事務所や部屋や街やら何でもどこでも / 当店は閉店致しました。皆様長らくのご愛顧本当に有難う御座いました。 †
従業員の諸々 †
受付兼看板娘兼事務兼清掃兼雑用 アマレット †
いつも笑顔を絶やさず、にこやかに接客をする少女。
基本的に仕事の斡旋については彼女が取り仕切り、依頼の受付、処理、精算などを行っている。

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| | 『少女のいつか』
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夕日が嫌いだった。
毎日、夕ごはんの時に作業場から食堂へ渡り廊下を移動させられる。その時に辺りを真っ赤に染める夕日が嫌いだった。
朝日は知らない。朝日が登る頃にはもう、私達は作業場と呼ばれる建物の中で何に使うのかも分からない雑貨や造花を作り、
昼前には一欠片のパンを持たされて近くの綿畑で延々と綿を収穫し、午後にはまた作業場へと戻りカーペットを編んでいたから。
だがら、私にとって夕日は一日の始まりと終わり。お腹がとてもとても空いてふらふらしても、喉が乾いて乾いて咳き込んでも、
あんまり寝ることもできず瞼を擦っていても殴られる、そんな嫌で嫌でたまらない繰り返す一日がずっと続くことを思い知らされる赤い光。
「48番。手が止まっている!」
いたい。ふとっちょの目が釣り上がっていつも怒ったような顔をしているおばさんがまた私を木べらで殴る。
これで87回め。このおばさんからは。いたいけど顔をしかめてはいけない、それを見つかればまた叩かれるから。
12番の子が倒れた。手を伸ばそうとしたいけど、できない。それを見つかればまた叩かれるから。
今日中にみんなであと17枚カーペットを編まなければいけない、らしい。なぜかは分からない。教えてもらっていない。
水みたいな豆のスープと石みたいに硬いパンを食べたのは2時間32分45秒前だ。たぶんもう終わらない。
恐ろしくて体がふるえる。ぎゅ、と自分を抱いて止めたくなる。いやだ、お仕置きをされるのはいやだ。
バケツに157秒顔を突っ込まれた時は絶対溺れ死ぬかと思ったし、32本の針を両手の指と爪の間に差し込まれた時は痛みで気が狂うかと思った。
全部、全部いたかった。つらかった。今この時にもそれを受けているように、恐れが鮮やかに浮かび上がる。
お仕置きをするときのおばさんたちは、わらってた。おばさんたちは私達をいじめるための機械かなにかなんだと思ってたけど
その笑い声をきいて、違うって思った。おばさんたちは怪物なんだ。私達をいじめていじめてきっといつかおしまいにはたべちゃうんだ。
あたまがいたい。私の頭からずっと消えない頭痛と熱は、手をもつれさせて作業を遅くしてしまう。…いたい。また叩かれた。
「……おやすみなさい」
声を揃えて就寝の挨拶を言わされる。どうにかみんなで頑張って頑張って17枚のカーペットを編み上げた。11865編み目の時に叩かれたし、
27481編み目の時に24番目の子が口から何かを吐いてどこかに連れて行かれてしまったけど、とてもとても頑張った。
私一人だけでも187452回も編んだ。よくやったと口にだして自分を褒めたくなる。でもできない。
私達が寝るまで細身の神経質なおばさんが見張っているから。87日と11時間41分12秒前に、41番の子が逃げようとしたせいだ。
あの子はあれから見たことがない。
「さっさと歩け!とっとと仕事を始めろ!」
唯一の安息の時間だった睡眠時間は今日もあまりなかった。何も見ず、聞かず、感じなくて済むその時間だけは救いなのに。
眠気と頭痛でぼやける頭を振ってごまかして、まだ暗い廊下を歩いて作業場へと向かう。急がないと、叩かれてしまう。
決められた持ち場について、組み立て方を書いた紙切れを読んで、色んな形をした木材を組み立てる。
43片の部品に分かれていたその内、13片を組み立てた所で────
「……非合理極まりない」
冷たい声が聞こえた。その意味ではなく、声色が触れれば凍えそうな、そんな。
おばさんたちが慌てだす。なぜだろう?他のみんなは私と同じように何が起こったのか分からずきょとんとしている。
「この孤児院の名を被った奴隷工場は私が買い取った。ついては職員全て即刻クビだ。
一時間以内に退去しない場合、貴様らの身の安全は保証しない」
震え上がるようなその声が作業場に響いたのと殆ど同時におばさんたちは今まで見たことがない顔をして
どこかへ行ってしまった。残ったのはみんなと、切れ長の目をした、大人の男の人だけ。
「お前がボスの縁者か」
そうして、私は、ファミリーになった。
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・元々は身寄りのない孤児として孤児院に居たが、幼年期を過ぎた頃に
ボスの遠い血縁であることが判明し、ファミリーに引き取られた。
・孤児院はお世辞にも良い環境とは言えなかったため、少女はファミリーに深く感謝している
