名簿/515191

  •   Chapter:1   荒野の果てへ
    • (冒険者としての知識・実力を十二分に身に付け、無事卒業することが出来た彼女は友人と共に街を出る)
      (彼女たちが過ごした学園を最後に見たのは山の上、冒険者たちの街とその外縁部にある学園は彼方遠くミニチュアの街のようにも見えた)
      (いつかここに戻ることもあるのだろうか、そんなことを考えてアサギはエミッタと共に自分の軌跡を辿るように荒野を目指す)
      (彼女の里は荒野を越えた北西の山間部にある。荒野を越える旅は難を有し、アサギは金銭を払って行商の馬車に同上する形で冒険者たちの街へと来た)
      (だが不運なことにこの時期行商の馬車は通ってはおらず、彼女たちは徒歩での旅で荒野を渡る事となった)
      (荒野の果てを目指した女二人の旅、危険は有するが信頼を結んだ彼女たちは何よりも心強かった)

      …大丈夫、エミッタ? 水渡しておく? -- アサギ 2014-08-19 (火) 21:39:33
      • ありがとう。だが、まだ大丈夫だ
        (自分を気遣うアサギに笑みを返す。言葉は強がりで無く本当の事)
        修学旅行で行った砂漠に比べれば全然楽な環境さ、ふふっ
        ここでまた学園での経験が役に立つのはありがたい事だ
        (そんな事を話しながら荒野を進み続ける) -- エミッタ 2014-08-19 (火) 21:54:12
      • でも油断はしないで。乾燥してると水分の蒸発が早いから、喉が乾いてきたと思う前に水分を取らないと辛くなるから
        (一度は通ってきた道、だが今度は時間を掛けてここを渡る事となる)
        そういば、エミッタの故郷はどの辺りになるのかしら。来たときは馬車か何かで? -- アサギ 2014-08-19 (火) 22:02:46
      • ふむ、そうだな。ではもう少し補給をしておこうか
        (アサギの差し出した水筒を受け取れば水を一口)
        (普段はあまり味を感じない水が美味く思えるのは自分の思う以上に喉が渇いていたと言う事なのだろう)
        美味い…ん? あ、私は列車の旅だったよ。それでもあの街(酒場の街)からはまる一日ほどかかるかな?
        さらにそこから、馬車等の車両で北へ…… -- エミッタ 2014-08-19 (火) 22:18:15
      • 列車で一日となると私よりも遠いのかしら?
        北ということは雪が降っているんでしょうね。私のところも寒冷なところに入るけど、街からの蒸気のせいで寒くは感じず、雪も見たことがないの
        (だが今の季節ならばそれも見ることがないでしょうけどと肩を竦めれば、自分も水を一口) -- アサギ 2014-08-19 (火) 22:22:54
      • 多分な? それでも魔導機関等の発達で随分時間が短縮されたらしいが…なんにしても遠いには変わらないな
        雪か…街の中は君の所と同じ様に少ないが、周辺は森が多くてね? 冬の時期は街から一歩出れば真っ白だった
        ふーむ、アサギの目的を達成したら…今度は私の故郷の方に行ってみるか? -- エミッタ 2014-08-19 (火) 22:31:56
      • 羨ましいものね。私たちはルーンフォークの里ということもあって外部の接触は最小限、研究者などは受け入れてるけども…
        (良くも悪くも閉鎖的なのだと言う。遺跡からの技術の発掘と復元は場合によっては一国を左右しかねない)
        (それゆえに自治州として独立性を保ち、積極的な交流を控えているのだという)
        目的を果たせたら…あなたが過ごした景色、見てみたいものね。ふふ
        (だが斜陽が掛かり、これ以上歩くよりも野営を張る方がいいと判断をして周囲を見渡す)
        ねえ、あの岩の裾の辺りとかどうかしら? -- アサギ 2014-08-19 (火) 22:57:20
      • …私の故郷とは逆だな…技術を外交の手段としている
        だが争いの火種は国の外でなく内から生まれてしまったのだから皮肉なものだ
        (エミッタの故郷は遺跡からの遺失技術を外交の手段としている)
        (その利益で国は潤ったが、それらの利権をめぐり内乱が起きたと説明する)

        …もう何十年も昔の話だがね? だから、安心して君に故郷を見せる事が出来るよ
        (肩を竦めたのち、笑みを浮かべる。さらなる目的が出来た事の嬉しさ)
        ん?うむ、あそこならば休むに丁度良さそうだ、今夜はあそこで野営だな -- エミッタ 2014-08-19 (火) 23:18:46
      • (野営を決めると二人は野営を張る準備を進め、手馴れた動作で焚き火や寝床の確保を行う)
        …本当にあの学園で学んだことが生きてくるわね
        最初は自足の生活なんて驚いたけど、お陰でこうして野営を張ることも出来るもの
        (荒野といっても枯草などから燃やすことはできる。火種から焚き火の準備を進め、エミッタには今夜の食事をお願いしていた) -- アサギ 2014-08-19 (火) 23:23:43
      • まったくだ、知識があれば出来てしまうのだから不思議なものだな
        (背負い袋から携帯用の調理器具を取り出せばさっそく夕餉の支度にかかる)
        (長期保存可能な熟成肉を切り分けると広げたコッヘルに乗せ焼き始め)
        (水はなるべく飲料用に取っておきたいが、それでも夕食時に茶が欲しくなるのは人の性)
        (なので二人分の水を入れた鍋を火にかける)
        こうしていると…臨海学校を思い出すよ、もっともあの時は自分達で食材確保の必要があったが -- エミッタ 2014-08-19 (火) 23:41:40
      • 臨海学校のときは…、洞窟に入ったらゴグがいてゴリラがいて…彼がゴリラを消毒してそれを持ち帰ってみんなの食事に加えたりしたわね
        離れてみると分かるけど、騒がしい生活ではあったのが無くなると寂しいものね
        (喧騒ともいうべき学園生活、歩けば訓練に勤しむ音、生徒たちの談笑が脳裏に浮かぶ)
        (だがそれとは対照的に何もない荒野での音は限りなく少ない、陽が沈んで夜となれば静寂が彼女たちを抱くことだ)
        エミッタは、学園生活。離れてみてどう? やっぱり寂しいかしら -- アサギ 2014-08-19 (火) 23:55:52
      • 虎もいたな、向こうから去ってくれたが…今思い返すとあの島は猛獣だらけだな!?
        そんな危険も今では笑い話の一つか……
        (アサギの言葉で思う。当たり前の様になっていた騒ぎしい日常がすでに思い出になっていると)
        (記憶に残るばかりの過去の出来事になっていると……)
        うーむ…そうだな、寂しいのかもしれないな……
        (肉を焦がさない様に返しながら呟き告げる)
        時が流れるのは止めようが無い事、それでも過ぎ去った時間を思ってしまう
        それが濃い時間であっただけ、余計にな……
        …アサギ、今、君が側にいてくれてよかったよ…… -- エミッタ 2014-08-20 (水) 00:09:47
      • 私にとって人との付き合いは最小限にと思っていたけど、気付けばみんなに振り回される形になってたわね
        (特に同室のアイには苦労させられていつも彼女の無茶を止めていたと苦笑いをする)
        だけどみんなにはそれぞれの指標や目的があってそれぞれの道へと移って…
        あの場では強がりは言えたけど、本当はやっぱり寂しく思う
        (焚き木の火が跳ねる。ばちん、と)
        私も今、エミッタがいてくれて嬉しい…。改めてありがとう、私に付き合ってくれて -- アサギ 2014-08-20 (水) 00:19:49
      • アサギは相部屋だったな、私は結局一人部屋のままであったなぁ…その辺り少し勿体なかったかもしれない
        (思い出を語るアサギの顔を見れば相部屋での日々が楽しかったのはみて取れて)
        まぁ…な、わかってはいるが、学園の時間がずっと続けば良かったなんて思う自分もいて…ん、いかんな
        (ふっと遠い目になるも焚火の音で我にかえり苦笑を浮かべた)
        ああ、私の方こそ誘ってくれてありがとうだ、学園での日々はもう思い出になってしまったが
        また新しい思い出を作って行く事が出来そうだ、そのためにも今は食べよう
        (こくり頷けば焼き上がった肉とパンを皿にのせ 、そして紅茶の入ったカップをアサギに)
        (パンの上には蕩けたチーズが良い香りを漂わせている) -- エミッタ 2014-08-20 (水) 00:35:15
      • …そうよね。私自身が言っていたように振りかえって叱咤することはあっても前に進むことを忘れたらダメよね
        (気付くと陽は落ちて、焚き火を囲む少女二人以外に灯りはなくなっていた)
        (岩場を陰としているので必要以上に灯りを漏らさず、これから交代で夜番をする事となる)
        (その為にも昼間に失った体力を取り戻すべく、パンを口にすると焼けたチーズ香ばしさが食欲をそそってついつい手が進んでしまう)
        (それを落ち着けるように紅茶を口にすれば胸も温まり、ほっとして頭上を見上げると)
        あ。エミッタ、ほら見て
        (頭上を指すと満天の星空が広がっていた。荒野の乾燥した空気が遮るものなく、夜空を映し出してくれているのだろう) -- アサギ 2014-08-20 (水) 00:48:38
      • ああ、思い出はこの胸にしっかりと刻まれている。立ち止まってはその思い出を汚してしまう
        (こくり頷けばエミッタも早速食べ始める。野営での食事は冒険で何度も経験があるが)
        (二人で食べる食事は普段よりも何倍も美味に思えて)
        ん? ああ…星でいっぱいだ……
        (アサギの言葉に手を止め見上げれば、そこには満天の星空)
        (手を伸ばせば届きそうな程に輝きに満ちた天)
        (街中では薄くしか見えない天の川もここでは光の河が天を横切る様で)
        (ただただ、その美しさにはため息しか言葉に出来ず) -- エミッタ 2014-08-20 (水) 01:04:16
      • 里から出てこの道を通ったときは見上げることなんてなかったけど…
        こうして見上げて感慨に浸れるのは私に余裕が出来たお陰なのかしら
        (二人で夜空を見上げて幾許かの時間、まるで映画でも見るかのように二人は星空に飲まれていた)
        …あと数日歩くことで山麓の村にはつけるけど、そのたびにこの夜空を見れるのかしら
        (だがそのときぶるりと身が震える。砂漠と同様、荒野は昼夜の温度差が激しい)
        (秋口の季節ではあるが、日中は夏のように暑く夜は初冬のように冷え始めていた) -- アサギ 2014-08-20 (水) 01:24:48
      • 余裕か、私も色々な物を見落としていたのかもしれないな……
        (星空に手を伸ばす。届きそうで届かない星達、それでも見上げる事でその美しさを知る事が出来た)
        この星空を見れると考えれば、この荒野を行くのも悪くないかも…ん?
        そろそろ冷え込んで来たな……
        (焚火に枯れ木を放り込み少しだけ火を強める)
        今夜は私が先に番を勤めよう、アサギは少し身を温めた方が良いかもしれない……
        私は北方の出身だから寒さには…くしゅん…毛布を出した方がいいな……
        (くしゃみ一つ。ハンドタオルで鼻を拭うと照れた笑みを浮かべた) -- エミッタ 2014-08-20 (水) 01:45:51
      • ごめんなさい…。言葉に甘えさせて貰うけど、エミッタも無理しないで
        (毛布を外套のように羽織ると身を巻き、エミッタにもそれを手渡すと彼女の隣で横となって薄っすらと瞼を瞑る)
        (焚き木の爆ぜる音が響き、炎の揺らぎが眠りに誘う催眠となる)
        …ねえ、エミッタ。もしだけど……
        (先ほど、学園から離れたことで感じる寂しいという感傷、新たな旅立ちを受け入れる度量についての考えを語った)
        (だがその両方を受け入れて尚且つ矛盾して相反する気持ちがアサギの中では生まれていた)
        できれば、ずっと… (言いかけたが、その先からの言葉は飲み込む。感傷に浸ると言葉が滑りやすくなると自制を働かせたのか)
        …ううん、ごめんなさい。なんでもないわ、おやすみなさい……
        (気持ちを静めるようにその後は何も言わず、瞼を強く瞑ることで睡眠に入ろうとする)
        (やがて小さな寝息を立てて眠りへと落ちたアサギがいたことだ) -- アサギ 2014-08-20 (水) 01:59:38
      • ふふっ、無理はしないさ、まだまだ先は長いからな?
        (アサギに笑みを向け頷けば、自分も受け取った毛布にくるまり。そして機甲剣はすぐ側に)
        ん、何かな? …もし…?
        (夜番の準備を整えるエミッタの耳にアサギの声が届いた)
        (寂しさとも戸惑いとも様々にとれる声。「もし」その言葉に何か大切な物がこめられている様な気がして)
        ……あ? ああ…おやすみなさいだ……
        (しかし紡がれようとした言葉は途中で止まり、やがて聞こえてくるのは小さな寝息)
        ふぅ…ずっと…か……
        (小さく吐息した後、誰にでもなく呟いた。知らずと緊張していたのか身が硬い)
        (肩を小さく回し身を解すと、アサギが何を言おうとしたのか…そんな事を考えながら夜番を務めるのであった) -- エミッタ 2014-08-20 (水) 02:30:38
  •  
  •   Chapter:2-1   ミスト・ロザリア
    • (一週間以上に渡って歩きとおしてきた彼女たちの旅の終着が見える)
      (麓の村より山を歩き、尾根よりアサギが指差した方向にその集落はあった)
      (最初、それは雲であるかのように見えた。だが雲は一箇所には留まらない)
      (山の窪地に留まるような白の霧、時折その雲の切れ間には灰色の無機質な建物が見え隠れする)

      あれが、私の故郷。“灰色の里(ミスト)・ロザリア”よ -- アサギ 2014-08-20 (水) 22:26:04
      • ん? ……あれが、アサギの故郷…“灰色の里(ミスト)・ロザリア”……
        (アサギに顔を上げ指差す先を見やればそこには不思議な光景があった)
        (霧の合間に見える建物群。それはまるで雲に浮かぶ神殿の様で)
        (なのにどこか無機質で、白き夢の中を漂う灰色の世界……)
        …不思議な光景だ、これを見れただけでも、ここに来た価値がある様に思える -- エミッタ 2014-08-20 (水) 22:46:43
      • 価値があるなんて、嬉しいけどまだ早いわよ
        (彼女が街の中を見たらどうなるか、そんな期待を込めて尾根をくだって盆地を目指す)
        (集落に近付くにつれて木々も増えるが霧もまた立ち込める)
        (霧は中心から外縁に向けて流れ出しており、それが人工物であることをエミッタに匂わせていた)
        (そしてもう一つ、森の地表には人工物が露出しており表面が崩れ落ちていることから悠久の年月を伝える)
        遺跡の断片が見えるでしょ? 昔、この窪地全体が何かの施設だったみたいなの
        今では朽ちてる場所が殆どだけど、たまに生きてる区画が出土することから盗掘を目的とした人たちも来るの
        (でも、と告げると霧がより深くなって五里霧中の様相を示す。恐らくこの霧が盗掘屋を迷わせるのだろう)
        (道を知らないエミッタが迷わないよう、彼女の手を繋いで先を進む) -- アサギ 2014-08-20 (水) 23:20:14
      • ふふっ、そうだな、どんな街なのかますます楽しみになってきたよ
        (期待が大きいのはエミッタも同じ。アサギが度々語っていたルーンフォークの街ミスト・ロザリア)
        (その街をいよいよ見る事が出来ようとしているのだ。期待に胸が膨らみ、歩を進める速度も早くなる)
        この窪地全体が? それはよほど大規模な施設…あるいは都市だったのだろうな……
        それでここにまでこんなに濃い霧が…これは迷子にならない様にしないとな……
        (霧の奥へ進む程に左目のモノクルにノイズが走る。エミッタのモノクルは解析用機能を搭載した魔導器)
        (その機能の一つ方位センサーがデタラメを示し安定しない)
        (白い世界の中で唯一すがれる存在、アサギの手をつい強く握ってしまう) -- エミッタ 2014-08-20 (水) 23:44:32
      • (エミッタの手を握って先導するように枝葉を分けると、彼女らの目の前を切迫する一面の灰色があった)
        (その正体は壁、二階建ての家屋ほどの壁が視界の端から端まで続いているのだ)
        (エミッタはそれに呆気に取られるかもしれないが、アサギはその壁を見据えてまるで何かを待つかのように…)

        『──── 警告。許可なき立ち入りは認められていません、許可コードの提示を願います』
        (頭上、壁に埋め込まれたレンズ体の魔導機より声が響く)
        (エミッタはこれに警戒するかもしれないが、アサギはその手を握り返すことで大丈夫と告げる) -- アサギ 2014-08-21 (木) 00:07:27
      • 壁…城壁か…?
        (城壁にしても何か違う。無機質な灰色、まるで大きなペンで線を描いた如くの壁)
        (それが行く手を阻んでいるのだ)
        アサギこれは……な…!?
        (アサギに問いかけ様とした所で別の声がエミッタの言葉を止めた)
        (見上げれば二人を見つめるレンズ)
        (ただただ驚くばかりのエミッタを落ちつかせたのはアサギの手)
        (言葉は無くとも、それだけでエミッタに伝わる) -- エミッタ 2014-08-21 (木) 00:24:03
      • …コード、0372。鐘は二度鳴らされたし
        (暗号めいた言葉を冷静に口にし、レンズを見上げたまま微動だにせず)
        『─── コード認証。アサギ・タカシロの帰還を確認、おかえりなさいませ』
        (レンズからの声が穏やかなものとなり、灰色の壁の一角が割れる)
        (これも防犯システムの一つだったのだろうか、一見すれば壁面の一部でしかないのが後ろへと下がって扉が開く)
        (通路の奥、光が見えてアサギがエミッタの手を引くと)
        ごめんなさい。あそこで認証して貰えないと中に入れないの
        さ、行きましょう -- アサギ 2014-08-21 (木) 00:49:41
      • …ふぅ……
        (緊張したまま手を引かれ。壁の内部に入った所でやっと息を吐いた)
        いや、いいんだ
        私も遺失技術の発掘に携わっていた身、侵入者に厳しくなる気持ちはよくわかる
        それにしても、大規模なシステムだ、この窪地全体がかつて施設だったかもしれないと言うのも納得だ -- エミッタ 2014-08-21 (木) 01:03:58
      • 私たちの街は遺跡の上に立ってるのは前にも話したけど、中心地は現存を留めていて私たちがセキリティを復元したの
        壁は遺跡のものを利用してるからこの中の遺跡は重要区画にあたると推察されてるけど…
        (トンネルの中を通る、直線にして30mにも満たないが期待感からその距離は数倍にも感じて)

        ──── 今は私たちの街、ようこそ。ミスト・ロザリアへ
        (暗がりから白昼へ、エミッタの視界に現れたのは遺跡とは思えない近代的な街並みだった)
        (通りの左右を家屋で挟むが機能を優先で作られた建物は飾り気がなく、どの家屋にも煙突がついており白煙が噴き上げている)
        (人通りは少ないが音はやまず、金属の加工音や機械の作動音と思わしき喧騒が街を彩る)
        (ここがアサギの故郷、ミスト・ロザリア。隠れ里の工房研究都市なのである) -- アサギ 2014-08-21 (木) 01:30:22
      • つまり、まだまだ不明な点も多いと言う事だな…ますます楽しみになってきたよ、ふふっ
        (旅の目的でもある遺跡下層部もアサギ達がまだ知らなかった領域)
        (この先はエミッタにとって初めての地、高まる気持ちを押さえながら歩を進める)

        お? おおっ……
        (その近代的な街並を見れば、言葉が止まり息を飲む)
        (遺失技術や各種先端技術に馴染みのあるエミッタでもこれほどの街は見た事が無い)
        (加えて、これが遺跡だと言うのだから驚きはさらに深く)
        これが…ここがアサギの故郷、ミスト・ロザリア…… -- エミッタ 2014-08-21 (木) 21:27:48
      • (故郷を懐かしむアサギと呆気に取られるエミッタ、呆然とした二人を横から呼び止める声がある)
        「おかえりなさい、アサギ」
        (詰所と思わしき壁の部屋より出てくるのはアサギと同じ格好をした女性、耳元を無機質なカバーで覆うことからエミッタはこの女性もルーンフォークなのだと知れることだろう)
        (アサギはそのままその女性と挨拶を交わし、留守にしていた間の事情を聞く)
        (事情を聞くその表情は芳しくなく、事態は思っていた以上に急を要するというのだろうか)
        (だが見張りの女性が後ろのエミッタに気付くと、会釈をして)
        「未認証の同行者がいますが、これはアサギのマスターとなられた方でしょうか?」 -- アサギ 2014-08-21 (木) 21:36:10
      • ふむ、アサギの知り合いか? まぁ、久しぶりの帰郷ならば積もる話もあろう
        …そんな内容でもなさそうか……
        (アサギとルーンフォークの女性の会話をじっと身守る)
        (しかし耳に聞こえてくる会話は、決して思い出に弾む様な内容で無く)
        (里の状況と経過報告が中心の硬く重い物であった)

        ああ、こんにちわ…え、マスター?
        (女性がエミッタに言葉をかけてきた)
        (慌てて姿勢を正し会釈を返すも、続く言葉に首を傾げてしまう) -- エミッタ 2014-08-21 (木) 21:53:06
      • 「違うのですか? 外界へと降りた仲間は人を雇うかマスターとなる人物を同行させるかだと思ったのですが」
        (アサギが言葉に困って居心地を悪そうにし、見張りのルーンフォークに「また後で」の魔法の言葉を言うとエミッタの手を引いてアサギは通りを急ぐ)
        (大通りに人の姿は少ないが、その代わりに至るところで円筒の魔導機が自走しているのを見かけることができる) -- アサギ 2014-08-21 (木) 22:03:12
      • あー…おぅっ!?
        (エミッタもまた返答に困ってしまう。自分とアサギは友人あるいは……)
        (ここはどうするべきか…そんな事を考えているうち手を引かれる)
        (今は保留とばかりに、女性に小さく手をふりながらその場を後に)

        …えー…あ、あれはなんの魔導器だろうか…?
        (先の事に対しどう質問するべきか迷った結果…目に止まった魔導器への質問していた) -- エミッタ 2014-08-21 (木) 22:22:04
      • (アサギも言葉に困っていたのでエミッタからの質問は渡りに船であった)
        あれは清掃用の自立魔導機よ。ほら、見てて
        (円筒の魔導機の前にゴミが転がっており、機械は一度立ち止まるとそのゴミを飲み込んで底に取り付けられたブラシで地面を掃くのだ)
        あれも遺跡から発掘して復元した魔導機よ。量産されて街中に配備されてるからミストロザリアの路上は常に清潔で保たれてるの
        だからといってこの都市には路上でゴミを捨てるような人なんていないけど
        本当は研究室などにも配備すべきなんでしょうけど、散らかってる現場も「考えておいてるんだ!」って怒る人が大勢いて
        (乱雑な研究室であっても技術者たちからすれば効率的な配置という小噺であった) -- アサギ 2014-08-21 (木) 22:32:49
      • 清掃用の魔導機を街中で? しかも、あんなに多く配備しているなんて……
        ここは本当に技術の街なのだなぁ……
        (エミッタも清掃用の魔導機は見た事があったが、その多くは屋内用の高級品で)
        (それがこの街では当たり前の様に屋外に配置されている)
        確かに屋内で使うには難しいだろうな
        実際、私の部屋も計算の上で配置だったからな(こくこく)
        (妙なアップテンポで会話を進める。やはり先程の女性との事が気になっている部分はあって)
        (それでも、アサギならばいずれ語ってくれるだろうと……)
        (そんな事を心の隅で思いながら街中を歩いて行く) -- エミッタ 2014-08-21 (木) 22:45:53
      • でも整理整頓も大事よ。でないと物が無くなったときに困るから
        (そんな取り留めのない会話、アサギは最初に寄るべきところに悩んだが…)
        やっぱり遺跡に潜るにしても準備するにしても、“総主任(リーダー)”に話を通しておくべきね
        (こっちと案内をすれば里の中心部に聳える塔があった。いや塔と呼ぶよりもビルジングと表現するべきだが)
        (その建物は半壊して折れていることから元は倍以上の長さがあったのだろうか)
        ここは中央技術局、里の中心にあって大きいからここを改装したんだけど
        いずれはここも復元するのが私たちの夢。…でもその前にすべきことがあるもの
        (ジェネレーターの修復とインフラの回復、その主眼があるとして) -- アサギ 2014-08-21 (木) 22:58:03
      • 大丈夫大丈夫、論理的に配置すれば無くす事なんてめったにないさ
        (めったにというのがポイントであった)
        ふむ、最初の目的地はその“総主任(リーダー)”の居る場所だな
        (アサギと共に街中を進んで行けばやがて街の中央、巨大な塔の麓へと至る)
        中央技術局、ふぅむ…遠くからでも高いと感じたが、ここからだとますます……
        古き時代にはどれほどの高さがあったのだろうな……
        (目に手を翳しその頂を見上げれば、古き時代の技術の高さが伺えて)
        やる事は山積みなか、まずはジェネレーターの修復だな! -- エミッタ 2014-08-21 (木) 23:18:06
      • (エミッタに頷くと正面入り口の自動門を抜けて中央技術局内へと進む)
        (両引きの自動門を抜けるとカーペットの敷かれたエントランスホールが広がっており、正面には窓口となる受付のルーンフォークたちもいる)
        (技術局とはあるがこの里の庁舎であり、外からの来訪者や交流を行うために整備してあるとアサギは言う)
        (窓口のルーンフォークにアサギが挨拶をし、総主任に取り次げないかを確認すると幸運にも今から話を通すことが出来るようだ)
        (アサギの先導でこの里のリーダーの執務室の前へと向かい、扉を抜けると白銀の髪をしたルーンフォークの青年がいた)
        (メガネを掛けて知性に溢れるその顔立ちはまさしく技術者そのものだが、机の上に置かれた役職には“市長”とあった) -- アサギ 2014-08-21 (木) 23:34:35
      • 外もだったが、屋内はさらにだな……
        それを整備し使える様にしたルーンフォーク達の技術にも驚きだよ
        (故郷で遺失技術を発掘していた身だからこそわかる)
        (これらの再生利用にどれだけの労力と時間がかかったかが)
        (そんな感想を呟きつつ中央技術局内の通路を進んで行く)
        さて、いよいよか……
        (身なりを整え居ずまいを正すとアサギに続き執務室内へと……)
        (そこには市長と書かれたプレートと…青年の姿) -- エミッタ 2014-08-21 (木) 23:49:29
      • 「よく戻ってきれくれた、アサギ。そしてお連れの方…、私がこのミスト・ロザリアの“市長”のピートだ」
        (どこか品の良さを感じさせる立ち振る舞い、この里のリーダーにあつらえるには不足ない人柄をエミッタに与えたことだ)
        (しかしそれを遮るようにアサギが疑問の声を、) …市長? この村のリーダーの役職は“総主任”じゃなかったのかしら
        (先ほどまでアサギはそう呼んでいた筈とエミッタも思うだろう。そのことに対してピートは苦笑で返した)
        「あれからロザリアと協力体制にある技術者や有識者を招いて対策を講じようとしたが、総主任がリーダー職だと外の住人との語弊があってね」
        「そこで恥ずかしながら“市長”に役職を変えて応対してるんだ。実務は何も変わらないがね」
        (楽にしてくれと言うとアサギは冒険者の学園にいたこと、その協力者としてエミッタを招いたことを説明する)
        (ピートは一考した後、エミッタへと向き直って問う)
        「エミッタさん、協力してくれることに感謝します。ですが…確実に危険は伴います」
        「表層のセキリティはさほど危険はありませんが、潜るほどにセキリティの質と攻撃性は増します。もし遺跡の中で何かがあっても…」
        (私たちでは対処ができない。救援に向かうことも難しいとエミッタの覚悟を問うものだった) -- アサギ 2014-08-22 (金) 00:16:55
      • よろしく市長…? 私はエミッタ・コレクベース…技術者そして冒険者をやっている…ふむ?
        (“市長”のピートと名乗った青年に一礼すれば、エミッタからも自己紹介を返す)
        (しかし、やはり気になるのは“市長”と言う役職)
        (そうアサギの説明では彼の役職は“総主任(リーダー)”だったはず)
        (その疑問はアサギ自身も気になっていた様で、アサギの方からピートへと質問が)
        なるほど…対外的な関係で役職名を…か……
        (とりあえずの疑問が解けた所で本題へと)

