね?」
「いけませんねえ、ドレスきたままははおやモードですか?
 それなんですけどね、こどもさんたちからもうひとつプレゼントがあるそうですよ?」

「…旅行?」
と、言っても俺らをご案内、ってことじゃないらしく。
「うん! アトリアさんが連れてってくれるって。南の島に5日間だよー」
「へぇ…いいんですか?」
「いやいや、アトがりゅうかしてはこぶからりょひはいりませんし。
 ぶっかがひくいからおかねもあまりかからないんですよ。
 というわけでいまからしゅっぱつしんこーです」
「「早ッ!?」」
ええ、とにんまりしてアトリアはチビたちの背中を押して行った。
「ふふ、プレゼントですから。うれいなくしんこんしょやをおたのしみくださいね?」
うるせえドエロヨウジョモドキ!!

■2-12
とまあ、そんなわけでポツンと取り残された新郎新婦の図。
「そ、そうそう! うちの掃除しないとね?」
うげ、そういや庭こそ挙って片付けたが中は手つかずか。
チビ3人のケーキ戦争の痕跡とかそのまんまだろ? 結構すげえコトに…
…なってるはずだったんだが。

「って、あらら…?」
どういうワケだか家中すっかり片付いて…なんてレベルの話じゃねえ。
キラキラとかピカピカとか音まで聞こえてきそうな見事さで、
ご来賓各位の花束なんかもきっちり見栄えのする配置で飾られてると来たもんだ。
あの中で好き勝手に動けてここまでの芸当が出来る奴、てえと…

「あら、なにこれ…置き手紙?」
と、考える間もなく犯行声明が見つかった。
テーブルの上に封筒入りの便箋、その下にはなにやら紙袋。

ちらかってたから片付けといてやったよパッパーって!
いやー僕って親切! 超有能! 讃えられるべき手腕と言えるね!
それとまぁ一応だけ祝福してやるから伏してありがたがれ!

やっぱおまえかああああ!!
「出てる出てる、声出てる」

さてそんなおっサンドにご祝儀がわりの特別キャンペーン!
うまいこと奥さん似の可愛い子だったらランランって名付けて目の中に入れて可愛がるのを許可するよ!
まぁどうしても遠慮しちゃうんだったら乱太郎とかでも い い の よ ?

「…なんだよ乱太郎って」
「あはは、まあ男の子だったら部分もらうくらいはありじゃない?
 あるじゃない、ランドルフとかランディとか」
そのくらいならまあ普通か。
…しかし名前もらう、ねえ。それならどっちかつーと俺よりか…

あーーーーーー!!
ぶ、なんだいきなり!?
振り返ってみると、タイガが紙袋の中身を手に固まっておられ…

それと掃除の醍醐味はやっぱ家捜しして机にポンだよね!
ていうかさーエロ本くらい普通に買いなよ、なにこのシワシワ、子供のお宝じゃあるまいし

ナニコレ! ナニコレーっ!?
「ままま待て俺んじゃねえっつーか俺んだとしても別におかしかねえっつーかとにかく落ち着」
「きしゃー! きしゃーっ!」
てめえブレイク分体いいい! ちゃんと始末してけあほんだらあああああ!!

じゃあそんなとこで、あとは霊界からポーシャしてるよ! おめでとうおっサンド、奥さん怒らすなー?
― ランラン・リュー ―

■2-13
どうにか状況は落ち着いた…が、いよいよ本格的になんもすることがねえ。
「…あはは、みんなまったくもう…変な気遣われると調子狂うわよー。
 と、とりあえずお茶でも入れるわね?」
パタパタと逃げるように。
まあ、ああもハッキリ「はげめ」とか言われりゃなあ。

とは言ってもまあ、ありがたい好意には違いない。
せっかくもらった5日の休暇をどう過ごそうか、とか
まったりだらりとそんな茶飲み話に興じてた訳だが…
そこにもう一人、当たり前みたいな顔で混じってたのはいつからだ?

「えへへ、水入らずのとこごめんねえ」
新妻の膝を占拠するわ、そのまま手ずから菓子もりもり食うわと狼藉三昧。
そのくせ口先だけ悪びれてみせる小娘一名。
なんでだか俺らもその状況を当然面して受け止めてるから困る、いや別に困らんが。
「でも良かったあ。来てみたら意地の張り合いしてるんだもん、
 どうなるかと思ったよー。んや、どうもなるはずないって思ってもね?」
「ふふ、ごめんなさい。心配かけちゃったわね」
「ま、おかげでこの調子だ。安心してくれや」
これまた当たり前みたいに、栗色の髪をわしゃわしゃと。
撫でられた方も素直に赤い目を細めて、喉でも鳴らしそうなご機嫌ぶりでなにより。
「うんうん、無理言ってもっぺん来てみたかいがあったよー。
 …おめでと。ずっと仲良くしてね? そしたらすぐまた会えると思うから」

