かつての軍事国家ソルトピト †
ソルトピトとは †
マイラールの西方に位置する山岳国家
元々はマイラールと文明を同じくする国であったが
いつの時代からか袂を分かち別々の国として発展した背景がある
かつて大規模な内乱があり皇帝が変わる程の事態はあったが治安は良好
軍拡を推し進めていた頃の名残か常備軍はかなり大きいが周辺諸国との関係も安定している
軍の兵装は銃火器を基本とした物であり魔術師であろうと軍人ならばその習熟が義務とされている
亜人種への差別は現在は無いが長らく人間至上主義国家であった為、
人口比率としてはほぼ完全に人間国家と言える
魔法、科学双方を取り入れているがどちらかと言えば科学寄りである
皇帝時代に人道に反する体制と研究が行われた為皮肉にも技術力は高い
現在では君主制は廃止され共和制を取っている
主な産業は工業品の輸出、エネルギー資源や鉱物資源も豊富だが
鉱物資源は輸出するもののエネルギー資源は然程輸出していない
気候としては西海岸性気候、夏は涼しく冬は厳しくは無いが寒い
革命による変遷 †
黄金歴150年頃に起きた軍事独裁国家への大反乱から始まり、
その後10年以上続く争いによって独裁体制に終止符が打たれた
軍拡時代の周辺国家との蟠りを当時の指導者は粘り強く解していき、
現在のソルトピトへと歩んでいった
ソルトピトの都市 †
隣国マイラールとは異なりモルタル作りのビルが立ち並び
そこに科学技術的なデザインの混じった魔導線や魔術的なデザインの混じった電線が走っている
車両などもパッと見では魔導式か科学式かの違いが分かりにくくなっている
文物 †
ポリッシング計画 †
まだ独裁国家であった頃に行われた人材発掘計画
その名の通り原石と言える者達を集め鍛え抜く事でより先鋭化させ、
強力な兵器として完成させる事を主目的としている
この計画で発掘された人材は皆極めて高い戦闘能力と指揮能力を持ち、
従来の兵器を生身で凌駕するという驚異的な結果を見せた
この計画にはクラフツマンと呼ばれる技術集団が関わっており、
本来その人間が持っている力をより際立った物へと変えたとされている
シンセティック計画 †
共和制へ移行して数十年経った頃に起きた事件
ポリッシング計画で発掘された優秀な人材を復元し、
再びソルトピトと周辺各国に戦乱を起こす計画
計画はほぼ最終段階まで終了しており複数名の複製体が存在しており、
その内の1体は魂の復元の為の術式も終えていた
しかし完全に計画が成就する直前に妨害に会い、
魂の復元の術式が加えられていた個体も洋上都市で肉体の奪還に成功
完全に頓挫した
この計画にもクラフツマンが関わっている為宝石に関わる名が付けられている
朱の荒野 †
その名の通りに一面赤い世界に覆われた荒野
かつてそこで大きな争いがあり廃棄された兵器群の金属が錆付き風化しただけでなく
魔術的にも極めて不安定な土地になっている為光さえ歪んで赤く見えている
あまりに多く血が流れた為に染まったと言われる程の凄惨な争いがあり、
戒めとして現在も保護地域としてそのままの姿を保っている
生体兵器生産工場群 †
その名の通りの生物兵器工場であり各地に存在する
殆どは革命後撤去されたが極秘裏の研究を担当していた場所などは、
今現在も把握出来ていない事もあり稀に抜けだした兵器が被害を出す事がある
兵器は完全な生物型から殆どが機械であり制御を生物が行う物など様々であり、
倫理を無視した時代を色濃く残している
ジュエリーズ孤児院 †
サーフ・ジュエルが創設した孤児院
その建物はかつて多くの人間兵器を輩出した軍事基地の一施設であり、
モルタル作りの頑強な外壁がかつてのその姿を物語っており
サーフとカルブンクルスという男の決戦が行われた地でもある
サーフの出生地でもある基地を孤児院へ変えたのはサーフ自らの戒めであり、
過ちである事を認めた上でそれらをより良い方向へと変えるべきだという彼自身の持論から
現在はサーフのクローン体である女性が院長を務めており、
建物の厳つさを抜けば平和な孤児院として日々を送っている
国境なき者達 †
