羽佐間家出身 海空 498109 Edit

http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp025103.pngID:498109
名前:海空
出身家:羽佐間
年齢:18
その他:ステータス/戦歴/冒険中?Edit
企画/洋上学園都市

今北産業 Edit

農林水産部の4年
地味外見
陶芸
卒業した。もういない。

&br; &size( ){ }; &ruby( ){ }; \/ '''' &new{now?};
お名前:
  • ………師匠、ついに俺も洋上を卒業して…ここから離れる事になったっす。
    (あの時の海辺、花を携え、水平線の向こう…海と空の間を、眺めながら呟く)
    …平凡だった筈の俺の人生が、あんたのせいか、エリのせいかは分からないっすけど、随分と波瀾万丈になっちまったっすよ。
    入学してすぐの頃はまさか世界を見て回ろう、だなんて考えに至るなんて思ってもみなかったっすからね。
    (二年前のあの日、羽佐間海空と戦ったのはこの辺り…面影は一切無かったが、身体が何となく、覚えていた)
    (あの時咲き乱れた草木は既に無く…攻防の最中で抉り取った砂浜は既に修復されていて)
    (壮絶な戦いがあったという名残は何処にも無かった)
    …時間が経つのは早いっすね、あっという間だったっすよ。あの時師匠が、そう言った通り…俺とエリは、一緒に歩いて行く事になったっす。
    …改めて誓わせて貰うっす。貴方が授けてくれた、この力と…心。
    信じるものを、愛するものを…護る為に、使わせて貰います。
    (季節外れの蓮華の花束、白い、その花を砂浜にそっと供えて)
    (暫し黙祷すれば…音も無く、姿を消した) -- ジロー 2013-06-11 (火) 00:59:13

    •  
      ──東方で白い蓮華は最も清く美しい華とされている。
      それが彼にとって、君らにとって何を意味するか語るものはいない。
      ただ白浜に引いては押し寄せる波が引いて攫い、その華を海へ。空へ運ぶだけである。
      彼らの旅立ちを見守るように広がり消え散りゆくのだ。
      -- 2013-06-11 (火) 01:09:07
  • 【融合世界─転─】 -- 2013-05-18 (土) 00:48:08
    • 『世界を変えるほどの力か。その願いが転じて生まれ変わった少女の異能は』 -- 2013-05-18 (土) 00:49:07
      • (心中は驚くほど穏やかで、今までにないぐらい落ち着いていた。)
        (とろとろと溶けるように生命が浪費されるのを感じながら、ジローと目が合えば微笑んで)
        ……先輩
        先輩、これでもう全部終わりじゃ駄目ですか
        これ以上戦う必要なんてありますか…?
        (海空へ顔を向ける、そこにいるのは、あの不気味なまでに圧倒的であった存在でなく)
        (自分たちと同じ、ただの人間である羽佐間海空で)
        (こんなことがあってもなお、それでも彼にひょっとして何か、良心のようなものがあるのではないか、と)
        (そう信じて、問いかける) -- エリザベート 2013-05-18 (土) 01:04:32

      •  
         
        いいや、エリザベート。これが始まりなんだ。
        僕が鐘となればよかったんだが君の異能に阻まれたからね。
        計画の通りならこれで終わりなんだろうが…だがね、その必要もなくなったからね。
         
        君が黄金瞳と目覚めたことで計画の最終調整が済みそうだよ。
        僕がやるよりね。君を以って、この計画を完了としたい。
         
         
        どちらにせよ、ジロー君は僕と戦うだろうけどね。
        今度はわかならいかな、今の僕には異能も力もないからね。 -- 海空 2013-05-18 (土) 01:19:47

      • (その微笑みを見れば、頭ではなく心で、何が起こったのかを理解する事が出来た)
        (今尚産み出され続ける生命達と共に、自分にもまた生命が、エリザベートが流れ込んで来る)
        (身体は驚く程に軽やかで。今までに味わった事がないくらい、生命が満ち溢れていた)
        (エリザベートの隣へと並び立ち、薄らと微笑み返す)
        …カッコ悪いっすね、助けに来たつもりが助けられて
        (それが、彼女が望んだ事とは知る由もないが…一つ、願いは叶えられた)
        後悔なんてしてないっすけど。俺は、ここに来て、良かった。


