コンディション・グリーン
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- (あの時のように自分を担ぐためかもしれない、だが仕事を放り出してまでやるなんてやりすぎだ…そういう都合のいい解釈をすることもできた)
(しかし人一倍仕事に打ち込んでいた彼女がほんの気まぐれで職務を放り出すはずはない、原因があるとすれば自分だ) (彼女は自分に何をさせたかったのか?その手のシモネタに詳しい「おばさん」に聞いたところ思いっきりストレートでぶん殴られた頬は今も痛々しく晴れ上がっている) (おそらくこの痛みこそが答えそのものなんだろう、自分は彼女を傷つけた事だけは理解し街をひた走る…彼女の姿を探して) -- アレックス
- (だがショウコの姿は見えず、冒険者の街は小国であれば首都ともいうべき広さを誇る)
(闇雲に探したところで見つかる由も無い。時間は無慈悲にも浪費し、夜の蚊帳が街を包むのにはそう時間は掛からなかった) --
- (見つけて連れ戻すまでは戻らないとそう決めた、人でごったがえす街ならば夜こそが本番)
(学生時代の写真を使って片っ端から聞き込みをし、探し人のビラをまいて走る) -- アレックス
- (アレックスは繁華街、人通りの多いところを狙ってビラを巻き己の足で聞き込むが雲を掴むように的を得ない応えばかり)
(見たことはあるかもしれないが、どこにいるかは知らない。そんな答えばかりが帰って来る) --
- (見たことがあるならまだここにいるはずだ、自分たちが集団幻覚でも見てたわけじゃないならショウコはどこかに絶対にいる)
(姿をくらますことができるなら見つけることだってできる、何かが起こったのなら解決することだってできる) (見たことがない、姿が見えないのならその声を、気配を、生命を感じるのみだ) (ひときわ高いビルの屋上に陣取って彼女の気配を探る、ジャングルの奥地でできるのなら摩天楼の街中でもできる、否定されても無理だと言われてもできると信じて続ける、それが自分だ) -- アレックス
- (アレックスが摩天楼の上より意識を網として街に張る。歩く雑踏、ざわめく街の息吹、それらが波となって彼に多大な心労を掛けることだ)
(ジャングルとはことなる人の営み、それらから情報を拾うというのは並大抵のことではなく膨大な情報が彼の頭へと流れ込んでくる) (彼の意識がどうなったかは定かではないが、砂海にまぎれた可能性という一粒が脳裏を過ぎるかもしれない) (その場所は、──── 酒場であった) --
- (ヒーローをやる上で避けられぬ虚言を弄す敵、心を弄び折る事にのみ喜びを感じる類の敵とも何度もやりあった)
(機械然としたアレックスの一面はそんな中で生まれたもの…必要ない情報を流してやるべきことのみを為すためのもの、心を殺す術) (もっと言えば「死者と霊魂を操る術」に長けた祖母の遺伝か感度を上げれば生きている者の営みどころか死人の声すら感じ取ることのできる「耳」はショウコの言うとおりまともな生物のそれでないチートなのだろう) (それくらいの察知能力と億万長者級の資金力、そして力がなければ務まらないヒーローというものも) …! (わずかにその気配を察すれば、あとはいつも通りに一直線。ビルを飛び降り、街を駆け、脇目もふらずにそちらに向かう) (彼女と会ったらなんと言葉をかけるかも、どういう態度を取るかも決めていない、会わなければなにも始まらないからだ) (酒場の入口を半ば破壊するような形で酒場に乗り込む、はたして彼女はそこにいるのか) -- アレックス
- (両開きのスイングドアを脇の壁に叩きつけるように酒場へと入ればその視線は当然のように彼へと集まる)
