シィナ 巨人騎士
- (コンコンとドアをノックし)シィナ、だっけ……話がしたいの。少しでいいから。 -- シャノン
- (緊張した面持ちで武器の整備をしていたところをノックされてにゃあ!?と声が出る)
………。……!?(恐る恐るドアを開けると、そこには、予想だにしなかった顔がいて、言葉が次げなくなった) -- シィナ
- (前髪を切り、ポニーテールに髪型を変えた少女は柔らかく微笑む)
……あなたに一度…会っておきたくて……迷惑、だったかしら? -- シャノン
- ………(恨み言を言われると思って、顔が真っ青になって硬直している)
……なんで。……なんで、今、わたしに、なの……?(中に招くという発想が出てこずにその場で聞いてしまう) -- シィナ
- ………。(真っ青になって体を硬くするシィナを前に困ったような表情で)
……あなたを責める気は…ないから……(その場で話し始め) ランサーは……セイバーと戦って…満足していたわ……きっと……だから。 (ぺこりと頭を下げ)……ありがとう。あなたにも、セイバーにも。 -- シャノン
- (霊体化して控えていたが、礼を言われれば現界して)
ウム。ランサーは、稀に見る強者であった。俺も、満足だ。……こちらこそ、ありがとう (真摯な言葉に、にこりと笑って対応する。少女から、どこか戦いの時よりもすっきりとした印象を受けながら) -- 巨人騎士
- ……でも。でもランサーは……私のせいで。(自分の胸元を握る)
……私のせいで、いなく、なったのに。(動機が高鳴る。そうか、自分の胸を締め付けていたのは) (ほかならぬ、シャノンへの。シャノンのあの悲痛な叫びへの、罪悪感だったのか) -- シィナ
- ………。(巨躯の騎士へ自然な笑顔を返す)
ええ……私はランサーを、あなたたちとの戦いで失った、わ……(膝を折って視線の高さを合わせ) でも、恋は失っていない。(前髪で隠れていない眼。真っ直ぐにシィナを見つめる) ランサーが残してくれたものは…確かにここに残っているの……(胸に手を当てて)だから、大丈夫。 (平気、とは言わない。しかし彼女は確かに『自分は大丈夫』だと言った) -- シャノン
- (拳を合わせたあの男なら、マスターを必ずやよい方向に導けるだろうと、半ば確信していたようでもあり)
(恋、という単語以外にはほぼ驚いた様子をみせず、薄く笑って頷き、再び霊体化する) (これ以上、自分に出る幕はないだろう) -- 巨人騎士
- ……(心の存在を、記憶の中の誰かだけを支えにしていくほど、自分は強くない)
(だから、完全にシャノンと思いを共有することは、不可能だろう。だから疼痛は消えず、胸はいつまでも痛い) ランサーは、強かった。(でも、少しだけ分かる。自分がセイバーを誇らしいと思うように、彼女もまた、ランサーのことを――自分以上に) すごい、強かった……! 強かったよっ!(文の前後が繋がってないことを、精一杯伝える) -- シィナ
- ……うん。(まだ完全に振り切ったわけじゃない。だからこそ、涙がヒトシズク流れた)
ランサーは……私の…誇りよ……(立ち上がると背を向けて)あーあ…… 泣かないつもりだったのに、な。(自嘲気味に呟いて)ね、シィナ。 セイバーを……自分のサーヴァントを大切にしてあげてね…? あなたが……あなたが覚えなきゃいけない、あなたたちの黄金の伝承なんだから――― -- シャノン
- うん。(それは、即答。すでに、そのことに迷いはない)
(自分がセイバーを選んだこと、セイバーが自分を選んでくれたこと。そこには偶然という一言で片付けられてしまうような奇跡しかなかった) (ただ、そこから歩んできた今までの道のり。それだけは、誰にも譲れない、自分の伝承) (現実のメガではなく、自分と共に歩んでくれた、パートナーとしてのメガ・ミダイスキ) (だから、泣かなかった)もう、私は泣かない。 私は、セイバーと一緒なら、絶対に勝てるから……っ! 無駄にはしないよ、ランサーも。……シャノンの想いも。(頷く) -- シィナ
- (振り返って微笑む)…ありがとう……シィナ…
(それ以上の言葉は不要だった。そのまま歩き出していく。この施設から出て行くために) (敗者に戦争での居場所などないのだから――シャノンは立ち去っていった。決して振り返らずに) -- シャノン
- ……うん。ありがとう、シャノン。(笑顔は、まだ返せない。緊張したままの顔で、頷き、言った)
セイバー。私勝つよ。絶対勝つ。 もう、この戦いは、私だけのものじゃないもん……セイバー、二人で、二人なら、私は頑張れるから! (戦争前の緊張は、断固たる決意となって、力強く固まった) -- シィナ
- (少年のサーヴァントと相対したセイバーと別れ、ドアを閉める。俯き、小さく溜息を吐いてから、ベッドに寝転んだ)
(疲れる。気張るのも、緊張し続けるのも。何よりも、あの一回戦の相手――シャノンといったか、彼女の鳴き声が、まだ耳に張り付いていて) (震える。自分の夢のせいで誰かの夢が犠牲になることは、誰よりも覚悟していたはずなのに) (生で見る、別れ。他人の夢が潰える瞬間は、思った以上に少女にダメージを与えていた)