        (反転し創造の力を手に入れたエリザベートと、それを受け人の身へと堕ちて来た海空の邂逅、問答にはただ黙って耳を傾ける)
        (一度は師と仰ぎ、その教えを受けた身だ。彼を、信じたいのは…自分も、一緒だった)
        (しかしその祈りにも似た問いへの返答は…希望とは程遠く)
        (やはり、彼は…一度狂ってしまったモノは、二度と元には戻らないのだろうか)
        (先ほどまで怒りで満ちていた海空への感情は、悲しみにも似た何かへと変わっていた)

        …あんたが何を望むのかは、今をもって理解出来ねえっす。でも…
        その、計画とやらは完了させる訳には行かないんすよ。エリ先輩は、エリ先輩のままでいて貰いたいっすからね。
        その為にも…俺は、羽佐間海空。あんたを、今度こそ…打ち倒す。
        今度こそ、師匠、あんたの野望を…止めてみせる(刺繍の縫い付けられた帽子を脱げば、エリザベートへと渡す)
        …ちょっと血で汚れちまいましたけど、大事なものっすから、預かっといて下さい。

        (そして、彼女を守るように。一歩前へと進み出た) -- ジロー 2013-05-18 (土) 20:20:48

      •  
          
        思想が違えば理解などできないよ。君へ送る最後の言葉だ。
        元より考えの違う者と語り合う必要などなし。それと会い、敵であるあら──
         
         
        汝の拳にて、打ち倒すべし。守るものを守れ。
         
        本当にこれで最後だよ。この体となってしまっては僕も長くはないからね。
         
        その前に君が死ぬか、僕が死ぬかだが…いや、よそう。語る必要などない。
         
        (人に貶められた体であろうと、構えを取る。その構え、忍にして拳術家の…構え)
        (慣れぬ体であろうと、そう機能させていた通りに体を動かす)
        (高速機動、俊足)
        (全ては、決着をつけるために、弟子であるジローへ) -- 海空 2013-05-18 (土) 22:08:09

      • そうっすね、言葉は…必要無いっす。もう、誓った筈っすからね
        (一歩、また一歩、海空へと歩を進め、対峙する)
        貴方から授かったこの力は、守る為に使うって。
        (海空と同時に、構える。それは鏡写しのように、全く同じ立ち姿で)

        ニヤアカマジロー、参る…っす!!!
        (全ては、決着をつけるために、師匠である海空へ)


        (同時に高速機動を開始する、奇しくも同じ速度域に展開された忍同志の世界で幾度と無く、交差する)
        (拳を叩き付け合い 蹴り足をぶつけ合い)
        (お互いの身を、生命を削り合う)
        (言葉は無くとも、ジローにはそれが対話のように思えた) -- ジロー 2013-05-18 (土) 22:21:58

      •  
         
        (名乗りはしない。名前などない、この名前は仮初で拝借したものであり。個の名前も消え去った。)
         
        (ここにいるのは、今対峙している目の前の少年の──師である忍)
        (自覚してからというもの全ては帰結した。そう考えられるようになったのだろう。機能を集約させていたのだからそれも当然である)
         
         
        (戦いは以前有利…いや、拮抗よりも一歩自身が上となっていた。)
        (戦いを教えていた身である故に、軌道の読み、クセ。それらの知識や記憶の残滓は確かに存在していたが故か)
        (また、それは人の身となってしまったが故に自身の力が落ちたせいか?)
        (エリザベートの異能の影響か、これが本来の彼の力なのだろうか?)
        (以前優勢は変わらずとも、決め手にかける攻防…高速機動の拳術、忍術の応酬。今、黄金瞳を持つこととなったエリザベートには…捉えることができるかもしれない)
        (最も捉えたところで、理解できる世界は知れぬが。) -- 海空 2013-05-18 (土) 22:30:40

      • (身体が羽根のように軽い、今ならばどんな無茶な動きであっても、問題なくこなせてしまいそうな程に)
        (自分の知る海空はもっと速かった筈だ、もっと強かった筈だ)
        (そう考える余裕がある程に、対抗する事が出来ている)
        (しかし戦闘経験の差なのか、技術の差なのか、やや劣勢に立たされている)
        (決め手にはならないまでも少しずつ、推され始めているのは事実)
        (この状況を打破する為には、使うしかない。出し惜しみして勝てる相手ではない)

        (【三つ子の魂百まで(ケルベロス)】を発動しようと、念じる…が、しかし)
        ……………!?

