MF/0013/個人イベント
- (暗澹たる中天へと延びる光の梯子に群がる星屑達……
それは雲の欠片、空の欠片、水蒸気、雪、灰……それとも希望か…… 線状の遊糸は紫雲より垂り、その散るを踏み残るを仰ぐは徒となる……なんともめでたい事だろうか 深海へと通じる水面はあかときの色を示し、安着する枯れ灯りは満目の構成で彼らを照らしている……彼らとは誰か? 彼らは背の赤い魚である……天日の妬心に焼かれた背の者たちは互いの腹を抉る様に湖心に蠢いている 彼らは決して碧落、いや中天すらたどり着くことは出来ない獣であり、その姿はとても面映ゆい 皆みなさまは決して沈むことの無い湖面の境界を歩き続けることになるでしょう……どうぞ背中を焼かれません様に、顔を上げて進みましょう) --
- (※アナウンス) --
- (※情景はフレーバーですのでお気になさらず、皆さまは精神世界へと誘われたのです) --
- こちらのツリーに先ほどの異世界移動へのレスポンス等を個別に書き込んでいただき、過去のトラウマをご自身で描写してください
レスは複数回にかけても可能です。終わり次第教えていただければこちらで返信します またトラウマ体験が無い場合、希望されない場合は、その幻覚は見えずに、イメージ画像の世界で仲間を探す等の描写をお願いします --
- おわり。この後の展開はお任せします -- ハロー
- 描写終わりー! -- ピーナッツバター
- おっけーっす! -- ケーネ
- 終わったネー! -- ジェン
- (描写終わりですごめん) -- ユリアン
- ハロー=ワールドの場合 --
- (上下左右前後、すべてがごちゃ混ぜになるような感覚……思考が纏らない。突破できるような異能…駄目だ、無い。吸血鬼なんかよりも厄介じゃないか…………)
(深く意識の底に落ちたような感覚。目を開けば血の色のような液体に満ちた廃墟)……く……何が………(湖の上のようにも見えるが…沈まず立っている。まるで悪夢のようだが) (悪夢か……ここ最近見なくなったことが多い。『あれ』から2〜3年は、よく見ていた気もするが……ハローが見る夢は、いつも悪夢で始まる)……(歩き出す…出口を探すために。するとすぐに) っ(ちゃぽ、と自分以外の水音。それに目を向ける……注射器だ それもスミレが使ってしまった咎物)っ!…ぐ…(心臓が掴まれたかのような衝撃、そうか、こういう場か) (ああ────だとすると、気が滅入る。過去に何度も見た、リフレインされるトラウマの数々)
(泣き叫び狂ったような様子の少女) (床に臥せ、やせ細りくぼんだ瞳でこちらを除く少女の顔) (目を閉じて二度と開かぬ、そのそばで泣き叫ぶガキが二人。一人の髪の色は緑だ…)
(怒りに我を忘れて復讐を決意する二人 やめろ) (組織を潰した…怒りに目がくらんだ俺は、狙撃に気づかずに。……やめろ。何度見たと思ってるんだ、この夢を) (俺をかばうようにしてカズヤが凶弾に倒れる。血飛沫が上がる……………やめろ。もうこの後の結果は分かり切ってるんだ)
(幼馴染の二人の顔が、無言で俺を苛む。俺は何もできなかった。) (俺は)(俺は)(俺は)(俺は)(俺は)(俺は)(俺は)(俺は)(俺は)(俺は)(俺は)
(ああ、いつもそうだ。こうして自分を苛む罪悪感が、いつもいつも俺にまとわりついてきた。………幹部になる前まではずっとだ。だから一人で仕事をやっていた) (だけど) (それを救ってくれた一言を、俺は知っている。そう、悪夢は彼女と出会うことで終わったんだ)
(お決まりの悪夢、その最後はいつだって。……桃色の髪の少女が俺の顔を見つめて、こう言うんだ)
「…………もうちょっと、頼って。」 -- ハロー
- ッ!!(悪夢から覚醒した。ひどく汗をかいたような気がする…それでも。あの一言をくれた少女を救うために。歩みを…いや、走りを止めない)
……ドーニャ!!ドーニャ=ドリフトウッド!!聞こえてるなら返事しろォ!!…君に俺は救われてるんだ!!心から感謝してるんだっ!! (だから)…今度は、俺が助けたい!!死にたくなければ、返事をしてくれ!君の周りの人たちも、言っていたはずだ…!親しい人は言ったはずだ、死んでほしくないと! だから生きろ!もし何か罪を抱えても…胸を張って生きろ!生きてくれ!!(めっぽうに、雑な口調で叫びながら走る。目的地は分からない…だが、何もしないほどハローワールドは賢くはない。俺はここだよと言わんばかりに) -- ハロー
- (彼の前に現れた少女……その姿は彼の見知ったものでは無かったが、彼を見つめるその視線は……温かく、そして……その瞳からはぽろぽろと涙を零していて)
………………かわい、そう…………な…………人…… 罪に振り回されて…………大切な人を失ってしまったのね……けれど、貴方は折れなかった…… それが憎しみから来る力であっても……貴方はその足で立ち上がった……それを支えているのが……二人の"仲間"なのね………… そしてその仲間に…………"私"を含めてくれようとしている……感謝されることなんてしていない"私"を………… どうして…………どうしてそこまで背負おうとするの……助けるだけが道じゃないわ。貴方はもう解放されても良い…… なのに…………やさしい人…………"私"は……ここに居るわ……だけど……貴方は求めていないのね……"私"じゃ…………駄目なのね……(そう言って叫んでいた彼にそっと手を差し伸べる、握ってくれと言わんばかりに) -- マーダードール
- ………(目の前に現れた、色素が無い彼女を見て。…にへっと、普段通りの笑みを見せた)…やっと出てきたな。おてんば娘め。
…………少し、違うかな。俺も折れたんだ。一回、ぽっきりと折れた…。けど、そこを掬ってくれた人がいた(ふわ、と浮かぶ顔は眼鏡の仏頂面。彼崎だ) (その後も彼の周囲に、ファミリーの顔が次々と……次々と浮かんでくる。その中にはサイカも、カランドリエも、そしてドーニャの顔もあって)…俺も助けられたんだ。二人の、大切な幼馴染を失わずに済んだ。あの二人の喪失を乗り越えられたのは皆のお陰だ。 だから今度は、俺も掬う側になりたい。背負うんじゃないんだよ、一緒に歩くんだ。…俺たちはファミリーだからな。マーダードール、って言ったか?(涙を流す少女、その呟きを聞いて漸く理解した) ……お前が消えることが、ドーニャにとっていいことになるかどうか俺には判断つかない。だからまずは相互理解から。…ハロー、どうも。俺はここだよ(差し伸べられた手を、躊躇いなく握った) -- ハロー
