冒険者/0060
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- しばらく会いに来れんかったが、どうじゃ調子は?(久しぶりに顔を見せて) -- ガイン
- 良い……
(ちらりと髪の向こうで視線を向けると、見知った姿に早い返事を返した。ごくごく端的なものだが、考える時間をそこに挟みはしない) (そして、ケースと一体になったタイプライターの上で、忙しく指先が踊っている。楽器としてみなされることもある、小気味よい音が響いていた) -- アルベロ
- ほう、ほう、ほう。何か書いておるのかね?(タイプ先が気になり、目を向ける) -- ガイン
- 小説……小説家、だしな……
(その言の通り、どうやら小説らしかった。しかし合間合間に注釈や、その時考えていることや、行き当たった改善点なども書いてあり、下書きであるらしい) (そのせいでもあるだろうし、もともとそういう文体なのか、かなり密に文字がつめ込まれている。ところどころ誤字脱字も見受けられるが、そこは下書きということだろう) -- アルベロ
- そういえば、おぬしはそうじゃったな。(何度か話している内に知りえた情報だった)
ふむ、ふむ。今回は、どういう物語なのかのう? -- ガイン
- 都市史……のようなもの。
(注釈や丸括弧、その他の覚書などを読む限り、多くはその都市の設定に関わることのようだった) (一人の長命種がとある特異な環境の都市に隠遁し、その目を通じて都市のあり方について記していく形のものらしい) ……好きなんだ……こういうのが。 -- アルベロ
- ほう、ほう。(概要を聞くと、何度か頷き)この街には、長命な者も多いでのう。
色々取材すれば、有用な意見も聞けるやもしれんぞい? -- ガイン
- そうだな……
(指を止めて、伸びをした。首を回して、肩を揉んだ。背もたれに背を預ければ、置いておいたコーヒーに手を伸ばす) だが……俺も長く生きてはいる……エルフだし…… (口元に笑みを浮かべて) それでも、若いほうかも……だけど…… -- アルベロ
- ほう、ほう。そうであったか。いくつくらいなのかの?ひょっとしたらワシより年上かもしれんぞ。(そう笑って)
//うっかり遅くなって申し訳ないです… -- ガイン
- かもな……
(頬杖をついて、しばしの沈黙。やがて口を開くと) ……俺が若者……そちらがジジイ……そういう間柄でいいんじゃないか……? -- アルベロ
- //良いのですよ。気になさらず。 -- アルベロ
- ふふ、それもそうじゃな。うむ、おぬしも分かっておるのう。(そう嬉しそうに) -- ガイン
- (にこりと、口に笑みが浮かんだ)
……少し、休憩だ。 -- アルベロ
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- あれからどうじゃ、調子は。(前と同じカフェにて、老人が現れる) -- ガイン
- (カフェにこだわりはない。こだわりがないだけに、同じ店に来ることもちょくちょくある)
(それだけにこうしたことも、時々あるものだ。彼は顔を上げた。指先でペンを遊ばせながら、適当に散らかした紙を見下ろしていた) ……良い (言葉短く、彼は答えた) -- アルベロ
- それは何よりじゃ。(散らかした紙を覗きこもうと) -- ガイン
- (とりとめのない、断片的な物事の数々が、そこには書き表されていた。あるいは物品であり、あるいは出来事であり、あるいは人のことである)
じじいは……? (それらを隠すでもなく、男は尋ね返した。『カフェで会う男色の男』と、紙に書き足された) -- アルベロ
- ワシか?ワシは色々と楽しんでおるよ。(そう言いつつ、書き足された紙を見ると)
ふむ、少し違うのう。ワシは「両方」じゃからな。(笑ってそう言った) -- ガイン
- (少し沈黙した後、先に書いたことを消すでもなく、『カフェで会う両性愛者の男』と書き足した)
そうか…… (ペンを回す。頬杖をついて、ペンが止まると、指に絡ませたままカップを取る) 俺も楽しんでいる……今も。 -- アルベロ
- うむ、うむ。それでええよ。(満足したらしい)
そうかそうか。おぬしもワシの事を少しは分かってきたかのう? -- ガイン
- ……どうだろう。
(たしかに彼の人となりは、幾らか知ることが出来た。しかしそれをわかったかと自認できるかは、些かばかり自信に欠ける所である) 難しい……それを、語るのは。 -- アルベロ
- ふぇっふぇっふぇ、真面目な男じゃのう。それに不器用じゃ。今時珍しいのう。(ニヤニヤしながら青年をじっと見て)
じゃが、それがいい。 -- ガイン
- そうか……
(どこか遠くを見るように首を傾げた。不思議そうにするような風でもなく、感心するような雰囲気さえある) どうにも……喋り続けるか、とぎれとぎれか……どちらかになる。 話すにもこう……物語が、必要だ。多分、だが……。 -- アルベロ
- 誰でもそういうもんじゃよ。話題無しに喋る、というのも大変じゃろう?