        (自在に動き回る、実体を持った分身。操れるようになった筈の自らの異能)
        (それが、出ない。驚愕に、ほんの一瞬、動きが鈍る)
        (その一瞬が、忍同志の戦いにおいては致命傷となり得る事は分かっていた筈なのに) -- ジロー 2013-05-18 (土) 22:43:03

      •  
         
        ──自らの想定外と言う顔だね、致命的だ
         
        教えたはずだ…その時にできる力を全て発揮するには…自身の力を全て把握しなければならないと!
         
        (それがたとえ戦いの最中でも。戦いの中で、むしろ慣れてきたのがこの男である)
        (この男は戦いの最中に高速で学習し蓄積。自らの体を完全に把握した。故に…今なら行使できる)
         

        ──奥義!
         
        千白蓮!
         

        (自らの両手、両足交互、あらゆる身体の稼動と駆動、最速により白く軌道を描く破壊の打撃と斬撃、貫通撃)
        (それはまさしく東洋で最も神聖とされる浄の花、白い蓮華の花の如く!)
        (忍の極められた拳術の奥義がジローへ解き放たれた!) -- 海空 2013-05-18 (土) 22:57:00


      • っ…………!!!!
        (戦いの最中であるというのに、諭すような言葉が耳に届く)
        (その声に我に返り、回避行動を取ろうとするも…時は既に遅く)
        (海空の”奥義”が迫っていた)
        (途切れる事無く、幾度と無く叩きこまれる打撃、斬撃、貫通撃)
        (無数の破壊に身を刻まれながら、その姿を、奥義を行使し自らの命を奪おうとする海空の姿を)
        (場違いにも、美しいな、等と感じてしまって)
        (また、駄目なのか)
        (俺は折角救ってもらった生命で、また…破れてしまうのかと)
        (俺は愛する人を護ることも出来ない、弱い人間なのかと)
        (俺は、やっぱり守られているだけがお似合いの、弱い人間なのかと…)
        (走馬灯のように巡る過去の記憶に、悔しさに、歯噛みして)

        (海空の手刀が、胸部を貫こうとした)


        (その時だった)
        -- ジロー 2013-05-18 (土) 23:22:56



      • 「全く、ジローはまだ俺達がいないと駄目なのか?」
        (沈みゆきそうな意識の中で、声が、聞こえた)
        (それは、ジローにとても良く似ているが少しだけ違う、彼にとってとても懐かしい声)
        「…大丈夫だよ、ジロー。僕達がいなくたってもう、君は戦える」
        (もう一つ、これもまたジローに良く似た声が聞こえた)
        (だが、それはジロー自身も聞いた事が無い声色。だけど、何故かとても懐かしくて)
        「そうだな、ジローは強くなったもんな。」
        (それは、自分の魂の片割れ。遠い昔に死んだ筈の、双子の兄の声)「そうだよ。君は、強くなった。だからこのくらいじゃ、死なないよ」
        (それは、三つ子として産まれる筈だったのに、この世に生を受ける事無く消えた、もう一人の魂の片割れの声)
        「だけど」 「あぁ」 「最後に僕達が」 「もう一回、背中を」
        「「押してやらないとな」」
        (トン、と二つの手の感触が、背中を叩いたように思えた)


        -- ジロー 2013-05-18 (土) 23:23:16
      • (閉じかけていた両の瞼が、見開かれる)


        (ギラリと獰猛に光る、その右の眼に宿りし色は黄金
        (今にも貫かんとされていた、最高速の海空の貫手を掴み唇の端を吊り上げる)

        捕まえたァ…!!!

