ウェールについて †
概略 †
西方大洋北方に浮かぶ大ウェール島及び近隣諸島を領地とする、封建型の王制国家。
多数の竜が生息することで有名である。
領有面積のうち、人間よりも竜の支配する地域の方が大きい。
近頃は『竜害』が甚大であり、国家問題となっている。
文化等 †
中世イギリスがモデル。
といっても中の人にあんまりガチな世界史知識は無いので、イギリスッポイファンタジー王国という認識でおおむね間違っていない。
硫黄がほぼ産出しない(正確にいえば産出地域の大半が竜の支配地域に含まれている)ため、火薬式の兵器は基本的に存在しない。
稀に外部から持ち込まれることはあるが、一般に使用されてはいない。
代わりに非常に発達した魔術大系を持ち、竜由来の強力な術式が多数存在する。
食事は不味い。
竜について †
大陸から離れた島々にあるウェールの生物相は、現実世界でいうガラパゴス諸島のように、固有の特徴を持っている。
竜に関しても、以下に挙げる特徴はあくまで『ウェール固有の』ものであることに留意されたい。
一般に強大であり、一頭の竜は、竜の討伐に特化して訓練された軍隊一個師団と等価の戦力を持つ。
これはあくまで「一般的な」実力を持った個体に関してであり、当然ながら、武力を以て退けることが不可能である個体もいる。
鱗は現存するほぼ全ての魔術を弾き、効果があるのは、竜を殺すために特別に打たれたごく少数の武器に限られる。
知能は高く、高度な知性と理性を持ち、人間とは違った価値観を持つ。
多くの個体が竜語の他に人語を解する。また、特有の魔術大系を有する。
縄張意識が強く、特定の領域を占有して他の竜、及び知能種を近づけない。
ごく一部の人類に友好的な竜以外、その『領土』を侵すことは死を意味する。
長命であり、致命傷を受けた場合でも、止めが刺されない限り苦しみ続けながら500年以上生存する。
鱗や牙、骨、血肉や臓器など、その肉体の全てに強い魔力が宿り、珍重される。
もし個人で竜を一頭倒すことができたならば、広大な領土付きで城が建てられる程。お伽噺で語られる程度の夢見草ではあるが。
竜の生き血は特に貴重である。
死の淵の者すら蘇らせ、その肉体を頑強なものに作り替えるからだ。
しかし、この効果は竜の身体から離れて僅かな間に限られる。
『竜害』について †
十数年前より続く、竜の中でも(その知能や強大さが他の竜と比して劣るという意味で)下等な個体が理性を失い、結果として人界に多大な被害を及ぼす現象。
幾度となく調査が行われたが、未だにその原因は不明である。
『竜を狂わせるのは人間には不可能』という事実のみが厳然として存在する。
ウェールの衛兵 †
いわゆる軍隊とは別組織であり、その役割は警察そのものである。
専門の訓練施設で2年間の訓練を受け、試験に合格した者だけが衛兵となることができる。
試験は教養、武術、及び魔術。それに人格的な適正を測る面接試験を加えて構成される。
衛兵には、指定された数種類の魔術を修得することが義務付けられている。
全て魔導器を必要としない簡易的なもので、『縛鎖』や『衝撃』、『俊足』など。
総じて長い詠唱を必要としない。
槍を主武装として、短剣と捕縛用のロープを携帯する。
制服は、訓練生が紅、正式な衛兵が紺。
正式な衛兵に与えられるものはエンチャントがなされた特別製であり、通常の鉄鎧程度には防御力がある。
今オズが着ているものは訓練生用で、特に特別な効果はない。
ウェールの兵は全て、肩にその地方固有の柄の入った布地を巻くのが特徴的。
竜衛士 †
『竜害』対策として結成された対竜部隊を竜衛士隊、その隊員を竜衛士と呼ぶ。
彼らは黒い制服を身に纏い、その武装は全て竜素材製である。
また、その任務は人に害なす竜の討伐、竜からの都市の防衛及び都市間輸送の護衛である。
竜を相手取る関係上、彼らの死亡率は極端に高い。
しかしながら、名誉ある地位と位置づけられていること、実力さえあれば家柄を問わないこと、
非常に高い給金が約束されていることなどから、なろうという人気もまた高い。
厳しい訓練を経て、選抜試験を通り抜けた者だけが竜衛士となることが出来る。
現代の竜殺し †
ウェールの歴史・伝説において、竜殺しの英雄は数多く登場する。
『竜害』発生以後、彼らの名を子供に付ける、あるいはミドルネームとして付すことが流行した。
現代に至り、竜の討伐は、専門に訓練された部隊をもって、集団的作戦的になされるようになった。
そのため、新たな英雄は誕生せず、子供に付けるその名のレパートリィが増えていないかといえば、そうではない。
ウェールの現代史において、一騎当竜の英雄は三名が存在する。
そのうち一人は老いて死に、もう一人は呪いを受けて狂い、生きているのはただ一人。
首都における防衛指揮の最高権を持つ、コーネリウス・ターナーその人である。
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