かつてソルトピト及び周辺諸国での紛争やテロなどに関与されたとされる者達
黄金歴150年代から170年代に掛けて暗躍したがその資料は極めて少なく、
断片化された情報からかろうじてジェムオフィサーが関わっていた事が分かる程度である
これはサーフ・ジュエルによって意図的に資料が抹消されたため
その理念は「戦争という共通概念による相互理解」
平和に生きられない者であろうと平和に生きる者であろうと戦場では平等という、
カルブンクルスの歪んだ思想の下に打ち立てられた理念を推し進めていた
その構成員の内中核を成していたジェムオフィサー達はサーフの手によって
全てが歴史の闇に消える事となり、組織は消滅したとされている
しかしシンセティック計画の様にクラフツマンを支援しその計画を推し進めた者や
彼らのテロルを継いだ者達の存在が示唆されている
「死の歌声」事件 †
黄金歴180年代にソルトピトの街で起きた集団昏倒事件
当初は集団ヒステリーやガス漏れなどによる物と思われていたが、
実際はモリアと呼ばれる旅の歌うたいの少女が発した歌によって引き起こされた
モリアは増えすぎる人類に危険を感じた何者かが生み出した「死の歌姫」という、
その土地の人類が一定数を超えると致死性の歌を発する古代の被造種族の末裔であり、
発達した都市部であった事と人類と交わる事で薄れていったその特性が突如覚醒した結果起きた
以前より諸国で謎の集団死は稀に起きていたが目撃者も無いまま全てが死亡しており、
実態の掴めない事故として扱われていたが血の薄い覚醒したてのモリアの歌により真相が発覚した
声を止めようにも制御が効かず徐々にその力を増していく「死の歌声」によって
事態は大規模な無差別テロへと陥りかけるが、モリアと親しくしていた現地の少年と
事態の収拾に国に呼ばれたサーフ・ジュエルによって死者を出す事無く収束する
以降諸国では旅の歌うたいの少女と伴奏の少年が目撃されている
スラネクの断片 †
黄金歴160年代に起きたソルトピトやその近隣国を巻き込んだ強大な魔導書を巡る争奪劇
太古に存在した詩人にしてリッチキングであるスラネクが記した魔術書の断片がソルトピトの街の地下に存在し、
それを得るべくとあるリッチの一人が暴れゾンビハザードを発生させた事でこの一件は発覚した
魔術書の断片を求めたリッチはアンデッドレギオンを名乗る者達の一人であり、
ありとあらゆる死を思うがままにする術がその書にあるとして断片の存在する各地を襲撃
事態の収拾にサーフ・ジュエル及び特殊部隊数名、スラネク最後の弟子であるリッチとその秘書が当たった
最終的に集められた断片は一つの魔術書となってしまったが収拾に当たった者達の尽力でレギオンは全滅
魔術書は誰の手にも渡らないよう再び断片へと分けられ封印される事となった
最後の弟子曰くスラネクは平和な世界を愛しその全てを見る為に不死者としての道を歩んだ詩人であり、
魔術書に記されていた術もまた負の想念、死に満ちた土地を糧に万物を生み出すやり直す為の術であったが、
破壊の為にこの術を求める者がいる限りこの書を手にする資格は無いのだろうと零したという
人物 †
ソルトピトでの地位は共和国特務部署署長、共和国陸軍大佐
悪名高いポリッシング計画の被験者の中でも高い成績を残し、
研究者達から宝石の名を与えられたジェムオフィサーの一人
表向きは内務担当の安穏とした部署の人間として知られているが、
実際は現行の兵器では対処出来ない怪物を処理する任務を主としていた
更に同胞であり革命後各国で不穏な活動をしている他のジェムオフィサー達を、
平和を維持する為にその手に掛ける任務にも携わっていた
共和国の官邸執務室にはけして光の当たる事の無い戦いを続けた彼の為に
特別に用意された名誉勲章が置かれている
全ての同胞の抹殺を終えた彼が新たに着手したのが次代の為の孤児院だという
カルブンクルス †
ソルトピト帝国陸軍大佐として独裁下で名を馳せた軍人にして、
平和を目指した共和国を出た後最悪の革命家と呼ばれたジェムオフィサー
煽動者としての能力は金剛石の名を持つ最高位の者よりも高いとされ、
