国辱/異説最終幻想

  • フンッ……そろそろ遊び、終わりといくか……!
    (現在進行形で木から木へ、空中を平行に跳びながら広場の中心付近にいる獲物を一瞥しつつ舌なめずりをする
    ここまでは小手調べ。手下の狼達ももはや役に立たないレベルで相手の力を引き出した今、コース料理は前菜を終えたと言っていい
    そうと決まれば狼の次の行動は……木を蹴る力を上げる、即ち移動の速度を上げること
    足場となる木を今までよりも大きくしなるほどの脚力で蹴る!跳ぶ!それを繰り返していくと弾丸のような速度へ加速していた!
    広場の外円をなぞるように、2人の獲物を広場中央に追い込むように……まるで木をフリッパーに見立てた暴虐のピンボールだ!)
    死ねェ!!
    (そして言葉と殺意は直線的に、広場の外から急な角度変更で中央の2人目掛けて凶爪の矢となった銀狼が飛来する!)
    -- シルバールーガル
    • (スタッドと背中合わせになって視覚センサーに集中する)
      なるほど、木々の撓りを利用した加速ッ! 自然を…世界を味方につける動きが奴の最速なのか…?
      (まだ相手の強さの底は見えない、だが)背中合わせなら全方位を見れるッ!
      …スタッドさん、死なないでくださいね。まだあなたに貸した金貨20枚を返してもらってない。
      (その時、飛来する何かが見える)七時、上!!(その言葉が終わるが早いか、相手に向けて拳を振るいながら交錯した)

      ……ぐっ!!(交錯の後、一瞬静止して胸部装甲が砕ける)
      -- 彼方
      • イチイチうるせぇな、金ならこの依頼の報酬が出たら払ってやるよ。(舌打ち)
        (コンビネーションの極致とは一体なんだろう、それを知れるほどお互い時間を共にしたわけではない)
        (だが)
        負けたくねェのは一緒だよなァ、彼方ッ!!(声に合わせ、ほとんど見ないで彼方が攻撃した方角に振り向きながら駆ける)

        (一瞬の交錯、振るった拳の炎が散ると肩口から血が噴出した)
        -- スタッド
      • (彼方の反応は恐らく現状でベストと言っていいくらいのものだろう。人狼が爪を突き立てたと思ったその瞬間、クロスカウンターが迸る
        ただ、この狼男に纏う体毛はただの毛ではない。柔軟な銀の繊維そのものなのだ。彼方の感じる手応えは満足のいくものではないかもしれない
        それでも銀狼を退かせるには十分で、遅れて視界に入るスタッドの攻撃も相まって回避を優先した軌道で反対側の森へ消えていく…
        スタッドの肩を裂いたのは恐らく足の爪だろうか。何にせよ2人の迎撃は人狼からすれば嬉しい誤算)
        凌ぐか……ますます面白いッ! 遠慮は不要……そういうことだなァ!?
        (再び嗤う。悦びに任せて狼は再び木々の中を跳ね飛ぶが、次に獲物へ目掛けるその瞬間はまたも2人を驚愕させんとするのものだ)
        簡単に死んでくれるなよ…? ズィルバネス・トロンベ!!
        (身体をきりもみ状に高速回転させ、まるでライフリングを抜けた弾丸のようになったシルバールーガル!
        どこから来るかが分かるならば、それでも対応の出来ない攻撃で獲物を狩ればいい。白銀の弾丸となった人狼が2人に迫る!)
        -- シルバールーガル
      • 畜生、この戦法くらいしか取れるモンがねェってのに相手は硬ぇときてやがる!!
        何か手段はねぇのか……相手をぶっ壊せる手段は………
        (また彼方と背中合わせになって周囲に集中する)
        (ジリ貧、その言葉が似合う状況に笑いが出てこない)
        (決定打に欠けるこちらの攻撃、即死級の相手の攻撃)
        (どうすればいい、どうすれば)
        -- スタッド
      • ……スタッドさん………忘れないでくださいよ。
        (異形の怪物では、声しか伝えられないが、確かに彼方は自分が笑ったような気がして)
        ちゃんとお金、返してください。(次の瞬間、スタッドを突き飛ばした)約束です。
        (自分の外装甲を容易く貫く銀の矢、その射線上に入り)

        (巨腕で相手を捕まえようとした)

        (既に相手の剛爪に自分は貫かれている、だが命を燃やして相手を捕まえる覚悟だ)
        -- 彼方
      • (彼方には一撃を加えた。次は消耗が響き始めているスタッドでも狙おうかという攻撃だったが
        察知能力に長ける彼方がその前に立ちはだかってくる。ギガノトランサー形態となった彼方のパワーはまだ把握できていない
        先程の交錯で受けた攻撃はまだ全力全快とは決め付けない。まだ愉しめる要素があるのなら――)
        ギュイイイイイイィィィィィィィィッ!!
        (銀色のコマは激しい音を立てながら巨腕を削る。掴もうと指を立てればその部分から擦り切れるだろう
        しかしその試みが間に合うかどうかというところまで拮抗した時点で銀の弾丸は軌道を変えて両腕からすり抜けていく)
        ジックリと味わうことにしよう……そう、ジックリとな……!
        (手加減、というわけではない。ただ確実に相手の力を削ぎ落としてから頂こう、という狼王(おうじゃ)の徹底した狩りなのだ
        また森の中へ消えた銀の弾丸は別の方角から奇襲を仕掛けてくる!しかし直撃は狙わない。2人を掠めるような軌道で飛んでくる
        その次の攻撃も、そのまた次も……ジワジワと嬲り殺すかのように。だがこれは考える時間も同時に与えられているに等しい
        このまま広場の中心で粘りながら彼方の策を続けるか、または新たな策を考えるか。それともこの包囲網を脱して逃げるか?
        いや逃げるのではなく戦場を変えるという手段も取れなくは無い。何にせよ、銀狼を一泡吹かせる必要があるし
        なにより銀狼自身がそれを期待して待っているようにも見える……その上で、貴様等を喰らい尽くしてやる!と)
        -- シルバールーガル
      • 彼方ッ!?(相手が飛び去った後に駆け寄る)てめェ……何考えてやがるッ!!
        てめェに死なれてもなァ、俺は全ッ然嬉しくねェんだよ!!(彼方が重傷でないことを確認して)ケッ。
        (彼方の顔を軽く殴った)目は覚めたか、死にたがり。テメェはもう寝てろ胸糞悪い。
        何が連携だ、自分ひとりで背負い込もうとしやがって。もう……(左手を貫き手の形にして)黙って休んでろ。

        (自分の右肩に貫き手を突きいれ、抉った)

        ぐ、うおおおおおおおぉぉぉッ! 痛ぇぇぇぇぇなクソ野郎がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
        (叫びながら自分の右肩に埋め込まれた魔導核を抜き出す)
        ……セカンドヘヴンは終わりだ………サードバースデイ………(全身を紅のオーラが纏う)
        もう再生者じゃねぇ……ただのスタッド・ウィレムだ…(指先で血塗れの魔導核を潰す)気分がいいぜ、何かを破壊するってのはなァ!!

        (地面を踏み砕きながら跳び、相手に追いすがる)
        オウ、お前……負けたことはあるかよ?(相手と同じく、木々を蹴りながらの跳躍、銀狼のそれに遜色がない)
        てめェの余裕ヅラぁブッ壊してやらァ!!!(圧倒的膂力、圧倒的速度、そして人間並に落ちた再生能力。スタッドの無窮の拳が、敵の顔面に向けて放たれる)
        -- スタッド
      • ハッ………ハッ…(全身の構成プログラムが不備を起こして、ギガノトランサー状態を維持できない)
        (次の瞬間、顔を殴られ、ギガノトランサー状態を強制解除される)
        (殴ったのは、目の前の男。スタッドだ)
        スタッドさん………(目の前で血を流しながら魔導核を抉り出し、破壊する男を見て)
        (自分の覚悟の浅さを思い知る)

        (自分に何ができるのか、自分に何が残されているのか)
        (立ち上がりながら、自分の中の破壊衝動を撫で付けた)
        -- 彼方
      • !?
        (人狼と相対してから、初めて驚愕の表情を引き出した。その表情は一瞬ののちに叩き込まれた拳に吹き飛ばされ消える
        一瞬のインパクト。錐揉みに吹き飛ぶ銀狼は拳というフリッパーに弾き返され、背中から大樹に叩きつけられた!)
        ……カッ、はァ……!? は……ははは、ハハハハハハッ!!
        (口の端から滴り落ちる血も意に介さず、月に向かって哄笑する。驚きか?屈辱か?怒りか?憎しみか?悦びか?
        人外としてどういう感情なのか一言では表せない。確かなことは今、狩人と獲物というステージは終わりを告げ
        殺戮を愉しみ血という蜜を求めて蠢くインセクトの領域に、矜持という燃料を糧に破壊を尽くすグラップラーが殴りこんで来たのだ!)
        -- シルバールーガル
      • (そのまま相手の眼前まで加速し、全身の筋力だけで静止する)
        よぉ、一つ言っておきたいことがあったんだった。(全身のオーラはそのままに拳を軽く振って)
        一撃で殺せなくて悪ぃな……死ぬまで苦しんでってくれや。(兇悪なる笑顔)地獄を楽しみな。
        (次の瞬間、額、喉、心臓、腹、下腹の正中線に五連打)
        (ただ、拳を振るう、それが彼の破壊だ)
        -- スタッド
      • (このまま立ち尽くしていいはずがない)
        (このまま負けっぱなしでいいはずがない)
        (人間性を保ったまま、今より強くなる方法があるはずだ)
        (人として、スタッドの隣に立つ方法があるはずだ!)

        (拳を軽く握る。全身に幾何学模様が浮かび上がる)
        (しかし、全てを侵食させるのではない、体に鎧を纏うイメージ)
        (硬化した漆黒の鎧が、彼方の首から下を包んでいく)
        最終闘法……オメガトランサー!!
        (右手の手首上方にブレード、左手の甲に砲が、背中には漆黒の翼、それを広げて夜へ飛び立つ)

        (敵へ、スタッドのもとへ!!)
        -- 彼方
      • (眼前に迫る「元」獲物。破壊者の綴る言葉は甘美であり、銀狼は思わずニィと口角を上げてしまう
        確かにスタッドの速度は尋常ではない。額、喉、心臓、腹を狙った攻撃までは掌でなんとか止めるが、一撃貰った直後の身体では5発目は防げなかった
        ――そう、防げなかった。 両 腕 で は )

        キィィィィ――
        (スタッドの拳はただ殴るだけというわけにはいかなかった。銀狼の下腹部にめり込むはずだった拳は霜柱に包まれていた)
        いいや、俺一人で地獄を愉しむ……それは申し訳ない。貴様にも愉しんでもらいたい、心からなァ
        (好物をお裾分けするかのように不気味な笑顔で笑いかけるケモノ。身体から極寒の冷気を放出し、スタッドを吹き飛ばす)
        そうそう……そこのお前もだ。安心しろ、忘れてなどいないぞ――!
        (漆黒の翼を生やした彼方にも指差しながらそう告げる。気付けば肌寒かった戦場の気温はさらに低下し、まるで冬のようだ……)

        さっき、負けたことはあるかと尋ねたな? ……ある。2度もなァ!
        (牙を剥き出しにして吠える狼王。そう、この狼王であっても夜の王である現在の主人には勝てていない。だが敗北は同時に喜ばしいことでもある
        敗北を除けば手で数えるほどしか本当に戦いを満喫したことは無いのだ。狩り甲斐の無い獲物などは喰い飽きた
        だが目の前にいるのは極上のメインディッシュ!それも2品目!これが、滾らずにいられようか?否!)

