FA/0074
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- 天地の理の果てに何がありや、陰陽太極へと至りて至高を知るか
其のようなモノに興味など無いのだ、ただ武を知るが故に床を足で打ち拳を放つ 過程でなるほど世界の狭間を歩みてあらゆるからこの姿を隠す術へと至ろうぞ この身が両義を体現もしよう、けれどそれすらもそうなるが故になったがだけの事 悲しいかなどれほど至ろうともこの心はそれほど崇高には出来ておらぬ 求めるはただ只管に磨き続けたこの拳を交わすに値する強者との一時 これぞ男の本分だと笑うその老邪仙の名はスフェン・カティシオという 西洋人で、吸血鬼で、仙人で、武術家で、チグハグなのにとても分かり易く侠客として生きる拳鬼 -- サフィリア
- ………こ、ここはー。(きょろきょろと扉から出てきて周囲を見る)
ほ、本当に普通の……空気が元の世界だー。(緊張状態から脱するとへにゃへにゃと力が抜けて) -- ティナ
- (そこは女の言葉通り女性らしい内装の家の中だった)
(菓子作りを好むのかミルクと砂糖の甘い香りが僅かに漂う、窓から覗く光には邪なものはなくとても温かに平和を湛えていた) (そしてティナの後ろから女がやってくればその姿はいつの間にかヒトらしい角の無い、都市部らしいファッションに身を包んだものとなっていた) さてさてそれでは話すべき事があるけれど…お茶はいるかな?そこのお嬢さんは喉が乾いちゃってたりは? (適当に座ってくれと椅子とテーブルを用意しながら) -- サフィリア
- あ、はい。喉がカラッカラです!(ぺこりと頭を下げて)サフィリアさん、地上での姿ー。
はっ。(姿を変えられる魔族=かなり高位という図式が脳裏に) まさか……サフィリアさんはデモンロードとか魔神とかいう…?(でも椅子に座った) -- ティナ
- 俺はこのままでいい。(腕組みをして)ま、人様の家に上がるんなら煤けたままじゃいけねぇよな。
(そう言うと服を含めて体を再構成して壁に背をつけた) -- おじさん
- おっ中々いい目をしてなさるね?そだよー爵位級魔族です、領地とか持ってないけどね
(まるでそんな事を感じさせない呑気な口調で語る、ただその魔力を推し量れるのならそれが事実だと分かるだろう…底が無い) (求められればお湯を沸かしコーヒーを濃く淹れ始める、そして細かに砕かれた氷を深めのグラスへ) (そこにコーヒーと共に甘く濃厚なキャラメルソース、さっぱりとした生クリーム混ぜられていけばアイスキャラメルラテの完成だ) 危ないとこ行った後は甘いのが落ち着くからね(ティナの前にコトリ、とグラスを置いた) さて…それでは(先程までの軽い空気とは違い凛とした表情でスタッドを見て) 事実を端的に語ればステラ、そしてその家族の血が絶えたのは…運が悪かったに尽きます 彼女の家庭環境に関しては言いたい事はありますがそれは置いておきましょう …ただ継代で力を維持しようとする事はとかく歪みを生みやすい (それはスタッドに対して向けられた言葉、咎めるようなものではなく…だが事実ではあると)その歪みに付け入った者がいました -- サフィリア
- わー、すごい人だった……!(でもアイスキャラメルラテを出されると笑顔になって)
ありがとうございます、いただきます!(礼を言って喉の渇きを癒した) -- ティナ
- ……運が悪かった、か。ステラが殺戮の舞台女優と呼ばれた経緯も、あんた知ってるのか?
