叙事詩/汎用施設
- 黄金暦226年 某日
- " ウラスエダール・バルト山脈にて "
- 北方の地、ウラスエダールはこの時期になると白の世界に包まれる
俗に白銀の世界と呼ばれるもので、雪深く閉ざされることを想定してベレッタもアベルも率いる小隊も雪中行軍の装備で望んだ。 だが彼女たちを出迎えたのは……、硝子となった白の大地であった。 それは彼女たちがウラスエダールに入る少し前のこと、ウラスエダールは帝国に降り調停式を結ぼうとしていた。 だが連合側はこれを許さず、連邦首都にドラゴンの卵を投下するという暴挙に出た。 誇り高き竜はこれに憤慨、現れた赤竜はウラスエダールと呼ばれた国を焼き尽くした。 その光景は今でも覚えている。山が砕け、大地が割れ、人々の悲鳴が空が飲まれていった。 小隊は足止めを余儀なくされ、予定していたルートを変えて…ベレッタとアベルの約束の場所であるバルト山脈入りを果たした。 だが… 「……まったく、これじゃ山脈じゃなくて丘陵だよ」 バルト山脈もこの竜害に遭い、脆く崩れやすくなっていた岩肌はのきなみ崩れて硝子の柱となり 起伏の乏しい硝子の丘陵となったバルト山脈が広がっていた -- ベレッタ
- 何ともまぁ、見晴らしが良くなったもんだね(気楽な声で返すのは女であった)
(帝国の服ではなく、汚れた古い冒険者の装備 続く男達も旅人然とした服装である 20に満たないその一団) 足元は砕けた砂と硝子 風景は白透明 戦争すら出来ない不毛の土地だねえ… 土や木々が無いからか、酷く空気も乾いてる ベレッタちゃん、水、買い貯めて置いて良かったね… (照り返す太陽の眩しさに目を細めながら、目深に被ったフードを少し押し上げる)方角はこっちであってる?暫く着てないし、地形も変わったから不安なんだけど -- アベル
- 「悪いけどここまで地形が変わったらボクに聞かれても困るよ
…あ。そこ、君。足下危ない」 アベルの小隊の一人が動こうとすると、ベレッタが手をかざしてそれを制止する。 地面を踏もうとしていた足は宙空でピタッと止まって、 それを横へとスライドさせると足の裏で踏もうとしていた場所にはささくれた硝子の針があった 「岩の欠片が飛んできて溶けたときに地面と結着したんだろうね まるで東方見聞録にでてくる地獄、針の山だね…」 やれやれと頭を押さえれば曇天の空が見え、少しづつだが灰色の雪が降りつつあった。 -- ベレッタ
- ですよねー…座標と歩数…気が遠くなる(フード越しに頭を掻く)谷底だってのがあるから、まだ探す目星はつくけども……
うん?(止めるベレッタ、止まる男 見れば、止めなかった場合の惨状が容易にイメージできた) うへぇ……東の奴等は、悪いことしたらこんなトコに来るのか そりゃあ道徳教義が発達するわけだよ……帰ったら将軍に聞いてみるかな っと ……雪か まいったな(顔を顰める)ビバーグしようにも、って感じだな……積もって滑りやすくなる前に、もう少し低くて広い場所を探して、天幕を張るかい? まったく、何もない代わりに、敵もそうそう居ないってのが有難いね これっ位しか、良い事探しが出来ないけどさ(肩をすくめて提案した) -- アベル
- 「目印が残っていれば見つけることはできるかもしれないけど…」
とはいえ、バルト山脈の面影すら消し去ってしまった竜害の前にあの目印が残っているとは思えない。 「ここらを根城にしていた亜人もみんな死んじゃっただろうからね」 だが北方の地ということもあり、本格的に降り出す前にテントは張りたい。 「できるだけ風の影響を受けないところに作ろう。あと、飛んできた破片も怖いから仕寄は作っておいた方がいいかも」 -- ベレッタ
- まったく、溶かしも溶かしたり山三千畳 絶景かな絶景かなってね(くしゃみをする)風景見てるだけで身体の芯が冷えてくるよ
