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生前の姿? 「あの・・・ここに来れば、お仕事が貰えるって・・・聞いたんです、けど・・・」 死と隣合わせの、冒険者という職業。何の訓練もしていないただの女学生には、無理な話か。 二度目の依頼。満身創痍の彼女は、目の前でいくつもの肉塊が造られていくのを他人事のように眺めていた。 目の前の獲物を屠り、小雨へと手を伸ばすゾンビの群れ。 反撃するも及ばず、彼女はすぐに、人形のように動かなくなった。 立ち込める腐臭。 目を覚ました彼女は、怪物達に犯されていた。 死んだ人にも性欲ってあるんだなぁ。ぼんやりと考える。 死者。動く死者。なんとも不思議なものだ。いや、そんなに不思議なものか? わたしは本当に、生きていた? 両親が死んだ、あの頃。 葬式を挙げたその日、知らない人達に、いまのように犯されて。 笑うことを忘れ、オシゴトを済ませてただ借金を返すだけのわたしは、本当に生きていたのだろうか? 「・・・ああ。わたしと、あなたたちは・・・おんなじなんですね」 ぼそりと呟き、天宮小雨はふわりと笑った。 犯されて始まった彼女の第二の人生は、犯されることで終わりを告げて。 動くだけの死者達は、今日も元気に動いている。
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