歪みか……(その言葉を聞くと目を瞑って唸った) (正しいと信じ、技を継承し、騎士としての信念を子に伝えたと思っていた) (しかし) -- おじさん
- ええ、彼女はただ殺されそうになっていたある少女を救おうとし…少女は自らを殺そうとしていた者を庇ってしまった
どうしようもない悪党であろうと父親は父親であると…そういった行き違いがあった一件です (ステラとの間では至っていなかった真実、だが女は知っている…ステラの死後魔性の手段で調べたのだ) …その歪みは貴方の罪ではないと思いますよ、ヒトにとって1000年、2000年はとても長い けれど愚かな方法で力を求める者にとってはその歪みも含めて魅力的なものでした 喰らった相手の力を自らの物とする禁忌に墜ちた男はステラの父親を殺し喰らったのです そしてその光景を見た娘の一人は復讐へと、もう一人の娘は歪みにより狂気に墜ち怪物に従い… 狂気に墜ちた娘を正気に戻す可能性がある母親もまた殺される事となった (どうやって殺されたかは語らない、流石にそこまでスタッドを傷つける事は無用だと判断しての事だ) …以降の事は想像に難くないでしょうが聞きますか?アタシはそれを見届けた -- サフィリア
- それって……(殺戮の舞台女優? そんなのニュースペーパーの嘘っぱちだ)
(ステラは守ろうとした少女を殺してしまって、そのことを公表できないまま世間の好奇の目に晒されたんだ) (ショックで飲み物の味がわからない、どうしてこんな悪意が、悲しみに満ちた物語が存在できるのか) -- ティナ
- ……その後はいくら俺がバカでも察しがつくよ。(哀しみに満ちた瞳を開いて)
ステラはルナを殺した。そしてその後にステラは仇を殺して、そのまま死んだ。 俺は愚かだった。(しばらくの沈黙の後にぽつり、と言葉を紡ぎだす) 心を……心の大事さをわかっていたはずなのに………また間違っちまったんだよ、俺がな。 俺が祖父の、魔人セルマ・レイネスを殺した英雄の影に歪んだように。 誰かが俺や俺の息子の影に歪むことを考えられなかった。 ……感傷はこれくらいにしとこう、サフィリア・ダイモニオン。 (頭を下げて)ステラの心に寄り添ってくれたことを、先祖として感謝する。 -- おじさん
- (二人のやり取りを見ながら、ぽろぽろと泣き出した) -- ティナ
- (スタッドの礼を聞けば女の顔があからさまに歪む、強い強い後悔を湛えた顔だ)
いや…いいや…アタシは礼を言われる筋合いなんか無い、結局親友一人救えなかった 彼女は最後に生きている資格を持つ事が出来なかったのだと呟いた…その心を救えなかった (開かれ、上に向けられた両掌はまるでその指の隙間から大事な物を落としたかのように僅かに震えている) もっとステラに温かな日々があれば、アタシがもっと傲慢であの男をこの手で叩き殺していれば、結果は… (そこまで吐き出せばフー…と息を吐いて落ち着きを取り戻す、拳が強く強く握られて) こんな風に今を生きている身ですらIFばかり考えるんだ、…だからキミが未来を負う事は無いのさアシュリー・ウィレムスタッド …あの子はとても鮮烈で、笑顔が可愛くて…儚いヒトだったよ、…こちらこそありがとう、語れて少し胸がスッとした -- サフィリア
- ……ステラは…会ったこともねぇ子孫だが……
(手のひらを見る)生きている資格を持てなかったのか…そうじゃねぇだろ。 何も守れなくても、強くなくても、かっこ悪くても…生きてることに、何も咎められることなんてありゃしねえのにな… ……いいんだ、サフィリア。俺は……(そこでようやくティナが泣いていることに気付いて) おいおいお嬢ちゃん、なんでお前が泣くんだよ。 -- おじさん
- 私は………っ!(ボロボロ泣きながら二人を叱るように睨み付ける)
二人の分、泣いてるんだよ……! 特にスタッドさん、あなたは今、泣いてるんだ…! 絶対そう! 私は……間違ってない……!!(アシュリー・ウィレムスタッドと呼ばれた存在を睨みながら、ずっと泣いていた) ステラさんのことは知らないし、無関係だけど。今、話を聞くことで関係したんだ。だから……だから…(その後は子供のように声を上げて泣いて) -- ティナ