せめて、山の形くらい残ってりゃねえ……っと、あいよ それじゃあ、丘を下ろう 下りすぎると雪滑りがおきた時に埋まっちゃうから、中腹辺りに ああ、それぞれ折り畳める盾は持って来てるからね 天幕の壁代わりにはなるよ(な、と水を向ければ、男たちは背負った板を見せた) (女二人の旅についてきた男たちは、二人によく従った その様子は、奴兵とその長と言うだけでなく、家族のような様子すら見える) (中腹の台地、片側が切り立った崖に似た急斜面に立っている場所 一同はそこを一時の休息に使う事にした 指示を出してから、毛布を床に敷く)疲れたろう 大丈夫、ベレッタちゃん? -- アベル
- アベルの好意に甘えて敷かれた毛布の上に腰を下ろす
「雪崩れならいいんだけどね。まだこの辺りでも…」 ベレッタが口を開いたと同時、丘を越え山となっている向こうで身を揺らす地響きが聞こえてくる 「竜害のせいで地盤も非常に脆くなってるからね」 心配ごとが尽きないよと皮肉混じりに言うも、その視線は伏せられ手が僅かながらに震えていた。 「…ねえアベル。本当にまだ帝国側につくの…」 -- ベレッタ
- (揺れる大地は、まるで竜の無念を蓄えているように身震いをする 皆膝をついて揺れを堪え、また天幕を張り始める)
薄氷を踏むって言う言葉はあるけど、こっちは薄硝子を踏んでるわけだからね 否、ある意味、硝子の塊だから逆に強いか?ひひひ (盾を広げて壁にして、切り立った壁に寄り添うようにしていくつも小さな陣を張った 班に分かれ、調理、休憩、見張り、それぞれの仕事を始める) (他のよりも一回り大きな天幕の中、震える声を聞く)……ん、そうだな まだ、暫くあっちに居る事になる まだ戦争は終わらないし、それどころか、もっともっと、激しい物になる だから、まだ離れられないな ……ベレッタちゃん、不安かい? -- アベル
- 「ボクは怖いよ。…だってご覧よ、国一つが文字通りに消えたんだ。
ボクはこの戦争が痛み分けで終わるとは言ったけど……」 アベルの手を握る。平静を装っていたベレッタが震えるほどに畏れている。それが甲を通じてアベルには伝わった。 「このまま続けばまたどこかの国が滅びるかもしれない。 ……それこそ西ローディアやアルメナだけじゃない、帝国に併合された東ローディア地区だって報復でやり返されるかもしれないんだ。 ボクは君みたいに兵士じゃないから割り切ることはできない。だから怖いんだよ…」 -- ベレッタ
- (重ねた手 戦いを本分として選んだ自分よりも、小さくて柔らかな手 女の子の手だなぁ、と思ってから、そんな事を考えた自分に苦笑した)
戦争が起こったら、禍根を全て平らげない限りは終わらない 西が勝っても、東が勝っても、痛み分けでも どっかで血は流れるし、どっかで人は死ぬ 一回戦いが始まったら、ずっとそんな感じだ でも、俺だって別に、こわくないわけじゃないんだぜ?(その手に手を重ね、ポンポンと叩く その手を握れば、)今は、ベレッタちゃんがこわがってるから、何とか平気だけど 一人で寝る時や、行軍のふとした時 それに、この硝子の風景に入り込んでから 気を緩めると……(目を閉じる 眉間に皺が刻まれれば、ベレッタと同じか、それ以上に震える手があった 苦笑 奥歯が鳴る) 割り切ってても、怖いもんは怖いんだ ……でも、ね、ベレッタちゃん(ぎゅう、と強く手を握れば、次第に自分の手の震えは収まる ベレッタよりも固くて、厚い手)それでも、俺は逃げは打てないんだ 打たないんだ -- アベル
- 「ここに来るまでにウラスエダールの滅亡に巻き込まれた村とか見ちゃってさ…。ずっと思ってたんだ」
どんなに気丈に振る舞っても忘れられない光景… 人々の苦痛が地面への影となって転写された焼死の博物館を目にすれば誰もが気を病む その苦悩をアベルに打ち解けたのは彼女への信頼があってこそか。それとも… 「…君は凄いよ。怖いと分かっていてもそれを押し止めて覚悟を決めるんだから それが上に立つ者の示しなのかな?ふふ」 アベルに手を握られたことで安堵を得たのかベレッタの震えも収まる 「…ねえ、アベル。もしだけどさ、もしさ…君が良ければ……」 と、言いかけたところで外が騒がしい。声からすればアベルの部下が何かを叫んでるようだ -- ベレッタ