・恩を返したいと仕事を頑張っているが、どこか抜けたところがあり、ミスもちょいちょいしている
・孤児院時代のことは余り話したがらない。同僚の二人も詳しくは知らないが、上役のタウラージ、ボスは知っている。
・家事全般もアマレットの役割。料理は割と好きでお菓子作りは数少ない趣味の一つ。
・化粧などに興味はあるものの、気が引けてすっぴん。しかし受付業としてはした方がいいのかと少し悩んでいる。
・週に一度だけ休みを取る。その日だけは同僚二人かどっちかが受付を行うが、トラブルが多くハラハラしているとか。
・部屋は年頃の少女らしい控えめに華やかな家具の並ぶ整頓された部屋。大きな本棚があり色々なジャンルの本が並んでいる。
・荒事は出来ないが、仕事で走り回ることもあるため、脚力とスタミナにはそれなりに自信あり。
とはいえ年頃の娘にしては、というところ。ついでに他の二人に「いざという時は走って逃げろ」と鍛えられているのもある。
・特技として先天的に驚異的な記憶力があり、覚えようと思った事柄はその光景をフィルムに焼いた写真どころか、
その場の音、匂い、肌感覚、自分が何回呼吸したか、に至るまで正確に細部まで記憶する完全記憶能力がある。
魔術や異能によるものではないが、それに近しい技能。とはいえ普段は顧客名簿代わりに客を覚えることくらいにしか使っていない。
・ただし特に覚えようと意識していないことは普通に忘れる。また、一度に長時間の記憶を行うと脳に負荷がかかり、頭痛、発熱が起こる。
・完全記憶を長時間行うとまず頭痛が起こり、次に発熱が起こる。長時間行えば行うほど熱はあがり、頭痛がひどくなる。
・幼少期ではこの記憶技能は不完全であり、それでも並の記憶力とは比べ物にならない精度でほぼ全てを記憶していた。
その代り負荷は現在に比べれば低いものであり、致命的にまでなることはなかった。
・完全記憶能力については、タウラージが訓練を施し現在の形となった。
負荷についてもなんとかしようとしていたが、今時点では手に負えないようだ。
・常に腰の後ろに小さなポシェットをつけている。その中には銃使いから贈られた手のひらサイズの小さな拳銃と、
暗器使いに贈られた小ぶりの匕首が入っている。
・年に数回、何日間か黒服に連れられてどこかへ行く。本人曰く、旅行とのこと。
・変装をして出かけていた先は、側近しか知らぬタウラージ本社の大金庫の元。
定期的に鍵の情報を更新していたり、アマレットにしか出来ない仕事をさせていた。
・ガラガラの景品で偽物のイカの形のミニまな板ゲット。便利。
・読唇術を学んだ(と言っても本の丸写し)経験を追いつかせるため人の口元を見つめている時があるかもしれない。
・フッサールにクリップが猫の手になっている万年筆を貰う。時折視線をやっては微笑んでいる。
・ガラガラの景品で、B級ブランド品のバック、ポーチ、財布をゲット。基本安物しか使ってなかったので喜んでる。
・『ココマート』
ダニエルの持つ銃、バコタールと対になる銃。デリンジャー並の手のひらに収まるサイズであり、
バコタールと同じく善神である神性存在の骨から作られていると伝えられている。
こちらの銃は弾は一種類しか使えない。その代りかはわからないが、撃つのに魔力を必要せず、
魔術師に適正のない者でも撃つことだけはできる。ただし弾は同じく魂を加工する必要がある。
アマレットの持つポシェットに普段は収められている。
クレゴ・ナ・アイ
・『大いなる精霊の心臓』
白き月。守りの月。撃った者の守護の意志に応じて周囲を守る絶対防衛圏。
かなり高位の魔術だろうと安々と弾き、次元を越えるような攻撃においてもある程度の防御を行う。
だが対になる概念である太陽の属性を持った攻撃に対しては防御力が落ちる。
・『鴆毒無辺』
ジェンの組織で開発された最強の毒。その対象が生物に類するものであれば髪の毛の先程の僅かな量でも
皮膚に付着しただけで数秒のうちに死に至らしめる仙術の流れを汲む尋常ならざる猛毒。
対象が虎であろうが象であろうが果てには竜でさえも即座に殺したとされているが真偽は定かではない。
アマレットのポシェットにある鞘に収まった特別製の匕首に僅かに塗られているが、
扱いには厳重な注意をするよう言い含められている。
銃使い ジャック・ダニエル †
荒事担当その1。黒の中折れ帽を被りよれた黒スーツを纏った、三十代後半と思わしき、細身で長身の髭面男。
常に酒の匂いを漂わせる酔っぱらい。斡旋屋のソファの一つを占拠していつも寝ている。
腰のベルトに左右一丁ずつ拳銃を差しており、荒事の仕事の際にサポートとしてついたりすることもある。

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| | 『男のいつか』
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銃が嫌いだった。
俺を男手一つで育ててくれた親父が死んだ。元々体が強くない男だった。寿命だと笑ってた。
腕のいい精霊魔術師だったが、子育てなんて魔術じゃできねぇ。苦労も多かったに違いない。
