名簿/450759
- (その日も見事な夕焼けだった。尖塔が長いシルエットがオレンジに塗られた気持ちのいい色の雲の中へ背伸びをしている。)
(その影の隣に、尖塔よりも遥かに高い影が雲を貫き立っていた。半壊した蔵瀬の社から突き出たその影は蜃気楼のようにぼんやりとにじんでいた。だが街の人は誰もその異様な影を見上げようとはしない。気づいていないフリをしているかのように。)
(夕方の生活音が響く家並みの上を1羽の鳥が旋回しながら飛んでいた。その影はからすよりも大きな、夕焼けの赤よりも真っ赤な羽色をしたオウムだ。) (やがて、地上に目当てのものを見つけゆっくりと下降し始めた。) -- オウム
- (小高い丘の斜面、風が撫で付け揺れる草原に腰を下ろし、その塔とも言えぬ影を見上げる)
(気づかぬ振り見てみぬ振りというのであれば彼女もまたそうであろう、私には関係が無いものと言いたそうな笑みを口に浮かべくるりと振り返る) (その先に見えるは燕舞天の神社、サリサが欲する魂の片割れが隠れているであろう場所)こっちの方が重要よね…… (ぽそりと呟く、それは果たしてどちらに向けて言った言葉か……片手を横に伸ばしたまま動かない、来訪者を待つかのように) -- サリサ
- (バサバサと大きな風きり音をさせて、オウムがサリサの伸ばした腕に舞い降りた。)
(子猫くらいの重さで、腕をしっかりとつかむ足の力かなり強い。間違いなく生き物の質感があった。) ハじめまシて・・・けれど、自己ショウかいはとくに必要ないですよね -- オウム
- (オウムが止まった手を自分の前に、夕焼けよりも血の色よりも赤い羽根を目に表情がわずかに緩む)
ええ、大体の事はあの子の中に居たときに知っているわ、そっちも私についての調べは大体付ついていて? だから単刀直入に聞くわ、私に何を求めているのかしら神の落とし子さん? -- サリサ
- (グリッとオウムが首を斜めに傾ける。爬虫類のガラス球のような目がサリサを覗き込む。グッグツと、開いたくちばしから鳴き声がした後。)
いいエ、あなたに望ムことは、なにもありません。 キッカケを作りに来ただけ、あなたが望むモノを手に入れるための。 -- オウム
- ふぅん、つまり私が欲しいものを手に入れやすくするためのお膳立てをしてくれると……(自分の唇に指を這わせ引っかく様に弾く)
どうしようかしらね、私としてはこの先100年待って関係する人間が全て死に絶えてから、とも思っていたのだけれど(暗に断ってもいいのかしら?とオウムに語りかけるサリサ) もっとも、きっと貴方にとってはどちらでも困らないのでしょうけれど、いいわ貴方のお手並みを見て利用出来そうであるならその時は……乗るわ -- サリサ
- 見逃サないでくださイね、今のボクは、少々不自由なのです。すぐにでも、手に入レるか、また待ち続けルか、アナタ次第です。 -- オウム
- わかった、このときを待って待ち続けてようやく得た機会だもの、無駄には出来ないけれど……
でもだからこそ早くという気持ちがあるのも確か、ええ、お手並みを見させてもらうわ(オウムを振り放つように手を払う) -- サリサ
- (オウムが羽を大きく開いた、夕日がさえぎられ、サリサに大きな影が落ちる。)
(バサバサと音を立て、サリサの腕を蹴って飛び上がったオウムが近くの塀に飛び移る、羽を広げたまま身を屈めて左右に首を振る。) (ギャッギャッ、と短く鳴く。そののまま大きく羽を振り下ろして、夕映えのしたをどこかへ飛んでいった。) -- オウム