物語、というのは些か大げさじゃがな。それとも、何か面白い物語でも語ってくれるのかの? -- ガイン
- 物語を綴るのは俺の生業とするところだが、それとはまた違うところだな。
(油をさしたように、その口がなめらかなものになった) そう、なんというか。話の流れを想定するんだ。そしてその想定を前提にして話をする。俺がこう話せば、こう答えが返ってくる……んじゃないか、みたいな…… (そして油が切れたように、言葉遣いは元へ戻った) ……興味あることなら、滑りも良いんだが…… -- アルベロ
- (その姿を見て、大層嬉しそうに)なるほど、なるほど。おぬしという人間がワシにも見えてきたわい。
残念ながらワシがおぬしの想定通りに毎回返せるかは分からんが、アドリブというのも楽しいものじゃよ? (そう言うと席を立ち)次に会う時は、おぬしの興味のある事、というのをじっくり聞かせてもらおうかの。 では、またなアル坊。 -- ガイン
- アドリブ……苦手だ。
(ごまかすように、カップに口をつけた。自分のこうした面を見せると、毎度のことながら恥ずかしくなる) まあ……色々あるが。今は……また。 (去りゆく背を見送った。そしてまたペンを回して、紙に走らせ始めた) -- アルベロ
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- ほう、ほう。(小説家の青年がカフェで食事を取っていると、その前に一人の老人が座る)
うむ。中々にええ身体をしておるのう、兄ちゃん。それに少し見えづらいが、優しい目をしておる。 (ニヤニヤ顔で青年の顔を見つめて)どうじゃ兄ちゃん。暇なら、ワシと今晩。 -- ガイン
- (カフェの一時は憩いの時間。自然な賑わいは集中力を掻き立てる。ミルクティーをすすってしばしの黙想にふけっていた時)
……(急の相席者に顔を上げた) (わっ、びっくしりた) (顔には出さなかった。いや、出なかったが、前髪の奥から相席者に視線を注ぐ) (若く。小さい。と、見えるからといって、それを鵜呑みにすべきではないとも知っている) 今晩……? (可能性は脳裏を過ぎる。しかし一応、確認は必要であろう。尋ねた) -- アルベロ
- おぬしも子供ではあるまい。言葉どおりの意味じゃよ。
…とはいえ、ぶしつけではあるわな。暇ならジジイの酒につきあってくれるだけでも構わんぞ。 (悪意のない笑顔で、青年に告げる) -- ガイン
- ……茶なら。
(実際子供ではないし、その意図するところもわかる。まさかその追認が来るとはと、些か驚きもあるものだが) (ひとまずのところ、そう返した。酒のもたらす思考の短絡が、思いがけない境地に至らせることも知っては居る。とはいえ、好むところでもない。なので、短くそう返した) -- アルベロ
- ふぇっふぇっふぇ、奥ゆかしいのう。じゃが、それもいい。
名は?ワシの事はジジイでええぞ。 -- ガイン
- アルベロ……
(名乗りを返す。ちょうど近くを通りがかった店員を捕まえ、もう一つのカップを頼んだ) ジジイ……わかった。それで……そういう趣味が? (茶でもいいということで一先ず気楽には成ったものの、先ほどの発言が気にならなくなったわけでもなし) (臆病な男だが、好奇心は強い。異性に対してシャイなところを見せもするが、かと言って避けているかといえば否である) (そこへ、相手はどうにも男のようだ) -- アルベロ
- アルベロ。ふむ、古い言葉で樹木という意味じゃったかのう。おぬしに合った良い名じゃ。
うむ、うむ。ワシは男でも女でも、気に入った相手なら性別は選ばんでの。 じゃが性的な事だけでなく、こうやって話をするだけでも年寄りには癒しじゃよ。 (言葉遣いも物腰も老人そのものだが、子供の様な笑顔でそう話す) -- ガイン