- (彼の笑顔に微笑み返して、涙で濡れた瞼を指で拭い、ドレスで拭いた後、優しく手を握り返した)
ハロー=ワールド…………共に歩く強さを、貴方には教えてもらったわ……ありがとう…………本当の強さを知る人……(穏やかな笑みを浮かべて) …………先へ進みなさい。きっと望むものが見つかるはず…………行きなさい……"私"は平気だから…… -- マーダードール
- (微笑んで、言葉に頷く)…少しでも、教えることが出来たなら。嬉しい。…ドーニャは無事ならなおの事。じゃあ…(手を離し、先に進もうとしたところで)
…そうだ(最後、振り返り)俺の事、少しでも覚えててまた会う機会があったら。デートしようか。ドーナツ奢るよォ(にへっと笑って。そして振り向かず…走りだした。ドーニャを救うために) -- ハロー
- 剣南春の場合 --
- (固めたはずの意が何かの力によってぐちゃぐちゃに弄られ、前後不覚に陥り、気づけば今まで居た中庭とは全く違う光景が広がる)
(そこはこの世の者とは思えないような異界。見回せば黒服達はおろか、彼女の処罰を見守っていた仲間たちも誰も一人も居ない) (何かの攻撃なのか?それとも瞬間移動したのか?そう思う間もあればこそ、背後に気配を感じた、振り返れば…) (大柄の男が喉から大量の血を流し、毒の回り切ったどす黒い肌色で佇んでいる。その顔には笑み) 「……お前はずっと冥府の奥底を這いずり回っているだけなんだよ、昔も…そして今もな」 (脾臓を貫かれ、ぴくりとも動かず倒れ伏していた青年が、首だけを持ち上げてこちらを見た) 「……誰かを守る?それがお前の求めていたことだって?違うな…お前にやりたいことなんて無い」 (背中から血を流し老齢で理知的な佇まいの学者が、穏やかな顔をして椅子から振り向いた) 「……君には会いたい人なんていないんだ。死が分かとうとも、もう一度会いたい人なんて」 (優しい雰囲気の女性。風に髪をなびかせて、悲しそうな顔でこちらを見つめている。その心臓からも血) 「……可愛そうな子。本来与えられるべき物を何も与えられず、ただただ操られるままで…」 (胸から血を流し、肺から溢れ出る血を口から吐きながら何かを探す子供。こちらを見ようともしない) 「……ママ…ママ…どこなの?パパも…お誕生日会、するんでしょ…プレゼントだって…楽しみで…」 (口々に呟く彼ら、彼女らのその背後には、見渡し切れない程の大人数の人間たちが並んでいる) (その誰もが、刺され、切られ、穿たれ、毒で侵され、もう…死んでいる) (ああ、分かっている。こいつらは僕が殺した奴らだ。全て、一人の紛れもなく) -- ジェン
- (屍の隊列の先頭、死者の群れの先頭に、自分と同じような年頃の、同じような服装の、同じような顔をした子供たちが居る)
(子供たちもまた、死んでいる。己が手を下した訳ではないが、誰もが血を流し死んでいる) 「「「「僕らは知っている。知っている。お前の怒りの根源を知っている。」」」」 (僅かなズレもなく、子供たちは唱和する。己と同じような声で、同じような調子で) 「「「「お前は許せなかっただけ、殺したことなんて気にしちゃいない、許せなかっただけ」」」」 (うるさい、黙れ、耳をふさぐ。それでも声は弱くなるどころか、もっと大きく届くような気がする) 「……そう、ボクは許せなかっただけネ。空っぽのボクが。……幸せじゃない、ボクが」 (そうして、とうとう…最後に現れたのは、ボクだった) (異常な世界の中、現れたボクは、能面のように無表情で、無感動で、虚無を宿した黒い瞳で僕を見つめている) 聒耳!聒耳!もうそれ以上喋るナ!うるさい!ボクの声デ!ボクの姿で喋るんじゃ無イ!!! (そうして初めて、ボクは薄く口元を持ち上げ、嘲るような笑みを浮かべた) 「だったラ、力づくで黙らせれば良イ。お前がずっとずっと、そうしていたようニ」 (怒りではなく、焦りを覚える。その焦りのまま、袖からじゃきり、と各種暗器を滑り出すように構え) ……啊啊啊啊啊啊啊啊啊啊ッ!!!(常ならば絶対に上げないような叫び声を上げて、僕は、ボクへと飛び掛かった) -- ジェン
- (匕首、鏢を一気に十数本投げ放ち、ボクへと空を割いて刃が飛ぶ。しかしボクは同じだけの刃を飛ばしそれを落とす)
(距離を詰めて飛爪でボクの外套を引っ掛け引き倒そうとすれば、同じく飛爪をがちりと合わせ綱引きになる) (舌打ちしてもう片方の手で流星錘を投げ放てば、全く同じ動作でボクが流星錘を放ち、空中でがん、と鋼同士がぶち当たる) …どこまでもボクの真似ヲ!!(埒が明かぬと更に距離を詰める。右袖から手斧のような鉞戟、左袖からぐにゃりと曲がる腰帯剣) (ボクも同じ獲物を出し、鞭のようにしなる腰帯剣が嫌な金属音を立てて絡み合い、鉞戟の刃がぶつかり合って火花を散らす) 「違うネ、お前がボクの真似なんだヨ」(ここで初めてボクが先行を取る。絡み合った腰帯剣を捨て袖口から、小さな矢が放たれる) (袖箭。超小型の弓から放たれた矢は僕の目を狙っていた、無理やり体を傾けそれを躱せば、金属球に棒をつけた金瓜錘が現れ) 苦ッ…!(重量に任せたフルスイングを暗器を仕込んだ袖を盾にして受ける。激しい衝撃が右腕を襲う) (体ごと吹っ飛び、倒れそうになったが、空中でくるりと一捻り、背から落ちる愚は侵さず足から着地。それでも衝撃は体に残る) 「ボクは、お前ヨ。その外套の弱点、知らぬとでも思ったカ?」(ボクが、また嘲るような笑みを浮かべる。焦燥が、胸を突く) (不味い。本当に僕と同じなら、ダメージを受けてしまった僕が一方的に不利。いずれはこのまま押し切られる可能性が高い) (奥歯をぎり、と噛み締めて…意を決めた) -- ジェン