        ァァァァァァアアアア――! 狂いし銀氷の狼王!!(ヴァーンズィニッヒ・フェンリル)
        (増大する人狼の力の奔流が一瞬にして発露した! 広場は勿論、周囲の森は一瞬にして凍結。月に照らされる銀世界へと変貌した!)
        ……寒さは、人に死を意識させる。冷静にさせる……分かるな? だからこれは、特別だァ……!!
        -- シルバールーガル
      • (このままなら銀狼を押し切れる、このパワーなら! このスピードなら!!)
        (しかし)
        !!(凍気に阻まれる拳、そして)バカな……!?(そのまま吹き飛ばされる)
        (全身を炎気で覆うことで何とか戦闘不能を回避したが、それでもダメージは甚大だ)
        ……まさか、あの銀の狼が吐いた凍てつく吐息………そういうことかよ。
        (勝気に笑うも、余裕は欠片もない)
        (倒さなければ未来はない、勝たなければ明日はない)
        (しかし――――なんて遠い未来なのだろう)
        燃え尽きる寸前まであったまるしかねェか……(拳を握り、相手に飛び掛る)
        (炎気を纏い、右のソバットを繰り出す)
        -- スタッド
      • 敵が秘めていた力がここまでのものとは……!(銀世界に変わった森、それを見下ろしながら呟く)
        ここで手をこまねいているわけには……いきませんよ!!(ブレードを構え、ジグザグに高速機動をしながら銀狼に突っ込む)
        (ブレードによる刺突、それが第一手)
        -- 彼方
      • 貴様を喰えば……その炎も、俺のモノとなるだろう……待ち遠しかったぞ!その炎ッ!!
        (銀が弱点の人狼。銀を喰い、取り込むことで克服したシルバールーガル……次は炎をも克服しようと目論んでいるのか
        スタッドのソバットはもう直接受けるには危険な技。腕から氷の爪を伸ばして受け止める!)
        貴様も負けずに来いッ! その力……俺が貰う!
        (彼方のブレードの刺突へは逆の腕を使う。大きく掌を開いて……受ける!深々と貫通するブレード!しかし――)
        お前のソレは、お前の身体だ……違うか?
        (彼方のブレードが凍り付いていく。それは間もなく腕へと達するだろう……肉を切らせて骨を断とうというのか)
        グルァッ!!
        (瞬間、冷気の爆発!いや、シルバールーガールの全身から氷の柱が伸びた!その姿は狼ではなくハリネズミ!)
        -- シルバールーガル
      • ぐ……!(氷爪を受けて血が吹き出る、その血も凍りつく圧倒的冷気)
        こいつ………! 強さが段違いと思っていたが、ここまで……
        (次の瞬間、氷の棘が爆発的に伸び、合わせて後方に跳ぶ)
        チッ!(浅く刺さっただけなのに、全身が痛かった)

        (凍死寸前の時、人は安らかな眠りを迎えるわけではない。全身の筋肉が強張り、激痛が走るのだ)

        ぐううう……! 痛ェなクソがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!(吼える、再生能力を失ったのに攻撃を受けすぎたダメージを精神力で凌駕する)
        -- スタッド
      • !!(凍気がブレードを伝う、すぐに引き抜くが、氷片があちこちに付着し、切れ味は落ちたと言わざるを得ない)
        (そして氷棘を喰らい、大きく後方に弾かれる)うわああああああああああぁぁ!?
        (冷気、氷の刺突、それらの複合ダメージで全身の鎧にヒビが入る)
        どうする、どうでる……!?(左手の砲を連射する、圧縮空気による砲撃は威力は十分)
        (しかしそれが決定打になるだろうか?)
        -- 彼方
      • (全身に生えたトゲをパージ。ばらばらがしゃがしゃと氷柱は凍結した地面に落ちた
        ブレードに刺された左の手を振るえば既に凝固し赤い雪となった血液が氷柱達の上に降り積もる……)
        よく躱す……そうでなくてなァ
        (負傷も意に介さず、今度は掌で強く地面を叩く。すると自分目掛けて一直線に飛んで来る弾丸を遮るように氷の壁が生成される
        強度は所詮氷、樹皮のような凸凹の粗末な壁だが弾丸の勢いを殺すには問題ない。バキャッと破壊され破片が飛び散る
        が、その向こうにいた筈の人狼は打ち抜かれる前に一瞬できた時間でサイドステップ。そして前方に向けて駆ける!)
        貴様から味わってやろうッ――!!
        (続々と放たれる弾丸だが、飛来する度に狼男は氷壁で防ぎつつサイドチェンジして前進。あっという間に彼方との距離を詰めていく!)
        -- シルバールーガル
      • くっ!!(相手に氷の壁で弾丸を防がれて歯噛みをした、どうしたらいいのか、この状況を覆す一手は)
        (銀狼が突撃してくる、攻撃か、防御か、回避か、あるいは)

        (あるいは)

        (胸元の装甲から漆黒の金属を集中させ、それは長剣のように形成される)
        (バキリ、とそれが胸から剥離すると痛みが奔った、体の一部だ、それも当然の帰結)
        スタッドさん!!(その剣をスタッドのほうに放ると、両腕を硬質化させて銀狼に殴りかかった)
        もう僕は生きることから逃げない!! だから……逃げるな!!(度重なる負傷に攻撃速度は鈍い、銀狼を捉えられるかはわからない)

        (ただ、自分とスタッドは似ているのだ)
        (自分の胸に空いた虚ろな穴から逃げてきた、意気地なし)
        (それを変えられるのは、きっとこの瞬間しかない)
        (スタッドの前に、漆黒の長剣が刺さった)
        -- 彼方
      • ハァ……ハァ…………ッ(体温を上げるのに炎のオーラを使っていると、自分の前に刺さる長剣)
        か、彼方ッ! 手前ェ………(胸が痛んだ)
        (失った感情が呼び起こされる痛み)

        (思い出すのは、一方的に傷つけたまま別れた女性の顔)

        (漆黒の長剣に手を伸ばす、だが掴み取ることができない)
        (その時、逃げるな、という彼方の声が響いた)
        クソ……クソだ、どいつもこいつも………だが、だがなぁ……すまない、アスタル………(振り絞るその声は、懺悔に似て)

        (漆黒の長剣を抜くと、苦い記憶に苛まれる)
        (自分が捨てた家のことを、自分が捨てた剣術のことを、そして)
        うわああああああああああああああああぁぁぁ!!(感情が爆発した)
        ブレードインパルスッ!!(剣から迸る炎の斬撃が、飛んだ)
        (オーラを斬撃状にして飛ばした、それだけではない)

        (彼が捨てたウィレムスタッド流の剣術、そのものだった)
        -- スタッド
      • 貴様、何をッ!?
        (異形の戦士が漆黒の剣を取り出す瞬間、その剣でどんな攻撃を繰り出してくるのかと人狼は昂ぶった
        しかしあろうことか漆黒の剣は自分に向けられることなく、破壊の申し子へ――何をやっている? 理 解 デ キ ナ イ
        思考がフリーズした。だが代わりに野生の勘が脳内でけたたましく警鐘を鳴らす――
        シルバールーガルは進撃を止めて殴りかかってくる彼方の蛮勇すら気に留めずバックステップ。スタッドへ向き直り両手で地面を力強くクラップし巨大な氷壁を作った
        だが真紅の衝撃ブレードインパルスはいとも容易くアイスウォールを両断する!人狼も即座に反応し回避を試みるが……)
        ガアアアアアアアアアアア!!!!!?
        (シルバールーガルの左腕が斬り飛ばされていた。断面からは赤いダイヤモンドダストが美しく噴出し、それは近くの彼方にも降りかかった)
        -- シルバールーガル
      • ……俺にここまでやらせたんだ、死んだら殺すからな、彼方ァ!!
        (炎を纏う剣を軽く振る)魔人セルマ・レイネスを討伐した勇者の末裔、アシュリー・ウィレムスタッド………
        いざ、剣戟にて仕るッ!!(銀狼に向けて走る)
        (黒剣の切っ先は美しい半円を描いて、下から掬い上げるような軌道を炎を纏った斬撃が往く)
        ツェアライセンッ!!(ウィレムスタッド流剣術は、スタッドと名乗り続けてきた男の中に今も息づいている)
        (その炎の息吹が紅の刃紋を虚空に刻む)
        -- スタッド
      • 死んだら殺すって……無茶苦茶だ…(氷血を浴びて一瞬怯むも、すぐに構え直し)
        (いつも考えていた、自分は何故、自分の質量以上の変身―――――ギガノトランサーができるのだろうと)
        (後のことを考えなければ、きっと自分にもできることがまだある)
        (最後の一滴まで力を吐き出せば、きっと目の前の存在にもダメージを与えられる)

        アームブレイド……(右腕そのものをブレードに変化させ)ギガントウェポン!!
        (それを体躯に不釣合いな巨剣、斬馬刀級のサイズに変化させ)
        うおおおおおおおおおおおおおおぉぉッ!!(それを相手に向けて力任せに振り下ろした)
        -- 彼方
      • (この人狼は常に孤高だった。強さを求め、自分を討伐しにくる人間の群れをただ蹂躙するのが日常だった
        自分を従える力量を持つ吸血鬼に支配されてからもだ。支配される者同士で馴れ合うことなどしない……肩を並べる戦友というのを知らない
        故に、異形の戦士と破壊の申し子の連携が起こす化学変化に対応できない。だがそれでももう人間に負けるわけにはいかない
        かつて吸血鬼ハンターに負けたその1度の屈辱……傀儡(ストリゴイ)となった今でも鮮明に覚えている)
        ――うぁぁぁぁァァァァァァアアアアアアアアアア!!
        (腕の切断面を氷で塞いで止血する。遠くからこちらに疾駆するスタッドの攻撃は相性が悪く今は喰らうワケにはいかない
        スタッドの移動先に氷の柱を出現させて移動を妨害する。無論彼の技はそんなもの簡単に両断するのでその度に氷柱を生やす
        そして自分の足元にも足場となる氷柱を生やし、その上を移動しつつ距離を取る。その間に彼方を始末しなければならないが――)
        虫けらがッ……!
        (その長大な武器を右腕に氷を纏ってなんとか受ける。多少ダメージは軽減するが衝撃は中まで響く……
        本来ならば亡くした左腕に反撃させているところだがそれは不可能。歯噛みしながら左脚に氷柱を生やし、スパイクキック!)
        -- シルバールーガル
      • (このギガントウェポン、やらなかったのは消費以外にも理由がある―――――それは機動力が極端に落ちることだ)
        ぐっ……(咄嗟に巨剣でガードするも、吹き飛ばされて背中から樹木に叩きつけられる)
        ゴホッ……ゴホッ…(咳が変だ、自分の体の変調、そしてダメージの大きさを初めて理解する)
        ギガ……ント、ウェポン…(左腕を巨大なカノン砲に変換する。さすがにそのサイズの血弾を用意はできないので、近くの岩を左腕の穴で齧り取って弾丸に変える)
        バイオ、カノン………!!(反動で体が軋む、規格外武装を銀狼に放った)
        -- 彼方
      • ……ヤベェな…(彼方の動きが明らかにおかしい、ダメージが過剰であることは火を見るより明らか)
        (自分も余裕があるほうではない、まして銀狼のスピードでは庇っている暇などない)
        (できることは早く勝って治療すること以外にない)

