施設/コロッセオ
- 観覧場
- 観覧場
- 円周席
- (退屈そうな顔で見ている観客が大部分を占める中……黒衣の青年は1人苦い顔でそれを見ていた)
(周囲にいる貴族や大商人よりもよっぽど険呑で、よっぽど物騒な面構えだというのに、それでもその目は痛ましい何かを見るような目で……コロッセオという名の牢獄の中心を食い入るように見つめていた) ……うさっ子……お前…… (彼女は始めてみたときよりもずっと動きやすそうな装いにも関わらず、始めてみたときよりもずっと窮屈そうにコロッセオを跳ね回っていた) (真っ赤な瞳を痛ましいほどに曇らせて) -- レイ
- (下品な歓声があがる。始めてウサギが受けた傷らしい傷。十分に肥えて脂ぎった男達が吠え、蛾のように白粉を散す女共が喚く)
(まるでどっちが見世物だか……これでは分かったものではない) (そんな見世物のなか、やはり1人だけ違う反応をするのは黒衣の青年) 脚……!?(脚はまずい。大丈夫そうにみえて一番まずい。特に多対一の状況ではそれは顕著だ) (腹に傷を受けた獣は稀に生き残るが、脚に傷を負った獣は確実に死ぬ。動けないというのはそれだけ重いペナルティなのだ) -- レイ
- (コロッセオで繰り広げられる残虐と流血に再び観客が沸く)
(大口を開けて狂声をあげるその様は、まるで餌を強請る雛のよう) (コロッセオの壁……丁度、レイから見てすぐ真下の其処に、狼は叩き付けられた) (一目で致命傷と分かるもがき方。しかし、すぐには死ねない。ああやってもがけてしまうのだからさっくり死ぬことはできない。一番苦しい死に方だ) (アサシンゆえ見慣れている。それを見てショックを受けたりはしない。だが、それでもこう思わずにはいられない) (気の毒だな……と) (誰に対してそう思ったのかは、自分でもわからなかった) -- レイ
- (凛と響く、獣人の声)
(鈴の鳴るような可憐な声で、烈火のような怒りを言葉に乗せる) (しかし、多くの観客にとってそれは物珍しいパフォーマンスでしかなく、また、曳かれ者の小唄でしかない) (多くの観客は答えなかった。ただただその様をみて笑っていた。例えば狂笑で。例えば享笑で。例えば凶笑で)
(だが、1人だけは答えた。コロッセウムで1人で訴えを続ける少女に) (1人だけはそっと答えた) (きっと声は届かない。それでも、そっと答えた)
わからない
-- レイ
- (呪詛を口枷で封じられ、後頭部に一撃……再び自由を奪われるその兎を見て、衝動的に飛び出せるほどもう若くはない)
(ただ、仕方ないとだけ思って客席から出る……如何な理不尽であれ、文化として許容されているならそれは法であり、それは掟なのだ。一介の異邦者が吠えたところでどうなるものでもない) (そう、そういうものなんだから仕方ない……)
(しかし、ゲームなんだから仕方ないとは……最後まで思うことが出来なかった) -- レイ
- 剣闘士待機フロア
- へーェ(牢獄めいた待機エリア、緑の蛮族がそこにいた。殺しを終えたばかりである)
獣と獣の力比べとくらぁ、そりゃ強いほうが勝つわな。単純でいいぜ、精霊共もお喜びだ。 しかし嬢ちゃんのほうはだいぶ足りないみたいだなあ、獣だからかね。気持ちは分からんでもねえがよ。 向かうしかねえ獣ってのもいるものさな。さて、次の出し物はなんだあ? -- カブギ?
- …思い切りがいいな (試合を控え、軽く体をほぐしながらアリーナを見る乾いた目) -- グレイブ
- はん? そりゃどっちの話だ。バカみたいに嬢ちゃんに向かう方か、それとも「ちぎっては」投げてる嬢ちゃんの方か?
ま、なんにせよあれじゃあ豚どもがブヒブヒ鳴かないのも無理はねえ。華がねえ。 精霊どもはお喜びなさるだろうがよ、もっと喜ばせるにはもうちと工夫が必要だな。 -- カブギ?