        ふふっ、愚問だな
        (ピートからの問いかけを聞けば凛と胸を張り。答えを返す)
        それを聞いた上で荒野を越えてここまで来たのだ
        それに私は冒険者と名乗った、危険は覚悟の上さ? なにより……
        (アサギの方へ視線をやれば笑みを見せ)
        アサギの…アサギを手伝うためにここに来た、今更怖気づいて引き返すなんて事はしないさ? -- エミッタ 2014-08-22 (金) 00:46:52
      • (アサギがエミッタのその言葉に静かに目を伏せて、かみ締めるように彼女の信頼を改めて実感する)
        (その様子を見てピートも険しくしていた表情を緩めて、二人に改めて向き直る)
        「君たちの信頼の是非を問うことはできず、ならば私から言うことはない」
        (アサギ以外で外界に出た者は連絡が付かず、アサギとエミッタだけで遺跡の奥を目指さなければならないことを告げる)
        (里の者でセキリティに耐え得る者は少なく、また仮に大人数で押し掛けるようならばセキリティを活性化させる恐れもある)
        「だからこそ君たちの援助は惜しまないつもりだ。エミッタさん、あなたの装備も含めた」
        (先ほどの説明の中には里の技術でエミッタのサポートスーツの強化案も含まれていた)
        (冒険者学校で培った知識・技術・経験を生かすのはこの任務において他ならない)

        (協力を確約したピートに別れを告げて部屋を出ると、エミッタに対してアサギは言う)
        …あなたがあそこで言ってくれて安心した。ありがとう -- アサギ 2014-08-22 (金) 01:05:44
      • そうか、ならばなおさら私…私達が行かねばならないな……
        なぁに、少人数での冒険には慣れている
        だが、十分に準備を整える必要があるな……
        (今回の冒険の厳しさを感じる。それでももう後には引けない、引くつもりはない)
        (だからこそ入念な準備が必要だと言う事を感じる)
        (学園で学んだ全てを生かし出しきるためにも……)

        ん、ふふっ、当然の事を言ったまでさ?
        それとも、アサギはあそこで私が「無理です帰ります」とでも言うと思ったのかな?
        (アサギの問いかけにクスリと微笑むと、いたずらっ子の様に問いかけてみる) -- エミッタ 2014-08-22 (金) 01:20:42
      • そ、そんなことないじゃない!
        (エミッタの悪戯めいた発言を真に受けて否定をするが、その意図に気付くと我に返って唇を噛んで堪える)
        ……次は私の部屋が残ってるか確認しに行くから
        (そっぽを向くように先へと急ぎ、ヒールをつかつかと鳴らして歩く姿は彼女も恥ずかしがったり怒ったりするといった表情の現われだったのだろう) -- アサギ 2014-08-22 (金) 01:46:53
      • おぅっ!?
        (感情を露わにし否定するアサギに思わず目を丸くし暫し呆然)
        (しかし続く表情の変化を見れば、それはエミッタへの信頼から来たのだと理解し)
        (今度はエミッタが慌ててしまう)
        少し、意地悪を言ってしまったかな…ああ、まってくれ
        (同時に自分に対し激しい感情を見せてくれた事が嬉しくもあり)
        (アサギの背にそんな事を思えば、急ぎ足でアサギの後を追うのであった) -- エミッタ 2014-08-22 (金) 02:02:27
  •  
  •   Chapter:2-2   ミスト・ロザリア
    • (エミッタを招いての帰宅、数年にも間を空けていた部屋は感慨の薄い無味なものであった)
      (アサギの家、それは中央技術から出て西にあるアパートメントであった)
      (規模的なものでいえば学園の寄宿舎のようなものだが、モルタルを打ち付けたままの建物は街の名前に合わせた灰色の印象を与える)
      (部屋だけが連なる宿舎、その2階にアサギの部屋があるのだが…)
      (室内にあるのは簡素なリビングソファーとテーブル、そしてベット)
      (家具や調度品が見当たらない、女性のものとしては味気のない部屋である)
      出たときと変わらず…ね -- アサギ 2014-08-23 (土) 22:21:31
      • お邪魔します…ほぉ、ここがアサギの実家なのか……
        (部屋に招き通されればぐるりと部屋の中を見渡す)
        (飾り気のない簡素で質素な部屋。ふと出会った頃のアサギを思い出す)
        (恐らく他のルーンフォーク達の部屋も似た感じなのだろう)
        出た時と変わらずか、ここを出て随分になるのだろう?
        過ごした部屋が残っていて良かったな -- エミッタ 2014-08-23 (土) 22:40:33
      • 本来なら街を出たルーンフォークの部屋は次の世代に渡されるんだけど…
        (しかしジェネレーターの故障、新たな世代が生まれて来ないという背景もあるのだろう)
        本当は書籍もあったんだけど旅に出る前に引き払ったの
        (定期的に手入れはされていたようで埃臭さというものはない。そしてエミッタは気付くだろう)
        (ベットもあるシャワーもある。だが…この部屋にはキッチンがないのだ) -- アサギ 2014-08-23 (土) 22:47:33
      • 次世代に?そうだったのか、残っていたら残っていたで複雑だな
        (ルーンフォークの慣習に従うならば)
        (部屋の住人の入れ変わりが無いのは種の停滞を意味する事でもあり)
        まぁ、書籍は放置すると傷みやすいからな…ふむ?
        (キッチンが無い事で思いだす。今でこそ当たり前の様に食事をしているアサギだが)
        (出会った頃は栄養剤を食事代わりに摂取していた事を)
        (そうなるとさらに気になる事が生まれる)
        一応の確認だが…この街には食事処等はあるのだろうか? -- エミッタ 2014-08-23 (土) 23:00:23
      • …ごめんなさい。エミッタの満足を得られる食事処ではないと思うけど
        シリアルサーバーが置かれた場所はあるわ (シリアル。オートフレークやコーンフレークといった健康食品であり、栄養剤以外ではルーンフォークたちが時間と健康の効率から好んでいる)
        でも一応、外界からの技術交流に来ている人間や他の種族の人たちは自室にキッチンを持ってるの
        (ただ少数派なのでこの街には生鮮食品を扱うのは一店舗しかないとアサギは申し訳なさそうに言う) -- アサギ 2014-08-23 (土) 23:07:40
      • いや、アサギあやまる必要はないさ。食事が可能ならば今はそれで十分だ
        滞在期間が延びる様ならば、その時はまた色々と考えよう
        しかし…食糧用のサーバーまであるなんて、本当にここは技術の街なのだな……
        (先程の街中にいた掃除用魔導機、今度は食糧供給用のサーバー)
        (他にもルーンフォーク達が再生した魔導機は多数あるのは容易に想像が出来て)
        とりあえず休憩を挟んで今後について話し合おうか?
        (背負っていた荷物を部屋の隅に置こうと……) -- エミッタ 2014-08-23 (土) 23:20:00
      • 技術はこの里の水準を引き上げたけど、私たちは自分たちの為ではないの
        いつか外界に技術を広めてもいいと判断したときに備えて研究を重ねてるわ
        (部屋の隅に荷物を置いて落ち着ける場所を探そうとしたときに彼女は気付いた)
        …あ、ごめんなさい。ベットが一つしかないわね
        私がソファーに寝てエミッタはベットの方がいい? -- アサギ 2014-08-23 (土) 23:29:02
      • ふむ、自分達よりも外界のためにと言う事か……
        (ルーンフォークが定めた主のために尽くす気質があると言うのは書物で読んだ)
        (今のアサギの言葉と合わせて考えるならば)
        (それは主が定まるまでは世界に尽くすと言う事なのだろうか……)
        ……ん? あ、そう言えばそうだな…?
        (アサギの言葉で思案から戻って来た。言われれば確かにこの部屋にベッドが一つしか無い)
        私はソファーで十分だ。私の方がアサギよりも体格が小さいからな、収まりも良いだろう
        (暫しベッドとソファーを見比べた後、そう返答した) -- エミッタ 2014-08-24 (日) 21:28:27
      • …納得できるけど、ただ……
        (数年空けていたとはいえここは自分の家であり、家主がベットに寝て客人をソファーでは些か寝心地が悪い)
        (長旅だったということもあってエミッタをベットに寝かせたいという気持ちが念頭にあり、いまいち承服しきれていない様子だった)
        本当に大丈夫…? 疲れてたりしないかしら -- アサギ 2014-08-25 (月) 00:48:34
      • ふーむ……
        (アサギの言葉に暫し思案。彼女の性格を考えればここで大丈夫と言っても納得しきらないだろう)
        (ならば……)
        そうだな…では、言葉に甘えてベッドを使わせてもらう事にしようかな?
        ただ、ここには暫し滞在する事になるだろうから、一日交代と言うのはどうだろうか?
        (地下遺跡の探索には入念な準備が必要となる事は考えるまでも無く)
        (ここまでの旅路でもそうであった様に、交代制にするのが良いだろうと……) -- エミッタ 2014-08-25 (月) 21:08:05
      • 一朝一夕にはいかない筈。あなたの装備のメンテナンスもあるから
        (交代制のベットに了承すると自身はソファーへと腰を落とし、息を深く吐く)
        (長旅の疲れもあるが数年ぶりの帰郷、そして代表との会話も含めれば心労は予想以上だった)
        ねえ、エミッタ。申し訳ないけど…今日は休んで明日からの活動ということでいいかしら -- アサギ 2014-08-25 (月) 21:50:18
      • うむ、私だけでなく君の装備の強化等もしておきたいと思っている
        やるべき事は多くあるが…まずは疲れを癒さないとな……
        (ミストロザリアには到着したが、あくまで目的の入り口についたに過ぎない)
        (考えるべき事、用意すべき事は山積みだ。しかし、今は長旅の疲れを癒すのが先)
        (だからアサギの言葉に大きく頷いた) -- エミッタ 2014-08-25 (月) 22:00:38
      • (ロザリアについたことが終着点ではなく、ここが始まりにすぎないのはアサギも重々に理解している)
        (エミッタのスーツの改良には技術局の知識が必要とし、また自分の銃などについても新調が必要だと)
        (だがその前に追加の毛布と疲れが取れる栄養剤を市場に求めにいくアサギの姿があった) -- アサギ 2014-08-25 (月) 22:07:11
    • ふぅ…やはり寝る前にシャワーを使えると言うのは良い物だな
      (ベッドに腰かけると大きく伸び。寝間着代わりの大きめのTシャツ姿)
      (旅の間は身を拭く程度であったので久しぶりのシャワーは心地良い物だった)
      ワインでもあれば最高なのだが、それは贅沢か、ふふっ -- エミッタ 2014-08-25 (月) 22:39:58
      • そう言って貰えると家に招いた甲斐もあると思えるわね
        (アサギはエミッタが入る前に試運転代わりにシャワーを浴びたが、数年ぶりでも使えたのはやはり里の技術の高さもあるというもの)
        ワインは…ごめんなさい。私たちの里ではあまり見かけないかもしれないわね
        (学園のときのクリスマス会、そのときにアサギは初めて飲んだというくらいなのだから酒というものがここにはあまり置かれてはいないのだろう)
        だけどここでは甘味が多いの。買出しのときに買って来たけど、あとの方がいいかしら?
        (荷物の脇、サイドテーブルに置かれた洋菓子の箱があった) -- アサギ 2014-08-25 (月) 22:57:09
      • うむ、来て良かったよ…今夜はゆっくりと眠れそうだ
        (にこりと笑みを見せる。温かいシャワーに加えアサギの部屋と言う安心感)
        (長旅で溜まった緊張が解き解れる様で)
        あ…気にしなくてもいい、気分的なものだからな…甘味…だと…!?
        (その時エミッタに電撃走る。寝る前だが甘味に飢えていたのも事実で) -- エミッタ 2014-08-25 (月) 23:14:46
      • (エミッタの驚きに少し戸惑いつつも、喜んで貰えるならと箱をリビングテーブルの上へと)
        (中身は洋菓子の詰め合わせ、しかし一般的なケーキよりもプティングのような装飾を着飾らないものが多い)
        この街だと技術職についてる人も多く、技術も肉体労働よりも机に向かった頭脳労働の方が多いの
        だから錠剤も甘みをつけたのが好まれてるけど、甘いものは別というようにこの里で食べられる料理といっていいかも
        でも誰かが作ってるというわけじゃなくて、外から入ってきた洋菓子を機械で真似て人口甘味料を添加してるだけだけど
        (錠剤も含めて食料品は魔導機の工場で生産されていると改めてこの街の食事情を話す)
        (テーブルの上で自分とエミッタとで分けるが、飾らないとはいえこれを機械で作ってるとは思えないような出来であった) -- アサギ 2014-08-25 (月) 23:31:11
      • あ…いや、甘味類は久しぶりだったもので、つい…な…?
        (興奮しすぎた自分に気付けば顔が朱に染まる)
        (道中カロリー補給のために飴やチョコを口にする事はあったが。甘味と呼ぶには質素な物で)
        (街を出る前に食べた甘味はなんだったのかと思い出せば、モチモチしたドーナッツだったなと)
        おお?これがここの甘味?シンプルだが良い香りだ、では早速……
        (テーブルにおかれたプディングっぽいを手に取ればその匂いに鼻をスンスンとさせ)
        (そして小さなスプーンで掬い一口)
        …はぅ〜♥ 生き返る様だ……、機械によるコピー生産とは思えない味だ
        ルーンフォーク達が甘味を好むと言うのは意外だったが、ここに菓子職人を招いたら凄い事になりそうだ、ふふっ
        (その蕩ける様な甘みにほっとりとした表情を浮かべるエミッタ)
        (甘い物が頭の栄養となるのはしっているが、ルーンフォーク達がそれを理由でも好むと言うのは驚きの事で) -- エミッタ 2014-08-25 (月) 23:48:21
      • (アサギも口に甘みを運べば口元が綻び、眉が弓なりの弧を描いて上機嫌になる)
        喜んで貰えたのなら何よりだけど、そんなに甘味が好きなら今度二人で作ってみる? ふふ
        菓子職人を招いたら…。きっと、毎日が長蛇の列になるわよ
        私たちルーンフォークも人間だもの。自分へのご褒美は欲しいものよ
        (自分のロールケーキをフォークで切り分けると、一口サイズにしたのをフォークで刺して持ちエミッタにどうぞと) -- アサギ 2014-08-25 (月) 23:58:18
      • 好きどころか、大好きだ(キリッ) 二人でか…それも楽しそうだ
        いや、先程の話を聞いたら、甘味等とは無縁なのかと思ってね?
        (先程の話。シリアルサーバー等の効率を重視した食事の話だ)
        そうか…私は在学中、街に甘味を買いに行く事があったのだが、君も誘えば良かったな…ん? あむ……
        (甘味にテンションが上がっているのか、差し出されたロールケーキをぱくりとするエミッタさん) -- エミッタ 2014-08-26 (火) 00:18:01
      • 大好きなのね。ふふ、エミッタの喜ぶところを見るのは好きよ
        (ロールケーキに口だけでなく目元までも緩むエミッタの姿に釣られてアサギもまた目を弧にする)
        エミッタは甘味でいえば何が一番好きかしら? -- アサギ 2014-08-26 (火) 00:28:38
      • ん〜…ありがとうだ、ロールケーキも良い味だな。ふふっ、アサギも楽しそうでなによりだよ
        何が一番? そうだな…ケーキ類だろうか? マロンやチーズ…色々とあるが、ショートケーキかな?
        やはりショートケーキは基本だよ、ほいっ
        (語りつつ今度はエミッタの方からアサギにスプーンで掬ったプディングを出し出す) -- エミッタ 2014-08-26 (火) 00:39:41
      • ショートケーキとなると、その上に乗っているイチゴがということかしら
        (エミッタからの気配り、それをスプーンの上のプティングに載せられるとアサギも同様に口へと咥える)
        (甘みが口の中に広がって頬が緩むが、何よりエミッタとのこの応酬を楽しく感じていた) -- アサギ 2014-08-26 (火) 00:45:36
      • ふふっ
        (プディングを口に含み頬を緩ませるアサギを見れば、エミッタもまた笑みを浮かべ)
        うむ、白いクリームの上に乗った赤いイチゴ、その色合いのバランスは最高だと思う
        そして、それをいつ食べるかの葛藤…ショートケーキは奥が深い
        (甘味を挟み交わすたわいも無い会話。それは旅の疲れを癒して暮れる様で) -- エミッタ 2014-08-26 (火) 00:57:53
      • 私はイチゴは先に食べて、それからケーキを割って食べるという形かしら?
        (学園にいた頃は課題や冒険に追われていたせいか他愛も無い話さえも取り付く暇がなかった)
        (この里に着くまでも長旅であり余裕を見せることさえ出来なかったが、この部屋でようやく二人は冒険者という肩書きを外して笑顔を見せ合う)
        (考える間もなくエミッタとの会話が弾む。些細なこと、日常のこと、当たり前のことでさえ今の彼女にとっては新鮮だった) -- アサギ 2014-08-26 (火) 22:01:26
      • ほぉ?私は最後に食べる派だろうか?ケーキを如何に倒さずに食べるかが楽しくてね、ふふっ
        (アサギのまだ知らなかった一面を見た気がした。学園での時間だけでは知る事の出来なかったであろう一面)
        (学園からここまでの旅路でも共に過ごしたが、それは緊張の時間が続く冒険の延長に近いもの)
        (もしかしたら、その二人で過ごした緊張の時間があったからこそ、こんな風な余裕が出来たのかもしれない) -- エミッタ 2014-08-26 (火) 22:21:19
      • 私は好きなものには妥協をしない方かしら。好きだからこそ最初に食べたいと思うのは変?
        (緊張の糸が途切れた一瞬、明日からは地下遺跡に備えての準備もあるのだが…)
        (それすらも忘れて二人は心を少女としてお互いを共感し合う。大切な一時として…)
        ねえ、エミッタ。…余裕があれば装備のとは別に、街を一緒に見て回らない? -- アサギ 2014-08-26 (火) 22:25:17
      • ふふっ、問題無い。好きな物をいつ食べるか…その辺りも個性だからな、姉妹兄弟が多いと先に食べるなんて話も聞いた事があるが……
        (ケーキのイチゴで盛り上がる少女二人。たわいもないやりとりが楽しくて)
        ん、街を?それは是非ともお願いしたいな、ルーンフォークの街がどんな所か興味もあるし
        なにより、君の…アサギの育った街だからな、うむ -- エミッタ 2014-08-26 (火) 22:38:40
      • 私の育った街とはその別として、エミッタとの買い物も…その…楽しそうと思って
        (でも自分の街の好きな場所を案内できるならそれも嬉しいと彼女は言う)
        (冒険者としてのエミッタではなく、友人としてのエミッタと歩いてみたい。そんな考えを過ぎらせると少し、感情を見せて困惑してしまう) -- アサギ 2014-08-26 (火) 22:41:23
      • 楽しそう…か……
        (何気ない一言。しかし、感情の籠るアサギの顔を見れば)
        (エミッタまで何か、照れの様な物が出てしまう)
        そうだな、一日くらいのんびりしてもバチは当たらないだろうさ
        よし、明日は二人で街を見て回ろう…こう言うのをデートと言うのだろうか? -- エミッタ 2014-08-26 (火) 22:59:13
      • デート…? (知識としてあるのは男女間によるもので女性間もその定義に該当するのかという疑問が首を傾げさせた)
        …ううん。でもいいかもしれないわね、エミッタと2人でデートも
        (好きなことには妥協をしない。ならばエミッタも好きだからこそ彼女を楽しませたいという思いは生真面目だからこそであり純粋だった)
        なら夜更かしをするよりも早く休んだ方がいいわね。食べたのは片付けておくからエミッタは休む準備をしてくれるかしら? -- アサギ 2014-08-26 (火) 23:05:40
      • 今は女性同士でも、こう言うのをデートと言うらしいかならな
        (聞きかじり知識だが、二人で楽しめるならばそれでよい気がして)
        とにかく、明日はデートで決まりだな。そうだなそのためにも今夜はそろそろ寝る事にしよう…ん?
        うーむ…私も手伝おう、二人でやった方が早く終わり、その分早く眠る事が出来る -- エミッタ 2014-08-26 (火) 23:21:01
      • (思いがけないエミッタからの助力、それに驚きつつもありがとうと返して二人で片付ける)
        (時間を掛けずして終わり、二人は揃って就寝の床に着く)
        …おやすみなさい、エミッタ
        (ソファーで毛布を被ったアサギがベットで寝るエミッタに声を投げ、静かに目を瞑って眠りへと落ちようとする) -- アサギ 2014-08-26 (火) 23:27:24
      • ああ、おやすみなさいだアサギ…んー……
        (アサギに返答すると大きくを伸びをしてからもぞもぞと布団に潜り込む)
        (見た目簡素なベッドだが、クッションマットはふわふわとして柔らかく)
        (長旅で疲労していた身は直ぐに眠りへと……) -- エミッタ 2014-08-26 (火) 23:36:55
  •  
  •   Chapter:3   二人の休日
    • (霧に包まれた街、灰色の世界を歩く二人の姿がある)
      (彼女たちは今日は本来の目的は外して置き、二人での休日を堪能しようと約束をして此処にいる)
      …それでエミッタ、どんなのを見たいとかはあるかしら? -- アサギ 2014-08-29 (金) 23:50:50
      • どんなものか……(隣を歩くアサギの問いかけに歩きながら腕を組み思案)
        そうだな、この街は遺跡の上にあると言っていたから、名所等があればそれらを見たいし
        この街の中心街がどんな風かも興味があるな? -- エミッタ 2014-08-29 (金) 23:59:55
      • 名所といわれても迷うところね…
        この前にも話したけど、ここは技術者の街だから観光地のように整備はされてないの
        冒険者たちの街で経験を積んだ後だと、その…
        (味気のない街に見られてしまうかもという懸念があってアサギは言葉を濁す)
        (アサギの宿舎を出ると先日の訪れた技術局の区画を目指し、アサギは困ったように頬を搔く)
        この辺りが一応、中心街と呼ぶべきところかしら
        (技術局を上座に置き、大通りの左右を煙突を生やした家屋で挟んだ工房街)
        (しかし工房といっても店として開かれてる訳ではなく、それぞれの部門に分かれての研究開発を行う区画であることを想像させた) -- アサギ 2014-08-30 (土) 00:13:33
      • いや、あの冒険者の街に比べるのはどうかと思うぞ? あの街は少々カオスすぎる
        ん、まぁ、住み慣れたアサギが気付かないだけかもしれないし、とにかく行ってみよう
        (大きく頷くとアサギの案内で街の中心部へと)
        ほぉ?ここが街の中心街なのか、やはり工房や研究施設等多い様だな……
        (やはりエミッタも技術者、聞こてくる金属音等を聞けば好奇心にエルフ耳がぴこぴこと)
        見学等出来ればしてみたいが、流石にいきなりは厳しいか
        あ、そう言えば、アサギはこの街を出る前はやはりどこかの工房か研究施設で働いていたのだろうか? -- エミッタ 2014-08-30 (土) 00:28:19
      • 見学は正規の手順を取らないと厳しいかもしれないわね
        エミッタの装備のことであれば市長を通して便宜は図ってくれるかもしれないけど…
        (今はそれを忘れて二人の休日を楽しむという約束を確認するように頷く)
        …私? いいえ、私は自衛団の方に所属してたの
        昨日来たときに話してた人がいるでしょう? 彼女みたいに監視や警護をしてたの
        (だからこうして銃を覚えたのよと太股のホルスターを叩いてみせる) -- アサギ 2014-08-30 (土) 00:35:34
      • そうか、では見学はまた後日にしよう。装備の事で何度も訪れる事になりそうだからな
        (それは忙しい時間の始まりを意味する。ならば今は休日を楽しもう)
        (微笑むとアサギに大きく頷き返す)
        自衛団の方に? ああ、それで君が街の外に旅に出る事にも……
        (合点が言ったと言う風にぽんっと手を叩く) -- エミッタ 2014-08-30 (土) 00:53:04
      • ええ。ルーンフォークは成人体で生まれるから適正をもって各部署に配属されるの
        私は銃の適正があるようにして造られたから自警団の方に回って…
        (そして訓練と自警、しかし自警といってもこの街での荒事は月に一度か二度あればいい方と加えた)
        元々が争いを好む気質でもないし、研究室での口論はあってもそれを実力行使にという人はいないもの
        だから非常に落ち着いてはいるけど、同時に活気がないといってもいいかしら
        (街から離れて経験を積んだからこそ分かる。この街は静寂すぎるのだ、人々の生活音が乏しく工房の音が響き渡る)
        …ごめんなさい、休日といってくれたのにあまり見るところがなくて -- アサギ 2014-08-30 (土) 00:58:04
      • ふむ、適正をもって? なるほど、それでアサギは銃が得意なのだな
        (改めてアサギの生まれの特殊性を知った気がした)
        (だからこそ、表情を様々に変えながら語る少女の姿を見れば)
        (今のアサギが街の集団の一部でなく、自分と絆を育んだ個であると感じる事が出来)
        (それがエミッタにはなんだか嬉しくて……)
        いやいいんだ、君の所為では無いさ? こうして二人で歩くだけと言うのも楽しいものだ
        他の所も見てみたい、案内してくれるだろうか?
        (頭を下げるアサギに笑みを向ければ休日はまだ始まったばかりと語りかけて) -- エミッタ 2014-08-30 (土) 01:19:25
      • …なら特別な場所にエミッタを案内するわね。私たちのルーツ、そしてこの里のかつての姿を見に行きましょう
        (こっちと言ってアサギがエミッタの手を取って踵を翻す。目指したのはつい先日に訪れた中央技術局)
        (受付との交渉をアサギがすると足を運んだのは市長室ではなく地下、壁一面を覆うような無地のタペストリーが掛けられた一室だった) -- アサギ 2014-08-30 (土) 21:45:05
      • アサギの…ルーンフォークの…ルーツ? この里の?
        (ルーツ、かつての姿、意味ありげな単語が二つも並べば興味を引かれない訳がいない)
        (そんな期待を持ちつつ手を引かれやってきたのは中央技術局、向かったのはその地下だった)
        …ここは一体?
        (無地のタペストリーかけられた不思議な空間)
        (グルリと見渡した後、アサギの方へと視線を戻し首を傾げる) -- エミッタ 2014-08-30 (土) 21:58:59
      • (エミッタが振り返るとアサギは機材の準備をしていた。円筒の台座に取り付けられているのは表面に溝の掘られた掌大の長方体)
        (アサギが手にした半透明の長方体、エミッタはそれが何らかの記録情報媒体だと思ったかもしれない)
        (機材の窪みにそれがはめ込まれるとアサギが機材のコンソールを操作する)
        (すると機材より光が投影され、壁に掛けられたプロジェクタースクリーンに映像が表示される)
        少し映像が乱れるかもしれないけど、その辺りは我慢して貰えるかしら -- アサギ 2014-08-30 (土) 22:18:03
      • それはもしかして記録媒体? ああ、あれは投影用のスクリーンだったのか……
        (もう一度室内を見渡したのち納得したと言った顔でぽんっと手を叩いた)
        つまりここは映像記録を見る部屋。映像が乱れのも味があって良いものさ?
        さて、始まるな炭酸飲料とポップコーンが欲しいが…ないか、ふふっ
        (冗談めかすように言うと微笑んでから投影される映像に集中する) -- エミッタ 2014-08-30 (土) 22:29:43
      • (スクリーンに投影された映像はノイズや物理的に欠けたりするのが目立ち、技術知識を持ったエミッタはこれが経年劣化によるものだと想像できたかもしれない)
        (空から仰ぐのは大都市、中央部に聳える塔を中心として年輪のように広がる都市構造)
        (山間の窪地にあることや塔の根元にエミッタは見覚えがあるかもしれない。そう、これはミスト・ロザリアのかつての姿だと想像できる)
        …遺跡から発掘された映像なの。本当は音声による都市ガイドだったんだけど劣化で飛んじゃって……
        (都市は今とは比べようのない繁栄を誇っており、灰色ではなく都市は極彩の輝きを放っていた)
        (劣化しても尚、褪せることのない建物や人の賑わいを感じることが出来るかもしれない) -- アサギ 2014-08-30 (土) 22:50:17
      • (色彩と繁栄に満ちた都市の姿。ノイズをBGMに映像は流れる)
        (映像を見続ければすぐにわかる、この街のかつての姿を記録した映像であると言う事が)
        (天を貫くほどに聳え立つ塔は中央技術局、多種多様な魔導機械が行き交うのは中心街)
        ほぉ…これがこの街のかつての姿……
        (ノイズが混じり欠けた映像でもわかる、この街…都市の繁栄と栄華が)
        いや、これでも十分すぎるくらいだ…どれほど昔の映像なのだろうか? 100年や200年どころではないのだろう? -- エミッタ 2014-08-30 (土) 23:09:07
      • 私たちの推定では悠久の太古。千年…いえそれ以前よりも昔と見てるわ
        だけど何故都市が滅びたのか、なぜここから人間たちが居なくなったかは誰にも分かってないの
        (都市には人間以外の種族も行き交い、画面を覆うノイズが走って場面が切り替わる)
        (次に映し出されたのは円筒の水槽のような装置に入った人間、…いや違う。アサギと同様に耳を無機物の硬質で覆っていることからルーンフォークであることが想像できる)
        (培養槽から液体が抜かれて生まれたままの姿で目覚めるルーンフォークの女性、彼女の手を白衣を着た研究者が手に取る)
        (ルーンフォークと人間、造りし者と造られし者…)
        これがジェネレーター。人間に造られ、ルーンフォークを生み出すもの
        都市が滅びて人間たちが居なくなった後もジェネレーターは残り…、今から百年近く前に再起動をしたの -- アサギ 2014-08-31 (日) 00:10:11
      • 千年以上か…やはり同じくらいか……
        いや、私が故郷で発掘していた遺跡群もやはり推定年代はそのくらいになるのでね?
        そして…なぜ滅びたのかも同じ様に…不明だ、なにがあったのだろうなぁ……
        (呟く様に言えば肩を竦めてから映像の続きに視線を戻す)
        (そこには誕生の映像があった。ルーンフォーク達の誕生を記録した映像)
        これがジェネレーター……うん? 再起動?
        それはつまり活動停止期間の後、何かの切欠で再起動したと言う事だろうか? -- エミッタ 2014-08-31 (日) 00:22:57
      • そうね。再起動で生まれたルーンフォーク、それがミスト・ロザリアを造り上げたといわれてるの
        私たちルーンフォークの稼動保証は50年、それ以降は動作の対象外となるけど…人間と同じくらいの寿命と思って貰えれば
        再起動はなぜ起こったか、偶然スイッチが入ったのかそれともプログラムされていたものか…
        それは今でも研究の対象になってるけど、明らかになってるのは生まれたルーンフォークがジェネレーターを使って仲間を増やしたこと
        最初の代表となる人たちは七人委員会と呼ばれて、あなたが出会った市長…ピートもその一人なの
        市長は委員会の中では最年少だったから存命だけど、他のは私が生まれる前に機能を停止したと聞いてるわ
        七人委員会が共同体としてのミスト・ロザリアを造り上げ、仲間を増やして役割と仕事を与えて
        その中で遺跡からの技術の発掘と復元、ミスト・ロザリアとルーンフォークの関係はこうだけど
        エミッタの方から聞きたい、見たいという資料はあるかしら? -- アサギ 2014-08-31 (日) 01:03:14
      • 前の時代が滅びたのか謎…そしてジェネレーターが再起動した理由も謎か
        謎だらけだなぁ……
        (全ては想像の域を出無い。恐らくエミッタ以上にルーンフォーク達が答えを知りたいのだろう)
        (自分達がこの時代で活動する事となった意味と共に)
        しかし…人と同じくらいの寿命か………あ…うん、見たい資料か?
        そうだな、今知りたいと事と言えば、この遺跡のさらなる地下の資料だろうか?
        (下を指差す。そこはアサギとエミッタが向かうべき場所) -- エミッタ 2014-08-31 (日) 01:20:35
      • 私たちが向かう地下ね、ならこちらを見て貰えるかしら
        (差し込まれた記憶媒体の中身は新しく、これはルーンフォークたちで作成した情報資料なのだろうか)
        (プロジェクタースクリーンに映し出されるのは都市の断面、地表と地下に分けた見取り図だった)
        エミッタも知ってのように私たちの里は遺跡を利用してるの
        でも地表部にある遺跡は氷山の一角に過ぎなくて、風雨を逃れた地下に遺跡の本体があると言ってもいいわ
        (しかし表示される断面図、地上と地下を繋ぐ堅穴や通路に次々とバツの印が付けられてそれは加速度的に増える)
        数千年前となれば崩落も多くて、その殆どが地表部の建物が崩れたことでその入り口が埋まってしまってるの
        かろうじて残った入口や通路はあったけど遺跡の浅層だけのもので、これまではそこが遺跡の大部分だと思われてたわ
        だけどジェネレーターが故障する少し前に、街の北で未発見のゲートが発掘されたの
        (断面図に追加されたゲートは大きく、その入口だけで家屋はゆうに収まるといった代物だった)
        これまで浅層しかなかったと思われていた街の地下のより奥、誰も見つけたことのない深層まで延びていることが一緒の資料で明らかになったわ
        だけど私たちよりも頑丈な、数千年に渡って生き残り続けたセキリティシステムが稼動していることも明らかになったわ
        …だから私たちは最初は、危険だからこの探索は打ち切りにしようと思っていたんだけど
        (ここからは先はエミッタも知っての事情、続く言葉を濁らせてしまう) -- アサギ 2014-08-31 (日) 01:39:57
      • ふむ、想像以上に大きいな…そして深い、そうなると新しいゲートと言うのは非常口か…資材搬入用だったのかもしれない
        (これほどに広大な施設ならば地上から地下への直通路があっても不思議ではない)
        (何より最近になって発見されたのは、メインではなく補助的な役割として作られたからなのかもしれないと)
        いや…その地下階層その物が特別な目的で作られた…他に何か資料は……
        ぐ〜
        (記録媒体を納めたケースを覗きこもうとアサギの方へ身を寄せた時……)
        (エミッタのお腹が鳴った。 その恥ずかしさに思わず動きが止まりみるみる顔が赤く) -- エミッタ 2014-08-31 (日) 02:11:37
      • (二人の知的探究心は優れてはいたが同時に固さを生み、休日であることも忘れてのめり込もうとしていた)
        (が、それを払うようにエミッタの空腹が鳴る。それに気付くとアサギが申し訳なさそうに幻灯機の電源を落とした)
        ごめんなさい、折角の休日だったのに依頼の話になって
        遺跡の話はこれまでにして昼食にしましょう
        (唯一の専門店、食材を取り扱うお店も紹介しておきたいとエミッタに申し出て) -- アサギ 2014-08-31 (日) 02:23:20
      • あ、えっと、いや、いいんだ…私もつい熱くなってしまったからな?
        (恥ずかしさと照れで朱に染まった頬を指でかき)
        この件は後日また相談するとして今は腹を満たそう、そして休日の続きだ
        さぁ、急ごう急ごう、食は大事だ
        (昼食の提案に大きく頷くとアサギを急かす様にしながら部屋を後に)
        (急かしたのはまた腹が鳴ってしまいそうだったからと言うのは秘密) -- エミッタ 2014-08-31 (日) 21:01:54
  •  
  •   Chapter:3-2   二人の休日
    • (昼食の時間となっても街は静かであり、アサギが言うにはこの街では食事の時間を浪費しないのがステータスとのこと)
      …栄養剤にも色々あって、味もあるけど空腹を埋めるものもあるの
      水と反応することで膨れたりするんだけど…
      (そんな説明をしながら中央通りを進み、南区に足を運ぶとある店舗の前で足を止める)
      (その店は周囲の灰色から浮いており、壁面緑化が行われているこの店舗からは新緑の匂いがする)
      (店の周囲の畑、そしてウッドデッキに置かれたプランターからも家庭菜園を広げてることは想像できるが…)
      ここがこの里唯一の生鮮飯店、“エバーグリーン”よ -- アサギ 2014-08-31 (日) 22:36:36
      • 水で膨らむか、それは確かにお腹は満たされそうだが…食事の楽しみはそれだけではないからなぁ
        (食事の楽しみ。料理する事や皆で味わう事)
        (それは学園で学んだアサギならばよくわかる事も知れない)
        ほぉ?ここが案内したいと言っていた店か、これは期待できそうだ
        どんな料理を扱って、いやそれは中に入っての楽しみとした方がいいかな?ふふっ
        (この街では嗅ぐ事の無かった新緑の香りに鼻をスンスンとさせ) -- エミッタ 2014-08-31 (日) 22:48:18
      • (緑の息吹はエミッタの嗅覚をくすぐり、家庭菜園からはほのかに花の芳香も漂う)
        (この里では珍しく外界と同じように木目のドアを使っており、樹木をあしらった真鍮製の看板もまた隠れ家としての雰囲気を醸しだしていた)
        (来店の鈴がドアを開けると鳴り、二人は店内を見渡す。窓際にはテーブル席が置かれており)
        (壁際と棚にはパンやその日の内に取れた野菜などが置かれている。しかし数はそう多くなく…店主の姿も見えない)
        私も来るのは初めてなのだけど…。留守だったのかしら?
        (すみません、と。アサギがカウンターの向こう、店の奥へと声を投げる) -- アサギ 2014-08-31 (日) 23:34:58
      • 良い雰囲気の店じゃないか
        (灰色の世界で見つけたオアシス、それが入店しての最初の感想)
        (外の世界ではありふれた作りの店、しかし灰色の世界においてそれは輝いて見えて)
        ふーむ?早くメニューを見たいところだが…店主はいずこに?
        (カウンターに手を付けば奥を覗き込む様に背伸びして) -- エミッタ 2014-09-01 (月) 21:03:32
      • (アサギが声を掛けてほどなく、店の奥を覗こうとするエミッタの聴覚が靴音を捉えたことだ)
        (かつかつとブーツの踵を踏み鳴らして歩く音、「今行く」という若い女の声がそう広くない店内に届く)
        (奥より現れた店主、すらりと伸びた長身はアサギよりも少し大きく、腰にまで伸びた栗色の髪を縛って束ねていた)
        (端整な顔立ちのルーンフォークだったが、他のルーンフォークと違って硬質素材の部分にいくつかの傷があった)

