MI突貫個人ラストバトルイベント『超クソ兄貴〜大乱闘ファッ○ンファミリーズ〜』
- 「さて…俺の事をぶん殴りたいヤツ、前に来いよ。いないって事はないだろう?
いや………殴る程度じゃ済まさない、って雰囲気かな?」
青く長い髪を指先で弄びながら、不敵に、挑発的に笑う。
- (高く跳躍し、リングに降り立つ)そう・・何度もやられてたまるか!悪いけどタイマンにはならないぞっ
(握りしめた左の拳に月の光を束ねた様な輝く手綱が現れて)こい・・・ネイジュカシージ!!
(大地のすぐ真横に、かつてのネイジュカシージが顕現する)
──ふふ・・結局私に頼るのね・・・はぁいおにーさんっ・・ずっと貴方の事を考えていたの・・・そして本性を見ても・・・やっぱり結論は変わらなかった・・・──
──貴方はピエロよ、本当の神がどんな物かも知らず、祀り上げられ傲り高ぶり、神だ神だと言い聞かせながら使い古された名と力を振りかざす道化──
──半端に物理学を意識したり真似事したり、それが効かないとなったら今度は本当の名前?そういう所がみみちいのよ──
──(はんっと鼻で笑う)滑稽ね、道化が何をしようと、貴方の力が私に届く事はない・・──
──神を気取ったピエロ如きが怪異様に勝てると思わない事ね?ほら、否定できるものなら行動を持って示してごらんなさいな(くつくつと笑って)── -- 大地
- (ぐい、と姫乃の薬を飲む。その性質を変えたとは言え、神は神だ。生はかな力では太刀打ち出来ぬだろう、と)
(脳裏がクリアになる。辺り一帯の環境が触れるように分かる。…後日の悶絶するような苦しみは今は考えないようにしよう)
(きらきらと異能による観測負荷に少年の辺りの空間に細かい光が舞う。そうして了の居るリングへ飛んで舞い降りる)
……うっわ、ネイの奴めちゃくちゃノッてやがる…(苦笑。ああいう驕り高ぶったタイプには相性がいいのだろう)
(大地の邪魔にならぬよう、彼の少し後ろに陣取る。近接ならば彼の得手だと。そしてこの煽りに乗れば…良くも悪くも動きが出来る)
(その隙に食らわせられるよう、リング外の周辺から力を集める。下手な動きをすれば……散弾銃が如くの弾が飛ぶ。まあ、弾は小さいとはいえ…人ならば即座に捻じれ折れる重力塊だが) -- 彼方
- ――気がついたときには、青く長い了の髪が、たなびいていた。
そして――大地と彼方の周囲には、四方八方から迫り来る、万を超える鋼針が!!
まるで了が時を止めたか、時を吹き飛ばしたかのように、突然現れた、それ。
「おいおい…無駄に御託を並べてその隙に攻撃されるのは、悪役の特権だろ?
今は俺が悪役で、お前らはイイもんなんだ。もう少し真面目にやってくれよ」
いや、時を止めたのでも吹き飛ばしたのでもない。了が、韋駄天が駆けたのだ。
時の流れよりも速く駆け、時を追い越し――了だけの世界の中を駆け、鋼針を放った。
ある意味、無茶苦茶で、そして了にとっては単純な事。ただ、素早く動いただけ。
「道化で結構。めぐが笑ってくれるなら、な。
案外…人だ怪異だ神だって拘ってるのは、お前らの方じゃないか?