一人で親父を埋葬した後、俺は、家中さらって荷物をまとめ、それだけは持って行けと言われた
古臭い骨董品みてぇな銃を二丁、荷物に突っ込んで家から出た。銃なんて必要なかったんだが、遺言だ、仕方ねぇ。
そういや、これは戒めだなんだとか言ってたっけ。なんだそりゃ。
「あなた、才能無いのよ」
近くの街へ出て、数年。親父のように精霊魔術師として身を立てたくて、親父の残した魔術書やらで研究を重ねたが、
半人前どころか覚えたての初級者みてぇな有様だ。馴染みのBARのウェイトレスに含み笑いで揶揄されてもぐうの音もでねぇ。
やれやれ、今夜は酒の量が増えそうだ。いつもは嗜む程度になんだが。たまにゃ仕方ねぇさ。
にしてもいい加減、諦めねーといけねぇかなぁ。親父の蓄えも厳しくなってきたしなぁ。
「…あのね、子供ができたの」
もう、年貢の納め時って奴らしい。学もねぇコネもねぇ俺が稼ぐにはこれしかなかった。いつものBARでそれを告げると、
実に心配そうな顔をされたが仕方無ぇ。男の甲斐性ってモン、見せてやろうじゃねぇか。…銃なんてのは野蛮で好かねぇんだがな。
それでも、今の俺が直に賞金稼ぎなんてやくざな稼業を始めるためには、それしかなかった。
「女の子ですって」
皮肉なモンだ。苦し紛れに手を出した銃は、俺の手にしっくり馴染みやがった。本当なら魔術書を手にしてたはずなんだがなぁ。
それともモラトリアム気取ってた頃には必死さが足りなかったかね。今ならそう思える。
向き不向きもあるんだろうが、血なまこになって、銃声で耳が馬鹿になりそうなくらい引き金を引いたからな。
生まれてくる俺たちの娘のためにも、もっと稼がねぇと。まだまだ腕前が足りねぇ。
…そういや、荷物に突っ込んだままのあの骨董品、どうしたっけ。
「…大丈夫なの?」
骨董品が収められたガンケースにあった親父の手紙に全て目を通した時は、衝撃を受けた。
だがそれ以上に、これは親父の、祖先の助けなのだと感じた。右手にいつもの銃を、左手に骨董品を持った俺は、次々と大物を食った。
俺なら行ける、上手く使ってやる。これで大丈夫、何もかもがうまくいく。そう思えた。
待ってろよお前ら、たんまり良いもんを食わせてやるぜ。
「残念ですが……」
泣くしかなかった。産後の肥立ちが悪かった。そう言われた。うるせぇ、知るか。
仕方のないことなのだと、どうしてもままあってしまうことなのだと、説明を受けても納得できなかった。
幾日も幾日も思い出のBARで飲み、酒量が増えた。だがマスターに諭され、俺はどうにか立ち上がれた。
そうだ、お前が居なくなっても、俺達の娘が居る。俺が…俺が守らなきゃいけない娘が。
「ぱぁぱ?」
初めて娘が俺のことを呼んでくれた。涙を浮かべてしまったのは彼女と別れを告げた時以来だ。
雇ったベビーシッターに気まずい所を見られた。それが人の親になるということなんです、なんて知った風なことを言われてしまった。
この時になってようやく、父親になったのだということを実感した。そうだ、俺がお前のぱぁぱだ。
だいぶ酒量は減った。それでも暗い夜には、どうしても手を出してしまう。
「お父さん…無理してない?」
そろそろ足を洗いたくなってきていた。娘も大きくなり、先の見えない賞金稼ぎを続けるにも不安が付きまとっていた。
焦っていたのかもしれない。そこに舞い込んできた大物中の大物。こいつを取れればひと財産になる。
少なくとも、娘が成人するまでを繋ぐことはできる。親父よ、あんたは凄かったよ。男手一人で子供を育てるのが
ここまで大変なことだとは思わなかった。毎日がてんやわんやの大騒ぎだ。今更だが尊敬するぜ。
だからよ、これが最後だ、力を貸してくれよ、親父。
「……ずっと…元気で…いてね…」
動けなかった。絶望を全身が満たしていた。涙さえも出なかった。だいぶ経って現場に到着した警察官に引き剥がされて
初めて俺は自分が石像じゃなかったことに気づいた。もう、そのままでも良かったのに。永遠に。
遺留品として娘のペンダントを渡された。去年の誕生日にプレゼントした、それだった。
「へへ…有り金よこしな!」
酒に逃げた。元いた場所に居たくなくて、街から街へと飲んでは逃げ、飲んでは逃げた。
もはや酒を自分が飲んでいるのか、自分が酒に飲まれているのか分からなかった。泥そのものになった気分だった。
ついにはその果てに、暗い路地裏でボロを纏った痩せこけた少女の追い剥ぎに会った。
少女は錆びた鉄パイプを組み合わせた、とても銃とは呼べないようなシロモノを突きつけてきていた。
ほしいなら財布ごとくれてやる。そう思って上着の内側に手を差し込んだ時、少女は勘違いしたのか粗悪品の撃鉄を弾いた。
腹から熱い何かが流れていく。そうか、俺は泥だった。このまま溶けて流れてくんだな。阿呆な男の末路にゃふさわしい。
少女は財布を抜いてどこかへ逃げたようだった。そいつで何か美味いモンでも食いな、そう言ったつもりだが声が出なかった。
そうして酔い潰れただけのように、仰向けに地面に寝て、瞳を閉じて────
「だ、大丈夫ですか!?待ってください、今人を呼びます!そ、その前に応急処置!