(どんな夢だったのだろう) (どんな想いで聖杯戦争に臨んだんだろう) (どんな会話を、サーヴァントとしたのだろう) (考えれば考えるほど、思考は泥沼へと嵌っていく) (枕を深く被り、考えまいとしても、思考だけは止められない) -- シィナ
- (自分がダメにしたもの)
(自分が踏みにじったもの) (その二つを、本当の意味で知ることはできないけれど。それは想像するに余りにも重く) (震える。自分の不埒な夢は、例えばそのつぶれた夢の上に載る価値があるのか) (自分の独善は、他者に唾吐く行為でしかないのではないか) (生まれて初めて、自分の願いに、思いに、疑問を、そして並々ならぬ恐怖を覚え始めていた) -- シィナ
(幸福な家で生まれ、不幸に育っただけの自分が、他人の夢を虐げる権利など、どこにもない) (誰も自分の存在を許してくれなかったように、自分の罪も、また誰も赦してくれない) (小さく、震えが来た) -- シィナ
- (侍のセイバーとの話を終えて、自分たちの部屋へと帰ってくる)
(中へと入れば、主はどうやら布団に潜っているようで) (……無理が祟ったか。それは、心身の両方への危惧) 大丈夫、か(労るように、声をかけた) -- 巨人騎士
- (もぞもぞ動く布団。どうも中で苦悩しているらしく、しばらく、ぐー、だの、んー、だの聞こえてきて)
(むく、と本来の就寝時とは逆、足のほうの布団の隙間から顔だけが覗く。多少疲労が色濃い) うん……。(生返事)あのサーヴァントとは……? 何にもされなかった……? -- シィナ
- (やはり、と少し憂いを帯びた瞳で見る)
ウム。あれが、次の対戦相手だ。……得物を見せ合い、よい戦いをしようといって、別れた (これだけではないのだが、聖杯への疑惑の話などするべきではない。伏せておいた) ……疲れているなら、寝たほうがよい -- 巨人騎士
- えっ。 じゃあ……そう、なんだ。(また、そのタイプのサーヴァント)
(正々堂々勝負をして、また……どちらかが痛みと苦しみの末、この世から――消えるんだ) ……大丈夫。昨日も、ちゃんと寝たから。 ねえ、セイバー、一つ、聞いていいかな……。 もしサモが、聖杯戦争から、聖杯戦争を、降りるって言ったら……セイバーはどうするの……?(巨躯を見上げて、布団で芋虫状態になった少女は尋ねる) -- シィナ
- 主が、心からそれを望むというなら――是非もない。
(発せられたのは、即答、そういっていい、淀みのない回答) 俺は、主を死なせてしまうことさえなければ、それでいい。 それが、主の選択であるというのなら、受け入れるまで、だ (シィナに向けられた、真っ直ぐな視線が証明する。本気だ) (この男は、それでいいと、そのために己が犠牲になっても構わないと、そういっている) -- 巨人騎士
- なんでっ、どうしてっ!? だって、消えちゃうんだよ。
(がばっと布団から出てきて勇気を振り絞る)死……んじゃうんだよ、サーヴァントは。 勝手にサモが呼び出して、勝手にサモがあきらめて、それでセイバーが受け入れるって。 そんなの、おかしい……(何が間違っているかを、指摘できない) (指摘できないから、服の裾を掴んで、俯く) -- シィナ
- よいのだ。俺は、それで。
今いったとおり…主を死なせないこと。もとより、それが俺の望みなのだから。 (大きな掌で、そっと主の頭を撫でて、笑う) (サーヴァントは、いずれ聖杯戦争が終われば、消えてしまう定め) (望みが叶って消えるのならば、それで本望。悔いは無いと、それはそういう回答だった) (しかし、そこには「ただし」と、例外が付されることになる) ただし。主が、心からそれを望むなら、だ。 俺のことは気にするな。――主は、心の底から、本当にそれを、聖杯戦争の棄権を望むか。 -- 巨人騎士
- (その覚悟は、何度問い返しても本物だということを知るだけで)
(優しく撫でる手も、その瞳も……すでに覚悟を持ち合わせた者のそれだと、今の自分にも分かる) (だから、言わないといけない、自分の、本当の気持ちを)
わたしは……勝ちたい……(ぼろぼろと、涙が流れる) すごく、自分勝手で、人っのっ、夢をっ、だめにっするっほどのっ…っぐ……夢じゃっ、ないけどっ……。 うえっ……どっ、うしてもっ……叶えっ、たいっ……んだっ……もんっ……。 一度っ……でっ、いいからっ……死んじゃったっ……おとうっ…さんとっ……おかあさんっ……にっ……頭っ、頭、なでて……。 (断続する嗚咽が、少しずつ……聖杯戦争に臨んだ真意を語る。本当の願い、自分の浅ましい、独善的な……両手で数えて歳が足りる少女が心から望んだ――願い) -- シィナ
- (泣き、咽び、語られる想い。父母の愛を求める、少女の純粋な願い)
(それは、哀切で、切実で。この男の胸を打つ) (それがただの独善だとしても、一体、誰がこの少女の想いを否定することができよう) (薄く笑って、掌をそっと外す。そうしてとったのは、契約の時と同じ、跪く姿勢) 主よ。今再び誓おう。 その無垢なる想いに応え、我が主に栄光を。その手に父母の無償の愛を。 (誓句は続く。それは静かに、詠うように) 我が名はメガ。メガ・ミダイスキ。 我が真名において、主がために、我が身の全てを捧げんことを――今此処に、誓う (少女の明かす真意に、男は真名を以て応える) -- 巨人騎士