あと少年…若いうちからドーピングはいかんぞドーピングは…歳とって色々キツくなって頼るんならわかるが…
まあ、とにかく………どうした?この程度もどうにか出来ないんなら、ずっと俺のターン!だぜ?」 -- 了(最終神化:IDATEN)
- ・・・!(変幻自在、多量の狼の群れが彼方を守るように立てとなり自身は・・・)
(「まじめにやれ?」)──い、や♡──(ネイジュカシージが嗤う・・・その直後放たれる万を超える鋼針、それを・・・ネイジュカシージだけが霧となって躱していた)
(あまりにも早すぎる、あまりにも多すぎる鋼の針の群れ、それを浴びて)ぐぁぁっ(大地は苦悶の声を上げる・・・そしてそれを見ながらネイジュカシージは笑っていた)
「あっはっはっはっはっは!いいわ!いい気味よダイチ!!これだから驕った莫迦は操りやすくて助かるわぁ」
「(ふわりとリングサイドに立って了に嘲た笑みを向ける)ありがとうカミサマ?貴方のお陰でダイチは死ぬ、くびきは外れネイジュカシージは再び廻り出す・・・」
「ふふ、騙してごめんなさいね?私は貴方が何をしようが知ったこっちゃないの・・・本当はダイチを手ずから殺したかったのだけれど・・・間抜けを手玉に取って謀殺したのなら、それはそれでアリだわ」
「嗚呼・・・っ次はどこの国のどの町を襲いましょうっ・・・随分衰えちゃったから、いっぱい食べないと・・・でも安心して?私は小食だから、3,4万人もたべれば満足するわ」
「(楽しそうにケタケタ笑う)愉快この上ないわ!貴方、人の世の理を正すなんて宣ってなかった?でも蓋を開ければこれ、実際やってる事は力を振りかざして子供を殺し、怪異を解き放って災害の引き金を引くのだもの・・・ねぇ、今ってどんな気持ちなの?」
「(ひーひーと笑い過ぎた涙をぬぐい)十分楽しんだし、私はもう行くわ・・・ふふ、いずれまた戻るけど・・追いたければ追ってきていいのよ?速さで私を捉えられるのならね?・・あぁでもその時は・・・」
「・・そのダサい髪型、どうにかしてきてよね?(ぷふっと嗤う)」 -- 大地
- !?(無論、了から一瞬たりとも注意を外してなどはいない。いないはずだが…いつの間にか、辺りの空間を埋め尽くすように現れた、それ)
(即座に、重力子を散弾銃のようにではなく、地雷に収まるベアリングのようにリングを除いた空間360度全方位に放つ)
(如何な数が多いとは言え、一つ一つはただの針だ。こちらも極小弾とはいえ威力が違う。百に迫るほどの極小重力塊が、黒点をまるで反転されたプラネタリムのように広げる)
(針の檻と化していた鋼針が、黒点にぶつかるたびにごそり、ごそりと一気に重力に飲み込まれ消えていく。それでも残った針は、大地が生み出した狼の群れがその身に受けてくれた)
すまんッス大地…!くっ…!(が、余りにも数が多すぎた。何本かの針は足に、腕に突き刺さり血を流す。傷の割に出血が多い。異能の反動は、薬の力では消しきれていないためだ)
…!(その視界の中で……大地に大量の針が刺さるのを見た。ヤバい。吸血鬼の身体能力があるとはいえ、流石に傷が多すぎる)
(そしてその隣で高笑いを上げるネイジュカシージ。思わず歯噛み…一瞬怒りが湧きかけるも…大地を見てそれは直に収まる)
(即座に大地の前へ回り込み、自身を含めた大地の周辺のリング上へと余った黒点を設置。如何に早かろうとも、如何に素早かろうとも)
(これこそは空間を歪め止めるべき概念。長くは持たないが、少なくとも時間は稼げるかもしれない。更に)
……お前こそ何歳か知らねぇッスが…二十も半ばを過ぎりゃ、俺らにとっちゃオッサンッスよ!
(並行して蒐集、増幅していた音の振動を手の平の上へ幾つも展開。触れれば物質は崩れ去る極超振動弾。それをダーツ状に成形)
(バイヴレーション・ダーツ。それらを広範囲に、様々な軌道を描かせて放つ。了がどれほど速く動こうとも、そのどれかに当てるべく、複雑な動きで、音の矢は了へと収束する) -- 彼方
- 「だーかーらー、俺はお前ら凸凹コンビの関係がどーなろーと知ったこっちゃねえっての」
(呆れ顔で言い、そして薄笑み)「…どっちにしろ…めぐは“ネイジュカシージも欲しい”って言ってるぜ?」
リングサイド。そう。それはめぐに繋がる運命の糸の在る処。
糸は既に…ネイジュカシージにも繋がっている。縁を切っても、異界に飛んでも逃れられない、強欲で貪欲な糸。
そして迫り来る極超振動弾。だが了はそれを避けようともせず、むしろそちらに向き直って。
「“弾幕はパワーだ”だっけか。いい言葉だよ。俺は大好きだぜ…パワー比べッッ!!」
拳を振り上げる。めぐのように力強く。めぐよりも素早く。
そして破壊の弾幕に!彼方と大地の方へ!!突っ込んでいく!!!
「うらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうら
うらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうら
うらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうら
うらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうら
うらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうら
うらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらぁぁぁぁぁぁーーーーーーっっっっっっ!!!!!!」
サキとめぐが二人で吉峰山の山崩れに打ち込んだのと同じくらいの勢いと手数で、それでいて一撃一撃がそれより重い拳!!
魔術だとか異能だとか、あるいは概念干渉だとか、そういうもの全てを小細工だと断じるかのような強烈な拳!!!
単純で、それでいて的確で効果的なフィジカルの力!!!!
それが次々次々次々と極超振動弾に、それを越えて二人に、あとネイちゃんもいい感じに巻き込んで打ち込まれる!!!!! -- 了(最終神化:IDATEN)
- 「(興味なさげに糸を手繰り、肩をすくめる)付き合いが悪いのね・・・やっぱり前の貴方の方が面白かった・・・(残念そうなため息)まぁいいわ・・・」
(彼方の極超振動弾はいい感じに相手の興味を引いてくれたようだ・・・そして迫りくる拳の前に、ネイジュカシージの体は紙風船よりも軽い音を立てて弾ける)
「よくやったわ、カナタ──
(了は確かに針だらけになった大地に向かって拳を振るっていた・・その筈だ、現に目の前にいるし殴れもする・・・だが)
(神出鬼没、変幻自在、遍在するネイジュカシージは、どこにでもいくらでも現れる・・・それに連なる者も、また然り)
(彼方の弾幕に向かってラッシュを放つ了・・・その真後ろに現れた大地が、剣で思いっきり叩きこんでくる)はぁぁ!!
(分身を用い、囮に意識を集中させての背後からの渾身の一撃だ) -- 大地
- (なんと、力押し。素早さが武器かと思えば韋駄天は狂ったかのように放った極振動ダーツを拳で粉砕し迫ってくる)
くっ…!(如何な通常物質は殆どが破壊できるとはいえ、言ってしまえば振動弾もただの空気を揺らす塊だ)
(それ以上の頑強さ、それ以上の力で抑え込まれてしまえば正面突破も容易い。そしてそれは重力塊もまた同様)
(拳で作られた壁のようなそれが弾を消しながら迫る様を見る。多層感覚、広域展開。もっと、もっと広く周囲から、力を集める)
(そしてそれを瞬間的に増幅、蒐集。収束。そして…拡散。再収束)
(力押しで来るならば、こちらも力押しだとぶわりと空間反応の光を更に煌めかせ、周囲に生まれるは凄まじい数の黒点と振動弾)
(ここで引くわけには行かない。この背には仲間がいる、と覚悟を決めた瞬間…拳の弾幕の向こうに…その仲間の姿)
ハッ!!やっぱそー来るッスよね!!じゃあ挟み撃ちと行くッスかァ!
(そう、大地はネイジュカシージを掌握している。今までの戦いの中で重々承知している。先に湧き上がりかけた怒りも直に収まったのもそのためだ)
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!!
(重力塊と振動弾。大量のそれが一気に撃ち出され正面から拳の弾幕とぶつかり合う。この拳を止めさてはならない)
(止めさせなければ…大地が奴に、強烈な一発をくれてやるはずだ、と。こめかみに血管を浮き出させながら、嵐のような弾幕を撃ち出す) -- 彼方
- 「ハハッ!どーしたぁ少年? ドーピングまでしてこの程度かよっ!!」
楽しそうに笑って言うが…しかし全ての重力塊と振動弾を打ち落とすことはできないようで、
幾つかが韋駄天の、了の肌を裂き鮮血をほとばしらせる。
………血が出る程度で済んでいるあたり、やはり大概なフィジカルではあるが。
そして了の意識が文字通り彼方へと行っているところで……
斬ッ!!!
大地の、背後からの渾身の一撃が決まったッッッ!!!!!
だが………
「…噴ッッ!!!」
ドンッ!!と地を(リングだけど)を踏みしめて、両腕を彼方と大地の方に広げて、二人を吹き飛ばすアレ!
烈海王だかバーチャのアキラだかがよくやってた気がするあの技!あれで反撃!!
そして斬られた背から血を流しながらも、なおもすっくと立って、
「もう一度言うぜ…この程度かよ?
知恵を絞って挟み撃ちにして、それでもこの程度か?
足りねえ。力が足りねえ。気合が足りねえ。思いが足りねえ。
この程度で………
お前たちにめぐが救えるか!?
お前たちは俺を越えられるか!!?
