ARA/0422

  • かの悪魔が消滅する、その直前の一刹那。
    暗転する意識の中で、突如としてそれが浮上する。
    スヴィーカリの精神が、どさりと投げ落とされた先は、何処とも知れない荒野だった。
    死の前の一瞬を無遠慮に引き延ばされた時間軸の中で、精神が遊離して夢を見る。

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    血みどろの姿で、何が起こったのだろうと辺りを見回すも闇ばかり。
    そこに突如として現れる人影が一つある。

    見下ろしている。何の感情も読み取れない、空虚な無表情で彼が見下ろしている。
    その向こうには星空が見えた。
    彼の出現と同時に、それは現れた。満天の星空。いつかの語らいの中で、夢見た光景。

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    『――世界の終わりで、二人で星を見よう』

    『約束を果たそう。スヴィーカリ』

    姿かたちはオリヴェールのそれを借りていたけれど、声だけは昔のままに懐かしくある。
    それは、人の心を知った終末機構の最初の試行。
    滅びゆくものへの手向けなのか、忠実な従者への最後の褒賞なのか。
    意図は分からない。行った本人にだって分からないだろう。

    ただ、その行為はかの神にとっての紛れもない変化であり、そして。
    その神が生み出した第一の友にとっては、きっと唯一の救いだった。

    彼の生命(せかい)の終わりに、いつか語り合った約束を果たす。
    その行為にどういった意味があるのか。
    それをすると決めた己の意志は、いったい何から生まれたのか。
    今はまだ分からない。

    ツェアシュ=ヴァの思索は、始まったばかりだ。


                                  ――『終末の始まり』 fin.
  • 悪魔の企みは潰え、世界の平和は維持された
    僅かな者しか知らない小さな世界の終わりの話はこれにて終わり
    -- 2022-06-25 (土) 22:07:09
  • 夜の帳の中でも確かに見える星の煌めき。
    そしてそれ以上に輝いて見えるのは眼前に立ち、それらを見ようともしないひとつの存在。

    高き頂の上から眺めているのは星ではなく、この世界の生きとし生けるもの総てだった。
    他の神々は彼の存在を恐れ、忌み嫌うが、俺には何時だって大切で優先すべき相手。
    その相手が此方を振り返り何かを語り掛ける。顔は見えない、言葉も聞こえなかったが、
    自分に声をかけてくれている事だけで至福の喜びが体を駆け巡るのが分かる。

    ああ…この人の為になら自分は総てを犠牲にしてでもそれを成し遂げるだろう
    -- 2022-06-23 (木) 22:51:28
    • 王都アルミネラの教会の上で腰を降ろした状態だったスヴィーカリは静かに目を開ける

      「ああ、夢か」

      そんな物を見たのは幾年月振りか。そもそも寝る事自体何百年ぶりか彼には思い出せなかったが。

      「懐かしい…」

      言葉に万感の思いを乗せ、『彼』の様に下界を眺める。

      「多少の路線変更は否めなかったが、『液体』の準備とそれを満たす『器』の準備は済んだ、
      特異点の介入が気になる所だったが…それも片方は始末をつけている…」