- ベレッタちゃんは、それで良い ……友達の皆がみんな、戦争に慣れたら、俺は、きっともう、普通の感覚は忘れてしまうから(弱音を吐く少女に、優しく女は微笑む)
(重ねる手に指を結び、掌を合わせて握り合う)君の手の震えが、俺を元の世界に呼び戻す 大丈夫、絶対に俺が守ってあげる 君の為に、俺自身の為に(目を見て言えば、クスンと笑い返す) 凄かないさ 意地っぱりなだけ それに、俺は力を手に入れて、必ずやらなきゃいけない事があるから ……うん?なんだい、ベレッタちゃん?(顔を近づけ、言いかける声を拾おうとしたところで) どうした!(立ち上がる 遅れて手を離せば、そのままで、と手で制して天幕から顔を出す)何があった!(既に手には剣 ベレッタが気付かぬほど自然に其れを握っていた) -- アベル
- 部下が呼びに来るよりも早くアベルは外へと出て、ベレッタはテントの隙間から様子を伺っている。
アベルの部下は周囲の索敵中に大変なものを見つけたといって彼女を連れて行く 部下は谷であった場所を歩き、足場となる場所を慎重に選んで降りて行く 谷底だった場所は殆どがくずれた土砂によって埋まっていたが、部下の指し示した一点に土砂とは異なるものがあった。 そこには一匹の竜、その死骸が横たわっていた。 -- ベレッタ
- 大変な物?大変な物では判らんぞヘクトー、報告は明確にしなさい(渋面を作って見せるが、しかし、敵に襲われた類の報告ではないようすなので息を吐く)
ベレッタちゃん、おいで 残っているよりも、一緒のほうが怖くない(剣を納めて片手を差し出せば、手を握ってゆっくりと降りていく) (そして、谷底につくころには、その異物の正体をはっきりと認識していた)……こりゃあ、大変な物だ(目を丸くすれば、)……息は?この大きさでも、生きていれば脅威だぞ -- アベル
- アベルに手を取られて降りた場所、そこから見下ろす位置には既に死んでいると思われる竜がいた
「…もし生きてたらボクたちの命はないと思うね」 どうする?と、アベルの顔を見上げて指示を請う -- ベレッタ
- ……竜の逆鱗を見つけ、其れを剥いでくれ(その指示に目を丸くする兵に、苦笑し)別に陵辱しようってんじゃない
竜の魂は逆鱗に宿ると聞く なら、それ位は手を加えずに弔っても良いだろう 土もある 竜の葬式は知らないけど、埋めてやるくらいはしてやろう (指示を出してから、ベレッタに視線をやり)残りの遺骸はー……どう、此処で剥ぎ取っていけると思う?土産は多いほうが良いと思うけど -- アベル
- 「君って普段はぞんざいだけど、竜にも敬意を払うところを見るのはちょっと意外だったかな」
ウラスエダールが滅びたことで竜鱗の素材も希少となるだろう。そのことを省みて自分の取り分も… …と言おうとしたところでベレッタが何かに気付く。竜の市街、その下に潰れた木製の破片なようなものが見える 「……?」 -- ベレッタ
- 死んじまえば、何だって罪はないさ(表情を隠す長い髪 顔を挙げれば、軽い笑み)それに、竜のゴーストなんて出てこられたら、どう倒せば良いやら!祟られないのが一番さ
(冗談めかして言い、ウィンクひとつ そして、竜のうろこの硬さに苦労する男たちに声を向けようとして) ? どうしたんだいベレッタちゃん 何か見つけた?(一緒になってそっちを見れば)…木片?こんなところにー…… …… あれ、えっと(何か引っかかって眉を寄せれば、自分たちが降りてきた場所を見上げ)……ここ、谷底ー…かな? -- アベル
- ベレッタもアベルと同様に首を傾げていたが、ある事が頭を過ぎった瞬間にハッとなって顔をあげた