        「…誰かと思えば、また珍しい客ね。あなたが此処に来るのは初めてじゃないかしら」
        (女店主はアサギの方を見て言い、当人は困ったようにしエミッタにも視線が配られた) -- アサギ 2014-09-02 (火) 23:10:14
      • ん?留守と言う訳ではないようだな
        (奥から近づく足音に気付けばエルフ耳がぴこぴこと揺れる)
        (やがて姿を露わした主はアサギと同じルーンフォーク)
        (しかしその傷からアサギよりも歳を重ねていると想像出来て)
        …あ、えー…? 私はエミッタ、エミッタ・コレクベース
        今日はアサギの案内でこの店に来たのだが……
        (アサギの微妙な様子に困惑しつつ、女性の視線を受ければ一礼してから自己紹介) -- エミッタ 2014-09-02 (火) 23:25:37
      • 「ああ、私の方はジョゼ。…そこの弟子の師匠に当たる者だ」
        (アサギを弟子と呼んで一瞥すると口から搾るような溜息を)
        「あれほど生の食材の意義を感じないとか言っていた貴方が…」
        (遮るように手をかざすと言葉を続かせないとして)
        ジョゼ、人の過去を話したがるのはいい趣味とは言えないわ
        (口を尖らせれば今は違うと言いたそうにしている姿である)
        「それで? 旅立った弟子が里に帰ってきたら女性同伴なのは…」
        (お前のマスター候補なのか?と尋ねようとするとアサギが声を立てて遮る) -- アサギ 2014-09-02 (火) 23:57:03
      • ジョゼかよろしく…ん? 師匠? そこの弟子の…つまりアサギの師匠?
        (?マークが何度も浮かんでしまう程に驚きの表情)
        (ジョゼと名乗った女性はアサギの師匠にあたる人物で)
        (そんな人物がルーンフォークの街では珍しい生鮮食材を扱う店の主人とは想像も出来ていなくて)
        ふむ……
        (しかし二人の会話を聞くうち、これまた複雑な事情が絡んでいそうな事を察し)
        (どうしたものかと) -- エミッタ 2014-09-03 (水) 00:15:04
      • と、とにかく…。このミスト・ロザリアで食事が出来るのはここだけだから来たの!
        (エミッタの眉尻が下がったのを見ると話を切り上げ、この店のランチメニューをお願いと言えばジョゼは「分かった」といってカウンター裏で軽食メニューの調理に取り掛かる)

        ごめんなさい、エミッタ。ジョゼは私の銃の師匠なの
        いくら知識でプリセットされてるからといって、経験はまた別なの
        その経験の練習を積んだのがジョゼの下だったの。彼女も昔、冒険者としてこの里の外に出ていたんだけど…
        (すると厨房の方より「人の過去に触れるのはいい趣味ね」と先ほどの意趣返しを応えられ、ぐっと言葉に詰まるアサギの姿が)
        (普段は冷静沈着で表情の変化も少ない彼女が、ここまでしてやれるのは珍しいことで) -- アサギ 2014-09-03 (水) 00:39:11
      • なるほど、彼女は冒険者の先輩でもあるのだな、私も教えを乞いたい物だ
        (無機的で論理的なルーンフォークにも師弟関係があった事は驚きであり)
        (その関係は事務的なだけでなく、人間的な関係や感情もある)
        (それはルーンフォーン達のまた新しい一面を知った気がした)
        しかし、アサギにも頭の上がらない相手がいるのは意外だった、ふふっ
        (アサギとジョゼのやりとりを見れば、自然と笑みが零れてしまう)
        (それはエミッタにとってルーンフォークの新しい一面を知った事よりも貴重な事で) -- エミッタ 2014-09-03 (水) 21:07:43
      • (ルーンフォークは固体によって自我意識の強弱は異なり、アサギやジョゼのように自我を強く持つ者もいれば主従することで関係に自己を見出す者もいる)
        (彼女たちは自我を持つからこそ外に出たのか、それとも外に出たからこそ自我が強くなったのか。二人のやり取りをみれば彼女たちの感情も見えることだ)
        彼女はルーンフォークだけど、工業生成に頼らずに自然食品を好んでるの
        里では変わり者として見られてたけど…

        「こうして食べに来たということは、貴方も変わり者の仲間入りということかしら」 -- ジョゼ

        (二人の着いたテーブルに運ばれてくる軽食メニュー、パンにサラダや燻したハムを挟んだサンドイッチに紅茶といったありふれたもの)
        (しかし食事の文化が薄れているこの里では珍しく、そして貴重な人の手が通ったものだ) -- アサギ 2014-09-03 (水) 21:28:35
      • ふんふん? 彼女に話を聞けばアサギの昔の事が色々とわかりそうだな、ふふっ
        (このやりとりだけでもジョゼと言う女性がこの里においては変わり者と言うのがよくわかる)
        (その彼女に師事したアサギが、影響を受けるのは当然の事なのかもしれない)

        まさに似た者親子ならぬ似た者師弟だな…ほぉ?これが……
        (ありふれた軽食メニュー。しかし灰色の街においてそれはとても貴重な物で)
        なんだかほっとする香りだ…… -- エミッタ 2014-09-03 (水) 21:49:27
      • 「そう言って貰えると嬉しいわ。私がこうして食材を取り扱ってるのも食事を必要義務ではなく愉しみとして考えて貰いたかったからなの
         でもこの里だと浸透せず外から来た人が何人か来るだけ。そこのアサギも必要性を感じないといって私の店には来なかったくらいだから」
        (黙するようにパンを粛々と齧り、過去の自分を恥じるといったように)
        (エミッタの前であればこその羞恥でもあるのか、灰汁の抜けていなかった頃の自分は思い返したくないようだ)
        「それでこの店に来たのはどちらの持ち回りだったのかしら?」 -- ジョゼ
        (ジョゼという女性、ルーンフォークにしては珍しいと呼べるほどに感情の表現が豊かである。意地悪く質問すれば笑窪さえ作るほどに) -- アサギ 2014-09-03 (水) 22:02:37
      • 食を愉しみ食に感謝する。この街での食事は機械を介すると聞いた、そう言った事も一因なのだろうなぁ
        (黙々と食事を進めるアサギを見ながら思い出す。料理大会でのアサギの姿を)
        (大会に参加した事による料理経験もアサギの心境に大きな変化を与えたのだろうと)
        うん? あー……
        (ジョゼの質問にサンドイッチを齧りながら暫し思案顔をして)
        この店へと案内してくれたのはアサギだ。まぁ、空腹を訴えたのは私だが、うむ
        (黙したままのアサギを見れば笑みを浮かべた後そう答えた)
        (意地悪に乗ってみたかったのもあるが、ここへと誘われた事に対する嬉しさの方が大きいから) -- エミッタ 2014-09-04 (木) 21:29:27
      • 「ふふ、外での生活はいい刺激と良き友人を得たみたいね」 -- ジョゼ
        (これはサービスといってジョゼは二人のテーブルにジャムを添えたスコーンを置く)
        (エミッタの微笑みを最初は気恥ずかしそうにするが、彼女の意図を察すればこくりと頷いて彼女に笑みを見せる)
        「エミッタさん、アサギは少し頭が固くて融通の効かないところもあるけどこれからも仲良くしてあげて
         こうみえて彼女、寂しがり屋だから」 -- ジョゼ
        (途端、エミッタが席から立ち上がるように抗議の声をあげてジョゼと仲睦まじき口論を始めてしまう) -- アサギ 2014-09-04 (木) 22:34:01
      • (置かれたスコーンに感謝の笑みを浮かべれば、さっそく一齧り)
        (焼き立てであろうスコーンは香ばしい匂いが漂い、添えられたジャムは程良い甘さと酸味で)
        (手作りならではの温かい味。そこにはアサギを見守って来た者の思いが込められている気がして)

        ああ、勿論さ?君程ではないがこの数年でアサギの色々な顔を…おぅっ!?
        (ジョゼの言葉に、願いともとれる言葉にこくりと頷いた)
        (その直後、ジョゼと口論を始めるアサギを見れば肩を竦め)
        喧嘩するほど仲が良いと言う奴だろうかな、ふふっ
        (スコーンを齧りながら二人のやりとりを楽しげに見守る)  -- エミッタ 2014-09-04 (木) 22:53:42
      • (エミッタはここで彼女らの関係について閃きを得るかもしれない。彼女らの口論、それを聞く限りではまるで…親子のようだと)
        (肉親というものが存在しないルーンフォークにとって共同体の形こそが家族であり、その関係次第では親子と呼んでもいいのではないか)
        (さしずめ家を空けていた娘が友人を連れて帰ってきたときの母親の対応、そんなふうにも見える彼女らの応酬)
        …まったく、エミッタの前でなんてことを言うのよ
        (見守るエミッタの視線に気付くと、彼女にも「もう!」といった声を不機嫌そうにあげた) -- アサギ 2014-09-04 (木) 23:09:38
      • (「そうか、ルーンフォーク達の間にもこの様な関係があるのだな……)
        (アサギとジョゼのやりとりを見るうち、ふと故郷の母の顔が浮かぶ。そして気付く)
        (ジョゼはアサギにとって師匠である以上の存在なのだと)
        (だからこそこんな風に感情を出したやりとりが出来るのだと)
        …ん、もういいのかな? ふふっ
        (不機嫌そうな顔のアサギを見れば自然と笑みが零れてしまう)
        (エミッタもまた時おりアサギの対し意地悪になる)
        (それは嫌悪からではなく、むしろ好意から来る表情)
        (感情を表に出す様になったアサギを好ましいと思うからの事) -- エミッタ 2014-09-04 (木) 23:31:13
      • (午後の西日が差し込み、穏やかな時間の到来を予感させる。だがジョゼの方から表情が固くなってアサギとエミッタに説いた)
        「…遺跡に潜るときは気をつけなさい。遺跡探索と同じように待ち伏せが一番怖く、
         そして貴方たちは待ち伏せをされているところに飛び込んでいくのだから…」
        (アサギの帰郷、そして協力者を連れていることからすぐさまに彼女らが遺跡に潜ることに目星をつけていた)
        「私はもう、遺跡に潜って戦えるような体じゃないから貴方たちを見守るしかないけど…」
        (そのときは、と言ってまたここに食事をしに来てと彼女たちの身を案じる) -- アサギ 2014-09-04 (木) 23:49:33
      • (ジョゼの纏う空気が変わった。指導する者としてのそして経験を重ねた者の空気)
        (今の彼女と同じ空気を纏った者を思い出す、アカデミーの学園長)
        (だから自然と体勢ができる、先人からの言葉を聞き刻むための体勢)
        ありがとう、肝に銘じておく、そして目的を完遂してみせる
        完遂のあかつきには、ここでお祝いをしよう、なぁ?
        (その意思を込めた瞳で頷く、そしてアサギに笑みを向ければ同意を求め) -- エミッタ 2014-09-05 (金) 00:04:45
      • (反目することはあってもジョゼを嫌悪してるわけではなく、むしろ彼女に信頼を置いてなければ店に来ることも無かったはず)
        (故にアサギは同意を求められると躊躇うことなく頷き、) そうね、私たちが目的を完遂したとき…
        みんなを誘ってここで宴席を設けましょう
        (必ず戻ってくるとの意思を明確にするとジョゼは奥へと下がり、紙布にくるまれたニ挺の魔導銃を置く)
        「選別よ。今の私が持っていても思い出でしかない、これからの時代を切り開くあなたが持っていきなさい」 -- ジョゼ
        (銃の他、回復剤のポーションなども机の上へと) -- アサギ 2014-09-05 (金) 00:14:51
      • その時はまたアサギの色々な事を聞かせてもらおうかな、ふふっ
        (アサギの知り合いも大勢集まるだろうかならな?と笑みを浮かべ)
        あ、これは…ありがとうだ、有効的に使わせてもらうよ
        (回復剤等のアイテムに礼を述べた、そしてアサギが銃を手にとるのを待つ)
        (魔導銃はアサギへの物。師匠から弟子へと) -- エミッタ 2014-09-05 (金) 00:32:35
      • (食事はその後もそつなく続き、ジョゼがエミッタとの関係をアサギに突いて彼女が反論をするといったやり取りも同様だった)
        (久しぶりの腰を落ち着けた食事にアサギも満足をするが、やはり居心地が悪いのか足早に立って店を出てしまう)
        (机の上に置かれた二人分の代金、エミッタはすぐにでもアサギを追ってもいいが…その背後から呼び止める声がある)
        「エミッタさん。──── あの子を選んでくれて、ありがとう」 -- ジョゼ -- 2014-09-08 (月) 21:04:24
      • お? アサギそんなに急がなくても…ん?
        (急ぎアサギを追いかけようとするエミッタをジョゼの声が止めた)
        (その声は幼い日に聞いた母の声にも似た温かさがあって)
        選んでくれたのはアサギさ? 私はただ答えただけ……
        (振り向かずに言葉を返す。そしてアサギが自ら道を選んだ事を伝え)
        それにありがとうと言いたいのは私の方だよ……
        アサギと出会わせてくれて…ありがとう
        (右手をぐっと上げるとそのままアサギを追い駆け出した) -- エミッタ 2014-09-08 (月) 21:23:11
  •  
  •   Chapter:3-3   二人の休日
    • (二人がジョゼの下を離れて数時間、彼女らはお互いが技術者に通じる者として工房街を見て回った)
      (この里は観光客に向けられて作られたものではないが、技術者や職人同士で流通させる部品などのマーケットがある)
      (エミッタからすれば心喜ぶべきストリートであり、立ち並ぶ部品や魔導機に目を奪われて財布の紐を緩めてしまったかもしれない)
      (そんな二人の休日も終わりを向かえ、アサギの誘導のままに二人はある場所を目指していた)
      もう少しよ。この先にエミッタに見せたかったものがあるの -- アサギ 2014-09-08 (月) 21:57:01
      • ふむ、私に見せたかったものか…何があるのか楽しみだ
        (アサギに手を引かれ目的地を目指す。もう一方の手には戦利品の詰まった紙袋)
        (マーケットでついつい買い込んでしまった品々。魔導パーツや工具類)
        (紙袋以外にも部屋への配送を頼んだ物もあるが…今はこちらにおく) -- エミッタ 2014-09-08 (月) 22:18:41
      • (アサギがエミッタの手を引いて回ったのが里の最南端、里の周囲を囲んだ壁が迫り出すように突き出た見張塔だった)
        (アサギが持ち回りのルーンフォークに挨拶をすると二人は塔をらせん状のスロープを伝って登り、展望台となったフロアに近付くと茜色の部屋が見えた)
        (だが部屋が茜色ではなく夕暮れが部屋に射すことで染まっているのだ。展望から望む里は円形の壁に囲まれており、)
        (彼女らが入ってきた門、中央技術局の半壊したタワー、ジョゼのエバーグリーン…)
        (この他、彼女らが買い物をしてきた工房街などを俯瞰できた。夕暮れに沈む街からは工房からの音が鳴り止むことなく続き)
        (絶え間なく吐き出される蒸気が夕暮れの茜を照り返し、街は夕闇にありながら昼間とは違う彩りを見せていた) -- アサギ 2014-09-08 (月) 22:35:12
      • (その絶景を見た瞬間言葉が止まる。そしてしばしの後ため息が漏れる)
        (近代的な街並に中にまだ再生中であろう建物群の入り混じる不思議な光景)
        (夕日を浴び茜色に染まる街…ミストロザリア)
        (外界とを隔てる壁の外を茜の霧に囲まれた街は空に浮かんでいる様にも見え)
        (その幻想的な光景にただただ圧倒されるばかりで)
        素晴らしいな…これがアサギが見せたかったもの…… -- エミッタ 2014-09-08 (月) 23:03:14
      • ええ、私がこの里の自警団に入っていたのは教えたけど…
        ここの持ち回りになるとここからの眺めをよく見ていたの
        自分の生まれた場所、住む世界がこうして見えて…
        (だけどと言葉を続ける。この光景も素敵だがこれから訪れる時間もまた好きだと)
        (そのときまで30分ほど、それまでの間が展望台のアサギとエミッタに静寂として訪れた) -- アサギ 2014-09-08 (月) 23:10:37
      • そうか、ここはアサギにとって思い出の場所であり風景なのだな……
        (隣にアサギの存在を感じながら、その茜色に染まる光景を見つめ続ける)
        だけど…?
        (それが意味するのはまだこの光景に続きがあると言う事)
        (その時の訪れをじっと待てば、二人きりの時間が静かに流れて行く)
        (時間の経過と共に遠くに聞こえていた作業音や機械音も徐々に減って行き) -- エミッタ 2014-09-09 (火) 21:46:28
      • (山岳の窪地に位置する里の日没は早い、茜色の空が徐々に薄れて空が黄昏に染まる)
        (明けの星が輝く薄暮、だがその瞬きを見ることは適わなかった。なぜなら頭上の星が眼下に現れたからである)
        (夜霧に包まれた街、最初は中央塔付近から灯り始める)
        (ストリートを伝って灯りの波が広まる。街燈や室内から漏れた明り、明暗を繰り返す警告灯といったように色や強さも差がある)
        (それを例えるならば街の中の銀河、もしくは街が一個の命として息づくイルミネーション)
        (日が沈むと同時、夜のミストロザリアが生まれる。それはアサギの宿舎からは見ることのできなかった光景…)
        この姿の里も好きなの。他の街では見ることのできない、工業化されたここだからこそ見ることのできる姿だって -- アサギ 2014-09-10 (水) 21:31:04
      • 暗くなってきたな…お? おおっ…!?
        (ぽつりと呟いた直後、その変化に気付き驚きの声が)
        (奇術師が夜の帳を引き剥がすがごとくに里が光の海へと変わったから)
        (ミストロザリアの昼の姿からは想像もつかない程に七色の煌めきに満ちた光景)
        (通り沿いの灯は里を縦横無尽に走るの河となり)
        (工房や研究施設群の窓や夜間照明は光の森の様で……)
        言葉に出来ない美しさとはこう言うのだろうか…… -- エミッタ 2014-09-10 (水) 22:30:38
      • …私はいつも、仕事が終わったり夜番のときにこうして見ていたの
        そのときはこの光景がロザリアらしくある為とした思っていなかったのだけど
        (エミッタの隣、体格差はあるが二人で肩を並べて眼下の銀河を俯瞰する)
        私はこの街が好きだからこそ、この光景が好きだったんだって
        恥ずかしいけどエミッタと一緒に帰ってきたことで気付いたの -- アサギ 2014-09-10 (水) 22:38:36
      • らしくある為…か……
        (ロザリアらしくあるため。それはきっとアサギ自身への言葉でもあるのだろう)
        (日々の仕事をこなす事が自分らしくあるためと思っていた過去のアサギ)
        アサギは気付けたのだなこの街の輝きに
        それはきっとアサギ自身が輝けた証拠なのかもな?ふふっ
        (アサギは大きく変わった、出会った時よりも表情も豊かとなり)
        (今こうして共に光の煌めきを見つめる横顔も輝いて見えて) -- エミッタ 2014-09-10 (水) 23:11:52
      • でも私が輝けるようになったもの学園のみんな、そしてここまで一緒に来れたエミッタのお陰でもあるの
        (アサギの鉄面皮が崩れ、頬が柔和に緩んで横顔からの微笑が現われる)
        …ねえ、エミッタの街もこういう形で心打つものがあるのかしら -- アサギ 2014-09-10 (水) 23:26:25
      • そうか、それを実感できるのも素晴らしいことだな
        ん?私の街にも?そうだなぁ、王都の方へ行けば珍しい街並みも多いが……
        (腕を組み拳を口に当てる様にしながら思案)
        故郷とも言える里は作業現場の様なものだったからな
        (まず発掘調査すべき遺跡があり、その側や内部に拠点となる仮設住居があると説明) -- エミッタ 2014-09-10 (水) 23:47:38
      • (説明を受けるとまじまじと情景が脳裏に浮かぶ。それが容易く浮かぶのも…)
        私とエミッタ、生まれた場所も違うけど共通するところがあるのは故郷の姿が似ているせいなのかしら
        …私の里の問題が片付いたら、エミッタの故郷にも行ってみたい
        あなたの見てきたもの、感じてきたことを私も得てみたいの -- アサギ 2014-09-11 (木) 00:00:59
      • そうかもしれないな? 実際、この街の風景は居心地が良い
        だとしたら…アサギも私の故郷を気にいるかもしれない
        私も一度故郷に戻ろうと考えていたし、次は私の故郷への旅だな、ふふっ
        (それは行ってみたいを肯定する言葉) -- エミッタ 2014-09-11 (木) 00:12:28
      • (だが直面している問題のことを考えると確実とは言い切れない、未知数の相手に自分たちがどこまでいけるのか)
        (その不安を吐露するようにアサギの表情が一瞬、陰りをみせて曇る)
        (だがジェネレーターが回復できなければこの里の維持もままならない。この光景も見れなくなるのだ)
        …エミッタ、あと少しだけ
        いえ暫くこの光景を見ていてもいいかしら -- アサギ 2014-09-11 (木) 00:18:15
      • …ああ、大丈夫だ。もう暫しこの光景を楽しもう
        (その一瞬の陰りを見逃さなかった。この先の事を考えれば当然の事だ)
        (エミッタ自身にも不安はある。自分の力と技術が解決のためにどこまで通じるのか)
        (それでも……)
        二人でならやれるさ……
        (アサギの手を握り締める。ここまでの道中何度も手をひかれたが)
        (今度はエミッタの方から) -- エミッタ 2014-09-11 (木) 00:43:47
      • あ…
        (上から被せられ、指を絡めるように握られる)
        (彼女の思いが言葉と熱を持って掌より伝わる。アサギの不安は溶かされ、エミッタに対して頬を染めて笑みを向けた)
        二人でなら、きっと出来る。…私たち二人でなら
        (心打たれたことで頬に熱を得て、見下ろすロザリアの街並みも一層に輝いて見える)
        ありがとう、エミッタ。私は…

