exp036998.png名前秦野 麻綾(はたのまあや)
性別
年齢15歳
ちゅうさん
理由こっちが聞きたいんだけど。なにココ
企画悪霊村

それから Edit

  • ────つぎはー、せんだがやー、せんだがやー
    「……ん、んん……んん!?千駄ヶ谷!?村は!?」
    意識を取り戻したあたしの第一声は、そんな間の抜けたものだった。周りを見渡せば乗客もまばらな夜の電車。
    なるほど、帰ってこれたみたい……みたい?もしかしてアレ全部夢だったんじゃない?なんなの?
    夢にしてはリアルだったし、2週間近く着たきりだった制服もあちこち汚れてる……うわくっさ。汗くさっ!?そういえばあの村でお風呂ぜんぜん入ってないわあたし!?
    もう今の状態が夢じゃなかったことを言葉より雄弁に語ってるし、なんなら足元にスコップあるし……だめだわ、言い逃れできないわあたし村から帰ってきたんだわ。
    スマホの電波もバリバリ。時間は……8時前。やっぱり村に行く前、うたた寝してたあの瞬間に戻ってきたみたい。

    さっそく『悪霊村』と検索してみれば、出るわ出るわうさんくさい都市伝説が。
    いわく『突然人が消える謎の廃村』
    『人類救済を謳いながら襲いかかってくるシスターの悪霊とか、やたら痛い痛いと叫びながら襲ってくる男の悪霊とか、友だちになろうと言いながら襲ってくる女生徒の悪霊とか出るらしい』
    『女悪霊のおっぱいはでかいらしい』
    『うまくすれば天国に行けるらしい(二重の意味で)』
    らしいらしいらしい。雑にも程がある情報だけど……まぁ元気でやってるみたい。やんないでよ人死んでるじゃない。

    「……ま、あたしには関係ないわね」
    スマホを閉じ、かばんにしまう。彼女達は自分の意志で村に残り、細々と犠牲者を狩って暮らしていく道を選んだわけで。
    あたしには力がなかった。協力者も居なかった。イノリ=サンが敗れた『呪いの元凶』とやらに立ち向かう材料が足りなさすぎた。
    できたことといったら、生存者と協力して脱出すること。こちらのルートなら協力してくれる人も居たしね。
    ……腹が立つ。のうのうと呪い振りまいて得意げになっているであろう『元凶』に対して、だ。
    そんなムカつくやつに一発くらわせることもせず、ただ尻尾を巻いて逃げるしかなかった無力な自分にも腹が立つ。
    この屈辱は忘れまい。そしてあたしは……ナメられること、あたしを見くびることを絶対に許さない。
    「今に見てなさいよ……!!」

    • 後に伝説の退魔師と呼ばれることになる女が、産声を上げた瞬間だった。

      +  しまっちゃおうね

Last-modified: 2022-07-17 Sun 16:24:57 JST (641d)