「…違う、そうじゃない。アベル!思い出して、僕たちが何を目印にしたか!」 -- ベレッタ
- ……馬車の残骸?あ(あ、と口を開けて 改めて足元を見た) -- アベル
- 足下の谷底で横たわる竜の死骸、アベルと共に顔を見合わせて…
「とにかくあの竜を一旦脇に避けないと…。アベル、人を集められる?」 -- ベレッタ
- 脇にどかすっても、結構重労働だな あいよ、呼んでくる(頷いてから、一端指揮を任せて斜面を身軽に登っていく)
(少しすれば、数人を上に残して男手が揃う)ドラゴンステーキでもして、少し容積減らす? (そんな冗談を言いながら、ロープを死骸にかけて、男手に引っ張って動かさせようとする) -- アベル
- 竜は死骸となってもその威風堂々たる姿は崩れず、まるで巨岩のようにそこに居座っていた
ロープをかけて数人掛かりで動かそうとしてもその巨体は起き上がらない 横腹に木杭を挟んで持ち上げるテコの原理も駆使して撤去作業に乗り出す 悪戦苦闘しながらも竜の巨体が脇へと転がされ、その腹の下にあったものが晒される。 薄汚れてはいたがアベルとベレッタが目印にした、始まりとなった馬車の残骸が潰れていた。 -- ベレッタ
- (結局、男でも女でも総動員して、全員がへとへとになったころ、やっとごろりと巨体が動いた 歓声を挙げようとして、雪崩の脅威を思い出して口を閉じる一同)
これだ……もしかして、この竜の死骸のおかげで、硝子化を免れた、とか?……(目を丸くしながら馬車の残骸をどかし、其処を掘る 普通の土だ、掘れた) ……あった!(声を挙げて、引きずり出す袋 開ければ、加工済みの竜の武具 そして、袋を引き抜いたその奥にも、まだいくつかの袋があった 見る物が見れば、それが1財産をこえる価値があるものだと判る) -- アベル
- 「これだけ大規模な竜害だから他の竜も巻き添えを食ってもおかしくはないけど…」
一緒に撤去作業に加わったが、あっという間に体からは湯気が出て息も切れ切れに近くの岩へと腰をかけていた。 「こんな話を知ってるかい? 竜は死しても魂が結晶となって残るって…」 掘り出された袋の一つからこぼれた赤の珠、退かされた竜の死骸へと寄り添うように転がる。 「憐憫か肉親の情か…。ともかくこの竜は同属の匂いをここに感じて崩れる土砂から身を挺して守った…とかさ」 その言葉にアベルを含めた全員が竜と竜珠を見る。もう何も物言えぬ姿だが、お互いが寄り添い静かに語り合ってるようにも見える。 「…なんて。ボクが今考えた話だけどさ、こんな理由があったらいいとは思わないかい?」 -- ベレッタ
- …そんな事言われたら、持って行き難くなるな(片眉をあげてからかいながらも、目は優しく 転がった珠を拾い上げ、そっと死骸に抱かせた)
でも、俺達よりも長く生きて、強いドラゴンだ そう言う事をしてもおかしくないな ……ごめんな、戦争に巻き込んで (帝国、西方連合の兵であれば恐怖の象徴でしかないドラゴンにそっと手を触れ、小さく謝る) (そんな様子を見れば、男達は姿勢を正し、帝国でも西方でもない敬礼をして見せた 貴人の葬列に参列したように 女が手を離せば、それに従うように敬礼をやめる男たち) ベレッタちゃん、持っていけるかい? -- アベル
- 「あくまでも、例えの話だよ。傷付いた竜がここにたまたまここに落ちただけかもしれない
…ただ事実として、ここに竜がいたお陰でボクたちはこの場所を見つけられたという結果だけ」 ベレッタは敬礼には加わらず、アベル以下数名の敬礼をただじっと見ていた。 「…やだなあ。今回はアベルへの貸しを返して貰うんだよ」 ボクの取り分も含めて今度はアベル達に持って貰うよと、竜の死骸も指差して。 -- ベレッタ
- ふ、ははっ そうだね、俺はまず、恩を返さないとだ
