シノとランサーの部屋へ
- 月がきれい。星も空気もきらきらしてて、昔読んでもらった絵本の景色みたい。
(春にしては寒く、良く澄んだ夜空と英霊の残した魔力の燐光が幻想的な空間を作り出す。寝起きのようにぼやけた薄い意識のシノは、それを楽しんでいた)
(全てが終ろうとしている。数分間の聖杯戦争、シノの希望、命。 戦闘で壊れた建物が根元から崩れ落ち、月も星も幻想的な「きらきら」も埃と煉瓦によってシノの視界から終わりを告げた)
スレ……………イン………
(数分前の愚行も、煉瓦に埋まりそうな今の状況も、これからの自分も、何も理解していないまま、自分の戦友の名を呟いた) -- シノ
- ハッ.....はぁ.......はっ....今度は かなりやばかった.....時計もしばらく使えないな....
(地に降り立つ龍の鎧が鱗のように剥がれ落ちて消え去れば中から倒れこむように這い出てくるのは赤毛の男) (あのサーヴァントとの戦いで霊体をひどく酷使したせいでその存在は漂うように虚ろになりかけていた。しかしここで消えるわけにはいかなかった) よっ そんな格好で寝たら今度こそ風邪引くぞシノ (呼ばれれば、呼ばれずとも主の下へ。いつもと変わらぬまま現われ瓦礫を手に) -- セイバー
- ………。
そう思うなら毛布のひとつくらい持ってから来なさいよっ…えほっ!ごほっごほっ (まるで居間のソファで注意された時のようないつもの声に、同じくいつものように返答する。ただ、少しばかり口から血が垂れてしまった。) (敵英霊に斬られ、全身傷つき腕や膝は骨を見せ、敵マスターに首を斬られたシノは既に死亡しているはずだったが、余分な程に完全な妖精の度重なる治癒により止血と今に至るわずかな命を保っているようだ) -- シノ
- 寝相悪いからどっか飛んでいったんじゃないの?上着で我慢しなさいな
(手袋で口元から垂れた血をぬぐうと着ていた制服のオーバーコートをかけて) (瓦礫を除け終え全てが見えると...わかってはいたがこれはもう、助からないなと悟った) よっ こいせ........それじゃ、まぁ....帰りますか (シノの足元から首元までコートで隠すと下から抱き上げた) -- セイバー
- んぅ…しょぅがないなぁ……それで、我慢したげる…(口調では渋々だがコートの感触に表情が優しくなる)
うん……家で、こうちゃ、のみたい…(抱き上げた身体は冷たい)
ねえ………怒ってる、かな。勝手に、こんなこと、して…(抱かかえられ、ぼやけた視線でスレインをみつめたまま呟く) -- シノ
- 偉い偉い。どうせすぐ家に着くんだからそれまでの間だし。俺も茶が飲みたいわ....
(瓦礫を踏み分けてあの屋敷に向かうが早足にもなれず飛ぶこともできず) 怒ってる。けどまぁ....いつものことでしょ、こいつは。言ってもまた同じことするんでしょ(やれやれとつぶやきつつざくざくと歩いていく) -- セイバー
- ぅー…だって、だってね?マスターに見えたの。すっごい隙だらけだったし…小さい子に見えたし……だから、倒せたら、聖杯に近づけると思って…
それにね、わたし、聖杯で叶えたい願い、見つけたの!昔の事思い出せたの。あのね、わたし…っ (興奮した面持ちで首を持ち上げ言葉を続けようとした瞬間、激しく咳き込み血の塊を吐き出す。肩を震わせ苦しそうに呼吸をし、顔を青くする) ………ごめ、ん…。うわぎ、よごし、ちゃっ…た…(困惑と恐怖をはらんだ弱弱しい表情でスレインをみつめ謝罪を口にした) -- シノ
- ....上着なんて洗濯すりゃすぐ元通りだからキニシナイデいいのよ。それよりまぁー色々驚く報告ばっかりだねシノ君
叶えたい願いと......昔のこと? (咳き込みに足を止めそうになったがそれでもまだ続けようと歩き続けて。上着の袖でシノの口元を拭う。妖精のお陰もあるから最後まで好きにしてもらおうと) -- セイバー
- ぁ…ぇ…う、ぅ。うん……………
わたしの、パパと、ママの居る世界を思い出した、の…。ここじゃない、世界で、ここの技術じゃ帰れないから、聖杯の力が欲しいって、心から思って…それで… -- シノ
- 生き別れ?そりゃ....どうやったって帰りたいよなぁ....まぁ20年?いたんだからもう少し落ち着いて進めてもよかったと思うけど
帰ったら喜ぶと思うわよご両親。親子ってそういうもんなんでしょ?言ってたじゃないのさ。あの本とかでもさ(借りた本の拍子を思い出しつつ)-- セイバー
- ぃや…はやく会いたいもん。思い出したら、もうそれしか考えられないんだもん…。