        (それと同時に、二つの気配が唐突に現れる)
        (海空の腕を掴む、彼と同様の眼光をたたえ嗤う、二つの影が叫ぶ)

        「「奥義………」」

        「「双・千白蓮!!」」

        (それは、海空がジローに放ったのと、変わらぬ奥義)
        (それと違うのは挟撃の形で行われるという事のみ)
        (動きを封じられた海空に、双方から破壊の花吹雪が襲いかかる!!) -- ジロー 2013-05-18 (土) 23:23:39

      •  
         
        (人が、死の間際に浮かべる顔というのは恐怖である。少なくとも自らがここに見てきたものはそれが全てであった。)
         
        (だが、自らは。それとは違い──微笑んだ)
         
        (自らの人でもあり機械でもある無機物と有機物が融合した、歪の体が、双方から挟撃の形で放たれた自らの体を打ち、斬り、砕く)
         
        (そう、全部わかっていたこと。こうして彼によって、彼女によって、彼らによって砕かれるのは)
         
        (全て、この人でもある身となったときに帰結された終末)
         
         
        ──はい、よくできました。

         
        (体を砕かれ、方々を破壊され、血と機械をまき散らし ヒビの入る顔から血を流しつつ語るソレは地に落ちた) -- 海空 2013-05-18 (土) 23:32:01

      • (エリザベートの創りだした、生命に溢れる”世界”に破壊の嵐が通り過ぎた)
        (ソレの傍らに立ち、見下ろすのは、黄金の瞳を光らせる忍)
        (彼が行使した異能は後に【愚か者(ストゥールティ)】と名付けられる)
        (命を落とし、消え去った魂の片割れ達と分け持った【三つ子の魂百まで(ケルベロス)】ではない、彼自身の新たなる始まりを告げる力)
        (反転した、エリザベートの異能の影響下でしか使うことの出来ない”可能性”の異能)


        ………師匠、俺は。俺達は…
        新たな世界なんていう、見えもしないものに希望を託す程この世界に絶望しちゃいねえ、っす
        この世界に産まれたから、俺は、エリ先輩と…出会えたんすから。


        …ありがとう、ございました。(在りし日、手合わせを終えた後に何時もそうしていたように)
        (もう、海空であると認識出来ない程に崩れ落ちた、ソレに。)
        (深く、頭を下げた) -- ジロー 2013-05-18 (土) 23:49:44
      • 先輩…

        (足りない、海空の生命を繋ぎ止めるに今の自分の生命では足りない。)
        (──そもそも、そんなこと望んでもいないだろう。)
        (だからこれは自分の勝手な感傷だ。)
        (頼りになる先輩を自分が勝手に投影して、勝手に信頼して、勝手に裏切られたと思って)
        (こうなってしまったことに、勝手に悲しいと思っているだけだ。)

        (言いたいことは山ほどあった、それでも何一つ言葉にすることができず)
        (言葉に出来なかった思いは涙になって、はらはら落ちる。)
        (彼にとってはきっと何の思い入れも無い、何てことのない思い出が頭よぎって)

        先輩、先輩…
        ……ごちそうさまでした、私先輩の作るごはん好きでした…
        (最後に掛ける言葉にしては何とも情けない、そんな一言を呟く)
        (それから、ジローに倣うように深く頭を下げ)
        …ありがとうございました -- エリザベート 2013-05-19 (日) 00:07:37

      • ──知ってるさ、ジロー、エリ
         
         
        君達が、神であろうと悪魔であろうと、異能であっても。
         
        それが障害に、悪夢に、壁になろうとも
         
        打ち砕き、乗り越え、共に生きていけることを…
         
         
        いや、こうして言葉に表す以上のことをできるのだろう。
         
        言わずとも、エリの新しい反転した異能はそれだけに留まらない。
         
        これから、僕のように狙うものは必ず現れる。
         
        それでも君達ならなんとかできるだろう、今のように。故にこれ以上語る必要など、ないだろうね…
         
         
        いんだよ、これで。これがジロー君の師であり、エリザベート君の先輩ができる最後の役割だ。
         
        今、僕は人となり人として満足している。
        (機械であり、役割として生まれたそれは。望まれた、君達の記憶が、些細でもあった思いが描いてた彼になり、彼の役割を認識し、そうであることを望んだ人となって)
        なんてことない、戯れに生まれた時間も、記憶も、繋がりも(修行、日常、遊び、それらが生んだ彼というものが)
        今ここに帰結し、集約し、一つの流れとなり今の僕が生まれた。その僕が、君達を新たに送り出すことができてうれしいよ
         