■2-Final
「…んが」
目が覚めると、実際に膝枕で寝てたのは他ならぬ俺だったらしく。
すぐ目の前にタイガの顔が…ってよだれよだれ! おまえもその姿勢で寝てんのか!
あ、垂れた。ぽたり。
「…んう?
 あ、あはは…ごめんごめーん。さすがにちょっと疲れたわね」
まず俺の額に垂れたやつ、次に自分の口元のを拭き取りながら苦笑い。
しっかし、また夢か?
「あー…また来てったか、あいつ」
まったく同じのが二回も出てくるってのも珍しい話だ、
俺が忘れてるだけの死に別れた妹でもいるのか?
「ふふ、夢じゃないかもしれないわよ? ほら」
つい、と目を向けた先には昼間貰った花束を生けた花瓶が飾られてある。
その中に一輪だけ…季節外れな、寝る前まではなかったはずの赤い花を混ぜて。

「そんじゃまあ、お言葉に従って仲良くやってきますかね」
「ふふ、それじゃあ…今後ともよろしくね」

まあこんな次第だから、本当にすぐまた会えるんだろう。
誰だかわからんけど、そんじゃまた、だ。

御来賓各位の時間軸はかなり御都合優先にてお送りしております。あと基本無許可なので許さざる人は例の角度で叱っていただきたく。
コメ欄でも//でも都合のいい方でおっけー


こんな感じで地味な男だ Edit

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  • 身長:175cm 体格:平均的 髪:焦げ茶色
  • 特殊設定一切なし、この街ではむしろ希少種かと思えるほど一辺の隙もない一般人。それはもう地味だ
  • 地道に生きてきたがあまりにも華のない未来予想図に落胆して冒険者に。動機も地味だ
    • 派手な活躍で名を上げて地味人生から脱却したかったようだが開き直った
  • 性格は至って普通、浮くのではなくむしろ溶け込んで埋没するタイプの地味だ
    • ついでに言うと割と勢い任せなバカ
  • 本来家名は持たない。冒険者登録の都合上、出身地名を姓がわりに書き込んだ
  • ステータスがやたら平坦だ、まったくもって地味だ
  • 引退後、クレメンティスト孤児院にて妻(タイガ)・娘(アレット)・三人の孤児(イリス・アド・ウェル)の6人家族で暮らしている
  • 元自宅お隣にやたらマイペースで物事に動じない世話焼きのおばちゃん(マギーさん)がいて、今もときどき様子を見に来る

その棚には頂きものが並べられている(描いた人敬称とか中の人とか略) Edit

背後霊ぶっちゃけタイム 二重斜線とかああいうの Edit

  • ベントレーに会った次の日には名前を忘れていたと言われ
    この際だから意図的にそういうポジションに持って行こうと目論んだが、飽きた
  • 初期イメージは動いてるうちに合わなくなったので忘れていただきたい
  • http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst016147.jpg 手持ちっこ相関図

日記ログ  現役時ステ絵 


Ending-1 『みたいなもの』の6文字が外れるまで Edit

■1-8

…とまあそんな調子でお互いの部屋を行ったり来たり、毎晩のように繰り返して
タイガは給料を払わなくなって、俺は家賃と食費を納めるのをやめた。

http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst039775.jpg

「なあ、おまえさ、子供できるの怖かったりするか?」

「前はね。どんな風に生まれるかもわからないし、わざわざ不幸になるために、って思うじゃない?

 …でも、たぶん大丈夫。きっと、大丈夫」

二回言った「大丈夫」の意味は、多分それぞれ違うんだろう。

■1-7
テントの中でそればっかり考えてたから、次から次へ驚くくらいスラスラと出てきた。

とはいってもやっぱりその言い回しは下手くそで、
こりゃ違うなって言い直したり、同じこと何度も繰り返したり。

タイガはと言えば、くるくる表情変えながら相槌打ったり謝ったり。
ところによってはそれ勘違い、と訂正求めてきたり。
で、どうも外見方面に触れないのが気になったのか、
「私、あんまりスマートじゃないけど…がっかりしない?」
これはこれで抱き心地ふかふかしてて俺は好きだがなあ…
なんて答えたら、なら思う存分味わうがいいとサバ折り炸裂。死ぬ。どうしろと。

で、おまえは俺のどこがいいんだ? と息も絶え絶えに聞いてみた。
俺からしたらそっちのほうがよほど謎だ。
「…言わないとわからない?」
おまえそれオウム返しじゃねーか! 俺にばっか言わせて敵前逃亡か卑怯者め!!
「あー、ちょ、ちょっともう眠いなー! つ、続きは明日ってことで、ね?」
ええい許さん…ってホントにもう寝てやがるコイツ!?

