響 融 化 ( ア ス ト レ イ ズ )
「狂界戦争」の果てに崩壊寸前となったすべての世界を救うべく行われた、
界の垣根を超えた超常的救済とされるが、その経緯など、詳細はほとんど伝わっていない。
響融化以後、界と界を隔てていた結界は取り払われ、
リィンバウムと4つの異世界は部分的に融合した状態になり、そこを通じてリィンバウムと異界との行き来が可能となった。
必然的にリィンバウムと各異界との交流も盛んになり、紆余曲折を経て、それぞれの世界は共存共栄の道を目指していくこととなる。
また、結界が失われたことにより、結界を超えて作用する旧来の「召喚術(服従召喚)」の理は一切が無効となり、
それと入れ代わるようにして「響命召喚術」が生まれた。
機 界 ・ ロ レ イ ラ ル
機械兵士と呼ばれるロボットやそれに準ずる機械達の世界。
機械技術・情報科学が発達しており、機械が機械を作り出すことも行われている。
高い技術レベルを誇るが、この世界の人類が起こした機界大戦という世界規模の戦争により荒廃し、生物が住めない世界となった。
現在ロレイラルの大地で活動するものはほとんどが機械であり、暴走した機械兵士などかつての文明の遺物が細々と稼働しているに過ぎない。
リィンバウムを取り巻く他の3つの世界やリィンバウム世界そのものと比較してもマナが極めて低い世界であり、
その為他の世界の豊富なマナを求めて侵略戦争を起こしたことがある。
またマナに乏しい世界故か、ロレイラルには他の世界にあるような魔術、呪術の類は知られていない。
主な標的はリィンバウムであり、エルゴの王以前の世界においては評判の良くない世界に位置づけられていた。
この世界の人間は融機人(ベイガー)という、機械と生身の肉体が分子レベルで融合した人類であるが、
地上が先に述べた通りの有り様であるため、生き残った者たちは地下シェルターに避難し、冷凍睡眠を繰り返しながら細々と生き延びているらしいが、詳細は不明。
一説によると戦火を逃れリィンバウムに亡命した一族もいるらしい。
融機人は「高度な計算処理や幾何学図形の作図に長ける」「我々と同じような食物のほか、オイルや電気でも命を繋ぐことができる」等々、
人間と機械の中間的な性質を持ち、その血液には祖先の記憶を代々受け継いでいるという。
また彼らはリィンバウムのあらゆる病原体に対して免疫を持たない為、リィンバウムで生活する為には特殊な鉱石を精製して作った薬物が必要になる。
機械兵士とは戦闘用に開発されたロボットのことである。
遠距離砲撃戦用、近接戦闘用、対多数殲滅戦用等様々な種類がロールアウトしている。
機能中枢は人工知能(AI)で主人と認識されたものの命令に基本的には絶対忠実で事務処理的な思考をするように設定されているが、
バグやその他の不確定要素によりあたかも人格や感情を持って行動するように見受けられる機体も存在する。
そのほかにも作業用機体などが存在するが、特に人間の外見を模した外装を装備した機体は「機械人形(フラーゼン)」と呼称され、
現在リィンバウムでその存在が確認されているのは「看護用」「秘書型」「演劇用」であり、そのいずれもが女性を模した姿をしている。
「彼女ら」は機械兵士と異なって元々人間に近い場所で作業するために作られた存在であるため、
周囲の人間の挙動を学習して人格を形成するプログラムを搭載しており、
その動作環境によっては人間とほとんど変わらない程に豊かな感情表現を見せるものもいる。
鬼 妖 界 ・ シ ル タ ー ン
鬼や龍、妖怪たちが住む世界。
その他に忍者、侍、巫女、神社、蕎麦、醤油等、文化・習俗について中世日本或いは中世中国を思わせ、
リィンバウム以外では唯一人間の住む世界でもある(融機人や亜人を除いて)。
そのため、メイトルパの住人に次いでリィンバウムに帰化した者が多いのも特徴である。