わわわっ、血がいっぱいでてますよ!気をしっかり!聞こえてます!?返事して!へーんーじー!!」
うるせぇなこの女。ぼんやり思って目を開いた。地面から見上げる蒼い空に、太陽のような金髪が広がっていた。
なんだ、眩しいな。目を細めた。見下ろす少女の顔が見える。天地がひっくり返ったような顔をしてた。
はっ、ひでぇ顔だわこりゃ。
「うるさいです!黙っててください!」
そうして、俺は、ファミリーになった。
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・とある街でかつて賞金稼ぎとして生計を立てていた銃使い。
ある出来事がきっかけで賞金稼ぎを廃業し、この街に流れてきた際に少女に助けられ、以降斡旋屋に住み着いている。
・暇さえあれば酒を飲み、常時酒が入っているような状態。だが酒にはめっぽう強く、
その状態で大立ち回りもやってのける。…が、酒と普段の運動不足が祟り、スタミナはそこまでない。長距離走は苦手。
・酒は何でも呑むし好きだが、甘めよりは辛め、特に何もなければウィスキーを好む。よれた上着の懐にはいつもその小瓶がある。
・部屋は乱雑な男むさい部屋。出来るだけアマレットには掃除させない。酒の空き瓶コレクションが並んでいる。
・拳銃は一応上着で隠れているが、隙間から革製ホルスターに収まってるのが普通に見える。
・右側の拳銃は使い込まれたオーソドックスな6連装の黒のリボルバー。
量産品だが物は良く、口径は程々で威力よりも精度を重視した調整がされている。
・左側の拳銃は、骨董品かと見紛うような年代物のアンティークリボルバー。
全体的に濁った乳白色をした、装飾が随所に施されたそれは、4連装であること以外は詳細は不明。
明らかに一点物であり、めったなことではそれを抜かない。
・アンティークリボルバーは、近づいて見れば鋼とも違う異質な材質で出来ていることに気づくかもしれない
・得意技はクィックドロウ/早撃ち。本人や銃の調子によって前後するがその発射速度はおよそ0.3秒。
・早撃ちのためにリボルバーのトリガーは軽く調整してあり、他人が持つと使いづらいと感じるかもしれない。
・殴る蹴るの格闘もそれなりにこなすが、正当な心得などとは縁がない身の上のため、
とにかく場数をこなしただけの喧嘩拳法。
・魔術の知識があり。だが人に言うと「お前が?」みたいな目で見られるのであんま言わない。
別に魔術も使わないし使えないので尚更信じてもらえない。
・魔力等を感じる、見る、くらいは可能。呪文を唱えられない魔法使いのようなもの。
・この街で使われる一般的な魔術についても分かることは分かるが、本職には劣る。
・魔術師の家系の生まれ。しかし親戚からは勘当同然。そのルーツは古く新大陸にあるらしい。
・シャツの下に女物のロケットペンダントを首から掛けている
・かつて自らの過ちで失った娘、アンナに誕生日プレゼントとして贈った物。開ければダニエルの面影がある黒髪の少女の笑顔の写真がある。
・斡旋屋の補助とは別にファミリーから何か仕事を請け負っているらしい
・かつて賞金稼ぎ時代に噂された二つ名は「悪魔と取引した男」。しかしその意味を知るものは当時でも少なかった。
・フェルモから改造マシンピストルを貰う。どうしても手数に劣る乱戦時用。ロングマガジンを使用しロングバレル化、マズルブレーキ解除され、
トミーガンのフォアグリップを取り付けてありフルオート化されている。この銃は背中にガンベルトで装着している。【見た目】
・フェルモから銀の銃弾を貰う。リボルバー用と、改造マシンピストル用の物をそれぞれ用意してもらった。→吸血鬼討伐にて使用。
・ティアナから聖水を貰う。ポリタンクにたっぷり貰ったようだ。→改造水鉄砲、聖水爆弾にて吸血鬼討伐で使用。
・ジェロームから聖水サイダーを1ケース貰う。→改造水鉄砲にて吸血鬼討伐で使用。
・『バコタール』
アンティーク・リボルバーの本当の名。対となる小さな手のひらに収まる程の銃もあり、
そちらの名は「ココマート」と呼ばれ現在はアマレットが所持している。
使用には特殊なハーブを用いた煙草を入れた聖なるパイプ、カルメットを吸い、精神を高める必要がある。
弾には特殊な秘術を用いてダニエルの魂の一欠片が物質化して封入され、弾を一つ作るたびに男の寿命が縮む。
また、トリガーを引く際にかなりの魔力を吸い取っていくため、簡単に連発はできない。
真偽は不明だが、遥か昔に存在したとされる悪神である神性存在の骨を使って作られているとされ、
