MOG/0002
- (人魔戦争から15年後。人間界のとある城下町にある酒場、「白日」)
(人魔戦争の折に築かれ、それまで吟遊詩人がもっぱらであった人間界の音楽に新しい風をもたらし、様々な音楽文化を花開かせたこの酒場は今もなお健在である) (そして、酒場の店主である女、ヴェロニカもまた当時のままの姿。……間もなく40を迎えるのではと言われながら、その美貌は若い娘のまま) (無論、それは彼女が人ではなく悪魔であり、実際には40どころでなく長生きしているのだが) (ともあれ、そういった事は些細なことであり、客にとってはここから発信される新たな音楽と食、酒が何より大事なのだ) (その裏では魔王軍の諜報を司る部署、情報部が糸を引いており、客が語る人間界の情報を残らず吸い上げているとは思いもせず) (……人魔戦争は未だ、停戦状態だ 休戦でも終戦でもない ただの間隙 人間にとって15年は大きな安息だが、魔族にとってはあっという間) (いつ始まるとも知れぬ再度の戦争に備えるのは、戦争の先を征く情報を制する情報部、そして情報参謀クローディアスの大きな任であった) (そして、人間界での諜報部隊の主任になりつつある、ヴェロニカにとっても)ねえトニー。例の件、ちゃんと手配してくれたよね?(店に来ていた客の一人に語り掛ける) 「ああ、ばっちりだ。金さえ貰えれば、何処にだって届けるさ」(交易商であるこの男は、口ひげを撫でながら自慢気にそう語る) 「しっかしわからんねぇ。あんな秘境みたいなド田舎に、わざわざ物資なんて」(男は首を傾げながら酒瓶を傾ける) 秘境みたいななんて失礼ね。親戚が住んでンのよ(半ばイラッとしたような笑いでヴェロニカは返す もちろんそれはカバーとしての話だが) (彼女が送り先に指定した奥地の村には、重要な人物が暮らしていたのだ ヴェロニカにとって そしてこれからは、魔王軍にとっても)
- (そして一週間後 ヴェロニカは件の村へ足を運んでいた 15年経っても進歩がない 良く言えば牧歌的な日々を謳歌する村)
(村にあるのは村内で消費する野菜を育てる畑と、暢気な羊が群れている牧場ぐらい 道すがら柵に寄って来た羊を撫でながら、ヴェロニカは村道を登っていく) (この村で唯一の教会。そこを管理する聖職者達の一族が、その重要な人物であった) (本来悪魔にとって教会に漂う神聖な気配は大敵であるが、この村のそれは余りにも薄い 神に強く祈らずとも生きていける緩さからか) (そしてその側に立つ家の戸を叩く)エヴァ、久しぶりね(そう声をかけたのは、かつて魔界の伝説と呼ばれた男 "銀の手"が見初めた女) 「ええ、お久しぶりです。ほら、いらっしゃったわよ」(挨拶もそこそこに、奥に声を掛ける女 そして二つの足音が響く) 「よぉ、おばさん。あんまり遅いもんだから何処か悪くしたかと……」(銀髪の少年がヴェロニカに軽口を叩くが) 誰がおばさんか!! アタシは悪魔基準でまだまだ若者よ!!!ったく、誰に似たんだか、口の悪さは (ゲンコツ一発くれてやった後に、お土産である音楽機器をくれてやる 子供にこの田舎はあまりに退屈なのだ) 「いってぇ、ヒス拗らせてるからモテねぇんだろ……」うっさいわね。アタシは理想の上司の下で仕事してんの。それに感謝ぐらいしたら?「はいはい、あんがと」 (やり取りはさておき、ヴェロニカとこの家族の仲は良好である 何しろ15年もの間、この村の平穏を見守ってきたのは彼女と魔王軍情報部である) 「減らず口の足らん奴などほっとけ。今日なんだろう」(落ち着いた口調の銀髪の少女が前に出て、ヴェロニカに近づく) ええ、アンタたち双子の15歳の誕生日を持って、この村の魔王軍の領有は終わり。もう守ってやらなくても生きていけるでしょ 「それと、私を魔界に連れて行く約束だろう。忘れた訳じゃないだろう?」はいはい、パパの故郷が恋しいのね (スカした態度の少女に、ヴェロニカは軽口を叩く イラッとした表情は見せるが、それ以上追求せず) (この村を守るとヴェロニカを決めたのは、"銀の手"が生きた証を残すためだった そのために彼女は背負った負債を仕事で返していた) (期限は15年。子供たちが成長すれば、母を守る力を付けるに十分であろうと その間にあった騒動の種は、情報部が潰して回っていた) (それが終了することで縁は切れる予定だったが、双子の姉が魔界への渡航を希望したのだ) (父の足跡を辿ることと、半魔として力を付け、力を振るう事を目的として) 「済みません、娘が無理を言って」いいのよ。ワルい話だけど、大本をたどれば参謀の企みが叶うわけだから。15年のギャップと、対象が娘に変わったことぐらいだけど 「アネキに軍属が務まるか怪しいモンだがな」「お前こそ、こっちを守れるか不安だが」 (姉弟の言い争いを母が収め、改めてヴェロニカに礼をして) 「娘のこと、よろしくお願いします」心配要らないわよ。次の戦争は起こる前に潰す。そのための情報部よ? (危険に巻き込む為に連れて行くわけではないと、そうアピールし少女を連れ背を向ける) (指を鳴らし開いた転移ゲートは魔界のマナを漂わせる 一歩潜れば、そこは別世界だ) --
- (魔王城を近くに望む、魔界の貴族クラメル家の別邸。そこには情報部を統べる情報参謀クローディアスが座を構える、情報部執務室がある)