        (氷柱に邪魔されながら、高速機動には苦労する体を奮い立たせて男は跳ぶ)
        (サードバースデイ状態ならわかる、自分の戦闘スタイルにいかに剣術が噛み合っているかが)
        ヴァイス・フリューゲルッ!!(空中から袈裟掛けと逆袈裟が全く同じタイミングで斬りつけてくる、炎斬二連閃)
        -- スタッド
      • (今はこれでいい……腕があればトドメを刺せたかもしれないが苦し紛れの蹴りでも十分な戦果だ
        そして追い縋ってくるスタッド・ウィレム。サードバースデイ状態の速さは恐らくこの人狼をも上回っているだろう
        しかも本来シルバールーガルが出す最高速度は木から木へ跳び交う状態。今は氷柱で足場が自由というだけ……)

        フンッ……上等だ。かかって来いッ!!
        (この状況でもまだ王者としての自負を持ち、啖呵を切る。だが敵の剣は速い! 右腕でガード姿勢を取り、自身を分厚い氷の壁で包む
        その壁は炎の剣でエックス字に切り裂かれ、人狼の腕や身体から先程よりも大量の赤き結晶が散る!
        ダメージは計り知れないが……ここだ。腕を引くと目の前の破壊者と自分の眼光が互いを捉えるだろう
        集中――剣を振り切った相手の胸板へ自分の豪爪を渾身の力で突き立てるだけ。今更氷などの小細工は要らない
        ただ己の膂力をぶつけるだけ!! ――その筈だった。異形の勇者が残った力を振り絞り、放った弾丸を受けていなければ)

        グッ――ゴブッ――
        (脇腹に深々とめり込んだ弾丸。口から血が漏れる……右腕が、止まる――)
        -- シルバールーガル
      • (着地と同時に自分が彼方に助けられたことを知る)
        (できれば彼方にバカ野郎と言ってやりたいが、それは後回しだ)
        ウィレムスタッド流剣術奥義……ローエンヴォルフッ!!!
        (黒剣全てを覆うほどの超火力の炎を巻き上げる)
        (その上で、背骨を含む全身27箇所の関節の回転を連結加速させ、人間が持てる理想的な破壊を剣戟に載せる)

        (火力にして最大、白刃一閃にして最強の切り下ろしが銀狼に襲い掛かる)
        -- スタッド
      • (もう力が残されていない)
        (これで終わったとしても)

        (せめて、スタッドだけは残ってほしかった)

        (巨剣に、さらに練成と練成を重ねる)
        (周囲の氷樹を切り裂きながら馬鹿げた長さの刃が力任せに振るわれる)
        (最終能力、ギガントスラッシュ。横薙ぎに長大な刃が放たれた)
        -- 彼方
      • ……奴以外に、負けるなど――
        (あってはならない。だが、遅れて突き出した右腕は空を刺す……狙いなど定まっていない
        猛り狂う炎の斬撃は銀の体毛ごとシルバールーガールの右肩から袈裟に切り裂いた。血は凍るどころか蒸発するほどの渾身の一閃
        そして周囲の樹木ごと横っ腹を薙ぎ払われる。人狼の上半身は、
        地面に落ちた――) -- シルバールーガル
      • ………ッ!!(手の中で黒剣が砕け散る、それは何かが失われたかのようで)
        おい、彼方……!!
        (彼方の元に駆け寄る)生きてるかオイ。死んでねーだろうな? -- スタッド
      • (銀狼を切り裂いた後に自分の中の何かが欠けた気がした)
        は、ははは……
        スタッドさん………(外装甲が砕けて散り、巨剣ももう黒い砂に変わっている)
        後のことは……任せましたよ…………(そのまま目を瞑る)

        (その表情は、安らかだった) -- 彼方
      • (人間に対する最初の敗北は「人の意思」によるものだった……その吸血鬼ハンターの執着心は尋常ではなかった
        一方、今回の銀狼の敗北は「人の信頼」によるものだろう。これまで殺してきた人間は恐怖に負け、皆己のことしか考えずに喰われた
        炎の破壊者と異形の勇者は確かに人とは言えない存在かもしれないが、恐怖に打ち勝ち互いを信頼して戦った
        間違いなく「人間性」によって得られた生存だ――だが、そんな祝福を受ける暇は無いようで)
        グォォォォォォォォォ……
        (唸り声にも聞こえる謎の音。だが人狼は既に動いていない……いや、転がった上半身の中と下半身の中から闇がこぼれ出している) -- シルバールーガル
      • おい! バカ野郎……何遊んでんだよ!! 寝たふりかァ!!
        (彼方を揺さぶっていると、後ろで闇の気配を感じて振り返る)
        あ、あああ……!(彼方を背負って凍った背嚢を二つ手に取る)
        (何が起こる? まるでわからないが、警戒だけは解かない) -- スタッド
      • 「……」

        既に銀狼は喋らないし、目も死んでいる……が、泥のような闇が二分された身体から伸びて繋がると
        死体を修復するように収縮していく。そして不安定にだらんとした身体は泥の力か無理矢理立たされた
        ――実はこのシルバールーガル、既に1度死んでおり今は吸血鬼の眷属として何度でも再生される身体になっていた
        流石に再殺されて間もない今は意識もないが、主によってある程度は無理矢理操れるのだ
        起き上がった人狼の死体の足元から氷が広がってくる……逃げろ!! -- ???
      • クッソォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!
        (絶叫しながら背嚢を二人分持ち、彼方を背負って走り出す)
        (重量は相当なものだが、荷物なしに森から脱出はできないし、彼方を置いて逃げさるなんて論外だ) -- スタッド
      • (走る、走る、走る)
        (魔の気配が遠ざかるまで、ひたすらに)

        (その時、ようやく自分が朝を迎えていることに気がついた)
        (朝日が昇る、その暖かさに目を細めた)
        なぁ……彼方………終わったぜ、全部…終わったんだ……

        (背中の彼方が寝息を立てた)

        ………寝てるだけかこのボケェッ!!!

        END? -- スタッド
  • 貴方達はウィトゥルス半島から北東に広がる罪悪の森を奥地に向かって進んでいた
    道中のモンスターもさることながら、この鬱蒼とした森の険しさにそろそろ嫌気が差してくる頃か
    しかしそれでも帰るわけにはいかない。依頼の内容はこうだった――

    「罪悪の森にて人の死体が見つかった。ただの行き倒れかと思っていたが、身元を調べてみると驚いた
    数ヶ月前に行方不明になっていたある娘なのだが、その娘はアドラフリューグの貴族の娘だった
    当然捜索願いが出されていたから判明したのだが、発見された罪悪の森とは距離が離れすぎている
    もし人攫いだとすれば大きな組織が裏に隠れている可能性が高い。それ以外のトラブルに巻き込まれたのだとしても
    その真相を明らかにしなければ今後も犠牲者が増える危険がある。腕の立つ冒険者の協力を求む……」

    君達はその依頼を受けた。土地勘のある人間から安全な道やエリアも聞いていたのだが……
    如何せん、調査依頼なのだ。手掛かりが見つからなければどうしようもない
    --
    • あーあー……なんだよこりゃア。
      (露骨に嫌な表情を浮かべながら森を歩く、凶相の男)
      ったく、真相をアバくとか俺のやり方じゃねェぜ………もっとこう、壊すとか破壊するとかそういう依頼はなかったのかよォ。 -- スタッド
      • ……スタッドさん、壊すとか破壊するとかって同じじゃないですか…
        亡くなった方のことを考えれば、初動が遅れたくらいです。もう少し真面目に依頼に取り組んでください。
        (生真面目な言葉、しぐさ、表情。少年はスタッドと共に森を歩いていく)
        依頼のえり好みをできる立場じゃないですよ。さぁ、日が暮れるまで歩きましょう。 -- 彼方
      •  真っ先に依頼を受けたのはこの2人。本来なら探検依頼のように6人集めるのが通例なのだが
        今回は彼方の言うように人命が関わった依頼であり、犠牲者の親が大金をはたいている。即日即決で酒場は彼らを派遣したのだった
        ――しかし、それが2人にとっては大きな災いの始まりでもあった

        森に足を踏み入れてもう3日は経っただろうか。既に「道」が無いほどに、昼間でも日光が自分達に届かないほどの奥地まで来てしまった
        帰り道自体は確保してきたが、流石に途方に暮れても誰にも責められない程度には捜索してきた
        だが今日も成果は無く、そろそろ野宿をする準備を考える時刻が迫っている……
        --
      • だあああぁぁ!! もうヤメだヤメ、こんな地道な作業やってられっかッ!!
        (煙草に火をつけると紫煙を吐き出す)はァ………なんなんだよ、歩いても歩いても森、森、森! 時々モンスター!
        彼方、野宿の準備だ。薪集めとけ、俺はテントを張る。後は周りの安全確認とだなァ…… -- スタッド
      • じ、地道な作業を嫌がる割に指示と仕事が細かい……!
        ……タバコ、健康に悪いですよ。生きてる間はやめておきましょうよ。
        それに匂いに敏感な動物を刺激しますよ? モンスターもその中にはいるかもしれない。 -- 彼方
      •  殊勝にもこの2人、野営に関してはとても堅実な手配をしている。だが――