ダニエルが唯一使うことのできる魔術の媒介でもある。弾倉に納められた弾は4種類。
インチ・ディジン
『大いなる精霊の右手』
黒き風。滅びの風。銃から直線状に放射され不可視の風に触れた者は崩壊する
・崩壊の概念そのものを射出する。基本的に防御不可。
避けるか、空間そのものを遮断するような防御は貫けない。
また風の概念でもあるため、弾丸に比べれば射速はかなり劣る。
チゴ・ナ・アイ
『大いなる精霊の左手』
黒き太陽。小さい黒い太陽が発射され、全てを焼き尽くす。
・太陽ボム。拳大程の黒色の太陽が放たれ術者の任意の地点で崩壊しながら超高熱を撒き散らす。
近くで発射したとしても術者自身は精霊の加護により熱を感じることはない。
ショッ・ディジージ
『大いなる精霊の右足』
黒い熊。荒ぶる巨大な熊を大量召喚。精霊とも同一視される熊たちがあらゆる物を叩き潰す。
・熊の軍勢をけしかける。一匹一匹がそれなりの高位の魔物に匹敵する強さを誇るが、
あくまで実体を持った生き物として召喚されるため腕に覚えがあるならば倒すことは可能。
また、長時間の召喚はできない
イティンディ
『大いなる精霊の左足』
黒き稲妻。圧倒的な轟雷が放射されその前には尽くが崩れ去る。
・天然の雷よりも更に強力な雷が何十本も前方に広がり放射される。
雷でもあるため雷への防御対策は有効。またこれに限らないが、
バコタールで行える攻撃は全てが邪悪属性。神聖系の対策が有効。
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| | 『小汚い文字の、小汚いメモ』/必要無くなった
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・ヒザキにタウラージの金の流れの調査を依頼
・調査結果受領。金と物の流れをまとめた本を受け取る。
内容は微細で偽装もされており、高度な能力の物が作ったであろうことが分かる。
・セミレチエに"絶対盗めない家"の問いを投げかける。
家から盗めないのであれば、家の持ち主を狙う、等の解答を得る
・アルバに"絶対開けられない錠"の問いを投げかける
価値の逆転を行い、錠が守る物の価値を下げ、錠自体の価値も引き下げる発想を得る。
・ヤクザとの抗争で大量の金塊を入手。厳重にとある隠し金庫に保管済み。
・タウラージがハローと接触。アマレットの引き抜きに失敗した模様。
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暗器使い 剣南春/ジェンナンチュン †
荒事担当その2。艶のある黒髪をおかっぱにした、少女とも思えるような中性的な顔つきの東国大陸系の年の頃10歳ほどの少年。
季節を問わず、大きなぶかぶかの大陸系外套を膝下まで羽織っており、袖もまた大きく作られている。
その大きな外套の下に多数の暗器を収めており、状況に応じてそれらを取り出し戦う。銃使いと同じく荒事仕事のサポートも行う。

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| | 『少年のいつか』
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子供が嫌いだった。
大人たちの命令に唯々諾々と従う子供たち。生気のない瞳。思考しない頭。命じられれば絡繰り仕掛けのように動く虚ろな躯体。
僕もその中のひとりであるのが苛立たしいが、仕方ない。幸か不幸か調整に使われる薬にたまたま耐性があった。
それがバレては良くてより強い薬を使われるか、悪くて同僚全員を相手にして廃棄処分だ。従うしかない。
皮肉に思う。これでは調整された同僚たちと何も変わらない。
それに、仮にここを抜け出せたとしても僕は他に身を立てる術を知らない。影に隠れ、闇に沈み、命を狩る。
それしか出来ないのだし、それでいいと、この時は、思っていた。
「……冥府へ落ちろ…」
音を消して、自宅で酒を飲んでいた大柄の男の背後に周り、喉を一突き。
この段になってようやく気付いた男が死神でも見る目でこちらを見てもんどり打って倒れる。
出血だけならもう少し動けたかもしれない。実際、男は立ち上がろうとして、それを成せずまた倒れた。
床で男が泡を吹いてのたうち回りながら断末魔の声をあげた。何やらバウンサーやらを名乗っていたらしいが他愛ない。
虎をも屠る毒を食らっては、どんな大層な用心棒も折れるしかないだろう。しかし、この手の文句も聞き飽きた。