- (ぷち、ぷち、と僕の外套から音がする。暗器を大量に格納する外套が不意に脱げてしまうことのないよう)
(厳重に中からも留め金がされているのを外している音だ。そして…もはや予想できたが、ボクの外套からも同じ音がする) 「思い切ったネ。まあそうするしかないだろうネ……分かってるトハ思うケド、それで上手く行くと思わない事ヨ?」 (うるさい。心の中だけで言い、留め金を外しきれば…ごとん、と服が落ちる音としては有り得ない音を立てて外套が落ちる) (そうして現れたのは、薄手のタンクトップを着た…少年の細身の鋼をより合わせたように鍛え上げられた体躯) (そのあちこち、無い箇所は無いというように体中には縦横無尽に傷跡が有る) (傷跡は数々の命を奪ってきた代償。そして、それらを達成するための凄まじい修行によるもの) (加えて……髪に指を当て、そこから針を取り出す。五本の、細い鋼の針を) (武息にて呼吸を整えながら、針を両手両足、そして腹、丹田のその位置に自ら刺し、点穴を活性化) (体の内部を巡る勁が堰を切ったように激しく巡るのを感じる。嵐のように力が湧き出してくる) 『偽仙丹功後天氣』 (組織によって行われていた点穴の開発、その秘術の成果が、この傷跡を生んだ) (これが最後の暗器。剣南春という、秘中の秘の内に隠された暗器だった) -- ジェン
- (同じく『偽仙丹功後天氣』にて爆発的に勁を高め、下手な吸血鬼など一打にて七孔噴血する程の功夫を秘めたボクが迫る)
(一時的に仙道に迫る程の肉体となり、外部の気を取り込んで動く体はその一挙一動が疾風の如く) (この異常の世界においてなお、天地の気を取り込む後天氣の技が生きるのは不思議でもあったが、今は考えるべきではない) (岩をも砕く龍頭拳がぶつかり合う。滝を両断する外擺腿が交差する。急所に入ればビルをも崩すであろう双掌打が放たれる) (それでも、その威力は全てが同じ。あらゆる拳法が相殺され、無効化され、一つとしてボクには届かない) 「だから言ったでショ?お前はボクには勝てない事ヨ」 うるさイ…!うるさイ…! 「いい加減認めたらどうネ。お前は弱イ。ちっぽけで何も出来ない不幸な子供だっテ」 分かってル…そんな事は分かってるんダ…!デモ…! (さらりと風になびく金髪の、蒼い目をした彼女を思い出した。拳に、力が籠もった気がした) 「……ヌ…!」 (忘年会で酒を飲み美味い食べ物を肴に語る皆の姿。窓から見ていただけだったが、楽しそうだった。更に、力が僅か増した) 「………お前ェ…!」 (レースで僕の作ったバイクで優勝した彼女、海に落ちていった者たち、馬鹿騒ぎだった。更に、力が僅か増した) 「…………そんナ、そんな些細ナ事で…このガキが…!」 (海で花火で遊んだ。戦うためにでなく火薬を弄ったのは初めてだった。あの子の水着を見た。綺麗だった。更に、力が僅か増した) 「……………お前ハどこまで行っテも幸せになんテなれなイ!なっちゃいけないんダ!この雑魚戦闘員ガ!」 (いつか、真夜中の門の前、淡く溶ける雪のような歌声を聞いた気がした。あの消えゆく声を守りたいと思った) (何かにがんじがらめに囚われ、それでも居たいと思っていた居場所を無くし、ただただ日々を繰り返す人形のように生き) (そうして…その果てには、唯一つの寄る辺であった、英雄を無くした、あの子を) ……知るカ!!ボクは……!偉いんダ!!!! (もう何度言われたのか覚えていない。あの子が繰り返し、繰り返し褒めてくれたこと、それを忘れるはずもあろうか) (冬の寒空の元、僕の頭を撫でてくれた、あの暖かな手のぬくもりを覚えている。あのぬくもりを、嘘にしたくなくて) (あの子を、幸せにしたいと、そう思ったのだ) (拳に、光が灯った。勁によるものではない、どこか力強い光。その拳が、ボクの防御を貫いて、胸を打ち抜き) (その瞬間、ボクの姿が崩れ去り、その背後で口々に呪詛を呻いていた亡者たちも消えていく) (斡旋屋になったことで繋がった縁、それを思う。人と人の中で生き、得た物…その分だけでも、きっと、僕は幸せなんだ) (それだけは迷いなく間違いなく確信できると信じた時、世界が、軋む音がした気がした) ……唖々……ボクがあいつを気になってた訳…分かった気がすル…… あいつは調整サれてた子供に似てたんじゃナイ……ボクに、似てるっテ…思ったんダ… (異常な世界を見上げ…どこか呆然と。そうして…その中で目に光を灯して) …………あいつニ…言わなきゃ……幸せに、なってもいいんダって………(そう、静かに呟いた) -- ジェン
- …………(彼の戦いの一部始終を眺めていたらしく、彼が現れるのと似たような感じで影も無く現れ湖面に舞い降りた)
…………見事ね。その研ぎ澄まされた刃…………尋常じゃない努力で身に着けたのね…… けれど…………貴方の強さは"それ"だけでは無い…………もう、わかっているわね……? 剣南春……貴方は罪を犯した…………それは消えざることの無い錘として貴方を、その外套以上の重みで苦しめるでしょう…… けれども…………貴方は昔の貴方では……もう、ないのよ…………純粋な……子…… 純粋すぎる故に…………苦しんでしまう子……純粋すぎるが故に…………強くなれる子…… 貴方は確かに守る力を持っている…………そして迷いを振り払う強さも…………また迷うことはあるかもしれない…… けれど…………抗いなさい。その先には…………きっと後悔の無い未来があるのだから………… ……"私"を…………守ってね。偉い、子…………(そっと頭を撫でようと手を伸ばす) -- マーダードール
- (いつの間にか現れていた彼女を見て、唖々、とまた一つ声をつく。その視線は…もはや敵を見る目ではない)