- 私の最初の相手も獣だった。老いた獅子だ。殺すこともできたが、殺さずに勝つこともできた(ウォーミングアップに戻る)
殺してやったほうがいいのか、生かしておいたほうがいいのか…わからないまま、私は獅子を締め落とし勝利した -- グレイブ
- …ここに来て、すぐのことだ。同じ境遇の剣闘士が居て、先行きの不安からよく言葉を交わした
(話しながらも、体を温める軽い運動は淀みなく続く) そいつはその後すぐ、私が生かしておいた獅子と戦って死んだ -- グレイブ
- なるほどな。まあ、あそこに立った以上、どちらがいいのかはともかく求められるこた二つだよな(殺すか、殺されるか)
おう、一矢報いた……ってわけでもなさそうだなあ(足に噛み付く狼を鉄格子越しに見やり) -- カブギ?
- 正解などない話だ。私が獅子を殺していても、その剣闘士は新たに用意された若い獣に殺されていたかもしれない(もうアリーナのほうには興味が無いのか)
獅子のほうも、先ごろ殺された。首をもがれてな(試合に反応するカブギの言葉にも、乾いた目は揺れる様子もなく… 静かに準備運動を終える) -- グレイブ
- 私にとっての誤りがあるとすれば、殺された剣闘士と親しくなり過ぎたことだろうな (アリーナから聞こえはじめた歓声に背を向け、続く試合のため待機フロアを後にした) -- グレイブ
- そうかい(返事は短いものだった。目線の先には、呆れたか、怒ったか、いたぶることを覚えたヒメリンゴの姿)
それでいいのさ。どんな風だろうが、死ねば終わりよ。勇ましく戦ったなら精霊どもが迎えてくれる。そうでなけりゃあ死が別の生(き)をつなぐ。 お前のそれも死ねば正される。精霊どもが正してくださる(背中に向けたかそんなことをつぶやいて、視線はまたアリーナへ) 嬢ちゃんよう(叫び声に目を細め)それもまだ生(き)よ。たとえ豚どもを喜ばせるためだろうが、そいつらは生きて死んだんだぜ。それだけで、精霊どもは認めてくださるさ。 -- カブギ?
- 観覧場
- 円周席
- 剣闘士待機フロア
- (あくびをする。頭をかく。肩を鳴らす、瞼をこする、舌打ちする)つまんねえ。
(その動作一つ一つが退屈を示していた。厭世的なムードはここにまで伝搬していて、せっかく観ていた戦いも水が差されたように終わってしまった。まったくもってつまらない) ま、今日が死ぬときじゃなかったと精霊どももおっしゃってるわけだな。ご苦労様なこったぜ(もう一度欠伸をしつつのんきに言う) -- カブギ?
- (そうして自分の試合まで寝こけようか、そんな風に思っていたらだ。アリーナに出てきたのは見知った少女、翼を持つのに飛べない飲兵衛ではないか)
ありゃあ。奇遇なもんだな(眠たげだった眼が重々しく開かれる。だが聞く限り、少女の試合がこの男の趣向に合うとは思えないが) 大丈夫だろうなあ嬢ちゃん、つまんねえ死に方するなよお(微妙にズレた心配をしつつ見守ることにした) -- カブギ?
- ほお(蛮族の目が輝いた。娘の美しい相貌に? まさか。相手の男の、その「クソみたいな」肉体にだ)
なかなかいいガタイしてるじゃねえか、ありゃさぞかし闘りがいがありそうだぜ。中身まではそうじゃなさそうだがな。 (少女との闘いに望んでいるということはつまり。少なくともこの男のように、頭の中まで筋肉で出来ているというわけではないからだ。勿体ない。別の意味で今すぐ彼女と変わりたいくらいである) -- カブギ?
- ほぅ
あの小娘同士なら、殺し合わせるにゃちょうどいいかもしんねぇなぁ どっちが死ぬのかねぇ。ちっと勿体ねぇな。俺がやりたかったぜ -- ギャスバル
- 始まったな(一転して真剣な顔つきで状況を見守る。まずは一撃、辛くもミッシェルはそれを退けた)
ケッ、豚どもが騒ぎやがってまあ。お目当てはあのひらひらだろ? 鼻くすぐってくしゃみでもさせりゃいいじゃねえか。 (はてさて、翼の少女は万が一億が一の可能性を引き当てて健闘するのか、それともいつも通りの光景が広がるのか。オークの興味はそこにあった) -- カブギ?