        「オォォォォォォォォォォォォン……」

        狼らしき遠吠えが森に木霊する……
        --
      • ハァ……いいか、彼方。(紫煙を燻らせたまま少年を睨む)
        煙草を嫌う動物だっている。それにヒル退治にも便利だぜ? あとは人間性だな……
        俺はな、煙草を吸ってる時と何かを壊してる時に自分の人間性を感じるんだよ。
        だから………(響く遠吠えに空を見上げる)…狼、か? それにしちゃこう……まァいいけど。 -- スタッド
      • ………人間性。(それを得るために幼馴染たちと戦ったことを思い出す)
        (人間性、そんなあやふやな言葉のために量産型の自分を大量に破壊したことだってある)
        (少なくとも、この男は人間的なのだ。好き勝手生きているようで、人に迷惑をかけたがらないフシがある)
        …なんですか? ただの狼の遠吠えでしょう、それこそ気にするレベルの問題とは…… -- 彼方
      •  しかし、状況は2人を落ち着かせてはくれないようだ
        冒険者の足跡から匂いを辿ったのだろうか、恐らく狼と思われるケモノの息遣いが周囲から聞こえ始める
        ただの狼ならば返り討ちにすれば早い。問題は数だ。視界が悪く全体数が把握できない……
        それに現在地は木々が多く、狼からすれば奇襲し放題の地形。移動する場合日が暮れる前に迅速に行う必要がある
        -- 狼の群れ
      • …数が多いな。あいつらの餌になるのは御免だ、場所変えるぞ彼方。
        最悪一晩歩いて昼間に寝る。夜はあいつらのステージだ。
        (煙草を携帯灰皿に入れて貼りかけのテントを回収する) -- スタッド
      • えっ………(スタッドの判断は、早い)あ、待ってくださいスタッドさん!
        僕も荷物まとめますから、置いていかないでくださいよ!(あわあわと慌てて荷物を背嚢に詰め込む)
        (彼方は自分が考えていたことを恥じた)
        (狼でも殺せば少しは気が紛れるだろうか、と考えていた自分を軽蔑した) -- 彼方
      •  「グルルルル……」
        狼の唸り声と息遣い、そして地面を蹴る音に急かされながら2人は森をかき分け進む――
        判断の早さが功を奏したか、直接狼が飛び掛ってくる前に運良く開けた場所に出ることが出来たようだ
        ここならば周囲を警戒しやすく、迎撃も可能だ
        -- 狼の群れ
      • (歩き続けて開けた場所に来ると、中央で足を止める)
        ホラ、彼方。構えろ。あいつらそろそろ我慢の限界かも知れねェ。
        狼との戦い方の基本はわかるな? 相手のリーダーを潰したら勝ち、シンプルだ。
        (頭をガリガリ掻いて)この狼が貴族の娘を殺した……わきゃねえよなァ。 -- スタッド
      • (そろそろとスタッドの後をついてきてた彼方が、スタッドの声を聞いてハッとなる)
        え、ええ。わかりました、戦闘準備をします。(拳を軽く握ると、光のラインが幾何学模様となって腕に浮かび上がる)
        (バイオオーガン。人造人間である彼方の能力。腕や体全体を異形化させることで戦闘能力を高めることができる)
        (だが、先ほどスタッドが言った通り何かがおかしい気がした)
        (誘い込まれたような、そんな気がしてならない) -- 彼方
      •  気付けば既に陽は暮れ、真っ暗な森のど真ん中。2人の違和感に1つの回答が出される――狼達が襲ってこない
        広場に辿り着いて身構えた途端、騒がしかった周囲の音がピタリとやんだのだ。しかしケモノの気配は未だ消えず
        皆、規律正しい兵隊のように動きを止めて茂みの向こうからジッと君達を凝視しているかのような気配……
        不気味に思い始めたその時、沈黙を破る青年の声が響いた
        -- 狼の群れ
      • お前達を生かして返すワケにはいかない……
        (端的な言葉だった。森の中から現れたのは暗闇の中で不自然なくらいに白い、灰色の擦り切れたコートを着た銀髪の青年
        春だというのに肌寒さすら覚えるほどに、彼の声と冒険者達へ向けられる視線は冷たい
        狼達はその青年の登場を畏怖するかのように広場から引いていく。狼達にとって彼は「支配者」なのだ
        誘い込まれたというよりは、追い立てられたのだろう。この青年の元まで……)
        もう帰り道、分からないだろう? 逃げるのは、不可能
        -- 銀髪の青年
      • なん……だ………?(自分が上擦った声を上げていることにようやく気づいた)
        (並の生物が再生者である自分にここまでプレッシャーをかけることは不可能だ)
        (想像を上回る何か、それが目の前にいた)
        生かして帰すワケには、か………なんか懐かしい台詞だよなァ…
        (髪をかきあげて笑う、その笑顔は凶悪)帰り道がなけりゃ立ちふさがるモン全部殴り壊して通りぬけるまでだッ!!
        俺はスタッド……スタッド・ウィレム…(拳を固める、それが彼の最大の武器)てめェが女を殺したのかァ!!!
        イエスかノーかで答えな、返答次第で八分の七殺しくれーで済ませてやらァ!!
        (吼えるのは内に潜む魔物を倒すためだ。恐怖という、強大な魔物を)
        -- スタッド
      • ―――――ッ!!(咄嗟に両腕で頭部を庇った)
        (強大な敵を前に頭部コアを守るという防衛本能が働いたのだ)
        (だがそれは怯えに他ならない、そしてスタッドは叫ぶことで自身の本能に打ち勝っている)
        ……どうやら決まりですね、女性が死んだ。つまり、吸血鬼が血を吸ったのであれば自然。
        僕の名前は彼方だ……龍鉄の名を受け継いだラスト・ナンバー、AIT-0042R彼方なんだ!!
        さぁ、名乗れ吸血鬼!! 僕が………僕達が相手だ!!(スタッドの隣に並び、二人で拳を突き出す)
        (いつだったか、共に研鑽を積んだ仲間とそうやったことを思い出しながら)
        -- 彼方
      • ……ノー。そっちの腕が光ってる方が言うように、我が主に血を吸われた
        だが、俺はあんな弱い女は殺さん。殺すなら――
        (言いかけ、青年は前傾姿勢になり駆ける。ケモノのような、いやケモノ以上の速度で!
        一瞬で間合いを詰め、アイアンクローのように指を開いた右手は突き出された2人の拳の間を下から抉るように振るう!)
        お前らのような、活きの良いエモノだッ……!
        -- 銀髪の青年
      • !!(咄嗟に回避した、何故再生力自慢の自分が回避したかはわからない、本能としか言いようがない)
        (だが、それは正しかった。恐らく、その一撃は様子見でありながら直撃すれば戦闘不能が免れられないパワーだった)
        彼方ァ!! てめェも金属骨格にあぐらかいて掛かるなよ!! こいつ……強ぇ!!
        (拳を固めて相手のボディを狙う)死にやがれ!!(単純なボディ・ブロー。だが魔導核で強化されたその拳は破壊力にして十分)
        -- スタッド
      • 犯人じゃない!? でも、殺しにかかってくるッ!!(横っ飛びに回避すると腕を真上に伸ばす)
        バイオオーガン!!(腕を銃口に変化させ、血の弾丸を装填する)
        語れ、真実を!!(銃口を相手に向けると、血の銃弾が足を狙って撃たれた)
        (ボディブロー、足を狙った銃弾)
        (相手のスタミナや機動力を奪うための攻撃、どこまで通じるかはわからないが人間型を相手にする時のセオリーだ)
        -- 彼方
      • (スタッドの目算は正しい。回避しながら2人が感じた攻撃の風圧は、その腕が大木すら削りかねないものだと肌で理解できただろう)
        避けたァ…! ッハァ……!!
        (先程までの氷に似た澄ました表情ではない――悦びの笑み。赤子が初めて足で立った時の母親のようであり
        それでいて親の仇を見事呪い殺したかのような禍々しさを感じる笑顔……
        そんな笑顔をしながら身体はくの字に折り、素早く空を突いたスタッドの腕を掴みながら強靭な腕力で逆立ち
        それは勿論、足を狙った銃弾を回避するついで。そのまま鉄棒でも回るかのようにスタッドの腕に爪を立てながら前方へ跳んだ)
        ……この血は、不味そうだ
        (そう言いながら爪についた血を舐めてみたりするものの、ペッと吐き出した
        その仕草は吸血鬼というよりも犬や猫、狼のようなケモノのものだった)
        -- 銀髪の青年
      • うおおおおぉ!?(腕を鋭爪で切り裂かれながらも、拳を引く)
        ……テメェ………(傷はすぐに修復していく、再生者の本領発揮だ)
        こいつ、本当に吸血鬼か? どっちかというと……(その先は言葉にならない、している暇がない)
        死ッ!!(後方に跳んで足元の石につま先をかける)ねえええええええええぇぇぇぇぇ!!!
        (それを蹴り飛ばす。石は足元に埋まっていた巨岩のほんの一部、それを蹴り飛ばしたのだ)
        (地面をめくり上げ、怪力任せで掘り出された巨岩が相手に迫る)
        -- スタッド
      • スタッドさん!! クソッ……(背嚢を遠くに投げ飛ばす、そして背中を突き破って虫の翅のような外部機関が出現する)
        バイオウィング!!(そのまま足から圧縮空気を噴出して飛行する、スタッドの攻撃は苛烈、なら自分は牽制と相手の邪魔が急務)
        喰らえ!!(そのまま空中で右腕の砲から血弾を連射した、巨岩と血弾の複合遠隔攻撃だ)
        -- 彼方
      • ん……?
        (暢気に血を飲む真似をしていたところに岩が飛んでくるが、その前に到達するのは血弾
        そして青年の興味はその弾丸の主に移る。先程とは姿が変わり飛んでいるのだ、当然と言っていい)
        いい攻撃…銃?違うな…その弾、血の匂いもする……
        (クロスファイアに対して横っ飛び、岩の放物線の先にある木を足場にして反復横とび。その先には巨岩!
        だがこの身軽さ、ケモノのような足腰はその岩さえも足場にしてさらに高く跳ぶ!
        月に映った黒い影は人狼の巨躯! 咆哮を響かせながら丸太のように太い腕が振り上げられ
        彼方へ目掛けて鋭い爪牙が降ってくる!)
        -- シルバールーガル
      • な………ッ(完全に意識の外から攻撃したはずだ)
        (届かない位置、あるはずのない岩、そこからの攻撃をああも回避して見せるのは)
        ……彼方ァ!!(フォローは間に合わない、相方は既に空の上だ)
        ……ウェアウルフ…人狼かよ!!(拳を固め、次の一手を考える)
        -- スタッド
      • !!(咄嗟に頭部をカバーする、が)ぐ……っ!?
        (人狼の剛爪をまともに受け、錐揉み状態で地面に落下していく)
        (一撃で戦闘不能にならなかったのは、金属骨格の防御力が成せる技である)
        (背中から地面に叩きつけられ、慌てて飛び起きる)
        (痛がっている暇も、寝転がっている隙もありはしない)
        アームブレイドッ!!(両腕をブレードに変換し、相手の着地を見計らって両腕を突き出す)
        (自分の失点を自分で補おうとするためだ)
        -- 彼方
      • ガウウウウゥゥゥゥ……!
        (ケモノの正体を現した敵に対し彼方はブレードを突き出すが、それは意外な音になり返ってくる
        ガキィ!と、まるで武器同士がぶつかったかのような音と腕に伝わる衝撃。肉を刺した手応えではない
        目の前にあったのは銀狼の美しい尻尾と後ろ足。その爪が今まさにブレードという足場を蹴っていた
        もし咄嗟にブレードを出さなければきっと彼方の身体自体が足場となっていたことだろう…だが安堵をする事も出来ない
        銀狼はもうスタッドの目の前だ!彼方をまさに足蹴にして今度は反対側にいるスタッドの左側へ向けて疾駆
        左腕を伸ばし、鋭い爪でスタッドの脇腹をかっ捌かんと駆け抜けていくのだ!
        そして負傷した彼方へは、去ったと思われた狼の群れが最悪のタイミングで飛び掛ってくる!)
        -- シルバールーガル
      • (拳を固めたまま相手に向けて突き出す、右ストレート)う、おお!!(だがそれはかわされた、あるいは掠りもしなかった)
        (相手が速すぎるのだ。どうすることもできず脇腹を抉り取られ、その場に蹲った)
        (遠目には姿勢を崩した彼方が狼の群れに襲い掛かられている)
        よぉ、兄弟……そろそろ本気を出していこうぜ………?(拳を地面に撃つ)
        セカンドヘヴン………!!(拳を薄っすらと紅の魔力が覆う)
        (再生速度こそ落ちるものの、こうなれば速度、反射神経、攻撃力共に桁違いだ)
        調子こいてンじゃねェぞ犬っコロがッ!!(最速で銀狼に追いすがり、両拳から機関銃のような拳の連打が放たれる)
        -- スタッド
      • (アームブレイドを振るいながら、確実に狼たちに追い詰められていく)
        ふぅぅぅぅぅ……そうですね、スタッドさん………少々、油断がすぎたようです………
        ギガノトランサー!!(右刀を天上に向けて叫ぶ)
        (彼方の存在そのものが作り変えられていく)
        (蟲を思わせる複眼、巨大化した体、硬質化した皮膚、命をねじ切るのに特化したかのような両腕)
        ………覚悟してください、ね!!(そのまま狼達に無造作に襲い掛かる)
        (ステージが既にそこらの生き物とは違う、珪素と金属の複合生命体)
        (狼たち相手に振るうそれは、純然たる暴力だった)
        -- 彼方
      • む……匂い、変わった……!
        (スタッドを通り越し、森の木を足場にして跳んでいたが気付けば後方からスタッドが追い縋っている
        放ってくる拳の連打に対してこちらも掌をダガーのようにした爪の刃で連続突き
        その常軌を逸した攻撃で肉薄してくる目の前の存在……自然と人狼の口角は上がった。戦いを愉しんでいた)
        ハァ……! 貴様、イイぞ! 悪くない……だがまだ子ウサギだ……もっと魅せろ!