      外界からの介入者。その片割れである刀夜を葬ったと確信していた悪魔は、遠い彼方に会ったきりの相手に向け、声をかける

      「アンタに逢える日も近い…『ヴァー』さん…俺、がんばってるよ…」

      万事物事が上手くいっていると口にしているにもかかわらず、
      その表情は酷く寂しげだった。
      -- 2022-06-23 (木) 22:52:16
  • 願いは届かない 怨嗟の叫びにかき消されて -- 2022-06-23 (木) 20:30:38
  • 憎しみが獄炎をまとう -- 2022-06-23 (木) 20:30:27
  • もはや恐れるものなど何もない -- 2022-06-23 (木) 20:30:19
  • (夜は世界に平等に訪れる、帳は街を覆いつくし暗がりには秘密が潜む)
    (月が分厚い雲に隠れる、そんな晩に街を高い所から見下ろすスヴィーカリの背後から音もなく、気配もなく声が掛けられた)
    見つけましたよスヴィーカリ。アナタの匂いは覚えています。それが地の果てで会っても必ず追い詰める
    (静かな瞳と視線で、淡々と告げると黒剣を抜き放ち) -- 刀夜 2022-06-22 (水) 22:09:37
    • (傍観するかのように無感情な様子で眼下の街を眺めていたが、声をかけられると)
      …やれやれ、人が折角この世界が滅びゆく未来を想って妄想していたのに…どうして邪魔をするのか
      (表情とは裏腹の台詞を吐きだす。しかし視線は変わらず下を眺め)
      俺としては他所の世界の人間に興味はないんだ。だから君が俺の邪魔をしない限りは、特にどうこうするつもりはないんだがね
      ヒーロー気どりは辞めにして、とっとと帰る事だ(興味なさげに反応する)
      -- スヴィーカリ 2022-06-22 (水) 22:20:57
      • (夜の闇の中で、しかしその瞳はスヴィーカリを捉えて離さない)
        (相手がこの出現を予測していたのか、或いは気が付いていたのか、あらゆる可能性を考慮し想定し計算する)
        (研究者としての顔で唇の動き、視線の向く先。その全てを捉え続け)
        そうですね、ボクもこの世界の行く末は…えぇっと。正直言えば…そこまで重要でもないんです。
        (単身スヴィーカリの前に訪れ、剣を抜く。そんな戦意を隠そうともせずに、しかし世界そのものは重要ではない、と言い放ったのだ)
        ボク達を騙していたのですか。馬術大会で腕を振るったじゃないですか
        ミスコンで色んな参加者にあれだけ熱心に語っていたじゃないですか
        宿泊研修で皆で歌ったじゃないですか。
        あんなに磨き抜かれた最高の技を魅せてくれたじゃないですか
        (瞼を閉じる、その思い出の一つ一つが鮮明に蘇る。その全てが己の胸の内にあるのを自覚しながら)
        全部嘘だったというんですか、答えろ!ジン・ハルシノ!!!!
        (黒剣を男に向けて、感情の赴くままに声を張り上げて叫んだ) -- 刀夜 2022-06-22 (水) 22:31:21
      • (ジンであった頃にした己が行為を問いただされると、静かに向き直る。その皮肉っぽい笑いを浮かべ)
        …あぁ…あれ等は総て遊びだよ、君等を信用させるための遊び
        予想通り、それに乗せられた君等は、こちらの思惑以上に動いてくれた訳だ
        フフッ…まるで覚えたてのダンスを見せびらかすように踊る様は最高だったよ
        …笑いを堪えるのが大変だったくらいだ。…フッ!ハハハハ!
        (剣を向けられているにもかかわらず、恍惚の表情を浮かべ両手を広げ高らかに笑う。あたりに響く悪魔の笑い声)
        -- スヴィーカリ 2022-06-22 (水) 22:51:22
      • (皮肉っぽい笑みを浮かべたスヴィーカリを見る。やめろ。と思った。その顔でそんな風に笑うな、と)
        (吐き出される言葉を聞いて、やめろ、と思ったその顔でそんな事を言うなと)
        もういい!やめろ!!!
        (普段の自分からは想像できない程に低く、感情的な声が出たと頭の中の冷静な自分が観測する)
        もう一つ聞きます、スヴィーカリ。邪神であるツェアシュ某を復活させてこの世に終末をもたらし……それで何がしたい。その先に何を見る
        (ふぅぅぅっ、と肺の中の域を全て吐き出す。突きつけた剣は下げられた。それは戦意を喪失したわけではなく行動の始まり)