        ───── 貴方のことが好きで良かった -- アサギ 2014-09-11 (木) 20:30:41
      • ……!
        (アサギの顔が煌めいた様に見えた。頬を朱に染めた少女の言葉、好意を示す言葉)
        (学園での時間を終えてからの数週間を共に歩んできた少女の言葉)
        (なにより自分へ大きな信頼を寄せてくれる少女の言葉)
        (だから…きっとその言葉にはきっと大きな想いが籠っている)
        君と一緒にここまで来てよかった……
        君の色々な顔を見る事が出来…そしてこの素晴らしい光景を一緒に見る事が出来た
        これからも…この先も一緒に色々な光景を見よう……

        私も君が好きで良かった…… -- エミッタ 2014-09-11 (木) 22:20:25
      • (アサギにとっての好きがどのような感情だったかは分からない)
        (彼女なりの知識や経験、書物からの引用で好きと答えたのかもしれない)
        (だがエミッタとの信頼、それだけは確かなものであり不変的なもの)
        (これからもという言葉に頷くとアサギは郷里の夜景をじっと眺める。隣にいる大切な人と共に)
        (今日という日を忘れないために…) -- アサギ 2014-09-11 (木) 22:48:22
  •  
  •   Chapter:4   記憶の遺跡
    • (二人の休日から数日後、彼女たちは装備を整えて北ゲートの入口より地下を目指していた)
      (上下に開いたゲートはあたかも生物の顎門のようにも見えてしまい、彼女らに潜在的な嫌悪感を与える)
      (さながら経口より体内を目指そうというもの。アサギはそんな事を想像すると息を一つ吐き、手にしていた棒をぱきりと折る)
      光源としては不安が残るけど、戦闘も考慮すれば懐中電灯よりもこちらの方が便利でいいわね。私が居なくなっていた間に復元した技術らしいけど
      (折られた棒が地面へと投じられると蛍光色の灯りをその場にて放つ。棒状の容器が折られることで中の薬品が化学反応を起こすことでこのように光るのだ) -- アサギ 2014-09-15 (月) 20:20:41
      • ほぉ、便利だな…これを量産出来たならば多くの冒険者たちの役に立ちそうだ
        (蛍光色の輝きを放つ棒を見つめながら呟けば、緊張していた表情が緩む)
        (そして以前アサギが言っていた事を思い出す)
        (ルーンフォーク達は時が来たならば蓄えた技術を世に解放したいと)
        (それは冒険者だけでなく世に多くの革新をもたらすだろう)
        (そんな事を考えながら通路の奥を見渡し……) -- エミッタ 2014-09-15 (月) 22:22:48
      • (光源に不安が残るというようにフラッシュライトのような明るさはなく、床に落ちた光源として周囲を淡く照らしていた)
        (朽ちた遺跡に灯りはなく、仮に復旧をさせるとしても二人は永久に閉ざされていた闇の中を歩かなければならない)
        (その先導にとアサギがケミカルライトを先の道へと投じ、それを標として歩く)
        エミッタ、この先は気をつけてね。中は保存状態もまだ分からないから爆発が起きたら崩落の危険性も・・・ -- アサギ 2014-09-15 (月) 22:28:53
      • (淡い輝きを先導に暗闇の通路を進んで行く)
        (道は未だ静寂に包まれ二人の足音のみが耳に大きく聞こえる)
        崩落か…それは避けたい所だが、戦闘が起きた場合どうなるかだな
        (天井ばかりを見て進むわけには行かない)
        (ならば床や壁の状態を注意深く観察しなが進む他はないだろう、予兆を見逃さぬために) -- エミッタ 2014-09-15 (月) 22:39:50
      • (表層、取り分け発掘されたばかりのこのフロアは損壊が激しいらしく崩れた壁やひしゃげたドアが目立つ)
        (通路もアサギたちが歩いているのは脇、正面と呼べるものには別に大型の機械が作業できる空間が虚空として佇む)
        (アサギがケミカルライトをその場所に投じても対面側の壁に届かず、闇が広がるからこそ底知れぬ広さを感じさせた)
        でもこの辺りは発掘されたときに調べが付いてて、下のフロアへの階段も見つかってるの
        …でも問題はそこから。下に進むほど損壊は少なくなって、同時にセキリティも現存してる
        調査隊の犠牲からこの事はわかってるから…
        (言葉は重く、そのときの事を知るからこその気持ちなのだろうか。不安が残らないといえば嘘になる) -- アサギ 2014-09-15 (月) 22:51:56
      • ふぅ…まったくこの先どれほどの広さがあるのか想像もつかないな……
        (警戒と同時に好奇心の瞳で何度も周囲を見渡し呟く)
        (しかしアサギの言葉を聞けば視線をそちらにやり)
        …だからこそ、そこに可能性があると言う事だな
        (不安に曇るアサギに笑みを送る。不安の中にも希望はあると)
        (セキリティが稼働する危険な領域)
        (しかしそれは同時に遺跡内のシステムの多くがまだ稼働中と言う事を意味する)
        (その中にはルーンフォーク達の未来を繋ぐための培養装置も……) -- エミッタ 2014-09-15 (月) 23:02:03
      • (だがその装置の部品があると思われるフロアは今いる場所よりも地下深く、地下はシェルターのように保存されているからこそテクノロジーが残っている)
        (高度なテクノロジーは社会を飛躍的に進歩させるが、同様に社会を破滅たらしめるだけの攻撃性も秘めている)
        (なぜこの先史文明が滅んだのか、アサギたちが求める部品とは別にこの遺跡にはその断片…いや記録ともいうべきものが残っているのではないか)
        (不安の色を隠すことは出来ないが、同様に未知のものに対する高揚感も湧き上がる)
        (そのピークとも言うべき瞬間、それは歪んで開かれた非常階段の入口の前に立ったときだった)
        ここを降りてくけど、───── エミッタ。準備は出来てたかしら -- アサギ 2014-09-15 (月) 23:13:17
      • (不安が無いと言えば嘘になる。この先は里の侵入をためらう未知の領域、何が起こるかわからない)
        (しかし不安以上に未知の技術への好奇心、そして……)
        (何より自分を信頼してくれたアサギに答えたいと言う気持ちの方が大きく)
        ふふっ、覚悟も準備も万端だ
        さぁ行こう…学園で学んだ事を発揮する時だ
        (アサギに力強く言葉を返し笑みを見せた) -- エミッタ 2014-09-16 (火) 21:39:46
    • (微笑みに対し頷いて非常階段を降りて行く二人、だが非常階段の途中はシャッターで閉じられておりその隣にある扉より外へと出る)
      (もう地下に位置する為か照明と呼べるものもなく、闇が支配する通路にアサギがケミカルライトを投じるとその場所だけが暗がりの中で地面が浮いているような錯覚さえ覚える)
      (そして投じた先、案内板と思わしき金属のプレートが壁に掛けられていた) -- アサギ 2014-09-16 (火) 22:18:40
      • どこかに非常灯でもあれば良いのだが
        それを復旧させた場合連動してセキリティが稼働する危険もあるか……
        (ケミカルライトの淡い灯を標としながら一段一段と階段を下りて行く)
        (ここで足を踏み外し怪我等しては笑い話にもならない)
        …ん、何かあるな? 階の案内図だろうか…… -- エミッタ 2014-09-16 (火) 22:32:09
      • 待って、言語は古いけども……
        (アサギが見えやすいように懐中電灯をバックパックから出して、擦れた文字の一つ一つを照らし合わせる)
        …えっと、ここは表層に近い……居住区画になるかしら
        あ、非常電源を再稼動できそうな場所があるみたい
        (示した場所、それはこのフロアの最奥に位置しているが…)
        (だがエミッタが危惧したように非常電源を作動させた場合、セキリティもまた蘇る可能性も秘めているのだ) -- アサギ 2014-09-16 (火) 22:42:27
      • 読めるのか?
        (読めるならばとアサギに解読を任せ)
        (エミッタは魔導端末を取り出すと撮影機能で案内板を撮影し)
        (そしてアサギからの解読結果を聞くと暫し腕を組み思案し……)
        ふむ…ではまずはそこを…その非常電源を管理している場所を目指すのはどうだろうか?
        作動させるかはまだ考えるとして
        そこならば区画内…場合によっては施設内の電源状況等の情報が得られるかもしれない -- エミッタ 2014-09-16 (火) 23:00:47
      • それが妥当でしょうね。…なら最短の道を進みましょう
        (ケミカルライトを投じながら最奥を目指して探索を始める)
        (…と、いっても電源の落ちている現状では道中のドアなども開くことが出来ず最短の道を進む他はない)
        (セキリティの気配は無いが、同時に壁などには先遣隊が襲われたであろう弾痕などを見つけてしまう)
        (それが濃厚とも呼べる危険の雰囲気を纏い、二人に緊張の糸が張られた)
        (その糸が限界まで高まる、非常電源の置かれた最奥にまで来てしまった)
        (はめ込まれた壁のレバー、これを引くと非常電源が入って本電源を入れるまでの繋ぎとなる) -- アサギ 2014-09-16 (火) 23:11:28
      • (「よし」と言う言葉と共に頷けば、この階層の最奥を目指し探索を再開する)
        (開く事出来ず閉ざされたままのドアを横目に奥へ奥へと進んで行く)
        (道中戦闘の痕跡を見つければ緊張は高まりそして……)
        …なにも無かったな、先遣隊が全て倒して…いや、そんな訳は無いか……&brさて、それが非常電源のレバーだが…覚悟は良いか?
        (レバーに手をかけると今度はエミッタの方から確認をする)
        (このレバーを引けば眠っていたシステムのいくつかが再稼働する)
        (場合によってはセキリティシステムも……) -- エミッタ 2014-09-16 (火) 23:42:19
      • (エミッタがレバーの手を引くと同時、これまでケミカルライトの蛍光色しか存在しなかった通路が警告色の赤に染まる)
        《非常電源が作動しました。職員は至急、同フロア内の電源の復旧を行ってください》
        《…フロア内に未承認のゲストを確認。至急、ゲストIDの提示を願います。提示されない場合にはセキリティが向かいますのでその指示に従い…》
        (無機質な合成音声のアナウンスが響き、アサギはエミッタに目配せをして警戒を強める)
        電源の場所はあいにくなことに…さっき私たちが居た場所の近く
        でも私たちは望まれていないゲストだからすんなり通してくれそうにはないけど -- アサギ 2014-09-17 (水) 00:06:02
      • (レバーを引くと同時に聞こえてくる合成音声)
        (その内容は二人にとって新たな危険を予感させる物で)
        …ふぅ、まぁ…予想通りの結果だな
        その付近にゲストIDでも落ちて無いだろうかなぁ…ないよなぁ……
        (肩を竦めれば苦笑を浮かべ、そして周囲を見渡してから再度肩を竦め)
        (来るであろう危険に備え、装備を起動させた) -- エミッタ 2014-09-17 (水) 00:17:20
      • (通路の奥より何かが迫る音が聞こえる)
        (通路の角より姿を見せたのは、エミッタも見たことのあるシルエット。それはロザリアの街を掃除していた魔導機械によく似ていた)
        (筒状の機械より発せられる無機質な人口音声)
        《警告、ゲストIDの提示を願います。提示されない場合はこちらの指示に従い…し、した…が…》
        (しかし様子がおかしく、その声にノイズが混じり)
        《…ガ、ガガ。い、威嚇…射撃……容認》
        (二人を掠めるように、筒状の機械より電撃が放たれる!) -- アサギ 2014-09-17 (水) 00:32:49
      • 何か来る! あれは……
        (それは見覚えのある姿。街で清掃作業をしていた魔導機械)
        (しゃべるんだ…と思っている所に放たれるは電撃)
        おぉっと!? 話せる様な状態ではないな
        (電撃を左右に分かれかわす、同時で前方ステップで一気に魔導機械の元へ)
        (そしてギミックブレードを抜くと魔導機械を……) -- エミッタ 2014-09-17 (水) 00:58:11
      • (正しくはこれを原型として復元するかデチューンすることで清掃機械が生まれたのだろう)
        (電撃を放つが威嚇だったのが判断の誤り、エミッタがステップを踏んで回避からの攻撃に繋げると筒状のその身が二つに分かたれて崩れる)
        (崩れた途端の爆発を契機として、四方の通路よりこちらに迫る車輪の音が)
        …エミッタ!正面から迫ってて囲まれるとまずいわ、少し遠回りになるけど回っていきましょう! -- アサギ 2014-09-17 (水) 01:04:59
      • ふぅ…先のが威嚇でなかったら危なかったな…ん?
        この音は…ああ、ここに留まるのは危険そうだ、急ごう
        (アサギに頷くと迂回路の方へと向かう。その間にも車輪の音は増えて行き)
        (里の通りでは魔導機械をそれなりの数を見かけた)
        (ここで警備にあたっている魔導機械もそれなりの数存在するのだろう) -- エミッタ 2014-09-17 (水) 01:21:45
      • (二人の実力からすればこのセキリティと一対一で当たれば難なく勝てるが、囲まれたとなると話は別である)
        (閉所で怖いのは囲まれたとき、坑道をつかった授業でもトラップなどの危険性もあった)
        (それでも二人の行く手を塞ぐようにセキリティロボが通路に滑り込んでくるが…)
        …いち、にっ! (エミッタばかりではなく自分もと、師匠より譲り受けた銃が砲声をあげてセキリティを散らす) -- アサギ 2014-09-17 (水) 01:47:55
      • いかんな、数が多すぎる…せいやっ!
        (エミッタは剣をアサギを銃を。それぞれの武器を駆使しセキリティロボを散らし進んで行く)
        (しかし数が多い。散らせど潰せどセキリティロボは後から後から湧き出る様に現れ) -- エミッタ 2014-09-17 (水) 21:49:01
      • (先遣隊も腕に覚えが無いわけではないが物量に押し切られてしまったのだろう。…その困難が二人へと迫る)
        あと少し…なんだけど、爆弾でも持ってくれば良かったわね……!
        (合流のされやすい十字路を避けて、最短ルートではなく敵を撒くように動いても敵の波が引いては寄る)
        (迂回は決して悪手ではないが、二人の実力が試されるだけに疲弊も積もり始める)
        …く、備えはしてきたけど。急がないと弾も無くなるわ -- アサギ 2014-09-17 (水) 22:06:14
      • 爆弾か……そうだ!あれがあった!
        (走りながら器用にぽんっと手を叩くと、ウェストポーチから丸い物体を取り出す)
        (電磁グレネード。投げる事で閃光と電磁場が放たれる対機械用の手榴弾だ)
        (探索の準備にかけた数日間。通りの工房の一つで見つけ購入した物)
        (生物には閃光弾としての効果しか無い事から放置になっていたらしい)
        アサギ!後ろは見るなよ -- エミッタ 2014-09-17 (水) 22:17:56
      • …! それなら倒壊を心配する必要がないわ!
        (すると出来るだけ敵を巻き込めるように、十字路を通って四方からセキリティガードをわざと集めるような動きをとる)
        (お願いといってアサギは曲がり角に飛び込むように身を滑り込ませ、エミッタでの電磁グレネードに賭ける) -- アサギ 2014-09-17 (水) 22:33:44
      • よし今だ! 目を押さえろ!
        (僅かに後ろを見ればまさにワラワラと言う擬音しか無いほどの数のセキリティロボがひしめきあっている)
        (電磁グレネードのロックを外すとその中心めがけ電磁グレネードを投擲)
        (自分も目を隠せば、背後から聞こえるは炸裂音と機械がショートする電磁音)
        (やがてそれらの音が収まれば多数聞こえていた車輪の音が聞こえなくなった) -- エミッタ 2014-09-17 (水) 22:48:08
      • (物理的な破損は少ないが、青白いスパークが迸るとセキリティロボたちがこぞってその動きを止める)
        (半球状に広がった電磁パルスはこれらの回路を焼き切り、行動不能とさせたが免れたのもいる)
        (しかし敵を惹き付けたことで動きの止まったのから壁となり後続を遮る)
        だけど…。そう長くは持たないでしょうね -- アサギ 2014-09-17 (水) 23:05:28
      • どこかに手動のシャッターでもあれば良いのだが……
        (走りながら魔導端末を取り出す。もちろん電磁場や雷サージ対策はしてある)
        (魔導端末の画面に先程撮影したフロアの案内図を出して)
        ふむ、この先をもう少し行った所に火災用の非常隔壁がある様だ
        それを利用出来ないだろうか? -- エミッタ 2014-09-17 (水) 23:19:44
      • 先ほどの案内板をダウンロードしたものかしら?
        (エミッタに肩を寄せて画面を覗き込み) …確かに火災用の非常隔壁があるようね
        稼動できるかは分からないけどそれに賭けてみましょうか
        (背後から機能を停止したセキリティロボの壁に体当たりをしようとする音が聞こえてくる。そう長くは持たないと…) -- アサギ 2014-09-17 (水) 23:33:06
      • ああ、先程撮影した画像だ
        (記号と矢印を組み合わせたピクトグラムからの推測)
        非常用ならば非常電源が手動で稼働出来ると思うが…無理やりにでも稼働させるさ
        とにかく、そこまで急ごう
        (頷き合うと走る速度を速める) -- エミッタ 2014-09-18 (木) 21:42:35
  •  
  •   Chapter:4-2   記憶の遺跡
    • (…近くて遠く、遠雷のような重低の金属音が鳴る)
      (エミッタが非常隔壁のレバーを引き、二人が目標の部屋へと飛び込むと壁越しに隔壁のしまる音が聞こえた)
      …一安心とは呼べないけど、まずは時間に余裕が出来たかしら -- アサギ 2014-09-19 (金) 22:56:00
      • ああ、今のうちになんとかしよう。さて…メイン電源はどこで操作すれば……
        (一時の安心。それでも猶予として確保できた時間。アサギに頷くと早速室内を調べ始める)
        (二人が飛び込んだのは、電源室あるいはこのフロアの管理ルームか) -- エミッタ 2014-09-19 (金) 23:17:02
      • (非常灯である為か薄暗く、室内もまた薄赤色に照らされていた)
        (だが輪郭をなぞることは可能であり、この部屋を占めるのが空間ではなく機械であることがうかがえる)
        (正面には操作パネルとモニターが一体となったコンソール、両脇には柱のような機械が鎮座していた)
        …さしずめ電源室というよりもこの区画の管理部屋かしら -- アサギ 2014-09-19 (金) 23:28:11
      • ふむ、その様だな…ならば電源だけでなくセキリティの管理も行えるかもしれない
        分担して調べてみる事にしよう、さて……
        (モノクルを指で上げると操作パネルを調べ初めた)
        (初めて見る装置ではあるが、各部のおおよその見当はつく)
        (ミストロザリアの商店や施設を見て回った際)
        (地下から持ち出された機器のいくつを見る機会があったからだ)
        (同じ遺跡の物であるならば操作系統は似た物であると推測されて) -- エミッタ 2014-09-19 (金) 23:51:19
      • (エミッタがコンソールの操作基盤を鍵盤でも弾くかのように操作を始める)
        (これまで悠久の沈黙を保っていたモニターに古い言葉で表示がされ、アサギが読み上げる形で立ち上げが始まる)
        (非常電源である為にセーフモードから始まり、電源ラインの確認をすると一部断線はあるが復旧をするには十分な状態だった)
        (エミッタが電源を入れると部屋の照明が非常灯から常備灯へと切り替わったことだろう。同時、柱のように鎮座していた機材からも読み込むような音が鳴る) -- アサギ 2014-09-20 (土) 00:00:27
      • ふむふむ…辞書ツールも購入しておくべきだったな
        (アサギの読み上げる言葉を指標にコンソールの操作を進める)
        (古い時代の物ではあるが操作系統そして構成は極めて系統的であり)
        (この遺跡を作り上げた者達がいかに高度でそして優れた技術を持っていたかがわかる)
        こんな状況でなければもっと詳しく調べたいものだなぁ…おっ、これでいけるな……
        (やがて操作が進みシステムの再起動が完了すれば、通電可能な状態となり……)
        電源ONっと、さて…どうなるか…お?おお……
        (そして記録装置と推測される柱からの読み込みが完了すれば)
        (二人の周囲に投影式のモニター… 表示枠(サインフレーム)がいくつも浮かび上がった) -- エミッタ 2014-09-20 (土) 00:20:43
      • (機材もアサギやエミッタが知るような代物ものではなく、表面の劣化はあるが悠久の歳月を経てもなお起動できる並外れたものであった)
        (表示枠には左右の機材から読み込まれた情報が開示され、各ブロックの現在の状態が次々と羅列されていく)
        (稼動にあるものもしくは使用可能な場所については緑の表示が、反して停止していたり情報が断線しているものについては警告音と共に赤の表示がなされる)
        (そして二人が追われていたセキリティの停止もここから行うことが出来るようで…)
        …うん、代行管理権限でセキリティを切ることは……あ! エミッタ、その浮かんでる窓に指を当てて貰えるかしら -- アサギ 2014-09-22 (月) 22:00:13
      • (二人の周囲に展開される表示枠に思わず驚きの声が漏れる)
        (表示枠の技術自体は現行の魔導端末に少数ながら採用されている)
        (しかし二人の前にある機材は1000年以上も昔の物だ)
        あ?ああ…よし、これだな?
        (呼びかけの声で思考の時間から帰還する。今はぼぉっとしている場合ではない)
        (背後からは危機が迫っており、先に進めための安全確保と情報が必要だ)
        (頷くとアサギの指し示した表示枠にそっと指を触れた)
        (数秒の読み込みの後、新たな表示枠が浮かび上がる)
        うん? これは…セキリティに関する注意事項だろうか?
        (ここまでの経験でいくつかの単語を覚えていたが読み解くには程遠い) -- エミッタ 2014-09-22 (月) 22:23:01
      • 私も完全に訳せるかといわれたら首を振るけど、今も昔も内容は読み飛ばして「同意します」を押すものじゃない?
        (表示枠に触れたエミッタの指には押した感覚はなく、しかし彼女の拇印は宙空の窓に刻まれていた)
        (直後に外から聞こえていたセキリティたちの足音は消え、二人が直面していた危機は去ったようである)
        (アサギはエミッタの顔を確認するように見ると、肩の荷が降りたと溜息を付いた) -- アサギ 2014-09-22 (月) 22:32:22
      • いややはりここは慎重に…お?しっかり押していた様だな、結果オーライ!
        (アサギの言葉に苦笑を浮かべつつも代行管理者の認証が通った事にほっと息を吐く)
        さて、せっかく認証も通った事だし、休憩がてら情報収集等もしておくかな?
        (側にあった椅子の埃を払うと腰掛け操作パネルへと向き直った)
        (その瞳はキラキラとしていて好奇心の方が先に来ている事が見てとれる) -- エミッタ 2014-09-22 (月) 22:44:46
      • (エミッタの好奇の色は手に取るように分かる。…なぜならば、自分も先人たちの知識や未知の技術を知れるとならば色めき立つだろうと分かっているからである)
        それでエミッタ、情報収集といってもまず何から目星をつけてく?
        (文字の翻訳はアサギが担っていくがそれも短時間で出来るものではない。当たりをつけて絞ることも必要なのだろう) -- アサギ 2014-09-22 (月) 22:55:55
      • そうだな……まずはこの遺跡の…施設の図面だろうか?
        ここがセキリティを管理しているのならば生きている通路の検索もできるかもしれない
        (操作パネルの扱いは先程の流れでおおよそ把握した)
        (それに今は代行管理者権限もある、より深くの検索が可能となるかもしれない) -- エミッタ 2014-09-22 (月) 23:08:51
      • (エミッタとアサギとで自分たちがモニターしている表示枠に図面を呼び出そうとする)
        (現れたのは居住区となっているブロックが数層、彼女らがいるのはそのブロックの中層ともいえる位置)
        (つまり来たときを参照すると上の何層かは土砂なり階段が潰れるなりしている可能性がある)
        (居住区を抜けてのブロックは生産区、恐らく衣食に必要なものを製造していたと思われるラインの区画があった)
        (しかし閲覧できるのはここまで、居住区からの代行権限ではここまでが限度のようだ)
        (だが遺跡、このシェルターともいえる施設の全体図を見ると彼女らがいるのはほんの一角であることが伺える) -- アサギ 2014-09-22 (月) 23:23:24
      • むぅ…部分的にでも情報を得られたのをよしとするか……
        しかし、予想はしていたが…いや予想以上にこの施設は広い様だなぁ
        (アサギに苦笑を見せると肩を竦め)
        エネルギー生産区画は最下層にあるとして…この衣食の生産区画の次が何かだな
        とりあえずわかった分の情報だけでもダウンロードしておくか……
        (呟くとウェストポーチからいくつかのケーブルを取り出す)
        (エミッタの魔導端末と遺跡にある端末類を繋ぐため、里の商店等で購入したパーツから組み上げた物)
        (里で使われている魔導機の多くが遺跡で使用されていた機器の規格をそのまま採用していた)
        (それゆえエミッタの所持する魔導端末遺跡にあるであろう機器との交換アダプターを作るのは難しい事では無かった) -- エミッタ 2014-09-24 (水) 21:29:29
      • …もしかしてだけど、次の衣食プラントにエミッタのスーツに転用できる素材があったりするんじゃないかしら
        私の使ってるスーツも元々は遺跡から発掘された技術の転用だったもの
        (ダウンロードを進めるエミッタの横、下層に続く階段の非常ドアの開放作業を行う)
        (開放作業はここまでで、やはり最下層を目指すには他の区画より進まなければならないようであった) -- アサギ 2014-09-24 (水) 22:01:36
      • …!
        (アサギの言葉にはっとした様にぽんっと手を叩いた)
        確かにその通りだ、衣食の生産ラインと聞いてごく当たり前の物を想像してしまったが……
        その可能性は大いにあるな
        しかも、ここは里の者達も知らなかった場所だ、新たな素材の発見もあるかもしれない
        (アサギと会話をしながら情報のダウンロードを進める)
        (いくつかの変換肯定が必要ではあったが、閲覧する分には何も問題は無い様だ)
        よし、新たな目的も出来たな…ああ、そうだ出発の前にもう一個二個調べておこう -- エミッタ 2014-09-24 (水) 22:22:27
      • そうね。出来れば居住区だからその辺りのが…
        (するとアサギがあるデータを見つける。データの破損が酷く、ノイズが混じってはいるが…)
        (空中の窓に映し出されたのは家族、中央に年端もいかない少女を置いた記念映像だった)
        (家族たちが着ている衣装は今のアサギのように肌へのボディスーツ、その上にツーピースの衣類だった。それを除けば今の人間と変わらず…)
        (画面に映し出された少女の声はデータが欠損しているのか聞こえず、だが撮っている側に対して破顔の笑みで手を振っていることから内容も推測できる)
        (かつて此処にも人の営みはあり、失われてしまった過去の残滓が二人に何を語ったのか…) -- アサギ 2014-09-24 (水) 22:29:20
      • ………
        (沈黙したままその映像を見つめ続ける二人)
        (二人の好奇と興味対象となる技術等とはほど遠い…ごくごく普通の日常を記録した映像)
        (かつてこの埋もれた都市にあったであろう日常)

