黄金暦150年 1月 †
「俺さ、クインシィ・イッサーと餅つきしたなぁ」
「俺の知ったことか!」
「きな粉をかけたらすぐによってきたんだ」
「男と女のやる事、珍しくもない」
「ドクター翠・伊佐未もなんだ」
「……何を言ってるんだ?」
「いやさぁ、ババァの古臭いヨモギ餅なんて馬鹿にしてたさ。 がね…いやぁ味わい深かったって感動したぁ……」
「嘘だ! ジョナサン流の強がりだ!」
「ならお母ちゃんに聞いてみなよ。漉し餡を秘めた草餅……」
「貴様ぁー!!」
「すまない。言い過ぎたな。しかしもう一つ現状報告をしておくと、 それなりに人が集まって来た辺りで自動餅つき機を持ち出した 空気が読めない奴がお前のお父ちゃんってことだ!」
黄金暦150年 2月 †
「俺さ、狐のクーと同行したなぁ」
「俺の知ったことか!」
「はじめての冒険で一緒になったんだ」
「一番最初のごちゃ混ぜ依頼の事、珍しくもない」
「ショートポニーのロリ巫女だったんだ」
「……何を言ってるんだ?」
「いやさぁ、あざとい設定だって馬鹿にしてたさ。 がね…いやぁ保護欲そそられるって感動したぁ……」
「嘘だ! ジョナサン流の強がりだ!」
「なら本人に話を聞いてみなよ。純情を秘めた蒼い瞳……」
「貴様ぁー!!」
「すまない。遊びに行くのも憚られる適当な版権キャラだったな。 しかしもう一つ現状報告をしておくと、ゴルゴ29という 姿の想像すらできないのと同行したのがお前ってことだ!」
黄金暦150年 3月 †
「俺さ、依頼に失敗したなぁ」
「俺の知ったことか!」
「ゾンビリーダーの攻撃が味方に深々と突き刺さったんだ」
「15歳元薬草売りの事、珍しくもない」
「それでもうちの名簿に二人も来客が来たんだ」
「……何を言ってるんだ?」
「いやさぁ、男二人版権キャラの説明不足名簿なんて馬鹿にしてたさ。 がね…いやぁ二月の依頼で同行した子が来たって感動したぁ……」
「嘘だ! ジョナサン流の強がりだ!」
「ならスクロールバーを少し下に動かしてみなよ。可能性を秘めた名簿……」
「貴様ぁー!!」
「すまない。調子に乗り過ぎたな。しかしもう一つ現状報告をしておくと、 二月に俺もお前も依頼に失敗して死人を出してて 今月にも可能性ごと命がぶっつり途切れそうなのが俺らってことだ!」
黄金暦150年 4月 †
「俺さ、二月に狐のクーにチョコもらったなぁ」
「俺の知ったことか!」
「依頼が終わった後に届けてくれたんだ」
「男に女がやる事、珍しくもない」
「リミットブレイカー?からももらったんだ」
「……何を言ってるんだ?」
「いやさぁ、『好きな人に好きって言われたことないな 恋はいつもビターだから』なんて口癖にしてたさ。 がね…いやぁ人生にはチョコレートをかじる時間が要るって感動したぁ……」
「嘘だ! ジョナサン流の強がりだ!」
「なら彼女らの名簿を見てみなよ。熱情を秘めたホワイトデーのログ……」
「貴様ぁー!!」
「すまない。強がって嘘をついた。 しかしもう一つ現状報告をしておくと、定型しか喋らないお前に何故か気を使って エイプリルフールの午前中を使い潰して嘘を考えてたのが俺ってことだ!」
黄金暦150年 5月 †
「俺さ、ゴールデンウィークを満喫したなぁ」
「俺の知ったことか!」
「酒場周辺の施設を見て回ったんだ」
「独り身の男のやる事、珍しくもない」
「荒れ寺もなんだ」
「……何を言ってるんだ?」
「いやさぁ、ネタキャラの祭典なんて馬鹿にしてたさ。 がね…いやぁ今度は電流爆破デスマッチになってたって感動したぁ……」
「嘘だ! ジョナサン流の強がりだ!」
「ならお前も見にいってみなよ。やっぱりどう見てもヘッドレスさん……」
「貴様ぁー!!」
「すまない。お前は妖怪というより珍獣枠だったな。 しかしもう一つ現状報告をしておくと、妖怪やネタキャラなんて枠組みを越えて 東方のスペルカードなんて不可解な冒険者と今度同行するのがお前ってことだ!」
黄金暦150年 6月 †
「俺さ、冒険で武器を拾ったなぁ」
「俺の知ったことか!」
「宝箱にあったものを俺が貰い受けたんだ」
「どう見てもネタキャラが装備を持っていく事、珍しくもない」
「適正武器なんだ」
「……何を言ってるんだ?」