ちゃんと読んでたんだね…うん、そういうもんだよ…あなただって…ぁ、あなたの、りょぅしんのはなしは、でんしょぅ、なんだっけ…? 変なの…寒いのに、寒くなくなって、きちゃった…(視線が更にぼやけ、スレインを見ていないかのようになり、顔が青く白くなっていく) -- シノ
- 伝承?まぁどうでもいいか....終わったことだし。
シノ君それは寝冷えというものだよ。宿も見えてきたしもう寝ちゃいなよ 起きたらご両親に会えるんだから今は寝ておきなさいって(別に変じゃなくて眠たいだけだろうといつものように続けて) -- セイバー
- はぁっ…はぅ……はぁ……ふぅ。
そだね、じゃあ、このまま、寝ようかな…(目を閉じる。震えが止まり、楽な表情。いつものように眠りはじめたように見えた…)
(少しの沈黙。スレインが二十歩ほど歩いた頃) (目を閉じたまま)ねぇ…スレイン。わたし、もう、死ぬ、かなあ。(いつもの口調で呟いた) -- シノ
- (宿を前にしてピッタリと足が止まった。返事に困った。どうしようもなく困ったが)
そうなるなぁ.....でもほら、まぁ夢オチみたいになるんじゃない?お話でよくある感じで目が覚めたら元の世界ってのが定番でしょ、こいつはな (王道でしょといつものように答えて) -- セイバー
- …起きたら、パパとママが目の前にいて……「うなされてたわよ」と、心配してくれて……かな?ふふ…そんな定番、そんな王道、お話だけ、だよ。
わたしは多分、物語の、脇役で…読者の、知らないまま、消えていく、の……
ごめんね…さいごまで、ダメな、マスターで…あなたの、あしで、まといだったね… -- シノ
- いいじゃないか似たようなもんだろうしさ....若いんだからもうちょっと希望を持とうよ
....たとえどんな役だろうと覚えている人がいる限り消えないさ、こいつがな 戦いなんてどうにでもなるし!.....もろもろ全部ひっくるめて楽しかったぜ、うんうん最高だよシノ君100点をあげよう -- セイバー
- えへへ…あり、がとぅ……満点だぁ…
あなたが覚えていてくれるよね……なら、しんで、も…きぇな、ぃ……
そだ…さいごに、贈り物、したげる… 我が…サーヴァントよ…シノ・インテシュタッドが令呪をもって命ずる(シノの身体から令呪の力が生まれる。奇跡さえ可能にする、圧倒的な魔力が) あなたが望む、聖杯戦争をして(具体的な命令ではない命令は力を具現せず、力は散って消える) 重ねて、令呪を、もって命ずる……ここまで、きたんだから、絶対勝って、聖杯を手にしてね…(再度霧散する、令呪の力) さらに重ねて、令呪で命ずる……っ!あう、ぐっ…ぁ…ぅ…(喉に血の塊がつまり、咽せている) -- シノ
- どんなことがあっても消えないし、消させはしない。
ああ、わかっている。(頷き聞き届ける) 最初からそのつもりだ(続けて答えて頷き消えていく魔力を見ずに) シノ?!....くそっ水があれば.....(もう どうしようもなかった。シノの口元に耳を近づけ残さず聞き取ろうと) -- セイバー
- (しばし咽た後苦しそうに血の塊を出した。それはもう、シノの体内の一部にしか見えない)
(か細い声で「ごめん」と上着をまた汚した事を謝り…)令呪で命ずる………ぎゅって…だきしめて(今にも消えそうな細い細い声で最後の令呪を行使した) -- シノ
- (上着のことなんてと答えようとするが)......!(はっと目を見開いた後、泣き出しそうになったが歯を食いしばって耐え)
(消えそうな今でも出せる力を振り絞って ぎゅっと、抱きしめた) -- セイバー
- あったかい………あたた、かく、て……きもち、ぃ………
あれ…スレイン…?あれ、あれ……あ、れ…ぎゅ、してもらっ…てた、のに………すれいん、居る…? (目から光が消え、聴覚も触覚も感じれなくなり…) ぅ…っ、ぅぅぁ…ぁぁぁぁっ………ぁ…
……………(涙がこぼれ、嗚咽にならない嗚咽を出し、シノの命が消えた。) -- シノ
- ......ごめん。本当にごめん。もっと早く駆けつけられたはずなのにもっと早く助けられたはずなのにもっと
もっともっと...生きていられたはずなのに幸せになれたのに......ごめんよシノ...護れなくて、帰してあげられなくて....本当に.....ごめん..... (主の涙を拭い目を閉じさせると、誰もいない宿で誰も聞くものがいない後悔の念と懺悔を吐き出し続けた。) -- セイバー
- 最近俺実はセイバーではないのかとか思い始めたわけだから感を取り戻すためにサーヴァントとちょっと戦ってみようかなと思うんだよ(妖精と相談しつつ紅茶飲む) -- ランサー?
