情に厚すぎる魔剣ちゃんママと魔導兵 Edit

http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp035914.png名前魔剣VV(ヴィヴィ)/魔導兵CC-Ex.V(エクシヴィ)
性別?/女
年齢うまれたばかりの魔剣です☆/17歳前後の見た目
出身地魔王軍兵器開発局/同左
職業インテリジェンス魔剣/魔導兵
理由好きな物作って毎日を愉快に過ごそう
企画魔王軍
Erased
RP傾向長考タイプ 引き篭もり傾向 文通超絶大歓迎
好み質の良い金属インゴット/静謐
苦手不潔なやつ/騒乱

それは Edit

  • 魔王軍兵器開発局長(の魂が入った魔剣)と
  • (元)聖騎士の女が出会って
  • 駆け抜けるRPG

一つ……話をしよう Edit

変え忘れるし多分あまり必要なさそうな霊圧計
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  • 閑話休題
    • 少し──話をしようか。
      これは世界が今の形になる前、いろいろな国の人々が、いろいろな神々を自由に信仰していた時代のお話。
      -- ヴィヴィ
      • ある所に、少しばかり、手先の器用な女神が居たんだ。
        彼女は溢れる才能の赴くままに、様々な道具を生み出して世の中を少しずつ便利に、豊かにしていた。
        -- ヴィヴィ
      • そこには……ああ、そこ、というのはある国の人々が信じていた神様のグループね。
        その神様のグループには……まあグループという位だから沢山神様が居た。そしてその敵も。
        敵の多くは自然現象だったり、疾病の類であったり、あるいはヒトの悪い心だったりした。神々は強大な力を誇っていたけれど、無敵という訳ではなかったんだ。
        -- ヴィヴィ
      • ある時、とある戦神が天地を覆い尽くさんばかりの巨大な蛇と戦った。
        戦神は善戦したけれど、どうしても、後一手が足りなかった。そこで手先の器用な女神に相談した。
        『かの強大な蛇龍を討つ、後一手が欲しい』
        そこで女神が作り出したのが”武器”。それまでのあらゆる道具の中で最も強く、恐ろしい物だった。
        -- ヴィヴィ

      • ──さて、時は流れ流れて今……より少し前の事。
        いつの間にやら、数多居た女神の友たる神々は……信じるヒトが居なくなり、ふいと消え失せていた。
        自分も同じように消えてしまえたら良かったのに。どうして、消えてしまえないのか。
        悲しくて、寂しくて……つい、手慰みに作り出してしまった。