- (肯く。自分でも好いている名前であり、それを知る人が居るのは嬉しかった)
なるほど…… (ガインの前に置かれたカップへ、ポットから注ぎ込む。慣れた手つきである。よくよく口にして楽しむのだろう) そうか……話し下手の……アドリブ効かないが……それでいいなら (話せる内容であれば事前に言葉を用意しなくともいけるものだが、今のところはわからない。けれども、彼にガインとの話を拒む様子は無いようだった) -- アルベロ
- ふふ、そうは言うが…その茶を入れる動きで分かるわい。話をする事自体は好き、じゃとな。
そうじゃのう、ではワシの話からしようかの?(自分の昔話を冗談交じりに話しつつ、相手に話題を適度に振る) (そんなゆったりとした時間を楽しむと、老人は満足して帰っていった) -- ガイン
- 7月2週目(6月4日)19:00から海水浴場で海開き!!
大人数が遊べる砂浜から、大部屋宿泊無料の旅館、ミスコンの開催も予定されています!! 楽しみたいあなた、モテたいあなた。この夏は海へ急げっ!!
(…というチラシが配られている 質問等は相談所まで、と末尾には載っている) --
- 海……
(彼は遠くを見た。良いかもしれないな、と思いつつ。これに行く暇はなかったな、とも思った) -- アルベロ
- インドアはのあなたにプレゼントです(発情薬を振り撒いていく) -- (・w|
- (ううっ、これは!)
(男は内心で唸った。一見して木石のようにも見える男だが、キチンとたぎるものはたぎる) (男はバイクを走らせた) (どこかで発散しよう、と……) -- アルベロ
- (銀髪紫目の流れ者ハーフエルフが、チラシを差し出してくる…)
(タウンマップと冒険依頼の受付所の案内のようだ) -- 依頼遂行中のナサ
- (なんだか僕に似てる人だ……)
(そう思いながら、彼は受け取った。見たところハーフエルフで、髪と言い眼と言い同じ色の相手に対する親近感が勝っていたが、手に持ったものに目を通す) (なるほど、そういうチラシだったのか。じっと見つめて、彼は頷いた) ……うむ。 -- アルベロ
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- チラシが投げ込まれた!
花見?のお知らせ! きたる4月(22日/日曜日)19:00より桜華祭りが開催されます 美味しいお団子、お酒、リストランテの料理などが食べ放題飲み放題! 花見温泉でゆるり普段の疲れを癒やすもよし!飲めや歌えやどんちゃん騒ぎもよし! ふるってご参加ください! --
- (町に持っているねぐらの一つで、彼は少し驚いた。ボーッと気を抜いていたものだから、僅かの物音が大きく聞こえたのだ)
(チラシを手に取る。キラリと涙を流した。時間が合わなかった) -- アルベロ
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- 冒険者登録に見慣れた名前があると思ったら…何をやってるんだお前(顔を顰めて) -- グレイ
- ……兄。
(あっ、兄だ) (何をするでもなくぼうっと空を眺めていた時のことである。突如聞こえてきた声に内心ドッキリしていたが、その主が見知った顔であるとわかるとすぐに体の力が抜ける) (尋ねごとについては一応キチンと答えがある。それを言えば、多分納得してくれるだろう。だがとりあえず) 『グッ!』 (とサムズアップしてみせた) -- アルベロ
- いや、『グッ!』じゃないから!お前戦うの苦手だろうが!