(威厳を持つその戸を叩き、銀髪の少女を伴って恭しく入室する) 歌の悪魔ヴェロニカ。只今帰参いたしましたわ。約定どおりあの村の保護は本日を持って停止と相成り…… 「――――――――――――」ふざけるのは程々にしろって?いいじゃない。今日はとても機嫌がいいのよ (精悍な見た目を持つ彼に戯れを咎められ、いつもの調子で肩を竦める) 何しろアタシの負債も今日で終わり、そして情報部に有望な新人ちゃんが入るんだから(ニヤッとしてみせ) 「――――――――――――」ええ、この子が"銀の手"の娘。結局、こっちに興味持ったり力を試したいとかでね。暫く訓練させて、実力が付いたら諜報員のボディーガードから始めさせるわ (少女は口を噤んだまま、目の前の男を見ていた 自分と見た目の年の頃は変わらない、角の折れた男を) 「――――――――――――」AiAi,面倒はコッチでみる。他の業務もつつがなくやるわ。お任せあれ。氷竜公にもよろしくね それじゃ (ヒラヒラと手を振って、ヴェロニカは少女を伴い執務室を後にする 氷竜公の魔竜族・神竜族の融和も、少しづつ進みつつあると聞いた それを手助けしたのも、彼であるとも) 「……少しいいか?」なぁに?(執務室を後にし、邸宅を出る道すがら、少女はヴェロニカに問うた) 「あれがお前の上司か。それほどの力を持っているとは思えない。角の折れた悪魔など」 (そう口にした瞬間、ヴェロニカの指先が少女の眉間スレスレに突き立つ) 口には気をつけなさい。クローディアス参謀は確かに力は弱いけど、その智謀を持って大魔王の座を狙わんとする人よ 見かけで判断しないで (冷たい声色で告げるのは、唯一敬う人物を貶めたことに対する怒りか) たしかにアンタは伝説の悪魔の血を引いてる。でもね、今の実力で言えばアタシにも及ばない。文句があるなら力を付けてからいいなさい アンタにはそれだけの素質がある (ただの怒りではない、期待も込めたその言葉に)「……分かった、取り消す」(少女は大人しく言葉を噤む) それでいいの。アンタも同じよ。半魔だ伝説の娘だ何だって言われても、アンタの伝説はアンタが作ンのよ ナマ言うやつは実力で叩き伏せなさい それが悪魔よ (そう言って彼女の肩を叩き、邸宅の門をくぐって行った) --
- (そうして二人は、ヴェロニカの住処であるライブハウスに帰ってきた 歌の悪魔が住処とする、音楽と歌のるつぼ)
「……こんな所に住んでいるのか?」(露骨に少女が顔を顰めたのも無理もない 老朽化してボロボロになった壁に、グラフィティが書きつけられた、いかにもガラの悪い者の盛り場) 住めば都よ。それに中はちゃんとしてるんだから ……昔はもっとちゃんとしてたんだけど(溜め息を付くのは、人魔戦争時に捕虜にしていた女性たちが面倒を見てくれていたからか) (結局彼女たちは停戦とともに国に返された だが意味もなく捕らえたり返したりしたわけではない 人間界より進んだ魔界の文化を味わわせて、お土産まで持たせたのだ) (そうすれば人間界の文化では物足りなくなる いわば「文化侵略」の為の布石 停戦中も出来る侵略、というわけだ) (そうして人間界の文化圏を外れ魔族の文化圏へ下る国や領地があれば、戦争をせずに勢力を削げる 魔界や人間界で歌うヴェロニカの意図は、そういう所にもあった) 「お前は『ロッカー』とやらと聞いたが。権力者に下る事のないはぐれものだと」(荷解きをし、部屋を得た少女がヴェロニカに問うた) 「それがなぜ、軍に恭順を示す?」(今度は純粋な興味であることを感じ取ったヴェロニカは、頷いて答えだす) アンタの父親が死んだときにね、思ったのよ。何かを司って生まれた悪魔でも、それに縛られて生きる必要はないんだって 己が大事にする事に従って生きるのが大事であって、宿命には逆らってもいいのよ それでアタシから限りなく物事を削り落としたらどうなるかって思った時に、歌と義侠心だけが残ったのよ だからアタシはここまで取り立ててくれた参謀を支えたいし、その中で歌を歌えれば大満足なのよ(そう言ってマイクを磨いて) ……実はね、停戦した時に全部カタをつけたら旅に出ようと思ってたのよ。アタシは悪魔でなくてもいい、「歌のお姉さん」でも十分だって でも、その前に参謀が言ったのよ。「大魔王を目指す」って。下層の連中を顎で使うクソ野郎共を突き落として、人々が望むままに生きれる世界を作る。最高の悪巧みじゃない? (ニヤリと笑ったヴェロニカに、少女はフン、と鼻で笑ったが)「壮大な計画なのはいい。その分争いもあるのだろう?力を得る機会も」 アンタそればっかね。ま、それもいいわ。頑張んなさい(父の影を追い、強大な魔人を目指す彼女に呆れながらも、ヴェロニカは笑う それも新しい伝説の始まりだと) 力、力もいいけれど、アンタには肩の力を抜くやり方を覚えてもらうわ 人生楽しまなきゃ、損しかないわよ (そうしてギターを握って立ったヴェロニカを追い、少女はライブステージの観客席へ) 「歌か?吟遊などもう飽きたが」吟遊詩人?人間界は相変わらず遅れてンのね ……いや、あのド田舎じゃあ仕方ないか 弟の聞いてた音楽パクって聴いたりしなかったの?今から都会の音楽ってやつを聴かせてやるわ (ステージには彼女の率いるバンドメンバーが勢揃い ライブのリハを兼ねた彼女の歓迎会と言ったところか) (そうしてシンバルの音色から曲は始まり、歌の悪魔ヴェロニカが歌声で曲に魂を吹き込む) 愚かでいいのだろう 見渡す夢の痕 さよなら蒼き日々よ