        ともだち。

        それは、かつての神々と比べると、遥かにか弱く、不完全で……それでも何かを学び、糧とし、成長する力を秘めていた。
        -- ヴィヴィ
      • それからまた、少しして。
        ともだちは、自分がどうして生まれたのかも忘れてしまったけれど、
        それでも、ずっと、ずっと、
        今もひっそりと、側で微笑んでいる。
        -- ヴィヴィ
      • そそそ、その、ともだち、って…… -- 助手
      • ウワァァァァァシャベッタァァァァァ -- シス
      • そりゃ喋るでしょうよ。今まで機会がなかっただけで。
        ふふふ、信じるか信じないかは、アナタ次第です!(ドヤァ)
        -- ヴィヴィ
    • 少し──話をしましょう。
      これは私がここに来る以前のお話です。
      -- エクシヴィ
      • 物心付いた時には、既に『機関』の施設にいました。肉親は居ません。両親の顔も知りません。
        施設、というのは有り体に言えば孤児院でしたが、普通のそれと違うのは集めた孤児を訓練していた、という事です。
        -- エクシヴィ
      • 訓練して──『機関』の所有する、『聖遺物』の適合者を見つけ出すこと。それが施設の役割でした。
        私はそこで『遍く人類に対しての尽きぬ慈愛』を、刷り込まれ、植え付けられ、目出度く……『聖遺物』の一つ、『神剣』と適合したのです。
        -- エクシヴィ
      • 『神剣』を手にした私は、剣の命ずるままに戦いました。
        数多の戦場を駆け、血の大河を渡り、屍の山を築きました。
        多くのヒトを救い、多くの魔を祓って……それでもあと一歩、この手が届かずに零れた命の数に身体が軋み、血を吐く夜もありました。
        -- エクシヴィ
      • それでも私の心は揺るがず、揺るぐ事を許さず……やがて、一人になりました。私の、せめて手の届く範囲で、命を失わせないため。
        戦績が積み重なれば当然、より厳しい戦いへ駆り出され、それを打ち破ればまた……
        孤独な戦いの果て、ついに竜と相まみえ……相打ちに近い形でこれを討ち果たしました。
        激しい雷に身を焼かれ、目は光を失い……気付けば私は竜の血全身に浴び、喉の乾きに任せ飲み干していました。
        -- エクシヴィ
      • そうして私は生き延びた代わりに竜の──雷竜キスクの呪いを受けました。それが元で『神剣』にも拒絶され、戦う力を失う事となったのです。
        速やかに聖王庁へ呼び戻された私は、神剣の騎士の任を解かれました。『聖遺物』を扱うためだけに生きてきた私は、全てを失ったような気分でした。
        -- エクシヴィ
      • ……ですが、私の任を解いたその枢機卿は、新たに密命を私に下したのです。
        辺境のとある町で、女性や子供が相次いで失踪している。これまで数度、捜査のため中央から僧兵を送ったが一人も戻っていない、とのことでした。
        -- エクシヴィ
      • 目の見えぬ者に下す命ではない、と思われるかも知れません。しかし、私は竜の呪いを受けてから雷、すなわち電気の変化に対して感受性が高まっていました。
        生き物の身体から発せられる物や、あるいは私から発した物を跳ね返す強さなど、様々な違いから周囲の状況を読み取ることが出来たのです。
        数日後、私は私の諸々の世話を買って出てくれた、ペルペチュアという名のシスターと共に、その町へ赴いたのでした……
        -- エクシヴィ
      • その町に到着するやいなや、私達は町の方々から暖かい歓待を受け、新しい生活が始まりました。
        昼は教会の奉仕活動の傍らそれとなく聴き込みを、夜は人の動きを観察し、怪しい動きがないかを探りました。
        奉仕はとても忙しく、聖女として人々を癒す以外にも町の掃除や炊き出し、孤児の世話など多岐に渡りましたが、私は……
        そうですね、充実感、だったのかも知れません。そうした物が胸に満ちて……しかし、時折感じる悪心を抱いた視線に心が冷えもしました。
        -- エクシヴィ
      • そうして数日が過ぎ、怪しい所に目星がついた頃……ペルペチュアが夜中に寝所を抜け出すのを感じ取りました。
        私は日中、彼女と司教がひそひそ話をしていたのを思い出し、こっそり後をつけることにしました。
        いつもは夜間でも薄っすらと人の気配がする教会ですが、その日はペルペチュアと、それを追う私以外の気配が感じられないことを怪しみつつも、建物を後に、敷地内を進んでいきました。
        -- エクシヴィ
      • 彼女が進む先は……目星をつけていた場所の一つ、聖別を行う小さな礼拝堂でした。そこは塀で囲われ、普段から人の出入りが禁じられている場所です。
        聖別とは神に祈りを捧げて様々なものを清める儀式ですが、母屋の礼拝堂で行うのが一般的です。
        戦争の武具等も清めると言えど、やはり厳重に管理された別棟という存在に違和感が拭えませんでした。
        -- エクシヴィ