(ぼろぼろと涙が流れる。そんな風に。自分を見てもらったのは、初めてだったから) (真名を明かし、契約主として認める。対等な人間だと認められることは、生まれて初めてだったから) (本当は、威厳を持って、姉のように、父母のように、傅く従者に高らかに宣言したかった) (でもだめだ。自分は、どうしても……涙も嗚咽も抑えきれない) せ、セイ……め、メガっ、わたっ、しはっ……うまっれたっ、ときからっ、いら、っ、いらないっ、子でっ……っ でもっ……がんばったっ、んだよっ、がんばったんっだけっどっ……ぜんっぜんだめっ、でっ…… ほめっ、ほめてっ、もら、えないっ……ままっ、おとうさんっ、もっ、おかあさんもっ……じ、じこでっ、死んじゃってっ またっ、セイバーみたいなっいい人にっ迷惑っかけてっ……きらめ、諦めっ、っちゃったらっ もうっ、二度と、二度と、がんばれっ、ないからっ…… だからっ……わたし、がん、ばらないと、がんばるっ…… 頑張りたいっ……!!(泣きながら、自分のサーヴァント――メガ・ミダイスキに向けて) (それは、あるいは自分に向けて) (奮い立たせるような、そんな叫びを、思い切りぶつけた)
(それは、柔らかな笑みに生まれて初めて受け止められた――本当の意味での自分の我侭だった) -- シィナ
- シィナ……ここか(コンコンとドアをノックしてから)
あ、どっかで見たことあるちっこいやつか。えーっと次の依頼同行する、本城 ケンマだ。よろしくな。 ……って別にとって食ったりゃしねえから、そんな威嚇すんなよ。飴でも食うか?ほーれほれ。(ミルキーを差し出して猫を呼ぶような感じでひらひら) -- 剣馬
- セイ(笑顔が、一瞬で曇る)……バーじゃない。(哨戒に出た自分のサーバントだと思ったらしい。角まで逃げてふかーっ!と威嚇する)
なによ。いらないもん、帰って。自己紹介なんてしないもん。(ふいっと首を逸らす) (菓子で篭絡できると思われたことに腹を立て)ばかにすんな!(枕をケンマに向かって四つ投げる) -- シィナ
- うわっ、うちの妹よりわがまま一直線な奴初めて見た……。あーもう、悪かったよ、謝る、ごめんな、すいません。
っと……!おい!こら!やめろ!?(右手左手でキャッチ、右足で、リフティング、最後の一個は胴で受けた)あのなー……そんなんじゃいい結果出せねえぜ。 俺は対戦相手じゃねえし、お前のことも知らねえけど、冒険中もこんなだと先が思いやられるぜ。(枕を纏めてベッドへ放り投げて) 勝ちたいんじゃねえのかよ、此処に居るってことは。……せめて利用できるもんは利用しとけよ、アドバイスだ。 -- 剣馬
- よけーな世話よ!謝ってもゆるさないんだから!絶対仲良くなんてしないから!
あんたばかじゃないの!いい結果って優勝のことでしょう!それ以外、全部(息を呑んで)全部……だめになっちゃうんだから) うるさいうるさい!あんたにいわれなくたって、サモは勝つもんっ!セイバーがいれば勝てるもんっ!ぜったい、絶対にあんたみたいな適当なやつに負けたりなんてしないっ! へらへら笑って、一回戦で相手の夢を潰しておいて、なんでそんな笑ってられるのよ!! -- シィナ
- こっちこそこんな跳ねっ返りお断りだーっつの!!じゃじゃ馬チビスケが!(べろべろべーと大人気ない)
馬鹿はどっちだバーカ!!もしかして……お前、後悔してんのかよ? 相手の夢を潰して、サーヴァントを倒して、絆を奪って。(一回戦の相手のことを思い目を伏せて)それでも……それでもなァ、それらを全部背負ってでも叶えたいものがあるからだろッ!! いいか、これは勝負なんだ、お遊戯じゃねえ。命がかかってる、それは俺もお前も同じで、サーヴァントだって……同じだ。例え仮初の体と魂でも、同じなんだよ。 背負える気がねえなら、覚悟がないなら、……辞めとけよ、こんな事。この後、辛い思いをするのはお前だぜ、勝ち進めば進むだけ、重荷は増えていくからな……。 それでも諦められないってんなら、必死になって背負えよ。それが負けた奴への手向けだ。じゃあな、来月の挨拶がしたかっただけだ、喚いて悪かった。(邪魔したな、と去っていく) -- 剣馬
- ……だったら、最初っから仲良くしようとなんてするなっ!(べしっと締まった扉に向けて枕を投げる)
うー……あいつ、絶対ゆるさない、絶対絶対ゆるさない。 (じたばたじたばた) -- シィナ
- シィナ様、一回戦勝ち抜きおめでとうございます。引き続き聖教会では皆様のサポートを続けさせて頂く所存にてございます -- シスター・シモーネ
- (憔悴した顔で、びくっと杖を持ち上げる)……(相手がシスターだと分かると、力なく杖を下ろす)
うん…(言葉短く言うと、そのままふらふらとソファに座り込んだ) -- シィナ
- (どこへ行っていたのだろう、数刻部屋を外していたのだが、袋を提げて帰ってくる)
(普通の人が持てば少しは重そうに見えるだろうそれも、この体躯からするとひとつまみだ)帰った、ぞ -- 巨人騎士
- (軽くうとうととしてたところに、帰ってきたセイバーに飛び起き)おかえっ……良く戻ったわ、セイバー、喧嘩とか売られなかった?