- (さて、あれから街を探し歩いているのだが一向に求める人影は見つからない。いっそ魔術師に探して貰うかとも思ったが、とりあえずまだ自分の足に頼ってサリサを探していた)
根気が必要だと分かってたけどこれはきついな…(時刻は夕刻、街の外れ。独り言ではなく、魔剣と次の行き先を相談中のようだ) -- レオン
- 光と闇と昼と夜と、日常にありながら相反するそれらが反転する境界、逢魔ヶ刻
その最中にあって今日は普段とは違う空気を感じるだろう、ごくごく薄いそれ、言うなれば瘴気 --
- 『夕刻まで、俗に言う逢魔ヶ刻まで粘った甲斐があったわね…僅かに空気の違う場所がひっかかった…最も、探し物と関係があるかは分からないけど』
…それでもまぁ、行かないよりはいいだろ。小さな変化だけでも久しぶりだ…(瘴気の気配の方向を見定めんと周囲の気配を探る) -- レオン
- (瘴気は山へ向かうほどに濃く、そして強く感じられるだろう、なんと言ったか燕舞天とはまた別の神社がある方向だ)
(薄暗く細い道は、さながら奈落への一本道のように木々の間を縫いながら伸びている、人どころか動物の気配も虫の鳴き声すらもしない) (そんな中不意に視界が開ける、それもそのはず樹木が綺麗に切断されなぎ倒されているのだ、そして近くに散乱する肉の塊としか言いようのないモノ) (透け薄れ、今にも存在ごと消え去ろうとしているそれが続く先に刃の反射光が煌めく、既に天は暗く白く淡い月がその姿をあらわしている頃合いだ) --
- 『レオン…やはり向こうの山の方だけど…何があるの?』
あっちは…神社…があったような。なんて名前だったっけ……行こう(そうして、細い細い道を辿っていく。登る毎に警戒を深めながら。何せ…生き物の気配がしない。こういう場所は、必ず何かある) …!(視界が開けた場所に辿り着いた。肉の塊を見ると、とりあえずはどこからともなく剣を手の内に呼びだし握り) ……化け物退治御苦労さま、なのかね?(反射光の先に向けて) -- レオン
- (反射光が見えた場所はまだ遠く、よく目を凝らしてみれば宙を舞うように左に右にと閃光が走る)
(辺りに警戒しながら近づいてみればはっきり分かるだろう、あの時会った女サリサだ、光を反射するは獲物と思われる巨大な鎌) (それをいとも容易く操り、肉イモムシとしか言い様の無いモノを軽々と両断、そして切り裂いていく) あら、こんなところに来るなんて物好きね、ごきげんよう -- サリサ
- 『大鎌を使っている…ヨシュアさんに聞いた通りね』
(醜悪な肉塊に警戒しつつ、歩み寄りきれば求めていた人物の姿…最も、立ち振るまいは大きく異なっていたが) (踊る様な大鎌の軌跡に目を細めつつ)結構なお手前で。ごきげんよう…って(空を見上げ)昼の挨拶じゃなかったんだな。取り込み中なら待つけど、猫の手はいらなそうだし(周囲の肉の残骸に目をやり) -- レオン
- 必要ないわ、丁度終わったから(パチンと左手の指を鳴らす、巨大な岩のように盛り上がったそれがサイコロステーキのように細切れになり霧散する)
さて、初めてではなかったわね、レオンだったかしら?(そう言い無造作に目の前に降り立つ少女、服装から受ける印象に心当たりがあるだろう) あの時言ったわよね、私を引き止めたいのならもう少し考えた質問をしなさいと、その用意が出来たのかしら? -- サリサ