      • まして今、夜中にこそこそと人を呼び出すなど、どう考えても尋常ではありません。
        気が付けば小さな礼拝堂には、ペルペチュア以外にも多くの人の気配が集まっていました。
        私は悟られないよう慎重に接近し、中の様子を伺いました。すると……
        -- エクシヴィ
      • 「聖女様に関して、大事なお話があるとお聞きしていたのですが……これは?」
        夜中だというのにきっちりと尼僧服に身を包んだシスター、ペルペチュアが問う。
        「ええ、ええ、ありますとも。大事なお話が……」
        男たちの中で一際恰幅の良い一人──司教が鷹揚に答えると、祭壇の燭台に手を掛けた。
        すると、何か機械が作動する音。続いて、重い石同士が擦れ合う音が聞こえる。祭壇がずれて、床に大きな穴が空いていく。地下室が隠れていたのだ。
        「どうぞ、こちらへ」
        司教は半ば強引にシスターペルペチュアの手を引くと、男たちを引き連れてその地下へ続く階段を降りていった。
      • 私は急いで後を追いました……後になって考えれば、ペルペチュアの危機に気が逸っていたのかも知れません。
        自分の行いの愚かさに気がついたのは、背後で隠し扉が閉まる音が聞こえた時でした。
        腹を括り先に進んでいくと、石造りの廊下があり、途中に8つ、奥にひとつ部屋があるのが分かりました。
        両脇の部屋には気配はなく、一番奥に彼女と先程の男たちが居るのは明白です。
        -- エクシヴィ
      • 部屋に繋がる厚い木の扉は少し開いたまま。中のやり取りが漏れ聞こえてきました。 -- エクシヴィ
      • 「っ……それで、お話とは何でしょうか。こんな所に連れ込んで……もし私に何かあったと聖女様に知れればタダでは済みませんよ」
        まだ年若いシスターの声は震えている。セリフこそ勇ましいが、明らかに強がりだ。
        それに対し司祭は、くぐもった声を響かせながら巨躯を揺らす。そうして一頻り笑った後、男たちに合図を出した。
        「な、なんですか貴方達。そういえばどこかで……ちょっと!何をするんっむぐっ」
      • そこまで耳に入ったところで、矢も盾もたまらず、私は部屋に飛び込んでいました。 -- エクシヴィ
      • 「そこまでです」
        思わぬ闖入者に、部屋の誰もが動きを止めた。そんな中、司祭だけが驚いた顔にいつもの笑顔を貼り付け、聖女に向き直る。
        「これはこれは……全て見られてしまいましたかな?」
        大物ぶって余裕のあるフリをするが、そのやや肥えた心臓のパルスがこの事態が想定外である事を如実に示している。
        「私がここに現れるのは想定外でしたか?」
        見透かすような言葉に、また心臓が跳ねる。大凡聖職者とは思えぬ恰幅のこの男でも、どうやら毛までは生えていないらしい。
        「そう、ですね……予定よりはだいぶ早いですが」
        見えていないと思って、周囲に身振りで指示を出す。シスター嬲りにあぶれていた男たちがジリジリと聖女を取り囲む。
        そして、背後の男がドアをそっと閉じるのを合図に一斉に襲いかかった。
      • 見えていずとも、彼らの一挙手一投足は手に取るように分かっていました。
        まず左右の二人。捕らえようと伸ばす腕を屈んで躱し、それぞれ鳩尾に一撃を加えます。
        ついで正面、屈んだ姿勢から伸びる動きで前蹴り上げを入れました。
        踵が前の男の顎を捕らえ、砕くと同時に後ろの男が抱き着いてきました。慌てず蹴り足を戻し、沈み込んで腕を抜けます。
        -- エクシヴィ
      • エクシヴィ──その頃はヴィオレットだったが──は、揃えた両足を蹴って振り上げ、抜けた後の腕を支点に逆上がりの要領で回転。
        足を相手の首に掛けると、膝を畳む動きで肩車に似た状態へ持ち込む。そして……
        身体を振り子のように前方へ振り下ろし、男の股の間を潜るような軌道で投げた!
        賢明な読者はお気付きだろう。ティヘラ──いわゆるヘッドシザーズホイップである!
      • そうして私が瞬く間に四人を片付けるのを司祭はただただ呆然と見ていました。
        が、次の標的が自分であると悟ると、懐から取り出したナイフを手にペルペチュアを引き寄せ、その顔に突きつけました。
        -- エクシヴィ
      • 「お、おぉぉ、大人しくなさい!それ以上近付けばこのシスターの命はありませんよ……!」
        大物の仮面は情けなくも剥がれ、青褪めた顔には滝のような冷や汗。ナイフを持つ手は震えて、抱えられた少女の怯えた顔に毛筋程の傷を付ける。
        対する聖女は両手を挙げ、降参の意を示した。司祭が合図を出し、先程までシスターを嬲っていた男たちが彼女を拘束する。
        「そ、その女は傷付けてはいけません。領主殿に献上するのですからね……ッ!」
        献上、という言葉に聖女は眉根を寄せる。それは恐らく、人生で初めて見せる嫌悪、あるいは軽蔑の表情であったかも知れない。
      • ……もしくは憐憫、だったかもしれませんが。