         
        だから最後に。おめでとう、そして…
         
         
        ありがとう
         
         
        (そして、その男は。崩れて砂となり、消えた)
        (融合世界は戻る。洋上都市へ…)
        (3月の海の漣の音が、静かに流れた) -- 海空 2013-05-19 (日) 00:21:07


      • (まるですべてが夢幻であったかのような時間が終わって)
        (しかし二人の瞳に宿る光が、あれは現実であったと強く告げる。)
        (未だ異能の暴走が続くエリザベートの足下、砂浜にもやがて緑が芽吹き…しかしそれは花開く前に散って波へ攫われていった。)
        (不死者に成り下がったエリザベートの生命力、どうやら無限というわけでは無かったらしい。)
        (終結に安堵する暇も、悲しむ暇も無く、その場に昏倒したエリザベートを回収しにきたのは)
        (どこで開幕を見届けていたのやら、何とも複雑そうな面持ちで現れたアルブレヒト。)
        (ジローを見るその目にはどこか羨望が溢れていたがそれはまあどうでもいい、全くもって別の話だ。)

        (一般の病院では対処出来ない、との説明だけ残してどこへやら運ばれていったエリザベート)
        (一週間後、ピンピンして戻ってきた彼女の瞳はすっかり翠色に戻っていて…ついでに異能も元通り。)
        (…とはいえ、多少の変化はあったらしい。)
        (だがそれもまたどうでもいい、これからの話だ。)
        (とにもかくにも、これでお話は一区切り。)
        (ひとまずはめでたしめでたし、で締めるとしよう。) -- 2013-05-19 (日) 01:25:22
  • 【融合世界】 -- 2013-05-17 (金) 00:12:44
    • 『融合し、変容していく世界──そこで、二人の少年と少女は』 -- 2013-05-17 (金) 00:14:07

      •  
        勘違いしないでほしいな、エリザベートは新たな世界を生むのであって、犠牲になるわけではないよ。
         
        しかしまた、君の耳にそれは届かないか。虚無衆を倒せる今…僕を倒せる、倒そうと思っている、君にはね
         
        (制服姿の男が高速移動で世界をかける。その速度はゆっくりとジローとの相対速度を詰めていき…)
        さて、どうやって君を壊そうか。君の異能について僕は理解しているつもりだよ、やや面倒だなとね。
        心臓を抜いたら死ぬかな、流石に -- 海空 2013-05-17 (金) 00:17:35


      • エリ先輩に、あんな顔をさせておいて…ほざくんじゃねえ!!!
        (怒りは、沸点に達している。目は血走り、牙のような犬歯を剥き出しにして、高速の世界を、駆ける)
        (その世界に追いついてくるモノ達、海空の配下たる虚無僧達を一人、また一人)
        …邪魔を、すんなぁ!!!!
        (拳で、脚で、肘で、膝で。怒りの赴くままに、それでいて正確に打ち抜いて無力化していく)
        (だがしかし、今の彼は忘れている。何度となく、教えられたであろう、それを)
        (感情を制御してこその、シノビであるということを。荒ぶる力は確かに強くもあるが)
        そう簡単に、殺られると思ってんじゃねえ!!!
        (鋭く、勢いこそあるが。それ以上に、雑となった動きは余りにも隙が多く)
        (速度を捉えた。その拳を、海空へと叩きつけようと振り被り…) -- ジロー 2013-05-17 (金) 00:39:04

      •  
        (その腕が捻じれ外れ、顔から地面を滑ることとなったジローは気づいただろうか)
        (総会長でもある彼の異能、重力をも用いた拳術、忍術は…最小限の動きと、最大の力と効果も相まって)
        (合気、柔、空手などシノビであっても到底作用としては考えられぬほどの力となっていたことを)
         