- おお(やはり魔術なのかなんなのか。あっさり肉塊が消えたのを見ると、剣から手を離した。落ちる事無く消える)
あってるよ、そっちはサリサだよな(目の前に降り立った少女を見据え…見覚えがあるような)『…魔法少女みたいね』(主の内心を読みとった様に魔剣の声が響く) 覚えてるよ。頭脳労働担当じゃないんで、質問をまとめるくらいしか出来なかったけどな(苦笑いしながら) 俺の探し物、あんたが持ってるんじゃないのかなって。ただ…そうする理由がよくわからん (目の前の少女の中に、ヒメカの魂が…という根拠は薄い憶測が、仮に正しいとしても。それが何を意味して、何を意図して行われた物かが分からない) -- レオン
- ええサリサよ、そちらの魔剣が言うとおり魔法少女といわれる存在ね(何が楽しいのか、くくと忍び笑いを漏らし)
ふぅん、貴方が私を執拗に追ってきたのはそう言う理由なのね?でも探し物は何なのかしら?それがはっきりしないのであれば(鎌を肩に担ぎ) 私としても答えようが無いわね、勿論理由も……もっとも、話せるかどうかは分からないけれど -- サリサ
- …魔法少女なのか(あっさり肯定された答えに驚き)
…そういう言い方してるって事はやっぱり俺が探してるの分かってたんだな? …ふむ(向こうから言いだす事はないのか、と少し考えつつ。相手が鎌を担いだ動きには反応しなかった。話に来たのだから) じゃあはっきり言うけど。俺の幼馴染の…サリサも居たよな、燕舞天神社の子の魂だ。できれば話して欲しいな(単刀直入に聞いて、相手の反応を待つ) -- レオン
- 隠す必要性を感じないもの、それに……そう見られる、そのことが私にとっては何よりの喜びなのよ
ええ、最初に言ったわよね、私からあなたに用事は無いと……つまり、そういうことよ(今度は反対の肩へ、どうやら癖のようなものらしい) ふぅん、なるほどね……その子の魂を私が持っているんじゃないかって、そう言いたいのね?(薄い笑いと流した目がレオンの顔を捉える) どうしてそう思ったのかは知らないけれど……答えは教えてあげるわ、正解よ、そして……貴方が欲してるように私も必要としている、つまり、分かるでしょう? -- サリサ
- ……どういう意味なんだ。見た目からすりゃ、衣装がそれなだけで充分だろうに…
ああ。分かってるから気が向いてくれるまで根気よく出歩いてたんだが……ああ(薄笑いで流し目を送るサリサを、正面から見て頷き) どうしてそう思ったのかってな…(さすがに苦笑した)…ヒント落とし過ぎだろう…そうか(一つ、大事な事が確定した…探し求めた物の在処。今すぐにでも取り返したい物…だが) …何故必要なんだ。人の魂がないとできない事でもあるのか(出てきたのは問いかけだった) -- レオン
- 分からないのであれば分からないでいいわ、人の喜びなんて自身にしか分からないものだもの
そう?少なくとも私はヒントを落としたつもりは無いけれど……マスコットを探しているという事からたどり着いた推論ならたいした者だわ本当に ……力任せに来ると思ったのだけど少し意外、何故か……そうね、私が私であるために必要なのよ、勿論理解してもらおうとも思わないわ 貴方に諦めるという選択肢は無い、そうでしょう?であるなら……話し合いの余地など無いということ(膨れ上がる不穏な空気に、とんと予備動作なく空に飛び上がるサリサ) -- サリサ
- 確かに難しい話だけど、人の喜びが分からないと相手を喜ばせられないしな。魔法少女に誇りでもあるとか?