        さて、司祭はどうせもう会うこともないだろう、と思ったのでしょう。べらべらと訊いても居ないことを自ら喋り始めました。
        -- エクシヴィ
      • 危険から脱した、その安心感からか口のだらしなくなった司祭は、嗄れた声を漏らしながら醜悪な肉塊を揺すって笑って、それからこう続けた。
        「そうです、昨今聖女と言えば前線に送られる物。そんなレア物を手元に置いておけるとあれば、領主殿もさぞかしお喜びになる事でしょう」
        下卑た笑みに顔を歪めながらつかつかと聖女へ歩み寄り、太くパツンパツンに張った指でその整った頤を持ち上げる。
        「しかも、これほどの美少女……此度の寄進が待ち遠しいですなぁ〜〜〜」
        余程気分が良いらしい。笑いすぎて咽た。
        「げっほげほ……とにかく。今回は躾も無しです。この美しさをそのままお届けしなければ……その分、そちらのシスターは存分に可愛がって差し上げましょうねぇ」
        一頻り高笑いをした後、連れて行け、と合図を出したその時。
      • その時でした。背後でけたたましい音が鳴り響き、私の隣に立っていた男が短い呻き声を上げながら部屋の奥へと吹き飛んでいきました。
        一瞬理解が追いつかず、電気の流れを精査しましたが、背後の扉は無くなって、その代わりに何かが居るということしか分かりませんでした。
        -- エクシヴィ
      • 「邪魔するぜ司教!」
        その人物はそう言い放ち、扉の代わり(・・・)にそこに立っていた。
        薄暗い石造りの地下室のランプに照らし出される、銀の髪に白い肌の女。ボディラインにぴっちりと張り付くような衣服と軽鎧を織り交ぜたようなスタイルは、扇情的で攻撃的ですらあった。
        さらなる闖入者の登場に一同は呆気に取られていたが、やがて我に返った司教が問うた。
        「な、なんですか、貴女は……」
        その白い細腕に似つかわしくない大剣を背負った女はにやりと笑い、こう答えた。
        「通りすがりの冒険者さ!」
      • とにかく、訳が分かりませんでしたがチャンスであることには変わりなく、もう一人私に付いていた男をタックルで突き飛ばし、ペルペチュアに声を掛けました。
        我に返った彼女は司教の手を脱し、出口へと走りました。追いすがる司教と男たちを阻むように、私は間に立ちました
        -- エクシヴィ
      • 「君も逃げてしまえばいいだろうに……」
        手を後ろで拘束されたまま、それでも逃げるという選択肢を選ばないヴィオレットに向けて、苦笑しながら呟く声はどこか呆れたようでいて、優しげだ。
        一方、混乱から復帰した男たちは冒険者の女とヴィオレットを取り囲み、ジリジリと距離を詰めていく。
        「あー、君たちさぁ。私が用があるのはこの聖女の子だけなんだよね。だから大人しく譲ってくれたら、私も色々目を瞑っていてあげようと思うんだけど、どう?」
        何を言い出すのか、と言った表情で冒険者の方を振り向く聖女を無視して話は進む。
        「わ、私と取引しようと?私のバックには領主と聖王庁が付いているのですよ。彼女を諦めなければ、国際指名手配になるのはそちらの方です。
        ……ああ、でもよく見れば貴女も十二分に美しい。指名手配ではなく、私の愛玩奴隷にして差し上げましょう……!」
        司祭が合図を送り、男たちは今にも飛びかからんとするが、冒険者は肩を竦めて苦笑した。
        「やれやれだねぇ。じゃあしょうがない。己の罪と向き合い、その重さに苦しむが良い
        呪力──あるいは法力の込められたその言葉は速やかに、空間に染み渡るように作用した。
        男たちの振り上げた拳が下ろされる刹那、その動きがピタリと止まる。その顔は恐怖に引き攣り、一気に青褪めていく。
      • 私には、動きを止めた男たちが顔面を強烈に歪め、頭の中が生存優先で猛回転しているのが感じられました。何か、途轍もない恐怖に駆られている、と。
        では、彼らは一体何を見ているのか。後ろの冒険者の女に意識を向けると……その周囲に何かが、集まっているのです。
        -- エクシヴィ
      • 「君たちには、何が見えているのかな……その顔を見るに余程、耐え難い物のようだ。こんなに、美人揃いなのにねぇ?」
        底冷えのするような笑みを浮かべる冒険者。男たちはそれすら目に入らないような素振りで口々に喚き散らし、後退る。
        それは、司祭も同じであった。部屋の奥に居たせいで早々に壁に突き当たり、そこからずるずると隅の方へと緩慢に逃げていく。
        「……全く、やれやれだ。さ、こんな所はさっさと退散するに限る。行くよ」
      • 私は枷を解かれると手を引かれ、部屋を出ました。
        石造りの廊下を走っていく途中、背後で重々しく扉が閉まる音が聞こえました。何か引っ掛かりを覚えつつも、ペルペチュアが気掛かりでそれどころではありません。
        地下室の入口付近に差し掛かったところで、恐怖と戦いながら行きつ戻りつ、その辺りに留まっている彼女と合流することが出来、安堵を覚えながら地上へと出たのです。
        -- エクシヴィ