         
        いけないな、ジロー君。僕はさっきも、いや前から君に言っていたんだけどね。
        忍とは心の刃、心を忍ばすものであり、闇と同化せし者。静なる者であるとね。
        そして、その先にその最中にこそ考え戦うことが勝利への道につながるのだと…
        やれやれ、どうして狂犬になってしまったんだか。
        (ジローが起き上がろうとした時既に遅い。背後、に既に)
        読めるよ、先の先まで
        (振り返ろうと、まず体を動かそうというその姿勢すら崩すように膝を足で打ち抜く)
         
        君はどこからでも戦えるように教えたからね、もうちょっと行くよ
        (糸の切れた人形がもつれあがこうとしたその時にもまた、慈悲なく貫き手がジローの左肩を貫く)
         
        はい、次は内臓(左手で首を掴み、右手で腹を握撃…掴み、捻り差し込み、捻じる)
        (内臓消化器官を破壊しジローの口から壊れたボトルのごとき赤く鮮やかな血液は吐き出される)
         
        これでまず1回かな、いやまだ足らないか。
        結構体力あるんだよね、ジロー君。獣人だけじゃなく異能のお蔭だよね
        (そのまま足掻くジローをエリザベートのところまで引きずり、寄越すように投げる)
        (肉袋が、エリザベートの前に血を漏らす)
         
        はい、これでまず一回目
        (そして、うつ伏せに、呻くジローの背を踏んで。心臓に向かって手刀を差しこむ)
        (アバラを砕き、肉を千切り、心臓を掴んで握り停止させる)
        (ジローはまさしく、一度ここで死んだ) -- 海空 2013-05-17 (金) 00:56:04

      • (取った)

        (そう、思った瞬間の出来事であった)
        (垣間見た、海空の表情を見た瞬間に背筋が凍り付くような悪寒が走った)
        (だが、しかし。それに気が付いたのは時既に遅く。)
        (為す術も無く、叩き付けられる。脳が揺さぶられ、思考力は著しく低下する)
        (それでも立ち上がろうとした、動きを、止めてはならないと)
        (無駄な抵抗だった、そこから先、全ての行動は阻害され)
        (ただただ、蹂躙される)
        (蹂躙される)
        (蹂躙される)


        (意識を失ったのは何処からだったのか、それは分からない)
        (ふと気が付いた時には…恐怖する、エリザベートの姿と)
        (物言わぬ骸となった、自分の姿と)
        (素っ気なく自分を殺し尽くした、海空の姿が視界へと飛び込んできていた)

        (完全なる無意識の下で、異能が発動していた。それは、霊化。自らの内に保管された二つの魂を解き放ち、実体化させる力)
        (一体どの瞬間に入れ替わったのだろうか。自分でも、何が起きたのかが理解出来なかったが…今が好機だと)

        (自分は今一度、死んだ。その反省を活かす。癪ではあるが、海空の言ったその通りだ)
        (氷のように冷静になれ。その怒りの焔は内に閉じ込めろ。)
        (気配を消し去り、無防備にすら見える海空の背へ、迫る) -- ジロー 2013-05-17 (金) 01:19:13

      •  
         
        ──いいね
         
        でも惜しいよジロー君。僕が言ってたことはもう少しあるんだよね。
        (ジローであった死骸に語りかけている?否、ジローならわかる。わかるが遅い)
         
        (虚空から出てきたのはあの鎖!機械の音が、機械の鐘が鳴る鎖が5!いや10ジローの霊体を2体捕える!)
         
        僕がただ、殴った、蹴った、殺したで済ませるような計画を立案し実行してくるか、とね
        (そこにはジローが打ち倒したはずの虚無衆。その編み笠はない、その顔はない。全て…機械!そう、機械の…従者!)
         
        異能を、神を、悪魔を否定し抹消するために来た僕が何の備えも、枝も置かぬと思っていたのかい?
         