幾つもの国で悪辣な事態を引き起こした
歴史上では際立った狂人として語られ事実闘争を何よりも好む危険人物であったが、
その行動の根底は闘争の中でしか生きられない他のジェムオフィサーへの哀れみであり、
指導者としての能力を得た己が出来る最大限の同胞への協力であった
しかし平和を何よりも尊ぶサーフとの戦いに敗北、その人生に一度目の終止符を打つ
後にシンセティック計画により二度目の生を洋上都市にて取り戻しかけるが、
現地の者達の尽力によりその二度目の生も潰えるのだった
アルマ †
ソルトピト帝国陸軍大佐にしてポリッシング計画の最高傑作
最高階位のダイヤモンドの名前を持つジェムオフィサー
その能力はマイラールの研究機関の作品よりも高位にあるとさえ言われていた
神に等しい権能を持ち軍人としても兵器としても完璧と言える存在だったが、
完結している以上先の存在しない自分に絶望した虚無的な人物であったという
不死に等しいジェムオフィサー達をただ一人殺して回るサーフを知ると、
その可能性を確かめるように彼と戦いを繰り広げ最後は敗北した
その神の瞳が見た自分達の子の未来の不幸を死の間際にサーフに告げるが、
必ず乗り越えられるという彼の言葉に満足し生を終えた
シンセティック計画によって生み出されたカルブンクルスのコピー
本来は早い段階でカルブンクルスに肉体の主導権を奪われる筈だったが、
カルブンクルスの力を弱められるサーフの尽力、そして彼自身の自由を望む心により、
肉体を奪われる事無く成長し更なる自由を求めて洋上都市へと向かった
それさえも更に肉体を磨き己に近づける事で主導権を奪おうとしたカルブンクルスの策略だったが、
洋上都市で出会った仲間達の尽力によりカルブンクルスの魂を滅ぼす事に成功
真に自由意志を得て自らの望む人生を歩む事を始めた
力に目覚めた者の中でも特に生きる事への欲求を強く持っている個体で、
現在は妻のリゼットと共に二人の父の望みを繋ぐ夢に向かって生きている
サフィール・ヒアキントゥス †
シンセティック計画によって生み出されたサーフの性転換コピー
サーフが生きている頃に造られている為魂自体が別人である事と、
更にカルブンクルスが暴走した場合の対策に攻撃力強化の為に
他の者の遺伝子も組み込まれている為厳密にはコピーではない
父の残したジャケットを常に羽織っておりその纏う雰囲気はよく似ているが、
それは彼女自身が父の背を追っている為であり、
彼女自身がイミテーションを目指していた為父程の隙の無さは無い
現在はルベウスとリゼットとの戦いを経て自分なりの生き方を模索している
シンセティック計画によって生み出されたアルマのコピー
アルマの能力自体が際立っていただけに自身も多くを見通しており、
オリジナルと同じく虚無的な部分があるが父や兄弟を見て育った為、
死を選ばない程度の希望を胸に育った
自分が見た物はいずれ兄弟達も理解するという考えの下行動している為、
ルベウスへの拷問に等しい力の発散の教え方など理由を話さず行動する事が多い
それによりルベウスに嫌われているがその激情を快いものとして受け取るなど
元々の価値観も常人とは歪んでいる物を持っている
マイラールとの関係 †
現在の国交は安定しておりかつての剣呑な関係は解消されている
古くは同じ国であった為この国にも神王の血脈は流れており、
軍事国家である為命の危険に晒される機会が多いからか、
マイラールよりも自然と力に目覚めた者が多い土地であった
技術 †
浄化連鎖爆弾 †
いわゆる中性子爆弾
元々は死霊などに対する対霊格用の浄化術式を組み込んだ範囲型の浄化兵器を
対人用にまで強化改良した非人道的兵器
聖別された金属やユニコーンの角など強力な浄化作用のある物を連鎖反応させ、
一瞬で莫大な浄化を行う事で肉体に守られた魂さえも蒸発させる
物理的な障害を無視して広範囲に影響を及ぼす為極めて危険
国家間の条約に抵触している為革命後その全てが破棄された
ジェムオフィサー †
本人の持つ特異な才能を強化、必要ならば他の能力も付加する事により、
兵としても将校としても破格な能力を持たせられた兵士達