………分かってるヨ。こんな物は大した強さじゃ無イ。勘違いしたボクの、勘違いしただけの強さネ。 (組織に居た頃は分からなかったが、彼女はアマレットと似たような事を言う。ならば、僕にはもうその錘を外す事は出来ないのだろう) ……でも…この力で、守れるのなラ、守ってもいいのなラ……ボクはそうする。そうしたいと、思ったカラ。 …フ…迷ったら…その時は相談するヨ、ボクは頭が悪いからネ、一人で考えてても解決出来なイ(静かに、外套を纏わぬ細い体で伸びる手を見る) ………ああ、ボクは偉イ。だから……"お前"だって守ってやるサ(にっ、と、笑顔を見せる。それはこの少年らしくない…快活な笑みだった) -- ジェン
- あらあら…………まぁ…………ふふっ(ようやく見られた彼の笑顔はとても"好"なもので)ちゃんと笑えば子供っぽいわね……(年上だと言う事をアピールしつつ)
ええ…………一人で出来る事は…………少ない……からこそ…………"私"は貴方達の所で戦えたのね…… 貴方は寄り添う強さも持っている…………更に強くなれるわ……これ以上、さらに先の先へとね…… さぁお行きなさい……剣南春…………貴方は純粋であることの大切さを教えてくれた…… 貴方が己の弱さと向き合える限り、貴方は強い…………このまま進めば……弱さと付き合っていけば……迷うことは無いでしょう …………"私"を…………見つけて、お願いね………… -- マーダードール
- (さらりと撫ぜられた手は暖かく、その感触は…覚えがあり…己との戦いでざらついた心を柔らかに沈めてくれた)
……うるっさいネ、どーせまだガキヨ(微笑みを漏らされれば、照れたようにそっぽを向いて、それでも、悪い気はせず) ………どこまで行ってモ、一人は、一人だっテ…この街に来て気付いたからネ。あいつも…きっと…… (そうして、世界を見渡し、どこかそれが軋む感覚が強くなっているような気がして、終わりを感じた) …もちろんヨ、強くなってやるサ、誰一人だって失わない、そのためになラ、いくらでモ、いくらでモ。 ……ああ、あいつニ…言ってやらなきゃいけなイ、事があるからネ……再見!(そうして、一片の迷いなく…走り出した) -- ジェン
- ユリアン・ナザロヴァの場合 --
- ウウッ…ここは?…あのもうひとりのドーニャは…(あたりを見回し、そばに誰もいないことを確認する)
(先程の広場と一転した風景に狼狽しつつもドーニャを探すために周囲を歩きだす。)ドーニャ…どこなんだ…。それにみんなも…<<ユリアン…ユリアン…>>(彼の耳元で聞こえてくる呼び声) …待って。そんな、まさか。(その声に怯え始めるユリアン。そしてだんだん大きくなる声) <<どうして>>う、嘘だ…なんで。(声の方を向き、人影を視認したとたん顔が青ざめる) <<どうして>>やめてくれ、僕は知らなかったんだ…!あの日…!(顔を両手で覆い俯く。そしてありったけの謝罪の言葉を並べる) <<どうして>>どうして…あの日あそこにいたんだ、'姉さん!'(ひときわ大きく上がる叫び声、蹲る彼を眺める美しい少女。銀の髪、蒼に染まる鋭い眼差し。身にまとう簡素な革鎧。) (そう、彼女こそ10年前に彼が殺害したはずの実の姉。エリーチカ・ナザロヴァだった。) -- ユリアン
- ユリアン。大きくなったのね。(彼女はあの日の言葉を繰り返す)
顔を見せて頂戴?父さんも母さんももう死んだわ。あなたを売ったことを後悔してね。(やめてくれ、思い出したくない) …今、あなたがここにいるということは、そういうことなのね。(嫌だ、止めて止めて止めて止めて) 仕方ないわ。私はここで死ぬ訳にはいかないもの…。姉さんはこの国のために戦ってるから。(そんなことわかってる…けど) だからごめんね…せめて楽に…!?がはっ!!!(レジスタンスからいろいろと手ほどきは受けていたのだろう。しかし) どう…して?(自分の胸を貫いた相手――黒いおぞましい鎧を着た弟…ユリアンの顔をなで、エリーチカは絶命した) -- エリーチカ
- …。(殺した。姉を。兵士を。裏切り者を。無辜の命を)
…。(殺した。国家を。未来を。過去を。)
…殺した。(おのれの感情を。心を。すべてを。) …失うものはなにもない。すべて潰していくだけだ。(その言葉すら感情がこもらない。傍らに倒れ伏した姉すら一瞥もくれず歩き去る) -- 黒騎士
- (そのやり取りすべてを見て声もなく涙を流し)
どうして今こんなものを見せられるんだ…!ああ姉さん…僕の、僕の手が止まっていたなら…!(半狂乱で泣き叫び、手を地面に打ち付ける) もう、…やめてくれ!僕の罪を見せないでくれ…!(もがき苦しみ頭をかきむしる。)
(彼の笑顔に奥底に隠された本心。罪悪感と自責の念が渦巻いた傷だらけの心。それが今ここに晒される) (傷は深く膿んで腐り落ちる。長年蝕まれた心の闇はこの空間で生まれた幻なのか…) -- ユリアン
- (彼は拳を地に突き立てる……否、湖面へと突き立てる……まるで石の様に硬くなったそれは貴方を拒むように傷つけて、それでも貴方は止めようとしなかった)
もういい……もう良いのよ……(その手に重なる、青白い手…………少女ではない少女が貴方を見つめて) 嗚呼…………なんて可哀そうな人…………全てが全てを傷つけてしまう………… 大切な人を殺し、絆を殺し、そして心まで殺してしまったのね……けれど…………貴方は苦しんでいる…… 苦しむ心がある…………悔やむ心が…………確かに在るのよ…………後悔しても、戻らない物は確かに在る…… けれども…………無くせない…………ものだって、きちんとあるわ……貴方の心はちゃんと……貴方と寄り添ってここに在る…… これ以上心を苦しめないで…………貴方の心は悪くないのだから……立ち上がることは……必ず出来るのだから…… お願い、だから…………自分を…………(嗚咽を漏らし)傷つけ、ないで…………お願い…… -- マーダードール
- …君は?(嗚咽を漏らしてた顔を上げ、目の前に現れた少女を見る)
…だめなんだ。僕の罪は断罪されるべきもの。でも、その機会すらなくいまを生きている。 僕の手は血に染まっているのに偽善に耽り、己の罪から目を逸らしてる。ああ、それと見君が僕を断罪するのかな? …それは違う、か…。なら、僕はどうしたらいい・・・?(すがるような目でマーダードールを見る) -- ユリアン
- 許されたい、と思う事は…………罪、なの…………?