マスコット。現れた場所…俺以外の人からの情報。総合してね、俺一人で辿り着いたわけじゃあない 今日は戦いに来たわけじゃないからな……ああ、悪いけどもう少し詳しく聞かないとわからん…(難しい顔になり) …ああ、悪いけど必ず取り戻すって。決めてるんだ…どうしても返してくれないんだな(油断はせず。だがその場に立って相手を見上げ) -- レオン
- (誇りの言葉に少し相好を崩し)ええ、私は魔法少女である事、そして人を守ることに誇りを持っている、だからこそ……よ
(宙に浮かぶ少女は油断なく眼下を見据え)返す必要は無いもの、貴方の幼馴染の子はね自らの魂を放り出した、私はそれを拾って使わせて貰ってるだけ、どう、納得できる?出来ないでしょう? それと私がこれを必要としている理由、それは話せないわ、私にたどり着いたように推測してみなさいな……(そう言い残し夜の闇に姿が溶け消えていく) -- サリサ
- ………ならどうして(嘘を言っているようには見えない。だからこそ…何故ヒメカの魂を奪うのか)
……ヒメカが自分から……!? なんでそんな……!(黙り込む。納得できない、どうしてだ、という思いが胸中で渦巻き) ……(消えていく様子に懐に手を入れるが…逡巡。その間にサリサは消えた)…推測して辿り着けばいいんだろ。その理由も、ヒメカの魂にも…!(…後ろ向きな考えはここに至っても浮かばない。決意を新たに、その場を後にした) -- レオン
- (町外れ、オレンジ色の服を着た少女が歩いてる。買い物帰りのようで、手には飲み物。)
9月なのにあついですねぇ・・・とろけてしまいそうです。(しまりのない顔であるいてる) -- キャロット
- (そんな暑い日、キャロットの正面から歩いてくる人影、青のワンピースに身を包んだ少女と思しき顔立ち)
(街外れの道の事、それ以外に人影もないが特にキャロットを気にした様子もなくすれ違う) -- サリサ
- ・・・?(あれ?どこかで、みたような?)
(そう感じたキャロットは振り向き、おもむろに声をかける) あの・・・どっかいであいましたっけ?(問いかけは邪気がなく、ともすれば能天気に見える) -- キャロット
- うん?(声を掛けられ振り返る)いえ、多分初めて会うと思うわ、誰かと間違えてるのではないかしら?
(ふんわりと微笑む)それとも私が忘れてるだけかしら……どの変で会ったのか教えてもらえる? -- サリサ
- いえ・・・多分、お友達と間違えたんだと思います。・・・おっかしいなぁ、ヒメちゃんとぜんぜん違うのに・・・(頭をぼりぼりとかいてる)
でもなんか、似た雰囲気だから、間違えたのかも・・・? -- キャロット
- ふふ、おかしな子ね……そんなにそのヒメカちゃんと言う子と私、雰囲気が似てるかしら?
私の名前はサリサ、ねヒメカちゃんとは違うでしょう?(くすっと笑って) -- サリサ
- ぜんぜん違うんだけど・・・どこか似てるって言うか・・・変なこと言ってますよね、ごめんなさい・・・。
あ、私はスーパー暗黒美少女魔法少女キャロット☆メディルです!(荷物を道に置き、久々の決めポーズ) -- キャロット
- ふふ、キャロットちゃんって言うの、元気な子ね(そしてじぃとその目を見る、深い深い色をたたえるサリサの瞳)……そう、魔法少女なのね
キャロットちゃんだったわね、貴方ならまだ間に合うわ、これ以上深入りする事は止しなさい、出合ったよしみで忠告してあげる -- サリサ
- ええ、そうです。この力で、みんなを幸せにするんです!それが魔法少女の使命ですから!(本心から言っている。曇りのない目はまっすぐとサリサを見据え)
・・・どういうことですか?間に合う・・・?逃げ出せって・・・?(若干の戸惑いと狼狽) まさか・・・あなたも? -- キャロット
- いい?忠告はしたわ……その気持ちが真っ直ぐであればあるほど、曲がったときの悲しみは深く、その心を容易くへし折る
逃げ出せとは言わないわ、もう少し現実と……そして受け入れるだけの心を、キャロット、貴方はそれを用意できるかしら……(質問に答えず背を向ける) -- サリサ
- えっ・・・どういうことでうすか?それは・・・っ!(追いすがろうと走り出す少女) -- キャロット
- 言葉通りの意味よ、今のままではキャロット貴方は……遅かれ早かれ絶望に身をゆだねる事になる(ゆらりと陽炎のようにその姿が揺らめき、そして消えた) -- サリサ
- きっ・・・消えた・・・?あの子は・・・いったい・・・そしてあの言葉の・・・意味・・・。(サリサのいった言葉が、キャロットの心に渦を起こす・・・。暗くて黒い渦を) -- キャロット
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