お前たちは俺のめぐへの思いを…サキへの愛を………越えられるかッッ!!!??」
了が両の腕それぞれを彼方と大地に向けて構える。青い輝きが、思いが集まってゆく――
「拝ませてやるぜ!俺の力を!気合を!思いを!愛を!!」
「 メ ン ズ ビーーーーーム!!!!」
了が叫ぶと同時にその両手から、青く輝く極太のビームが二方向に、二人に向かって放たれた!!
光線か、エネルギーか、あるいはサイコガンのような精神波か…まあ、何かはわからんが…とにかくすごいパワーだ!!
………あえて言えば、了がめぐの…そしてサキに対しても“最高の兄貴”でありたいと思う心。それが生み出した力なのかもしれない
なお一説によればこのメンズビーム、了とは別のアニキ、別のイダテンがぶっぱしたときは
被害を受けた星の数………1327 破壊された星の数………650
いまだその復興作業は終わっていないという…。 -- 了(最終神化:IDATEN)
- ぐぅ!?(思いっきり吹っ飛ばされるもまた横に現れて)効くなぁ・・・
──反応を見るに、水白に害がありそうなのはってのは割と二の次ね、メグを引き合いに出せばよかったわ──
はぁ・・はぁ・・・お前が大根役者名だけだろ・・・(失礼ねー!と怒っているネイジュカシージを無視して向き直る、結構キツい・・・それでも振り絞らなきゃぁならない・・・全ての魔力を総動員してもだ)
(了の巡への愛を凝集したかのようなメンズビームが飛んでくる・・・それはかわせない物だ・・・・・・・・躱したら、行けない物だ)
ぐうぅぅううぅう!!(真正面から受ける、全身が震え、はち切れそうになりながらもブルトガングを突き立て、耐える・・・耐える)
アンタの愛は確かにすごい・・・僕にはそれを越えられない・・・でも
(どれだけ存在がぼろぼろになろうとも、瞳は死なない、心は折れない・・それだけは、折らせない)
(不意に、ビームを押しとどめる力が働く・・・魔力はこの世ならざる力・・・理屈も数字も重要じゃない、こうあれと信じるからこそ為される力だ)
(横に立つネイジュカシージが微笑む)──やるのね?・・・こんな所で死なないでよ?貴方を殺すのは私なんだから──
(大地の後方に・・もう一人・・・成長し、完成された姿の大地が立ち、掲げた手でビームを押しとどめていた)
───信じて行け・・・俺たちが支える───
でもその愛でやる事がこれなら・・・やっぱりそれは間違ってる!・・俺が正す!(叫び、月光の手綱を手放すともう一つの極地へと踏み出す)
(吸血鬼の力・・・怪力無双、変幻自在、神出鬼没・・・それらすべてを同時に、最大出力で放てばどうなるのか・・・その答えがこれだ)
(大地のシルエットがずるりと溶ける・・・どろどろとした川となり、リングを埋め尽くし、濃密な瘴気が辺りを包む・・・それらすべてが蒔絵大地だ・・すなわち)
──はぁぁあぁあ!!──
(無数の剣が、弾丸が、牙が、爪が・・・了に接触した状態で出現し、叩きこみ続ける・・・それは了が動きを止めるまで止むことはないだろう) -- 大地
- (青く光る光が迫ってくる。ありったけの思いを込められたそれは、雷の無機質な輝きよりも…暖かく感じた、でも)
越えるとか越えないとか言ってっからテメーは駄目なんスよ!!(多層感覚。更に更に展開。深化、深化、深化)
人の思いなんて比べるもんじゃねーッス!そんなんが分かってないからお前さんはサキさんの事も自分の思い込みだけで一方的に苦しめ!