ん。にもつが増えてる、おみやげ?(後ろにとととっ、と回り込んで見上げる) -- シィナ
- 平気だ(にこりと笑って)どうやら知った顔がいるようだったので、少々挨拶に、な
ウム、土産、だ(食材の山に、菓子の包み)菓子はサービスだそうだ -- 巨人騎士
- ……? 知った、顔?(どこかもやっとした)……そうなんだ。(どこかしょんぼりとお菓子を受け取り)
……(じろじろと色んな角度から見て)だいじょうぶなんだよね? その人は、セイバーの、お友達か何かなの? -- シィナ
- 学友に、ソーニャというのがいた、というのは、この間話したろう。彼女が、サーヴァントとして召喚されていた(声に、何かの感情の微粒子が混じる。憂い、だろうか、この先出来れば当たりたくないという)
そういうわけで、少し買い物を、な。見ての通り食材と、今度の対戦相手の情報だ。……あちらのサーヴァントとは、一度、顔を合わせておこうと思っている -- 巨人騎士
- (それは、昔の話をしたときと同じ声色で、どこかもやもやする)そう。……ふうん(一枚取り出してぽりぽりと食べる。甘いはずなのに、あまり味がしない)
対戦相手、そっか、はじまるんだね、聖杯戦争。(寂しげで、それでいて確かな意思の篭る目で確認する) えっ、それって、セイバー一人でってこと?その(がさがさと組み合わせ表を取り出し)シャノン、っていうのの、サーヴァントと。 -- シィナ
- (視線を合わせ、重い頷きを返す)そうだ。……少々、確かめたいことがある。あるいは、そのサーヴァントも…学園の関係者である、可能性がある
それに、対手の力量と人格を推し量るのも、戦いにおいては重要なことだ (食材を手に、部屋に備え付けの小さな台所に立ち、あれこれと、どうやら料理を始める様子) -- 巨人騎士
- ……!? って、いうことは、セイバーが、ええと、セイバーの元のセイバーが、ここにいた頃の……オトモダチって、こと?
…っ。(あっさりと、すでに戦う方向に気持ちを切り替えてるサーヴァントに、少し動揺する。自分も、同じ意見のはずなのに、その情報は……何故か聞きたく、なかった) ……(セイバーの後ろ、ベッドに腰掛け小さく黙り込む。気づかないようにしていたはずの、敗退=サーヴァント消滅という危機感に、友人同士の戦いという要素まで加わり、頭の中をぐるぐると回っている) -- シィナ
- 安心しろ。元の俺は目立つ方だったが……顔の広い方では無かったからな
相手が顔を知っているというだけ、という可能性の方が、むしろ高い(ソーニャの言動からして、恐らくこちらの正体は割れている。とすれば学園絡み、ランサーというクラスであること、その正体に自分が直ぐには思い至らないことを考え合わせれば……いくらか下の代のS科、とまでは当たりがついていた。さて、声を交わしたことがあるかもあやしいところだ。語っているのは、事実) (少女が沈黙する間にも、その手に小さすぎる包丁を操り、食材を切っていく音が聞こえてゆく) -- 巨人騎士
- (でもそれは、心を許せる相手が、本当に誰もいない自分にとっては……それこそ聖杯に願ってでも欲しい、他者との繋がりだというのに)
(他者との繋がり。人から認められること。よくやった、頑張ったと、誰かに褒めて貰いたいという、欲求。……どこかと置くに、セイバーの独り言の余蘊分析を聞きながら、包丁を握るには小さすぎる手が、ぎゅっと自分の服の胸を掴む) でも。……セイバーは、サモの、サーヴァントだから。(それはまるで自分に言うように口の中で呟く) 勝ちたい。うん……勝ちたい。(セイバーと)勝ちたい。(その料理をするために小さく丸めている背中を見ながら、言った) (その姿に、小さく笑ってしまう)ぷっ!……セイバー、すごい、かわいい。なにそれ。(小さい道具を使って料理をしているのが面白かったらしい) -- シィナ
- 任せておけ。誰であろうと、手は抜かん(少女の幼い望みの声、意志を示す声。笑みを返して頷いた後、続く言葉に、照れる)
(あらためて自分を見直せば、ちょうど人間の大人が、3歳児用のままごと玩具で遊んでいるような塩梅) (照れ隠しに、頭を掻く動きは、髪にも触れずに宙を掻く。料理中なので)昔はしたのだ。体の成長が台所を追い越してからは、その機会もあまりなかったが -- 巨人騎士
- (その動作は、照れてのものなのかという疑問が沸いたところで、決壊する)あはははは、すごい、包丁、すごくちっさくみえる!(ここに来て、ずっと張り詰めていたものが零れるような、笑い方だった)
あ、でも上手なんだね。すごい。刃物だか、ら、か……な。(切った野菜を持ち上げてみると、よほど力加減が必要なのか、皮で繋がっていた) あはは、おかしい……! あっ、サモも手伝う、うちではこういうの、魔法がやってたからやったことないの。(適当な座椅子を持ってきて、キッチンに並ぶ) (まだ、少女は気づいていない。自分の心に溢れる、温かさの正体を)……何を作ってるの?これ。(切れてなかった野菜を手で千切りながら) -- シィナ
- (心の底からの笑いを、初めて聞いたかも知れない。聖杯を求めるといっても、年相応の少女なのだと。優しい気持ちになり、眉尻が下がる)
