暗い瞳には何も映ってはいない?
- (一言も発さず銘のかすれた墓に手を合わせ、煙草を一本供えていった) -- ダフィ
- …あれ…?(偶然に通りかかり、随分と前から姿を見なくなった友達の面影を持つ青年を見かけ、立ち止まる)
…ゴクモントゥ…君…? -- ルージィ
- さて、クリスマスでちらっと顔を見せたカボチャが居た気がするんだがここであってるか?
ま、別にお前かどうかまでは聞かないが…新孤児院もし見てみたなら、どう思ったか教えてくれよ -- タリス?
- (そういえば随分とやつれていた事を思い出しロールケーキが丸々一本入った箱を置いていく) -- ザビーネ
- ・・・・・ゴク
ゴクってば、起きなよ (公園のベンチに横たわり眠っている褐色の青年の頬を、白い指が撫でる) (少年と少女の中間のような独特の音調の声が、眠る青年の鼓膜をそっと揺らした) -- 声
- シルバっ!?
(まさに跳ね上がらんばかりの勢いで飛び起きるゴクモントゥ。しかし辺りはに声の主の姿は無い) ………ははっ…あはは…… (顔を手で隠すように被って空を仰ぎ、ゴクモントゥは笑った。自分でもよくわからない笑いだった) (夢でも幻でも、あの感触が、声が、再び自分へと向けられた喜び。だからこそ、それが二度と戻らない悲しみもひときわで) (涙で歪む視界に昼下がりの青空を捉えながら、ゴクモントゥは静かに泣き、笑った) --
- よう、そこの荒んでるの。本当はお前とはじっくり話をしなきゃいけねー気がすんだけど…体調不良の上冒険にさっさと出なけりゃならなくてな、すまねえ、許せ
つーわけでこの胡桃パンをやろう、俺は配給が趣味だから恩に着る必要はないぜー…んじゃまたなゴクモン -- タリス?
- …あ………(去っていく背中を見つめながら)…クレイ兄さん……………………僕の事なんか、放っておけばいいのに…
僕はもう、兄さんの前に顔を出せるような…人間じゃないのに…… --
- ただいまー。ほれ追加の配給にシュークリームやるよ。俺はお前に何があったかはしらねーし
新孤児院に顔出しづらいのかもしれねーけど家族だからちゃんと知らせておくぜ、来月21時から新孤児院で花見だ。気が向いたら来い、なんなら隠れて様子見だけでもいいぜ。お前が来ると家族が喜ぶけどな -- タリス?
- ………そう、ですか。……今更だと思いますけどね…僕が行ったところで、皆をつまらなくさせるだけで…
(シュークリームを受け取ると、頼み込んで今月の依頼を危険なものにしてもらったことを思い出しながら、それに一口かぶりついた) --
- …最新の40枚の登録書を見て見知らぬ青い書があったので来てみたが…。
小僧、私と貴様は何処かで会った事は無いか? -- ザビーネ
- …………………さあ、どうだったか……………仮にそんなことがあったとしても、忘れた方が……お互いのためだと思いますよ --
- 私は今まで出会って後悔した者など一人も居らんのだが。いや、一人だけ居たか。だがそれは貴様ではない事は断言出来る。
(登録書を見る)ベルモンド…ベルモンド孤児院の出か小僧? -- ザビーネ
- …少し借りただけです。ベルモンドに………僕みたいな人間なんて、いませんから --
- …(じぃっと瞳を見つめる)この瞳は知らんな、暗い心の瞳は。ん?僕?
(自分の部屋のリストを調べる)ああ、年齢も合致する。ゴクモントゥか?今までどうしていた。 シルバとやらが居なくなってから消息を断ったと聞いたが。 -- ザビーネ
- …わかっちゃうものなんですね………でもザビーネさん。もう…違うんです
今の僕は死にたくても死ねない臆病者で、生きることに立ち向かえない軟弱者で、ただ呼吸を繰り返すことしか…もうできない男です ザビーネさんが気に掛けるような人間じゃないんです…… --
- それは貴様が決める事ではないがゴクモントゥ、気に掛ける価値があるかどうかは私が決める。
死にたくても死ねない臆病者?生きる事に立ち向かえない軟弱者?それが人間だと思うが。とりあえずお帰りゴクモントゥ。 無事で何よりだな、ところで何か小腹に入れられる物は無いか? -- ザビーネ
- ザビーネさんの強さは…僕には眩しすぎますよ。………勝手にしてください。
…あいにくですけど差し上げられるもの何も無くて。僕もここ三日は水しか飲んでませんから… --
- 眩しい?ゴクモントゥが暗くなったのだ。では勝手に、私と出会ったのならば存分に気に掛ける価値はある。
ぬう…仕方無い(胸ポケットからウィスキーを取り出す)カロリーにはなるので飲んでおけ。 ううむ腹が減った…それではゴクモントゥ、私は食料を探す旅に出る。 -- ザビーネ
- ぁ…………(若干目を丸めた、驚いたような顔でウィスキーを受け取る。何か言おうとしたが、それは言葉にはならず)
…ぇと………はい…お気をつけて… --
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