よりにもよってちっとは分かろうとしてた巡のことまで眠らせちまったッス!(超越器官、超広域展開。このおかしな世界から、力をかき集める)
巡が自分から全部放おって眠りに逃げるわきゃねぇッスよ!(そうして、思う。いつか見ためぐの笑顔。母の事で悩み、挫けそうになっても…立ち上がったその笑顔を)
(伝わっていない。これだけ強い思いも、家族の間ですれ違っている。巡も、サキも、目の前のこの男も。迷えるただの人間だ)
(透明な髪色となった少年の突き出した手にあるは強奪の魔術を付与された終末後の獣の魔石、終わらせた世界をなお蹂躙する規格外の獣の、核)
(神に迫るような異能を持ってしても、神の力は狂わせ捻じ曲げきれない。だから、その青い光を、奪う)
(人と獣の力を持ってして、天奔る神を空から堕とす)
(それはスウィング・バイ。星の如くの了の放つ膨大な力を奪い去り、宇宙機の運動ベクトルを変更するがように我が者とする)
(獣の魔石が妖しく輝く。かくして一つの世を壊し願望機足りうるその力は与えられた指向性に従い了の力を強奪し、少年の元へと)
(世界を滅し尽くさんとしていた獣の魔力が荒れ狂う。了りへと更に終わりを齎す存在の力が、終幕の幕を引く)
(超広域から、陽子をありったけ集めて、自身の周囲に輪のようにして収束させる)
(それは土星の輪のような円型を描き、彼方を中心として加速し始める。地磁気と反応し輝き始める惑星輪)
(大気の壁を越えて僅かに届く異界の太陽からの風をも考慮に入れて微細な制御を加えつつも、輪はどんどんと加速していく)
(奪った大量のエネルギーを増幅させながら注ぎ込み超大電圧を掛けて、粒子は凄まじい速度を得て輪を廻り加速される)
(異能によって作られた力場で、仮想円形粒子加速器を成し、それは加速につれ輪の大きさを増していく)
(輪の半径が広がれば、必然、粒子が加速される距離は長くなり、その速度は増す。が、比例して制御の難度は上がる)
(体中に痛みが走る。額に汗がにじみ出る。が、今止めれば粒子はてんでバラバラに飛び散り、自身所か仲間へ被害を与える)
(もはや十数メートルをも越える輪となった仮想粒子加速器の中心で、少年は魔石を手に腕を伸ばす)
(神成る男へ、しかしお前は神などではないと示すように)
いっぺんキッチリ家族会議してこいやァーーーー!!!(彼ら、彼女ら家族に向け、思いと力をめいっぱい込めて叫ぶ)
『<━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━』
(飽和荷電粒子砲。オーバー・プロトン・キャノン。光の輪を陽子は巡る、巡り、巡回し、巡行し、その先へ、最果てへと)
(ふ、と名もなき妖精の事を思い出す。人を導くために生まれ、人を導いて消えた彼女の事を)
(最果てへ。人類の到達点、その最先端を更新し続ける者の名を、一時与えた、彼女の事を)
(迷える家族達への導きの祝福たらんことを祈って、願いよ四つ腕持つ少女に伝われと、陽子の光帯が、放たれた) -- 彼方
- 「ぐああああああああっっっ!!!!!!!」
大地からの、蒔絵大地たちからの、無限とも言える攻撃。否、思い。
言うなれば『すべて』だ。『すべて』が韋駄天へ、了へと…
『一方的』に『一点』へと駆ける事しか知らなかった者へと打ち込まれる。
一方で彼方の持つ終末の魔石は、神の力を奪い――了が先にしたように、『無』を与える。
どこまでも行けると思い、願い、ただひたすらに駆け続けた者を了りへと導く。
陽子の光帯はまるで、巡が、先が、了が、あるいは彼方が、あの日見た花火のようで。
巡り了ったように思える、その先の彼方へ、皆を導く光
『すべて』と『無』を導く陽子の光帯に包まれて、
消える。消えてゆく。了の腕から放たれ、全身から立ち上る青い光が、思いが。
しかしそれは無為に失われるわけではない。
大地の彼方へ、それを求むる者の所へ届けられる事だろう―― -- 了
リングに立つ二人の少年と、リングに伏す一人の青年
勝敗は決し、思いは届けられた
韋駄天・了 K.O!!
--
- (ざぁぁぁっと河が消える・・・全てが力尽きる様に霧散し・・・気を失った大地をドッペルゲンガーが引っ張り上げた)
(強くなったな・・・と告げながら彼を横たえさせ、口内からネイジュカシージを引っ張り出すと後は任せたと消えていく)
「自力で戻ってこれないんじゃぁまだまだね・・・(べちょり)」
「これで終わり・・・だけど・・・生きてるわよね?(了をみてる)」 -- 大地
- (放ち消えた、陽子の輝き。それはいつかの時、自ら狂わせてしまい捻じ曲げた運命にも似て)
(しかし、先の輝きは、正しい方向へと彼ら彼女らを導けただろうか。家族が、いつか笑って天の華を見上げられる事を祈り…)
………ごはっ…(と髪色を黒に戻し血を吐き、リング上に膝をつく。…それでも、微笑みを浮かべて) -- 彼方
- 解説席&観客席