        (一方本気を出した彼方にとって、ただの狼達では時間稼ぎにしかならないだろう。1匹、また1匹と圧殺されていく…
        しかし群れの中にはただの狼でない狼も紛れ込んでいた。雪山に生息すると言われる冬狼
        通常の依頼ではまず対峙することの無いモンスター。シルバールーガルと同じような銀色の体躯をしているがサイズは他の狼と変わらない
        ただ一つ違う点は――)
        オォォォォォン!!
        (口から吐き出す凍てつく息!)
        -- シルバールーガル
      • こいつ!? セカンドヘヴンでの白打についてくるのか!?
        (連続で拳をぶつけるも、相手の剛爪に拳が次第に削られるように負傷していく)
        必ず死なァす!!(両手に炎を纏わせる、それは淀んだ魔力を燃やす属性付与能力)
        (燃える拳で左拳を僅かに突き出し)っとぉ!(すぐにフェイントの左拳を引いて右ストレート)
        (コンパクトだが整ったフォームで繰り出されるそれは背負い投げのように豪快で、レイピアの一撃のように精緻)
        (以上の動きを木々を蹴って飛び回りながら続ける。人外の戦いはまだ続く)
        -- スタッド
      • (凍てつく息に全身が凍りつく)
        (だが)
        こ、この程度!! まだ動ける!! まだ殺せる!!(バキバキと自分の表面装甲と氷の破片を撒き散らしながら強引に動く)
        (シャ)ぁ!!(狼に向けて両腕を広げた状態から白銀の狼に向けて振り下ろしの右(チョッピングライト)を放つ)

        熊掌拳(ゆうしょうけん)。彼の得意とする拳法。熊の動きと獣性を持って相手を叩きのめす豪腕の一撃が身上)
        (恐ろしいことに彼方は異形になった上で人間の闘法を使う)
        -- 彼方
      • 何を驚く? まさか、その程度で俺を斃せるとでも思っていたか……欠伸が出るぞ!
        (それにしても目の前の冒険者…いくらか負傷させたが今も平気で動いている。一気にトドメを刺す必要があるのか?
        先程重症を負わせた筈の優男の方もなにやら身体を変化させて狼の群れを薙ぎ払っている…俺を飽きさせないのはかなりの逸材
        銀狼はそんなことを進行形で考えている。このケモノの嗅覚は鋭敏で、今まさに冬狼に腕を振り下ろすその動作すら完全に把握しているのだ
        最初のクロスファイアも、巨岩の気配から彼方の変貌までしっかり感じ取っていたのだ。この人狼にとっては対応できて当然!)
        炎の魔力、悪くはないが――ハァ……そろそろ、煩わしいなッ!!
        (フェイントを織り交ぜてきたスタッドの攻撃。変則的な攻撃に対し受けの姿勢を続けていたが、両爪は焦げ付いていく…
        上半身での攻防を続けるのも飽きたのか、ここで唐突に右脚での蹴りをボディに向けて放つ!
        それはボクシングで言えばジャブの応酬の中、突然側面から襲い来る鋭い右フック!!)

        (一方、彼方の攻撃は冬狼を完全に捉えた。所詮は一芸のある狼に過ぎない……そのまがまがしい姿、そして壮健な一撃!
        狼の群れは戦意を無くし文字通り負け犬のように四散していく……だが、銀狼はその様子すら手に取るように把握していた
        スタッドへの蹴りは、彼をボールに見立てて彼方を狙うもの。さてスタッドの対応はどうか)
        -- シルバールーガル
      • (いける、とスタッドは思った。相手は炎の魔力でダメージを受ける。ならば、この攻撃で間違いはない)
        (問題は火力が足りるかどうか、そして再生力が落ちたこのフォームで攻撃が続けられるかどうか)
        なにぃ!?(咄嗟にガード、しかし相手の蹴りは確実にこちらをとらえる)
        (そのまま吹き飛んで、ギガノトランサー形態の彼方に背中からぶつかる)
        おっと、失礼したな。(双方にダメージが入りながらも軽口)お互い狼と遊んでる最中によォ。(あちこちから血を流しながら彼方の背から降りる)
        (再生能力は目に見えて落ちている。このまま失血で戦闘不能は笑えない。しかし、セカンドヘヴン以外で決定打は出ない)
        こりゃ……詰んだかな…(それでも笑う、その笑顔は凶悪)
        -- スタッド
      • ぐおう!?(獣のような声を上げて背中からの衝撃を受ける)
        ス、スタッドさん!? セカンドヘヴン状態で競り負けたんですか?
        (セカンドヘヴンはそれだけの力を秘めた状態だった。それが相手に通じないとなれば)
        わかりました、ここからは二人で相手を迎え撃ちましょう。(砕けた背中側の装甲がパラパラと落ちながら、振り返って銀狼へと向き直る)
        1+1の答えが2では恐らく及びません。結果を5以上にするコンビネーションが必要でしょう。いけますか、スタッドさん。
        (異形の怪物は、理知的にプランを語る)
        -- 彼方
  •  
  • 鬱蒼と茂る森の中
    • 草木と樹木が立ち並ぶ戦闘場だ。
      • おべぼ@1。 -- オリアス
      • オリアスが森に足を踏み入れてから急に生温い風が吹きはじめた。勢いは弱く、湿気を含んだ嫌な風だ
        土と草と苔の匂いが鼻腔に入り込み、木々の話し声にも似た葉の擦れる音が耳をくすぐる……
      • ………? なんだ、誰かいるのか…?(カイムの剣を鞘に納めたまま周囲の気配を探る) -- オリアス
      • 人の気配はない、無い筈だが……それでも探ってしまうオリアスは冒険者として良い才能を持っている
        そして、その選択は実際に正しい――