「いやさぁ、メイスなんてイメージじゃないって馬鹿にしてたさ。 がね…いやぁ攻撃力が31も上がるって感動したぁ……」
「嘘だ! ジョナサン流の強がりだ!」
「ならステータスのリンクを開いてみなよ。ありふれた鈍器……」
「貴様ぁー!!」
「すまない。棒を武器にするのはグランチャーよりもブレンだったな。 しかしもう一つ現状報告をしておくと、今月の依頼で攻撃力が68も下がる魔導器をもらってきて 攻撃力が二桁に落ちるのに装備するかどうか悩んでるクレイジーな自殺志願者がお前ってことだ!」
黄金暦150年 7月 †
「俺さ、来月にお前と同行するなぁ」
「俺の知ったことか!」
「探検を受けるつもりだったのに討伐に飛ばされたんだ」
「ステータスが中途半端な半人前の事、珍しくもない」
「木下もなんだ」
「……何を言ってるんだ?」
「いやさぁ、存在自体がツッコミ待ちなんて馬鹿にしてたさ。 がね…いやぁ男なのに淡い桜色の乳首だって感動したぁ……」
「嘘だ! ジョナサン流の強がりだ!」
「なら奴の名簿を見てみなよ。地獄のミサワ要素を秘めた台詞……」
「貴様ぁー!!」
「すまない。お前もナッキィ・ガイズの前で比瑪は俺の女と言い出すミサワ系だったな。 しかしもう一つ現状報告をしておくと、今の時期にあの鎧じゃ蚊に食われるだろうと気になって 今からムヒの準備をしてるのが俺ってことだ!」
黄金暦150年 9月 †
「俺さ、シェリス先生の診療所に行ったなぁ」
「俺の知ったことか!」
「診察時間の終わり際に行ったから他に人はいなかったんだ」
「魔法や超科学を使わないリアル系寄りの医療施設の事、珍しくもない」
「それから俺は先生の前で脱いで見せたんだ」
「……何を言ってるんだ?」
「いやさぁ、小さな診療所の女医なんて馬鹿にしてたさ。 がね…いやぁなかなかに上手いって感動したぁ……」
「嘘だ! ジョナサン流の強がりだ!」
「なら残った跡を見てみなよ。痛みを秘めた二人だけの時間……」
「貴様ぁー!!」
「すまない。足の巻き爪を矯正してもらっただけだ。 しかしもう一つ現状報告をしておくと、靴を脱いで見せた時に『どこが痒いんだ』と聞かれ ひょっとして水虫の治療だと思われてたのかってショックを受けてるのが俺ってことだ!」
黄金暦150年 10月 †
「俺さ、コソゲブラと同行したなぁ」
「俺の知ったことか!」
「討伐依頼が一緒になったんだ」
「名簿が隣同士の事、珍しくもない」
「手ぶらで集合場所に来たんだ」
「……何を言ってるんだ?」
「いやさぁ、カオス会話系のネタキャラなんて馬鹿にしてたさ。 がね…いやぁ一挙手一投足頭おかしいって感動したぁ……」
「嘘だ! ジョナサン流の強がりだ!」
「ならお隣さんを覗いてみなよ。携帯することを一切考えられてない武器……」
「貴様ぁー!!」
「すまない。俺たちもどうやって戦ってるかイマイチわからない冒険者だったな。 しかしもう一つ現状報告をしておくと、罠は見つけるし戦闘でも結構強くて 依頼が終わる頃にはさん付けしてたのが俺ってことだ!」
黄金暦150年 11月 †
「俺さ、さっき黒の閃光を見かけたなぁ」
「俺の知ったことか!」
「お前がアップルパイのカスを片付けてないからだろうが」
「冬でも暖房器具で温暖な家屋の中の事、珍しくもない」
「一匹目と戦ってたら二匹目と三匹目も出てきたんだ」
「……何を言ってるんだ?」
「いやさぁ、二十億年前から進化してない下等生物なんて馬鹿にしてたさ。 がね…いやぁオーガニック的な強さに満ちてるって感動したぁ……」
「嘘だ! ジョナサン流の強がりだ!」
「ならゴミ箱の裏を覗いてみなよ。SAN値チェックの可能性を秘めた一群……」
「貴様ぁー!!」
「すまない。足が震えていて強がりを言っているのがバレバレだったな。 しかしもう一つ現状報告をしておくと、俺のジェットストリームGの話を聞きながら窓を締め切り まだここに二人も人が残ってるのにたった今バルサンを炊いたのがお前ってことだ!」
黄金暦150年 12月 †
「俺さ、ついさっき今日がクリスマスだって気付いたなぁ」
「ごめん、覚えてない」
「そうだな……俺も忘れてたことにしよう」
「イエスだね!」
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