        (次の瞬間には噛み付いてくる、そんな気配を隠す事もない様は、狂戦士というよりむしろ、狂犬で) -- 刀夜 2022-06-22 (水) 22:58:28
      • オイオイ、そんなに怒らなくても良いだろ。ちょっとした冗談だぜ?
        (明らかに怒らせる意図をもって笑ったにも関わらず声を荒げられ皮肉の笑みをもって答える)
        何…って?そもそも生きとし生けるものにとって滅亡は救いだろ
        アルプトラウムの時も言ったが。命ってのは終わりがあるからこそいいんだよ。・・・そうだろう?
        (常軌を逸した理論を振りかざし同意を求める。いや、それもあくまで『ふり』だ。大仰な仕草でそれが伝わる)
        その後の話…?(後の話を振られると、再び恍惚の表情を浮かべ)
        ・・・そうだな、まずは『ヴァー』さんと共に誰も居なくなったこの世界で二人で星を見るんだ。約束したからねぇ…
        …あぁ、すべての命が潰えて、静かになったこの世界で二人で見る星は間違いなく最高だ
        そこから先?それは勿論大人の時間さ、君のような僕ちゃんにはまだちょっと早すぎる
        それに…何れにしろ死んでしまっているのなら、聞いても聞かなくても同じだろう?(はぐらかす様に答えた)
        -- スヴィーカリ 2022-06-22 (水) 23:09:33
      • なるほど…言って良い冗談と悪い冗談の区別がつかないとか、ツェアシュ某は飼い犬の躾を間違ったらしい
        だが、それでも一生懸命矮小な人間に混ざってまで自分の為に働いてくれるとは……おぉ!ボクの世界にある忠犬の寓話そのものだ!
        ツェアシュ某は良い犬を持ったようで……アナタを打ち滅ぼした後、スヴィーカリの像を立てて若者の待ち合わせ場所として永遠に残したいほどですよ?
        (にぃぃっ、と唇を釣り上げて歪に笑う。虚勢だ。)
        (何に反応するのか、どの言葉に表情を僅かでも動かすのか、その全てを観察する目を彼から背ける事をしないまま)
        (握った剣に力をこめる低い姿勢は、きっと見透かされるだろう。だから飛んだ)
        (地面を蹴り。星空と月を背に手にした剣を身体のしなり、さえすべて使い)
        まぁ、そのヴァーさんも!人の世界だか神だかに敗北した負け犬ですがね!
        (剣を振りかぶる。身体は>の字に。その状態から身体を戻す勢いを利用して、筋力の全てを、あの日とは違う)
        (自分の万全の全力で、剣を振り下ろす!) -- 刀夜 2022-06-22 (水) 23:20:40
      • あぁ、『ヴァー』さんはSっ気が強くてねぇ、犬の躾かたもそれに準じてる
        だから、もっと詰ってくれないか?昂ってしょうがない(嬉しそうに笑って)
        石像にされて永遠に辱められるプレイも悪くないな!アッハッハ!
        (高笑いをしていたが地面を蹴る刀夜を見てさらに笑みを深め)
        良い罵り台詞だ!『ヴァー』さんが起きたら彼にそう伝えておくよ。どんな顔するか今から楽しみで仕方がない!
        (月光に刀夜の姿浮かび凶鳥の様に襲い来る。全身のバネを使って振るわれた一振りは、スヴィーカリの頭頂から股間まで一刀両断で切裂く)
        (・・・が、それだけだった。両断された魔族の体は次の瞬間には接合し、大振りの一撃を振り下ろした刀夜の胸元、その心臓部分に)
        (人差し指を突き込む。その指先から放たれるのは『ツェアシュ=ヴァ』の滅びの魔力)
        (受けたものは不可避の滅びへ向かう、悪夢のような力を刀夜の心臓へ打ち込み)
        ・・・さ、カタナン。最後の瞬間…君は誰に会いたいかな?(優しげな声で質問を投げかける)
        -- スヴィーカリ 2022-06-22 (水) 23:40:41
      • (笑っている、なるほど。言葉の類は有効ではない。頭の片隅は常に冷静に分析を続ける。)
        (探検部の部則。信じろ仲間、頼れよ先輩、そして相談・顧問の先生。)
        (何か一つでも、たった一つでも情報を持ち帰る、信じる仲間の為に、顧問に相談するために。その目は常にスヴィーカリという人物から離れず)
        ふふ、異世界の人間の言葉に顔を変える?アナタの神も大した事ない存在ですね!
        (手ごたえはあった、不滅がどれほどかわからない。だがこれだけの一撃を与え、多少は相手にも行動のラグが、生まれるだろう)

