「なあなあ聞いた?」
『聞いた聞いた。男の霊、出なくなったんだってな』
「警備員さんに聞いたんだけどさ、会えたんだって」
『マジ?えー、本当ならすっげぇなー……ン百年越しかよ』
「な。良かったよ……化けて出るほどの未練が解消されたんだろうし」
『女の方、なんで今の今まで出てこなかったんだろうなー?』
「なんでだろうな。なんか……囚われてたとか?」
『幽霊が?何に囚われるんだよ』
「さあ?怨みとか……なんかそんな奴?」
『ン百年も何恨むんだか……当人にしか分かんねぇか』
「だろうな。俺だったらそんなに怨みの念続かねぇわー」
『お前そんなんだからフラレんだろ。なんか……情熱が足りない?とか言われて』
「ううう、うっせぇよ!なんでそんな話知ってんだよ!?」
『お前がフラれた当日酔ってだな……』
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