流れに身を任せ いつか大人になってゆき 少しずつ汚れてゆく事なの? 熟した果実だけ選ばれて ナイフで裂かれて呑み込まれる前に 僕等は目指した Shangri-la 欲望は抑えきれずに 空想にまみれた 「自由」を求め続けた 今なら言えるだろう 此処がそう 楽園さ さよなら蒼き日々よ (少年期の終わりを告げる悲しげなメロディを含む歌は、少女の旅立ちを祝福するとともに、ヴェロニカ自身の反抗期の終わりを告げる歌でもあった) (とはいえ、気に入らないことがあればまた気炎を上げロック魂を見せつけることだろう それもまた、義侠心から生まれるものでもある) (こうして、「歌」を司る才能を授かっただけの悪魔は、己の道を見出し上級悪魔として昇華、覇道を歩む者達を支えるものとなった) (彼女の道行きの先に伝説が結実したかを知ることが出来るのは、遠い遠い未来のことである…… Fin) --
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- (人間界の奥の奥、山脈の麓に立つ村落 人の姿も僅かで、集落としての体をギリギリ成す程度の村)
(他の人里から遠く、それ故に人魔戦争と関わりが薄い のどかな村の風景があった) (ヴェロニカがこの村へ何をしに来たかと言えば、"銀の手"を匿っていた女を追ってのことだった) (彼の持っていたサングラスと魔導銃、彼の異名となった銀の腕、それと「ネオ」あるいは「アンダーソン」という名前 か細いが、それらの情報はこの村へと結びついていった) (しかし)ほんとにこんな村にアイツがいたっての……?(びっくりするほど何もない 辺りは麦畑と牧場ぐらい 寄って来た羊を撫でる 動物ですら警戒心が薄い) --
- (しかし、僅かにいる村民に聞いて回れば、あの男の噂がそこかしこから 中には実際に会ったという人物も)
(その中でもやはり、怒りに満ちていた彼のあり方は見て取れた 些細なことで言い争いになり、喧嘩をおっぱじめたなど) (やがてその噂達は、一つの教会へ収束していく この村で唯一の教会へと) (教会といえば大抵人間たちの祈りで満ち、秩序の力が立ち込め悪魔を苦しめるはずだが、この村はのどか過ぎるせいか秩序の力も程々 変装したヴェロニカも違和感なく近寄れた) (教会を運営する聖職者の住む家を訪ね、戸を叩く)すみません、実は人を探してまして(穏やかな態度でそう告げる 情報部での経験を積み、人に化けるのにも慣れてきた) 「はい、どなたでしょうか……?」(そう言って戸を開けて出てきたのは若い女だ 聖職者とのことだったが、その姿は村娘とそう変わらない) (一つ目を引いたのは、そのお腹が臨月間近である事を示すほど大きく、子を宿している事が明らかであること まさか、とヴェロニカは息を呑む) --
- 「ネオ」って男に聞き覚えは?(その質問に女は首を横に振った しかし)
じゃあ、「アンダーソン」には?それと、これには見覚えが?("銀の手"が名乗った偽名と、彼の残したサングラスを提示すれば、女は息を呑んだ) ……その様子、間違いないわね。"銀の手"は、ここに居たのね(悪魔である決定的証拠を口にすれば、それを認めるように女は頷いた) 「彼を探しに、と言うことは、ご存知なのですか?彼を……」(その問いかけにヴェロニカは唇を噛んで、長い沈黙のあと) ……死んだわ。アンタの為に、魔王軍と戦って。アタシはアイツの亡骸を返すために、ここまで来た (その言葉を聞いて、女は涙を堪えきれず、泣き崩れた ヴェロニカからすれば嫉妬心も抱く女ではあるが、気持ちは同じ 痛む胸に手を当てた) --
- (お互い気持ちが落ち着くまで、少しずつ話をしていた "銀の手"がいかに魔王軍に怒り、挑み、そして散ったか)
(あるいは行き倒れたかの男を介抱し、彼の怒りを受け止め、穏やかな生活を歩みだした話を) (エヴァと名乗った女は、ただただ親身に彼の事を心配していた まるで運命からはじき出された男の行く末を) アイツの遺体は暫く後に届くわ。冷凍処理してるから、まだ腐ってない(人間界でも普及している冷凍魔術の話に首を傾げる女を見て、ここは本当に田舎なのだと溜め息をつく) 「……私達は、どうなりますか 彼の子供、私の子供は」(正体を表したヴェロニカに、彼女は問うた 魔王軍との戦争の話はこの人里離れた村にも届いてはいる 最も完全に伝聞であり、魔物が出たことはおろか、貧した人間軍が略奪に現れたことすらないのだが) ……アタシが守る。無理を言ってでも、この村をアタシの領地にする。15年か、20年は その後は、そいつらに守ってもらいなさい(エヴァのお腹を指してそう告げる そう、歌の悪魔の耳は孕む子の心音が一人でない事を看破した) 「本当ですか……!!」(悪魔の庇護に入る事を聖職者が良しとするのは普通ではない が、ここは厳格な教えとは程遠い、牧歌的な村なのだろう 喜んでそれを受け入れる) 悪魔は契約を守るものよ。……ま、場合によっては追加の交渉もさせてもらうけど(物資も望めない村を15年も領地に加えるなど、簡単に通る話ではない そうなれば交渉材料は……生まれてくる子供ということになる) アンタはもう、伝説の一部なのよ。死ぬんじゃないわよ 生きて、アイツの生き様を後世に伝えなさい (そう告げて去っていくヴェロニカに、エヴァはずっと頭を下げていた 確かに彼が認めるだけある、ひたすらに純粋な女だった) (それでも、この村に戦火や人魔の魔の手が伸びない保証は、いつまでもない 早い内に交渉を済ませなければと、魔界への転移術を起動し情報部へ向かうのだった) --