(笑い返し、指示を出す まずは馬車の残骸を掘り返して、武具を) それから、少し時間はかかるがこの竜を運び出す 手順を守り、必ず全部運び出すぞ! ……でも、その前にー……(見上げる空は灰色で べれったに視線をやれば)少し休むか 雪降る中じゃあ危なすぎる -- アベル
- 「山の天候は変わりやすいし、…今のここじゃ天候がどうなるか分からない」
竜害は天候をも左右し、事によっては大きく吹雪いてしまう可能性も視野に入れていた。 竜の遺骸は彼女と彼らに大いなる恩恵をもたらした。 竜は鱗だけでなくあらゆる部位が珍重され、牙や骨は強固な武器として生まれ変わり、その筋は束ねて糸となり弓などの弦として使われる。 幸いなことに極寒の環境のお陰で肉に腐敗は見られず、その肉もまた滋養に効くとしてありがたく重用された。 一日かけて竜を解体し、埋めていた竜具をもって彼女たちは下山を始めた。 意外なことにベレッタは自分の取り分を3とし、 「見ての通り、あのドラゴンブレスにも耐えた竜鱗だよ。これで生きて帰らなかったら……、その時は君の上司にでも賠償を要求するかな」 …と、いってアベルたちに竜鱗などの装備を殆ど渡してしまった。 折角の商売を不意にしたって社長に怒られるけど、君の為ならそれでもいいさ…と こうしてベレッタとアベルの二度目の旅は終わりを告げた────── -- ベレッタ
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- 黄金暦223年 3月某日
- " ウラスエダール・バルト山脈にて "
- 北方で甚大な被害をもたらした北方震災、竜害によってもたらされたこの地震は各地に大きな影響を及ぼした
ウラスエダール山脈回廊の一つがこの地震で崩れ、流通・交易の大きな妨げとなった。 ゆえに旅人は遠回りの迂回を余儀なくされ、ここにも一人。通常のルートから大きく外れて歩く旅人がいた……
「参るよね…。震災で通常の山脈街道が使えなくなってさ ……道中に立ち寄った村で聞いた迂回路がこんなにも酷いなんて想像してなかったよ………」 岩山の合間を縫うように開かれた山脈道、そこにはストックに深く身を預けるよう腰を沈めて歩く少女の姿があった。 -- ベレッタ
- (其処は既に幾年も人に使われていない道であった 既に道とも呼べない 崖や谷底を羽のない虫のように渡らざるを得ない)
(野生の動物すら忌避するようなベレッタの道 迂回路が崩れてしまっていて、さらに迂回、今は谷底の道) (そこで気付くだろう 踏み出したそこを見回せば、土塊や岩が転がる中に、木片 馬の死骸) -- アベル
- 迂回に次ぐ迂回、未だ雪の残る北方の山々で歩ける道を探すのは苦難を極めた
必然的に歩ける道を探せば地形が平坦になる谷底へと誘われた そこで彼女はあることに気付く。最初は腐臭、次いで馬車の残骸と渇いた血痕の跡… 「………先客の末路だろうか」 いずれにせよ見て見ぬ振りという選択肢も出来たが、見てしまったからにはこのまま進んでも寝覚めが悪い。 転落したであろう馬車を目指して彼女は岩の合間を下る。 -- ベレッタ
- (死んでいた 春先の湿った空気も相まってか、腐敗の様子もある しかし、見ると存外に新しい 3,4日と経っていない様だ)
(岩間を下れば、途中で御者の上半身が見つかる 下半身は結局、その後も見つからなかった 何故か) …っ!……!(其れは、之だ 岩の上から見た、更に谷の底 其処に崩れかけた馬車があった そして、その上に人の姿 剣を握っている) …っの、来るんじゃねえっ!(弱っているが鋭い声 向けられる先には、一頭のゴブリン 馬車の周りには既に事切れたゴブリンが2頭) -- アベル
- 事切れた人間に対して十字を切って祈りを捧げ、凄惨ともいえるその光景に思わず眉を顰めた
「上から落ちてきたときにどこかで体をぶつけたんだろうか……?」 上を見上げるも遙か頭上は霧で閉ざされ、それを伺う術は無かった。 すると声が聞こえ、まさかと思い声の出た方向。眼下へと目を向ける。 そこにはゴブリンと対峙する生存者の姿があった。 「一難去ってまた一難……か」 -- ベレッタ