「野は人の領分、山は妖怪の領分」として暗黙の了解がなされており、両者の対立は少ない。
何かしら問題が起きた場合は、龍神や鬼神に仕える「道の者」と呼ばれる宮司(グウジ)や巫女(ミコ)が間に立って仲裁する。
「鬼道」や「龍道」と呼ばれる陰陽術のような術体系が存在するが、詳細は不明。
大小様々な国家が絶えず争う戦乱の世であるといわれている。
かつて荒ぶる鬼神がリィンバウムへ侵攻した事もある反面、
悪魔王によって侵略の危機に立たされたリィンバウムに龍神や鬼神が救援の手を差し伸べた事もある。
「道の者」以外にも、この世界固有の戦闘術を習得した前述のシノビ、サムライなどと呼ばれる者も存在している。
霊 界 ・ サ プ レ ス
幽霊、悪魔、天使等の霊的な存在が住まう世界。
かつて、リィンバウムに最大の危機をもたらした大悪魔「メルギトス」や、メルギトスを封印したとされる豊穣の天使「アルミネ」もこの世界出身である。
この世界の住人たちは実体を持たず、リィンバウムに召喚された時はマナによって自らの肉体を構成する。
マナで構成された肉体は消耗が激しいため、長時間の実体化は難しいとされている。
そのため彼らは昼間に休息をとり、魔力の満ちる月の出る夜間に活動するものが大多数である。
魂の輝きを慈しみそれを育てていくことを至上の喜びとする天使と、
怒りや悲しみなどの負の感情を好みそれを糧とする悪魔は天敵同士であり、はるか昔から争いが続く混沌とした世界でもある。
加えて悪魔の中には他の世界への侵略を行うものが存在し、過去にリィンバウム・メイトルパに対して侵攻が行われた。
「奇跡」や「魔法」と呼ばれる術体系があるが、詳細は不明。
幻 獣 界 ・ メ イ ト ル パ
様々な幻獣や亜人達が暮らしている緑豊かな世界。
亜人達は同じ種族同士でまとまり、さらに幾つかの部族に分かれて基本的には相互不干渉の状態で暮らしている。
かつてマナ枯らし(別名解魂病)という流行病によって亜人の始祖である人間達は絶滅した。
労働力として召喚されることが多く、過酷な扱いに堪えかねて脱走した末にはぐれ召喚獣と化してしまう者も多い。
魔除けや邪悪な者を祓うことを得意とする「呪い(まじない)」という術がある(精霊信仰のようなもの)が、特定の部族のもの以外は使えないようである。
亜人とは、かつて原初の人間がメイトルパの生き物たちと契りを結んで生まれた存在で、獣と人間の中間的な特徴を持った諸種族である。
種族によって似ている生き物やどの程度それらに似た姿を持つかは大きく異なり、
普通の人間に獣の耳や尾、翼などが生えた程度の「人間寄り」の種族から、殆ど獣が二足歩行をし言葉を話しているだけのような「獣寄り」の種族まで様々である。
「密林の呪い師」フバース、「草原の覇者」リオネル、「さまよう狩人」オルフル、「神秘なる眼」メトラル、「調停者」レビットの五つが最も古い歴史を持つ種族。
他にも様々な種族が存在するも、これで全てなのかどうか判然としない。
かつてサプレスの悪魔たちによって「魔獣侵食」がおこり、その際に多くの種族が滅亡及び「魔獣」と化して悪魔側の尖兵となってしまった。
現在召喚される「魔獣」と呼ばれる存在は、彼らの末裔である。
名 も 無 き 世 界
現在の研究では詳細が判明していない世界。
固有の意思を持った存在が召喚されることはまれであり、道具類や石像・石版・水晶等が召喚されて来る。
派閥の実験によって稀にリィンバウムの住人と変わりない人間が召喚されることがあるが、
彼らも例外なく「召喚獣」扱いとされ、了見の狭い者から差別を受けることが多い。
この世界からきたと主張する数少ない者によると「ニッポン」や「ステイツ」なる地名があるらしい。
リィンバウムの人間、またはリィンバウムを巡る4つの世界から召喚された者は基本的に一つの属性の召喚術しか扱えないが、
この世界の出身、またはその血を受け継ぐ者は、全ての属性の召喚術を扱えるという特徴がある。
|