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- (白日の元に、赤目の男がやってくる。その手に似合わぬ一輪の花を持ち。そうして)や、ヴェロニカちゃん元気?これはホーミからだってさ。手向けてあげてとか(それは紫色の芍薬の花、花言葉は…『怒り』だ)
しかし…これからどうするんだい?銀の手は居なくなっちゃったし、バンド活動の方に力でも入れたりとか?(強めのジンを、なんて店員に注文して席へ座り) -- ケイル
- ああ、ありがとね、ケイル。ホーミダンチョーにもよろしく言っといて。墓はもう暫くになるから、それまでちゃんと咲いてて貰わないと(花瓶を探してきて、芍薬を飾る)
バンドはもう少しスケジュールを詰めないとね。どっちかと言うと、情報部の仕事を頑張ることになりそう(伝統的なジン、ビーフィーターをグラスに注いでサーブ) -- ヴェロニカ
- ああ、墓はまだ作らないんだ?(花瓶に挿す際に、軽く回復魔法をかけておく。継続的に効くタイプの活性の魔法だ。きっと長持ちするだろう)
情報部の方かー…ああ、それなら片手間にでいいんだけど、ひとつ頼み事聞いてもらってもいいかな(ありがとう、と掌を立てて礼とし、く、とグラスを傾ける。強い酒精が喉を焼く) -- ケイル
- 最後にアイツを保護してた女ってやつに、返してやりたいのよ。銀の腕を魔王軍に首代わりに提出したから、残ったのは悪魔でなくなった男の遺骸。……だったら魔界に葬るよりは、と思ってね(活性魔法を掛けてもらった芍薬をありがたく受け取り、一旦バーのカウンターに飾る)
クローディアス参謀が大分ヤル気見せてたもんだから、その夢に相乗りさせてもらおうと思っちゃって。バンドはその合間にやるつもり 頼み事?アタシに頼むような事、紫十字にあんのかしら。ま、ともかく聞くわよ。何?(こちらは自分のグラスにビーフィーターとベルモットを注ぎ、軽くステアしてオリーブを飾る いわゆる「ドライ・マティーニ」 グラスを優雅に傾けて) -- ヴェロニカ
- …そっか。うん、それがいいと思うよ。彼にとってはあそこも焼け野原にするつもりだった場所のはずだ、そんな所に埋められるよりかは、そんなヤツが居るなら、その方がいい(怒りに燃える様を思い出し…芍薬の花を眺め)
……ん?クローくんがやる気?はは、そりゃいいねぇ。彼は若いし、以前の勇者の件の時はだいぶ気落ちしてるようにも見受けられた。新しい何かを見つけられたんだったら、素晴らしいことだ(クローに乾杯、とグラスを掲げ彼女のグラスを合わせる) 紫十字ってよりは…俺個人の頼み事かな。君が人界で探し人をするならなお丁度いい。…とは言っても、雲をつかむような話でもあるんで、あくまで片手間にでなんだけど…… 紫色の瞳をした人間を、探してほしいんだ。それも…多分、強い(となかなかにふわりとした話をする) -- ケイル
- 最後に帰る場所を見つけられただけでも、アイツは幸せだったのかしらね。 ま、場所を探す所からだから、ちょっと掛かりそうっていうのがあるけど
次期大魔王を目指すって。中々馬鹿げてるでしょ?(微笑んで、そう言って見せる)ソレぐらい火の付いた男は、アタシは好きなのよ(グラスを合わせて、「カクテルの王様」をすいと飲む) 人探しね。確かにアタシの件のついでに探せるから、効率はいいわね。でもソレなら、情報部にも話通しといたほうがよくない? で……紫の瞳をした、人間?(ふむ、と唸り)そいつは悪魔じゃなくて人間なのね?それで多分強い、とは(目的は何となく見えるが、相手の素性が見えて来ない 続きを促して) -- ヴェロニカ
- 仕方ないさ、お似合いのベッドを探すのには、時間はかかるものだろう?(割と無遠慮な男が棺桶、と言わなかったのは流石に気を使ったか)
(そうしてクローの目指す所を聞けば、軽く目を見開く)…そりゃまた大きく出たね。慎重派な彼にしては珍しい(素直に驚きの声を漏らす) なるほど、となると今から覚えをめでたくしておけば、ヴェロニカちゃんも出世コースって訳だ?(と、こちらは冗談めいてけらけら笑いながら言う) あー…クローくんにはちらっとその探したい奴の事話したからちょっと話したつもりになってたな…確かに一度言っておこうかな。ま、言っても別に見つからないなら見つからないでいいんだけど。 うん、人間。今は純粋なかは分からないけど、多分人間だろうね。強いって言ってももしかしたら戦力的な意味じゃない強さかもしれない。だから傑物ってくらいの意味合いでも(と更にふわっとしたことを言う) -- ケイル
- ……ま、ソレもそうね。誰もが自分の本当の居場所を見つけられるわけじゃない。アイツの最期は、アレで良かったのかもね
まーね、アタシも聞いた時ズッコケたわ。それも、魔王軍を破滅に導かないためだとか でっかくでたわよね? そういうのが無いとは言わないけど。でもアタシは、伝説を作ってくれる男を見ていたいのよ。"銀の手"とはまた違うやり方でやってくれるなら、なおさらね? アタシ一人で探すより、情報部全部に話が行ってる方が全然早いだろうし。……しっかし、なんかふわっとしてるわねぇ?純粋な人間やめちゃったりするの?戦力的な意味じゃない強さだったりするの? ……てことは、直接知ってる人間じゃなかったり?(そう推察して、口に出す) -- ヴェロニカ
- (ジンを傾け、辛口のそれを喉で楽しみくつくつと笑う)…なるほど、ヴェロニカちゃんは自分をアツくさせてくれる男がお好みって訳だ。クローくんもなかなか責任重大になってきたねぇ。