- (剣には血がこびり付き、マントも赤汚れていた 商人の鑑定眼が見る 武器も防具もボロボロで、振るっている剣士も……)
まだ、まだだっ 此処で、死んで溜まるか……っ!来いよゴブリン!武器なんか捨ててかかって来い!(片手で切りつける しかし、其れを受け止められてしまう) (そのままゴブリンが馬車に上がり、力任せに剣士を押さえつける!助けるか、否か、その逡巡が頭を掠めたベレッタの目に、ゴブリンの背が無防備に晒される) -- アベル
- 今ならば奇襲として仕掛ける事も出来るだろう。だがベレッタの頭を不安の文字が過ぎる。
護身用の魔術符は持っているが威力の加減は効かず、このまま撃てばあの生存者も巻き込んでしまう。 だがこのまま見過ごしてしまえばあの剣士はゴブリンの手で………。 短い自問の時間、下された決断は…… 「やああああああああ!」 やぶれかぶれの突撃、後ろからゴブリンに向けて手にしていたストックを振りかぶって殴りかかる。 -- ベレッタ
- (怪我や空腹で、腕に力が篭らない ああ、畜生!そう声を挙げた瞬間だった ふと、腕が楽になる)
(遅れて、どろりとした物が顔にかかった 全身の力を込めたベレッタの一撃が、ゴブリンの頭を砕いた 中身が、呆然とする剣士の顔を汚す) え、あ……え?(状況を理解しきれないまま、とりあえず、一撃で動かなくなったゴブリンの死骸を蹴って退けた)人の声?だ、誰!? -- アベル
- がむしゃらに叩きつけたストックはゴブリンの頭蓋を砕くが、同時に身をしならせたわんだストックが砕き折れてしまった。
突然の出来事に目を見開く剣士、ゴブリンの身が横へと倒れればそこには防寒着であるフードを目深に被った者がいた。 慣れないことをしたとして息は乱れ、白い吐息が短い間隔で吐き出されている。 「ふう…。君、生きてる?」 -- ベレッタ
- ……えーっと、女神様?じゃあやっぱり俺死んだ?(赤汚れた顔で絶望顔) -- アベル
- 息苦しさを感じていたフードをおろすと、まだ少女ともいえる童顔の女神がそこにはいた。
「君が死んでいるとなるとボクが困る。まだ死後の世界に行くには早いからね ……それで思わず手を出しちゃったけど、良かったのかな。これ?」 ゴブリンの身が脊髄反射でまだ跳ねている。絶望顔のアベルに向けて、「立てる?」と手を差しのばせば -- ベレッタ
- って、女神じゃなくて天使様?はぁ、こりゃあ後々美人名女神様になるや……(まじまじと眺めて)
ん、良かったもなにも、やってくれなきゃ俺が殺されてた!有難うお嬢さん!本当に助かったよ! (そこでやっと気を取り直した様子で、にっと笑って見せた 口元からギザっ歯が覗く)いやー、護衛してたら地震で転落しちまってさ! 馬車の幌をクッションにして何とか助かったけど、足を捻ったり、身体を打ち付けちまったりでさ……(其処にゴブリン3頭だったらしく)いやー、逃げれもせずに死ぬかと思った 俺はアベル かわいい天使さんのお名前は?(顔を袖で拭いながら尋ねる)あと、食料ないかな…荷物は他の馬車に乗せてて、手持ちはすっからかんだったんだよ…… -- アベル
- 「…そのわりには元気だね」
対比として見ても怪我人であるアベルの方がよく喋っていた。 馬の死骸を見れば数日は経っている筈なのにと苦笑いをついしてしまう。 「ボクはベレッタ。生憎だけど山越えするから荷物は必要最低限のものしか持ってないんだ」 ひとまず散らばっていた馬車の残骸、木片を拾い上げると適度な長さに折り曲げて加工し、 応急手当の添え木として挫いたアベルの足へとあてがおうとする。 -- ベレッタ
- 空元気だよ 助けて貰った上に、助けてくれたのは可愛らしい女の子一人 へたってたら見っとも無いだろう?