- ………俺が泣いてる、か。(震える手でライターを握り、そのままポケットに仕舞い直した) -- おじさん
- (こちらも泣いているティナに気付けば最初は困ったように、そして直ぐに嬉しそうに微笑んで)
ありがとうね、…今を生きているなんて言ったけどアタシも結局ヒトとは構造が違うからさ あの日あった事をどれだけ後悔しても只管前に進んで行こうとしちゃう もう二度と取り零さなくていいように強く強く…あらゆる魔王を倒す程強くなれるように前に…ってね だからそんな風に泣く事なんて出来なかったから…うん、ありがとう (その微笑みは何処か…泣いているような、そんな微笑みだった) キミの子孫の死はアタシの中に確かに刻み込まれている…魔族に抱えられるなんて嫌だろうけどこれからも抱えさせて貰うよ だってステラとは親友だもの!(ガハハー!と、その空気を吹き飛ばすように盛大に笑う) -- サフィリア
- ステラは……お前さんといた時にゃ、きっと笑ってたんだろうな。(こちらも笑い飛ばして)
ああ、ああ。なんだそのガハハ笑いはよォ。ティナもいい加減泣き止めってんだ。 (それからしばらく取りとめのない話をして、サフィリアと別れた) (ティナの手を引き、まるで友人にそうするかのように、自然に別れていった) -- おじさん
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- にゃーんにゃーんにゃーん♪何時からか知恵ある猫達が遺跡に集まり始めましたとさ
理由はよく分からない、世界が黄昏になったからとか何処かで噂に上ったとか色々だ 一説ではとある魄食いの黒猫がちょくちょく遺跡におしっこを掛けるもんだから誰かの縄張りがあるのかと皆飛び込んだとか ただ彼らが今住んでいる土地は元々雨降る魔女の国を作る筈の場所だったって話だ さて集まった所で縄張り争いを続けるのも馬鹿らしいしで暇を潰してたら段々国っぽくなってきた そんな所で王様を決めようと適当に話し合って適当に決めたから世界の名前は「猫の王国」だ 国の名前は王様になった猫クミスクチンにあやかってクミスクティス -- サフィリア
- (貴女が眠っていると頬に柔らかくそして暖かな感触がありました、それは女神の抱擁にも似た心地よさで
まるで貴女のこれからを祝福するかのような……応援するかのような……そんな感触だったのでした) -- ???
- (戦闘型の魔族とは思えない程満足げに眠っている中ふと訪れたより幸せな一時にだらしなく顔が緩む)
(その温もりを逃すまいと無意識に頬に手を伸ばせば薄っすらと目を開けて)んぬー…ぬあ?ぬう -- サフィリア
- スゥーッ……
(ふんわりとした感触があったような無いような……曖昧な感覚ですがなんかこう……祝福的ななにかで癒やされてると良いなっていうか……) (やはり即物的な物がいいかなって感じでそっと枕元に差し出されるのはチーズダッカルビで……) -- ???
- (その掴みどころがない感触と自分以外の癒やしの要素に若干の覚醒が起こったようでより瞼が開く)
(魔族というのは魔王の祝福の類を受ける事が多い為こうした感覚に覚えがある事が多い、そのためぼんやりとこれもそうだなと感じつつ…) (その思考を一気に塗り替えられるコチュジャンとチーズの猛烈な香りで飛び起きる)うえええ!?えっえっ!? アルボレウス様でも中々渡してこない感じの強烈な香りなんです!?(春物の寝間着姿で周囲を見渡し事態の確認中)ダッカルビ!?チーズの!? -- サフィリア
- (寝起きにヘビー過ぎたわ……と思いつつもとっさに浮かんだのがそれだったので贈り物として置かれます)コトリ……
(ともかくこれからも頑張ってくださいね、といった感じのオーラを醸し出しつつ女神っぽい少女の気配は消えていくのでした……) -- ???