(体格はいいが酒場には不釣合いな青年、紫煙と酒に溺れた人間たちの臭いが彼を物怖じさせるかもしれない) (ショウコはいるのかと視線をこらしてもいいだろう。彼女は…見つけることが出来る) (いつかアレックスと一緒に出かけた私服のまま、酒場のバーカウンターに突っ伏すようにうつ伏せている女の姿があったことだ) -- ショウコ
- (彼女の姿を認めれば、そのまま一直線、周囲に何があろうがそこへ向かう。視野の狭さはこういうときプラスに働く)
…烏丸翔子ッ!! (彼女が「そこ」にいるのならば返事をするはずだ、いつも通りにやかましいと突っ込みの一つも入れるだろう) (だがそれがない時は、「そこに何もない」ような態度を取るのならばそれを甘んじて受けよう) (自分も彼女に同じことをした、ならばその報いを受けるのは当然である。罪には罰が等しく与えられるべきだ) -- アレックス
- (遠く、聞きなれた声がする。泥濘に委ねた意識が起こされると突っ伏していた身を起こす)
(だが振り返らない) ……。 (彼に目を降らず、カウンターの上に残っていたグラスに視線を落とし氷も解けてほどよい塩梅に薄まったウィスキーを手に取る) (それを気付けに喉へと流し込めば、薄まっていたとはいえ強いアルコールが鼻腔を突き抜ける) …ふぅ、マスター。もう一杯くれねえか -- ショウコ
- (彼女が手に取るはずだったグラスは届かない、途中で奪い取りそれを一気に煽る)
まず真っ先に「助け」にきた。クレーム処理と本部から送られてくる請求書の整理はすべて済ませた。 (自分で吐いたセリフくらい覚えてるだろうというあてこすりでセリフを吐いて目の前にグラスを叩きつける) ワガハイが気に入らないならそれでいい、最初っから期待はしてない事くらい解っているナリ! (聞こえてようが聞こえてまいが知るか、罪の意識はだんだんと怒りに変わって…怒りは矛盾へ向けられる) 貴様は言ったッ!だから私が付けられたと、お目付け役だと…だが貴様は「俺」に吐いたセリフを曲げて逃げた! 女として見られたいのか、女を知って浮つくのを咎めたかったのか…それをうやむやにしたまま!
……… 一 発 や ら せ ろ !!
(ここで脈絡なく飛び出す一言は、「おばさん」のアドバイスから割り出したものである) (自分が拒絶したことで女としてのプライドを傷つけたのなら女としてのプライドを取り戻すよりほかはない、ならこれしかない) (本人は大真面目である) -- アレックス
- (アレックスの店を奮わせるような一声に酒場は静まり返り、あいつ頭おかしいんじゃねえかという囁きと共に彼を視線から外そうという動きが生まれる)
(その言葉を投げられた当の本人は意に介せず、バーテンより渡されるグラスの氷を鳴らして彼に言う) …まあ、座れって。これ以上お前が言うと話がこじれるからな あと私は別に怒ってるわけじゃないから。それだけは覚えておいて (頬を赤くしながら、酔いに興じた瞳には芯だけは立っていた) -- ショウコ
- (もとより人にどう思われるかを気にしていたらこんな性格にもならないし行動も起こせない、滾る紫電の瞳は一時もショウコから離れない)
ではなぜ!!(怒りを感じたのでもない、瞳が死んでいるわけでもない、ならなぜ逃げる道理がある) (自分をハナから男として見ていないなら拒絶されようがなんとも思わないはず、一時の気の迷いで就職を棒に振るほど短絡的なら自分のことをあれだけなじれるはずもない) (なぜなのか解らない、「おばさん」もパンチ一発しかヒントをくれなかった…殴られた頬に手を当てて次の言葉を待つ) -- アレックス
- だから座れって…。酒場にきて飲まずにいる気か?
