ひとり騒がしい女の子がいました
その子は寂しがり屋でした
騒がしい場所があれば表れ
場をひっかきまわすだけひっかきまわして
迷惑ばかりかけていました
後で悩むこともありました
自分がいることでダメになったこともあったのでは、と
それでも賑やかな所に行くことはやめませんでした
寂しがり屋だったのです
そうしていつもニコニコしていました
楽しかったのです
やっぱり友達と遊ぶことは
楽しかったのです
やっぱり生きることというのは
楽しかったのです
ある日、いつものように冒険に向かいました
もう顔なじみとなったメンバーに
「今日こそは魔導器頂戴ね?」
などと笑いながら話していたのでしょう
いつものように皆と会話を楽しんでいたのでしょう
いつものように怖々暗がりを歩いていたのでしょう
いつものようにおっかなびっくりモンスターを退治していたのでしょう
ただ、最後だけはいつものように行きませんでした
自分の血でお気に入りの服が汚れています
ああ、また新しいの買わないと……。なんていつものように考え
血だまりの中、薄れゆく意識の中、一言つぶやいた言葉は誰にも届きませんでした
「……もうちょっと、遊びたかったなぁ」
半人前のアキラ・アキラ
──黄金暦166年 12月、洞窟探検依頼にて死亡──
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