魔術による自動調理、か。便利な術だ(切れていないのを指摘されれば、照れ笑いが重なって、ちょっと変な顔になる) ウム(快く頷いて)カレーだ。野菜を刻み終わったら、玉葱を炒めるつもりだったが……玉葱はじっくり炒めた方が美味い。 では、俺が玉葱を炒めている間、野菜の続きを頼もう。刃物は慎重に扱うのだ(細々と、包丁の扱い方を教える。丁寧で思いやりある教え方) -- 巨人騎士
- カレーっ。すてきっ。あたし、じゃない、サモ、自分で作ったカレーなんて食べたことない!(ぽん、と両手を合わせるテンションが上がる)
たまねぎはじっくり炒めるのね。(頭の中にメモする。同年代に比べて、物覚えはいい)すごいな、魔法使いなのに、カレーを自分で作れるなんて、私知らなかった。 こう? こうで合ってる? 左手がこう。うん。あっ、切れた、切れ……てなかった。あはは!(セイバーと同じだ、と笑う。教え方が上手いのか吸収が早いのか、徐々に様になってくる調理) -- シィナ
- (カレーは出来てくるもの、少女のそんな認識に、その育った環境への興味を湧きたたせながらも)料理は本来人の手で行うものだ。材料と、道具と、技術さえあれば、どんなものでも作れよう
ウム。まな板を少し擦るように、最後まで遠慮なく切るのだ(教え方はどこか手慣れていて、どこかに懐かしんでいるような空気があって)上手いぞ、その調子、だ (料理を誰かに教えるなど、学園では無かったこと。未だ語られざる過去の一部を垣間見せながら、調理は進む、穏やかな時間が、和やかに過ぎてゆく。戦いに身を投じている最中というのに、親子のような一時を過ごす) -- 巨人騎士
- (やがて料理をする音は、鼻を擽る匂いに変わる。目の前で初めて魔法を見たような笑顔で、鍋を見つめる)
(セイバーが料理を運び、食卓に置いた。カレーの鍋の蓋を開ける)……わぁ!(思わず、声が出た) (鼻を擽る香辛料の匂い、特別な具材も、高い食材も使っていない、ただ自分たちが作っただけのカレー) (でも、少女にとっては生まれて初めてで……注ぎ分けられるカレーが目の前に来ると、スプーンを手に持って、セイバーに目配せした) -- シィナ
- (炊いた米を皿の半分によそって、もう半分にカレーを注いで、配膳する。空腹と期待、最後のスパイスを加えるがごとくにもったいつけて、ゆっくりと)
(そうして、少女が目を輝かせるのを見れば、いささか眩しそうに頷いて、手を合わせる) いただきます。(その言葉は、いつだって変わらない) -- 巨人騎士
- (大きな手と、対照的に小さな手が合わさる)
いただきますっ。(その言葉は、少女にとって誰かと言うのは初めてで) (束の間、あるいはそれこそが彼女にとって、何にも変えて得がたい幸福であることを) (誰も知らずに、誰も気づかずに、幸福は食卓はただそこにあった) -- シィナ
- こんにちはシィナさん お時間、ちょっとあります? -- アルス
- なによっ…。ないわよ、仲良くしたいっていうのならお断りだものっ。
(つーんと顔を逸らして早足に横を通り過ぎる) -- シィナ
- 時間がないんなら仕方がありませんね また来ましょう(残念そうに笑うと、あっさり帰っていく) -- アルス
- (一度だけ振り返り、その後姿をじーっと眺める)
(後ろから攻撃されないか警戒してから、再び廊下の先へと走っていった) -- シィナ
- (確実に力をつける目的で連携を強化するため、迷宮を進んでいく最中。背後には沢山のスケルトンの残骸)
(殲滅戦も大詰め、最後の一体が大きくその手のハチェットを振り上げ、シィナ向けて振り下ろそうと空洞の眼窩をシィナに向け) (勢い良くその手斧を振り下ろす)……セイバーっ! -- シィナ
- (後衛に残ったアーチャースケルトンを相手取り、僅かに距離が開いた瞬間だった。振るわれる凶刃が、このままでは絶対に命中すると思われた刹那)
(結果から遡り、因果に割り込んだような。そんな絶妙のタイミングで、セイバーの巨体が、手斧とシィナとの間に『出現』する) (―――『その背に守るもの』。主を守護せんとする、堅固なる意志の顕現)ムンッ!(その巨剣を以て斧を弾き、間髪入れず振るわれた拳がスケルトンを粉砕する) (一瞬の緊張の後に広がる静寂を経て、口が開かれた)大丈夫、か -- 巨人騎士
- (拳の一撃で舞う骨片が、迷宮内の明かりに照らされてパラパラと散った)……あり、がとう。(命を直接狙われたので思わず本音がこぼれ)
ちがう、良くやったわ、ありがとう。うん。本当……セイバーって強いのね。 ……いっこ、聞いていいかな。ふくせい品って、セイバーは言ってたけど、本当のセイバー、セイバーの元になった人も、これだけ強かったんでしょ? ……その、昔の話って、聞いていい、のかな。友達、とか。(口の中で、サモ、そういうの、いないしと呟く) -- シィナ
- サーヴァントにされた分だけ強化されてはいる、が…この程度の相手ならば、大差ない。(ゆるりと、気配を探る。周囲にもう動くものは無い)