- 大丈夫アタシこれで朝からガッツリ行ける人だから(寝癖のままその気配に向けてムンッと力こぶのポーズ)
そっかそっか、見守ってくれていたか…んふふ…(かつても今も変わらぬ活力に満ちた笑みを送れば女はチーズダッカルビの加熱の用意) (大事な友人に出会ったが如く楽しげにしているのは世界に抗う程の級位の魔が齎す特異な記憶力か、それとも本能的に大事な人だと分かるからか) (ただ女神へと至った少女の置いていったチーズダッカルビはその日一日のカロリーを見事に満たしてくれたという) -- サフィリア
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- 蝶が羽ばたく事で遠く何処かで嵐が起こる、そんな理不尽の連鎖がこの世には数多く在るという
本来ならば冬の女神として冬の厳しさと春の到来を司るソレは何かが掛け違った ただただ失わせ奪うだけの何かになれ果てたそれは東の思想と習合し「鬼」と呼ばれる形を持ったのだ 「鬼」の形をした少女は今日もまた享楽と狂気に揺蕩いながら己に挑む愚か者の血肉を喰らい微笑む けれども時折彼の地に桜を満たしてしまうのは…鬼の気まぐれか神の未練か、鬼の名を枯葉童子という 彼女を信奉するのは良いが前には立つな…鬼は人を喰らうのだ、それもまた気まぐれにだが -- サフィリア
- (またしてもふわーっと枕元に立つ女神)しゅくふくー……(どんな加護があるかはわかりませんが彼女を祝福します)
(※秒数下一桁で変わります) -- ???
- (※奇数だったので小さめのスキレットにのった目玉焼き付きはなまるハンバーグが枕元に添えられました) -- ???
- ぬっ!ぬっ!(眠ったまま腕を猫の如く何かを掴むように動かす)
(それは単純に高位な魔族故気配に気付いたのかそれとも何か大事な物は逃さんという無意識か、少なくともただの寝相ではなさそうだ) (ただハンバーグの香りがするとうっすらと起きて)んんむ………(ぼおっとした頭で事実確認、…また大事な何かを逃した気がする) -- サフィリア
- んぬゎーっ!?!? 怖いわーっ! (間一髪のところで回避!)
い、いけないわ……(そっとベッドの下にもぐる女神) (そして慈愛の女神ってなんだ、と出て来たものに自問自答する) -- ???
- (眠気の覚めやらぬ顔でスキレットを持つとじっと眺めて)魔の気配…じゃないなあ、むしろ反対側の気配だ
(珊瑚色の髪をかき上げて冷たい空気を髪に巻き込めば少し頭がはっきりしてきたのか思考を始める) 前もあったっけ…神性存在との縁はぁー…無くも無いけどこういうのじゃないし…ふーむ…これは…わからんちん! …けど分からんで済ませちゃ絶対に駄目な気がする(そう呟くとスキレットを持ったままベッドから降りて朝食諸々の用意へ向かった) -- サフィリア
- ほっ、ほーーーっ……(安どのため息)あっ……わざわざ隠れなくても消えられるんだったわ……
まぁ良いわ……(そう呟きながらベッドメイキングをして少しでも慈愛要素と応援要素を感じられるようにして消える女神なのでした) -- ???
- (朝食の準備中ふと何か気配が消えたことに気付けばうーむと唸りつつ山盛りのサラダとパンにはなまるハンバーグのご機嫌な朝食)
何を無くしたのか分からなくても悪魔ってのは強欲なもの…いつか必ず総取りしてみせるぞい (そうしてたっぷりと朝食を済ませ洗い物を済ませた後ベッドメイキングに気付いておや?となった魔族だった) -- サフィリア
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- 天よ叫べ地よ唸れ、今ここに魔の時代来たる…
あらゆる悪を兼ね添え神を滅ぼす者であると言い放つこの老人は自らを大魔王と名乗るのだ それは即ち魔の王すら統べる最強の魔族である事を宣言している事に他ならない しかし老人はただ座しその力を示す事は…凡そ人も魔も神も目にする事は無いだろう それはある者との約定があるからだという…自らが老人を楽しませる限り世を荒らすなという一つの約束 笑って済ませたその約束は千年以上の時を経て今も尚守られ続けている だがしかしヒトよ、魔よ、神よ、安穏たる日々は永遠には続かぬ 数千年の後にかつて何処かで行われたそれは再び繰り返され…人々は口にする事となる 大魔王アキベドルの名を -- サフィリア
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