はぁ…あんなに優しい子がなんだって冒険者に…(頭を掻きつつため息を付く) チェルが知ったら泣くぞ。多分 -- グレイ
- 姉……。
(前髪の下で目を閉じた。瞼の裏に映る姉の一人を思えば、兄の言葉は頷ける) (自分のことについてはよく知っている。兄の言うとおりだ。およそ戦うことには向いていないし、戦う気にもならない) (とはいえ冒険者という肩書がいろいろ役に立つことも紛れないことではあったのだ。何処へ行くにしても、それなりに通用するものである) ……景色を、探したくて。肩書、便利だし……。 -- アルベロ
- …あぁ、なるほどな…(やれやれといった様子で頭を掻き)
昔から好きだもんなそういうの。まー何でもいいけどさ… 今度は、何書くんだ?(と、話題を冒険者以外の仕事、小説の話に持っていく) -- グレイ
- (放浪癖は昔からのことである。臆病な割に持っているその性向がそうした道を選ばせたのだろうと、兄弟が察するのは難しいことではない)
常夜都市…… (質問にはそう答えた。この辺りでは時々話題に登ることもある、古い都市である。明けぬ夜に包まれた、夜の種族が多い都だ) -- アルベロ
- 随分と昔の都市の名前だな…その都市の資料集めをここでするのか?
確か親父の時代にはまだあったて聞いたけど。アイツは知らないのかな いや、そもそも捕まらないかアイツ…(苦い顔して) -- グレイ
- (彼は頷いた。一つのものを見るに際し、外から見る事も必要だし、中から見ることも必要である。この辺りでの活動は、今のところそれを主にしているらしい)
うちの国が出来てから……変わらざるを得なかったとか、なんとか…… (苦笑いを浮かべ、また頷いた。父の行方は知らない。夜の都であるということは、吸血鬼の都でもある。それなりに事を知ってそうなものだが、捕まらないなら何もないに等しい) -- アルベロ
- へぇ、そうなのか…流石に調べてるだけあって詳しいな
暇なんだろ?良ければ少し聞かせてくれよ(傍に座り込む) -- グレイ
- ……かつて常夜都市ナートは名高き夜の都として栄え、蝙蝠人やアルビノ達、そして無論のこと吸血鬼の都であった。
そこに住まう吸血鬼たちはバラを始めとした赤の精気を主に吸い、血は人々の献血に頼って賄われていたが……しかし サンザレイスの勃興に伴い、都市長サバル・パリオンはこれら血液の流通を順次減少していく方向に決定。 国父の名は吸血鬼の界隈に知られるものであり、サンザレイスは国として小さく、常夜都市は都市国家として強大だったが、衝突を懸念しての政治的判断であった。 そして今となっては、かの地の吸血鬼も血とは遠ざかっている……とされている。 (本人としても話したいことだったのかもしれない。調子よく小気味よく、楽しげにスラスラと彼は言った) -- アルベロ
- なるほどね…相変わらず興味がある事に対しては良く回る口だ事(苦笑いして)
何れにしろ戦争にならんでよかったな、って所だが…その話続きあるか? わざわざここに調べに来ているんだし、滅んでたりとか? -- グレイ
- (複雑そうに口元を歪めた。悪い意味合いはそこにはない。関わりの薄い相手であれば恥じ入っていたかもしれないが、身内のことである)
いや……元々被吸血対象の身命を慮って直接の吸血を禁じていた常夜都市ではあったが、献血に依る血液の供給停止令は確かに少なからず波紋を呼んでいる…… 常夜都市はその環境そのものが吸血鬼にとっては好ましい物。反対派は都市を出るよりも都市長の座を奪う動きを見せ、当時の常夜都市はにわかにその治安を乱したが…… 結局のところ転覆には至らず、吸血鬼の長ロード・ネフサーグルも都市長に賛同したため、都市はやがて元の平安を取り戻した……ただ、吸血鬼の数は減ったし、外敵に吸血鬼の顔が多くなったとも……とりあえず、都市は健在……。 -- アルベロ
- なるほどね…仕事が減らんわけだわ(頭を掻いて息を吐く)
ひとつの平和ができればほかの所で乱れるってのは何の因果で皮肉だろうな… ま、兎も角。まだしばらくこの街にいるんだろ?チェルやヴェントにも顔出しておけよな じゃ、そういう訳で(立ち上がると手を挙げて立ち去った) -- グレイ