        くいくい
        非常に控えめだが、上着の裾を後ろから誰かが引っ張っているようだ -- ???
      • (違和感は確かにあった。それはシェイドが彼に囁きかけてくる形で何度も彼の命を救ってきた)
        (いや―――無理矢理生き永らえさせられた、と言うのが正しい)
        あ?(引っ張る方向に振り向く) -- オリアス
      • ……こんにちわ、なのっ
        (可愛らしい服を着た少女がオリアスの服を指で掴んでいた。貴方が振り返るとハッと伏し目がちになり
        弱々しい声で挨拶をしてきた。内気な性格ながら勇気を振り絞って声をかけたように見受けられる)
        あのね……お兄さんが、遊び相手を…探してるみたい? だったから……なの
        これから、ここで遊ぶの……? (上目遣いで訊ねてくる)
        -- 少女
      • 遊び相手……? 困ったな、俺は子供受けする顔はしていないんだが。
        ああ、ここで遊ぶつもりなんだ。危ないから君はここから離れるといい。
        戦い、っていうのはね。とても危ないものなんだ……模擬戦だけどね。 -- オリアス
      • もぎ……? それは知らないけど、分かったの……じゃあ、見学だけ…するの♪
        (そう言うと少女はオリアスから少し離れた木陰までとことこ歩いていく……)
        -- 少女
      • ああ、見学しておいてくれ。(小さく手を振る)ちょっと刺激的だけど、退屈はさせないから。
        ……それにしても俺の対戦相手遅いなぁ………ここ蒸し暑いんだけど。 -- オリアス
      • 「……え……!? ……リア……ん、オリア…君聞こえる…!?」
        (レナータが魔術的な何かでオリアスの脳内に直接話しかけてきた!)
        「その子に気をつけて! あと、気をしっかり持ってね?!死にはしないから!多分!!」 -- レナータ
      • (脳内に聞こえてくる声)気をつける……?(その時、オリアスは少女の瞳を見てしまった)
        (その瞳は戦場でも見たことがない)
        (純真で、危険で、歪曲しきっていて―――――それでいて心を侵食するような深みのある――)
        ……っ!!(咄嗟にカイムの剣を抜いて距離を取る) -- オリアス
      • 「その……名前……ルメ……!」
        (電波?が悪いのか通信にノイズが増える……それでも最後にハッキリと敵の名前が聞こえてきた)
        「その子の名前は…ベ……ユ!……ベルメーユ!! -- レナータ
      • ? どうしたの……お兄さん……?(妖しくも美しい金色の瞳とオリアスの目が合う。とある宗教では金色は悪魔の眼の色と言われているが)
        あっ……そうだ、お兄さんがね……楽しめるような遊び相手、私が…用意してあげるの♪
        (にっこりと屈託の無い笑顔で微笑んだ少女は次の瞬間、お辞儀をしながら優雅にスカートの裾を摘んで上げた
        そのスカートの中から可愛らしいぬいぐるみがぼとぼと零れ落ちてきて……オリアスの足元へと転がっていく)
        ……お楽しみあれっ!
        (オリアスの足元でぬいぐるみの顔が人の顔のように血飛沫を出しながら弾けとんだ!!)
        -- ベルメーユ
      • ベルメーユ………!(その名を口にする時、既に相手はアクションを起こしている)
        ………っ!!(ぬいぐるみの顔が破裂すると血飛沫を浴びて)
        くっ……こいつ、一体何が目的なんだ…(血飛沫を拭いながら相手に向かって右手を広げ)
        ブレイジングウイング!(小さな火を作り出して放つ)
        (血飛沫を拭いながらのそれは、当たれば火傷をする程度の軽いものだ)
        -- オリアス
      • あはっ……♪
        (火球が当たるかどうかのタイミングで、微かな笑い声を残し少女の姿は霧のように掻き消えた。オリアスの火にそこまでの威力はないだろう
        消えた少女の行方も気になるが……今注視すべきは彼女の落としていったぬいぐるみ達だ
        うさぎやカメ、犬に猫にクマ……多種多様な可愛い動物のぬいぐるみが生きているかのように貴方の足元へ群がっていく!)
        -- ベルメーユ
      • き、消えた……!?(剣を構えたまま周囲を探す)
        ……!(そして群がってくる人形たちに恐怖を感じる)はぁ……はぁ…
        (深く呼吸をして、恐怖を感じないよう務める。このままではシェイドの、ひいてはベルメーユの思う壷だ)
        (虚空に手を入れてカイムの剣を手放す、すると右手の中に比較的短い剣、雷王と呼ばれる刃が納まっている)
        くそっ!!(群がってくる人形たちへ斬撃)
        -- オリアス
      • (低い位置のぬいぐるみへ斬撃していけば、先ほど破裂したぬいぐるみのようにパシャパシャと弾けていく
        それは人の(わた)が詰まっているものだった。足元に広がる血の池に臓物の欠片が転がっているのが見えるだろう
        全て掃除し終える頃には、辺りに鉄臭さが充満していた……)
        あははっ……かわいそう、可哀想なの……♪
        (貴方の注意を逸らしている間に、少女は魔法陣を用意していた。空から伸びた無数の糸が地面に貫通し、模様を描いている)
        さぁ、いなくなったお友達……また増やさないとなの……
        (今度は魔法陣から人間大の蝋人形や木で出来たマネキンが何体か召喚されていく。だが見た目からは中身までは分からない)
        -- ベルメーユ
      • う、ぐ………(手に持っている雷王にハラワタのドス黒い血が纏わりつく)
        (それだけじゃない、自分の顔にも、手にも、べったりと血とその臭いがついていた)
        くそぉ……これじゃ、まるで…(まるで戦争にいた時のようだ)
        また人形ごっこか!(大声で気勢を保ち、雷王から真空の刃と衝撃波の複合された空を行く斬撃を飛ばす)
        (狙うのはあくまで人形、現時点でベルメーユを攻撃することは無駄に思えた)
        -- オリアス
      • (木で出来たマネキンが庇う様に前へ出て攻撃を受け、破壊された。飛び散ったその中身は)
        ……ホントは、お兄さんにかけたかったけど……仕方ないの。ふふっ
        (後ろにいた蝋人形は油まみれになっているが、少女はその人形の髪の毛に火を点けた!
        導火線のようにスムーズに燃えるその髪の毛はすぐ人形に炎を渡してしまう、当然油まみれの人形は一瞬で燃え上がる!
        焼け爛れながらも無表情な何体かの蝋人形が、オリアスへ向けて全力で走ってきた!)
        -- ベルメーユ
      • う、うおお!?(炎が視界を塞ぐ)はぁ……はぁ……(恐怖が心の中に広がっていく)
        (気を抜けば姿を現しそうになるシェイドを必死に押さえ込み、空間の狭間に雷王を突っ込んで違う武器を探る)
        (鉄塊と呼ばれる巨剣を持って構える)こんなもの!!(大振りに2メートル近い鉄塊を振るい)
        (切り払うも、炎を纏ったパーツが体のあちこちを焦がし、果ては服に燃え移ってしまい)熱っ!?(必死にはたいて揉み消した)
        くそ……このままじゃジリ貧だ…何か、何か手はないのか……
        -- オリアス
      • ザッ……     ザッ……
           ザッ……     ザッ……

        (今度はオリアスの後方からなにやら規則的な足音が聞こえてくる……)
        -- ベルメーユ
      • ……!!(鉄塊を構えたまま振り返る) -- オリアス
      • ザッ!!!!
        (森の奥から現れたのは汽笛隊のような赤い服を纏ったブリキの兵隊達だ。綺麗に4人ずつ4列に整列して行進してくる
        先頭にはほぼ鉄板のような簡素なタワーシールドを持った4人のブリキ兵。盾を前に剣を後ろに構え少しずつ近付いてくる
        防御力の高い彼らが先頭ということだろう)
        -- ベルメーユ
      • 上等だ……中に何が入っていようが…俺には関係ないな!! まとめてやらせてもらう!
        (鉄塊を構えてダッシュ)うおおおぉぉぉ!!(前線のタワーシールドを持った四人をまずは吹き飛ばす)
        (ダッシュの勢いと巨剣の重量を載せた超威力の横一文字斬りをブリキ兵に放つ)
        -- オリアス
      • ドンッ!!!!
        (規則的な歩調で近付く兵隊達にはオリアスの強襲に対抗する手段は無かった。盾を持った兵達は吹き飛ばされる――が
        その後ろの4人のブリキ兵が一斉に槍を突き出してきた! 盾兵の後ろに控えていたのは槍兵だった
        彼らは前の盾兵の安否に関わらず、相手が対応した隙を攻め込むように予め決まっていた)
        -- ベルメーユ
      • (斬撃をフルスイングで放った隙に槍を回避する余裕はない)
        ……っ(体を四本の槍で貫かれ、そして)うっ……うわあああああああぁぁぁ!!!
        (絶叫と共にオリアスの背後から不定形の、粘度が高い闇が姿を現す)

        (それはオリアスを真似た顔を作り出すと、ニヤリと笑った)

        あっ…(恐怖が爆発した)うわぁ!!!
        (腕を振るうとシェイドがそれに従って豪腕を振るい、槍を持ったブリキの兵隊を薙ぎ払おうと闇が襲い掛かる)
        -- オリアス
      • (一方ベルメーユはその様子を木の枝に座って別の角度から眺めていた)
        ふぇ……お兄さんから、すごい闇が出てきたの……! あれじゃあ……

        (闇雲に振るわれた腕が槍兵を押し退けるかどうかのタイミングで、次は後方に控えていた弓兵の矢がオリアスの頭上へ降り注いだ!
        さらに、倒れていた盾兵達も立ち上がり錆びたサーベルを構えてオリアスを囲む!)
        -- ベルメーユ
      • うっうう……血が………(ドクンと鼓動が高鳴る)
        (恐怖と生存本能のせめぎ合いが始まる)
        (その感情を吸い上げて、寄生したシェイドは胎動する。どこまでも強く、どこまでも深く)
        (襲い掛かる矢をどろりとした濃厚な闇が飲み込み、勢いを殺してしまう)
        やめてくれぇ!!(恐慌状態に陥りながら何もない空間に手を入れると、そこからは死神の大鎌と呼ばれる巨大な鎌を取り出した)
        (盾兵たちに大鎌を横薙ぎに振るい続け、攻撃を打ち払いながら反撃)
        -- オリアス
      • ふゅ……まるで歯が立たない、なの……
        (木の上から、最後尾の銃兵が弓兵の装填時間を稼ぐためオリアスへと狙いを定め射撃を開始するのが見える
        だが、あの状態のオリアスには既に通用する気がしない……いずれブリキの兵達は全滅するだろう)
        困ったの…すごく困ったの……もっとお兄さんを愉しませてあげないと……
        -- ベルメーユ
      • うっ……(銃弾はオリアスの反射速度を超えて飛来する)
        (それを肥大化した闇がまたも飲み込み、威力を殺すも一射が防御しきれずにオリアスの頬を削る)
        やめ、やめさせろ………(勝手に魔力を右手に注ぎ込むシェイドに呻く)
        (死神の大鎌に刻まれた魔力回路が幾何学模様を青白い光と共に浮かび上がらせる)
        ブラッドオブフォビドゥンシー!!(生命力・魔力・精力・プラーナなどを吸い取る血色の魔方陣を10前後作り出し、展開する)
        (ブリキの兵たちを一気呵成に全滅させるという、シェイドの邪悪な思惑があった)
        -- オリアス
      • (展開された魔法陣にブリキ兵達が拘束されてゆく!それまで無機質だったブリキ人形達だが、その魔法陣の性質により僅かな変化が見えた……)
        シニ……タクナ……イ…… シニ……タクナ……イ……
        (付和雷同するかのように、全てのブリキ兵達が同じようにか細い断末魔をあげはじめた
        ベルメーユの作る人形には全て、繰り糸の魔女である彼女の犠牲となった人達の魂が宿っている
        既に「自分の言葉」を持たない彼らだが、その苦しみと無念だけは今でも残っており、ブラッドオブフォビドゥンシーもまた彼等を苦しめる
        顔も無ければ名前も無い人々の怨嗟の叫びが森に木霊し、オリアスの心にも響いてくるだろう……)

        あはははっ……♪ みんな、吸い尽くされちゃったの……お兄さん、すごい
        (パペット人形をはめた両手でぽむぽむと拍手する少女。不気味なほど暢気な様子だ)
        -- ベルメーユ
      • あ、ああああ………(ブラッドオブフォビドゥンシーは敵の全てを吸い尽くす能力、その苦しみの思念さえも)
        あぐぅ!!(頭を抱える)違う! 俺じゃない!! 俺は命令されただけなんだよぉ!!
        仕方なかったじゃないか!! 戦争だったんだ! 振り切れないものがいっぱいあって、それでも進まなきゃいけなかったんだよ!!
        殺すのがそんなに悪いことか……奪うのがそんなに悪いことか……なんでそんな目で俺を見るッ!!
        (大鎌を取り落として苦しむ)やめてくれ……(シェイドはさらに濃くなり、彼の知り合い―――幼馴染たちを形作る)

        『悪いに決まってるじゃん! オリアス兄さんはそんなことも気付けないのかよ!』
        『オリアスおじさん……殺された人はもう誰も許すことはできないんだよ…?』
        『オリアス。お前は眠れなくなったんじゃない。眠るのを拒んでるだけだ…だってお前、夢に見るもんな』
        『そうですよ……殺した人の悪夢をををををををををヲヲ』