(魔王軍の行く末よりも、そちらの方が難題では?なんて顔をしつつ楽しそうに笑ってジンを、ぐ、と飲み干してグラスを置き) 正解。俺が知ってるのはそいつのずっと前の先祖(黒眼鏡をずらして左目の傷を示し)…この傷を付けた女だよ。治そうと思えば治せるんだけどね、これ。取っといてるんだ。 勇者でもない戦士でもない弱いただの人間の女だったんだけどね。「私は、貴方には絶対負けない」なんて言ってさぁ(と昔を懐かしみ楽しそうに笑い) そいつの何世代か後は追えたんだけど、最近はもうさっぱりで。何故だか瞳の色は受け継いでるみたいだったから、それくらいが手がかり。…てっきり、今回の戦争で人間側に出てくると思ったんだけどなぁ(などと言う) -- ケイル
- 大体そんな感じ。ライブでもそうだけど、皆を熱狂させる存在ってのは強いのよ。アタシは伝説になれる器じゃ無いらしいわ。だから、熱狂を支える存在ぐらいにはなれたらなってね
魔王軍の行く末は……さぁ、どうなるかしら。苦しい思いはしたけど、この戦争で得た熱狂が、もしかしたら大魔王サマの望んでたものなのかも、なんて。 (ケイルの古傷を覗き込んで)……アンタにソレだけの傷を負わす奴?相当じゃないそんなの 戦士ですら無い女がそこまで闘志を見せるとは、人間ってのは時々恐ろしいわね。……で、その子孫か。世代を継いでるってことは血も薄くなってそうだけど ……でも、そんな瞳を受け継いでるってことは、何か特別な血があるのかも?そういうところから勇者が湧いてでたりすんのかしらね?(もう一杯どう?とビーフィーターの瓶を手に) -- ヴェロニカ
- どうかなぁ?君の歌は皆の心を動かすと思うよ。それは、魔力が込められて無くてもね。もし…戦争が終わって、魔族や人間、その他の生き物隔てなく歌を聞けるような状況になるのなら、
クローくんの手伝いのあと、魔族だけじゃなく、色々なものに歌を届けてみたらどう?もしかしたらそこから…熱狂が生まれるかもしれない。何より…挑戦せずにいる君は、なんか…らしくないなって(などと軽く言う) (その時の感覚を思い出すように、自らの傷跡をなぞり)本当に…ただの弱い女だったんだ。だけど…強い女だった。ああ、相当にね(と楽しそうに言い) 血なのか…もしかすれば俺が魔法に巻き込んだからそのせいなのか…それは分からないけどね。子孫が傑物だろう、ってのも俺のただの願望。そうじゃない可能性も高いし、血が途絶えてる可能性だってある。 でも…あの目は忘れられない。きっと、彼女の子らは…強い(願うように、そう言って、それじゃ後一杯だけ、と空いたグラスを彼女へ差し出す) この戦争始まった時も迷ったんだけどねぇ。…"こちら"と戦う方が楽しいかも、って。でもさ、そいつらが居るかもだったから(そう呟く男は…薄く笑い唇を上げる。まるで戦う相手は、どちらでも良かったのだと言いたげに) -- ケイル
- もちろん、歌は続けていくつもり。ちゃんとドラムスも確保して、再始動も目論んでるわ。……リハとかの関係上、どうしても春を跨ぎそうだけどね、次のライブは
でもそうね、アタシはそのどっちもを選ぶかも。歌うこと、誰かの助けになること。ソレがアタシを形作ってる大事な要素だから ま、らしくないって言われたらアレだけど、どうやら今までは肩に力入りすぎてたみたい。もう少しゆっくり歩いてみるつもりよ アンタにそう言わせるってことは、実力なんかじゃない、折れない心の強さは半端じゃなかったのね 魔法に巻き込んだ?そりゃまた妙な因縁深そうな。でもそうね、紫の瞳、アンタの魔力に染まったって言うならソレもあるのかも ただそうね、大悪魔に傷付けといてその子孫が腑抜けてるとも思えない。情報部がなにか掴んでないか、もっかい情報整理してみるわ(本部のみならず、「白日」に積み上がった未整理の情報もある 一件ぐらい掠った情報があってもおかしくないと) ……アンタ、下手すりゃ第二の"銀の手"になってたってこと?いやそうなりゃアンタのほうが先だから第一か。ホントヤバい人よね。コッチにいてくれて良かったわ(流石に笑えない、とケイルのグラスにジンを注ぎ) -- ヴェロニカ
- おっと、どうにも余計な世話だったようだ。でも両方を取るってのは…君らしいかな、と思うよ(注がれたジンを傾けて笑い)
…それも、いいかもしれないね。あれだけ苛烈に走り続けた姿を見たあとなら、そう思えるのも分かるよ(視線をまた芍薬に向けて、伝説の生き様を思い出す) 偶然だったんだけどねぇ。ある人間たちと敵対してたんだけど、そんときにたまたまその子が居てさ。どうしようか迷ってたら、ズバっ、だよ(けらけらと楽しそうに笑って) ありがと、ま、でもさっきも言ったけど、片手間でいいよ。せいぜいどっかにそれっぽいのが居た、くらい分かれば充分さ。気長に探すつもりだったしね。 …そう、だから彼には興味があったんだ。少し違えば、あの時追い詰められてたのは俺だったかもしれない。そう思えるくらいにはね。ただ…彼のほうが純粋だったんだろう。 (そうして、ぐい、と一気に酒を干す。胃の腑を焼く酒精に、銀の手の怒りを思う。そして席を立ち)じゃ営業の邪魔にならない内に帰るとするよ。それじゃね(と去っていった) -- ケイル
- 情報部のあれやこれやを学んで、スケジュール管理をきっちり覚えてきたとこあるから。二足のわらじもどんと来いよ。ま、その分速度は落ちるかも、って感じ
