芸舞場 †
- 修復された観客席
- (瓦礫の中でたたずみ、じっと舞台を眺めている) -- 旋風
- (急ピッチの修復に感嘆の表情の忍び) -- 旋風
- (忍びのけつを触る酔っ払い)
- !?(不意打ちにびくりと跳ねた…振り返り酔っ払いを見る)
- (狸寝入りする) -- 酔っ払い?
- (客席の隅に佇む影)
- (狸寝入りに口を尖らせながら、視線は現れた人影へ) -- 旋風
- やぁ、君はいつも此処で見ますね。戦うのが好きなのですか?(男とも女ともつかない中性的な声で喋る。気配が異様に薄い)
- 今日和であります、どうなのでありましょうな…。
元々鍛練のつもりでありましたが…嫌いではないのではありましょうが -- 旋風
- ほほう、鍛錬ですか……しかし、一体何の為に? 故郷での評価を覆す為ですか?(クスクスと笑う)
- そうでありますな…それも以前はあったでありますが。(一瞬おや?っという表情を浮かべた)
弱さ故に肝心な場面で向き合えない、それが恐いのでありましょう。 -- 旋風
- ふむふむなるほどね……今も強くなりたいと思っているのですか?
- 拙者は弱いでありますからな……せめてそう思い続けなければ、断折れましょう -- 旋風
- ふふふ……なら、力の獲得に興味がある……と、解釈してよろしいかな?(影が色濃くなる)
- ……うーむ。強いて言うならそうなる、のでありましょうか…(突如増した圧力に気圧されながら) -- 旋風
- よろしい……ならば、力を与えましょう……何者をも飲み込む力を……くくくくく……!(影が溶け出し、まるで軟体生物のように旋風に飛びかかってくる!)
- 何を…っ!?(慌てて身を引き、後方へと跳ぶが座席に引っかかり転倒) -- 旋風
- (コールタールのような粘液と化した影が転倒した旋風に襲い掛かる)
- うわー!?(たまたま間にいて影に飲み込まれる) -- 酔っ払い?
- 一体…!(体勢を立て直し、飛びずさるが間に合わず片足が呑まれる) -- 旋風
- みゃー?(さらに飲み込まれる) -- ぬこ?
- 俺も飛び込むぞこやすー! -- よっぱらい?
- 地球が駄目になるかならないかなんだ、やってみる価値ありますぜ!(一名追加) -- 観客?
- 力が欲しいのでしょう? なら拒むことはないではないですか……さぁ、身を委ねなさい……くくくく……
- 俺に力をよこせ! -- 酔客?
- 大丈夫でありますか!……くっ!(飲まれた面々に声をかけるが、思考が混濁してくる) -- 旋風
- 寒さ厳しい芸舞場
- (ロープに弾かれて客席から転がり落ちた) -- 旋風
- (旋風を追いかけてズルズルと這い寄る影)
力が欲しいのでしょう? ……なら拒む事はないはず……さぁ、身を委ねなさい……くくく……
- いや、なんというか……その、胡散臭いというでありますか。
(落下の際に足を痛めたか、苦痛の表情で後ずさる。壁際に追い詰められる忍び) -- 旋風
- なら、君は力を望まないのかい?(すぐ横で誰かが囁く)
- !(ぎょっとして思わず振り向く) -- 旋風
- (振り向くと、すぐ目前には真っ黒な影)
どうなんだい? 力が欲しいなら君に力を与えよう。拒むというならそれもいいだろう。さぁ……選ぶといい……(気付けば粘性の影は旋風の周りを囲んでいた)
- 強さ……力。(詞とは反比例するように目線に力が衰えていく)
……。(微かに、だが確かにコクリと頷いた) -- 旋風
- くくく……正直でよろしい……闇は力を望むものを拒まない(粘性の影が疾風の身体を包み込み、徐々に身体へと染み込んでいく)
- ……。(虚ろな目で影を見つめる)
(抵抗する気力すら起きないのか、徐々に呑み込まれて堕ちていく……) -- 旋風
- (影はすっかり旋風の身体へと染み込み、旋風の身体から瘴気が漏れ出す)
くくく……汝には影を操る力を与えた……さぁ、思うさま力を振るえ……欲望の赴くままに力を……恐怖を振りまくがいい…… -- 渦巻く闇
- ……。(よろりと揺らめき、両膝を付く…その様は王に頭をたれるようだ) -- 旋風
112.2 †