携帯食料も水も、昨日底をついちゃってね……って、ん、ありがと、ベレッタちゃん(応急処置に素直に感謝) しかし、参ったな あと少しで裏道を抜けるのに(眉を寄せた 馬車の上の荷にもたれる)お嬢さん、こんな場所に何の用? 今更、命が惜しければ金をだしな!とか無しね 素寒貧だから、之を金に換えないと、俺は(布に包まれた荷を叩く) -- アベル
- 「ここでサバイバルをしていた君は知らないだろうけど、あの地震でめぼしい山間道が崩れてしまったんだ。
だから迂回路であるここに来て、谷底で襲われてた君を見つけたんだけど……」 荷の腹を叩くアベルの姿を見れば、「なるほどね……だけどその荷はどうやって運ぶんだい?」 まさか足を挫いた君が背負うのかいと、わざとらしく咳払いをして。 -- ベレッタ
- マジで!?まぁ、確かにデカかったしなぁ……よく俺死ななかったな……(ぞくり……)
あー、いやー……其れの、事なんだけどさ 俺の荷物じゃないけど、どうやら、もう持ち主も死んじまったみたいだからさ 山分けする? 俺の助け賃と、あと、この荷物を運び賃として(そう言ってめくって見せた その下には、きっと、ベレッタが見たことがないような物があった 竜製品) -- アベル
- ざわ……
ざわ…… ざわ…… その時、ベレッタ嬢に電流走る ───
「き、君……」 思わず息を飲む。その希少価値から取引の数は少ないが、紛れもなくウラスエダール制の竜製品であることが分かる。 竜はこの地方では天災として扱われ、先日の地震も竜によって引き起こされたものだ。 だが時として竜は人間に恩恵をもたらし、その鱗や骨は一部の好事家や職人によって高額で取引される。 「これを山分けで手を打とうとする君は価値が本当に分かってるのかな……? 運賃込みで6:4で手を打つよ」 -- ベレッタ
- 判っちゃ居るが、ここで君にそっぽ向かれたら運べないし、運べたとしてもー……(目の色が変わるのを見れば、にやりと笑う)
君みたいな商人が居ないと、さばくルートもない 宝の持ち腐れになっちまうからね どう?悪い取引じゃないと思うけどー…… (手馴れた交渉 もちろん、此処で切りかかられても、何とか撃退できるという力量を見極めた上でだが) それに、地震で山道埋まったんだろう?此処で之を手に入れておけば、少しあとの竜製品値段の高騰の時に……な? (そして、商談は成立した)よっしゃ!そんじゃあ、一路西ローディアへ!全部は持っていけないから、とりあえず此処に隠して置くとして 持って行きやすい物を持っていこう 竜玉とかさ(それと、と布を外して、取る物)俺はそれに、竜骨の剣と、胸当て -- アベル
- 商談がまとまると二人は示し合わせたかのように行動を始めた。
荷物を選別して持ち出せる物のみを背負い、 持ち出せないようなものは岩場の影へと置き、その上に馬車の残骸を蓋代わりに被せて隠してしまう。 最後に荷の主の亡骸を丁重に葬り、車輪で作った墓標を二人の隠し場所の目印としてしまう。
かくして二人の西ローディアを目指した旅が始まるのであった。 -- ベレッタ
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- てすとなう --
- なうなうなう -- アベル
- ということで始めてみたなうなう -- ベレッタ
- さっそく落下地点に到達してもらうなう -- アベル
- あと、ウラスエ→西ローディアに流れようと思ってるけど、そちらは? -- アベル
- まだ決めてなかったんだよね。傷の癒えてないアベルさんと一緒に行くのも面白そうだけど
(戦闘要員じゃないので、どうしようかと悩んでる商人の図) -- ベレッタ
- そこらへんの話も込みで進めてみよう -- アベル
- (ゴブリンの顔が自動的にベネットになってしまい笑いを堪える) -- ベレッタ
- 二人とも多分、悪い笑顔 -- アベル
- 死んじゃうツモする鷲巣様みたいな顔してるよボク
とりあえず次のボクの発言で切り上げるとして…… アベルさんは西ローディアで何か予定はあるのかな? -- ベレッタ
- イルカが攻めて来るぞ!じゃなくて、帝国が攻めて来るぞ!ってなったところで、
友達が多いローディアに傭兵として参加する予定ですよ 詳しくは俺の名簿のメタスペースの最初の方で -- アベル
- ボクは戦争には参加できないから西ローディアでお別れになるかな?
とりあえずまた何かあれば誘うかもしれないけど、今夜は付き合って貰ってありがとうね -- ベレッタ
- 戦に参加しないでも、街で見かけたら声を掛けた!とかでも!
あと、宜しければそのうち、商人のつてを使って色々頼みごとをしたりしたいです -- アベル
- そしてなにより、こちらこそ、遊びに誘ってくれてありがとうございます うれしかったです! -- アベル
- ボクもそうやってみんなと関わっていけるなら何よりだよ (はにかんだ笑みを掌で隠して)
お互いに幸ある結果に繋がって何よりだよ。またこうやって遊べることを期待して… それじゃおやすみなさい… (すぅーすぅー) -- ベレッタ
- ベレッタちゃんかわいい!儲け話を横流ししてあげたい!おやすみなさーい! -- アベル
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- 硝子の平原で想像するのが、不思議の海のナディアでアトランティス跡地だね (溶けた地形を見ながら) -- ベレッタ
- ナディアは見た覚えはあるけど内容が全然思い出せないわ……私はまんま上のサムネイルのイメージだったけど -- アベル
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