        (そして、振り向いた)
        (それもまた、無機質だった)
        (──それの手には、聖なる紐が、打てぬものを、人ならざるものを討つものが巻かれて)
         
        ──残念でした
        (1つを打ち抜く。それは…あっけないほど簡単に潰えた)
         
        さてもう一つだが、そのままだと不都合だろうからね。戻ろうか肉体に
        (鎖に束縛されたままの霊体を掴むとそのままジローの肉体へ強制的に打ち付け霊体を肉体へ戻す)
        (ついで心臓に撃を流し、再びその脈を取り戻させた)
         
        うーん、これだと2回半だね。どう?生きてるよねジロー君。生きてるよエリザベート。
        どうする?最後の抱擁とするかいエリ。 -- 海空 2013-05-17 (金) 01:38:37
      • (自分が何を、どう叫んでいたのかさっぱり覚えていない)
        (気がつけばただ叫び過ぎて潰えた喉、血の味が滲む。)
        (覚えていたところで何の意味もない。何一つ止めることが出来なかったのだから。)
        (ただ子供のように喚くだけで、この指ひとつ動かす事ができなかったのだから。)

        あっ…
        …あ、あ…

        (名前を呼ばれて、ビクリと竦む。)
        (海空の表情はいつもと変わらず、穏やかで今までのこと全てが夢であるようで)
        (夢であったら良かったのに)


        https://lh6.googleusercontent.com/-qlUt2Q0lPSc/UZUWfq8uyoI/AAAAAAAAEwU/eGnmqxgGagk/s804/%25E3%2581%2588%25E3%2582%258A%25EF%25BC%2591.jpg 

        (糸が切れた人形のように、その場に崩れ落ちる。)
        (膝を濡らす血はすっかり冷えきっていて)
        (赤く白く、黄色く、人の体とはかくも色鮮やかなものなのか。まるで現実感が無い。)
        (しかし、ゆるく身体に触れれば指を汚す血が、まだ暖かさの残る感触が容赦なくこれは現実だ、と突きつける。)
        ジロー…?
        ねえ…や、やだ…やだやだ…
        うそ…やだ、こんなの……やだ、いやだよ…?
        (起きて、とせがむ子供のように必死に声を掛ける)
        (全部嘘だった、演技だったと立ち上がって笑って欲しい。そうじゃなければ、これが現実だとしたら)
        (触れたいのに触れられない、抱き起こしたいのに出来ない。)
        (それをしてしまえば今度こそ本当に、本当に)
        なんで…?
        なんでこんな、なんで…
        やだぁ…
        (目の前の現実を拒絶するように顔を覆って首を振る。)
        (それでも消えない、夢から醒めない、顔を汚す血の生臭さがこれは決して醒めない夢だと知らせる) -- エリザベート 2013-05-17 (金) 02:25:57

      •  
         
        ──なぜ?
         
         
        いくつか理由はあるね。僕の目的のため、とか。君の異能が、とか。
         
         
        でも一番大きく占めるものは君もわかっているだろう?
         
        ──それは
         
        ──君が彼を
         
         
        ──愛したからに、他ならない
         
        ──願ったからに、他ならない 
         
        ──望んだからに、他ならない
         
         
        奪ってしまいたいと、願ったからに他ならないんだよ
         
         
        これは、君が望み、来るべくして来たんだ
         
        そうだろう?エリ。
         
        君が願うということはつまり、表現を変えればこういうことなんだ。 -- 海空 2013-05-17 (金) 02:39:24



      • (何かを、感じる)
        (目を見開こうとした…なんでこんなにも、瞼が重いのだろうか)
        (薄らと開いた瞼から見える世界は、霧がかかったかのようにぼんやりと歪んでいて、白かった)
        あれ…なんで………

        (声が、出ない)
        (それどころか、全身が石になってしまったかのように重く)
        (ぴくりとも、動かすことが出来ない)
        (これは、夢…?)

