名簿/408893

ガスト・ヴィルボーヴォ・ウィンドワード　　　　　　　ステータス/戦歴　　　　　BGM：Stay with me

2011-02-14 (月) 20:28:11

従者のウィリアムもとい、ステラ・C・ルビウスステータス/戦歴　　　　　　　BGM:あなたに好きと言われたい

ここは、ヴィルボーヴォ家の屋敷。
長くて短い旅路を経て、2人はようやっとたどり着き、胸を撫で下ろした。
ガストは一旦、ウィリアムと別れて、父親と兄2人が待つ部屋へと向かった。

「ただいま」
「おお、ガスト、元気だったか」
父の言葉に続いて、兄達も労いの言葉をかける。
応え応え、再会と故郷への帰還を祝った。

そして父親が、こう切り出した。
「お前ももういい歳だ。折角帰ってきたのだから、縁談の打診に出よう」
「良い、令嬢を知っている。気立ての良く、武にも理解のある人だ」
「一度、顔を合わせてみるといい」
政略結婚のため、などではない。父も、兄も、「それがいい」と言葉をくれる。
自分を思ってくれているのだ。

「お言葉ですが、父上」
ガストが言葉を遮った。少し、固い口調で
「実は、大変申し上げにくいのですが」
左手をぐっと持ち上げて、機械義手を外し、掲げて見せた。
「この通り」
父親も、兄達もぽかんとしている。手を失った、ということについてではなく、今何故そんなことを言うのか。
「左手が無くなってしまったので、エンゲージリングが嵌められません」
ガストが答えの言葉を言い放った。
「どうしようもないので、縁談の話は無かったことにしていただけませんか」

話が終わって、廊下を歩いていると、ウィリアムが小さな駆け足でこちらへ寄ってきた。
「どうだった、ガスト？　久しぶりにお父さんたちに会えて嬉しかった？」
屈託ない、幸せそうな笑顔を向けて、言葉をつなげていく。
「そうだ、縁談の話もあったでしょ。ガストは若くはないけど、格好いいから、いい人が見つかるよ」
笑顔を崩さずにウィリアムは言った。

それから間があって。
「なぁ、ウィリアム」
「何？」
「これからずっと一緒に居てくれるか？」
「当たり前じゃんか」
「そうか。ならいい」

「ねぇ、ガスト。縁談の話はどうなったの。あったの、なかったの。教えてよ」
「後で話す。怒らないでもらえると、助かる」
「……いや、別にそれで怒りはしないよ。一緒に居られればそれでいいんだし」
「そうか、その言葉に偽りはないな。怒るなよ。絶対に怒るなよ」

エンディングテーマ：おやつのじかん