      • 地上はまだ深夜でしたが、ちょっとした騒ぎになっていました。
        街を守る衛兵の半数程が突然何かに怯え始め、使い物にならなくなっていたのです。恐らく、件の領主への献上品に関わっていた者たちと思われました。
        私達はひとまず、町の宿に部屋を取る事にしました。教会の宿舎は最早安全ではないと考えたからでした。
        -- エクシヴィ
      • 宿の女将には適当に宿舎が使えなくなった旨をでっち上げ、一行は二人部屋を三人で使うことにした。
        未だ恐怖に震えるペルペチュアをなんとか寝かしつけると、ヴィオレットは冒険者に問うた。
        「あなたは……何者なのですか?こうして、触れられる。けれどそこには居ないように感じられます」
        やっぱり誤魔化せないかぁ、と冒険者の女は笑い、言葉を続ける。
        「……そう、見た目は幻術で、感触は別の術で再現してる。実体があるのは、剣の部分だけ……
        ヴィオレット。私は……私はね、人間じゃないんだ。魔王軍から来た、魔剣なんだ!びっくりしただろう……?」

        さしもの聖女も少し、ほんの少し驚いた。魔王軍から来た、魔剣。
        「その……魔王軍が、私になんの御用向でしょう……?」
        殺すのならば、とうに終わっていたはずだ。あの重厚な扉を吹き飛ばす蹴り?を直接叩き込まれでもすれば、上半身と下半身が泣き別れである。
        では、そうしなかった理由は一体何なのか……それを問うため口を開きかけたところで、答えが来た。
        「私はねぇ、君をスカウトに来たんだよ。君は、私を振るうに相応しい……人類の敵にならざるを得ないけれど」
        今度は思わず、明確に怪訝な顔をした。普通こうした交渉事ではデメリットはなるべくぼかして、メリットを強調するのがセオリーだ。
        それをいきなり、包み隠さず最大にして最強のデメリットを、直球で投げてくるとは。
      • ……ええ、正直お話にならない、と思いました。ですが……ですが、その後提示されたメリットに心を揺さぶられてしまいました。 -- エクシヴィ
      • 「君が……君が一緒に来てくれるなら、私は君と永遠に共に在ると誓おう。最期の最期まで、味方であると誓おう。
        そして君の目となり、翼となり、この世界の広さを一緒に見よう。君の知らない事、知りたい事、一緒に探そう。どうかな……?」

