GC/0013
枝 豆 ! (事務所の扉を強く開ける) -- 醇
- ニカイドサン カイジンミツカリマシタカ -- キム
- 見つからない! 枝豆の遺伝子を組み込まれたというからな
属性は木だと見当をつけここらの水辺や貯水槽を探ったのだが出てくるのはネズミと黒いのと膨らんだのぐらいだ 枝豆怪人、このままじゃ干乾びるぞ……! -- 醇
- ……ニカイドサン マサカホントニ 「エダマメ」ヲタベルアレダトオモテルンデスカ -- キム
- 枝豆だって言ったのは依頼人とキムくんじゃないか -- 醇
- ノー ソウイウコトデハナク
エダマメハインゴヨ ホントハゲキブツヲアビタニンゲンノコトヲサスヨ ●●工場ノヤクヒンハ ミドリニヒカルカラネ ダカラエダマメナノヨ -- キム
- そんな、私はてっきり枝豆の遺伝子を組み込まれたいつもみたいな頭のおかしい人間の被害者かと……
つまり枝豆人間ならぬ劇物人間か -- 醇
- イライニンノハナシダト ガイシャハ●●工場ノ コウインネ
ハイッテキタバカリノ シンジンデ ジコデアタマカラヤクヒンカブタヨ -- キム
- ミンナ ソノコウインシンダトオモッタケド
ナンカキセキセキニイキテテ コウガイマキチラシナガラニゲタッテハナシヨ ●●工場ガアツカウヤクヒンハゲキブツネ イクラガレキジョウイウテモ カンキョウハカイハマヌガレナイヨ -- キム
- 思ったより可哀想な存在のようだな
ではこうしてはいられない、依頼人と怪人のためにも探しに行かなければ キムくん、留守を頼んだよ! -- 醇
- デキレバハヤクシテホシイノト カエリニケイコウトウ カテキテヨ
ココナンダカウスキミワルクテ ワタシアマリイタクナイヨ -- キム
- 幾度かの街ぐるみの長距離転移
乗り物酔いにも似た感覚を覚えながら、その移動が完了する事を知ると 私は事前に飲んでいた酔い止めに感謝しながら、外の空気を吸うため飛び込むように避難していた謎の建造物の扉を開け 外へと出る…… -- 醇
- 余りなじみのない土地だろうか……嗅ぎ慣れない街の外から流れ込むようにして通り抜ける空気を吸いながら
私は転移後、いつものように現れる現地会員の到着を待つのだ…… -- 醇
- ……カイドウ サン
ニカイドウ ジュンサン --
- 誰かが私の背後から名前を呼ぶ……いつも通り早い到着だ
私が声のする後方へと振り返ると、そこには色黒の肌をこしらえた なじみ深いアジア系の顔をした男が立っていた -- 醇
- 「ふふふ……相変わらず現地会員の私に対する嗅覚には恐れ入る」
私は少し皮肉さを込め鼻を鳴らすと、目の前の男が少しあきれたような顔で口を開く -- 醇
- オモッタコトヲ スグニゼンブクチニダステ
ズイブンユウメイデスヨ ホントウニソンナヒトイルナンテ ワタシモサイショハオモワナカタヨ、アナタヲミルマデハ --
- 「……なるほど」
少し舞い上がっていただろうか、自身の心情を……今まですべて口に出していたらしい どおりで先ほどから近くを通る人々がたまにこちらを変な目で見てくるはずだ それはともかく、私は今回こうして目の前に現れた現地会員の名前を尋ねる -- 醇
- キムデス
ツギノイドウマデ ヨロシクオネガイシマス、ニカイドサン(基本的厄払いの印) -- キム
- うむ、よろしく!(基本的厄払いの印) -- 醇
- ソレジャア ニカイドサン
サッソクイライニンノトコ イキマショウ、オキャクサンマテルヨ -- キム
- ……いや、その前に医者ところへ行こう
指がつって戻らなくなった -- 醇
- マダ ナレテナインデスネ…… -- キム
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