- (戦車(チャリオット)めいた腰だめのチャージ。衝角は少女を貫くには至らず、白い羽は宙へと舞った)
なるほど、「飛べない」か(実際飛んでいない。羽ばたき、その細い足も大地の枷から離れてはいるが、無慈悲な空は哀れな小鳥を受け止めてはくれていない) (こっちへ来るなとばかりに押しのけて、代わりに大地がおかえりと節くれだった手を伸ばす。着地。三撃目が叩き込まれるとしたらここだ) 備えろよ嬢ちゃん、来るぞ(届かない言葉を牙の間から漏らす。ベテランなら、手練を持った戦士なら。無防備を逃すはずはないのだ。ましてや業を煮やしているのなら) -- カブギ?
- どっちもちょこまかとすばしっこいね。(無造作に壁にかけられた槌を手にとって肩慣らし。)
同じ素手なら爪のあるほうがいいんだろうけど -- ギャスバル
- 決まったかな?あとはぶっ殺して終わりってわけだ(ピタと槌を振る手を止める。試合が終わったのなら間もなく自分の出番だ。今日の相手はどんな野郎だろうか?できることなら女がいいなぁなどと考える) -- ギャスバル
- (ぴくり。太いオークの瞼が敏感にひくついた。あれほどのキレっぷりで振るわれた鍔なし剣、察知できていたとしても避けるのは難しい)
(しかも少女は、言葉は悪いが愚鈍だ。心得があるわけでもなく、今もって隙だらけだ。最悪、ここで命が絶たれることさえありえる) (だがどうだ。結果はご覧のとおり。丸盾は満身の力を込めて振るわれたその殺意を器用にそらしていなし、「あっちへ行け」と追いやってしまったのだ) へえ……ありゃすげえ(素直に感嘆する。使い手が少女だということもあるが、この盾さばきは突っ込んでぶったぎるだけの蛮族には絶対に真似できないものだからだ) -- カブギ?
- おほっ!(思わず感嘆の声が漏れる。亜人は何度もぶっ殺してきたが、あんなにタフな女はめったにいない。上玉だ。獣人を犯しながら殺したときのことを思い出し、にやける)
ありゃあ、すげぇ。ここで殺しちまうのは勿体ねぇなぁ…ああ、勿体ねぇ……。(あのウサギ、あんまり考えてないようで意外によく見てやがると呟きを漏らす。この闘技場でここまで他人の生死に関心を持ったのは初めてだった) -- ギャスバル
- ほほっ。甘ちゃんだねぇ…だが、ありがたい話じゃねぇか(お陰であの亜人は生き残った。檻では無理だが試合で当たれば手加減する必要もない。好きに楽しめる。もっとも、それまで生きていればだが)
それにあの爪を相手に素手で戦った女……。小娘にしちゃあなかなか犯り甲斐がありそうだぜ(今日の相手はきっとあの二人ほどじゃないだろうが楽しませてくれるだろうか?無意識に舌なめずりをしながら上機嫌で呼び出しを待つ) (このあと呼び出されたギャスバルが目にしたのはガチムチオッスオッスで、何人殺しただの何を殺しただのたいそうな紹介をされていたが、落胆したギャスバルの耳には入らなかった。) -- ギャスバル
- 観覧場
- 円周席
- (下にも置かれぬ高貴な畜生が、高い客席に座っている。そこに奴隷の身分の畜生が一人、酒を注いで回る)
(クソの掃き溜めと、クソッたれの血溜りのどちらが居心地が良いかの議論はさておき、奴隷の彼女は闘いの始終を見届けていた) カブギさんはすごいなあ……。 -- ミッシェル
- (少し気の弱い令嬢が見たら卒倒して倒れてしまう光景が目に飛び込んでいるのに、臆病な身体はきょとんとアリーナを見下ろしている)