冥府があるのなら、僕のいる場所も似たようなものだろうに。
「まだ…やらなきゃ…いけない…ことが…」
人気のない路地裏。愚法に対する抗議活動団体の中心人物である青年を、影から一突き。
確実な致命傷を与えたが、青年はそれでも足掻き、もがき、死を拒否しようと数歩、歩いた。
もし助けを呼ぼうと半径50メートル以内には誰も居ないことを確認済みだ。無駄だ。
ましてや僕を退けることなどできやしない。それでも青年は、前へと進み歩こうとする。
そんなに思い残すほどやり残したことがあるのか、やりたいことがあるのか。
それをただ見ていれば、糸が切れたように崩れ落ち、絶命した。
羨ましいことだ、それほどまでに求め得ようとする物があったとは。
「…これで…お前のもとに…」
晴れた日の書斎。書類仕事に精を出していた高名な政治学者を背中から一突き。
最初は何事かと思っていたようだが、事の次第に気づくと、穏やかな顔になり死を受け入れた。
その血を流す口元には笑みさえ浮かべて。なんだ、これじゃ僕が何か良いことをしたみたいじゃないか。
随分前に死に別れした妻が居たとの情報だったが、その妻にまた会えるとでも思ったか。
全く馬鹿馬鹿しい。死んだらそこで終わりだ。何もない。苛つく。
「…かわいそうに…」
さる富豪の邸宅。金をかけて整えられた庭に夜に一人で風に当たっていた女。確実性を求められたため心臓を一突き。
武術の心得など当然一欠片もなかったので真正面から真っ直ぐに。僕の姿を見た時驚いていた。
まさか自分が狙われるなど思ってもなかったのだろう。そう考えていたが、違った。
愚蠢。この女は何を言っている?今まさに自分を殺した者に言う言葉か?問いただしたくとも既に女は事切れていた。
強い苛立ちを押さえつけるようにして庭を走り抜けその場を脱する。
僕を憐れむな。僕を下に見るな。他妈的、他妈的、他妈的!!!
「…ママ…」
なんでもない、ただの一般家庭の子供。年は僕と同じくらい。無防備な胸を一突き。
失態だ。標的以外の人間を殺すことになるとは。まさか子供が居るとは思っていなかった。
だが目撃されたからには仕方ない。殺すしか無い。この仕事はどの仕事より簡単だった。
いや、違う。仕事じゃない、これはただの僕のミスだ。仕事とは無関係の僕の過ちによる結果だ。
だから、せめて、抵抗しろ。鍛え上げた僕には到底敵わないだろう。それでも、それでもだ。
しかし最後まで無防備のまま、か細い声を上げて子供は死んだ。
今際の際に母を呼ぶか。僕を憎め、罵倒しろ。それならば、それならばよかったのに。
お前は、幸せだったんだな。
「本拠地を引き払う。お前たちは用済みだ」
この頃には勢力を拡大しようとして、僕が所属していた組織はある街の組織と敵対した。
聞けば百年前から一家を率いる冗談みたいな男が作った組織だとか。あやかしの類としか思えない。
だがその街に手を出したのが運の尽き。邪悪を許さぬその男は街に入り込んだ手先を即座に処理した所か、
本拠地のあるここまで潰そうと手を伸ばしたのだ。形勢が悪くなった組織は、尻尾を巻いて逃げ出すことにした訳だが。
頭の命を受けて同僚が自らの首を刺した。吹き出す血、崩れ落ちる子供の躯体。
别开玩笑了。さんざん使い倒して必要なくなったら壊して捨てるのか。
やってられるか、お前らもお前らだ、いくら調整されているとはいえ少しは躊躇いを見せろ。
苛立ちと共にふつふつと湧き上がってくる感情があった。それは怒り。溶岩のような、煮え滾る怒り。
同僚たちは競うように次々と自死していく。それを大人たちは醒めた目で見ている。
最後に残った子供に掃除をさせればいいとでも思っているのか。
外套の下で匕首を握る手に力が籠もる。一人、もう一人倒れるごとに僕は僕を押し留められなっていく。
ああ、もう駄目だ。抑えきれない。
「小汚ぇ東国のガキにやるパンはこの店にゃねぇよ!」
強い勢いでドアが閉まった。操。平和でのどかな港町じゃなかったのか。それを期待して来たんだぞ。
何をして稼げばいいのか分からない。何をすれば飯が食えるのか分からない。
追手がかからないことは分かりきっているが、野を往く獣や食える草を食ってどうにか食い繋ぐのも限界だ。
大通りのど真ん中でとうとう倒れる。空腹は腹がすくを越えて直接殴られているように痛いくらいだ。
道路の土が口に入った。不味い。土が食えりゃいいのに、もう一歩も歩けない。
ああ、最後に、一口でいいから、甘い物が食いたかった────
「ちょっと!?どうしたの君!?ああもう、こんなあちこち泥だらけで!