(オレの奢りでいいからお前は好きなのを頼みなと言ってまずはそこからだと) -- ショウコ
- ……カルーアミルク(どっかと隣に腰掛けて、苛立ちを隠せぬままに腕を組む)
(カウンターは殺気で満ちて誰も近づこうともしない) -- アレックス
- …懐かしいな。オレがお前に頼んだ奴だったな、それ
(グラスの中の氷に自己を投影し、アレックスのことを見ることなく会話は続く) 怒ってないのは本当だ。・・・むしろ問題はオレの方にある なぜならオレは…。お前から逃げ出したんだからよ -- ショウコ
- ……(あのときのように、カルーアミルクの軽い飲み口に心を躍らせる気にはならない)
(イッキをする気にもならなければ、味を感じることもない…それでも口に含み、飲み込んでいく) (自分も変わったのならショウコも変わった、そう言う事なのか?) …ワガハイが聞いているのは、なんで今…あのタイミングだったのかって事、ナリ (先程までと打って変わって、憤りが悲しみに変わっていき声のトーンが落ちる) (本来自分たちは水と油、初めて手合わせしたときから考え方、モノの捉え方が正反対で、だから不思議と仲良くできて…) (いつ喧嘩別れになってもおかしくなかった、それが今だというのならそれでいい、だがせめて、その理由を知りたい) (別れを決定付けたものが何かもわからないまま別離したなんて凝りを一生抱えたまま生きるなんてゴメンだ) -- アレックス
- オレはお前のことをいつまでも子供扱いしてきたけど、どうやらそれはオレの方だったわけだ
お前を弄って遊ぼうとしたけど、お前から当てられた殺気… あれを感じたときに底から冷えるものを感じたんだよ。…オレはお前のことを上司であり相棒だと思ってたけどよ あの殺気で何もかもが冷めちまった。積み重ねてきたもの全てが崩れちまったんだよ (グラスを握る手が、わずかに震えるのが見えたかもしれない) …お前とは空中学園都市での生活で何度も衝突してきたけど そのたびにお互いというものを知った気になれていた。…けどよ、なれていただけだったんだ オレはお前を知らなかった。お前を知った気になったつもりでいた そのツケがあの瞬間に回ってきただけ、そしてオレはそれから逃げ出しちまった …情けない話だろ? だからオレはこうして酒に逃げてるだけなんだ 分かったらその一杯を飲んであとは帰れ… -- ショウコ
- …解った(一杯を飲み干し、カウンターに叩きつけた。何度もやるのでバーテンも渋い顔)
ショウコはあんなに強いのに思ったよりも、怖がりで…子供で…逃げ出したくなることだって、ある (自分にもわかるように懇切丁寧、噛み砕いて心情を説明してもらえば、解ったことを確認するように言う) だったらワガハイこそ子供だった、どこか「頼りになる相棒」にあぐらをかいて…甘えていただけだったナリ (腕っ節だけでない、ブレーンとして至らないところに指摘をしたり、フォローを入れてくれたり、いつしかそれが当たり前になってしまっていた) 崩れただけなら「無くなった」わけではないナリ、死が二人を分かつわけでもなければ、敵どうしになったワケでもない (一つ一つ、ショウコの感じた虚しさと凍える恐怖を解けるように言葉をつなげる。) ワガハイもショウコの力になりたい、ショウコの力になる…相棒を真っ先に助けられずに何がヒーローだっ…! (お互いに知ったつもりで依存していた、ならばこれでお互いにお互いを知れたのだと、終わるには早すぎるとショウコの手を取る) だから帰らない!絶対に連れて帰る!!帰らないのならワガハイが付いていく! (握る手に力が篭る、血と熱の通った暑苦しい手、凍りついた心に届くように固く、強く) -- アレックス
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- ショウコ氏ッ!服を買いに行くナリ!服!!(乗り込む上司) -- アレックス
- また随分と急だな…。だけど服なんてどういう風の吹き回しだい? -- ショウコ
- どうもこうも…普段からお世話になっているゆえ、好みの服をあれこれ物色してみたり食事などを楽しめればなー…と
