黄金暦181年8月。或る夏の暑い日
彼は20年間いつもそうしてきたように入念な準備をし、気を引き締め、ここ最近共に暮らすようになった婚約者に見送られ冒険へと出立し いつも他の誰かがそうであったように、今度は彼自身が生きて戻る事は無かった 名誉ある剣聖がゾンビ化するのを防ぐ為、その場で彼の仇を取った同行者達は彼の遺体を回収、すぐさま荼毘に付したという 彼の遺灰と、彼が死の瞬間まで握っていた太刀は、彼の婚約者の下へと送られたそうだ 生前の彼が良く使っていた言葉に天祐というものがある 天祐があるがゆえ己は死なぬのだと、過去様々な過酷な依頼においても帰って来たのだと では、死した彼は天に見放されたのだろうか? それが故彼は死んだのか? おそらく、違うだろう 元々彼に天祐などと大それたものは全く無く、これまで生きてこれたのは彼の強さと機転によるものでしかない だから今回の事は、彼の運が悪かった。それだけに過ぎないのだ †最新の10件を表示しています。 コメントページを参照 コメントアウト †2011-03-14 (月) 22:29:48 貰 †某所 †最新の1件を表示しています。 コメントページを参照 |