        それはまるで、プロポーズであった。魔剣のその禍々しい刀身とはまるで違う真っ直ぐな言葉に、ヴィオレットの心は不覚にも大きく揺れ動いてしまったのである。
        しかし、魔王の軍門に下れば間違いなく今までとは正反対の生活となるだろう。多くの人を傷付け、殺める血塗られた道となるだろう。
        「私は……」
        心は揺らぐ。揺らいでしまう。ヒトの醜さを存分に味わったこんな夜では、無理もない。
        流れる静寂。それを破ったのは意外な人物だった。
      • ……ええ、ペルペチュアが。とてもシスターらしからぬ事を言いまして。
        『とても強い魔剣なのでしたら、殺さずに倒すことも出来るのでしょう?』……と。
        -- エクシヴィ
      • それではまるで背中を押すような言葉。そんな事を言ってしまって良いのか、とヴィオレットが問えば、
        「構いませんとも。神は寛容であれと仰せです。ならば少し位お許し頂けるでしょう」
        てへぺろーっとばかりに茶目っ気たっぷりの笑みを見せると、言葉を続ける。
        「こんな事言ったら怒られちゃうかも知れないですけど、魔物だって切ったら血が出ます。痛ければ苦しみますし、お腹だって減ります。私達と同じ……なんです、きっと。
        魔物、って言うだけで、傷付けて、排除して良いとは、私は思えないんです。酷い目にあっていないからかも知れませんけど……」
        だから、と続く。
        「だから、殺さないで済むなら、どちらにとっても悪い話じゃないと思うんです。
        それが、皆分かれば……戦争だって……なんだか、何言ってるんだか分からなくなってきちゃいました。眠いとダメですね……」
        そう言って、苦笑いして。
        「えっと、だから……聖女様が、誰の敵になるとか、そういうのは……どうでも良くて……きっと、今まで辛いことが、いっぱいあったから……好きに、生きたら良いんです、うん」
        ね!と気合を入れるように言うが、最早囁き声に近い。目はとろんとして、瞼がいかにも重そうだ。
        「私だってぇ……この件を、枢機卿にご報告したら……辞めてやるんですからー……私、上手く言っておきますからねー、だから、その方と……一緒に、行っちゃって……」
        「良い子だねぇ。ふふ、魔剣ちゃん眩しくて消滅しそう」
        などと冗談めかしながらまだあどけないシスターの、はだけた布団をかけ直す。
        その姿を見ながら、ヴィオレットは思う。物心付いてから今の今まで、聞かされてきた魔物、魔族のイメージとはかけ離れている。
        この人?だけがそうなのかも知れないし、違うのかも知れない。
        もしかしたら、今まで多く殺してきた中にもこういった魔族も居たのかも知れない。
      • ……私は、神剣の命ずるままに戦ってきました。だから、相手の事など知る必要はなかった。
        しかし、神剣に見放され、私は知らないままでは居られなくなった。
        だから、私はヴィヴィ様の側で……ヴィヴィ様と共に在ることを、選んだのです。
        -- エクシヴィ

      • 少しの話どころじゃないじゃないか……!あと引っかかるとこそこで良いの?ぶっ飛ばしたドアがなんで閉まったとかそっちじゃない?
        -- シス
      • ……閉める前にすぐ直した、のではないでしょうか…… -- サイ
      • ………………正解! -- ヴィヴィ
お名前:
編集:info/魔王軍
2年目
3月下旬
(西暦 2024-03-19)
NEXT :-
告知

設定 Edit

魔剣・VV Edit

  • 表層的な設定
    • 魔王軍兵器開発局長の魂が封入されたインテリジェンスソード
      • ヴィヴィとか読むと良いんじゃないかな
      • 気軽に魔剣ちゃんでも良いぞ
      • 局長と呼ばれるよりは博士と呼ばれる方が好き
    • 全長170cm位はある、禍々しい大剣
    • ゴブリンでも最強になれる魔剣がコンセプト
      • だったのだが、魔剣になったヴィヴィがゴブリンに振るわれるのを拒否った
      • あんな不潔そうな連中に触られたくないし……
    • そんな訳で自身を手にするに相応しい者を、自ら見つけてきた
      • んだけどソイツさぁ……
      • どっかで見たとか気の所為だって
      • ホントホント
  • 称号リスト
+  多種多様なスキルを持つ

