正法院家出身 長宗剛善 480227 †
男はいつの間にか姿を消してしまった
管理するものの居なくなった寺は更に荒れ果てて行く
ただその寺には一つの怪談話が遺された
丑三つ時になると、何処からともなく豪快な笑い声が響いてくるという
「酒を飲まぬか」と尋ねられ、了承すれば極上の酒を振る舞ってくれるが、
拒否すれば暗闇から酒をかけられてしまうという
そんな実害の無い何ともちっぽけな怪談話
生前の彼を知る者は、共に酒を飲む者が居なくなって寂しいのであろうと笑うのだった
そうして今夜もまた、荒れ果てた寺からは男の笑い声が楽しげに響くのだった
男はもう街のどこにも居ない †
&color(gray){}; 最新の3件を表示しています。 コメントページを参照 荒れ寺 †
最新の1件を表示しています。 コメントページを参照 |