いくらなんでも悪魔が側にいたからっていきなりズバっていく?どんな胆力よ。ソレこそほんとに勇者の萌芽があったんじゃないかしら AiAi、コッチも力抜いてやりやすくやるわ。アンタかアタシが死ぬ前に見つかりゃ御の字でしょ かもね。純粋すぎて、自分の怒りから逃れられなかった。アイツもアンタぐらい小回りが効けば良かったのにね。ん、それじゃまたのご来店を(去っていくケイルを見送り、グラスを下げた後、貯めていた情報にまた目を通したのだとか) -- ヴェロニカ
- ふむ、どうやら立ち直ったようじゃな、少なくとも表面上はのう(酒場は不釣り合いなのでライブハウスの方に来る団長)
で、どうなんじゃ?以前のように働けそうなのかの?ああ、別に誰かの差し金ではないのじゃ、ただ近くを通ったのでな -- レンダ
- 大分時間は掛かったけどね。エモくなってンのはアタシらしくないからさ(とは言え、まだまだ空元気で回している所も散見される ふとした瞬間、疲れを見せたりもする)
まーね。アタシにしか出来ない仕事だったらいくらでも持ってきなさいよって話。他の雑用はまだちょっと、周りに投げてやってもらってるけど。悪いわねレンダダンチョー、気を使ってもらって -- ヴェロニカ
- (悪いね言われればふっふと笑う)なあに気にするでない、割とマジで商いのために近くを通っただけじゃからな
ほれ、これはお土産じゃ(と甘味を手渡す)それなりに立ち直っておるのはいい事じゃが、何か息抜きとかはしておるのかの? バンドやらライブやらは……(活動してるのかなとライブハウスを見回して)ワシはまるで詳しくないからのう -- レンダ
- それならいいけどね。(早速頂いた甘味、栗まんじゅうをもしゃり)んー、やっぱ甘いものは効くわぁ(それだけ肉体的にも精神的にも、疲労が溜まっている証拠でもある)
息抜きね。アタシにとっちゃ歌うのが息抜きだから、仕事の為でも歌えてりゃそれなりに幸せなのよ。そのためにあの酒場も作ったんだしね?(ヒヒヒ、と悪い顔) バンドはギリ回せてるけど……アレね、戦時下じゃスケジュールがパツパツで、中々ライブが出来ないわ。リハもやんなきゃ行けないし、何よりドラムスを追い出しちゃったから(ぶすーとそこだけ機嫌悪く) -- ヴェロニカ
- そうじゃろうそうじゃろう、前線の兵士にも人気が高いんじゃよそれ、お持ち帰りしていく客も多いしのう
うむ、好きな事をするのが最高の息抜き兼ストレス解消だからのう、それが出来ていると聞いただけでちょっとは安心なのじゃ ドラムのう……(ああと思いシンセロの顔を思い出す、名前を出すと不機嫌になるだろうから口にはせず) 新しいメンバーの募集とかはせぬのかの?その気があるなら話を広げてみても良いが……まあお主の眼鏡にかなう相手はひと握りじゃろうがな(と、少し突いてみたくなった団長) -- レンダ
- 士気向上に甘いものは強いものね。元気も出るし、何より前線じゃ甘いものは貴重で貴重で。白日もなんとかそういうの確保して、色んな所に配れるようにしてるけど
歌の悪魔ですものアタシ。それが生きがい、存在意義みたいなものよ。それをどうやってねじ込むか、どう活用するか そんなことばかり考えてるような生き物だから(ニッと笑う) 前までの収録はアタシが叩いてたのよ。生でやらないなら兼任も無理じゃないわ。ただ流石にあれから相当あったもの、確保は済んでるわよ。 でも、新メンバーをバンドに合わすリハも結構時間を食うもの アタシの仕事もあるし、すぐにライブってわけには行かないわね(それだけが悩みと) -- ヴェロニカ
- えっ、それワシら兵站担当のお仕事な気がするんじゃが、もし行き届いていないならすまんのう、少しばかり現地の輸送担当は締め上げねばな
てか、息抜きどころか存在意義と来たか、はっ、であればいよいよ心配する必要もなかったようだのう(ライブはなくとも活動していると聞けば安心したように笑う) おっと、すでに確保ずみであれば余計なお節介だったようじゃな、今はまだよく分からぬが、もし戦争が終わったら歌に興味持ってもいいかと思っておってな もしその機会があれば改めて聞かせてもらうのじゃよ、ではのヴェロニカ殿、時間を取られたのう(とライブハウスを後にする団長でした) -- レンダ
- ま、一酒場が集められる量なんて限られてるから、本当にちょっとずつだけどね。兵站云々よりかは、うちの情報もって特殊任務に行く人向けのオマケみたいなもんよ
最悪一人で歌練習してるだけでも、生きてるって感じするもの。そういう意味じゃアタシ、結構ローコストな生き物なのかもね ああ、暇になったら来てちょうだい。お爺ちゃんには刺激が強すぎるかもだけど。……今はお嬢ちゃんだから丁度いいワルい遊びか。んじゃね。わざわざ心配してくれてありがとね(そう言って、手を振ってレンダを見送った) -- ヴェロニカ
- ヴェロニカ、もう…良いのか?(銀の手撃破から暫く…再び店に立つ姿を見れば、多くは問わず、そう声をかけ)
やはりそれも、時間が解決する問題なのだろう…とは思うが、すまん。 いい言葉が、僕には思い浮かばぬ… -- クローディアス
- ああ、流石にもう大丈夫よ。あれから2か月立ってンのよ 空元気だけで回してた時期よりも、ずっとマシ(実際ここ二ヶ月はひたすら仕事に邁進することで、気持ちを切り替えることに専念してきた)
アンタのときと同じ。時間を掛ければ、ある程度マシになんのよ。それに、アタシにゃやるべきことが出来た。……情報部に手伝って貰いたいことだけど(そう言ってクローディアスにジュースを出して) -- ヴェロニカ
- 僕と違って、単なる復讐の対象ではなかっただろう…(ジュースを受け取り、一口飲んで)ちゃんと、別れは済ませられたのだな…?