(思えばレースの打ち上げで誘ってもらったり、業務の面でも頼りっぱなしである、急どころか遅すぎるくらいであると) -- アレックス
- はぁ…。上司の労いが何時になるか待ってたけどさ、ようやくか…ようやくか…
(こみ上げるものにじんわりとした熱を覚え、書類の山に挟まれた身を起こす) (体を起こすや否や、するりと羽織っていたジャケットを落としショートパンツのホックを外す) -- ショウコ
- 長いことお待たせしたナリが今日はたっぷり……(と、そこまで言ってなぜ脱ぐの?脱ぐのナンデ!?と固まる)
ショウコ氏!いったいなにを!?(わーわーとわたふたする) -- アレックス
- …あ? ああ、だって制服のまま外出する訳にもいかないだろ
(ゴムのように薄手のインナースーツが露わとなると、体つきのくびれや乳房の突起が色香を醸す) (そのボディインナーを繋ぎとめている背筋のファスナーに手を伸ばそうとした矢先、ようやくアレックスの戸惑いについて理解を果たした) …ああ、お前と一緒の生活だったから少し麻痺してたな。外で待ってろよ (と言えば、仕事疲れでクマの出来ていた視線に鋭さが戻る) -- ショウコ
- ワガハイとてそのへんの貞操観念はしっかり…と…(言葉を濁す、だってあの時…ともぞもぞしてた)
りょ、了解ナリ!ワガハイも着替えてくるナリな!(さも当然のように着替えるのを見れば、そうだ着替えねばと自分も半裸になってたので慌てて部屋から飛び出す) -- アレックス
- (何してんだろうなと廊下の張りを軋ませながら走るのを見送り、着替えを始める)
(それから半刻ほど、赤色のレザージャケットと茶褐色の丈の短いボトムで飾った女が出てくる) (時間が掛かったのも目元のクマを隠すための化粧と仕事で乱れていた髪を整え治していた為だろうか) (上司であるアレックスは時間が掛かったことを咎めてもいいし何も言わずともいい) -- ショウコ
- ま、待ったー?ナリ…(顔見せはほぼ同時、待ち合わせに駆けつけた乙女のごときセリフで声をかける)
(その出で立ちは全身真っ黒な喪服のようなスーツ、精一杯の礼装だがデートに来てくるには重い) あれはもしや…(転校したころに着ていた服…?あの頃よりだいぶ女性らしく…などと知らず知らずにまじまじと) ででで…では出発ナリ!ワガハイが案内するナリからして!(いかん今日は自分がオモテナシするのだ!と手を握って歩き始める) (若者で賑わう繁華街、店を探して服を見繕うなら申し分ない場所だがはたして…) -- アレックス
- お前なあ…。ドレスコードが必要な店に連れてくつもりかよ…
(やれやれと頭を抱えれば、書置き一つで「今日は休業」と羽根を伸ばしに足を運ぶ) (握られた掌から感じる微熱に緊張でもしてんのかと頬が緩めば、引かれるがままにエスコートの路を歩く) -- ショウコ
- デコスケ…?(野郎?と首をひねる、社交界というものにもとんと縁がない名ばかり御曹司である)
ここナリ!事前に調査しておいたこの界隈でも随一だという品揃えの… (案内されるのは『宇宙撫子』なる屋号がついた怪しい店、店内には『和風』を意識したと思しき物品の数々) (ほかならいざ知らず東洋系であるショウコは即座に違和感に気づくレベルである) こちらの装束などが今年の流行りらしいナリな!(どやっ!と取り出されるのは不知火流のくノ一が鉄扇振り回してそうな衣装) -- アレックス
- (肺から砂のように零れ落ちる吐息、押し留めることの出来ぬ落胆の声でもあった)
悪い、お前に期待した私が悪かった…。うん、まさかコスプレを強請られるなんてな (脇に置いてあった模造刀を手にするとアレックスの頭をこつんと、それで叩いてしまう) -- ショウコ
- あだっ!?(こつんと小突かれて声が出る、しかしそれよりも目に見えて落胆するショウコを見て『まずい』と本能的に察し…)
ショウコ氏は東洋系ゆえ、東洋のKIMONOがあれば喜んでいただけるかと…(しょんぼり、エセ和風ではダメだったのかと意気消沈し耳も垂れる) な、なれば食事!食事を!!(機嫌を直してもらおうと食事のお誘いをかける) -- アレックス
- …お前なあ、私が着物を好んでつけるようなのに見えるか?