(静かに、語り始める。消え入るような呟きに、孤独を透かし見ながら)そうだ、な。……俺の元となった人物は、生まれた時は北方の…湖畔の小さな街にいた。俺は、半分は人間だが、半分は巨人だ。 15の頃には190cm近くにもなって、巨人の血を誤魔化しきれなくなった。偏見の強い地だったのだ。 故に、寛容なこの街に越してきた。…勉強は続けたかったが、学費も無かったので、冒険者を育てるという学園に入学した。そこなら、冒険に出て学費を賄いながら学ぶことができたのだ 友人といったが……俺の人生で最も友と呼べる人物が多かったのは、その時期だ。 ルームメイトのサイラス。悪魔にして商人のソーニャ。他にも、ロック、ラシヤ、デュラル、M科のクラスメート達……。 一番仲がよかったのは、やはりサイラスだろうか。後に男と結婚したと聞いたときは、肝が冷えたが(複製品のはずなのに、己のことのような語りになって。とめどない懐かしさが身を襲う) -- 巨人騎士
- どうりで。サモは、多分小さいほうだけど、それを抜きにしてもセイバーは大きいもん。大きすぎる。
学校、か……いいな、きっと……楽しかったんだろうな。(次々に出てくる名前と、今までにない饒舌さに頷き、話を聞く) ……男の人、同士で、結婚できるんだ……!?(10歳の僅かな知識の中に同性婚という言葉がショックと共に強く深く刻まれた瞬間だった) ……いいな。羨ましい。……セイバーは、強いもん。皆、頼るよね。サイラスさんも、ソーニャさんも。皆。(自分は、弱いから、誰にも頼られず、いつも一人ということを言外に呟く) でも……だから、聖杯見つけて、セイバーと聖杯見つけたら、みんな、サモを……そんな風に頼ってくれるかな。 -- シィナ
- (喋り終わった頃に、いつになく多くを語ったのに気付いて、少し照れたような表情を浮かべる)
主も、望むのならば通うことが出来るだろう。(僅かに目を閉じ、呟く) ……どうだったろうか。頼り、頼られであったと、自分では思っている。各々、得意な分野というものはあるものだ(純粋に、弱い、強いではないと答えて) そうだ、な……少なくとも、賞賛はされるだろう。……主よ。聖杯への願いは、何だ -- 巨人騎士
- それでも、今サモを助けてくれてることのように、他人の役に立てるのは、その、うらやましいとおもう。
あっ、むきむきになりたいとかじゃないんだからねっ! 頼るには、頼られないと、頼れないから……(ぼそぼそと) サモは、見返してやりたいの……ずっと、サモは落ちこぼれだったから。 聖杯で叶う願いよりも、聖杯戦争っていうのを制して、聖杯を手に入れることが、多分お父さんやお母さんがサモを認めてくれるための……唯一の方法だと、思うから。 でないと……力がないと、誰とも、友達に、なれないし、仲良くなれない(昼間だって、自分が弱く怖いからという理由で他の参加者を拒絶したことを思い出す) -- シィナ
- ……そうか(互いに友と呼ぶには、信頼されるに足る力が必要だと、自分はそれを求めると、いっているのだ)
(主ほどの年齢ならば、親の、教師の、大人の庇護下で、ただ温々としていて何ら恥じるところがない筈であるのに) (それなのに、聖杯を巡る戦いなどに手を出すのか。力を求めんがために…否、それは手段に過ぎぬ) だが、主よ。友を得るのに、力など……要らぬ。俺は、そう思う。 サイラスには未来予測の魔眼があったが、そんなものがあるから奴と友人なのではなかった。 特別な力などない、ごく普通の子供達も、俺の通っていた学園には多くいた。彼らもまた友だった。 必要なのは、心だ。互いに信じようという心。力あるもの同士でも、それが無ければ友たりえないし、力なきものでも、それさえあれば友足りうる。 (結局のところ、この少女は、ただ孤独を埋めるために、戦いに身を投じたのだ) (だとすれば、負けられない。少女の思いに出来る限り応えようと、そう思った) -- 巨人騎士
- (正直セイバーの言葉が、まだ少女には理解できなかった)
(セイバーを召喚したこと、そして力を貸してくれること、それすらも召喚、契約という関係での対価を支払っての関係だ) そう、なの、かな……うん。 (ただ、生まれて初めて得た他人との、密な交友で、一つだけ信じられるものがあるとしたら) うん、じゃあ……ちょっとずつだけど、セイバーのこと、信じてあげるわ。 感謝なさい。……感謝してくれると嬉しいな?(なぜか小さく笑われたので何よ!と鞭で叩きながら迷宮の先へと進んでいった) -- シィナ
- (今は理解できなくても、いずれわかるはずだと信じて述べた言葉だった)
(帰って来た返答に、にこりと笑って、叩かれながら)ああ、感謝しよう(信を得られたことへの、小さな満足の笑み) (こちらからの信頼も、示すことが出来ねばならぬ。そう考えながら、迷宮の奥へと歩を進めるのだった) -- 巨人騎士
- こんにちはー えっと、対戦相手じゃないみたいなんでふつーに遊びに来ました
マスターのアルスといいます ベルといい、若いコの参加が多いですねぇ あ、よかったらコレ、お土産です(カップ入りのぷちショートケーキを2つ差し出す。毒などは何も入っていない) -- アルス
- ……何よあんた。でもこのすんでるとこに来れるってことは、参加者なんでしょ。
だったらサモはいらない。持って帰って。(つん、とした態度で視線を反らさず言う。右手は杖を握る) -- シィナ
- えっ、ちょっと待ってください!? 帰りますっ、帰りますからそういうのしまいましょ…っ?