+  内緒

魔導兵 CC-Ex.V Edit

  • 表層的な設定
    • 開発局が誇る、最新鋭魔剣とセットで産み出された専用の魔導兵
      • ってことになっている
      • 型番はそれぞれ、CCはクロースコンバットの略、Exは番外、V型(?)を指す
      • エクシヴィとか読むと良いんじゃないかな
      • 愛称はえっちゃん
    • 無表情セメント系
      • 全く感情が無い訳ではないが、表情に出ることがまず無い
      • 魔導兵には珍しくない
    • 魔剣は自ら飛んでどこへでも行けるが、一応可能な限り側に付き従うことになっている
    • 褐色の肌に銀髪。紫の瞳はバイザーのような物で隠されているが、魔導兵では良くある事
      • 魔導兵とはホムンクルスやゴーレムなど魔導的手段によって産み出された人型の兵器
      • 潜入、あるいは人類軍に攻撃を躊躇わせる為等の理由により女性型が多い
      • そうした都合上、感情をある程度付与されているものも存在する
    • 主に大剣による戦闘に長けており、魔剣とのコンビネーションにより鬼神の如き強さを見せることも
      • 軍内向けの説明では軍団長クラスの戦力を想定した設計となっている
    • ヴィヴィとの視覚共有による補助を受けている
      • こいつ背中に目があるのか!?あるんです
    • なんかこいつの戦い方見たことある気がするかも
      • 大剣と共に舞うような剣術
      • 雷属性の法術…もとい魔術
    • 料理スキルは見事なもの
      • 習い始めたのは開発局に来てからだがプロ並みの腕前


+  内緒

魔導兵 CC-Ex.I Edit

  • 表層的な設定
    • 開発局が誇る、最新試作型魔導兵
      • ってことになっている
      • 型番はそれぞれ、CCはクロースコンバットの略、Exは番外、I型(?)を指す
      • サイ(x.Iのあたり)とか読むと良いんじゃないかな
      • 愛称はアイちゃん
    • 薄幸美女系
      • 普通に感情あるが抑えめ
      • ただしゴブリンに並々ならぬ殺意を抱く
      • バグです。あ、違った仕様です。
    • 特殊な大太刀型の兵装を使用する
    • 抜けるような白い肌に長いぬばたまの髪。同じように黒い瞳は深い闇を湛えている……ような気がする。こちらもバイザーで隠れている。
    • 主に特殊な大太刀による戦闘に長けており、徒手空拳の格闘術にも長ける
      • 軍内向けの説明ではやはり軍団長クラスの戦力を想定した設計となっている
    • なんかこいつの戦い方見たこと……ないな
      • 大太刀と共に舞うような剣術
      • 刀身を分解した鞭状のモードによる蛇腹剣術
      • 盾?槍?何故か使えるけど知りません
+  内緒

魔導兵 CC-Ex.S Edit

  • 表層的な設定
    • 開発局が誇る、最新試作型魔導兵
      • ってことになっている
      • 型番はそれぞれ、CCはクロースコンバットの略、Exは番外、S型(?)を指す
      • シス(x.Sのあたり)とか読むと良いんじゃないかな
      • アリスとほんのちょっぴり迷った
    • ツンデレ風味の僕っ娘
      • 普通に感情ある。口調が男っぽい
    • 武装は魔弓。軽量かつとんでもない高張力で、シス以外満足に引けない。
    • 抜けるような白い肌に輝くようなプラチナブロンドの髪。目はUMB(ウルトラマリンブルー)。こちらもバイザーで隠れている。
    • 弓の腕は随一。剛弓を引くための腕力も並ぶ者がない。
      • 軍内向けの説明ではやはり軍団長クラスの戦力を想定した設計となっている
    • なんかこいつの戦い方見たこと……ごりふれたエルフだな。よし、通れ!
      • アローレインとか素で出来るとんでもない弓術
      • 騎獣も乗りこなすが……今いる騎獣ちょっと癖強くない?
+  内緒

助手 Edit

  • 表層的な設定
    • VVが魔剣になる遙か以前、サークル時代からの助手
      • 実際の所は副局長なのだが、VVからは助手と呼ばれ続けているし本人もまんざらではない
      • 何故ならば本名がジョスリンであり、そこはかとなく愛称っぽいからである
    • 研究開発能力はいまいちだが、実務能力が並外れている
      • 兵器開発局を円滑に回しているのは実質助手
+  内緒

他の細々な設定 Edit

  • 魔王軍兵器開発局とは!
    • VV以下、魔女やダークエルフ、ダークドワーフなどが好きな物作って遊んでいる各軍団に提供している部署である
    • <<魔王軍兵器本廠>>とは協力関係にある
    • こちらは注文を受けて素材から新しい物を作るとか、合成するとかが主なのではあるまいか
      • RPするかは別として
+  魔王軍兵器開発局
+  神剣の騎士
+  魔術と法術の違い
+  『魔界最高の鍛冶師が鍛え上げた魔剣』
+  母乳が出る呪いを押し付けられた剣
+  無駄にデカくてゴツいメダル
+  MOGURA
+  『光る!鳴る!しゃべる!DX魔王ソード!』
+  ぐりふぉん参上!