百合の館 †
- (切り刻まれた花の残骸が散らばっている)
- 花が…。何があったの…? 何か嫌な予感がするわ… -- カナメちゃん
- なんだこりゃ…カナメさん、他に変わったとことかねぇか? -- ウォルト
- あ、ウォルくん。今のところ、特には。花が切り刻まれてるだけ…
花は…確か、旋風ちゃんが準備してたわよね… -- カナメちゃん
- 今日は旋風はまだ帰ってねぇのか?たしか酒場じゃちゃんと帰還してるって聞いたんだけどな…部屋のぞいてみっか。 -- ウォルト
- ええ、死亡報告も出てないし、帰ってきてるはずよ。旋風ちゃんの部屋、どこだったかしら… -- カナメちゃん
- 旋風の部屋、戻った感じがしねぇ。何かあったのかもしれない。
カナメさん、旋風がよくいた場所とかしらねぇか?ちっと俺探してみるぜ。 -- ウォルト
- 帰ってないの? おかしいわね…。えっと旋風ちゃんがここ以外で行きそうな場所っていったら…どこかしら…
カヤちゃんのところか闘技場か…そのくらいしか知らないわ… -- カナメちゃん
- 旋風様が行方不明!?…っと、失礼しました。先週から料理人として雇われましたシュタイアーで御座います。
しかし、ご無事だったようで安心しておりましたが…よもや… -- シュタイアー
- おう、はじめましてだぜー、俺は馬丁兼執事…見習いなのかな、ウォルトだぜ、よろしく。
闘技場か…ちっと誰かしらねぇかいってみるかな。 -- ウォルト
- あら、こんにちは、初めまして。私はカナメよ
旋風ちゃんどこ行ったのかしら…。杞憂ならいいんだけど… -- カナメちゃん
- これはこれはご丁寧に…(スパッと一礼する)
闘技場ですか…その、戦闘記録に旋風様が戦っていたと記録が… -- シュタイアー
- そんな記録あんのかー、なにか変ったこと書いてあったか?こう、何があったとか些細なことでもいいんだぜ。 -- ウォルト
それが…どうも、闇に魅入られた、というか、闇に取り込まれてしまったような…
- ううむ…そもそもあれは戦闘だったのか…とりあえずこれが記録です。 -- シュタイアー
- 闇…? 何かしら、これ……。何か…普通じゃない感じだわ… -- カナメちゃん
- 闇の主…深淵の力を自在に操ると言う、矛盾の王…いや、今まで御伽噺か根も葉もない怪談で伝え聞くばかりでしたが…
これは…もしや… -- シュタイアー
- もしや何よ…。何かマズいことが起きてるんじゃないの…? -- カナメちゃん
- はい…起こってしまったやも知れません…
むかし、シェフをやっていた時に、とある旅籠の主人から、矛盾の王の根城を聞いたとこがあります…。
当時は御伽噺と笑い飛ばしましたが…私は、そこに行って見ようかと思います… -- シュタイアー
- そう…。大丈夫なの? 貴方にまで何かあったら大変よ -- カナメちゃん
- お気遣い、ありがとう御座います。私は闇に魅入られるほど心に余裕は持っていないので…ハハハ…。
まぁ大丈夫です。旋風様の居場所を聞いて、手早く帰ってきますよ。
あ、皆様のご夕食はラップしてありますので… -- シュタイアー
- ……そう。分かったわ、待ってるからちゃんと帰ってきてね。くれぐれも、気をつけて -- カナメちゃん
- ええ、大丈夫です。料理人としては、また明日も料理を作りに来なければなりません故…
それでは、行って参ります。(魔術師用の、分厚いコートを着て出て行く) -- シュタイアー
- (その日を境に館へと戻る事は無くなった)
- …旋風いねぇのか?っかしいな…何かあったのか…? -- ウォルト
- 旋風様、ご無事で何よりです…軽症とはいえ傷の手当を…
(入ってすぐ、閑散とした部屋に傷薬を落とし)ああ…俺はまた、救えなかったのか…
しかしどうして俺と関わった女性はことごとく闇落ちしてしまうのだろう…(独り言を言いつつ、館を出て行く料理人) -- シュタイアー
- 旋風ちゃん…どうか無事で、ちゃんと戻ってきてよ… -- カナメちゃん
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