(神の血より鮮やかないきものの血が咲いている。ワインを注ぎながら、なんとなし「綺麗だなー」と暢気に感じている) (高さというのは人の感覚を鈍らせる。生命の熱気が、伝わってこない。今まさに死に往く、灰青の死臭が届かない) (貴族等の居る観覧席は、コロッセオを単なる寸劇として、見事に見下ろすことができるのだ) ……私なんか、だめだめだもんなあ……。(でも、親指を、元気良く下げる気にはなれない。かわりと言ってはなんだが、薄い花びらのような爪を軽く噛んでみた) -- ミッシェル
- (カブギの貌は晴れやかであった。どうやら、クソッたれの血溜りは相当に居心地が良かったらしい。お風呂上りの満足さにも似た感じだ)
竦んっじっちゃうからなあ……。(いかにも“興奮さめやらぬ”のコロッセオは、酒気を欲している。しけたワインを注ぐ作業に戻ることにした) (溜息つきつき、ワインを注ぐ。観衆の口は、先程の血の花を鑑賞する言葉で一杯だ) そういえば、あれ、オーク語だったのかな。(だから、ちょっと上の空になってもそれを咎める言葉は飛んでこなかった) -- ミッシェル
- 剣闘士待機フロア
- (次の剣闘は自分の番だ 腰に巻いた拘束具を外され、戦いの準備をしながらカブギの試合を眺める) -- キャスカ?
- (轟声に包まれる観覧上 最近一つ気付いたことがある――客の質についてだ)
(カブギのようにより野生的で野蛮な血みどろの戦いの場合は、ゴロツキやチンピラが客層の中心だ 血を求めているのだろう) (シィラやアエスマのように、か弱い、特に性的な行為をニーズとした女性の場合には、とにかく男性が多くなる 貴族のような羽振りのいい服もよく見える) (最初の頃は自分もそうであったが、最近になって変化が生じた 自分のように拳法、もしくは体術、剣術が優れた剣闘士の場合、客席にも同じように武道家や剣術科の様な客が見える) (今はまさに、血を望むチンピラやごろつきが観覧場にあふれていた アリーナ上は何処までも獣じみた、狂気を纏う勝負となってきているようにキャスカは感じた) -- キャスカ?
- (カブギの豪快な戦術 筋力に自信があるからこそのそれであろう 自分ならばもっとスマートに、的確に相手の急所を狙う所であるが)
(だが、その戦いぶりは見ていて非常に血肉沸き立つものであった まさしく剣闘士の名に恥じない戦いぶりである) -- キャスカ?
- (怒り。どこまでも深いオークの狂気と怒号により、まさしく地獄の光景がアリーナに展開されている)
(ここまで血欲にまみれた試合はこの奴隷剣闘場でも珍しい キャスカはその暴力を、普段通りの虚ろな瞳で捉えていた) -- キャスカ?
- (決着がついたのを感じ――次の試合の準備に呼ばれ、フロアを去っていった) -- キャスカ?
- 観覧場
- 円周席
- (アリーナに登場した小娘に落胆の声をあげる) -- 観客?
- なんだその餓鬼は?ちゃんと戦えるのかよ! -- 観客?
- ああいうガキが無抵抗になぶり殺しになるのもいいものだよ -- 観客?
- 俺はもっと血湧き肉踊る戦いが見たかったんだよ。高い金払ってんだ。 -- 観客?
- 相手が出てきたみたいだぜ
なかなかいい武器を持ってるな -- 観客?
- 始まったぞ。どっちが勝つかなんてわかりきってるけどな(退屈そうにあくび) -- 観客?
- (場にそぐわぬ刺繍の施された絹布を口元に添えて、まんじりともしない調子で観客に交じる)
野蛮…。 -- エアリー?
- 嬢ちゃんだってこういうのが好きで見に来たんだろうよ。
もっとも、このカードは退屈すぎるけどな -- 観客?
- (投げられた言葉を否定する事もなく、ただ目を細める) -- エアリー?
- こっち見てるぞ?
おい、これで終わりかよ?せめてちゃんと殺せ -- 観客?
- \こーろーせー/ \こーろーせー/ \こーろーせー/ -- 観客ズ?
- わざわざ高い金払ってこんな茶番を見に来たわけじゃねぇぞ!殺せ! -- 観客?