        ふぅ…何があったのだろうな……
        (大きく息を吐くと、止めた様になっていた呼吸を再開し誰にでもなく呟いた)
        (映像は不意に途切れた。それでも再生された時間10数分にもなり)
        (二人はその間、映像をじっと見つめ続けた) -- エミッタ 2014-09-24 (水) 22:49:34
      • 私から言えるのはここが備蓄庫や生産施設ではなく、居住も兼ねた施設であったということかしら…
        (ならばシェルターとでもいうのか、だがそうではない予感がアサギを身震いさせる)
        ひとまずは地上に戻りましょうか。セキリティを相手に使いすぎてしまったから -- アサギ 2014-09-24 (水) 22:57:52
      • …そうだな、いったん戻ろう。情報も整理したい
        何より、今の私達には休息が必要だ
        (セキリティロボとの戦闘で身は疲労し、今また得た情報により心にも)
        (この状態で先に進むのは危険であるのは二人とも同意見で) -- エミッタ 2014-09-24 (水) 23:10:28
      • (二人が管理室より出ると外には機能を停止したセキリティが鎮座しており、彼女らはその脇を忍ぶように通り抜ける)
        (来た道を辿るように地上へと、だが成果を持っての帰還に達成感を得る)
        (だが彼女らの探索はまだ始まったばかりだ。困難の予感は二人は揃って共感していたことだ…) -- アサギ 2014-09-24 (水) 23:28:34
  •  
  •   Chapter:5   紡がれる意図
    • (アサギたちが地上に帰還した後、彼女たちは装備を整えて改めて遺跡へと潜った)
      (手にした情報を元に彼女たちは居住区の下、生産区にてある技術と素材を発掘した)
      (その技術とは紡績、アサギが着ているスーツの原型となった繊維である)
      (だがそれは彼女ら、エミッタからすれば幸運とも呼べるものだった。なぜならば彼女が使用しているサポートスーツの問題点を一挙に解決できるからである)
      (伸縮性や強度のみならず魔力の伝導性が比較にならぬほど、その繊維には盛り込まれていたからである)
      (彼女たちはその技術と繊維を持って地上へと戻り、技術局に協力を仰いで繊維の復元に挑んだ)
      (それから数日、彼女らの元にサンプルとなる繊維が届きエミッタと共に開発に勤しむ)
      (これはそんな挑戦の一幕、寝る間も惜しんだ深夜のこと…)

      エミッタ、コーヒーを淹れたから休憩に入らないかしら? -- アサギ 2014-09-27 (土) 00:23:56
      • あ…うむ、ありがとうだ……
        そうだな、そろそろ休憩にした方が良さそうだ…ん、うーん……
        (聞きなれた声に集中を解く、そして作業道具を置くと大きく伸びした)
        (身体の所々がコキコキと音を立てる、横目で見た時計は深夜を示している)
        (数えれば最後の休憩から5時間以近くが経過していた) -- エミッタ 2014-09-27 (土) 00:44:33
      • (食事には縁のないミストロザリアだが、コーヒーは頭の回転や眠気を飛ばすものとして重用されている)
        私はブラックでよかったけど、砂糖とミルクはどうするかしら?
        (トレイに乗せた二つのマグカップ、湯気だったそれを机の上に置く) -- アサギ 2014-09-27 (土) 00:56:10
      • うーん、そうだな…糖分と脂肪分が不足気味な気分かな?
        (それはつまり砂糖多目ミルク多目と言う事
        …エミッタは甘味だけでなくコーヒーも甘めが好きであった
        にこりと笑みを浮かべるとテーブルの上を片付け始める
        場の確保もあるが万が一にもコーヒーをこぼしては困る物もあるからだ) -- エミッタ 2014-09-27 (土) 01:05:36
      • (砂糖もミルクも人工生産の粉ではあるが、味は問わずとしてエミッタのコーヒーがカフェオレになるような量で両者を添加する)
        はい、どうぞ。それで作業の方はどうかしら? -- アサギ 2014-09-27 (土) 01:09:52
      • (カフェオレの入ったカップを受け取ると早速一口啜る)
        (コーヒーの苦みと砂糖の甘みの絶妙なバランスが舌に喉に心地良い)
        ふぅー…まさにこの一瞬のために生きている気分だ、ふふっ
        ああ、作業の方は順調だ。むしろ予定以上の事が出来そうだ……
        (言って仮縫い段階のスーツを手に取る)
        (これまで使っていた物よりも布地は薄くなったが丈夫さも伸縮性も各段にアップしていて) -- エミッタ 2014-09-27 (土) 01:32:19
      • ふふ、それは言いすぎじゃないかしら
        (エミッタが手にした仮縫い状態のスーツに視線を配るとその生地の薄さに驚きの様相を見せる)
        それだけ薄いのに強度も増してるなんて驚きよね…
        私のスーツも復元されたものだったけど、オリジナルからのデータはやっぱり違うわ -- アサギ 2014-09-27 (土) 01:38:37
      • (アサギの言葉にまた微笑むとまたカフェオレを啜って)
        (そしてスーツの感触を確かめるように撫でて)
        まったくだ、里の内外を捜してもこれ以上の素材はなかなか無いだろうな
        魔力の伝導性も高いから予定している追加装備も接触式回線で済みそうだ
        (接触式、つまり身に付けるだけでよいと言う事) -- エミッタ 2014-09-27 (土) 01:50:31
      • この里に元々あった文明は科学だけでなくて魔導にも明るかったのかもしれないわね
        (遺跡の技術も科学だけでなく、一部では魔導を介した回路や設備があったことを思い返して)
        …あ、でも追加装備の方はまだ聞いてなかったわね。どんなのを考えてるのかしら
        (技術局の方にも話は通してあるが、エミッタの方が彼らと相談と開発を繰り返しているのでよくは知らない) -- アサギ 2014-09-27 (土) 01:59:42
      • 極まった科学は魔導に近くなると言う、ならば魔導に明るいのも頷ける
        むしろ二つの融合を目指していたのかもしれないな……
        (科学と魔導…それぞれに利点と欠点がある)
        (二つを融合する事で利点を強化し欠点を減らす…その可能性は十分にあり)
        ん?ああ…追加装備か、身体の強化系装備がメインとなるが……
        これまでギミックブレードを介して行っていたアクションを直接出来る様になりそうだ
        (言ってギミックブレードに装着するオプションの部品をテーブルに置いた)
        (それは剣を装飾する飾りの様にも見えて) -- エミッタ 2014-09-27 (土) 21:42:05
      • かつて人は極地に達した技術を魔法や奇跡と呼んだそうだけど…
        あの遺跡に足を運ぶたびにそれは確かなものとして教えられるわ
        (千年も前の遺跡ながらに稼動する端末やセキリティ、それは現代のものでは推し量ることさえ傲慢と呼べるもの)
        (その技術を取り込んだエミッタの新たな戦装束、一見すれば水着にさえ見てしまうがその機能も既存のものを大き上回るようになった)
        この部品が…? 一見すれば装飾品、鍔や柄の一部にも見えるけども -- アサギ 2014-09-27 (土) 21:50:50
      • 奇跡か…奇跡を夢想と言う者もいるが
        それを起こしたいと言う強い想いがあれらを生みだしたのかもだなぁ……
        (あくまで想像。それでもあの遺跡には探索した者に畏怖と羨望の様な者を感じさせる何かがあって)
        ふふっ、せっかくだから機能だけで無く外観にもな? 昔読んだ絵本の挿絵を思い出しつつ……
        これにカードのメモリを記憶させる事で、カードの抜き差しを省略する事が出来るんだ -- エミッタ 2014-09-27 (土) 22:16:18
      • つまりエミッタが行っていたカード機能を省略できるということかしら?
        (だがその機能が想像できず、また絵本の挿絵というのが気になって彼女に尋ねる)
        そういえばエミッタのカードの機能自体も詳しく聞いてなかったわね。それ自体に魔力が込められてるのかしら? -- アサギ 2014-09-27 (土) 22:27:49
      • ああ、そう言う事だ。全ての機能を…と言う訳ではないが戦闘中の隙も減るはずだ
        (ギミックブレードに装着していたパーツを取り外すと色々な角度から眺めて)
        んー…この街にそう言った絵本の類は少なそうだな…こう魔導鎧を纏って戦う騎士の絵本が
        どこかで見つける事があればまたその時にでも説明しようか
        先にカードの説明がいいだろう
        (言うと今度はパーツに代わり床に置いてあったカードホールダーを手にとって)
        簡単に説明すると魔力回路とプログラムの刻まれた…メモリカードと言った感じだろうか? -- エミッタ 2014-09-27 (土) 22:41:19
      • つまりそのメモリーを再生して事象として発生させてるということかしら?
        (刀身に焔を宿らせたり、エミッタ自身の肉体を強化する。それがカードに刻まれたプログラムということか)
        その装飾品にプログラムを記憶させることで何度でも使えるという考えでいいのかしら -- アサギ 2014-09-27 (土) 22:43:52
      • ああ、大体そんな感じだ。東洋魔術の「符」等に近いかもしれないな…あれらは使い捨てだが
        (アサギの言葉にこくりと頷き話を進める。お互いに技術者と言う事もあり説明が少なめで済む)
        何度もと言っても私の体力等の限界はあるがな? それでも急な自体でも瞬時に対応できるし
        複数機能の同時使用も可能となるかもしれない…この辺りは試験も必要となりそうだが
        これが上手く行けば他の機器にも応用できるかもしれないな、アサギの銃に機能を追加するなどの -- エミッタ 2014-09-27 (土) 23:11:40
      • 私のに…?
        (だが理論としては可能だ。アサギが使用しているのは魔導銃、機械としての発射装置に魔力を乗せているのだ)
        (ならばその弾丸にエミッタのように魔力を込め、回路を通してプログラムとして発動させるのは理論としては可能といえる)
        文献の中にはヒーリングバレットというのもあったわ
        治癒効果を促進させる弾丸を発射するというものだけど -- アサギ 2014-09-27 (土) 23:14:49
      • (こくりと頷く。魔導の力は変幻自在だ)
        (外部から機能を与える事で銃が新たな力を得る可能性は大きい)
        ヒーリングバレット? それは便利そうだ。現状、探索中の治癒は薬に頼っているからな
        もし戦闘中でも治癒が使えるならば、その恩恵は大きいな -- エミッタ 2014-09-27 (土) 23:24:45
      • 薬だと浴びせたりすると治癒の効果が半減したりするから、直に治癒効果を与えられるとなれば恩恵は大きいでしょうね
        でも本当に可能なのかしら…? ううん、可能といえば可能だけど…
        (だがエミッタの作業もある。その負担も日々の徹夜続きなのを考えれば遠慮がちに俯いてしまい) -- アサギ 2014-09-27 (土) 23:28:05
      • なぁに、今更タスクの一個や二個増えた所で問題は無いさ?
        それにだ……
        (ニヤリと笑みを浮かべればアサギを指差して)
        一人で無く、二人だからな? -- エミッタ 2014-09-27 (土) 23:40:19
      • そうね、一人ではなく二人で…
        (彼女だけではない。その作業に自分も加わっていたことを思い出して…)
        私たち二人でなら達成できる。…そうよね、エミッタ
        (机の上に置かれた掌) -- アサギ 2014-09-27 (土) 23:42:26
      • そうだ、二人でなら達成出来るさ
        (力強く頷けばアサギの掌に自分の手を重ねて)
        (学園を卒業してから多くの困難を二人で乗り越えて来た)
        (ミストロザリアまでの長い道中、遺跡での探索と戦闘) -- エミッタ 2014-09-28 (日) 00:01:56
      • (掌かた伝わる体温、だがそれは暖かさという形で彼女との信頼を繋げる)
        でもエミッタ、くれぐれも無理はしないでね
        いい仕事は休息から必要だもの。貴方、最近あまり寝ていないでしょう? -- アサギ 2014-09-28 (日) 00:07:31
      • …え…そんな事は無いはずだが……
        (シリアスな空気が崩れる様に額に汗マークを張りつけるエミッタ)
        (時計を見ればひのふのと数えはじめて)
        うむ、作業前に二時間ほど眠っているから問題ない…ないはずだ -- エミッタ 2014-09-28 (日) 00:22:43
      • …駄目じゃないの、仮眠は寝たとは言わないわ
        (エミッタの手を引くと、コーヒーを飲ませたばかりとは言え彼女へとベットへと引っ張って)
        時間は焦ることはないのだからゆっくりといきましょう
        (彼女を遠心力の容量でベットへと投じ、ぼふんというベットで跳ねる音が鳴る) -- アサギ 2014-09-28 (日) 00:40:38
      • いや、しかし、鉄は熱いうちに打てと言う諺もあるし……
        (手を引かれながら徐々に言葉が弱くなる。アサギの指摘ももっともで)
        うぉ…? 私はまだ……うぐ
        (スイングでベッドへ放り込まれれば妙な声を上げてしまう)
        (ベッドのそして布団の柔らかさは最強だ、少しでも眠気のある人間の意識を支配する)
        (エミッタも例外でなく、その瞼は急激に重くなり初めて) -- エミッタ 2014-09-28 (日) 00:50:21
      • 大丈夫…。眠るまでは私が付いていてあげるから
        (彼女の性格からすれば無理を通すのは自明、だからこそ多少は強引であれどエミッタをベットへと誘う)
        休んでから作業を再開しましょう。…大丈夫、私も一緒に休むから -- アサギ 2014-09-28 (日) 01:10:46
      • …ふぅ…そこまで言われてしまっては仕方が無いな……
        今は寝る事にしよう…しかしだ……
        (ここに来てまだ強気な態度のエミッタだが、強烈な眠気はすぐそこにまで来ていて)
        (それでもとアサギを布団に引っ張りこんだ)
        一緒に寝るならば今寝てしまおうそうしよう…………ぐぅ……
        (引っ張りこむまでが限界だったのかアサギが抗議するよりも先に寝息が聞こえて来た) -- エミッタ 2014-09-28 (日) 01:27:27
  •  
  •   Chapter:5-2   紡がれる意図
    • (工房の一角、壁となって積まれた機材やコンテナの谷間に二人の女性の姿がある)
      (一人は机と向き合い、布の上には分解された銃の部品が乗せられておりその手に握った工具で整備を行っていた)
      (また一方の女性は工房の機材と向き合い、新たな器具を生み出そうとしていた)
      (…アサギとエミッタ。彼女らが行っているのは) ふぅ…、あの人の銃を整備するのは初めてだから時間が掛かってしょうがないわ -- アサギ 2014-09-29 (月) 22:11:32
      • ならば今やって正解だったな? 遺跡内で故障があったら大変な事になっていた
        (精密作業用ピンセットの先に挟んだパーツを光に翳しながら言葉を返す)
        それに整備をする事でその銃を寄り深く知る事も出来る…ああ、銃のサイズをもう一度確認させてくれないか? -- エミッタ 2014-09-29 (月) 22:32:43
      • もし故障があったらジョゼの不始末として賠償を求めてたところよ
        (だが手入れが行き届いている。退いた後も銃の整備は怠らなかったのか保全が良かったのか)
        ええ、いいけど銃身とグリップはもう分けちゃったけど?
        (今まで使用していたアサギの銃とはサイズはそう変わらないが、触れた者だけが分かるピーキーな仕様)
        (威力が大きいために反動が大きい、そんな仕様の銃だった) -- アサギ 2014-09-29 (月) 22:54:45
      • ふふっ、確かにそうだな、失敬失敬
        (アサギの言葉の中にジョゼへの信頼を見れば笑みを浮かべ)
        ああ、むしろ好都合だ…ついでに内部のサイズも撮らせてもらおう
        (片手持ちのビデオカメラの様な機器をパーツ類に翳すと数値を取り始める)
        (赤い光のラインが銃のパーツを撫でて行く。工房で借りた測定機器だ)
        …これでよしだ…ふーむ、もう少しバランスを調整した方が良さそうだな……
        (銃の仕様がピーキーならば追加されるパーツもピーキーな調整が必要となる) -- エミッタ 2014-09-29 (月) 23:16:29
      • …師匠はよくこれを使っていたと思うわ
        (ジョゼを師匠と呼ぶ、それは敬意を込めたという意味でだろう)
        これは魔力…いえ、意思に応じてその威力も変わるの
        私はあの人の何分の一という威力しか出せてないけど…
        ふふ、出鱈目でしょうこれ。遺跡から復元したものじゃなくてそのままのオリジナルなの -- アサギ 2014-09-30 (火) 23:12:05
      • 意思に応じて威力が変わるか……
        (それはこの銃を使いこなしていたジョゼの意思の強さを示す)
        (どんな想いを込めてこの銃を使っていたのか……)
        (そしてどんな想いでアサギを指導したのか……)
        ん?、そのままのオリジナル…だって…!?
        あはぁ、つまり古き時代にはこの出鱈目な銃を使いこなす者が大勢いたと言う事か…… -- エミッタ 2014-09-30 (火) 23:32:34
      • それはどうかしら? あくまでこれが持ち主に応じて威力を発揮するというだけで
        それを使いこなせたかはまた別だと私は思うの
        事実、私はあの人が本気を出したときの足元にも及ばない威力だから
        …私にはまだ覚悟、それとも通すべき意地が足りないということなのかしらね
        (エミッタに向けて自嘲めいた翳りのある笑みを見せる) -- アサギ 2014-09-30 (火) 23:42:19
      • そ、それもそうだな…まぁ、当時でも使いこなす事が難しいとしたら
        やはりジョゼの…アサギの師匠の意思力の強さには恐れ入るな
        (アサギが事実と言うのならば誇張表現等無く事実なのだろう)
        (それほどにジョゼは強気意思を持った銃使いと言う事)
        …どうなのだろうなぁ……
        覚悟も意地も生きる中で見つける物、ジョゼはアサギより長く生きる中でそれを見つけたのだろう
        アサギはこれからそれらを見つけていくのかもしれない……
        なんて、私もまだまだ見つけていないのかもしれないがね? -- エミッタ 2014-10-01 (水) 00:01:36
      • …そうねよね、私がこれから見つけるとしたらそれは ────
        (しかしその後の言葉が続かない。アサギの表情は言い難そうにし、頬を赤らめた恥じらいのようなものさえ見える)
        あ、そうそう! エミッタ、銃だけでなく私のスーツも新調とかどうかしら
        (などと、話題を変えるということを覚えたのもまた最近のこと) -- アサギ 2014-10-01 (水) 00:07:10
      • それは……
        (アサギの表情に何か緊張の様な物を感じ続きを待つが……)
        おぅ? あ、ああ、そうだな? せっかく素材も見つけた事だ
        今後の事を考えればアサギのスーツも新調した方が良いかもしれない
        (急な話題の転換に呆気に取られつつも提案に乗って) -- エミッタ 2014-10-01 (水) 00:25:43
      • 私のも学園のときから着続けたものだから損傷も多いのよ
        (見た目では見え辛いが解れてる箇所も多く、新品のときよりも耐久性などは落ちてしまっていた)
        生地はまだあるのだから一緒にと思うけど、折角だからエミッタとは反対の色にしてみようかしら -- アサギ 2014-10-01 (水) 00:31:32
      • そう言えば前に言っていたな、この里でしか生地を作れないと
        (アサギのスーツは機能性は優れるが、生地の特殊性ゆえに里の外に出てしまうと替えが無い)
        (その結果、一着を酷使する事になってしまうのだろう)
        ふむ、私のと反対の色か…それは良いかもしれない、そうなるとこんな感じだろうか?
        (魔導端末の画面に完成予想図を出すと、画像をコピーし配色の編集を始め)
        (いくつか候補の配色を作ってみた) -- エミッタ 2014-10-01 (水) 21:59:49
      • そうなの。…だから一着を着回してたんだけど、さすがに無理がきてたみたい
        (学園のときでもほぼアサギの一張羅であったのは誰の記憶にもあること)
        (アサギも配色画面を見てこの色がいいやデザインなどについてもエミッタと意見を交換しあう)
        (それは女性同士がファッション誌でも見るかのような仕草と会話のようにも見えた) -- アサギ 2014-10-01 (水) 22:08:36
      • …こう言うのも良いな……
        (配色を時にデザインの修正を加えながらエミッタが呟いた)
        今回の件が落ちついたら、二人で服飾の専門店等を巡るのも楽しいかもしれないな
        (ミストロザリアの里にある衣服は機能性重視で、装飾に凝った物は少ない)
        (つまり里の外でと言う事なのだろう) -- エミッタ 2014-10-01 (水) 22:19:07
      • え…でも、私は普通の服飾のことはよく分からないから…
        (遠慮がちに目を伏せる。学園で経験を学んだとはいえ感性までは研がれてはいない)
        (自分がエミッタと買い物に回ったとき、服飾を重視した店を回って彼女の損にならないだろうかとの不安がよぎったのだ) -- アサギ 2014-10-01 (水) 22:25:25
      • ふふっ、ならばなおの事だな? 服飾の知識は見る事で養われるものだ
        …と言う私も知識やセンスは微妙だがね
        (肩をすくめながら苦笑)
        (商店があれば服飾系より技術系ショップを捜してしまうのだから仕方ない)
        よし!一緒に修行だ! パーツや工具を見て回るのも楽しいが
        色々な服や装飾品を見て回るのもきっと楽しいぞ
        (アサギと一緒に見て回るならばどんな店を巡るのも楽しい気がして) -- エミッタ 2014-10-01 (水) 22:42:26
      • 修行ね、ふふ。確かに自分ひとりだと入るのに臆しちゃうけど
        誰かと一緒にというのは心強いもの。今までにない私を知る…
        それを教えてくれたのは学園やみんな、そしてエミッタだったからそれに抵抗はないもの
        (だから彼女とこれからも色々なものを見て行きたい。その為に今を尽くすと覚悟を新たに) -- アサギ 2014-10-01 (水) 22:46:44
      • なら決まりだな…ん? ふふっ、それは私もだよ
        学園の皆…そしてアサギとの出会いで新しい自分を…新しい世界を知る事が出来た
        (エミッタもまた同じ気持ちで。アサギと歩み、アサギと色々な物を見たい)
        (その気持ちはますます強くなっていて) -- エミッタ 2014-10-03 (金) 22:10:30
      • (世界を知るということは認識が広がる、認識が広がると人は見えてくる光景もまた変化していくのだ)
        (二人は学園で学んで経験を培い認識を広げた、すると二人の中にある景色というものも成長をする)
        私たちが知るべき世界はまだまだあるもの、それを一緒に歩んでみていきましょう
        (その為の力がとエミッタの機甲剣や整備中である自分の銃に視線を落とし、ここが正念場と意を奮い立たせた) -- アサギ 2014-10-03 (金) 22:17:39
      • ああ、一緒に歩もう、そのためにも遺跡の探索を完遂しよう
        全てはそれからだ、まずは目の前の作業を…だな?
        (二人で成すべき事、二人で成し遂げたい事は多数ある)
        (それらの一つ一つが二人の道となり二人の絆となる) -- エミッタ 2014-10-03 (金) 22:36:53
      • (その後、二人の作業は夜を越して昼を通し再び夜を迎えるまで続く)
        (二人のスーツと装備、これらを里と遺跡の技術を合わせて改良を始める)
        (疲労は募れど不思議と苦にはならない。それは互いの信頼から来る活力だったのかもしれない)
        (装備の新調は性能だけでなく、二人の絆を確固としたものとした彼女らの変身なのかもしれない ──── ) -- アサギ 2014-10-04 (土) 22:42:02
  •  
  •   Chapter:6   Gの咆哮
    • (二人が最後に訪れた生産区よりも奥深く、そこは敵意の巣窟とも呼べる場所であった)
      (再起動をかけたEVがシャフトを下り、二人が降り立ったのは巨人の神殿)
      (…否、資材搬入路としての大型通路や朽ちたドゥームなどが鎮座する空間)
      (エミッタよりも背の高いアサギでさえも小人に思える空間、過去にはここを利用して生産区や下層部に資材が送られたのだろうか)
      (だが今のここは生き残っているセキリティが敵意を持ち、君たちに空間としての殺意を投げかけてくる)