        (心理的圧迫がさらにオリアスを苦しめる。その感情を佳味とばかりに吸い上げ、シェイドが喜ぶ)
        (ここが彼の地獄だ。現世こそが、彼を苦しめる牢獄なのだ)
        -- オリアス
      • ふふっ……もう私のことも、見えなくなっちゃってるの…? 可哀想なお兄さん……でも大丈夫。お兄さんは悪くないの
        (妖しくも慈愛に満ちた微笑を湛えて魔女は踊った、オリアスの周囲を。小さな足が描く軌跡が紫に輝き、魔法陣が完成する)
        さびしいさびしいお兄さん……私もお友達が壊れて、いっぱい悲しい……一緒だね…?
        寂しさの戦士(ゲリエ)さん、今夜は私が……寂しさの魔女(ソルシエール)が一緒に踊って差し上げるの……さぁ、私の手を取って……!
        (森が表情を変えていく! 木々は人間のように根の足と枝の手で動き始め、泥は沸き起こり苦悶の表情を作る
        周囲の全てがベルメーユの支配する人形となり、オリアスを取り囲んだ!)
        さぁ……ここにはもう貴方を責める人はいないの。お兄さんも私達のお友達になりましょう……?
        -- ベルメーユ
      • (そこで初めてベルメーユの意思を知った)
        (彼女は自分の破滅なんて望んでいない、むしろ自分を喜ばせようとしているだけだと)
        (それこそが底なしの邪悪、操り糸を手繰る魔女の恐怖)

        (周囲が自分を取り込もうとしてくる)
        (この穢れてしまった身も人形に変われば、また違った世界が見えるのだろうか)

        ……い……(指先が動いた)
        …嫌……だ………(シェイドを拒み、ベルメーユを拒絶し、そして死を嫌った)
        …俺は――――死ねない!!(シェイドのコントロールを逆に奪うほどの生への渇望)

        (オリアスという男が誰も彼も死んでしまう苛烈な戦場で生き残った理由、たった一つだけ優れている本能)
        (ノータイムでカイムの剣を取り出し)うおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!! 俺は、死なない!!!
        (剣を地面に突き刺すと、凄まじい衝撃波がさらなる悪夢へ誘う世界を拒んだ)
        -- オリアス
      • ヴォオオオオオオオオオオ……!!!!
        (オリアスに一番近寄っていた泥人形とウッドゴーレムが眩い衝撃波を受けて消し飛んだ!)
        ――っ!? お兄さん……どうして…?
        (分からない……分からないけどすごい。自分の想像通りじゃない……想像通りじゃないけど面白い)
        お兄さんは私と踊りたくないんだね……でも、私はもう少しだけ――踊りたいのっ……!
        (人形遣いが残った人形達をけしかける。その物量は数十体にも及ぶ……泥人形ウッドゴーレム達が濁流のように覆いかぶさってきた!)
        -- ベルメーユ
      • 俺は………(カイムの剣を構えて駆け出す)
        俺は!!(無数の泥人形を切り捨て、制御したシェイドから放つ闇でねじ伏せ)
        俺は!! お前を拒絶する!!(ウッドゴーレムを斬りつけ、また数に圧されて傷を受け、負傷し、それでも前に進んで居並ぶ敵を斬った)

        (戦場の舞い、愚か者たちの血の饗宴)
        -- オリアス
      • ………………ふぁ――
        (すごく長い時間だった気がする。気付けば有象無象のお友達は全てオリアスに斬り伏せられており、残ったのは自分と相手だけ……)
        お兄さん……私、とっても楽しかったよ……楽しませるつもり、だったのに…逆に、楽しませてもらっちゃったの…ありがとう♪
        (小さく拍手した後、深々と頭を下げた)
        私……お兄さんのこと、好きになっちゃった……また、遊んでほしいな…? ふふっ――


        (小さな笑い声が風にかき消されるように聞こえなくなると、周囲の森も元通りの景色に戻っていた
        足元の血の池も、臭う臓物も、転がっていたぬいぐるみも、転がっていた人形の生首も――
        全て、何もなかったかのように元通りだった……) -- ベルメーユ
      • (最後の一体を斬った後、片膝をつく)
        はぁ…………良い迷惑だぜ、ったく……
        (すぐに引っ込んだシェイドは文字通り影も形もない)
        俺は…
        生きるぞ………(ふらふらとベルメーユがいなくなった静寂の森を立ち去っていった) -- オリアス
  • 足首まで水没した闘技場
    • ごく普通の闘技場だが、浅く水に浸っている。
      リングの外はかなり深く水で満たされている。
      • 一番手っ! 勇者、ノア・マイアー!! いざ、尋常に勝負!!
        (グラムと呼んでいる特殊な金属製のバットを構えて)物理部魂ー!!
        -- ノア
      • (なんだか時代錯誤な子がでてきたぞ……という表情で後頭部を掻く)
        しっかし、いいのかい? こりゃ俺のホームグラウンドも同然の条件じゃねーか、元気なお嬢ちゃんよ
        槍の穂は鞘を被せておくが……手加減はできねーぜ?
        -- フェリー
      • ってなんだこれー!?(じゃば、と右足を水から抜いて)あーあ、革靴がぐちゃぐちゃだ。
        (今頃になって足元に気付いたのか、革靴を脱いで放り捨てて素足になり)
        いいよ、私だって手加減はできないから。私のバットは刃引きされてないよ!!
        タリスマンはいらない、打撃で勝負だ!(バットを首の裏に当てて両手で支え)名乗らないの?
        -- ノア
      • (分かった!こいつアホだ!! ←ノアに引けを取らないレベルのバカ)
        オーライ。血気盛んなのはいいが俺はクールにペースアップさせてもらうぜ――!!
        (右手に持つ白骨色のトライデント、それを問答無用で油断しているノアの正面へ向けて突き出す!!)
        これが俺なりの…フェルディナンド・ベルーチなりの(いくさ)の作法だ
        -- フェリー
      • !!(紙一重で鞘を被せられた穂先を回避する)
        オーケイ、フェルディナンド!!(持っているバットを大仰に構え)
        これが私の流儀だー!!(全力スイング、トライデントを打ち払う)
        (相手の手が痺れればチャンス、穂先がこちらから外れればラッキー、怯まなければその時はその時だ)
        -- ノア
      • 悪くねェ反応、ご機嫌な流儀(あいさつ)だッ――!!
        (三叉槍を弾かれながら歓喜に近い表情で左目を輝かせる。うだうだ言っていた割に戦闘が始まった途端気分は高揚
        結果的にノアに対して絶好のチャンスをプレゼントした形だが、むしろそれを愉しんでいる)
        -- フェリー
      • うおおお!!(ばしゃばしゃと足音を響かせながら接近)
        熱血!(バットを構えながら走る)純情!(完璧なタイミングでモーションに入る)ホームランスペシァル!!
        (スペシャルではなくスペシァル、ちょっと残念な言語センスを持つ彼女のフルスイングが青年の胴体を狙う)
        -- ノア
      • (仰け反った姿勢から前のめりになり、短く哄笑) クッハ!ド直球だなァ!!
        (完璧なタイミングではあるが、モーションは丸見え。そして水が足枷とならないフェリーにこの奇襲は一手足りない
        自ら予想外の機敏さで前進し、「完璧な」タイミングを崩す。脚を振り上げ、フルスイングの途中に膝蹴りで割り込む!
        膝には肥大化した鱗の盾(スクード・スカッリャ)! ボゴォ、と鈍い音を鳴らしてバットと激突した)
        結構好みのタイプだぜ!てめェ!!(※戦い方が)
        -- フェリー
      • 生憎と人妻だー!!(腰のバット、リジルを抜いてバット二刀流)
        (膝の鱗の盾に当てたままの右手のバットをそのままに左手のバットで頭部を殴りかかる)
        もらった!!(接近してしまえば足場の不利はそう関係ない、こちらのバットの扱いとバランスは完璧なのだから)
        -- ノア
      • (ボロッ…と使い捨ての鱗が剥がれる。本来は今の一撃に耐えられないが、ここは水場…限定的に強化されていた)
        なァに勘違いしてやがる? 俺だって愛する嫁の1人や2人〜〜〜〜ッ!!
        (左手に持つクォーターパイクを軽い水魔術で射出!アヴァンノットという技だが、これも当然強化されており
        発生が非常に早く射程も伸びた。ノアの2本目のバットを振り下ろす前に弾く!)
        -- フェリー
      • 二人!?(言うが早いか左手のバットは弾かれてしまい)
        (そのまま一歩後退り)ハ、アハハハ……これは完全に不利だなぁ…フェルディナンド、あんた強いよ…(じり、じりと後退り)
        グレート。(その瞳は爛々と燃えるように輝いて)そうじゃなきゃ、面白くない。
        見ろ!!(全身から白の極光が放たれる)これが勇者ノアの生命の力、その輝きだぁー!!(プラーナを全開にした)
        (プラーナは生命の輝き、人がこの世に存在する力、根源の能力)
        いくぞー!!(勇者ノアは水の上を走り出す)これがプラーナの応用だ!!(全力で両手のバットを左右から挟みこむように振った)
        -- ノア
      • そりゃどーも。恨むなら戦場を考えた宿主を恨んでくれ ――って、おいおいおい……
        (突然、極光を放ち輝き始めるノアを見て舌を巻く。初見で見た目に反して実力がある予感はしていたが
        フェリーにとって今のノアは期待以上の好敵手となった。次の瞬間には無意識に舌なめずりをやっているほどに……)
        このままガードしてやってもいいが――っ!!(屈伸、水に浸かるような急激な姿勢変化。そして)
        ぅオラァ!!!!
        (両槍の先から背後に向けて水弾、アクアブリットを放って加速! スライディングのような姿勢でバットの下を潜り足払い
        その速度のままノアの背後へ滑り抜け間合いを離す!)
        -- フェリー
      • (だがその動きをプラーナで意識を拡充させたノアは冷静に見ている)
        (足払いを受けながらも、流れに逆らわず空中で錐揉み回転)
        必殺……(そのまま空中で体を捩りながら力を溜め)エターナルブレイク・アロー!!
        (空中でバットを振り抜くと、プラーナを含んだ衝撃波が一直線にフェリーへ向かう)
        -- ノア
      • チッ……怯まず来るか。背後を見なくても大声出してるから分かる
        (微笑しながら右手の三叉槍を一旦小さな牙サイズに戻し右手を空ける。する事と言えば――)

