旅立ち Edit

卒業式の後の喧噪の中、がらりとした部屋を後にする。

少ない荷物を背負って、片手に槍を提げ、桜並木のアーチをくぐる。

校舎を振り返れば、別れを惜しむ者たちの最後のざわめきが、風に乗って耳に届く。

悪い4年間ではなかった。感慨深くも背を向ける。

後ろ髪を引かれるような、という表現、今はとてもよく理解できた。

あまりぐずぐずとしていると、本当に離れられなくなりそうだから、去るのなら今だ。

幸い、想いを告げるような相手がいるわけでなし。

校門を潜るその一歩は、想像よりもあっさりとして。


「さよならだ、養成校」

「みんな、ありがとな」


肌を撫でる春の風は、心地よかった。

+  かつての名簿

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Last-modified: 2012-04-13 Fri 03:28:53 JST (3697d)