酷い顔色…お腹が空いてるの?こんなに痩せちゃって…」
心配そうな声が振ってきた。手を伸ばされ、仰向けにされ何か暖かくて柔らかい物に頭を乗せられた。抵抗もできない。
どうやら女の膝に乗せられたらしい。大通りにわざわざ座り込んで、こいつ馬鹿か。
言葉もなく視線を上げれば、蒼い瞳と目が合い、少女は荷物を何やらごそごそと漁ると、クッキーを一枚取り出した。
「私が焼いたんだけど…食べる?」
そうして、僕は、ファミリーになった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
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・かつてファミリーと敵対していた大陸系非合法組織に飼われていた暗殺者の子供たちの一人。
その後自由の身となったが、行き倒れていた所を少女に助けられ、以降斡旋屋に住み着いている。
・甘いものが好きで、よく買い食いをしては少女に怒られている。主に何故そんなに食べて太らないのか、等であるが。
・菓子は何でも食べるし好きだが、甘さが強い物が好き。特に大陸の菓子を好む。
・組織ではまともな教育を受けられなかったため、言葉に大陸訛りがあり、今も抜けていない。
本人も少し気にしているが、仕方ないと諦めている節もある。
・基本的に誰に対しても無愛想、不躾で子供としては感情が薄いがアマレットに対してだけは心を開く。
・部屋は家具の少ない簡素な部屋。各種身体を鍛えるための訓練器具がある意外は殺風景。
・ある程度の毒物や火薬の知識があり、自分で調合も行う。転じて薬物の知識もあるため、斡旋屋での医者代わりになっている。
しかし銃使いに対しての二日酔いの薬だけは出さないようにしている。自業自得なので。
・外套は特殊な処理を施されており、見た目以上に防御力が高い。また、複雑な表面加工によって隠密性も高められ、衣擦れの音さえしない。
そこそこの防弾、防刃性能はあるがあくまでそこそこ。無防備に切られれば普通に切れるし、耐衝撃性能はない。
・暗器の分、体重はかなり重い。以前ダニエルが遊びで持ち上げようとしてあわやぎっくり腰の危機となり大騒ぎになったとか。
・特別な理由が無ければ外套を脱ごうとはしない。風呂に入る時も同様で、斡旋屋でしか入らないし入る時はアマレットかダニエルにしか外套を預けない。
・下は武術用の黒の武術ズボン。靴はこれまた黒の功夫靴。これらにも暗器は仕込まれているが、外套ほどではない。
・常日頃から体を鍛えており、膂力は並の大人には普通に勝てるほど。
ただし常に全力を出せるという訳ではなく腕相撲ならともかく長時間の力比べでは負けるだろう。
・戦いにおいては速さと小回りの良さを重視した動きを行う。隠密にも長けており、諜報、偵察もこなす。
・気功を扱う。年の割にはそれなりに練られた勁だが、通常の状態では熟達した拳士には劣る。
時間をかけるなりの方法を用いれば強い勁を練ることもできる。
・直接触れれば他人の気の流れを読んで診察のようなことも可能。だが医療的な知識が追いついていないため、
あくまで簡易的なものしかできないし、あまりやらない。
・斡旋屋の補助とは別にファミリーから何か仕事を請け負っているらしい
・かつて所属していた大陸系組織はファミリーが潰した訳ではなく、いつのまにか消えたとのこと。詳細な原因は不明。
・『偽仙丹功後天氣』
ジェンが過去居た組織が最強の武を目指して作り上げた気功法。その形成には道術も含む。
ジェンと同じ境遇であった組織の少年少女達もこの技を使うための調整を受けていたが、
その中で唯一ジェンのみが成功例だった。自由意志を薬で消されていなかったためかは定かではない。
この技を行使する前提で鍛え上げられ、経脈を調整された身体の五つの点穴を正確に鍼で打つことで、
使用者の勁を爆発的に引き上げ、引き上げた勁によって肉体を強化、一時的にだが
仙人に迫る程の強靭な肉体を得ることが可能になる。ただし、肉体のみのため道術、仙術を使える訳ではない。
また、この技を使用中は自身の勁のみならず周囲の気、魔力、マナ、オーラ等の空間に漂う力を吸い上げ、
吸い上げただけ更に肉体が強化される。そのため、それらの力が濃い場所であればあるほど強くなるが、反動も大きくなる。
使用後は肉体への負荷により、十全に動けなくなるが、余りにも気を吸い上げた場合、死に至る。
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| | 『暗器コレクション。暗これ!』
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※概ね袖から出した物
・匕首 - あいくち、ではなく「ひしゅ」。小型の両刃短刀であり、忍者の使う苦無に見た目、用途は近い。
応用性も広く、近接武器に、投擲に、握りの先に縄を付けて絡め取る、ともっとも良く使い、保持している量も多い。
・震天雷 - 中国古式の爆弾。ヤクザ抗争にてハムレットの対戦車ロケットに合わせて使用。
だが、火薬は最新の技術でジェンが作り直し、古代で使われた物とは比べ物にならない。大きさ違いの物を幾つか持つ。