■1-6
目を覚ましたら屋根があった。
どうも扉にもたれかかって寝てて、慌てて引っ張り込んだそうだ。
「あんな雨だったのに何してるのよ、もう…鍵なんて閉めてなかったのに」
…止んでなかったか? ああそうか、やっぱりありゃ夢かな。
夢か、と言えば。
あーとタイガさん? 顔が近いんです、が…なんで同じ布団の中で寝てますか…?
「え、えっちなことはしてないわよ? …身体、すごく冷えてたから」
ま、確かに着てるモノはほとんどそのまんまだしな。
大して濡れてこそいなかったが、まる一日続いた雨で気温がかなり下がってたらしい。
「さ、それじゃ思う存分言いたいこと言い合いましょうか!」
ってこのままでか!?
「いいじゃない。前は私が途中で寝ちゃったし…ここなら面倒もないでしょ?」
くすくす笑って言う。ちくしょう色々見透かしてやがるな…!

「ねえ、気になってたんだけど…私の何がいいの?」
まずはお互い謝り倒して、次に言いたいこと言い合って、それからそんなコト聞いてきた。
言わなきゃわからんか? と言えば、わかってないかもしれないもの、と返す。
全部吐くまで寝かせないわよー、とか脅迫じみたことまで言う。

じゃあ長えぞ、おまえこそ寝られると思うなよ、そう前振りして昔話の続きを始めた。
初めて会ったときまで遡って、ひとつひとつ思い出しながら。

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■1-5
「…なにしてるの? こんなとこで」
歳はだいたいチビたちと同じくらいか、茶色の髪と赤い眼の女の子だった。
他にパッと目につくような特徴はない…言っちゃなんだが良くも悪くも無難ってか、地味な子だ。
「…おか…奥さんと、ケンカでも…した?」
返事も待たんで勝手に入ってきた割に、そういうこと聞くのは気まずいらしい。
まだ奥さんじゃねえなあ、と苦笑いして返す。後半は否定しない。
「そっか、まだなんだ」

外に出ると、あれほど強かった雨はいつどこに行ったのか。
周りが十分見えるほどの月明かりの下で、その子はきゃっきゃと駆けずり回る。
庭のブランコやら突っ立ったロバートやら、いちいち「うわぁ」だの「へぇ」だの
感慨深げにしたかと思うと、また次のターゲットへと移動して。

一通り制覇したあとは、テントに戻ってダラダラと話をした。
無防備にも俺が胡座かいたその上にちょこんと座って、ここの暮らしを根掘り葉掘り聞いてくる。
俺も俺で、なんでか膝からどかす気にも疑う気にもなれずでべらべら喋る。
そりゃもう、そうかンな事思ってたんだなあ俺、ってくらいむき出しの本音だ。
「あーもー、よっくわかりましたー。仲良くしなきゃダメだよ? …ふふ」
ゴモットモデ。
「じゃないとあたしが困っちゃうからね? またねー、…」
…あれ。
最後に俺のこと、なんて呼んだ?


■1-4
そんなことばっか考えたり思い出したりしながら、二日ほど過ごした。
天気が良かったから出来たことでもあるが、あいにくと今日は朝から小雨で、
日が落ちる頃には飯の調達にも難儀するようなざんざか降りときた。

…謝らにゃならんとは思ってても、雨に負けて言い出したみたいでバツ悪りい。
そんなつまらん意地と空きっ腹を戦わせながら、どうにか寝付こうとした時、

ぼすぼすと、外から入り口を叩く音がした。

■1-3
酒場で初めて見たあいつは笑ってた。
最初の最初はともかくとして、最後には。

けど、そのあと見かけた顔は伏し目がちでいる方が多くて、
どうにかあの時みたいに笑わせてやろう、とあれこれ仕掛けたっけ。

別にその甲斐あってでもないんだろうが、だんだん明るくはなった。
今から思えばそれも無理して上っ面だけだったかもしれんけど、
それでも笑ってるとこはよく見かけるようになった。

そしたらそれで満足って訳でもないもんで、
今度はそれを俺に向けて欲しい、その次は独り占めしたい、と。
…なんともまあ、単純で欲深だな、俺。

■1-2
http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst035298.jpg
…何してんだかなあ、俺。
寝付けないでいるもんだから、ついあれこれモヤモヤと考える。いや逆か。
…まあ、例の晩飯の影響で色々アレだったりとかもあるんだが…

何してんだって言や、なんでこんな事になってんだっけ。
今夜のこの状況じゃない、そもそもここでこうして暮らしてる事が、だ。

「なんでこんな面倒な女に惚れちまったかな」
エイラにもそう言ったが、なんでだったっけか、実際。

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■1-1
事の発端はこんな、一見しょうもない喧嘩。
なんとなく「ん」が全部カタカナで聞こえるのはなんでだ…

そんなこんなで、お互いもう何言ってんだか不毛な言い争いを小一時間。
気がつくと、俺は庭にテント張ってそこで寝る事になってた。
ニンニクてんこ盛りの晩飯自体はアドの差し入れ(こっそりか黙認かはわからん)で
食わせてもらったわけだが、

…そこで今さら「誰のためにこんな」の意味に嫌でも気付く、
というか、まあ、わかってなかったわけじゃないんだが…なあ。


伝言板 背後霊に直接言いたいこととかこの下にどうぞ Edit


Last-modified: 2011-03-08 Tue 03:27:33 JST (3116d)