- ああ……
(その辺りも気になっているところの一つだ。考えている部分でもあるし、興味を持って調べても居る。しかしまだ自分でもまとまっていない。なので言葉もなかった) (うなずいて、また) 『グッ!』 (と親指を立てる) (そしてまた、何ともなく空を眺め始めた) -- アルベロ
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- 迷える子羊ー迷える子羊は居ませんかー(がらがら台車を引っ張るシスター)
うわ、でっか(すれ違いざまに思わず呟いてしまいばつの悪そうな感じに) -- ミラ
- (うわっ、美人だ)
(声をかけられた彼は内心で思った。そして少しドキドキした。彼は大人の男であり、それなりの時間を生きてきたが、美人な女性に話しかけられると緊張する、少年のようにシャイな男である) (しかしそれが彼の鉄面皮に出ることはない。長い前髪の向こうから彼女を見下ろし、通り過ぎて行く姿を目でおって、思いがけずその脚は立ち止まる) (特別宗教に興味はないが、女性に興味が無いわけではない。そして彼女のつぶやきは彼の長い耳に届いていたが、しかし美人であることに気を取られてしっかりと認識はしていなかった) ……なに?(何と言ったのだろう。彼は思わず低く呟いた) -- アルベロ
- (薄明の中、人々は仕事を終え帰ろうとする、それらが行き交う街道でのことであった)
ひいっ! (思わず呟いた男の言葉に驚くシスター、このシチュエーションでなに? と言われたら怒られたと思うも当然なのであった) ごごごご、ごめんなさいっ! 思わず大きいなーって思っちゃっただけでー! 怒らないでぇー! (びくびく) -- ミラ
- (しまった、また怖がらせてしまったぞ)
(こうしたことは彼によってよくあることなので、今更それを表に出すことはない。無闇にポーズを取れば殊更に混乱させるというのも、彼の経験則である) (どうしよう……そう思いながら、彼はざり、と音を立てて振り返った。実際、彼はこういう状況を解決するのに何が有効なのかわからない。こういう時は常に手探りの男である) (それにしても大きいって言ったのか。いつも言われるから良いけど、何はともあれ、まずはやっぱり誤解を解かなくちゃ) ……誤解です (彼は手を広げて前に出し、彼女を制した) -- アルベロ
- げっ、あれは……天地魔闘の構え! (説明しよう! 天は攻撃、地は防御、魔は魔法の三段の無敵の構えである!)
って違うのね……! 良かったぁっ(ほっと胸をなでおろすシスター) いきなり不躾でごめんなさいね。あたしミラよ。貴方は? -- ミラ
- (良かった、通じたぞ。アルベロの口元ににやりと笑みが浮かんだ)
(手探りである分、誤解が解けた時には嬉しいものだ。彼の鉄面皮も、思わず破顔するというもの) (それにしてもミラさんというのか。美人だなあ。内心にそう再確認して、彼は名乗った) アルベロ……カルマ。 -- アルベロ
- (ようやく笑顔になってくれたように見えたので眉も下がるシスター)アルベロ・カルマ。ね……
カルマって凄い苗字ね。何かいわくでもあるのかしら? -- ミラ
- アルベロ・カルマで一つの名前です。
(それまでからは想像もできないような早口が彼から漏れた) いや……その…… (そしていきなり早口になった自分に気づき、一気にしどろもどろになった) アルベロ・カルマで、平穏の木……とか…… -- アルベロ
- あぁそうだったの、早とちりしちゃったわ恥ずかしい! (※はずかしい)
へぇ、良い名前ね。それに、なかなか面白いわねあんた(ふふふと笑い) ああ、そうだ。一応お約束だしやっておかないと……(ごそごそと台車から何やら取り出して) うんしょ、うんしょ(せっせとそれなりの速度で即席懺悔室という名のテントが完成した!) さぁ、迷える子羊よ、入っちゃってー! (手招きする声が聞こえるテント) -- ミラ
- (普通に返してくれることが、嬉しくもあり恥ずかしくもあった。早口で驚かせたらどうしようかと思っていた所である)
