ワイズブラウン家出身 テロア 413041 †
その後のてろあ †
これはひとづてに聞いた話なのですが…
… 「へ…?このとおり…!じゃん…!ピンピンしてますよ…!」 あの依頼の報告書はなんだったのでしょう、彼女は結局何事も無かったかのように帰ってきました それからしばらくの間、いつものように明るく、くだらない事で一喜一憂したり、お買い物をしたり、お引越しをしたり(勿論強引に手伝わせたり)… 今までの彼女の、今までの彼女通りの生活をしました … そしてある日、誰にも告げることなく ひっそりと街から姿を消したのです 続その後のてろあ †
彼女は荒れ果てた砂漠の故郷に戻ると 唯一の肉親である妹とその協力者の援助によって 各地に散らばった資料を集めなおし、廃墟となった遺跡の研究を始めました 亡き父の無念を晴らすため…? それとも単に個人的な私利私欲のため…? それも今となってはわかりません … 停滞しつづけていた研究は大きく前進しましたが 程なくして起きた利権争いから一転して命を狙われる事になると、彼女の顔から以前のような笑顔は失われ 身を窶し、以後人とは一切関わりを持たない隠者のような生活をしたと聞きます そしてそこで一人、誰にも邪魔のされない、本当に幸せだった学園生活の頃の夢の中で生きたと、聞き及んでいます 老いた肉体が孤独ととも風化しても、その幸せな記憶と一緒にいつまでも、いつまでも… … … … 「…なあ、ちょっと待てよ、唯一の肉親の妹…?俺、あいつの口から兄ちゃんがいるって聞いたぞ…?」 「俺も聞いたわ、それ。それにあいつ前にじいちゃんだかばあちゃんが…って話もしてたじゃねーか」 「おかーさんの話も何度となくー聞き、ましたー」 「あれ、故郷には海があるよって言ってなかったっけ? 」 「故郷で何かしらあって、とは聞いたけどな、あ、婚約者がいるとも言ってたぜ」 「わたしはあんまりお友達がいないとか聞きましたよ〜?」 「あいつはさらっと嘘をつくからな」 「これ、また騙されてんじゃね…?」 … おや、これはなにやら怪しげな雲行きです… これでは後に語られる不思議な時計のお話も、旅の道中で出会った音楽家のお話も、 そして今も想い続けるあの人のお話も、結局どこまで信用できるのやら… 「…おい、ちょっとあのバカ呼んでこい…ぜってー嘘だぞ、この話!」 でもでも、彼女の名前を呼べばきっとおもしろおかしく話してくれるはずです だって彼女はいつだって、面白い事を聞きつけてはすぐに飛んでくるんですから…! 「あ…!皆さんお揃いで…!楽しそーですね…!何のお話ですか?うちも混ぜてください…!」 「…あのなぁ、いいか、おまえの事だよ、おい…」 ![]() 「テロア!!」 |