双子の狛犬 387436(コマ) 387758(タマ) Edit

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ID:387436387758
名前:乾狛(イヌイ・コマ)乾珠(イヌイ・タマ)
出身家:ドゥミモンディーヌ
年齢:16
性別:
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前職:
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理由:
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状態:
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その他:ステータス/戦歴ステータス/戦歴

双子の狛犬 Edit

昔々、遠い東の小さな島国の小さな村のはずれに、とても小さな神社がありました。
そこには人々に名前も忘れられ、年に一度の八百万の神様の宴にも呼ばれないような
力の弱い鬼が祭られていました。
お社はとてもぼろぼろになってしまっていましたが、社を守る双子の狛犬と神様とで
弱くなった力で村人達を守りながら幸せに暮らしていました。
しかしもう誰もお参りに来ることもない神社、壊れた所が直されるはずもなく、
狛犬の片方はとうとう朽ちて壊れてしまいました。
残されたもう一人の狛犬は、魂だけになってしまった片割れを抱いて嘆き悲しみます。

そんな時、道に迷って雨に打たれて瀕死の子猫が社の軒下にやってきました。
冷たくなっていく小さな小さな命。狛犬はただ見守ることしかできません。
鬼の神様にお願いしても、誰も名前を覚えていないような神様には
もう命をつなぎとめる力なんて残っていませんでした。

いよいよ子猫の命のともし火が消えるその時、狛犬の腕の中の片割れが言いました。

「僕の魂をこの子に食べさせて。この子にとけて寿命になって助けてあげられるかもしれない」

狛犬は迷いました。そんなことをしたら片割れには永遠に会えなくなってしまいます。
でも、神様は命を守るのが仕事なのです。それに長く迷っている時間はありませんでした。
力なく鳴く子猫。主人を、大事な人の名前を呼ぶ声。
この子猫は自分と同じなのだと狛犬は思いました。大切な人のそばにいたいという気持ち。
狛犬は子猫を抱き上げると…片割れの魂を食べさせました。

そして、ぼろぼろの神社には鬼の神様と狛犬と、狛猫が一匹。
子猫は狛猫として神社を守る生き物になったのです。
狛猫は神社と家を行ったりきたり。
昼は年老いた夫婦の主人のそばにずっといて、夜は社のお掃除をします。
働き者の狛猫を、鬼の神様と狛犬はたいそう気に入って
ずっと一緒に神社を守っていこうと約束しました。

ところが神社は人の手によって壊されることが決まってしまいました。
この土地は雨のあまり降らない土地で、ため池を作ることになったのです。
その予定の場所に神社があるのでした。
名前も忘れられている神様です。誰も反対する人はいませんでした。

神様自身も、人のためになるならばと特に怒る様子もなく、土地を離れて彼岸に帰ることにしました。
狛猫は前のように主人の下へ。狛犬は役目を終えて眠りにつくことになります。

社が壊される当日、膝で眠り消えていく狛犬に神様は言いました。
「今までずっと守ってくれてありがとう。お礼に…」
狛犬の意識が消えていく中、神様の声が響きます。でもとても眠くて最後までは聞くことができませんでした。



気がつくと狛犬は大きな大きな船の上。隣には主人の下へ帰ったはずの狛猫が。
自分は消えたはずではと首をかしげる狛犬に狛猫は言いました。
「あにさまが消えるまで少し時間をもらったんですよ」
「どうやって?神様はもうそんな力ないだろう…?」
狛犬は考えました。
死ぬはずの子猫を助かったのは狛犬の片割れの魂を食べたから。
じゃあ消えるはずの狛犬が生きるには…もしかしたら…。

「神様はあにさまの中にいらっしゃる」

力が弱くなった神様は自分の命しかもうあげられるものはなかったのです。
神様は自分を支えてくれた狛犬が大好きでしたから。
狛犬は泣きました。片割れが壊れてしまった時よりもたくさんたくさん泣きました。
狛犬だって神様が大好きでしたから。

「悲しまないであにさま。私がそばにおりますから」
狛猫が背をなでながら優しく囁きます。そこで狛犬はふと顔を上げ
「お前は主人の下へ帰ったのではなかったのかい?この船は…どこへ行くのだろう」
「ご主人とはお別れをすませてまいりました。私にはもうあにさましか家族はおりません」
主人に会いたい一心で生きながらえた命でした。でも狛猫は狛犬を一人にしたくなかったのです。

狛猫だって神様と狛犬が大好きでしたから。

「この船は異国へ行くのですよ。…そうそう、神様から伝言があるのです」
「なんだい?」

「自由に、好きな所へ行きいろんな物を見ておいで、と…そして…」
「…そして?」
「………ううん、それだけです」


そしてどうか君の時間が止まる最後の日まで、幸せに。

流れ着いた酒場 Edit

狛犬と狛猫は船に乗り、遠い異国の地をめぐります。
そうして神様からいただいた寿命が近づいてきたある日、ひとつの酒場にたどり着きました。
ここではお金がもらえて遠くへ行けて、なおかつ人の役に立てる仕事があると聞いてやってきたのです。

にぎやかな酒場におそるおそる入る小さな影が二つ。
それを見つける少年が一人。銀色の髪にすみれ色の瞳。神様と同じ。
「冒険者になりたいの?…ふむ、住む所もまだ見つけていないのか…」
子供に狛犬と狛猫は言いました。
「どこかに神社みたいなのがあればいいのだけど、異国にはあまりなくて…」

「それならいい場所があるよ。神社ではないけれど…」

…そんなわけで、この生き物たちは荒れ寺へと導かれたのでした。

はるか遠く東の島国 Edit

鬼と呼ばれる一族が生まれた土地です。
人と人でないものの戦争があり、鬼は人に力を貸して戦争は人の勝利になりました。
けれど人は人ではない鬼が恐ろしく、追い出したり殺したり。ついに鬼は東の国から消えてしまいました。
各地には今でも鬼の伝承があり、祭られている神社が沢山存在します。
狛犬と狛猫はそんな神社のひとつを守っていた存在です。

すーぱー東の国リンク

落書き Edit

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Last-modified: 2010-01-27 Wed 13:58:22 JST (5196d)