      …思った通り、生産区よりも下からはセキリティのコードもあがってる。出てくる相手もこれまでの缶みたいな相手じゃなくなるわね -- アサギ 2014-10-05 (日) 23:24:08
      • ふぅ、まったくだ
        予想はしていたが…装備の強化をしていなければもっと苦戦していたかもしれない
        (足元に転がる球状の物体を足で突きながら言葉を返す)
        (この階層に入ってから何度も襲撃してきた新型のセキリティロボだ)
        (上下に広がる大きな空間に対応した浮遊タイプ) -- エミッタ 2014-10-05 (日) 23:44:50
      • でもセキリティのコードがあがるということは、それだけこれからの区画が重要ということよね
        この地下にジェネレーターを修理、もしくは復元ができる部品があるということだけど…
        (果たして本当にそれだけなのかしらと不安にも思う。居住区や生産区の重要性が低いとなれば、それ以上のものがここから先にはある)
        (それは一体何なのかという好奇心と同時に身震いするような不安が寄る) -- アサギ 2014-10-05 (日) 23:54:47
      • (表情を翳らせるアサギの肩をぽんっと叩けば笑みを見せる)
        行かなければこのままだ、今は可能性を信じて先に進もう
        進めば何かしらの答えが見つかるはずさ
        思う物と違った時はまたその時に考えればいい…二人で考えよう -- エミッタ 2014-10-06 (月) 00:12:54
      • (決意は固めていたが直面すると不安も過ぎる)
        (だがそれを拭うようにエミッタの掌から伝わる気持ちが彼女を身震いなどではなく、心が奮い立つ)
        …ええ、答えが見つかる前から足を止めるわけにはいかないわね
        行きましょう、私たちの答えは変わらずそこにあるでしょうから -- アサギ 2014-10-06 (月) 00:19:27
      • ああ、そうだ進もう、答えへと向かって
        (一歩一歩確実に。そのためにもまずはこの階層)
        (階層の一つを一つを攻略していけば、必ず答えと辿りつくはずと信じて) -- エミッタ 2014-10-06 (月) 00:44:54
      • (その二人に立ちはだかる壁、それは二人の背丈を見下ろす巨躯であった)
        (先ほど二人が入口で目にした朽ちたドゥーム、これはエミッタたちルーンフォークと同じ時代に生まれたとされる戦闘魔導機械である)
        (四本の足と肩の大砲、装甲の身は並の刃でさえ通らない兵器である。これが数にして十…)
        (並の冒険者ならば死地ともいえる状況、だが二人の試金石ともいうべき展開でもある)

        …おかしなものね。こんな状況でもエミッタと一緒だから平静を保ってられるの -- アサギ 2014-10-06 (月) 22:57:18
      • ああ、同じくだ…むしろワクワクさえしている
        (並び立つ巨躯を見据えたままこくりと頷く)
        (恐怖すべき状況、なのに口元には笑みが浮かび身には熱が籠る)
        アサギが隣にいてくれるからなのかもしれないな……
        さて…ここまでで試運転は済んでいる…もう少し上を試してみようか?
        (そう言うと機甲剣を作動させて) -- エミッタ 2014-10-06 (月) 23:13:45
      • 私も通じるか試してみたいところよ
        (ニ挺の銃を携え、エミッタと背を向けるように立ち会う)
        (火蓋を落としたのはドゥームたちであった。二人が臨戦態勢に入ったとみればその肩の大筒が火を吹く)
        (直後、二人のいる位置に着弾した砲丸が噴煙をあげたが…)
        (煙を掻き分けるように二人が揃って中より走り出す!) -- アサギ 2014-10-06 (月) 23:20:42
      • (先行したのはエミッタ。アサギより一歩先に踏み出ると右足を強く踏みしめ跳躍)
        (余剰パワーを具足の裏に集中する事で跳躍力を高めたのだ)
        遅いな…はっ!
        (ドゥームの頭部にまで飛び上がれば)
        (光放つ単眼がエミッタを睨みつけ巨大な拳掴みかかろうと)
        (エミッタの速度はそれよりも早い)
        (単眼に機甲剣を突き立てれば落下の勢いでドゥームの鋼鉄の胸まで一直線に切り裂く)
        アサギ今だ!
        (ドゥームの切り開かれた頭部と胸部からは内部機構が露出し火花が弾ける) -- エミッタ 2014-10-06 (月) 23:56:10
      • (エミッタの声に呼応するように後方で控えていたアサギが手にした銃で狙いを付ける)
        (並の刃では突き立てることすらままならぬ装甲が切り裂かれ、内部機構が露出した亀裂へと定める)
        エミッタ、離れて!
        (放たれた弾丸、だがそれはこれまでのアサギが放っていたものではなく…)
        (亀裂から弾丸が入ると内部から爆発の花弁が開く。改造によって魔導銃より炸薬、グレネードが放てるようになったのだ)
        (だが火薬式ではなく魔力によるもの、練られた魔力…いや精神力が強さを持つ)
        (エミッタが姿勢を正せば炎上して上半身がなくなったものと、それを囲むかたちでドゥームたちが警戒をしていた) -- アサギ 2014-10-07 (火) 00:14:40
      • (アサギに親指を立てた拳でエールを贈る)
        (これまでならば苦戦していたであろう強敵を苦も無く撃破する事ができた)
        アサギ!この調子で一気に行こう!
        (言えばまた右足を強く踏みしめ次のドゥームへと跳躍する)
        (ドゥーム達が警戒したのは未知の敵へと対応するためのプログラム的行動)
        (ならば対応される前に少しでも数を減らしたい) -- エミッタ 2014-10-07 (火) 00:33:33
      • (二人の息の合ったコンビネーションがドゥームたちを撃破していく)
        (あるときはエミッタの剣技によって、あるといはアサギの射撃によってドゥームたちは爆発を伴って膝を付く)
        (二人の強さは新調されたスーツによるアシスト性能のせいか、それとも強化された武器によるものなのか)
        (普段よりも大胆に動くのは自他共に見てとれる。だが二人には確信めいてこれが信頼からくる強さだと実感していたことだろう)
        ──── エミッタ、そっちに二体いったけど…やれる!? -- アサギ 2014-10-07 (火) 00:45:59
      • ふっ、勿論だ
        (自信に満ちた言葉そして笑みをもって返答とし、頷き合うとそれぞれの相手へと飛び出していく)
        (刃が閃き飛翔し、銃弾が踊り跳ねる。ドゥーム達の鋼鉄の巨体が切り裂かれ、打ち抜かれる)
        (装甲と火力に特化したドゥームにとって二人は相性最悪の敵だった)
        (いや想定の範囲外の敵だったのかもしれない……)
        (対応策を導き出すよりも前にドゥーム達が瓦礫の山となっていった) -- エミッタ 2014-10-07 (火) 21:37:14
      • (駆け出しの冒険者では歯牙も立てられず、数で囲まれれば実績のある冒険者でも苦戦を強いられる相手であったのだが…)
        (そのいずれもが10分と掛からずに破壊され、通路には篝火のように残骸から煙を噴き上げていた)
        …これでエミッタも私も全力を出していないのだから驚きよね
        (エミッタも自分も持てる力の全ての限りは出してはいない。そこから自分たちの実力を差し引き…)
        (その上でこの成果に自分のことながら驚きを隠せないでいた) -- アサギ 2014-10-07 (火) 22:21:16
      • (剣先に付いたオイルを一振りして払うと鞘に納め)
        まったくだ…これも装備強化の賜物かな?
        (装備強化、確かにそれもあるかもしれない)
        (だかそれだけではない学園での経験とそしてここまでの経験が二人を最高の冒険者として仕立て上げた)
        (だからこそ強化された装備を使いこなす事も出来たのだろう) -- エミッタ 2014-10-07 (火) 22:38:19
      • だけどセキリティも前哨戦にすぎないわ
        (通路の最奥より二人に向けられる敵意、それは空気から伝播して二人に息苦しさを感じさせるほど)
        (しかし二人の決心は揺るがず、一歩を踏みしめて歩みだそうとする) -- アサギ 2014-10-07 (火) 22:52:42
      • 油断は禁物だな。よし!気持ちを引き締めて行こう
        (息苦しさを払う様に告げれば敵意の漂うその先、通路の先にある暗闇見据え)
        (通路の先へと歩を進める)
        (上層よりも機と金の多い空間、技術者として興味深い物は多いが)
        (今はセキリティを制圧し安全を確保するのが先と) -- エミッタ 2014-10-07 (火) 23:09:35
  •  
  •   Chapter:6-2   Gの咆哮
    • (二人が最奥を目指すにつれてセキリティの攻勢は激しくなるが、二人はそれに屈することなく歩を進めた)
      (今の彼女らにとってこれらは敵になり得ず、さしたる損傷もないままに最奥の扉前へと立った)
      (だが力を付けた二人であっても扉越しに伝わる敵意、そして圧倒的な力を肌にて感じ取る)
      (この階層に降りたときから二人に伝えてきた敵意、その持ち主がこの奥へといるのだろう)
      (地下の広い空間を満たすほどの敵意、それほどの敵が控えているというのか ──── ) -- 2014-10-09 (木) 21:13:41
      • ふむ、ここがこのフロアの中枢部みたいだな?
        (扉を前に呟く。感じる、この向こうに圧倒的な敵意を放つ存在がいる事を)
        (それはつまりこの先に重要な何かがあるという事)
        (そしてここをなんともしても突破せねば先に進めぬと言う事) -- エミッタ 2014-10-09 (木) 22:02:07
      • 途中で手に入れた情報によればこの先が次の区画への入口になるらしいけど…
        (故に番人なのかとこの先の敵意を見据えるように扉を見た)
        (まるで銀行の金庫のような重厚な構えをしており、人間の力では開くことすら適わないような機械仕掛けの扉)
        (アサギが開閉のコンソールを押せばこの扉は開かれるが…) …いいかしら、覚悟の方は -- アサギ 2014-10-09 (木) 22:16:40
      • ああ、当然だ。覚悟なら当の昔に出来ているさ?
        行かねばならぬなら行くしかない、だろ?
        (頷けば自信に満ちた笑みを向ける)
        (それは無謀から来る物ではなく実力と経験に裏付けされた笑み)
        (そしてもう一度頷けば、アサギにコンソールを押す様に促して) -- エミッタ 2014-10-09 (木) 22:36:18
      • (頷くようにコンソールを立ち上げる。宙に浮かんだ表示枠、それに同意としての判を指で押すと…)
        (ずん、という音をあげて扉から制御棒が外れる。花びらのように散って中央の弁が左右に分かたれて扉が開く)
        (悠久の時を経て開かれた扉の奥からは冷風が二人にむかって吹き、扉の奥は左右に広がったハンガー、格納庫であった)
        (しかし左右に機体は見られず、朽ちて残骸となったなれの果てがいくつかあるだけ)
        (その鋼鉄の墓所の奥、君たちを待ち構えるようにして佇む巨躯があった) -- アサギ 2014-10-09 (木) 22:46:16
      • (どれほどの時を過ごしたのだろう。そして待っていたのだろうか)
        (鋼鉄に閉ざされた向こうに彼の者は居た、墓標の主とも言うべき存在)
        (そしてアサギとエミッタの行く手を阻む存在)
        来るぞ…!
        (エミッタの声と同時に巨躯が唸りを上げた)
        (鋼鉄の咆哮がビリビリと床を壁をフロアを震わせる) -- エミッタ 2014-10-09 (木) 23:11:35
      • (巨躯の名前はアースガルズ。いわゆるゴーレムに分類されるが現代のそれよりも精密であり比べようのない科学によって生み出された成果である)
        (両手の甲には緑色の結晶体が埋め込まれているが、その巨躯から繰り出される拳が今の君たちには脅威として映ったことだ)
        (君たちを侵入者と認めたゴーレムが咆哮をあげると、エミッタの隣でアサギが身構える)
        …見たこともない、ゴーレム。だけど負けるわけにはいかない! -- アサギ 2014-10-09 (木) 23:26:14
      • 勿論だ!どんな敵にも私達は…勝つ!
        (身を奮い立たせるように力強く返答を返しエミッタも身構える)
        (目の前の巨躯がどの様な攻撃を繰り出してくれるのか…恐れはある)
        (しかし恐れは身を萎縮させ出せるべき力を封じてしまう)
        (ならば恐れをも打ち砕くべく全力を出すのみ) -- エミッタ 2014-10-09 (木) 23:54:02
      • (アースガルズが拳を振り上げ、眼下にいる二人目掛けてそれを振るう)
        …くっ! 止まらない…っ!!
        (拳を振り上げるアースガルズに対して発砲をするが装甲に防がれてその勢いは止まらない)
        (アサギは身を翻すようにして柱の影へと滑り込む) -- アサギ 2014-10-10 (金) 00:16:44
      • …!
        (アサギに続く二次攻撃として拳を剣で弾こうとするが逆に弾かれてしまった)
        (潰されてはまずいとタンっ!とバックステップでアサギと別方向に飛び退いた)
        硬すぎる! まるで城塞か要塞だな?
        (硬いだけでは無いパワーもある。先程のドゥーム達とは比べ物にならない) -- エミッタ 2014-10-10 (金) 00:35:09
      • (拳が二人が先ほどまでいた位置に下ろされる。直後、地面から跳ね上げられるような衝撃を得た)
        (鋼板の床はひしゃげて歪み、拳形の痕が残される。エミッタが告げたように城砦ともいうべき防御と攻撃力である)
        (飛びのいたアサギがドゥームにも打ち込んだグレネードを放つが、着弾した爆炎は不自然な消え方をする)
        (振り下ろした拳とは別の手、それがかざすように突き出されたかと思うとグレネードを遮る力場を作り出す)
        (エネルギー障壁ともいうべき力はグレネードの爆発を通さず、装甲のみならずの防御力を二人に克明に伝える)
        なんていう機体…。まさに鉄壁の構えといったところかしら -- アサギ 2014-10-10 (金) 04:49:21
      • ああ、防御障壁まで積んでいるとはやっかいな相手だ…だが!
        人の作った物ならば必ず壊せる…!
        (先のドゥーム達も破壊する事が出来た)
        (ならばその技術を結集したであろうこのゴーレムも壊せるはず)
        まずはそれを見つけよう -- エミッタ 2014-10-12 (日) 21:49:50
      • そうだけど…!
        (今度はその防御障壁を展開したまま拳を振るう。最強の盾で殴られる勢いはアサギの隠れている柱を割り箸のように折る)
        (それから逃れるように転がるアサギだったが、その顔色からは困憊の色を隠せない)
        確かにエネルギー障壁は完璧な盾ということはなく、攻撃を与え続ければいつかは決壊するけども…
        (それは魔導機師としての意見であり、エネルギーフィールドも加護と同じで防御点があるということ。つまりそれを上回る攻撃を与えればいいということだが -- アサギ 2014-10-12 (日) 22:04:20
      • アサギ大丈夫か…!?
        (ゴーレムに阻まれ近づく事が出来ず、声だけで確認を)
        (無事を確認すればほっと息を)
        …上回る攻撃か…ならば試してみたい事がある、アサギ援護を頼む!
        (言うが早いがアースガルズに向かい駆け出した)

        (エミッタの行動に気付いたアースガルズは攻撃対象をアサギからエミッタへと切り替え)
        (フィールドを纏わせた鋼鉄の拳をブンッと振りおろす)
        …おっと!
        (アースガルズの拳撃を跳躍でかわせば空中で機甲剣を右手から左手へと持ち替え)
        YES! INSTALL NOW!
        DOMINIONS!

        (機甲剣から電子音声が響き機能が発動する)
        (これまでならばカード挿入を必要とした強化機構だったが)
        (この里で得た新技術によりその過程を省く事が可能となった) -- エミッタ 2014-10-12 (日) 22:27:59
      • (エミッタのその行為にいち早く反応をしたのがアースガルズであった。守護たる強者は微塵に油断などせず、脅威と感じたならばそれを費やすために全力を尽くす)
        (エミッタに対して動こうとしたアースガルズだったが、それを制するようにアサギもまた動く)
        そうはさせない!
        (先ほどグレネードを撃った魔導銃から放たれたのはスモーク、いわゆる煙幕弾である)
        (帯を引くように放たれたそれは連射され、エミッタとアースガルズの間にカーテンのような煙幕を張った) -- アサギ 2014-10-12 (日) 22:38:18
      • (煙幕によりアースガルズの視界が閉ざされた直後)
        ドンッ
        (銀色に輝く拳が殴りつける。エミッタの腕の大きさではない)
        (アースガルズの拳に匹敵するサイズの銀の拳)

        (謎の攻撃を受けたアースガルズは思考に混乱を起こした)
        (機械の瞳は煙幕の中に人間サイズの質量しか認識していない)
        (しかし受けた攻撃はその質量を上回る物) -- エミッタ 2014-10-12 (日) 22:54:08
      • (エネルギーフィールド、半透明の緑色の障壁に蜘蛛の巣のようなヒビが入る)
        (アースガルズが思考のエラーを吐き出し、エミッタを補助していたアサギでさえもその手段には驚く)
        一体、どこから…?
        (しかしその答えよりも早く、展開されていた障壁がガラス細工のように砕けて宙へと霧散した) -- アサギ 2014-10-12 (日) 23:16:56
      • よし!アサギ畳みかけるぞ!
        (エネルギーフィールドが破壊されたのを見れば空中を蹴りさらに跳躍)
        (二段ジャンプ。具足の裏から発する余剰魔導力で空間を蹴った)
        (その勢いのままにアースガルズの頭部に張り付いた) -- エミッタ 2014-10-12 (日) 23:31:11
      • (頭部に張り付かれるとアースガルズは振り落とさんと身を揺さぶる。その勢いたるや、緩急をつけて行われるためにさながらジェットコースターのように)
        (しかし号令の一声が掛かればアサギはエミッタを信じて動く。魔導銃の出力を抑えた連射、それはアースガルズを倒すよりもエミッタを振り落とそうとする動きを阻害するものだった) -- アサギ 2014-10-12 (日) 23:42:29
      • くあっ!?これは目が……
        (その激しい揺れにエミッタの三半規管が大きく揺さぶられる)
        (それでも振り落とされんと必死にしがみつく)
        このままでは何も…おっ!? アサギナイスだ!
        (その時アサギの射撃によりアースガルズの動きが鈍くなった)
        (声だけで礼を言うと、左手に持ったままの機甲剣を頭部装甲の隙間へ突き立てて)
        (ギリギリとねじ込もうとする) -- エミッタ 2014-10-12 (日) 23:59:26
      • (如何な巨躯であり強固な装甲であれど、頭部の隙間…接合部ともなれば防御の最も薄い箇所として数えられる)
        (無論、これにはアースガルズも抵抗をして身を振るうだけでなく拳を地面に叩きつけるなどをして頭部へのエミッタへの攻勢を強める)
        …エミッタ!? (その一声は彼女の身を案じたもの、ここで威力を強めた弾を撃ってもいいがエミッタを巻き込むことも懸念の材料にあった)
        (加え、エミッタの東部に刺し込んだ機甲剣ではあるがその勢いも削がれて止まろうとしていた…) -- アサギ 2014-10-13 (月) 00:12:01
      • 落ちて、たまる、かぁぁぁ!
        (突き立てた機甲剣を握りしめたまま雄たけびを上げる)
        (掴んだ好機。ここで離せば振り出しに戻る)
        (しかし今のままではこれ以上の行動を起こせないばかりか)
        (アサギの攻撃の妨げともなってしまう、ならば)
        アサギ!構わず撃て!全力で撃て! -- エミッタ 2014-10-13 (月) 00:27:52
      • (その叫びにアサギの顔色は一瞬ではあるが陰りを得た。しかしエミッタの決意であると受け取るとそれは真摯な顔付きとなって…)
        (両手の銃を手の甲を台座として十字に組む。そして魔力を装填した魔導銃には浮かび上がる青いラインが銃身にまで伸びて…)
        ──── これでトドメッ!
        (放たれた一射は重く、そして十字の閃光を瞼に焼き付けながらアースガルズへと向かう)
        (命中すると同時に閃光が走り、アースガルズの頭部を巻き込む形で右肩が抉られるように十字の損壊を生んでいた)
        (そして頭部にいたエミッタの姿は…) -- アサギ 2014-10-13 (月) 00:39:32
      • (エミッタの安否を気にかけるアサギの前でアースガルズが怨嗟の咆哮を上げる)
        (右腕が爆炎を上げながら床へと落ち、格納庫内を大きく震わせ巨体が膝を付く)
        (その動きはまだ止まらない。残った左手がアサギに掴みかかろうと伸びてくる)
        (あがきはそこまでだった)
        ドォーン
        (残った左腕がアサギへと届く前に床へと垂直に落ちる)
        (上から落ちて来た銀の足の踏みつけにより)
        アサギやったな、見事なショットだった!
        (右足に巨大な銀脚の虚像を重ねたエミッタが親指を立てた拳でエールを送った) -- エミッタ 2014-10-13 (月) 01:09:48
      • (アースガルズの瞳から光が消えるとその巨躯も傾いて座する。もう守護者が動くこともなく、二人はこれを退けたのである)
        (親指を立てたエミッタに対してやり遂げた気持ちとなってエールに微笑みで返し、アサギも同様に親指を立てるのだった)
        エミッタのそれも初めてみたけど、それも機甲剣の力だったのかしら? -- アサギ 2014-10-14 (火) 23:03:28
      • ん?ああ、これか…そうだな
        (笑みを返すと瓦礫となったアースガルズの上から飛び降りて)
        機甲剣を介した一種の召喚術の様な物だろうか?
        この地下では全体を呼びだすのは難しい上、レンタル品なので頻繁には使えなくてな?
        怪我等は無いか? 少々激戦になってしまったが…… -- エミッタ 2014-10-14 (火) 23:23:51
      • 召喚術ということは本体がどこかに…って、レンタル品!?
        (少々意外な答えに疲労にありながらも目を開いて驚愕する)
        怪我は無いけど、少しダメージは負ったかしら…
        弾も思った以上に消耗したから一度引き上げた方がいいかもしれないけど -- アサギ 2014-10-14 (火) 23:39:40
      • ああ、試作品のテストを兼ねて借りて、だから本体がどこにあるか等は…機密事項らしい
        他に運用コストや召喚条件等もやっかいでな。まぁ、その話はまたいずれ
        (肩を竦めつつアースガルズの拳の方へと)
        そうだな…その意見に賛成だ、だが……
        戻る前にこれだけ調べても良いだろうか? この障壁は興味深い…… -- エミッタ 2014-10-14 (火) 23:54:39
      • (幸いにも損傷したのは動力伝達を含む胴体と頭部であり、障壁を現象させる腕の機能は生きたままだ)
        (だが動力が死んでいる為に作動はできず、調べるには時間を掛けるしかない)
        なら私は周囲に警戒をしておこうかしら。まさかその腕を二人でかついで持って行くわけにはいかないし -- アサギ 2014-10-15 (水) 00:11:44
      • よろしく頼む。まぁ持ち帰る事は出来ないがサンプルと記録だけでも
        それに、ここに私達以外が来るとは思えないしな? さーて…♪
        (言うが早いが早速調査にかかる)
        (あれほどの激戦の後だと言うのにテンションは高め。語尾に音符マークまでついてる)
        (未知の技術を前に好奇心を押さえきれないと言った様子だ) -- エミッタ 2014-10-15 (水) 00:22:25
      • (腕を分解してまでの調査は難を極めたが、エミッタにしてみればプレゼント箱の蓋を開いたといった面持ちであっただろう)
        (その技術ははるか太古のものでありながら今までにない革新的なものであった)
        (構造も材質も彼女が知りうるどれよりも強固でありながら軽く、ゴーレムの残骸を調べるごとにエミッタにはその頬を緩ませたことだ)
        (持ち帰ることはできなくてもその構造を調べたことで地上で似たようなものを作れるかもしれない。そんな案件を抱いて…)
        どう? 終わったかしら -- アサギ 2014-10-15 (水) 00:40:58
      • …ふぅ……
        (アサギが声をかければ額を拭いながら顔を上げる)
        ありがとうだ、大雑把だが大体の記録はとれた
        色々と面白い事がわかったよ、地上に戻って一休みしたら検証したいな、んー……
        (身体を解す様に身を伸ばせば立ちあがり、もう一度伸び) -- エミッタ 2014-10-15 (水) 00:55:28
      • (生死を賭けた死闘の直後でありながら、疲労に好奇心が勝ったエミッタに少なからずの安堵を覚える)
        検証とあわせて再現も行いたいけど、そちらは可能であればといったところかしら

        (ここでエミッタは気付くだろうか。調査をしていたエミッタに反して警戒を続けていたアサギの表情がこわばっていることに)
        (彼女は気付いていたのだ。守護者を倒した筈なのに、この場に淀む“敵意”が薄まっていないのだ)
        (その理由はアースガルズの背の奥、搬出用のリフトの底より敵意が溢れているのだ)
        (アースガルズのものだと思われていた敵意。しかしその大元はより深く、地の底から漏れ出ていたものにしか過ぎなかったのだ)
        (アサギは警戒していたからこそそれを知ってしまい表情が固まる。だからこそ地上への帰還を薦めたのだった)
        (──── 地の底、その闇は想像よりも深かった) -- アサギ 2014-10-15 (水) 21:13:39
      • いや、再現だけなく使用可能レベルにまで持って行きたい
        この先の事を考えれば、使える手段は一つでも多い方がいいからな?
        (そう言うとアサギの肩をぽんっと叩き、アサギの緊張をほぐす様に笑みを向ける)