む、やるべき事…であるか。 言ってみるがいい、僕も目的ができたので伝えておこうと考えていたところだ。 -- クローディアス
- ええ、もうアイツ自身に思い残すことはない。まさか、残してあったアイツの歌に励まされるとはね(肩を竦め苦笑い 録音技術様様だと)
ネオの死体は、左腕だけ献上して、後は凍結処理してある。「憤怒の悪魔」は、魔王軍の手に渡ったってこと。……後に残ったのは、誰でもない、アンダーソンって名乗った男の死体よ それを、元いた所に返してやりたい。アイツを保護してた女のところへ。悪魔でなくなったアイツの死体をね(最後の弔いは、してやらなければと) だから、その女が何処に住んでるのか探すのを手伝ってほしいの。引き換えに参謀の手伝いだってするわよ、何か企みでも? -- ヴェロニカ
- 大事にとっておくがよいだろうな、二度と手に入らぬレア物である。歌の力、というものは誰よりも貴公が知っていると思っていたが…そうか(少し、安堵の表情を見せ)
問題は、我々の素性を隠した上でどうやって接触するか…弔ってやれたとして、その女はどうする?今後、戦火に巻き込まれるやもしれぬぞ… 無論、調査は協力するが…どこまで自分でやりたいか、貴公がはっきりさせてくれ。僕としても、無粋な真似はしたくない…(住処を捜し当てるだけでいいのか、と) 何かもう毎度毎度悪巧みしてるみたいに思われているのだな…まぁ、言い様によっては最大の悪巧みか。(そう前置きして)…僕は、次期大魔王の座を目指すことに決めた。 -- クローディアス
- そうね。絶版ものだもの(自分で言って過ぎたジョークだったか、溜め息を一つ) アタシだって歌の力を何もかも分かってる訳じゃないのよ。アイツが自分の怒りの本質を理解してなかったようにね
……アイツのサングラスがある。それと、ネオか、アンダーソンか。どっちかを名乗ってたはず(広大な人間界を捜索することになるが、それでも手がかりはあると) どうするかは……ごめん、会ってみるまでわかんないわ。でも、どうするにしてもアタシの裁量で出来る限りのことはやるつもり。まずは会う所からね あら、悪くない企みもするんでしょ?ま、それはともかく。……はあ!?(大魔王の座を目指す、と言われれば流石に腰も抜かす)ったた、アンタ、マジでいってんの?(コケた痛みに顔を歪めるが、立ち上がる頃にはその顔は笑っている) 常々並の貴族様じゃないとは思ってたけど、豪胆にも程があるわ。一体どういう心境かしら、クラメル伯爵?(面白いことになって来た、と言う表情) -- ヴェロニカ
- 自分自身の事が、一番よく分からないものであるのかもしれんな…だから、周りの言葉に耳を貸し、彼らの視点で自分がどう見えているか…判断せねばならない。(瞑目して、そう応え)
サングラスと偽名、それに奴の容貌が手がかりか… 目撃情報を元に絞り込んでいく、地道で気長な作業となるであろうな 分かった、では住居の特定のみ…必要ならば要請に応じて追加で調査。という事にしておこう… ジョークにでも聞こえたなら、笑ってよいぞ。僕が許す、いい反応を見せてくれた礼にな(くすくすと笑いを堪えるようにしながら)生憎と冗談ではなく、本気だ。そして正気である。 まぁ、簡単に言えば手柄が欲しい。悉く手柄のチャンスを逃してきた以上…もう大魔王になるより他あるまいよ。 もっとも、他にも思うところはあるが… -- クローディアス
- そういうことね。孤高であれるのは強い証拠だけど、孤高であり続けると色んなものを見失っちゃうのね……(同じように瞑目し)
基本のキ、って奴でしょ、人探しの。……迷惑かけるわね(深々と、頭を下げる 彼女の義理深さが滲み出る) そんなもん、苦笑いしかでないわよ。……とはいえ、正気でそんな事を言えるって言うなら、随分面白い話だけど 手柄、手柄ね。大魔王になっちゃったらもう、それ手柄とかそういう次元の話じゃなくない?他人の手柄を数える側よそれ? ただ、アンタが何の勝算もなくそんな事言うとは思ってないわ。クソ皇子を引きずり下ろして上に立つ道筋、立ってんでしょう?(長い道筋であろうと、何か手がかりは見つけているだろうと) -- ヴェロニカ
- 頭など下げるな、いつも通りの貴公で良い。急に殊勝になられても困る…それに、首を突っ込んでおいて半端で終わらせられんのは僕も同じだ。
(ぐいっとジュースを一気に飲み)…ぷはっ。 それぐらいか、それに並ぶほどの武勲でも挙げねば、僕の望みは叶わんのだ。 あやつもえらい言われようであるな…(そこは苦笑いして)正直なところ…ノープランに近いのだがな。あやつと話し、今のままでは彼に大魔王を任せられんと感じた。 それゆえ、僕のような者がやると言い出せば奮い立つであろうと…そう目論んだのだが、期待はずれな結果に終わった。失望であるな… だがこのまま放置すれば、破滅が目に見えている。ならば誰かがやらねばなるまいよ…勢いで言った事とはいえ、その道筋は作る。必ず…(グラスの中に残った氷をじっと、見つめながら) -- クローディアス
- 最近分かってきたけど、こういう義理堅さがアタシの中心らしいわ。どれだけ他の要素を削っても残る、アタシを形作る物の一つってこと
お互い始めたことは最後まで貫き通す主義ってことね。なおさら、相性が良かったわけね(肩を竦め) その望みまでは聞かないことにしておくけど、大望を抱く男は好きよ。それを実現する力があると思わせるだけの男ならなおさらね(ジュースを一気したクローディアスを見て微笑む) ああ、アイツに発奮させるために言い出したのね。……それで対して響かないって、アイツマジで平和以外興味ないんじゃないかしら(ふん、と鼻を鳴らし) いいわ、だったらアタシも存分に使いなさい。アンタの道の先、その果てが見たくなった 本当に駆け抜けるのか、それとも……(もう一杯いかが?とジュースの瓶を上機嫌で揺らす) -- ヴェロニカ
- それが自分らしさだということであるか、であれば僕も否定はするまい。途中で投げ出すのは、もっと他に良い案が出た時であろうな…
言っておくが、僕は銀の手のようにはなれん。なるつもりも無いが…明らかに属性が違い過ぎるであろう?どうもあの男と重ねて見られているようでむず痒いな… そんな有様ならば辞めてしまえと言ったら、本当に辞退すると言い出した。もっと、覚悟をもって臨んでいる男だと思ったのだが…(そこだけは本当に残念そうに語り) 他に適任者がいれば譲り、全力で支援するつもりではあるがな…魔王軍が腑抜けや腰抜けばかりの集団でない事を祈りたいものだ。でないとヴェロニカは酷使され、僕も重圧に苦しむ羽目になるのである…(頂こう、とグラスを差し出し) -- クローディアス