・ハリセン - ヤクザ抗争にて茫然自失のアルバの目を覚ますのに使用。
厚紙を畳んで折った打撃武器であり、力いっぱい叩いてもいい音がするだけで実際安全。
・カイロ - マートのコンビニで購入した色んなカイロ各種一式。ドーニャに以前カイロを貰ったのでお返しに。
貼り付けるタイプ、ハーフタイプ、大きいタイプと色んなカイロがある。
・西王母 - 桃の形を模した餅菓子。ドーニャへのお返しに。角の部分がすこし尖り、桃色に色付けされており、
桃そのものを練り込んでいるので桃の味と香りがする。アマレット作だが形作りはジェンも手伝った。
・蜂蜜ドーナツ - 情報屋アークのお勧め菓子屋(甘いの強め)な店で購入した蜂蜜を練り込み、
更に蜂蜜そのものもかけたギリギリクドくならないレベルを狙ったあまあまドーナツ。ドーニャへの差し入れに渡した。
・羊羹 - 言わずと知れた東国のハイカロリー良消化日持ち良し持ち運び良しのサイクリストのお供(一方的な私見)
銀河へのお返しにアマレットに作ってもらい持っていった。結局自分も食った。
・飛爪 - 銀河のホテルへ侵入する際に使った、忍者で言う所の鉤爪的暗器。尖った爪の手を模した金属製の手のひらが長い縄の先にある。
直接相手に打ち当てても使えるが、服に引っ掛けて倒したり、壁に引っ掛けて使ったり。欲しそうだったので予備があるし銀河に一つあげた。
・峨嵋刺 - もしくは点穴針。鏃のような形が先端にある金属の短い棒。中央部分の円形の指抜きにて保持する。対ハロー模擬戦にて使用。
ハロー戦時は鏃に特殊な薬品を塗り貫通力を落としていたが、通常の状態でクリーンヒットすれば骨に穴も開く。
・九節鞭 - 九つの節である金属棒を金属の輪で繋がれた鉄鞭。先端には錘が付く。通常の物より、長めに作ってあり、
普通の物は1メートル弱の物が多いが、これは2メートルを大きく超える長さとなり、扱いが難しい。対ハロー模擬戦にて使用。
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オーナー(のようなもの) †
幹部 タウラージ †
表の顔と裏の顔を使い分け数々の企業を影で操り経済面で街の一角を担う所謂インテリヤクザ。40台半ばの男性。
白髪が目立ち始めた黒髪を後ろに撫で付け、深い彫りの顔つきに上等な仕立てのスーツを一分の隙も無く着こなす痩身の男。
幾つものトンネル企業を通しているため、斡旋屋の実質的なスポンサーであるものの直接の関係は表向き無い。
斡旋屋にはめったなことでは姿を現さず、時たま手持ちの企業を通して上納金を受け取るのみ。
逆に彼からの指示も今までほぼ無く、基本的にはアマレット達の好きなようにさせている。
また、金が絡めば冷徹な判断を下すことから恐れを込めて「氷のタウラージ」と彼を知る者からは呼ばれている。
ファミリーにかなりの額を上納しているもの、その蓄えた材は小規模な街であれば街を丸ごと買い上げるだけの額があると噂されるとか。
・高位の氷魔術師。基本的に表立って戦わず、術を使わないため男の異名は独自の経済論理に基づく余人には測りづらい冷酷さからと思われがちだが、
元々は一般構成員時代に氷魔術によってのし上がった際に呼ばれたあだ名から来ている。今となってはこの理由は彼を古くから知るものか、側近しか知らない。
・『時よ凍れ、汝は美しい』─男の異能。周辺のかなり広い範囲の時を僅かだが止める。通常は数秒ほど。世界を歪めている影響からか
時が止まる直前、オーロラのような美しい光が男の周囲に広がる。止まった時の中では男のみが動ける。同種の能力で対抗されない限り。
・実のところ、特にボスと不仲という訳でも、下剋上を狙っている訳ではない。むしろ混沌よりは安定を、というボスの方針には賛同さえしており、
一幹部としては異常な程に溜め込んでいる金も、必要な時がくればボスのために使うことも厭わない。
男の中では資本経済の論理が世界を動かしており、その中でも最強の力こそが金なのだと考えているだけなのだ。
・アマレットを孤児院から救ったのも、偶然ボスの遠縁が孤児院という名の奴隷工場に居ると知ったから。
ただ幼い子どもを扱うには男は人間味が余りにも無く、健やかに生きてもらうためには距離を取って見守るのが良いと判断した。
・それでもアマレットとは時折顔を合わせており、恩を返したいという彼女の志願により時折仕事を与えていた。
・代表的な側近の一人にベンケイ綜合警備保障のウシワカがおり、彼女は自分自身にとっての危機を察知する異能『おくびょう鼠のワルツ』を
最大限に使い、ベンケイ警備を周辺地域でも大手の警備保障会社として成り立て、運営している。
・大金庫破壊後は、その事実そのものに自らの積み上げてきた論理に限界を感じ、今までどちらかと言えば裏社会側から主に金を吸い上げていた方針を転換し、
表社会への比率を高めていくよう、グループ会社全体の方向性を定めたようだ。いずれは政界も視野に入れているとかいないとか。
いつか、どこかで、みなさんと †

相談スペース †
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