        (エミッタもまた気付いていた。薄れぬ敵意とその地の闇の深さに)
        (アースガルズとの戦いはまだ前哨戦に過ぎなかったと)
        私達ならやれるさ、そうだろう?
        (ここまでの道中もそして難敵であったアースガルズとの戦いも二人で乗り越えた)
        (ならばこの先も二人で乗り越えて行ける。その気持ちは妄想でも想像でも無く確信として)
        (だが今は休む時。身を休め次の戦いに備える時)
        (力強く頷き合うと、地上への途に付くのであった) -- エミッタ 2014-10-15 (水) 21:44:41
  •  
  •   Chapter:7   絆を想う
    • (季節は晩秋、外界では肌寒さから冬の到来を予感させるが…。ミストロザリアの冬はその限りではない)
      (各工房に設置された煙突からの排熱、里の顔ともいえる霧そのものが熱を持って街を暖める)
      (しかしそんな里であっても夜ともなれば肌寒く、灯りの落ちる夜更けともなれば尚更であった)
      (だが夜分遅くにあっても灯りの落ちぬ工房があり、その工房内では二人の女性がいた。アサギとエミッタである)
      (彼女らは最後の戦い、最深部に向けての準備に勤しみここ数日にわたって徹夜作業を続けていたのである) -- アサギ 2014-10-18 (土) 23:48:39
      • ヴンッ
        (光のフィールドが展開される。その中心部にはエメラルドに煌めく結晶体)
        (エミッタの左腕に装着された結晶体、それがフィールド展開の起点となっている)
        やっと形になったな……
        (フィールドを展開したままアサギに笑みを送る)
        (アースガルズを解析する事で得た防御フィールド技術)
        (最終決戦が近い事を予感する二人にとって、新たな装備は必須であり)
        (その開発のために徹夜を続けていたのだ) -- エミッタ 2014-10-19 (日) 00:06:57
      • (だが徹夜も実を結び、再現にまでこぎつけたのは努力の結晶といえる)
        (技術局も総動員しての再現は難を極めたが、実物をその目で見ていたアサギとエミッタが率先して開発へとあたっていた)
        (エミッタの目にもうっすらとしたクマができており、それを案じてマグカップを携えたアサギが寄る)
        おめでとう。あとは微調整をして安定させることかしら
        (マグカップのココアが湯気を立て、エミッタの前に差し出された) -- アサギ 2014-10-19 (日) 00:16:45
      • ああ、出力が安定すれば使用可能時間も伸びるだろう…お?ありがとう
        (フィールドをOFFにしてからマグカップを受け取った)
        ふぅ…身に染みわたる様だ……
        私の身体は自分で思う以上に糖分と栄養を欲していた様だな、ふふっ
        (一口啜ってほっと息を吐く。カカオの香りと温かさが疲労した身に心地よい) -- エミッタ 2014-10-19 (日) 21:42:02
      • 頭の栄養は糖分でしか補給できないから
        それにコーヒーよりもこちらの方が暖まるでしょう
        (しかしマグカップは一つ、アサギも同様に徹夜続きであったのか疲労の色は隠せず)
        (エミッタにマグカップを渡すと、壁際に置かれたソファーへと身を預けるように持たれかかった) -- アサギ 2014-10-19 (日) 23:37:59
      • まったくだ、糖分も補給出来て身体も温まるココアは最高だな
        ん?アサギの方もお疲れみたいだな、少し休憩するか……
        (もう一度してから立ち上がるとソファの方へと)
        (そしてぽふんっとソファの柔らかさに身を預ける) -- エミッタ 2014-10-19 (日) 23:58:45
      • (エミッタがソファーに座ると反動で身が浮き上がるような感触を得る)
        (しかし心は弾まず、その表情には僅かながらの険があった)
        …ねえエミッタ。あと少しで里の外では雪が降るようになるけど
        そうなると里の外、また荒野を越えるのは大変になるかも
        (突然の内容、それは先のことを見据えた内容には聞こえるがエミッタはこれがアサギの不安からくる逃避だと気付くかもしれない) -- アサギ 2014-10-20 (月) 00:05:05
      • ……ん…?
        (隣から視線をやったアサギの顔は何か陰があって)
        (声をかけようとした所で不意にふられる話題)
        そうだな…あの荒野に寒さが加わるのは辛い物があるな……
        そうなると、季節が変わるまでここに滞在するのがいいかな?
        この里をもう少し見てみたいと言う気持ちも…飲むか、落ちつくぞ?
        (選ぶように言葉を紡いでから)
        (手に持っていたマグカップをアサギに差し出す) -- エミッタ 2014-10-20 (月) 00:31:17
      • (え…、という拍子の抜けた声がアサギの険を解いた)
        (マグカップはエミッタが飲んでいたもの、それを自分にと渡されたことが想像しえぬこと)
        (自分の身を気遣ってのことだとは理解をするが、エミッタが口を付けたマグカップと意識するとどきりと鳴る)
        あ、ありがとう…
        (好意を飲むと心の奥から暖まり、表情が緩んでその頬も僅かに赤みを帯びた) -- アサギ 2014-10-20 (月) 00:40:14
      • うむ、アサギはその方がいい
        (マグカップに口を付けるアサギを見れば表情を緩め)
        …正直言うと、私にも不安な気持ちはある……
        だから、いつも以上に作業にのめり込んでしまう
        (そのままソファの背もたれによりかかるとポツリと呟く様に言う) -- エミッタ 2014-10-20 (月) 01:04:50
      • (地の底から漏れ出る敵意、あの空間すら満たしたその力の強大さに不安に想わぬ筈もない)
        (アースガルズとの戦いでは難はあれど善戦したが、それ以上の相手ともなると未知数だ)
        (ましてやあのアースガルズでさえ霞むほどの意を放てる相手、一体どんな相手が待っているというのか)
        (それから逃避するかのような作業が続いていた) …私もそう思う
        ねえ、エミッタ。私たちが向かう目的地には何が待ってると想う? -- アサギ 2014-10-20 (月) 22:59:05
      • …目的地にか?
        (アサギが問うた言葉の意味する所、それは不安の一因でもある)
        (あの遺跡はこの里の他の遺跡群とは異なる)
        (異常なまでに攻撃的な防御システム。城砦巨兵アースガルズの存在)
        (どれも施設を護るための存在としては過剰すぎる…だから)
        正直、私にもわからなくなってきた……
        私達をなぜあそこまで頑なに拒もうとするのか…… -- エミッタ 2014-10-20 (月) 23:16:15
      • …ううん、私は拒まれてるというよりは誘われてると想うの
        私たちの目的はジェネレーターの部品を探してなのだけど…
        なぜそれが最下層なのかしら? 工場区や格納庫といった場所もあったのに
        …ごめんなさい。変なことを言ったかもしれない
        (たまたまと片付けてもいいが、アサギの心には一抹の不安が生まれていた) -- アサギ 2014-10-20 (月) 23:22:27
      • 誘われている…?
        (アサギの言葉に目をパチクリとした。エミッタとは逆の言葉だが)
        (「逆もまた然り」ふとそんな言葉が浮かぶ)
        いや…その可能性は大いにある
        探索に挑もうとする者ならば危険な方に何かあると考えてしまう物
        もし過去に先の先を見通せる賢人がいたのならば……
        (ジェネレーター破損から始まる一連の流れ)
        (やがて起きうる可能性を予測する者がいたら) -- エミッタ 2014-10-20 (月) 23:33:46
      • ううん、賢人とはまた別の…
        何ていうか、その…私の心がざわつくの……。知る筈がないのに…ないのに怖いの
        (抽象的だがアサギの口から出る怯えは本物、険のあった表情に陰りが生まれていた)
        地下で待っている何か…。それが、怖いの… -- アサギ 2014-10-20 (月) 23:54:02
      • ………
        アサギの言葉に暫し黙する。そして考える)
        (彼女の不安とする所を)
        (それはきっとアサギがこの里で生まれたルーンフォークだからこそ来る不安)
        (外部から来たエミッタでは感じる事の出来なかった不安)
        すまなかった…気付けなくて
        (アサギの身を抱き寄せると頭をアサギの肩に垂れて) -- エミッタ 2014-10-21 (火) 00:03:11
      • (エミッタに抱かれると身が跳ねるような鼓動を得た)
        え、…あ…?
        (肩に枝垂れるエミッタの頭、徹夜明けでもほのかに香る柔らかな匂いに安堵を自然と覚える)
        ……ううん、いいの。怖さもあるけど貴方と一緒ならって
        (隣に座るエミッタの膝に掌を置く。手から伝わるぬくもり、そして互いの息遣いが聞こえる距離で二人の時間が流れる) -- アサギ 2014-10-21 (火) 22:48:46
      • 今の私に出来るのはこのくらいしかないが…君の側には私がいる
        (一緒にと言う言葉を聞けばこくりと頷いて。そしてアサギの手に手を重ねた)
        だから、不安な時は私に頼ってほしい
        …あ、まぁ…私にどこまで出来るかわからないが
        (言って恥ずかしくなったのか顔を上げれば指で頬を掻いた) -- エミッタ 2014-10-21 (火) 23:14:28
      • …なら言葉に甘えて、暫くこのままで居させて貰ってもいいかしら
        (重ねた掌に信頼を乗せ、身をお互いに預けあう。恥じらいはあるがそれがかえって心地よさでもあった)
        (安心を覚えるが同時にいつまでもこうしていたいという欲求が走り、自然とエミッタとの距離も縮まる) -- アサギ 2014-10-21 (火) 23:36:08
      • ああ、勿論だ
        そうだな…今夜の作業はここで終了にして、このまま休む事にしよう
        (アサギの願いにこくりと頷き)
        (そしてソファにかけてあった毛布を手繰り寄せると二人で包まる様に) -- エミッタ 2014-10-21 (火) 23:49:02
      • (毛布に包まると自然と瞼も下りる。安堵の中でまどろむとまるで二人で夢の世界に行ける気にすらなれる)
        (うとうとと頭が船を漕ぐと、その意識はまどろみから安寧へと)
        (しかしエミッタと繋いだ手、それだけは離さずに眠りの中へと)
        (…二人が夢でも会えたかは、それを覚えているかは今は語る由ではない) -- アサギ 2014-10-22 (水) 00:14:11
  •  
  •   Chapter:8   FATE BREAKER
    • (──── 灰暗き路、地底彼方に通じる道を進む二人の姿がある)
      (エミッタとアサギが最後の装備を整え、万全の準備を期して望んだ挑戦)
      (かつて倒したアースガルズの残骸の奥、エレベーターシャフトを下って彼女らが訪れたのは最終区画)
      (…そこは研究区、事前に手に入れた情報によればメインコンピューターが位置する最重要区画であった) -- アサギ 2014-10-22 (水) 23:22:30
      • …やっとここまで来たな…アサギ、大丈夫か?
        (暗き通路の先に目を凝らし呟いた。この先に目指していた物がある)
        (ここまでの激戦も装備の充実も、全てはそれを目指しての事、思う所は多い)
        (その一方で気がかりなのはアサギ)
        (先に進むほどに顔に浮かぶ不安は濃くなっており) -- エミッタ 2014-10-22 (水) 23:32:37
      • …え、ああ。ごめんなさい……
        (エミッタの気遣いでさえも聞き逃してしまいそうなほどに表情の狼狽は色濃い)
        (彼女と一緒でなければと想うと足さえ止まりそうになる)
        (だがそうならないのは一重に彼女のお陰か、…目が覚めたときの彼女の掌のぬくもりを思い出す)
        …私は大丈夫。それよりも先を急ぎましょう
        目的の場所はもうすぐなのだから -- アサギ 2014-10-22 (水) 23:47:09
      • ………
        (エミッタにも迷いはある。アサギは大丈夫と言ったが本当に進ませて良いのか)
        (逃げ出してしまっても世界が滅ぶ事は無いし、この里が即座に消える訳では無い)
        (しかし、ここ逃げだせばアサギのそしてエミッタの心にも棘となって心に残るだろう)
        (それは永遠に残るだろう、深き傷みとして…ならば)
        行こう、この先に全ての答えがある
        (そう告げるとアサギの手をとる。昨晩眠る時にそうした様に)
        (今は進むしか無い、この先をこの先も二人で歩むためにも) -- エミッタ 2014-10-23 (木) 00:00:42
      • (意を決した二人の前に扉が立つ。先のアースガルズとの戦いを思い出すが、これはそのときの比ではない)
        (…扉の大きさがではない。扉の向こうより放たれる敵意が二人の肌を刺す)
        (居るだけで肌がぴりぴりと逆立つ。それほどまでの相手が厳重に封じられた扉の向こう側にいる)
        (それを確認するようにエミッタに目線を送り、開閉レバーへと手を掛ける) -- アサギ 2014-10-23 (木) 00:18:09
      • (アサギの視線に頷きをもって返事とし身を心を引き締める)
        (エミッタの頷きに応じアサギが開閉レバーを引き下ろせば暫しの間をもって金属音が響く)
        (重く身の奥にまで響く振動、それは巨人の足音の様で)
        (やがて振動が収まれば扉を開く新たな段階へと進む)
        (大輪の花が先き開く様に扉を封じるロックが解除されていく) -- エミッタ 2014-10-23 (木) 00:35:43
      • (幾重にも閉じられた扉が上下左右に開いていく。最早、扉というよりも封印…)
        (その予感をさせながら二人の眼前の最後の扉が開かれる。しかし先にあるのは闇、灯りの一片すら存在しない空間だ)
        …行きましょう、そこに何かがあるのはわかってるのだから
        (闇に向かって飛び込むように、アサギが一歩を踏み出して隣のエミッタと共に) -- アサギ 2014-10-23 (木) 22:48:53
      • (こくりと頷けば二人並び進んで行く)
        (闇に閉ざされたこの先に運命がある、立ち向かうべき運命が)
        (しかし進むほどに敵意は濃く強くなり圧力の様にのしかかって来る)
        ふふっ、熱烈歓迎だな…ここまで強く意識されると照れてしまう
        さて、アサギ準備は良いか?
        (軽口を叩き方を竦めて、隣を歩くアサギに声をかける)
        (聞くまでも無い確認の言葉、それは自分への言葉でもあり) -- エミッタ 2014-10-23 (木) 23:09:20
      • (勿論と答えようとした矢先、不意に二人の背後で扉の閉まる音が鳴る)
        (二人は決して操作などしてはいない。彼女らではない意思の介入を明らかとするものとして部屋に光が灯る)
        (…いや灯るという表現は適切ではない。部屋が眩い光に包まれたかと想うと、二人の正面に鎮座するように佇む巨大な塔が現れた)
        (だがそれは塔などではなくこの地底を統べる主、メインコンピューターのサーバーである)
        (モノリスのように聳え立つ黒きそれにアサギは底知れぬ恐怖を得ていた) -- アサギ 2014-10-23 (木) 23:40:42
      • なんだ…これは…?
        (それを見てエミッタが放った言葉はそれだった)
        (エミッタの知識ならばそれが何であるかは想像も推測も付く)
        (だがそれが敵意を…強烈な敵意を放っていたと言うのは想像も出来ていなくて)
        (だからこそ恐怖が伸しかかる)
        (この電子の巨塔のどんな意思が敵意を放っていたのかと) -- エミッタ 2014-10-23 (木) 23:57:16
      • (だが疑問は意外なところから解決される事となる)

        ──── 汝、よくぞ辿りついた

        (遺物だと思われていたメインコンピューター、それが未だ稼動状態にありあろうことか君たちへと呼びかけてきたのだ)

        ──── 我が用意した試練、それに阻まれることなくたどり着けた技量…感無量と言えよう' -- 2014-10-24 (金) 00:16:39
      • 声が…試練…?
        (電子合成されたとは思えない流暢な声が二人に語りかける)
        (驚きを越えた出来事に疑問ばかりが空回りし立ちつくすばかりで) -- エミッタ 2014-10-24 (金) 00:28:02
      • (だがここでエミッタは疑問を得るかもしれない。汝と呼んだ者、それが誰なのかを)

        ──── 汝、我が子よ。最後の試練…新世界を作る為の禊を始めよ
        ──── 汝が隣にいる咎人、それを罰せよ

        (汝がと呼んだ者、アサギがそれを自覚するとびくりと体を震わせてうずくまるように頭を押さえた)
        あ…、あ…あ゛ぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! -- アサギ 2014-10-24 (金) 00:44:56
      • (「汝」とは誰の事だ? 「咎人」とは誰の事だ?)
        (電子の巨頭の投げかける言葉が形を成していく)
        (「汝」とは、「咎人」とは……)
        アサギどうした…!?
        (うずくまるアサギに驚きの表情を浮かべつつ手を伸ばす)
        (伸ばさなくては掴まなくてはと) -- エミッタ 2014-10-24 (金) 01:06:50
      • (だが伸ばした手、それを掴んだのはアサギの方であって…)
        にげ、逃げて……
        (掴んだ手、だが掌を握るのではなく手首を掴んで捻るような動作)
        (苦楽を共にした相手からの突然の動きにエミッタが反応できたかは分からない)
        (だがアサギは苦悶の表情をし、自らが体を律しようと歯を食いしばっていた( -- アサギ 2014-10-24 (金) 01:28:21
      • …くあっ!?
        (掴もうと伸ばした手を逆に掴まれた事で反応が遅れてしまう)
        (そうでなくてもアサギにこうされるとは全く予想も出来ていなくて)
        (腕を捻り掴まれれば身長差もあり)
        (吊るされるに近い状態でつま先立ちになってしまう)
        アサギ落ちつけ! あんな機械よりも自分の心を信じろ…!
        (それでも傷みを堪え必死の声を投げかける) -- エミッタ 2014-10-24 (金) 21:22:22
      • (アサギも分かっていると声を荒げる。だが操られる体を押さえようとする心がぎりぎりの境界で堪えているのだ)
        (それでもエミッタを押さえ込む力は弱まらず、苦悶の表情を両者で浮かべる)

        ──── 我が声すら届かずか、汝らの信頼は敬服しよう

        (しかしアサギへの支配は弱まらず、メインコンピューターの表面が明暗する)
        (同時、アサギの体が跳ねるように痙攣する)
        あ゛ぁ…い、や…私が……私で…なく、なくなって……
        (彼女の意識がぶつりと電源を落とすように途切れた)
        (だが力が弱まらない、むしろ強まってエミッタを後ろから羽交い絞めにして抱くように拘束する)
        『──── 再起動。優先事項の変更を確認、対象を確保します』 -- アサギ 2014-10-24 (金) 21:40:19
      • アサギ、私の声だけを聞けーーー!
        (苦悶の表情を浮かべ抵抗を続けるアサギ)
        (腕を捩じ上げられる苦痛に耐えながら絶叫の様に呼びかける)
        (それでもアサギへの強制そしてエミッタへの拘束は強まり、そして……)
        アサギ…!? shit!
        (アサギの口から機械的な、そして感情の無い声が)
        (それを聞いた瞬間、エミッタは小汚い言葉と共に電子の巨塔を睨みつけた) -- エミッタ 2014-10-26 (日) 21:38:34

      • ─── 愚かな咎人よ、汝が隣人は我が子。子がどうして親を裏切れようか

        (エミッタを抱くように拘束の力を強めるアサギ、その力に慈悲はなく彼女を逃がさまいと)
        『…ふふ、聞きたいかしら。私たちルーンフォークがなぜマザーの子と呼ばれてるか』
        (口調も声色もいつものアサギ、しかしエミッタに掛ける言葉はいつもとは真逆…)
        (それを痛感させられるようにエミッタの耳元で囁かれる) -- アサギ 2014-10-26 (日) 21:52:07
      • 子が親を…?
        (その言葉でおおよその事の想像がつく。アサギがこうなってしまった理由も)
        そうだな、聞かせてもらおうか
        (だからこそ抵抗の言葉を飲み込み耳を傾ける)
        (真実を知ればこの状況を打ち砕く方法)
        (そしてアサギを正気に戻す方法を掴めるのではないかと) -- エミッタ 2014-10-26 (日) 22:06:34
      • (ならばとマザーと呼んだ“親”の代弁としてアサギが口を開く)
        『私たちルーンフォークは人間の手で生まれたけど、200年前の再起動…。それはマザーの手によって行われたの
         人間の上位互換としての種族、マザーが望む世界を作るための協力者。
         その為に私たちは生まれたの。過去の技術を復元し、力をつけることで外の害虫たちを駆除する。
         ふふ、驚くでしょう? 今までの私との訓練、それがみんな貴方たち人間を倒す為のものなんて』 -- アサギ 2014-10-26 (日) 22:23:09
      • ………
        (黙したままアサギの語る言葉を聞く)
        (その彼女の意思とは無関係の言葉、聞く事にもやもやとした物を感じる)
        (それでも聞かねばならない。彼女と共に来た者として)
        ああ、驚いた……
        しかし望む世界とはなんだ? 人間を滅ぼしてどんな世界を作る? -- エミッタ 2014-10-26 (日) 22:36:08
      • 『人間は生み出すことはなく費やすだけの生物…。互いを信じられず、互いを憎み、同属で殺しあう愚かな種族…。
         マザーはあるとき、この種族が栄えてはこの世界に未来はないと判断したの
         だからミストロザリア…、いいえ。過去の名前でいえばベルーニを滅ぼしたの』
        (背後からエミッタを抱く手、それが彼女の手をまさぐるように)
        『だけど私の力ではここまでたどり着けなかったことをマザーは理解してるのよ。
         ねえ、エミッタ…。貴方も人間であることを辞めてこちらに来ない?
         貴方のことはマスターも認めてる。一緒に…愛し合いましょう』 -- アサギ 2014-10-26 (日) 22:48:19
      • 矛盾だな……
        (まさぐるアサギの腕を空いた手で掴む)
        (触れる手は彼女の物であるがそこにアサギの心は入っていない)
        (だからエミッタの官能には触れない)
        アサギと私が協力する事でここまで来た事を理解しているのに滅ぼそうとする……
        マザーよ?
        貴女は少なからず人間と言う存在に期待をしているのではないか?
        だからこそこの様な試練を課したのではないのか?
        (一度はかつてのミストロザリア…ベルーニを滅ぼした)
        (しかしマザーはそれ以上の行動を起こせなかった、きっと起こす事が出来なかったのだろう)
        (それは人間を不要と判断すると同時に必要としている事に気付いてしまったから)
        (ルーンフォークが主を求める様に、マザー自身もそれを必要としているから)
        それとアサギ…心が残っているのなら言っておく
        愛を語るならば君自身の言葉として聞かせてほしい -- エミッタ 2014-10-26 (日) 23:04:30
      • (マザーの言葉を代弁するアサギ、その表情が悩み苦悶に歪む)

        『──── 否、咎人に期待などはしない。我はただ悠久の時の中で待っていただけに過ぎない』
        (再起動したジェネレーター、故障。すべてがこのマザーの結論として片付ければ容易い)
        (しかしとアサギが表情をゆがめながらこういう)
        「エミッタ…。わ、私を…倒して、欲しい…」 -- アサギ 2014-10-26 (日) 23:22:03
      • なぜ待つ必要があった?待たずに侵攻すれば良かったのではないのか?
        (ここまでに見たドゥーム達、そして城砦巨人アースガルズ)
        (今でこそ朽ち果てた物ばかりだが当時ならば十分以上の戦力であったはず)
        …アサギ? アサギ戻っ…!? 倒せ…だと?
        (アサギがマザーの意思と自身の意思の狭間で苦しんでいるのがわかる)
        そんな事出来る訳がないだろう……
        (アサギの力が緩み拘束から抜け出すが……)
        (今度はエミッタの方からアサギを抱きしめた) -- エミッタ 2014-10-26 (日) 23:43:13

      • ──── 我が望むは新人類、心持たぬ人形にあらず。今という時間にまで1246年を費やした

        (エミッタに抱きしめられるアサギ、その瞳に光が一瞬戻った出来事だった)
        「え、エミッタ…」
        (しかしマザーから放たれる信号、偽りの自分に主導権を再び奪われると瞳から光が消える)
        『嬉しい…。だけど人間の愛は表裏一体、それが憎悪に繋がることもあるのよ』
        (アサギの手、託された銃を握り守るべき大切なものへと向ける)
        『だから人間はお互いを滅ぼしあうの。なぜ、お互いを大事にできないのかしら?』 -- アサギ 2014-10-27 (月) 20:22:50
      • 1246年…気が長いのか短いのかわからんな……
        (長い時を待った。しかし下したのは短気とも早急ともとれる決断)
        …アサギ元に……またか…!
        (その瞳に光が戻ればエミッタの瞳にも輝きが。しかしその光は直ぐに失われて)
        また矛盾だ!
        マザーよ! 今、貴女がやっているのはアサギを人形の様に操る行為ではないのか?
        それに、なぜ銃を向けさせる! それこそ貴女の言う憎悪と滅びではないのか?
        カラン
        (機甲剣が床に落ちる。そしてエミッタは両手を広げた)
        (覚悟は決めた。愛が憎悪を生みそれにより撃たれると言うならば本望だ)
        マザーよ、貴女はアサギを通し見て来たのだろう?
        人間が憎しみ合い争うだけの存在で無い事を……
        いやアサギだけでなく旅立った多くのルーンフォーク達を通じて -- エミッタ 2014-10-27 (月) 21:46:18
      • ──── 二律背反、我はかつての人間を滅ぼした後…試行錯誤を重ねるにつれて私自身もそうであると仮定へと至る

        『ルーンフォークを使っての再生も今回だけでないの。過去に二回、ルーンフォークを目覚めさせてはジェネレーターの故障という名目をつけて試練を与えるの
        一度目は地下に潜るも実力が足りず…二度目は外の世界に影響されて諦観と退廃に向かったわ
        それで三度目、マザーの元にまでたどり着ける実力を持った固体と外の世界での協力者も』

        ──── 故、我は今一度問う。正しきはどの側にあるかを。人か我か -- アサギ 2014-10-29 (水) 21:44:09
      • そうか、マザー…貴女も悩み続けたのだな……
        (エミッタの問いかけにマザーは自身の持つ悩みを語る)
        (最良の答えを求め得るための試行錯誤、答えを得る事の出来ない憤り)
        (そのあり様は既に人の様でもあり)
        …私に答える事は出来ない……
        なぜなら私も悩み続ける存在だからだ、いや私だけでなく多くの人間が悩み続けている
        そして貴女も悩み続けている、ならばどちらも正しいと言えるではないだろうか?
        それでも答えを求めたいと言うのならば……
        貴女自身が外へと出てはどうだろうか…?
        見る聞くだけなく語り合う事が答えの道となる事は多い -- エミッタ 2014-10-29 (水) 22:08:45

      • ──── 外に出よ、か。その提案は過去に類を見ない。事案として受け取ろう
         だが汝が考えを通すならばそれを示せ。我も既に引き返すことの出来ぬ身…


        (するとそれまでマザーの呪縛に捕らわれていたアサギが解放され、その瞳に再び焦点が戻る)
        あ、…あ……あぁ……!
        (謝罪は言葉にならず推し留めることのできない感情が駆け巡る)