        (そしてノアの衝撃波が炸裂し、水飛沫と水霧でフェリー周辺が包まれ姿が見えなくなる……)
        -- フェリー
      • やったか!?(水飛沫を前に猫のような柔軟性で水面に着地し)
        エターナルブレイク・アローには私のプラーナをつぎ込んであるんだ、これくらい……!?
        (相手の姿が見えなくなったことに警戒の色を浮かべて)……何かが、おかしい。
        -- ノア
      • (――霧が晴れたそこには、先ほどまで眼帯をしていた青年はいなかった
        代わりに、海竜のような右目をギラつかせ、ノアとは似ているようでまるで違う深淵の気配を纏う海魔が佇立していた)
        ふぃ〜……気分がいい。ありのままの自分を出しても構わねェってのは最高だなぁオイ
        (右手に握った眼帯を投げ捨て、代わりに白骨色のトライデントを再度出現させて握る
        この男が持つ「気」の性質は間違いなくノアと同じ生命力なのだが、決して輝きではない
        例えるなら海のような、果てしない「深さ」の気配だ……総ての命の原点でありながら総ての命を飲み込めもする「気」)
        待たせたな。これでようやく、アンタを愉しませてやれっぜ?
        (気分はきっと最高潮なのだろうが、不思議な落ち着きをもって静かにノアへと笑いかける)
        -- フェリー
      • ……グレート…(息を呑む、しかし気圧されはしない)
        戦闘に身を置く人間は、こういうのを、こんなピンチを待っている……そんな気がするよ………
        (両手のバットを捨てて、赤いバット『レーヴァテイン』を振り上げ)いくぞぉぉぉッッ!!
        (真っ直ぐに相手へ向かって走る、そして)断ッ!!(真っ向からバットを振り下ろす、シンプルにして強力な攻撃)
        -- ノア
      • ドゴォ!!
        (ノアの攻撃に対して何の構えもしないまま左肩に受け、リングの端まで吹っ飛ばされる――が)
        ……くくっ……かっハハハハハハハハハハッ!!!!
        (笑う、ただ笑う。生まれ落ちたばかりの赤子が泣かずに笑い始めたかのような気味の悪さで……
        フェリーの破れた衣服の下の左肩は、脱臼したかのように不自然な格好になっていた。見れば骨が折れているのがノアには見えるだろう
        ――そう。何故か、肌 が 透 け て 砕 け た 骨 が 見 え る)
        カハハハハハハハハッ!! いってーなァおい!最高だねぇ……戦いってヤツはよォ!!
        (パシャ!!とフェリーの左肩が水滴となって弾けた。そして逆回しの映像のように正常な形に戻っていく…)
        -- フェリー
      • !?(逆に当たったほうが驚くほどのクリーンヒットだった)
        (しかし)これは……どういうこと…!?(目を見張るほどの異常な光景)
        なるほど……本物の海魔ってわけだね………なら! 退治しちゃうよ!!
        (異様な光景に少し気勢を殺がれたが、戦闘不能なほどではない)
        (すぐに相手を追ってリング際へ)一撃でダメなら!!(連打連打連打、バットでの乱打が相手を襲う)
        -- ノア
      • 退治だぁ? おいおい連れねぇじゃねーか…折角本気出してんだ、もっと愉しむ感じで行こうや!!
        (一喝、瞬間フェリーの足元の水が湧き立って小さな竜を象る。それも次から次へと……
        その一つ一つが連打されるバットへと どどどどどどどどど…! と喰らいつき、弾いていく!)
        ドゥラゴーネ・ブランカータ……ってな! そぉらッ、今度はこっちの番だぜェ!?
        (腕を横に伸ばし、トライデントを明後日の方向へ向けるとその先から通常のドゥラゴーネを発射!
        うねりながら伸びる水竜がノアの無防備な横っ腹へ向けて顎門を開き襲い掛かる!)
        -- フェリー
      • ……!!(乱打を全て弾かれ)まだまだぁ!!(さらに気勢を張った後に)
        !!(腹部に水竜が喰らいつき、弾き飛ばす)ぐ、うう……!!
        (受けた傷をプラーナで賦活、強引に塞ぐことで出血はゼロにしたもののダメージは打ち消せない)
        無数の飛び道具なら、こっちだって!!(どこからともなく取り出した大量のボールを空中に放り投げる)
        ぜあぁぁぁぁ!!!(裂帛の気合と共にその全部を相手に向けて打つ)どうだぁ!!(その一発一発がプラーナを含んだ魔球)
        -- ノア
      • ボディがお留守だぜ、ってか! 注意力散漫なんだよ――っと!(数回飛び退いて間合いを計りノアの行動を推測する)
        ……ってまさか。んなアホな!? 滅茶苦茶だぜまったく!
        (しかしどこか楽しそうに下へ向けアクアブリットを放ち、勢いを利用しつつ跳躍。その際に生じた水飛沫はボールに対するヴェールとなる)
        くっ!!
        (水の防護膜でいくらか勢いは殺しているが、プラーナで強化された球はフェリーを掠めていきダメージを与える)
        だが、角度がキツくなってくれば投げ辛い筈だ! おらおらおらおらっ!!
        (ボールを受け血反吐を吐きながらも連続でアクアブリットを撃ち、上空へ上がっていく…角度は45°からほぼ90°へ、即ちノアの頭上!)
        セルペンテ! からの……直下型カジキ突き(イスティオーフォロ)!!
        (槍に魔水の水流を纏わせて、頭上からの強襲!)
        -- フェリー
      • 今度こそヒットォ!!(相手をボールが削ったのを見て、決して攻撃が無効化されているわけではないことを確認する)
        ……っ!?(そして真上から急襲する攻撃を回避し損ねて)うう……っ!!(肩口を切り裂かれながらも直撃だけは避ける)
        はぁ……はぁ…(首をコキコキと鳴らしながらも、既に傷を塞ぐ分のプラーナが残っていない)
        いーい感じに削れてきたかな………っと…(バットを八双に構える)悪いけどさ……私のプラーナがもう残り少ないんだ…
        決めさせてもらうよ。(真っ直ぐに相手を見据える眼光は鋭い)うわあああああああああああぁぁぁぁぁ!!!
        (水面を走っていたかと思うと、跳躍)これなら、どうだぁ!!(水面と空中とをランダムに足場にしながら多角的に相手に迫る)
        エターナル……ブレイクゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!(正真正銘の必殺技――真っ向からの超打撃振り下ろしがフェリーを襲う)
        -- ノア
      • (バガごッ!という着地…いや着弾音に近い轟音を響かせながら突いたのは水面の下のリング
        石畳を粉々に砕き、抉ったが肝心のターゲットはやり損ねたようだ)
        チッ、いい反応してやがる……ッぜ!
        (息が切れているのはこちらも同じ。受けた攻撃は言わずもがな、水弾で魔力を使いまくり、水面から離れた上空から渾身の一撃を放ったのだ
        リングを強打したせいで右腕は痺れ、水に浸かってゆっくり回復したいというのが本音――だが)
        ここで逃げるわけには……いかねぇよなァ……!
        (一方のノアも最後の力を振り絞ってなにやら跳び回っていたが、今の状態では眼…もしくは気配で追いかけるのは無理
        開き直って眼を閉じ、精神統一……三叉槍を両手で持って一文字に構える)

        ……ビバルベ・ディ・カテナチオ――ッ!

        (自分の全身を魔水のジェルで包み込む!先ほどまでの激しさとは打って変わって静謐な闘気が充満する!
        正面から迫る野獣の如き殴打一閃!それを柔らかいジェルが包むように受け――食い込む!勢いはまだ死んでいない!
        その次にノアの赤い魂塊を受け止めるのは白い槍。これが砕け、そこでフェリーを包む水球が割れて後方へ吹っ飛んだ!)
        -- フェリー
      • ヘヘッ、どうだぁ………(白い槍の破片を受けて)……っ
        い、痛い…ちゃんと痛いや……これは、本格的にプラーナが切れ………(しかしエターナルブレイクは不完全にしろ入った)
        (あとは相手より1秒でも長く立っているかどうかの勝負、つまり気合だ)
        -- ノア
      • (リング端まで吹っ飛ばされたフェリーは水面に大の字になって倒れた……だが、まだ意識は落ちていないようで)
        ぉ……お前、なァ……あんだけ跳び回っておきながら、痛てて……本当に、真っ向から来るか普通?
        (息を切らしながらだが、大の字のままそんなことを言う……致命打は受けていない
        もし正面で「嫉妬」力を持つトライデントが身代わりになっていてくれなかったら喋る余力は無かった)
        ……あれな、砕ける時にてめぇに嫉妬して力をほんの少し吸ったみてーだわ。ハハハ
        あー……あと10秒だ。あと10秒この姿勢で回復待ったら立てるぜ俺? トドメ刺しに来れるか?
        (もしこの場にレフェリーがいて、10カウントのルールがあったらもう負けたようなものだが――)
        こういう泥臭い……いや、水臭い?勝ち方もいいかもな! ハハハ!!
        (そう、挑発するように大笑いした!)
        -- フェリー
      • 上から来るかも? 左から来るかも? 右から来るかも……そう思わせて真正面、私の得意技だよ。
        10秒……(息を整える暇もない)待てる、かぁぁぁぁぁ!!!(残されたのは、気迫のみ)
        (4秒の時点で飛び出し、相手に向かって跳躍した)
        (今度こそ軽減のできないフィニッシュを)
        (確実に勝つ、その一手を!! 妄執にも似た勝利の道へ血液を爆発させた)
        (跳躍からのバットの振り下ろし、これで勝つ)
        -- ノア
      • (4……相手が駆け出す音が聞こえる。ノアから見えない角度でニィと口角を上げた
        5……右手から何かを水面の中へ伸ばす
        6……またも正直に突っ込んでくるケモノを捉えるためにニヤけた顔を上げる)
        だーかーらー……一直線ってのはァ――
        (7……右手から伸ばしたナニカがポジションにつく。そして8……!)
        分かってんだよォォォォォォォォ!!
        (水の中から、振り絞った魔力で作ったか細い水竜……いや、殆ど蛇レベルのそれが伸び、シュルシュルとノアの足に巻きつく!!)
        あとは飛び込んでくるのを――待つッ!!(左手のクォーターパイクをノアへ向けて構える!)
        -- フェリー
      • ……っ!!(足に絡みつく水蛇、そして真下で構えられているのは)フェルディナ……っ!!
        (次の瞬間、腹部を穂鞘で打たれ)
        (自重で受けたダメージにより、空気の塊を吐き出す)……なるほど、最後までクールだった、なぁ…(そして転がるように横に倒れた)
        (致命傷は避けられているものの、プラーナはゼロ、ダメージも多大で
        もう動くことはできないだろう) -- ノア
      • ハハハ、は……(乾いた笑いを漏らす) いんや、こんなのはクールじゃねーよ……
        ただの――
        馬鹿(フール)だ……(多大な疲労感により、そのまま安らかに眠るように……実際寝た
        本当は立ち上がる力は無く、飛び込んできた相手を迎撃するための大の字回復だったのだ……) -- フェリー
  • てすと
    • jun

Last-modified: 2016-05-04 Wed 02:46:38 JST (1389d)