サモ…? -- アルス
- サーヴァントも連れずに、私が小さいからってばかにしてるでしょ……。あんた今回で負ける気なの?
もし次にサモとセイバーと当たったときに、そうやって笑いながらたたかえるの!? 仲良くなんてしたくない! 帰って!(部屋の窓の方に逃げながらぶんぶん杖を振る。魔法とかは特に出ない) -- シィナ
- してませんって! サーヴァントならそばにいますっ あなたのそばにだっているんでしょう?
……笑って、戦いますとも 誰も命を落とさない戦いなんですから 負けても、相手の願いがかなうよう応援したいです 誰かが聖杯を手にしたら、それはもちろんお祝いしますよ ……すみません それじゃあ(帽子を脱いで頭を下げると、家へと戻っていった) -- アルス
- (悔しそうに歯噛む)そんな、聖杯がなくても叶うような願いしか持ってないマスターに、ぜったいに負けてやんないんだから。
自分勝手に、誰かの夢を踏み台にしないと叶えられないから、これは聖杯戦争なんだから……! (ようやく、膝が震え始める)……セイバー。早く帰ってきてよ、セイバー……(見回りに出たセイバーを思って、部屋に厳重に鍵を掛けた。後でセイバーも入れず翌朝部屋の前で寝てたという) -- シィナ
- (迷宮内を進んでいたが、不満そうな顔で壁に凭れ掛かる)なんなのよ、ここっ……広すぎるしっ……もう疲れたっ。
変な虫はいるし、暗いし、モンスターも出るし、足痛いし、荷物重いしっ……!(背負っていたバックをどさっと置く。中は魔術道具)セイバー、これ持ってっ。 -- シィナ
- (一方で平然と歩を進めていたサーヴァント。歩幅に差がありすぎるのでペースを合わせて、だが。足を止めて)確かに広大では、ある。些か窮屈な作りだが
(辺りには魔物の気配などはない。多少の休息は平気だろうと判断しながら)俺が、荷物ごと主を背負った方が、早いのではないか? -- 巨人騎士
- それは、ほんとーに疲れたときだけにする。戦うとき、振り回されて怖いもん(現に何度かの迷宮の化け物を相手にした戦いでかなり酔った)
(自分すら背負うという、巨躯のサーヴァントを見ながら)……ねえ、セイバー、なんでセイバーはサモの呼びかけに答えたの? えっと、叶えたい願いがあるのよねっ? -- シィナ
- (降ろせばいいのだが、召喚系の罠など、その余裕もないことがあった。それに気遣って動きを控えても逆に危険だ。素直に頷くことにした)
あるといえばあるのかもしれない。が……所詮俺は複製品、だ。 願いが叶ったとして、本物にとってみれば、それは……己の力で叶えるべきものが、他人の手によって、突然、完璧な形で与えられることになる。そんなものは喜ぶまい。 ……だから、呼びかけに応えたのは、願いを叶えたかったからではないのだ。 そこに助けを求める弱き者がいたならば、その声に応えずには居れない。結局、そういう者なのだ、俺は(そういって、にこりと笑った) -- 巨人騎士
- (笑顔と言葉に眉根を寄せる)でも、セイバーは、セイバーでしょう? 複製でも。今、ここに、いるし。
(?の浮かんだ顔で)サモには、それは、よくわかんない。叶えたい願いがないなんて、セイバーは変わってると思う。 サモは……どうしても叶えたいこと、一杯あるのに。(そこだけ視線を落とし、ぼそっとつぶやくように言う) あ、でも助けてもらいたくないわけじゃないよ? でも、セイバーは、多分強いんだから、きっとサモと組むよりすごい魔術師と組めたはずなのにねって。 なのに、助けてくれるの? -- シィナ
- そうだ、な。変わり者だとは、よく言われる。(この表現も、先ほどの言に照らすならばいささかおかしいのだが。彼なりの諧謔のようだ)(子供が一人で、望みを抱き戦いに身を晒す。そこにどんな事情があるのか。それが如何様な願いなのか、すぐに問うことはせずに)
無論だ。……俺を喚んだのは、主の実力だ。其処に、疑いの余地は無い -- 巨人騎士
- (やはり、まだ理解できないという顔で)……うん、じゃあ、分かった。もう聞かない。
それに、あんなに強いんだったら、きっと……サモがほしいもの、一杯持ってると思うし。 サモは……聖杯を手に入れて、みんなに自分の実力を、みとめてほしいの。 (セイバーの方を向き)セイバーが言うように、セイバーを呼べたのが、サモの実力なら、サモはなんとしても聖杯がほしい。 うん、だから、行くよ、セイバー。まだ戦いはもっと先みたいだけど、なるべく実力とコンビネーションつけないと、勝ち残れないからねっ(ぴしぴしっと鞭で床を叩き言う) -- シィナ