- アタシがアイツのこと引きずってるって?(意地悪く笑うが)夢の見せ方は違うでしょうよ。でも、誰にも見れない世界を提示出来るっていうのは、それだけで魅力的なものよ?(そう微笑んで)
その程度の意気のためにアタシが裏切られたんなら、アタシも正直黙ってられないとこだけど。まーいーの、アイツの話は(これ以上続けると空気が重くなると話を切る) そいつがアンタと同じか、それ以上の傑物なら、確かにアタシもそれで納得するけどね。でもそういうのは、競い合ってこそだとアタシは思うのよ(恭しく、グラスにジュースを注いで) -- ヴェロニカ
- だがその夢は、絵空事であってはならんのだ…実現できる可能性も、同時に提示できなくては… 理想なら幾らでも示せるが。
そうであるな、済んだ事よりも先の展望を考えるほうが建設的である。 よきライバルと呼べる存在が対立候補として居るならば、それは良いモチベーションになろう。 そもそも次の交代がいつになるのか、それすら不明瞭であり…現在の大魔王様の采配に異は無いが…終わりの見えん戦争の、その先ぐらいは考えておきたいものであるな …まったく、1年前の貴公に聞かせてやりたい言葉だ(小さく笑うと、グラスを再び手に取り)…誰もこんな結果になるとは予想できなかったであるな、僕でさえも -- クローディアス
- 絵空事と笑われそうな事でもそいつが実現しうるっていうぐらいのパワーを持ってりゃ、それはもう「ありうる世界」なのよ。少なくともアタシは、アンタはそういう奴だと思ってる
つまんない政治でグダグダになるのはごめんだけど、皆がヤル気になる高めあい方なら大歓迎。ぜひとも次の権力争いは、そうあって欲しいわね 先の先、ね。その日暮らしが常のアタシにゃどうしても想像しづらいわ。だから望みのある権力者に、そういうのを描いてもらうのが一番ってわけね アタシも大人になったってことかしらね?(肩を竦め)権力者皆が皆クソってわけじゃないのが分かったし。ノブレス・オブリージュを実践してる貴族様は敬うべきってね ホント、何が起こるかわかんないもんね、世の中 -- ヴェロニカ
- えらく期待されているであるな…これは裏切るわけにいかなくなった。うむ、情熱溢れる候補者は多い方が良い…
先の事を描く、といっても為政者にできるのは下書きか線画がせいぜいである…本当の意味で絵として仕上げるのは民だ。各々の色で染め上げていくのである 塗られる色が、為政者の息がかかった者のたったの一色ではつまらん。無論、貴公も自分色に塗りつぶして行くべきである まぁ、貴公の意見を少しでも変えられたのなら…僕も変わったのだろうよ。以前の僕のままであれば、クソ呼ばわりも致し方ないと…今はそう思える 自らの目的の為に戦争を利用し、勇者への復讐に執着し…それが何故今、魔界の今後について考えているのであろうな?我ながらおかしな話である -- クローディアス
- 肩肘張らせる為に言ってる訳じゃないから、そこはお好きにやんなさいな。誰だって自分の思うようにやるのが一番うまくいくのよ
皆で描く絵ね。言い得て妙だわ。ならアタシはグラフィティ係ってところかしらね(そこはアウトローらしい感性) きちんと整備された絵画のような町並み、ゴミっとしてるけど熱気に溢れるグラフィティめいた世界。ま、色々あるわよね?全部為政者が描くのは流石に大変か 勇者への復讐はままならず、でもそこで腐んなかったからこそ今の参謀があるんでしょ。なら、ソレは元から持った素質なんじゃない? 自分の執念を第一にしつつも、周りをうまく回せる素質と言うかなんというか。全てを使っても復讐したい、って思いが逆に上手く回ったのかも、なーんて(割合ざっくりとした解釈をしてみせ) -- ヴェロニカ
- 今は絵の構図を考えている段階であるな…む、グラフィティの感性は僕には無いゆえ…それこそ各々が得意分野でその特性を発揮して欲しいところであるな
そして、好きにやれ…か。いつぞや言った言葉が、自分にそのまま返って来るとは思わなかったのである(嬉しいような、こそばゆいような、そんな反応) 使えるものはなんでも使う、的な思考は鍛えられた気がしなくもないが…あの時、勇者に角を折られていなければ こうはなっていなかったかもしれんな… うむ…貴公と話したお陰で、少し案が浮かんだぞ。これから少々、根回しも兼ねて外へ出てくる…(おかわりを飲み干すと、席を立って) 柄にもない事は苦手なのだが、その……有難う、ヴェロニカ。(小さく、頭を下げて店を後にした) -- クローディアス
- ならさんざ悩んでくださいな、画伯殿。アタシ達はその間に画材やら資料やら取ってくるわよ(くすくすと笑いながらそんなたとえ話に乗り)
そ、好きにさせてもらって気づいた事よ。ガチガチに縛るなんて、やるもんじゃないわ。無論、軍の規律のあり方の問題は、あるけどね(肩を竦め) 人生のターニングポイントって所?何があるかわかんないものね。 あら、ソレは結構。アタシは策が煮えるのを楽しみに待っていようかしら ……ふん、礼なんていいわよ。お互い持ちつ持たれつ、これからも互いに利用しあって行こうじゃないの、参謀殿(嫌味ったらしいセリフとは裏腹に、爽やかな笑顔で上司を見送ったのだった) -- ヴェロニカ
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- お疲れ、ジャッキー。流石に一ヶ月も穴空けらんないもの。……大丈夫か、と言われたら大丈夫じゃないけど。
でも、今のアタシに出来ることをしなきゃ。立ち直るにも、一歩一歩歩いて行かなきゃ行けないのよ ("銀の手"は死んだ 魔王軍に討たれて…… だが、いつまでも喪失感に囚われてはいられない 彼が死んだこと それが何を意味するかを理解するのは、暫く後になるだろう) -- ヴェロニカ
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- 参っちまうぜ。"銀の手"の旦那が死んじまって、ヴェロニカは仕事が出来ないぐらい弱っちまってる ……しょうがねぇか、憧れの人を自分の手で殺すことになっちゃ、な
ま、あのお嬢なら、暫くすりゃ戻ってこれる。強い女だ。それまでは、俺たちでなんとかしないとだ(グラスを磨きながら、情報部員の男は嘆息 とは言え、軍としては懸念事項を一つ解消した形となる) -- ジャッキー
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