- そういうのはマスターに言いなさいよマスターにっ(テーブル下から首だけ出して) -- シノ
- 許可がなくとも出撃するのがサティスファクション・ウォリアー。ていうか言ってどこがどうなるんだシノ(行儀悪いなおいと紅茶を淹れて) -- ランサー?
- 意味解らないっ。…相談すればその、名案とか浮かぶかもしれない…じゃない(テーブルにあご乗せたままで紅茶飲むのを断念して普通に座りひとくち) -- シノ
- 好き勝手やるってことさ。いや、ほら呼び出されたときの都合上どういう席に座るはずだったのかとかわからないのよね。神槍だったヴァユキリーはともかく剣聖だった俺がなぜランサーなのかとか....前の姿ならまだしも今はなあ。ここはひとつ戦ってみるのが一番かなあって -- ランサー?
- そう言われれば、いつも使ってるのは剣だったね。ふーん…あれだね、自分探しの旅みたいなものだねっ。 -- シノ
- そそ。剣の使い方なら自信が....いや、途中でこう歪められたに近いような....まぁセイバーならセイバーでいいし、バーサーカーならバーサーカーでいいし....なー(妖精の顎を指先で撫でつつ) -- ランサー?
- サーヴァントのクラスが変わってもあなたのままならいいけどね……あ、いいな、妖精さん触らせてよぅ。むしろスレインの代わりに妖精さんと一緒に戦わせてぇ。 -- シノ
- 流石にそうそう変わったらたまったもんじゃないな....あーこれはダメダメ(妖精を懐に潜らせて)こいつは俺の心臓みたいなもんだから代わりに戦ったりで万が一があったら困るんでね、こいつが。陰陽師の時も修復二〜三時間かかったし.... -- ランサー?
- えー、いいでしょ、心臓でも何でも可愛いんだからー。わたしあの痴漢みたいに酷い事しないもん。握りつぶしたりしないしっ。 -- シノ
- 魔力源なんですからもっとこう.....まぁ、いいか(いってらっしゃいと懐から出すと宙に浮く妖精) -- ランサー?
- わぁーい。さっすがスレイン。話がわかるぅー!よーせーいさーんっ。(ハグしようと近づきながら) -- シノ
- (ふよふよと浮きながらシノに近づいてハグされる妖精)まぁ...そのまま適当に遊んでてちょうだい。ワシは寝るよ.....んんん -- ランサー?
- はぁーい、おやすみスレインっ。わたしこの子と寝る!寝る!ねー。(妖精の顔見ながら) -- シノ
- (孔雀の羽のような結晶をした羽を煌かせシノの周りを浮遊する妖精、その反面ぐったりしているサーヴァントだった) -- ランサー?
- あの鎧ってぇ、もうなくなっちゃったの?それとも呼べば着れるの。
戦いになった時身を守るものがないと大変そうー。 -- シノ
- 呼べば着れる!しかも今ならなんと二種類ある!内側の封印に回す分の魔力削ったからそういうのもできるんだよね
宝具はさておき、戦いにおいて身を守る物って大事だからな〜怪物相手なら特に。毒ガスやら人体に触れると危ないものを発生させるやつとかいるし。兜にはそういうの対策がきちんと施されているんだぜ、こいつがな(ポンと兜だけ出して) -- ランサー?
- なんで二種類もあるの。そこはおしゃれする所じゃないでしょ。
意外に色々考えてるんだ…どれどれ(兜をぺたぺた触ろうとして) -- シノ
- 生前使ってたのと、死後使ってたのだな。後者はあまりこう、見せられないよ!的なものがあるから....戦闘時以外はだせんね
それ以外にも外装にはきめ細かく退魔術が刻んであるから魔術使いや霊子兵装なんかは大体が防げるってな。魔王とも遣り合えるから俺が着てやってみたかったんだが.....(魔法使わなきゃ別にあぶなくないよと差し出して) -- ランサー? &new{2009-08-14 (金)
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