自分を縛り付けることが罪ならば…………ええ、私が断罪しましょう…… (そう言って彼を優しく抱きしめて)どうして、どうして人は苦しむの…………幸せになること、がどうして悪い事なの…… 貴方は罪と確かに向き合っているわ…………決して目を逸らしているんじゃない…… 見なさい…………その手を…………その手は確かに"血"に塗れているわ……貴方自身の血でね…… でもそれを"汚れている"とは言わない…………ええ、言わせないわ…………だから……お願い……諦めないで…… 自身を許す事を諦めないで…………負けないで…………己の罪に…………進む、しかないのよ…… 立ち上がりなさい……その為なら…………"私"が手を差し伸べるから……(そっと離れ、立ち上がり、起き上がれるよう手を差し出す) さぁお行きなさい……ユリアン・ナザロヴァ…………貴方が進めば、見えてくることもきっとある…… それが例え光でなくても…………貴方の纏うそれは闇だけではないのだから…… -- マーダードール
- …。(聞こえてくる言葉にじっと耳を傾け、されるがままに抱き寄せられる)
僕の…この手はあの日、姉さんを…。いや、自分も殺したのか…?だけど…(頭を振り、一旦身を離しまた俯く) 僕は僕を許すことはできない…今は。もしそれを許してしまったら。あの日から今の僕はなくなってしまうだろう。だけど…。(差し伸べられた手を掴み、立ち上がる) 僕は僕のことを許せるように、もう少し、歩いてみるよ…。Спасибо за беспокойство.(心配してくれて、ありがとう) それじゃ、僕は行くよ…、じゃあ…またね。もうひとりのドーニャ。(ふらり、とあるき出す。当て所のないこの空間を) -- ユリアン
- ケーネ・ピノッティの場合 --
- ドーニャっ(気を失った彼女を気遣う様に進み出ようとするが・・・マーダードールが邪魔だ)・・・なんなんだよ・・お前っ
(この感じている感覚を敵意と呼んでいいのかわからない・・・酷く不気味だ・・・が) ・・・なんだ!?・・(不意に捻じ曲がる視界に思わず体がふらつく・・・気圏を広げても周囲の状況がまるで理解できない・・・) ・・・!?(やがて周囲が落ち着く・・・何が起きている?みんなはどこに行った?・・・異世界?・・しがらみ・・・からの救い?・・・何を言っている?) -- ケーネ
- (訳が分からない・・・ここはどこだ?・・周囲を探りながらさ迷い歩く)
・・・(奇妙な感覚だ・・さ迷い歩くうちにだんだんと、懐かしい物に近づいていくような・・・)
(気付けばケーネは幼き日、5歳の頃にまで身も心も退行している・・・そのことに気づきもしない)
・・・っおかーさん!(朧げな母の姿を見つけ、追いかける・・・なんで今まで忘れていたのだろう・・・彼女のそばにいるのが当たり前だったではないか) (かけっこは得意だ、いつも褒めてもらっていた・・・だからすぐに・・すぐに・・・・すぐに・・追い付け・・・ない)なん・・なんで・・・っ (気付けば誰かに抱えられている・・力強く揺るがない腕・・偶に家に来ていた、人形みたいに表情が無くて、ちょっと怖い男)はなせっ・・はなせよ!・・・わたしはおかーさんといっしょにいるんだ!