それにショッピングに連れて行くつってこれはないだろ。…今度一緒にファッション誌でも見ような (初っ端からこれでは食事も思いやられるなと肩を落としつつも、挽回の機会を与えようと腕を組む) -- ショウコ
- お召しになれば、きっと似合うナリ!(断言する、美しく着飾ることを好まないのと着ても似合わないことは別だと…)
(ショウコが呆れたのはそういう事でもないのだが、着ればきっと似合う!と言い切れば彼女を勇気付けられるという思い込みがそうさせる) ショウコ氏…!(今度はショウコ氏から腕を組んでくれた、ならばそれは少なからず期待してくれているということ) では、こちらに!(下調べをしておいた店のひとつへむけて移動開始、伸びた背丈は185センチに達して人ごみのなかでもガンガンかき分けていける) (人よけくらいの役には立つところをアピールしたいのかもしれない) -- アレックス
- いや似合う似合わないの問題じゃねえから。…もう一度言うけど、いきなり着物は重いだろ。どう考えても
(だが落ち着いて考えて欲しい。手を繋いでるのではなく、組んでいる状態にあることを) (アレックスが視線を横に流すと、掻き分けて流した人ごみがショウコへと当たっていた) (ゆえにショウコの眉は立ち、不機嫌そうに口を尖らせていた) -- ショウコ
- ヤマトナデシコというヤツは流行らないナリかな…(着物の似合う東洋の美女!というやつに憧れ…いつのまにかそのイメージが姉に入れ替わってるなどよくある、そのせいかガンガンと流れる人ごみがショウコに当たるのに気づくのはだいぶ後)
し、失礼!(口を尖らせて爆発寸前なショウコとまともに目も合わせられなくなる状況、そうこうしている間に店にたどり着けたのは不幸中の幸いか) ここナリ!(ちょっと小汚くが生活感があるとも言えなくもない中華料理屋、繁華街にありがちな看板は割れていてかろうじて『上○亭』と読める) (店内は狭いが隠れ家的魅力といえなくもなくもない…かもしれない) -- アレックス
- 私が撫子に見えたのならそいつは失礼ってもんよ
(招かれたのはごくありふれた中華料理屋、ネオンが誘蛾灯のようにじりじりとした熱をあげて客を招く) (着飾らない、ありのままのラーメン屋といった風貌なのだが…) …ま、これで勘弁してやるか -- ショウコ
- なるほど…女性を花に例えるというのは捻りがなさすぎるということナリな!
(じゃあ締め上げたら二度と離さない大蛇のような…と獰猛な動物に例えようとしたが、じゃあ実演してやろうということになりそうだったので口を塞いでガード) ワガハイはラーメンセットいっとくナリが、ショウコ氏はいかがされるナリか?(季節は夏、中華料理屋にありがちなアレが始まる季節である) -- アレックス
- 女連れてラーメン屋なんてのも味気ないが、…それが今の限界って事で許してやるよ
(冷やし中華はじめましたの文字をみるが一瞥するだけで、視線を壁に並べられたメニューへと投げる) そうだなあ…。私もラーメンセットといきたいけど、同じのだとつまらねえからこのチャーシューセットにするよ -- ショウコ
- なればつぎの機会には映画などいかがナリか!大スペクタクルな巨篇を…(とにかく爆発してセックスするようなコテコテのやつを提案してがっかりするかもしれない)
チャーシューセットはお好みでチャーシュー丼オーダー可能だとか…親父さん!(注文のついでに裏メニューの可否を聞いたりする) ……その…リフレッシュ、できた…ナリか?(普段から仕事をまるなげしっぱなしで久しぶりの外出、ミスが目立つエスコートだったが少しでも気晴らしになれば…と、そう思っている) -- アレックス
- いやまったく
(死刑宣告にも似た通知が単調に告げられると、気まずい空気が場隅のテーブルに漂う) (ほどなく運ばれてくるのもそう大きくはない中華料理屋の美点の一つだ、打破するように店員の声が運ばれてきたメニューを確認するように叫ばれる) …ま、最初っから期待はしてなかったけどな。だってお前だもん 人にクレーム処理を押し付ければ、外回りと称して本来の仕事でないパトロールをやり始めたり こっちが人目を忍んで干物を作っていれば、人目はばかることなく同級生とデートしてる (唇に箸を咥えて気風良く割れば、目の前におかれたチャーシューメンを啜る。…実に安直だが、それでいてシンプルな味付けだった) 申し開きがあるなら聞くぜ、アレックス"所長" -- ショウコ
- 仕事でないからといって困った人を見過ごすわけには!!(目に付いた範囲だけでもなんとかしなければ、そういう気質はショウコを悩ませている『会長』…要はアレックスの祖父譲りの『ヒーロー気取り』の血である)
