黄金暦181年8月。或る夏の暑い日

彼は20年間いつもそうしてきたように入念な準備をし、気を引き締め、ここ最近共に暮らすようになった婚約者に見送られ冒険へと出立し

いつも他の誰かがそうであったように、今度は彼自身が生きて戻る事は無かった

名誉ある剣聖がゾンビ化するのを防ぐ為、その場で彼の仇を取った同行者達は彼の遺体を回収、すぐさま荼毘に付したという

彼の遺灰と、彼が死の瞬間まで握っていた太刀は、彼の婚約者の下へと送られたそうだ





生前の彼が良く使っていた言葉に天祐というものがある

天祐があるがゆえ己は死なぬのだと、過去様々な過酷な依頼においても帰って来たのだと

では、死した彼は天に見放されたのだろうか? それが故彼は死んだのか?

おそらく、違うだろう

元々彼に天祐などと大それたものは全く無く、これまで生きてこれたのは彼の強さと機転によるものでしかない

だから今回の事は、彼の運が悪かった。それだけに過ぎないのだ

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編集:コメント/名簿/412352 差分:コメント/名簿/412352 備忘録

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  • ……全く…剣聖と言う名誉よりも、貴方には大切なものがあったでしょうに…まぁ、貴方も望んで引退したがっていて…こうなったのだから責めるのは酷かしら…。
    …でも、遺されてしまった者の辛さはよく分かってるから……ヤチコは、それ以上の辛さを味わっているでしょうから…責めさせて貰うわね。
    …本当…やりきれないわ…こんな終わり方は……(涙は流さずに、ただ遺されたものを思って悲しげに呟いた。) -- クノン 2011-03-07 (月) 23:27:34
  • わたし、運が悪いにも程があると思うの。雲耀の太刀、伝えていくんじゃなかったのー……?
    谷地子遺して逝くなんてそんな(言葉に詰まったとき、にわかに雨が降り始めた) -- イーリス 2011-03-07 (月) 09:17:07
  • ……ああっ! あああああああ〜っ! フォルさんのばかぁっ!
    こんな……死んじゃって……道場をどうするのねー! 谷地子さんをどうするのねー!! こんな、こんな……。
    (膝を突き、地面を拳でどんどんと叩いて声を上げた。それでも、目がないので涙は流れなかった)
    (しばらく地面にへたり込んでいたが、やがて悄然として帰っていった) -- ノッペ 2011-03-07 (月) 08:35:36

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2011-03-14 (月) 22:29:48

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  •   -- 2011-03-07 (月) 00:04:40

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Last-modified: 2011-03-14 Mon 22:29:48 JST (4793d)