「じゃぁ、ケーネを宜しくね・・ロベルトくん・・・・」 「はい・・確かに・・・・・・・ぁの・・エリザさん・・・俺は・・っ」 「・・・ありがとう・・・でもこれは・・・私たち家族の問題だから・・・」
(遠ざかっていく・・おかーさんが遠ざかっていく・・・そう・・これが母の姿を見た最期だ・・・) おかーさんは・・おとーさんから私を渡すまいとして死んじゃったんでしょ・・・なら・・わたしが・・わたしがおとーさんの所に行けば・・・おかーさんは殺されずにすんだんでしょ!?・・じゃぁ行かせてよ・・行くから・・・写真でしか知らないけど・・・お酒飲んだらすごく怖くなるっていうけど・・・わたしがんばるから・・おかーさん・・・死んじゃわないように頑張るから!・・・だから・・・・ オレに・・オレに力をくれよ・・・っ・・クソ親父を殴らせてくれよ・・・・・家族を・・・母さんを守らせてくれよぉおぉおおぉ!! -- ケーネ
- 大丈夫っ…………大丈夫よ…………!(暴れる貴女を、強く強く抱きしめる少女)
嗚呼……なんて可哀そうな子…………母親は望まなくとも貴女を置いていってしまったのね…… しかもそれが…………父のせいだなんて…………守れなかったことを……ずっと悔やんでいるのね…… そして甘えられなかったことを……悔やみ…………父を憎み…………そして何より無力な自分を憎んでしまったのね…… (震える声で抱きしめた後貴女を見つめる、その瞳からはぽろぽろと涙が零れて心配そうに見つめている) ……過ぎ去ってしまったことは…………変えられない。これは残念だけど事実だわ………… でも…………貴女が悪いわけじゃない…………憎む必要は無い…………行き場が無いのね…… でも…………大丈夫…………きっと…………大丈夫………………怒らないで……泣かないで…… きっと…………大丈夫、だから…………? (根拠のない励ましを繰り返す少女は力なく貴女の肩を掴んだままそう言って……) -- マーダードール
- (めちゃくちゃに叫び・・暴れる・・・やがて己の肉体が戻り、精神も戻り、今の状況を自覚する)
っは・・ぁ・・・はぁ・・(ぼたぼたと零れる涙をぬぐう事も出来ずにマーダードールにしがみつく) ・・・いま・・わかったよ・・・お前は敵じゃない・・・・・少なくとも、その心に嘘はない・・(こちらと真剣に向き合い、声をかけてくれた・・その意思を感じた・・・何も変えられはしない・・・でもそこに、愛と誠意を感じた・・だから) ・・・ありがとう・・(呟くと涙を拭いて立ち上がる)・・・へっ・・みっともないとこ・・みせちゃったな・・・(そっとハンカチを出すとマーダードールの涙もぬぐってやって) -- ケーネ
- (涙を拭いてくれるのを見れば無邪気に微笑み)……うふふ…………みっともなくなんかない。カッコいいわよ……貴女は……
立ち上がりなさい。貴女なら"もう"大丈夫…………それは確かに根拠のないこと……裏付け出来ないかもしれないけれど…… だからこそ…………大丈夫…………あら、拭き残し……(そう言って貴女の目元を手で拭い) さぁ…………お行きなさい…………貴女ならきっと"私"を導いてあげることが出来る…… 貴女の道は……きっとこれから明るいものになる…………こんな"世界"には似合わない、からこそ……進めばわかるわ…… 頑張りなさい……ケーネ・ピノッティ…………明るく正しく強い子………… -- マーダードール
- にひひ・・そうか?・・・ん(にかっと笑うと改めて拭いてもらって)
・・・あぁ・・ありがとう・・・・・お前も、あとでちゃんと来いよ?(彼女にはまだ仕事があるようだから・・・ただ何となく、これでお別れになってしまう気がして、それが寂しくて声をかけた) ・・・・・(颯爽と歩き出す・・どこへ?さぁ?なんかわかる・・・嘗てないほどに晴れやかな気分だ・・今なら何にだって立ち向かえる気がした) -- ケーネ
- ピーナッツ・バターの場合 --
- パパと…ドール、お人形さんが前に居るのに…どんどん目の前がぐらぐらになっていくわ…?
(まるで夢でも見ているかのような光景の後、何処かへとぽとん、と落とされた感覚を覚える、その最中見たのは) お父さん、と…パパ…?(ボスにお父さん(実父)とパパ(マフィアのボス)どちらか好きなほうを選んで引き金を引きなさい、といわれたそのときの光景 幼い自分ではなくて今の自分がその状況に置かれている幻視、そして震える手で持たされた銃を構え右目でそれを見つめる) あの時わたしは、希望を…光をもらったの、よね…(後悔はない、でも心残りはあった ただの一度も愛されなかったことへの…でもそのときの彼女にその余裕は無かった) さよなら、お父さん(そして引き金を引くとバターは悪夢から覚めるように、異世界のような不思議な空間を初めて認識した) -- ピーナッツバター
- ここは…そうだ、パパは?パパ達は!?みんなどこー!!わたし、ピーナッツバターはここよー!
ドーニャパパ!みんなー!居たら声を返してー!(あまりに夢のような場所で歩くことさえ躊躇ってしまう) …ううん、ここでじっとしていちゃダメよバター、最初の希望はもう貰ったのよ、ここからは自分で歩かないとだめなのっ (がくつく足を両手で押さえながら立ち上がり、少しずつ慎重に歩みを進めていく、どこへ向かうかも分からないまま…) -- ピーナッツバター
- (その足取りは覚束なく、それは地ではなく湖面のせいで……当ても無く彷徨う彼女……やがて疲れのせいでつまづき……)
(倒れようとしたところを優しく抱き止めたのは貴女の知らない少女で……) ……強い子…………ね…………(そう言って優しく微笑みかける少女)とても辛い過去があった…… でも、乗り越えている……から今がある…………とても強い子…………少しだけ、寂しがり屋さんだけど……とても良い子ね…… "私"はここに居るわ…………けれど貴女が探している"私"は"私"じゃないのね……(優しく抱きしめているが振り払うことは容易である) -- マーダードール
- っぁ…(このまま湖面に倒れたらどうなるのだろう、沈んでそのまま深い湖底へ墜ちるのだろうか、そんなことをふと感じてしまう
それほどさっきの追体験はバターを消耗させていた、でも湖面は依然として視線の先で、自分は誰かに抱きとめられているのだとそこでようやく理解した) あなたは…さっきの、もうひとりのパパ…?ありが、とう…あなたもわたしの夢、みてたの?…そうだ、他のパパ達はどこだろう うん、あなたは居るけれど、わたしにはドーニャパパのほかにもたくさんのパパが居るのっ みんなひとりにしてたら寂しくてきっと、縮んじゃうわ、あなたもパパを探しに行くっ?助けてくれたんだから、本当は悪い人じゃないんだよねっ、パパもっ! -- ピーナッツバター
- さぁ…………どうかしらね……(少しだけ寂しそうに微笑み)
貴女は"私"の元へ向かうべき存在。ここで倒れちゃ、いけないわ………… 貴女は子供だけど……子供なりの強さを持っている…………沢山甘えて、沢山強くなりなさい…… 私は…………後で、いくから…………立てる……? (そっと立ち上がれるように手伝って) さぁ……お行きなさい…………ピーナッツ・バター…………貴女は愛らしくて、強い子…………人を奮い立たせる力を持っているわ…… 貴女ならきっと…………大丈夫…………"私"の元へと…………たどり着けるから……心配しない、でね………… -- マーダードール
- 平気よ、だってパパの子供だもの、強くて優しくて…とっても甘えん坊なのっ(分かっちゃってたか、と舌を出して)
うん、あなたに助けてもらえたから、一人じゃないって思えたから立てるわ(先ほどよりも力強く、でも走れるほどではないのも立った感覚で理解して) そんなっ、褒めてもキスはすぐにはしてあげないわよっ?パパ達のところで会った時に、ね?(パチッとウィンクをして) ありがとうねパパ、いってきますっ(まるで異世界に墜ちた不安を感じさせない様子でしっかりと歩いていく、ドーニャにもう一度会いたいから 会ってこれまでおしゃべりできなかった分まで今度は(あなたの)ドーニャの声を聞いてあげるために) -- ピーナッツバター
- (天がその色を変える、伸びる筋は幾何学模様へとなり、天道へとたばしるその希望は散り散りとなり光背のごとく姿を変えた
朔風が撫ぜ黒い点滅が中天に現れ、それは移動しながら終に行く 光背をなぞる様に動き、それは口を開いた……) ふらりふらり……まつさらまつさら……とこしなえ (湖面に伏せるようにして倒れている少女は、皆の知る少女の姿で、動くことは無い) 月見船は光へと憧れ湖心を目指すがそれは決して届かぬ光……なんと美しくなんと絶景なのだろう 獣(魚)たちは互いの腹を抉りあいとても楽しそうだ 徒……ああ徒だ……空(くう)だ……嬌声が聞こえるぞ……絶景だ -- ???