相談する事があるのかどうかはさておき置いておくスペース(使いまわし) Edit

編集/差分
お名前:
  • ぱられるですぞー。もるね。
    • 熱田ちゃんに鹿島ちゃん…これは実家にほぼ確実にちょお強い魔剣があるな…
      (熱田ちゃんはめっちゃデカい大太刀で、鹿島ちゃんはあらゆる武術の達人になれるか、何もかもを斬れる直刀だな…という顔)
      無事実家に帰れてきゃっきゃしてるようで何より。そして別次元の神楽は随分と元気なショタになっていらっしゃる。ちょい懐いな…。 -- 正国
      • 実家の宝物持ち出すのは余程のことがないと無理そうだよね……今回の件余程の事のような気もしないでもないけど!(※実在の神社とは無関係です)
        (ほぼ解釈一致。熱田先輩はパワー型で鹿島さんは韴霊剣は扱えない代わりにタケミカヅチパワーする。何かのサイズ順は刀琉>鹿島>熱田)
        いえーい(鎌倉の地理に明るくないのでごまかしながら)こちらの九鬼神社は刀利さんと刀華さんがつつがなく結婚できた世界で、あちらより(多分)平和なのだね。
        それで依代になっている大太刀に蓄積される霊力が少なくて、神楽君の成長が緩やかな感じなのだ。というあっちで書いたかうろ覚えな裏設定がここで活きているのだった
      • まあ草切る方は謂れが多すぎて本当にそこにあんのー?感が若干あるからな…(両方本物だとどんな難事もぶった切れそう)
        場合にもよるけど熱田なら実際見れる太郎さんの方が好きです。見たこと無いけど。でも熱田パイセンは太郎なサイズじゃないんだな…(ほろり)
        褐色巫女…いいね!(いいねボタン強打)しつつ鎌倉は昔行ったがマジ神社と寺だらけだった記憶が…秋だと紅葉が綺麗だぞ!
        その裏設定は多分無かった気はするが平和なのはいいことだ。…こっちの方が全体的にヤベェ事態になってる気はするがな! -- 正国
      • それ本物ー?系は逆に概念的な物を召喚する方向で常用出来そう(n%再現みたいなリミットを設けないとヤバそう)
        熱田先輩はやや刀剣乱舞の太郎さんイメージなので……やってた時期には布都御魂は居なかったので鹿島さんは金髪ツインテハーフだけど。
        いいよね…(いい…)私も二回くらい行ったけどまあ社会科見学だからさらーっとだったね……でもリスはバッチリ見ました。
        あちらでは生まれる事の出来なかった双子の片割れの魂がふらふらしていた所を、神社の鬼が確保して御神体を依り代にして固定化して可愛がっていた……というのはどこかに書いたつもりで書いてなかったかも知れない……
        平和というか多分魔剣使いが(比較的)多くて退魔師稼業が儲からないのかも知れないねー。
        通常の怪異は魔剣使いが幅を利かせている事によって端に追いやられていて、魔剣使いが怪異化しない限りは神社は手を出せない……
        みたいなイメージを勝手に膨らませていたりしたのだった。
        さておき日付変わってるのでもるね……遊んでくれて頂き有難うなのだよー
  • どこ行っちゃったんだろうなぁ……絵を描こうって気持ちは……もるね
  • 進捗くらいなんか書いといたほうが良いなと思ったので書く……書くけどこう、ものすごく牛歩でござる。
    元ネタから少し脱却を目指しつつかっこよくちょっとエッチに……とかやってるとまあデザインの思い浮かばないこと……
    次の企画では突然北欧金髪ロリが描きたい病気が発症します。進捗報告は以上です。
    -- 魔剣ちゃん

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Last-modified: 2021-02-09 Tue 23:47:40 JST (1133d)