- (実力を認めてほしい。それだけではないのだろう。召喚のとき、『一人でいるのは嫌だ』と、そういったのを、セイバーは確かに聞いていた)
(少女の、幼いが故に純粋な願いに応えずにはいれなかったというのは、確かに一つの理由ではあったのだ) (だが、それだけが理由というのでは……従者として戦いに身を貸すに、余りにもエゴが足りない) (主たる少女はそのことをいっているのだろう。だが……それをはっきりと伝えるのは、余りに憚られた) (だから、押し隠したまま頷きを返す)ウム。……行こう、主よ(応えて、またゆっくりと足を進める。片腕には魔術道具の詰まるという鞄を持って) -- 巨人騎士
- サモン・マイ・サーヴァント --
- (詠唱と共に、身体が軋む。身の丈に合わない召喚魔法は、齢が両手で収まる少女にしては、広く、大きく)
……お願い、せいこう、しろっ……もう、私は、一人でいるのはヤなんだっ。 (最後に両手を地面に押し当て、魔法陣を閉じる) ……火よ。氷よ。雷よ。光よ。闇よ。流転で描く五稜星。 万物の根源にして、事象の基礎也。 ……お願い、出てきて、最強のサーヴァント、クラス・せいばーっ……!(光が溢れ出した) -- シィナ
- (溢れた光は、集い、纏まり、やがて姿を成す)
(現界したのは―――巨人だ。一目をして、そう思わせるような) (その存在は、跪いて尚見上げるほどに巨きく、纏う甲冑は、血の紅に黒の縁取りが物々しく) (背には、巨躯に見合った巨大な剣。少女が願った通りの、それはセイバーのサーヴァント) (岩肌に刻まれたような顔面に光る双眸は鋭く、彼を呼び出した少女を見据えて) (厳かに、深みのある低音が響く。厳めしく、どこか優しいバリトン) 問おう。願いを抱き、聖杯を求むる者、我を喚び、主たらんとするは汝か。 -- 巨人騎士
- やっ(たっ……! と一瞬涙が滲みそうになり、慌てて手で拭う。首を振り、改めて自分のサーヴァントを見上げる)
(雄雄しい身体。巨躯。巨大な剣を背負った、まごう事なき、自分の望んだ、セイバー) (これさえいれば、力があれば……わたしは)………!!(問われていることに気づき、立ち上がる。立ち上がってセイバーの顔に向けて指をさす) そうよ、サモが、サモが呼び出したんだからっ!! サモが、一人でっ……! だから、主だっ! ……だから、言うことを聞いて、一緒に、聖杯を、手に入れて……! 叶えたいの!(叫ぶように、バラバラな言葉を紡ぐ) -- シィナ
---(少女の必死の誓句を、巌のように受け止めて、応える) 諾。 (緩やかに間を置いて、言葉を次ぐ) 此処に契約は成った。我はセイバー。三騎士が一、最優たる剣士のサーヴァント。この背に主を。面に敵を。害為すところの全てを阻み、我が主に栄光を。 (少女の小さな手をとり、誓約する。『その背に守るもの』は、ここに)守り抜こう、我が主。今度こそ、最後まで -- 巨人騎士
---………(余りにも上手くいきすぎ、余りにも理想のサーヴァントなので若干怯みながら手を取られる) う、うん。よ、よろしく。じゃない、えっと、頑張りなさいよ、セイバー。 ……(見上げる。自分の三倍くらいありそうなセイバーをじろじろ) (見上げて、ちょっと離れたところから見ようとして、下がりすぎて壁に後頭部を打つ。ゴンッという音) (痛くてうずくまる)大きいっ! 大きいのよっセイバー! その、ちょっと指示遠くなりそうね、背負ったり乗せたり、できる? -- シィナ
- 無論だ(答えたところで、主が頭をぶつける。苦笑して)すまない
(3m近い偉容が立ち上がり、近づくと、シィナをひょいと拾って肩に乗せた)これでいい、か -- 巨人騎士
- お、っとと。うわ、思ったより、高い。……でも、これ疲れないしいいかもね。
よしっ、じゃあ、このまま出発、あ、でも、気をつけてね、もう敵いるかもしれないし(びよびよセイバーの頬を引っ張りながら) -- シィナ
- (2階よりは少し低いかといった高さ)あまり頬を引かれると、喋りにくい(困ったように眉が動く)
……心得た。では行こう、我が主(頷けばゆっくりと、彼らの物語の一歩を踏み出した) -- 巨人騎士
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