        (すべて、甘い考えだった)
        (人差し指が自分の胸に向けて動き出す、動作の起こりは見えていた)
        (その一撃をかわすべく、足をあげる。蹴りつけて距離を取る。その考えをするのが遅かった)
        (1秒にも満たない、コンマの後に0が何個も並ぶ世界。その反応速度を見つめながらも身体は動かず。貫かれ)

        (スヴィーカリの滅びの力で心臓は体内で爆散した)
        (確かに爆散した。彼にはそれが手ごたえ、実感、経験、その全てで伝わっただろう、だが。)
        …ああ、アナタは本当に、ボクの親友ではないのですね。その顔で、ボクをカタナンと呼ぶな。それはジン・ハルシノだけの呼び方だ
        (その瞬間、頭のおかしい狂戦士、人類の原罪を取り払う研究者、それらを内包する男は覚悟を決めた)
        (この男は、ジン・ハルシノの————)

        (その考えがまとまるよりも先に心臓が潰された身でありながら、黒剣アステールは近距離で振るわれ。スヴィーカリの頭を斬り飛ばし。その頭部をひたすらに切り刻む)
        (残された時間の最期の抵抗、それらを見届けた後、黒剣を持ち、身体を引きずり、どこかへと向かっていった) -- 刀夜 2022-06-22 (水) 23:54:57
      • (刀夜が去った後、何時の間にかに闇の中に変わらずスヴィーカリの姿が立っている。細切れにされたはずなのにその名残はすでになく)
        あぁ…友達らしく、最後の瞬間ぐらいはと、会いたい相手に俺が直接会わせてやろうかと思ったんだが…男の意地って奴かな
        (刀夜が立ち去った方向を見ながら手を振り)お休みカタナン。良き夢と、良い終末を
        (刀夜が親友と認めていた男は、滅びの力を振るったその相手に対して微笑みで見送るのだった)
        -- スヴィーカリ 2022-06-23 (木) 00:05:23
  • ただ受け入れるだけ ここがどこであろうと -- 2022-06-22 (水) 01:02:27
  • 世界はこの手に 穢れた掌の上 -- 2022-06-22 (水) 01:02:16
  • 解き放たれた混沌 ヒトの子の終焉 -- 2022-06-22 (水) 01:02:07
  • (王都の最大の守りである外壁を、外側から望む、そこ。しかし、それも既にその身の内に悪性の癌を忍ばせてしまっていることを思えば、滑稽にも見える)
    (そんな、人として建てうるものの限界を思いながら壁を横目に、楽師はそこにいる男へと、ゆっくりと歩み寄っていく)
    お、ジン。今は制服来てないのかい?あの制服似合ってたのに残念だね。黒ばっかなんて趣味が悪いよ。おかげで影に紛れて君を見つけづらかった。
    (やれやれ、と首を振りながら楽師が歩む。その手には音叉剣。縦に構え撫ぜるように指を滑らせれば清らかな旋律が辺りに響き)
    (生まれるは透明な水晶にも似た結晶に包まれた結晶剣。対魔族において汎用性に優れる浄化の結晶剣だ。そしてそれを片手に下げたまま、彼へと歩を進める) -- フルラ 2022-06-21 (火) 21:18:08
    • (空を見上げている。魔族にも星を見ながら何か思う事があるのだろうか)
      (声をかけた主の接近を気づいていたにも関わらず、気にした様子もなく視線も上を向いたままだった)
      ・・・やだなぁ、折角人が思い出に浸っているのに無粋が過ぎる
      それとも君の田舎には夜に星を見上げて思いを馳せる。なんて情緒はないのかな
      (既に戦闘体勢といった様子のフルラを見ようともしない)
      -- スヴィーカリ 2022-06-21 (火) 21:41:15
      • (歯牙にもかけず、といった所か。今までその禍々しき身を隠しきっていただけのことはある。実際彼を聴いてみれば明らかな格の高さを感じる)