- もったいぶるんじゃねぇよ!早く殺して次の試合見せろ -- 観客?
- \はえてない/ \はえてない/ \はえてない/ -- 観客ズ?
- これはこれでいい見世物じゃねえか! いいぞ、そのまま犯せー!! -- 観客?
- (目を剥いて、すばやく絹布に顔を隠して)…やだ…これ… -- エアリー?
- なんだい、見ねぇのかよ
犬が交尾してるようなもんだぜ。はずかしがんなよ -- 観客?
- (耳を劈く悲鳴と、異様な光景を振り払う様に大きく頭を振る。)
(恨めしそうに観客の一人を睨むと、その場から逃げ出すように席を立った) -- エアリー?
- 剣闘士待機フロア
- (試合を終えた身体を待機フロアで休めていると、小窓から次の試合を見ることが出来た)
こりゃ、面白いカードじゃねぇか -- ギャスバル
- (同じく今ちょうど試合を終えた身で、アリーナに立つ獣人を見る 百獣の王が相手において、あの獣人は…明らかに怯えていない)
(動物においては、お互いの強弱は本能的に感じ取り、弱きは強気を恐れる物ならば――あの獣人は、ライオンを恐れてはいない事になる) ……(興味が出た。いつもならすぐに檻に帰る所だが、アリーナを眺め始める) -- キャスカ?
- いい趣味じでんなあ、ごごの奴らも観客席の連中も。(血まみれで戻ってくる)
嬲り殺ぜば嬲り殺ず程盛り上がりやがる。あれもぞの一環っでやづだろうな。 -- ヌヴァル
- ……(違う。観衆の大勢も、ヌヴァルも気づいていない あの獣人、襲われている今際の際にして恐ろしく冷静だ 何かある)
(剣闘士として上等の観察眼を持つキャスカであればこそ、その後の一瞬の邂逅を極限の集中を持って見届ける) -- キャスカ?
- あの毛臭ぇのだまに顔の前で寝やがるがら、早いどご美味じぐ頂かれぢまえばいいんだ。
あれに比べりゃオデの相手ぁ今日も楽だっだな。肩慣らじにもなりゃじねえ。オメエもごれがらが? -- ヌヴァル
- あぁ? あいづ消えだぞ? -- ヌヴァル
- (ヌヴァルの声など気にもかけない ただひたすらに獣人の動きだけを眼で追う 他の観客とは違う、首を上に傾けた視線は、的確に獣人の跳躍を捉えていた)
……(すさまじいの一言が感想として漏れる 自分でも、あそこまでは跳躍は出来ない 獣人の筋肉が為す技だろう) -- キャスカ?
- ほう……? なんだぁ、ありゃあ……。(何が起こったかは理解できないが、何が終わったかは理解できた)
面白ぇ。(一つ、嬲り殺す楽しみが増えたと舌で唇を舐めた) -- ヌヴァル
- (着地の際の衝撃も見事に吸収し、百獣の王の首が折れる音がキャスカの敏感な耳にも伝わる)……
(自分と戦いのタイプが近い――ただし筋力だけで言えば自分よりも上手の剣闘士に、心の中で称賛を贈った) -- キャスカ?
- (継がれた骨を分断させる難しさを知っているからこそ笑いが漏れた)……あんな下半身持っでやがんなら、摘み食いしどくべきだったぜ。ゲシャシャ……。
ああ、やべえなあ。給餌所どいい、ああいうの見るど勃っぢまう。(血走った眼でヒメリンゴを見る) -- ヌヴァル
- (ライオンの首をねじ切り、客席へ飛ばすパフォーマンス そしてそれを為せる脚力 本人すら気づいていないが、キャスカの心は躍っていた)
……(うずうずと、僅かに脚が貧乏ゆすりのように小刻みに揺れる その感情があの獣人との対決を求めている、という事にキャスカが気付くのは、だいぶ後の事であった) -- キャスカ?
- (殺(オカ)したい。明確な害意が、その凶悪な兎の顔に向けられる)
(滾る。引き裂きたい。引き裂いて蹂躙して許しを請わせ、そのうえで叩き潰したいという真黒な感情が汚らしい歯の間から笑声となって零れた) -- ヌヴァル
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