- (※アナウンス) --
- ハロー様、ジェン様、ユリアン様、返信をお願いいたします。ピーナッツバター様は無理でしたらこちらか相談スペースに書き込んでいただければ幸いです --
- (貴方達が先に進めばその光景と一人の人形の姿が見える……)
"私"を"私"から放しなさい。"私"は"私"であってはいけないの。彼らを見なさい彼らは"私"を導く光 さぁさぁ……もう"私"を終にしなさい。もう良いでしょう? -- マーダードール
- (彼らとは貴方達のことであり、まるでこちらに来るのがわかっているかの如く、振り返らずにその人形は抗議を続ける) --
- (まるで指さすかのように黒点が二人の少女を示す……)蛻(人形)と蛻の殻(少女)……雪迎えならもう済んだであろう
さぁさぁ共にあくがれよう……天心の月は近いぞ。こんなにも見える -- ???
- (黒点と人形が言葉にならない言葉で遊んでいる……さなか、少女は幻を見ていた……)
(ああ……あの時も……あの時も……全ては自分のせい……) (工場が燃えたのも私のせい……私の態度が内部の人間に違和感を与えたせい……) (あの老婆に仕えることになったのも私のせい……怖くて逆らえずにそうしてしまったせい) (言いなりになり人を傷つけ、殺し続けたのも私のせい……嫌われたくなくて、失望されたくなくてそうしてしまったから) (ヴァルタリの三人が死んだの私のせい……あの時一人になってしまったから) (ミンツが死んだのも私のせい……無理にでも引き留めれば良かった) (そして…………心を"閉ざして"しまったのも私のせい……芽なんて出ないってあきらめてたから) (ああ……あの時、こうすればよかった……) (ああすればよかった…………生まれてこなければ良かった……) -- ドーニャ
- 駄目よ、"私"……人として在る事を諦めないで……お願い…………皆……助けて……"私"を…………助けて…………っ
(地に伏せた少女……いや、"蛻の殻"を包み込むように……深海から、湖面へと延びるどす黒く広がる吹き溜まりは……そう……所縁……魚が餌へと群がっていく……沢山の"動物"の顔をしたそれの背中は皆、赤い……) どうして……どうして…………貴方達………………どうして、登れば登るほど……希望を得れば得ようとするほど苦しみないといけないの…………っ 誰か……っ…………教えて…………(崩れ落ちる)幸せは…………何処に……在るの………… -- マーダードール
- …ハァッ…ハァッ…!(息せき切って走ってくる長身の男)
ドーニャ…!諦めるな…、僕は諦めない。だって約束したから!君と!(大声であたりをはばからず呼びかける。そして) …くそっ!近寄れない…何だちくしょうそばに、そばにいかせてくれえ!!ドーニャ!!(必死に縋り付こうとするもその距離は決して縮まらない) -- ユリアン
- …(たどり着いた。人形?否。否、否。あれは人影だ。よく知ってる少女の、そこにいる証だ)……ドーニャあ!!(叫ぶ。この男の声はよく通る)
(なんといえばいい?ドーニャに届く言葉、俺とドーニャの関係で、最も響かせる一言…ああ。そうだ、俺はドーニャの上司。ならば躊躇うことはない…) ……報連相!!(唐突な言葉は、ハローが仕事で大切にしている3原則)…仕事の報告忘れてる!こないだ、俺からドーニャに仕事を一つお願いしたよな…?「周りの人が、どう思ってるか、どう感じてるか。考えてみろ」って。 その報告がまだだ。…今からでもいい、始めよう(にへっと笑い、そして確信をもって)………みんな、お前を嫌ってたか?死んでもいいって、想ってたか? 今回、こんな事件になっちまったのはそこのマーダードールちゃんのせいかもしれない。被害にあった人もおかしくなってた。…けど、普段のお前を…否定するようなファミリーは、いなかっただろ? みんなお前のことを想って、幸せになってもいいんだと、失いたくないと。…大切な存在だと、そう思ってくれてたんじゃないか? …その輪の中にいる、お前が幸せにならなくてどうする?幸せはもうそこにある。青い鳥だよ、ドーニャ。自分で気づけなかっただけだ(そう、俺たちはファミリーだから)…だから!! 気づけっ、ドーニャ!!お前の、お前たちのすぐそばに幸せはあるんだ!!目を覚まして、手を伸ばせっ!!(想いを込める。これが銃なら乗っただろうが、今だけは声に想いを乗せて) -- ハロー
- ………!(見れば異形の世界で、異形の顔をした者たちが、異形の祀りを行うかのように彼女を囲っている)
……ドーニャ!待ってるネ!すぐ、そこニ…!(叫ぶ。そうして少しでも彼女へと近づけるように走る、足を踏み出し、下ろす、だが) …なんなんダ!何故!!そこへ行けなイ!!苦ッ!!(近づけない、何故か、近寄れない) …ドーニャ!!声を!諦めるナ!ドーニャぁあああ!!(声だけでも、彼女に届けと、走りながらも、精一杯張り上げて) -- ジェン
- パパが遠い…歩いても歩いても…縮まらないのはパパとわたしの心の距離だからかしら…でも、だとしても歩かなくっちゃっ
パパに会うって決めて歩き始めたんだから、止まってはダメよバター、歩くの、歩いてパパに会いたい気持ちを伝えなくちゃっ まだ一緒に寝て欲しいし、お風呂にも入りたいし、美味しい料理を作ってまた、食べてもらいたいもの、パパー! 無口だけどとってもおしゃべりなお顔が素敵なパパっ!お返事してーっ! -- ピーナッツバター