        お生憎様。楽師の仕事には人が静かにしてる所に音楽を押し付けるようなものもあるんだ。あんまりやりたくない仕事だけどね。
        ま、でも…言ったろう?私の田舎はバカが付くほどの田舎。星を見る事だって大切な楽しみの一つさ。重要さは分かる。……君が、何を思い、そうしているのかは分からないけど。
        (話しながらも、結晶剣を構える。そして)……きっとそれは…とてもとても大事なことなんだろう?ジン、としての皮なんて、簡単に脱げるくらいの(旋律の強さが、高まる) -- フルラ 2022-06-21 (火) 21:55:18
      • (当然の事ではあるが立ち去る様子のないフルラに流石に視線を向け、座っていた場所から立ち上がり相対する)
        ……あぁ。皮を被っていたのは俺が純情で恥ずかしがり屋だからさ
        だからほら、今も変わらずだろ…(黒い私服という点以外では以前と同じ様子の男は、自分の頬を摘まんで引っ張り)
        女子と話すのも演技をしないと照れちゃって駄目でね。・・・まして踊ってくださいなんて。素性が知れた今は恥ずかしくて言えないかな。ンフフフ…
        (音叉剣の響きを受け、楽しそうな様子で両手を広げ、言葉とは裏腹の邪悪な笑みを浮かべていた)
        -- スヴィーカリ 2022-06-21 (火) 22:07:01
      • ……そうだね、変わらない。ちょっと斜に構えてて、余裕のある所とか、変わらないよ(だからこそ、それを、寂しく思う)
        恥ずかしがることはないさ。誰だってそんなところから始まるんだ。自分を覆ってた壁を一枚破るところからね。だから…踊ろうか。
        (とん、とん、とその場で軽く跳ねるようにリズムを取る。それは、いつかの時、訓練場と同じように。そのまま、と、と、と、弧を描くように動き…)
        『清冽なる導きを』!(ある瞬間、結晶剣が振るわれる。生まれるは魔なる者に強い威力を持つ、白き剣刃。それが一直線に彼へと飛び、突き進んでいく)
        (同時に、とん、と地を駆けて剣閃を追うように一直線に前へ。嫌悪感を湧き起こす彼の音色をしかと耳にしながら、線から、点へ。…かつて彼の胸に穴を空けたそれと、同じ動きだ) -- フルラ 2022-06-21 (火) 22:20:53
      • おやぁ?遠回しにダンスはお断りしたつもりなんだが…(フルラが寂寥の色を浮かべても相変わらず人を食った笑みを浮かべていたが)
        (戦闘態勢に入り自分の周りを文字通り踊るように回り出したフルラを見てより一層その笑みを深くする)
        オイオイ、そんなにがっつくなよ…オーケイそんなに望まれたのならしょうがない、一曲踊るとしよう
        礼は要らないぜ。アンタのそのすまし顔見てたらこっちも昂って来たからね(ついに恍惚の表情で無防備に両手を広げ待ち構える)
        ただ、そっちの攻撃は無粋だな(飛翔してきた白き剣閃は、魔族の眼前で突如消失する。スヴィーカリが防御用に魔力を展開した結果だ)
        (続けて両手を広げたままの無防備なその胸に音叉剣が触れ、緩い泥に石を投げつけたような鈍い音がすると、背中からその刃が生えた)
        (しかし、そのまま魔族の男は剣を握ったフルラの手を掴み、人外の力を持って己が側へと引き寄せるや)
        ・・・ん。態々爪を立てなくったって踊って欲しければそういえばいいんだ。君も俺と同じで初心なのかな?…ンフフフ
        (依然体から剣を生やした状態で、フルラと共にダンスのポーズを取り。そのまま踊り始める)
        (フルラを逃すまいと優しくも万力のようにその手を握りつつ、月光の下で奇妙なダンスが舞われている)
        -- スヴィーカリ 2022-06-21 (火) 22:47:23
      • (かくして、清冽なる輝きを見せる水晶の剣は、あの時と同じように能うことなく彼の胸を貫いた、が…)
        …いやあ、恥ずかしながらまだお付き合いもしたことが無くてね(手応えが、無い。泥をかき混ぜたかのような、それ。驚愕を覚える)