(もっとも、大きな事件に首を突っ込んで目立つことだけを目的にしているジジィと違い『鍛えた力で人助けをする』という頑固さを持った天然である点が余計に救いようがない) それにあれは、デートでは!…ええと…(以前瓦礫城にて奥義書が引き起こした事件をジュリカと共に解決した件もヒーローとしての活動で…だが、ショウコにはヒーローとしての自分の正体も、S.N.R.I.がもともと何のために起業されたのかもまだ伝えていない) (ショウコの性格からいって『無償でヒーロー活動をする』など到底認められるものではなく、またその性格だからこそこの甘ったれたお坊ちゃんに『現実』を突きつける役として最適という人事だからだ) ありませんっ!すべてワガハイの不徳の致すところナリ!(この状況に陥った時点で言い訳も弁明もすべて無意味、ならば素直に頭を下げるしかない) (ただ、それが加減なしのバカの場合は土下座で床を割り店を揺らすということにもなるのだが) -- アレックス
- 何も昨日今日の付き合いじゃないからな…
お前が自分の決めた信念に向かって動くのは分かる。そしてそれに助けられたことは私にもある けどよ、その不器用なまでの一途さが私のところに届けられるクレームに繋がるって知ってたか? (店がどすんと揺れると、食べていた客の中には丼を落としてわってしまう者もいた。ショウコはそれを予期して予め自分の分の丼とギョーザは持ち上げて退避させていた) 童貞卒業しても性根ってのは変わらないもんだな -- ショウコ
- ………(自分が人助けと、よかれと思ってやればやるほどにショウコに迷惑がかかる。)
(正義が絶対ではない、常に二律背反のジレンマに晒される事の最も身近な例を突きつけられれば黙る) (ショウコの迷惑を増やさぬために何を見ても知らんふり、事なかれの『大人』としての振る舞いを身につければ『甲斐性』も身につく) それでも…それでも『俺』は曲げることができない、クレームをなくすことができなくても…二人でやれば二分の一にできるはずナリ! (事なかれ。そう思うように仕向ける教材としては出来すぎなシチュエーションだが、『それでも』と言う事をやめられない) (母がよく例えに出す『白いカラス』の話、カラスは黒いという現実もこの世にただ一匹でも白いカラスがいればカラスは黒くない) (たとえどれだけ筋の通った話だろうとたった一つの例外で崩れるという詭弁の一種だが、それでも自分には納得のいく話だ 現実がそうならばそうでないように変えてしまえばいい。) だからワガハイはこれから…も? (ヒーローをやめない!とタンカを切ろうとしたところ食事を邪魔された客や店を破壊された店主たちに囲まれて袋叩きが開始された、自業自得である) どっ!?どどど…!?(なんでそれを知って!?っていうかそれだれから聞いたの!?と袋叩きにされるそばから畳み掛けられるアレックスくんのちんぽ真っ黒でした!発言に動揺する) -- アレックス
- だから私が付けられたんだと思うようになったよ。お目付け役がいないと騒ぎばっか大きくするからな
だがお前がまず真っ先に助けるのは私だよ。クレーム処理と本部から送られてくる請求書の整理が待ってんだ (袋叩きにされるアレックスとは対照的に落ち着いた佇まいでラーメンとギョウザ、そして小皿のスープを完食すると手を合わせる) あの月華とかいうおばさんから聞いたんだよ。きっと今も遠見の術法を使って私らのデートを除き見てんだろうさ まったく、出歯亀が好きなババアなこって (聞こえてることを意識すればにやりと口端を釣り上げる) (席を立ち上がれば、このバカに食事代金と一緒に請求書を当ててやってくれと店主に言う) -- ショウコ
- ぐっ…(ジジィにも『影』というお目付け役がいる、自身と真逆の考えを持つ者が近くにいることは成長に欠かせない要素である。)
な、なれば今日はショウコ氏に変わってワガハイがすべて処理するナリ!(今日の彼女は非番、電話応対をシアンが全部捌いているいま自分は書類整理ぐらいしてできらあ!!とすっかりやる気) なんと!?で、ではワガハイとジュリカ氏が夜通し行ったあれやこれやも…全部…?(真実を知って口から魂が出る、もうお嫁に行けない・・・と脱魂するそばから顔を赤らめる 完全KOである) -- アレックス
- そのへんは知らねえよ。あのババアにどこまで見てたって聞いとけ
(騒がせたなといって店を出ると、やれやれと溜息を吐けば) …今度は私の方から場所と段取り考えとかないとな -- ショウコ
- てすと --
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