ミノフェン家出身 アセトア・ミノフェン 243371 †
黄金暦114年4月
巨大な怪物討伐依頼を受けたアセトア・ミノフェンら6名の冒険者が未帰還 消息不明のまま冒険者ギルドは彼女等を除名処分にする 後日、冒険者による洞窟探索を決行、奥地にて彼女等の遺品と遺体(の一部)を回収 血で赤黒く染まったアセトアの帽子が発見されたという 最新の10件を表示しています。 コメントページを参照
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黄金暦114年6月 寒村とは言えず、しかし温かいとは決して言えないそんな地の、 そこそこに大きい街にある、割と腕の良い医者がいる診療所のベッド。 ぼーっと、外を眺めている少女がそこに居た。 頭に白い包帯をぐるぐるぐるぐる巻いている。怪我をしてるから仕方なく、ぐるぐる、ぐるぐる。 やる事ないから、毎日、ぐるぐるぐるぐる、何重にも巻いてる。 まるで、もこもこした帽子をかぶっているかのよう。 毎日見舞いに来る両親たちと会う時間が一番好きらしい。 寝るのにも本を読むのにも飽き、しかし全身の怪我で満足に動けない彼女の数少ない楽しみなのだろう。 ・・・ 外を眺める少女の顔が明るくなる。両親が見舞いに来たようだ。 (お土産は何かな、今日は何をお話しようかな、いっぱいお話したいな、もっと、もっと、たくさん。) (何日あっても足りないくらいの、おはなし。) ぁ、その前に、お薬飲まないと。また昨日みたいにお医者さまに怒られちゃう。 「すみませ、ん、えと、かんごしの、おねぇちゃ。
おクスリ、ください」 おしまい。 † |