酒場二階。冒険者の安宿に居を構えていた薬売りの姿は消えていた
時を同じくして、夜の闇を従えるサキュバスの噂も忽然と消え失せてしまった
この二つの類似性は知る人ぞ知るが、冒険者が一人消えてしまうことはこの街では物珍しくもなく
取るに足らない出来事として人の記憶と共に風化してしまうであろう
‥‥だが覚えていて欲しい
夢魔とは人の夢に住み、人の夢と共に生き、人の夢と共に死ぬ
故に人の心に飢えたる欲求がある限り、夢魔とは不変の存在なりて不死の存在となりえる
――いつの日か、この部屋の住人もまたそんな夜と共に帰ってくるのであろう
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夢のなかへ 夢のなかへ いってみたいとおもいませんか んふふ〜 †// |