高い再生能力や身体能力が加えられているだけでなく、
幼少期から兵士として純粋培養する事で集団行動での面でも優れた能力を発揮する
しかしあまりに非人道的な養成法により社会生活を営めない者も多く、
革命後の国で生きて行けず治安を悪化させた要因ともなった
シンセティックストーン †
その名の通りに宝石の名を持つジェムオフィサー達の模造品、複製品達
ジェムオフィサーの中でも上位の者達を複製しているだけあり、
それぞれの能力は際立って高いものとなっている
更に複製品が暴走した場合の抑止力としての役割を持たされた者は
複数の力を持ちオリジナルを超える殺傷力を持たされている
聖銀ダムダム弾 †
文字通り聖別された銀で造られたダムダム弾
当然の事ながら対人目的では使えない条約に抵触する装備
本来は悪魔や吸血鬼などの肉体を持つ聖別に弱い存在へ使われるが、
肉体を持たない死霊など対霊用の弾頭として使われる事もある
冒険者としてサーフが愛用していたが対人に使用した事は無い
ユニコーンランス †
携行用パイルバンカーにユニコーンの角を使った対魔用装備
金属にけして劣らぬ強靭な角である為生物に対しても一定の効果があるが、
その性質上強力な魔に使用する事が最も望ましいとされている
ユニコーンの角が極めて希少な為余程の事でなければ使用許可は出ない
コンバットナイフ †
規格統一された一般的な軍用ナイフ
旧式の物は近接戦闘も主眼に入れられておりナックルダスターも備えている
精霊や魔物、死霊などに対しては術式や特殊な装備を用いる事が基本なため、
ソルトピトのナイフは一般的な安価な炭素鋼が用いられている
一部の部隊では近接戦闘を主眼とした者もいるためそうした者は、
西方諸国などから取り寄せた特殊な材質を使用したナイフを用いる事がある
サーフやカルブンクルスなどの場合は長期間手入れの出来ない状況下での使用や、
銃火器の使用が不可能な状況での任務を多くこなしていたため、
錆びにくく強靭なレオスタンの鋼などを愛用したとされている
聖なる火炎放射器 †
手持ち型の使い切り火炎放射器、幾つかの浄化作用のある物質を反応させ
浄化作用のある強烈な炎を吹き出し対象を焼き尽くす
殺傷力に対して使用する物質はありふれた物が多い為、
ソルトピトでは一般的な対霊用の装備となっている
聖なる手榴弾 †
教会が尊き者と認定した者にだけ与える最高の浄化装備
その威力は手榴弾としても破格でありどのような相手も選ばずに打倒出来る力を持つ
殺傷力の高さから浄化連鎖爆弾と変わらないのではないかという意見もあるが、
そもそもの材料も賜る条件も大変な為問題は無いとされている
「ウィンドウメーカー」 †
「携行可能な最大の貫通力」を前提として開発された携行型レールガン
使用弾は直径約8mmと既存の弾頭と変わらないが完全な杭の為汎用性は無い
軽量化しきれなかったそれは歩兵用の火器としては最重量の部類に入り、
反動もまたその開発コンセプトや兵士に付けられたあだ名に恥じないモノとなっている
しかし貫通力自体は極めて有効な為立て篭もり犯の狙撃などに使用されている
クラス0〜5強化外殻 †
ソルトピトに於いて主に軍に普及している強化外骨格
ソルトピトの強化外骨格はそれぞれクラス0から5までに分けられており、
民間用のクラス0を除けばその全てにそれぞれの用途に応じた装甲と装備を搭載している
クラス1ならば低強度の装甲を持つ程度であり一般的な作戦を想定した性能だが、
クラス5の場合終末的な存在に対する決戦兵器としての性能を持たされている
その為クラス5の「公的な」使用例は存在せず世界一高価な置物という不名誉な称号を持つ
尚クラス5開発を提唱した人物はポリッシング計画に強い嫌悪感を示しており、
肉で出来た兵器は金属とエーテル物質で構成された兵器に勝る事は無いと公言している
その他の近隣国 †
エリーゼの国 †
数百年前までは何も特産の無い弱小国であったが現在は農業大国として栄えている
ゲイラスの国 †
マイラールとソルトピトに対し実に可もなく不可もなくな国力と立場
特に関係無い国 †
フェリックスの国 †
イタリア!