- (ユリアンの彼らしからぬ大声が聞こえる、それは彼の心の奥底で燻っていた正義の心……それは少女には無いものではあるが、その熱量は少女を大きく揺さぶった)
(ハローの声が聞こえる……とても大きな声、湖面が揺らぐほどの……その"仕事"への催促は少女にとっては非常に効果的だ) (ジェンの声が確かに届いた……それは彼の本心であり、澄んだその咆哮は少女の中にある意識を目覚めさせる) (ピーナッツバターの声が少女を覚醒させた……それは彼女なりの優しさに満ち溢れたもので、だからこそ幸せを感じることが出来た……) --
- (彼らの声が聞こえる……確かに聞こえる……そして"私"が居る……寄り添っている……嗚呼、何を諦める必要があったのか……私が出来ることはあまりにも簡単すぎる)
(簡単なことだ……ああ、簡単だ……今までと同じだ。そう、それでいい……) (暗澹たる中点へと延びたる光の梯子に群がる星屑達が口々に叫んでいる──)
──心を──────殺せ。 -- ドーニャ
- ──(銃声が響いた……乾いたそれは……"蛻"である人形…………いや、"ドーニャ・ドリフトウッドの心"が引いた引き金によるもので……)
(彼女が持っていた花束に隠された拳銃、それは昔彼女が使っていたものであった……) (そのドレスを赤く染めて、殺人人形は少女の代わりに倒れた……) …………ドーニャ……………… -- マーダードール
- ………………("蛻の殻"である無口な少女が彼女を抱きかかえ、口を開く)……貴女…………は…………"私"…………だったんだね……
(それに反応するように"蛻"である少女が口を開いた)「そう……よ…………貴女は……"私"」 「私が昔殺してしまった…………"私の心"…………」 …………今まで、ごめんなさい……………… 「謝る、ことなんてない……わ…………ここから、出たかった…………だけ……」 「"私"をここから出したかった……だけだから…………貴女の友人……ガアラが…………私を救い出してくれた……」 ………… 「私を殺さないと……貴女は……また死んでしまう、から…………これで、良いの……」 -- マーダードールとドーニャ
- ………………(少女の腕の中で"心"が消えていく……かつてあった自分の心が……)
(辛いとき、現実から逃げたい時に殺してしまった、あの心が……また少女から消えた……) (少女は空っぽの器だ…………だが、それでも…………それだからこそ……自身を……彼らを、ここから救い出せるのだろう)
(光背が崩れるように、空が割れていく……全ては夢だった…………心が見せた幻だったのだ……) (気づけば先ほど居た中庭に皆転がっていた……) -- ドーニャ
- うっ…ここは…?(目を覚まし、あたりを見回す。)
確か組織の査問会…はっ!?ドーニャは…!?(姿を探し、見つければ駆け寄る) -- ユリアン
- ・・・・・・つまり・・・どういう事だ(寝転がり、空を見上げながらぽつりとつぶやく) -- ケーネ
- (先程、己を励ましてくれた彼女が、薔薇のように赤く紅くなり、倒れていく様を確かに見届け、脳裏へと刻み込んだ)
(これでいいのだと分かっていても、彼女も、もうひとりの彼女だったのだ。だったら…誰か一人でも、多く、それを覚えていてやりたい) サヨナラ、もうひとりのドーニャ……(そう思い、心の中で彼女に別れを告げれば…元の中庭へと、光景が戻り) ……ドーニャ!(がば、と起き上がって少女の姿を探し、そばに近寄って) -- ジェン
- (むくりと起き上がる……何事も無かったかのように周りの黒服たちも頭を抱えつつではあるが起き上がり)
(皆、先ほどの心の痛みなど消え去ったかのように爽やかな気持ちで……) (そして少女のことなど何も気にしないようにその場から去っていった) (少女は皆の姿を見つけると……)…………ただいま(そう言って無表情のまま首を傾げた) -- ドーニャ
- (なんか流れ解散な雰囲気に釈然としない物を感じていると、傍にいるロベルトがぽつり「良かったじゃぁないか」)んまぁ・・そうっすね?(うんと頷く)
(起き上がり、少女を見つけると何気ない感じで歩み寄って)おうっおかえり(ぽんと労うように撫でた) -- ケーネ
- (短い一言。いつもの無表情で紡がれた言葉は、待ち望んでいた彼女自身の声で…)
(笑っているような、泣きそうなような、かつて少年がしたことのないような、人間味に溢れた、複雑な表情でそれを聞き) ……ハハ、おかえり、ドーニャ(そう、心から呟き、そして)…覚えてルかな、ハローの奴も言ってたケド… ドーニャ、お前はもっと幸せになってイイんだ。…これから、少しずつ、もっと。皆と触れテ、世界を見テ…。 もっと、幸せに、なってクレ、ドーニャ。…そうすれば、ボクも、幸せダ。 (噛みしめるように言って、もうひとりの彼女に見せたように…満面の笑みで、出迎えた) -- ジェン
- …おかえりなさいっパパっ!(おかえりのキスー、と起き上がったドーニャのほっぺへ唇をくっつけて) -- ピーナッツバター
- ドーニャ…良かった…(今にも泣きそうな顔で、ドーニャに近寄り)
本当に無事で…良かった。(そっと彼女を抱きしめる。優しく。) …君のおかげで、少しだけ…自分を好きになりそうだよ。何のことか、わからないだろうけどね…。(抱きしめながら頭をなで…体を離した) さぁ、帰ろう…。もう君を縛るものはない。(手を差し伸べる) -- ユリアン
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