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黄金暦の頃より生き続ける魔術師。闇属性の魔法を得意とし、その魔力は既に人の域を超越している かつて冒険者だった時代には人並みの幸せを追い求め、その結果深い悲しみに囚われたりもしたが 現在は諦めにも近い感情に支配されている。 そして、過去と決別するかのように少女の姿を捨て、千年ぶりに少年に戻った。 詳細
身長149cm 水色の髪に青緑の目をした、物静かな少年。細身でやや女性的な体つき ぱっと見は10代半ばのように見えるが、実際には千年以上の時を同じ外見のまま生きている 魔法を扱う者として探究心が強く、冒険者時代はそれによって幾度か災難にも見舞われたという 幾多もの死線を潜り抜け、苦難を乗り越えた結果、戦闘力は並みの魔族を凌駕する程 扱う闇魔法は禍々しくえげつない物ばかりだが、彼の思考は善人のそれに近く、自らの利益のみの為に力が振るわれる事は無い それと同時に、世の人間と分かり合う事の難しさも感じており 他人とは距離を置いた付き合いを好む
経歴
黄金暦72年 クルール大陸ヴォルケ帝国にてシュトライヒ家次男として生まれる 黄金暦87年7月 ヴォルケ魔術アカデミーの昇級試験にて大蛇と遭遇、行方不明(後に死亡扱いとなり除籍) 黄金暦87年8月 酒場の街にて兄の消息を追うため冒険者として活動開始 黄金暦98年4月 最初の引退 黄金暦155年6月 最後の冒険、以後冒険者は完全引退 魔王との契約
エミールがこの世に生を受けるよりも11世紀ほど前のこと、クルール大陸を魔界の軍勢でもって掌握しようと目論んだ魔王がいた 彼女の名はスラヴェナ。しかし全方位を敵に回す侵略は、反目しあう種族さえも結束させ…勇者一行に打ち滅ぼされる …いや、正確には滅ぼしきれなかった。 これまで侮っていた人間の力というものに魅力を感じ、心躍る決戦での敗北に満足し…自らの存在が消えるとなった段で、ふと未練が生じたのだ 心境の変化、とも言うだろうか。残る魔力を用いて、勇者一行には自らが打ち倒される幻を見せ…それと同時に自らを封印し、長い眠りについた。 こうしてスラヴェナは歴史の表舞台から自らを抹殺することに成功する そんな魔王の逸話も御伽話に語られるだけとなった頃、勇者一行の血筋とも無縁なエミールが封印の地を訪れることになる 理由は簡単だった。彼の所属するヴォルケ魔術アカデミーの昇級試験が行われる場所がその「封印の洞窟」だった、それだけの事だ 最奥部に生贄の祭壇が残る古の洞窟は、歴史に埋もれ年月の流れるうち、勇者と魔王の決戦場だったという事実が忘れ去られ 何を封印した場所なのかさえも人々は知らず、ただ魔術的な儀式に最適な地と考え、利用していた …それがこの地に魔力を蓄積させ、封印を解く手助けをしていたなどと知らずに。 受験者は全員なす術もなく、突如現れた大蛇の餌食となった それは偶然か必然か。祭壇に血が流され、生贄は捧げられたのだ。 大蛇の胃の底…骨を砕かれ身動き取れぬまま、徐々に胃酸に溶かされながら苦痛の中で意識を取り戻したエミール 同級生達は既に息がなく、自らも死が間近に迫る…その寸前、声が頭に響いた その声は言う。「生き残る為の力が欲しくないか?他の者は手遅れだが、お前はまだ助かる」 「だがその為には取引が必要だ。私と契約を行う事が。」 声の主が神であろうと悪魔であろうと構わない。藁にも縋る思いで取引に応じた 詳しい契約の内容も聞かされはしたが、殆ど内容は頭に入ってこなかった 「契約成立だ、エミール。何もかもが元通りとはいかないが…新たな人生を楽しむといい」 その声を最後に、意識は暗闇の中に混濁し溶けていった… 次に彼が気付いた時には、服も体も傷一つない状態で 洞窟の前に立っていた その手には、身に覚えのない闇属性の魔法書。試験日から10日が経過していた… アカデミーに戻るも、自分は無断で行方をくらました扱いで除籍され、同級生にいたっては最初から名簿に存在しない事になっていた 困惑しつつも、冒険者をやっている兄のもとを訪ねるべく冒険者の街へと向かう事にした… 彼が魔王スラヴェナと交わした契約は以下の通り 「魔王が自らの能力、魔力をエミールに分け与える対価として、エミールの人間性を少しずつ魔王が貰い受ける」 だが、人間性というものは人と関係を持つことで新たに得ることもできる為、彼に損はないだろう、という物だった だが真の狙いは、時間をかけて魔王クラスの魔力を人体に定着できるよう、エミールを魔王の器にする事であった そうして魔王は自分の魔王たる全てをエミールに差し出し、彼から受け取った人間性をもって、一人の人間となって生を終える 人間に魅力を感じた老いた魔王の最後の望みに、多少の共感は覚えつつも、自らの愚かさに後悔したエミール このまま彼女の思い通りにいけば、自分が人間性を喪失し、新たな魔王として世界に害をなす存在となってしまう そうならぬよう、スラヴェナを魔王のまま寿命で死なせるべく、魔王化しつつも人という存在にしがみつく静かな戦いを、彼は未だ続けているのである 装備品
扱う魔法
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