……む? (だがしかし、これが宗教関係者というものだろうか。そう思わざるを得なくもあった) (突如として展開されたテントと、それに招く彼女の声に有無を言わさぬ迫力を感じる。というのは、彼の感じ方でしかなかったが) (これはこれで小説家として興味があったので、その大きな体を少し丸めてテントの中に入っていった) -- アルベロ
- (テントの中はそれっぽい仕切りがあって向こう側にシスターがいるようで)さぁ、迷える子羊よ。心行くまで懺悔なさい……
(※これに付き合ったり、罪はないからお悩み相談したり、馬鹿馬鹿しいから出ていくのも貴方の自由である) -- ミラ
- 懺悔……
(宗教に興味はないが、機会としては悪く無い。懺悔、懺悔……心のなかで唱えてみる) (何かしら懺悔するようなことはあっただろうか……) ……ない (彼は断言した) -- アルベロ
- ……えっ、マジ。(急に自信無さげな声に)
……本当にホント? 今まで一度たりとも罪を犯したことはない? -- ミラ
- (重ねて質問されてみると、なんとも自分が疑わしくなってくるものだ)
(ひょっとしたらやっぱりあるかもしれない。だがしかし、思い出せる限りは全部誤っているのである) (兄弟のケーキを食べてしまった時も謝ったし、親の服を汚した時も謝ったし、近所に迷惑をかけた時も謝ったし) ……ある (けれど) 全て済んだ…… (ものだ……と彼は思っている) -- アルベロ
- そう、あんた中々ね。悪いことをしたらすぐに謝る。そうすれば罪じゃないのよ
こんな簡単なこともできない人が世の中には大勢いる。だからあたしがこうして機会を作ってるってわけ それじゃあ、アルベロには必要ないみたいだけどとりあえず形だけ、ね?…… さぁ、神に祈りましょう。そうすれば全て救われ、安らぎを得ることになるでしょう(※神を信じるのなら従ってもいい) -- ミラ
- (彼は頷いた。宗教に興味が無いとはいっても、神を信じていないわけではない。神云々に関しては少々複雑な事情のある家庭ではあったが、彼自身は信じている)
(というわけで彼は祈った。神にと言うか、母にであるが) 母…… (彼はマザコンでないが、母には全幅の信頼を寄せている。いい機会はいい機会であるから、たまには母のため祈ってみるのもいいだろうくらいのものだ) -- アルベロ
- そう、それがあんたの信じるものなのね。家族がいるってのは良い事よ。大事にしなさいな……
(しばしの沈黙が続いた後)はい、おっわりー♪ (衝立がスライドして顔が見えた)ま、あたしこういうことしてるんだけど あんたに入信……と思ったけどさっきの答えを聞いておけば断られそうだからやめておくわ。でも付き合ってくれてありがと! あたしはシスターやってるからさ。もし何かあるんだったら入信と引き換えに手伝ってあげてもいいわ! それじゃあね! (無理難題な事を言いつつ去っていくシスター、辺りはすっかり逢魔が時であった) -- ミラ
- では……
(入信は重すぎるコストであるが、何かあったら相談くらいは乗ってもらおう……言葉を予め用意しておけばスラスラ言えるはずだし、そう手間はかけないはず) (じいっとその背中を見送って、ポケットに手を突っ込んだ。良い時間である。狭間のような時は彼も好むところだった) (それにしても美人だったな……と改めて思いながら、愛車の場所へと踏み出した) -- アルベロ
- セックス! --
- (彼の表情は一切変わらなかったが、内心ではひどく驚いていた。この辺りの界隈はそれなりに行き来していたが、かの有名な挨拶を受けたのはこれが初めてだからである)
(彼とて大人の男であり、今更その言葉を受けた所で恥じ入るようなことはない。世に広くある意味を、彼も共有してこそいるが、そうした時季は遠い昔だ) (なんとなく、彼は嬉しくなった。人によっては驚きや嫌気すら湧く言葉かもしれない。けれどもそれは一種の証なのだ。それはすでに過去となり、自分の記憶が確かかさえさだかではない) (けれどもなんとなく残る喜びがその痕跡なのだと彼は思う。そして、確かめるように呟いた) ……セックス。 -- アルベロ
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