        でもだからこそ、ちょっと強引な男はお断りしたい、とこだね…!(凄まじき力。抵抗する、が離せない。手を掴まれるそれは、尋常ならぬ膂力。同じ人型の魔物ルモーネの比ではない)
        (銀髪の人形のように、楽師の身体が強引に揺らされる。それは、歪な歪なダンス。力あるものが、無き者を一方的に弄ぶ滑稽なそれだ)
        …くっ、ダンスは男がリードするもんって言ったって、やりすぎ、だ、よっ!(空いた片手で薔薇のブローチを。偽音叉剣を生み出し、そこに冷たい旋律を。生まれるはサファイアの結晶剣)
        (びきびき、と結晶の上に更に氷を纏わせ、己の手を掴むスヴィーカリの腕を極低温の刃で断ち、胸の剣を抜くべくそれに合わせて身を引かんとする)
        (その正体は不明だが、泥のようなその身体、それを切れればよし、切れなくとも凍りつかせ動きを鈍らせる目論見だ) -- フルラ 2022-06-21 (火) 23:04:48
      • (振るわれた氷の刃。それを握るフルラの手首をこちらも空いた手で握りしめる)
        (ビキビキと氷が割れるような音がして、フルラの手を取ったスヴィーカリの腕が凍り付いていく)
        あぁ…最高だ。こんなにも冷たく情熱的に求められるなんて…堪らない(うっとりとした表情で天を仰いだ後)
        (なお闘争心を漲らせるフルラの顔に自分の顔を近づけ) 愛しき君よ、俺からの返礼だ。受け取ってくれ(相手の返事を待たず、唇を重ね合わせる)
        (月夜の下で歪な恋人が口づけを交わす。そして接触した個所から、フルラの力はみるみるうちに抜けて行く)
        (しばし時は流れ、十分にその行為を堪能したのか、魔族はゆっくり唇を離す)
        ・・・ああ、しまった。つまみ食いしてしまった…(我に返った様子でフルラの手の拘束を解き)
        けど、君も楽しんだだろう?(解放したフルラを見やり、悪魔の表情で笑うその表情からは)
        (胸から生えた剣も、凍り付いた腕も、そして今した行為にも、気にした様子は皆無だった)
        -- スヴィーカリ 2022-06-21 (火) 23:46:39
      • (魔族の腕は、凍った。確かにその身体には極低温の氷結晶まとわりつき、胸に刺さった水晶が如くのそれは、腕を凍らせた、が)
        (それだけだった。凍ったまま、彼が自身を縛める腕の力は僅かにも変わらない。不味い。距離を取れない。どうする、どうする、と思考する最中)
        (嗜虐的な表情を浮かべた優男の、顔が近づいてくる。何をするつもりだと考えている間にも、それは近づいてくる)
        (記念祭で軍服を着てボヤいていた彼の顔が、歌劇場の前で心地よい音色を伴奏をしていた彼の顔が)
        (研修旅行で、一緒に、仕掛けを造って、釣った魚を食べた、その腹にかぶりついた彼の唇が、近づいて、くる)
        …んっ…!んんんーっっ!(身悶える。触れた唇の感触がどうだったのかなんて分からないくらいに、身を捩らせる)
        ……ん…んっ…!(しかし、動けない。彼が自分を縛める力は全くもって変わらない。彼の存在を唇から感じる、柔らかいそこを、蹂躙されながらも、感じてしまう)
        (それで、悟ってしまった。あの女性を尊重し、だれもに優しかった彼は、もう居ないのだと。その一方的な乱暴な愛撫に分かってしまった)
        (力が抜ける。マナが消失していく。いかなる力によってか、身の内の魔力が滅ぼされていくのが分かる。悶える身体が…大人しくなる)
        (どれだけの時が経ったか。数えたくもないその間が過ぎた後、唇を離した彼の顔が目の前にあった)
        …………(その顔を、睨みつける、今の、彼の顔を。そして)……ああ…、楽しませて、貰ったよ(その目にはまだ、意思が)