        ──── 汝が隣人とともに、我を倒してみせよ

        (マザーコンピューター、その前の床がせり上がると円筒状のカプセルが現われる。半透明のカバーの向こう、そこには人影が見えた) -- アサギ 2014-10-29 (水) 22:38:56
      • …それを示せか、いいだろう
        (やはりそうなってしまうかと心の中でため息する)
        (しかしマザー自身にも通したい意地の様な物があるのだろうと理解すれば)
        (ますます人間的だとも思えて)
        …! アサギ!
        (呪縛から解放され自我を取り戻したアサギを強く抱きしめる)
        (謝罪を抱擁で受けとめるも長くは続けられない)
        (新たな試練が始まろうとしているから)
        いいんだ、もう少し抱きしめていたいところだが…そうもいかないようだ -- エミッタ 2014-10-29 (水) 22:53:53
      • そうね…
        (エミッタとの手を繋ぎ、カプセルの中より出ようとする者を対峙する)
        最後の戦い、通すべき意地を貫きましょう…! -- アサギ 2014-10-29 (水) 23:01:44
  •  
  •   Chapter:8-2   FATE BREAKER
    • (二人が武器を構え直すと同時、カプセルより出てきたその人物の風貌に驚いたことだろう)
      (何せエミッタとアサギ、その二人がまとう衣装に酷似していたからだ。…だが似るのも不思議ではない)
      (二人の衣装は遺跡の技術を復元して作られたもの。ならばこの人物が着ているこのスーツはそのオリジナルとも呼ぶべきもの)
      『──── 人の子よ。汝らに合わせての駆動体だ、だが…』
      (マザーが人型の素体に意識を移した分体、それが刃を振るうとエミッタとアサギの背後にあったあの重圧な扉が二つに分かたれる)
      (敵意の正体、その実力も折り紙つきということが崩れ落ちる鉄の崩落音によって証明されたことだ) -- アサギ 2014-10-30 (木) 00:22:43
      • (「ぴゅぅ」その破壊力に口笛して肩を竦めた)
        (その姿にも驚いたがその破壊力は驚きを越えていて)
        これは、二人で相手しても骨が折れそうだ
        だが、貴女が引けない様に私達もここで引くわけにはいかない
        全力で相手をさせてもらう
        (アサギに視線を向ければこくりと頷いて) -- エミッタ 2014-10-30 (木) 21:40:33
      • (エミッタの視線の意図に気付き、両手のニ挺の銃を携え直して頷く)
        マザー、貴方にも意地があるなら私たちにも通すべき道理がある
        (親とも呼べる存在、マザーに向けて銃口を向けるとその砲火が戦いの火蓋を切る)
        (アサギの銃は剣によって弾かれ、意に介せずとマザーがエミッタに向けて剣を構えた突進を) -- アサギ 2014-10-30 (木) 23:59:08
      • 参る!
        (大きく踏み込みながら腰に構えた機甲剣を引きぬくと)
        (その勢いで、突進してきたマザーの剣へと横凪ぎに打ち合わせた)
        (金属と金属のぶつかり音が室内に大きく高く響く)
        (しかしマザーの勢いは止まらない)
        (ならばと剣を合わせたまま屈む様に足払いを……) -- エミッタ 2014-10-31 (金) 00:25:46
      • (それも意に介せず、足払いにマザーの脛を蹴りつけるが甲高い金属音がひときわ大きく鳴る)
        (マザーの分体は一見すれば生身の女性体でアサギのようなルーンフォークに見えるが、その手足は義手や義足のような金属で構築されていた)
        『──── 掃うとはこうするのだ』
        (エミッタはその背筋にぞわっとしたものを感じるかもしれない。距離をとってもいいし、そのまま防ごうとしてもいい)
        (マザーが力任せに剣を横薙ぎにふるうと、再び暴風のような剣圧が入り乱れる)
        (剣圧の暴風は二人の姿勢を崩しに掛からんとする) -- アサギ 2014-10-31 (金) 00:50:50
      • くっ! 硬い!?
        (いくら具足を付けていてもエミッタは生の身体。払う足に痺れと痛みが走る)
        (それゆえ対応が遅れ、身を護るのがやっとの状態だ)
        アサギさがれ…! うくっ!
        (せめてアサギだけでもと声を張り上げた直後)
        (エミッタの身に剣圧の暴風が襲いかかり床へと叩き伏されてしまう) -- エミッタ 2014-10-31 (金) 01:09:52
      • (アサギもまたエミッタと同様に弾き飛ばされ、宣言されたように掃われて床に伏す)
        (しかしマザーは追撃を掛けることなく、細身の剣を鳴らして曇りを払う)
        『──── どうした、言葉だけが達者では意地は通せぬぞ』
        (無機質ともいえる表情と口調。無慈悲な女王が二人を一瞥する)
        …あれほどの敵意を出せる相手だから、やっぱり実力は凄いと思ってたけど
        (待ち受けるものに対しての備えはしてきたが、相手の力量が想像以上。勝算がないといえば嘘になるか勝利への軌跡が未だ見つからない…) -- アサギ 2014-10-31 (金) 19:22:51
      • 誰に物を言ってるんだ?
        (倒れ伏した身を腕の力だけで起こしながら言葉を返す)
        (くっと痛みを堪える声を漏らし膝を立ち上げると手をかけ立ち上がった)
        戦いはまだ始まったばかり、少し油断しただけさ、だろ?
        (口元には笑み、アサギに向けた瞳にはまだ諦めの色は無い)
        私達は冒険者、障害と困難を乗り越えまだ見ぬ先を目指す者
        ならば今度はマザーを乗り越え…いやマザーにもその先を見せてやろうじゃないか
        (宣言する様に語るとアサギへと手を差し伸ばして) -- エミッタ 2014-10-31 (金) 21:41:07
      • (エミッタの手を取り、アサギは頷く。冒険者は風に吹かれるがまま、…いや風を運ぶのだ)
        (先駆者として走る者、まだ見ぬ土地や名声を求めて…。彼らはその身を翻して壁に向かって飛ぶのだ)
        (エミッタとアサギも同様、一人で飛べぬ壁ならば手を取り合いそれぞれの翼で飛ばんとす)
        …エミッタが私に見せてくれたように、貴方にも見せてあげる。“人間”の強さを
        (二人の折れぬ意思、それに相対してマザーはその口角を僅かにあげた)
        『──── ならば実力で語るのみ、油断なき証明を見せて貰おう』
        (再びマザーが剣を携え、二人に向けて壁のような剣圧を振るう。衝撃波が床を削り大気を震わす) -- アサギ 2014-11-02 (日) 21:13:13
      • (二人の意思は固まった、いや最初から意思は揺らいでいない)
        (むしろマザーと相対した事でより強固になったと言ってもいい)
        ああ、証明してやるさ…アサギ構えろ!
        (アサギと手を繋いだままそれぞれの足を一歩踏み出し、そして空いた拳を突き出す)
        ヴンッ
        (衝撃波が二人を襲おうとした瞬間、突き出した拳を中心にバリアフィールドが展開される)
        (アースガルズを解析し得た防御装備)
        (その防御性能は折り紙付きだ。さらに二人で展開する事で防御効果はより高くなり)
        (衝撃波を押し戻す様にしながらマザーへと突き進んで行く) -- エミッタ 2014-11-02 (日) 21:41:49
      • (エミッタの右手とアサギの左手、それぞれが手甲として身につけたフィールド発生器)
        (アースガルズはこれを両手としたがエミッタとアサギは二人で一人、それぞれの両の手から放たれるフィールドが相乗効果で防壁と成す)
        (衝撃波を押しのけ進もうとする二人に対し、)
        『──── アースガルズの障壁を我が物としたか。ならば向かい風だ』
        (剣劇の衝撃破、横薙ぎに放たれたそれに重ねられる縦の残斬。十字に重ねられたことで破壊力が相乗する) -- アサギ 2014-11-02 (日) 22:06:58
      • (技に技を重ねて来た事でマザーの焦りが見てとれる)
        (防御障壁の効果はてきめんだ。相手がこちらの防御を崩すために技を重ねたのならば)
        シールド…ブレイク…!
        (障壁のパワーを解放する。炸裂する力は衝撃波となる)
        (それだけでは足りない、技に技を重ねたマザーの力を越えるにはまだ足りない)
        (だがマザーは一人、こちらは二人)
        アサギ!一気に行くぞ!
        (衝撃波を先陣とし追撃する様にそれぞれの武器を抜き放つ)
        (エミッタは機甲剣を、アサギは魔導銃を) -- エミッタ 2014-11-02 (日) 22:33:46
      • (障壁を維持するのではなく開放すること、爆発的な瞬間出力が重ねられた衝撃波を穿つ)
        (しかし出力のオーバーロードという欠点も抱えており、エネルギーフィールドの再展開には時間が掛かる。ゆえに後の先ではなく、こちらから仕掛けることで状況を握ろうとす)
        (エミッタをフォワードとしてアサギはそのバックアップ、マザーが迎撃しようとするのはエミッタの後ろから阻害)
        (…そして、最後の一発。魔力の塊を銃口に集めるとその一撃はマザーにではなくエミッタに照射された) -- アサギ 2014-11-02 (日) 23:14:47
      • (アサギの銃口からエミッタの背へと魔力が放たれる。凝縮された魔力の固まり)
        おぉぉぉっ!
        (魔力伝導体であるボディスーツを介しエミッタの全身へ魔力が行き満ちる)
        (それはエミッタに爆発的なパワーを与え)
        (さらにエミッタから機甲剣へと魔力が集まり)
        これが絆の力だぁぁぁ!
        (光の大剣がマザーの剣撃を押しつぶす様にしながら振り下ろされた) -- エミッタ 2014-11-02 (日) 23:42:19
      • (振り下ろされるエミッタの光剣、それを迎撃するようにマザーもまた剣を下段から振り上げるようにして振るう)
        (激突の瞬間、そう狭くはない空間が光に包まれる。それは光が爆発したかというような閃光)
        (剣劇がぶつかり合った場所を中心点として暴風が吹き、エミッタの背後にいたアサギまでもが体制を崩す)
        え、エミッタは───!?
        (閃光が薄れると先に現れたのはマザー、手甲や足の一部がひび割れては欠けており今の一撃がマザーに手傷を負わせたことを伝える)
        『──── そのスーツをバイパスとして通した一撃か、ここまでの威力…さすがというべきか』
        (だがそちらもただではと次に現われるであろうエミッタの姿をマザーとアサギが見る) -- アサギ 2014-11-02 (日) 23:55:24
      • 褒めてもらえて光栄だが……
        (姿よりも先に声が届く)
        まだ足りなかった様で私としては残念だ
        (しかし続いて見えたエミッタの姿は満身創痍に近い状態で)
        (ボディスーツの所々が斬り裂け血が滲み)
        (手足や腰の強化装備からは魔力光がスパークとして漏れている)
        さて、お互いボロボロの状態だが…まだ続けるかね?
        (その姿に息を飲むアサギに手を上げる事で無事を知らせる) -- エミッタ 2014-11-03 (月) 00:20:09
      • 『──── 言った筈だが、我はお前たちを計る為にこの身を出したと』
        (損傷した身、しかし苦痛に顔をゆがめることなくマザーはその身を推して刃を構える)
        『──── 我が過ちを犯したというならばその身をもって我を改めよ』
        (これはその為の通過儀礼、禊なのだとマザーは語る。その刃を構えた身が先ほどのエミッタと同様…エネルギーによって包まれる)
        (肥大化する力は損傷したマザーの身を持って抑えきれるものではなく、刃に伝わるその力を堪えようとその体の端々から壊れていく)
        …つまり、貴方の全力を私たちが超えると
        (アサギが思ったことを口走る。するとマザーはその口角を笑みに象るとそうだと応えた)
        (だが先ほどの衝撃波とは比べ物にならない力の波長、自壊も厭わないその攻撃に対して二人はどうでるか) -- アサギ 2014-11-03 (月) 00:35:26
      • そうか……
        (マザーの言葉にため息すると同時に唇の縁が笑みになる)
        (かりそめの身なれど全てを出し切ろうとするマザー)
        (その姿にエミッタの身と心にも熱が滾る様で)
        ならば私達も全力を越えて挑まねばだな?
        (アサギに視線を向ければ頷き合い)
        今度こそこれで…決める!
        (口の中に溜まった血を吐き捨てると、機甲剣を構え足を踏みしめる) -- エミッタ 2014-11-05 (水) 21:19:28
      • (マザーの溜めは尚も続く、二人はこれを阻害するために行動にでてもいいし真っ向から立ち向かっても良い)
        (機甲剣を携えるエミッタの後ろ、師匠より託された銃に魔力を篭める)
        (マザーは変わらず二人を見定め、彼女らを計るべく剣に蓄えたエネルギーを放とうとしていた) -- アサギ 2014-11-05 (水) 21:36:10
      • (無限に肥大化して行く力を前に二人は自然とそうしていた)
        (ここまでの旅で育んだ絆が何も言わずともそうさせていた)
        (エミッタは一歩下がりアサギは一歩前へ。二人の立ち位置が前後から並ぶ形となる)
        (並び立つ事でエミッタの機甲剣とアサギの魔導銃が呼応し共鳴しあう)
        (マザーの自壊を恐れぬ一撃に立ち向かうに二人の力を一つに合わせるしかない)
        (二人の武器はそう語っている様に思えて) -- エミッタ 2014-11-05 (水) 23:28:44
      • (先ほど攻撃を合わせたときからエミッタとの繋がりが武器を通して感じる。…いや、以前よりこうだったのかもしれない)
        (アサギが師匠より渡された銃は遺跡から復元された銃器ではなくオリジナル、持ち主の意思に応じて威力が変化するスペックは再現が難しい)
        (加え、エミッタの機甲剣もまた遺跡から発掘されそれが部品として使われているもの)
        (意思を通して力と為す、武器が持ち主たちの思いに応えたのか)
        (二人の武器が震えると互いに惹かれあうかのように光を放つ) …これは!? -- アサギ 2014-11-05 (水) 23:57:49
      • わからない…しかし、わかる……
        (何が起きているかわからないが、何をすれば良いのかはわかる)
        (主達の意思に武器達が答えようとしている)
        (ならば心に任せれば良い)
        (二人は頷き合うと互いの武器を一つにするように重ね合わせた) -- エミッタ 2014-11-07 (金) 21:53:05
      • (エミッタの機甲剣が柄から外れ、アサギの双銃もまた銃身が割れて独りでに分解されていく)
        (自壊するのではなく剣と銃が一つの形になるべく合致していく、機甲剣の刀身が銃床となり二つの銃身が一つとなることでその身を長銃の形を取る)
        『──── かつて人は我を作りしとき、人は機械と共にあった。だがそれは創造主としてではない、“意思”を我らに繋げることができたからだ
         いつ以来であろうか。その力を目にするのは ──── 』
        (直後、マザーの渾身の一撃が放たれた。横薙ぎの一閃は先ほどと同様の軌跡、しかしその威力は比較にはならない)
        (部屋一面を覆うような光撃、さながら明けの明星ともいうべき眩さ。慈悲なき一撃が床と壁、空間をも削り取らんとする勢いで迫る)
        (それに相対する二人、長銃を二人で携えるように。引き金は一つで二つ、左右のエミッタとアサギで構えて)
        …終わらせましょう。でもこれが結末じゃない、また明日を迎える為の終わり ─── -- アサギ 2014-11-07 (金) 22:32:19
      • ああ、終わらせよう…明日を迎え明日を始めるための終わりを……
        (視線は迫る光撃に向けたまま言葉を交わす)
        (いや、今は言葉すらいらない、長銃を通じ互いの心の繋がりを感じるから)
        (二人の心だけではない長銃の意思をも感じる)
        (マザーに人と機械の繋がりを示したいと言う意思)
        (三つの想いが一つに重なり力となり。それは過充電に近い程の力の輝きを溢れさせ)
        (全ての想いを込め、二人は引き金を引いた) -- エミッタ 2014-11-07 (金) 22:48:02
      • (長銃から放たれたのは実弾にあらず、マザーが為したのと同じようにエネルギーを形としたもの)
        (機械と意思を繋ぎ、心を明日を切り開く力とする。二人の想いは螺旋を描いて飛び、マザーの一撃を貫く)
        (マザーの一撃が悠久を紡いだ壁とするなら、二人の想いは今という一瞬の穿ち。一撃すべてを破壊することは出来ずとも二人の想いは壁の向こうにいるマザーに目掛けて伸びる)
        (強固な意志に届けと、頑固で意思を曲げようとしないへそ曲がりへと。その一射は伸びた)
        (同時、二人の両脇をマザーの一撃が抜けていく。貫いた一撃が二人の命綱となり、背後で壁が砕けて柱が折れる音が響く)
        (破砕の渦が地下でうずまき、決着が明らかとなるのはそれから暫くだった) -- アサギ 2014-11-07 (金) 23:17:34
  •  
  •   Chapter:8-3   FATE BREAKER
    • (爆砕により舞い上がった砂埃は室内で嵐となり視界を閉ざす)
      (砂埃で傷む瞳を堪えマザーの居た場所を見据えるアサギとエミッタ)
      届いたか…?
      (エミッタが独り言のように呟いた)
      (マザーの光撃を撃ち貫く事は出来た)
      (しかし放った一撃がマザーへと至ったかはまだわからない)
      (それでも自分達の全てを込めた一撃の先をただ知りたくて) -- エミッタ 2014-11-08 (土) 00:29:05
      • (両者の一撃は周囲を破砕し、柱から崩れた地下では一部が崩落しており噴煙が周囲の視界を遮る)
        (幸いなことにアサギとエミッタも崩れてきた天井に潰されてはおらず、長銃を携えたままその場に立ち竦む)
        分からない…でも、私たちの意地は通したつもり
        (これでも駄目なら、とアサギは想ったがそれを否定する声が響く)

        『──── 西風が吹いた。希望の、風が』 -- アサギ 2014-11-08 (土) 00:38:28
      • …!
        (二人に緊張が走る)
        (視界は閉ざされ姿は見えぬがその声は間違いなくマザーの物)
        (しかし、その声に殺気は感じられず)
        (それでも二人は長銃を構えたまま姿が現れるのを待つ)
        (いや限界を越えた戦闘に疲弊しきった身は行動を起こせなかった)
        (それでも瞳の光は消えずにマザーの居た場所を見据え待つ) -- エミッタ 2014-11-08 (土) 22:03:29
      • (エミッタとアサギが固唾を飲めば、瓦礫を押し退けて立ち上がる姿があった)
        (だがそのマザーの姿は既に瀕死、片腕を肩より失いその腹部には鉄杭が刺さっている)
        (しかし表情は穏やかなものであり、二人を見据えて呟く)
        『──── 人であれば、こう答えたかもしれない。ずっと間違いを正して欲しかったと
        我、機械は最善しか求めない。…だが果たしてそれが最善であったのだろうか
        だが私は自己を否定する機能を持たない。…故に、我はこのときを待っていたのだろう』
        (その声は擬態よりも奥、本体ともいえるメインコンピューターより響く)
        『──── 汝ら、若き風よ。この後のことは汝らが次第だ
         我を糾弾するか処断するか、それもまた汝らがいう“今日の終わり”だ』 -- アサギ 2014-11-08 (土) 22:31:32
      • (その表情を見れば自分達がすべき行動がわかる)
        (長銃を降ろし緊張を解く戦闘状態の解除だ。もはや戦いは終わった)
        私達が求めるのは戦いでも排斥でもない…未来だ
        マザー、貴女を糾弾する気も処断する気もない
        それに私から見れば、もう貴女も心を持っている様に見える
        ならば私は貴女と語り合いたい、より良き明日を始めるために
        (そして来るのは語り合う時間)
        ただ……
        (アサギへと視線を向ける。マザーの子でもあるルーンフォークの少女に)
        (ルーンフォークとマザーがどう言う関係を築いて行きたいのか) -- エミッタ 2014-11-08 (土) 22:56:38
      • (エミッタの視線の意図に気付く。自分たちはマザーによって生み出された…、だがそのマザーを倒してしまった今どうすべきか)
        私は、私たちは ──── このままでありたい。人の為にある、それがルーンフォークの本質
        だけど使われる為に生きてるんじゃない。私たちルーンフォークは変わらず人間と共存し、
        この世界に生きる人間の一人としてお互いに理解をしていきたい。私がエミッタとしたように、マザーとこうして分かり合ったように
        (地上ではアサギたちを送り出した市長や技術局、師匠が待っていることだ。彼らは里の未来の為にではなくアサギたちを心配していた)
        (心通わすこと。それは人間同士だけでなく機械にあっても同じこと)
        『──── ジェネレーターの不調もこちらで仕組んだこと、全て元通りになるようにしておく』
        (マザーからの答え、それはこの里の存続を認めたものだった) -- アサギ 2014-11-09 (日) 19:58:44
      • そうか…ならば私の答えは先の通りだ
        (その言葉にこくりと頷き笑みを浮かべる)
        (アサギの示した意思それはルーンフォークの意思でもある)
        (そして告げられるマザーの言葉はルーンフォークの未来)
        マザーよありがとう、私達の意思を受け入れてくれて
        ふぅ…これでこの件は解決だな……
        (ジェネレーター復活を巡る事件は解決した、しかし……)
        貴女はこれからどうするのだ…?
        (気になるのはマザーの今後) -- エミッタ 2014-11-09 (日) 21:50:45
      • 『──── 我か、我は……』
        (一考の間、マザーは考え込むようにして押し黙る)
        (エミッタとアサギはその行動がマザーにとっての変化によるものだと気付いて互いに微笑みあう)
        (だがマザーは二人のその仕草の意味を理解できず、戸惑いの色を見せる)
        (人と機械、これからを紡ぐ答えは後に語るとしよう───) -- アサギ 2014-11-09 (日) 21:59:35
  •  
  •   Chapter:Epilogue   Windward Birds
    • (初春、吹き荒ぶ風が大地に生命を運ぶ。それは荒野にあっても同じこと)
      (荒涼たる原野で咲く一輪の花、それを見つけたのは外套を目深に被った女性だった)
      ねえ、エミッタ。見て
      (名もなき小さな花、しかし興味を惹き足を止めるには十分な理由だった) -- アサギ 2014-11-12 (水) 21:52:55
      • うむ、この荒野にも春が訪れたのだな…んー
        (同じく外套を目深に被った女性がこくりと頷く)
        (行きと同じ道でも季節が変わる事でまた別の姿を見る事が出来た)
        (外套を背に降ろせば銀の髪が太陽にキラリと煌めいた)
        (荒野を行く風も今日もなんだか優しく温かい気がして……) -- エミッタ 2014-11-12 (水) 22:23:38
      • (風に誘われるように彼女らは少し早いが休憩を取ることにした。花を眺めるように岩に腰掛け、横髪を梳く)
        (エミッタとアサギ、彼女らがミストロザリアを出て一週間が経った。最後の戦いから数えれば三ヶ月以上過ぎていた)
        (ミストロザリア周辺は雪深く、冬が開けるまで彼女らの出発は先延ばしにされていたのだが…)
        それにしてもあの日々が嘘みたいに静かね。遺跡に潜るよりもその後が大変だったかも
        (マザーとの和解、それによってジェネレーターの修繕だけでなくロストテクノロジーもまたマザーから齎されるようになった)
        (開示された情報に技術局を始めとした技術者や学士が喜び、その検証と再現に街は躍起となった)
        (しかし全ての情報が開示された訳ではない。あくまでマザーは人間の可能性に掛け、彼らが今後必要とするものだけ)
        (もしくは発展の余地があるものを手渡してきたのだ。…最も、技術者という人種は全てを与えられるよりも自らで発見する方を好むものだったが)
        (エミッタとアサギは興奮した彼らにつき合わされ、また安全となった遺跡の発掘作業にも従事をした)
        (思い起こせばたった数ヶ月、しかし一言では語れぬ毎日が瞼の裏に映る) -- アサギ 2014-11-12 (水) 22:38:38
      • ふぅ…水が美味い
        (腰掛けると水筒を取り出し水を一口啜る)
        (ミストロザリアの地下から汲み上げたミネラル豊富な天然水)
        ああ、徹夜続きの日々だったからな、追加調査も歩くばかりであったし
        あれはあれで楽しかったのだが…やはりこうスリリングさに欠ける
        (アサギの言葉に頷くと水筒を渡してから言葉を続ける)
        (愚痴の様にも聞こえるが口元は笑みで)
        (あの日々を楽しんでいたのはアサギが良く知るところだ)
        (それでも冒険者気質の二人には安全な探索は物足りなさを感じる事も) -- エミッタ 2014-11-12 (水) 23:04:16
      • (そして今、二人は里を飛び出して再び渡り鳥となった)
        (里を救った功労者として永住してくれないかという話を持ちかけられたが、二人は首を横に振って旅に出ることを望んだ)
        (学園を出るとき、エミッタと交わした約束。それは問題が片付いたとき彼女の旅に付き合うというものだったが)

        『─── 人間というのは何故、スリルを求めるのだろうな。ギャンブル性に基づく条件反射だろうか』
        (二人とは別の声がする。それはアサギの肩、外套の下でもぞりと動き這い出るようにして出てくる小人)
        (…否、小人ではない。その姿は最後の戦いでエミッタとアサギが戦ったマザーの戦闘実行体を二頭身としたようなものだった)
        (マザーは自身の分身となる走狗(マウス)を生み出し、エミッタとアサギへと譲り渡した)
        (それはエミッタとアサギ、彼女らの行く末を見定めるためのもの。人間という可能性を見据えるために)
        …ギャンブル性、といわれればそうかもしれないけど。冒険者ってギャンブルなのかしら -- アサギ 2014-11-12 (水) 23:25:04
      • 面白い問題だな? しかしギャンブルとは少し違うかもしれない…そうだな
        (小さな同行者の問いかけに微笑むと顎に手を当て考え始める)
        (冒険者とはなんであるかを)
        好奇心を対価とした可能性の追求だろうか?
        確かにそこに命のやりとりと言った物はあるかもしれない
        しかし、その先にまだ見ぬ何かがあるとしたら……
        書物にも記録にも無い何かがあるとしたら……
        私はそれを見てみたい -- エミッタ 2014-11-12 (水) 23:47:55
      • 『─── だからこそ冒険者、か。まだ見ぬ光景や経験に対して思いを馳せることが原動力となるのか』
        (言質とは裏腹に二頭身の姿で腕組みをし、うむと頷く姿には愛嬌すら感じさせる)
        マザーも理解を示してくれたようね。…でも正確にはマザーから分けられた走狗だからマザーと呼ぶのは変かも
        (なのか、と問う走狗はマザーと直接繋がっているわけではない)
        (分身というよりも切り分けられた一部、アサギとエミッタとの旅に同行して情報を収集するデバイスなのだ) -- アサギ 2014-11-13 (木) 00:06:19
      • そう言う事だ…ん? あ、確かにマザーでは変かもしれない
        (さらにマザーとは母を意味する言葉。ルーンフォークの母たる存在としては正しいが)
        (この先街中で言葉を交わす事も考えればマザーと言う呼び方はおかしくもあり)
        何か呼び易い名にするのも良いかもしれない
        マザー、貴女への呼称を改めさせてもらっても良いだろうか? -- エミッタ 2014-11-13 (木) 00:40:05
      • 『──── 構わないが、代案はあるのだろうか』
        (ふむと頷く仕草、マザーからすれば名前に執着心はなくまた特別な意味など考えたことがなかったからだ)
        …ならそこにある花から取るのはどうかしら
        (二人が旅を始めたときも荒野でこうして花を見つけていた。奇しくもそのときの花は今と同じ品種である) -- アサギ 2014-11-13 (木) 23:22:15
      • 代案か…提案はしたが、いざ考えると……

        (むむっと唸ると両手を組んで考え始める。名前を考えるのは案外難しい物だ)
        (それが意思ある存在の名ならなおの事)
        …ん? あ、その花の名。確か……
        (アサギの言葉が示す先に視線をやれば、そこには休憩の切欠ともなった花の姿)
        (暫しの間の後、アサギとエミッタはほぼ同時にその名を口にした)
        (『アネモネ』。希望や期待と言った花言葉を持つ花の名を) -- エミッタ 2014-11-13 (木) 23:44:07
      • 『─── アネモネ、か。言葉にはしやすいが…』
        (だが改めて名前で呼ばれることに慣れないのか、仕草でむず痒いと表現をしていた)
        私たちの旅の仲間が増えたけど、…エミッタ。これからの旅路だけどどうするのかしら? -- アサギ 2014-11-13 (木) 23:59:16
      • ふふっ、いずれ慣れるさ? アネモネよ
        (感情の片鱗を見せ始めた少女に笑みを送り、早速その名を呼んでみる)
        うむ? あー…そうだな、一回故郷に戻ってみたいと思っているが…どうだろう?
        母にも顔を見せたいし、今後について色々と考えてみたい事もある -- エミッタ 2014-11-14 (金) 00:17:57
      • 悪くないと思うわ。私も貴方の故郷に行ってみたいと思ってたから
        (エミッタの母は彼女に似ているのかしらと微笑めば、一時の休憩はここまでと立ち上がる)
        (肩の上のアネモネも行こうと首を頷かせた。二人の旅路は終わるのではない、これからまた始まるのだと) -- アサギ 2014-11-14 (金) 23:18:10
      • ありがとうだ。では次の目的地は私の故郷に決まりだな
        (似ているのかと問われれば、ついてのお楽しみと笑みを返し)
        (そして身をほぐす様に背の伸びをしてから立ち上がる)
        (そんな二人…三人を祝福する様にアネモネの花が小さく揺れた) -- エミッタ 2014-11-14 (金) 23:35:01
      • (荒野を風が巡る。来るときは阻むような西風も今は彼女らの背を押すように吹いている)
        (ミストロザリアでの出来事は彼女らにとっても成長を促し、互いの信頼を深める思い出となった)
        (だが思い出はこれからも続いていく。時には幸福を喜び、時には苦難を強いられる。その度に彼女らは互いの手を握る)
        (繋いだ左手と右手、それが人の可能性。互いを信じあう心が希望の運び手となるのだ)
        (旅はまだ続く、彼女らが歩み続ける限り ──── ) -- アサギ 2014-11-14 (金) 23:53:22
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Last-modified: 2014-11-14 Fri 23:53:22 JST (3448d)