ボーっと、しよった。
あかん、うちらしくない。
(頭のどこかでは、もう助からないことに気づいている)
暗い。
昼間やろに。気ぃ利かん太陽や。
(暗い森の中、水音と耳障りな米神で血の流れる音)
帰ったらまずリースんとこやな。
からかってやらんと。
(すでに痛みは熱さの中に消えてしまっていて)
ほんでヒューイや。
今月何でからかったろかな。楽しいわ。
(指先から徐々に感覚がなくなっていく)
今月は悪さしてへんといいな、ルームメイト。
机の中の手紙とか、勝手に読まれとったらめっちゃ恥ずかしいわ……。
(霞のかかった脳)
ん。
ああ。そか
(現実感の酷く乏しい光景)
これ。
もう帰れへんのか。
……嫌やな。
(目の端から流れる涙は悲しさでも寂しさのせいでもなく)
まだ。
楽しいこと。
たくさんあるんに。
(ただ、反射的に流れ出したもので)
……。
(それでも右手を持ち上げて頬に触れてみた)
(分からない)
(笑っているのか、分からない)
(笑っていればいいなと思った)
(生まれてきてはじめて、そう思った)
「ありがとなぁ、楽しかったわ」
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