        ……でも………君とした魚釣りの方が!もっと楽しかったな!(ぐわ、と残る力をかき集めて、今度は自ら彼に迫る)
        (そうして、目前の彼の顔、その整った鼻へ、噛みついた。どうせそれは痛みにもなるまい、が意識をほんの僅か逸らせればいい)
        アルベロ!!!(高く、叫ぶ。その瞬間、外壁の上、その高みから何かが刹那の間に飛んでくる)
        (彼を身を離しながら、二人の間に折りてきたのは大量の大量の、数千枚はあろうかという紙。一枚一枚が葉書ほどの紙だ)
        (黄色いそれは、瞬く間に二人の間を高い壁のように立って割る。よく見れば赤い塗料で呪文らしきものが描かれている)
        (それは一種のスクロール。力ある文字が記された、"符"だ。そしてその壁の一部が盛り上がり、腕のように形成され)
        (彼の胸から生えていた音叉剣を強引に引き抜き、少女の側へと引きずり込めば、壁へと戻り…)
        …………ごめんね、私は、ズルい女なんだ(符の結界壁の向こうで、少女の声がした。符の壁は、その声がしたあと、崩れ去る)
        …じゃあね。"ジン"。…また、会おう(そして崩れ去った後には、もはや少女の姿はどこにもいなかった。別れ際のその声に…寂寥だけを残して) -- フルラ 2022-06-22 (水) 00:20:36
      • へぇ…まだ立っていられるの。凄い凄い(睨み付けてくるフルラに笑いながら拍手を送り眺めていた)
        (続けて眼前に迫って鼻に噛み付かれるまで、その行為は続いており。噛み付かれようやくその動きを止め、僅かにのけ反るも)
        ・・・おっと。ああ、色男が伊達男に変わってしまったかな?(それもつかの間、体勢を戻すと鼻があった場所を手で覆い。くぐもった声で続け、フルラの行動を見守る)
        (逃げの体勢に入ったフルラの様子を眺める。胸の傷も、腕の傷も、先ほど負った鼻の傷すら既に消えた状態で)
        構わないさ。ズルい女を許容するのも男の器量…ああ、誰の言葉だったか?まあ、誰でもいいか(結界の壁を楽しそうに見やり、それが消えると)
        ふむ…もっと踊っていたかったんだが…消化不良だな。国の方で遊ぶとしようか(興味が失せたのかその場を離れるべく歩き始める)
        (立ち去るその姿からはフルラが残した言葉もそこに含まれた寂寥も、一切の影響を与えていない)
        (何時までも変わらぬ悪魔の微笑を浮かべたまま、闇の中へと消えてゆく)
        -- スヴィーカリ 2022-06-22 (水) 00:44:28
  • (ジン・ハルシノが住んでいた寮、その窓から侵入してきたジンだった者=スヴィーカリは)
    さて、後片付けをしなきゃな…(机に置いてあったステラから借り受けた本を手に取り、軽く周囲を見回す)
    (一年もの間寝起きしていたベッドや、ステラに手紙を送る為に向かっていた机)
    (そして、簡素な作りのテーブルと悪魔が一瞥した先から次々に黒炎に包まれ燃え、消えてゆく )
    (プレイグが送ったカードと薔薇が燃え)
    (アルベルティーナが渡した薔薇のブーケも燃えてゆく)
    -- スヴィーカリ 2022-06-20 (月) 20:13:36
    • (返事として送られて来たステラの手紙も同様に)
      (そして最後にその手に持った放浪者の冒険奇譚が炎に包まれると)
      (一切の未練もなくそれを放り投げる。燃えた本は床に落ちる前に燃え尽き消えた)
      (灰も残さず綺麗サッパリ消えたジン・ハルシノと呼ばれた者の生きた証)
      (それらに何の思いも抱かない様子で、入って来た時とは別に扉を開けて外へと出て行った)
      (この部屋に居たはずの遊牧民の男の痕跡はこの世界から消え去った
      ) -- スヴィーカリ 2022-06-20 (月) 00:42:18

Last-modified: 2022-06-25 Sat 22:07:09 JST (44d)