        (また、何かを感じた)
        (霧が、少しだけ晴れてきた)
        …エリ、先輩………なんで、そんな顔を………

        (錯乱しているように、首を振る彼女の姿が目に入った)
        (同時に、少しずつ…思い出してきた。何故、自分がここで、横たわっているのかを)
        (何故、エリザベートにそんな顔をさせてしまったのかを)

        (歯痒さに打ち震えたくとも、身体は動かない)
        (悔しさに脳を焦がしたくとも、何も考える事が出来ない)
        (惨めだった、あんなにも勇み、吠えたというのに)
        (自分は何もする事が、出来なかった)
        (あの男を打倒して…まだ、沢山やりたい事があったというのに)
        (まだ、伝えていない言葉が沢山、沢山あったのに)
        (手を、伸ばそうとする。動いているのかどうか、自分ではもう、分からない)
        (せめて、これで最期だというのならば、せめて…伝えたい事が、あった)
        (潰れた肺にはもう、空気は残っておらず。声は、出せないけどしれないけれど)

        '微かに、ジローの唇が震えた
          なかないで  そんなかおを しないで

        (今にも消えてしまいそうな、命の灯火を燃やして)

          エリ先輩  俺は   

        (薄い白に染まっていた世界が、少しずつ、黒く濁ってゆく)

          あなたのことを  

        (暖かな雫の感触を、指先に感じた)

          あいしています  




        (そしてもう、何も見えない)
        (何も、感じない)
        (その手は、届いただろうか 伝える事は、出来ただろうか)

        (命の火は、静かに…吸い込まれ、消えた)


        -- ジロー 2013-05-17 (金) 22:01:02
      • (そうだ、自分は願い、望んだ。)
        (どこにもいけないように奪い尽くしてしまうことを願って)
        (永遠に自分の中に閉じ込めてしまうことを望んだ。)
        (その結果…、その願いは 望みは…今叶おうとしている。)
        (手を伸ばせば、もうすぐにでも。)
        (彼の心ごと体ごと、異能ごとその生命全てを自分の物にしてしまえるのに)

        (どうしてこんなに辛いんだろう、どうしてこの胸は息も出来ないほどに痛いんだろう。)

        (…そんなこと、もうだいぶ前から気付いている。)
        (私が本当にしたかったのはこんなことじゃない。)
        (相手の未来を奪って、縛り付けて、ただ一人で人形を愛でることじゃなくて…)

        (一緒に生きたかった、隣で笑いたかった。)
        (彼に笑って欲しかったし、幸せを感じて欲しかった、彼に惜しみなく全てを捧げたかった。)
        …でも私にはあげれるものがないんだもの…
        何もないんだもの、何も…
        (彼にずっと笑顔をあげられる自信が無い、幸せだと感じさせ続ける自信もない)
        (容姿だって身体だって、人並み以下だ)
        (際立った才能があるわけでもない。)

        だから…
        だか、ら……
        (しょうがない)
        (いつものお決まりの言い訳をしようとして)
        …ジロー?
        (微かに、目の前のその身体が動いたような気がして)
        (その唇が何かを伝えようとしているような気がして)

        や、やだ…だめ、しゃべらないで…
        (首を振る、何もかも忘れて、こちらへ伸びる手を取った。酷く冷たい)
        (どうしてこれで身体が動くのか不思議なくらいに冷たく、指先まで強ばっていて)
        おねがい、じっとしてて…
        (せめて触れた先から自分の温もりが伝われば良い、と強く願う。)
        (実際は奪い取っているだけだというのに、触れれば触れるほど彼へ這い寄る死の影は速度を増すのに)
        きこえないの…きこえない…
        なんで聞こえないの…?
        (自分の耳を呪う、何一つ役に立たない自分を呪う)
        (彼の最後の言葉すら満足に聞き取れず、彼を救う事すら出来ず満足に愛を伝えることもできず)

        (…そして、愛は消失した。)
        (エリザベートは愛を惜しみなく奪い、奪い尽くしてただ呆然と)
        -- エリザベート 2013-05-17 (金) 23:03:16

      • (しょうがない、しょうがないしょうがない)
        (だってしょうがないこういう異能なんだもの、私は悪くないもの)
        (誰も愛を教えてくれなかったんだもの、与え方を教えてくれなかったんだもの、だからしょうがないわ)
        (奪いたくて奪ったんじゃない、こんな異能を与えた誰かが悪いんだからしょうがない)
        (しょうがないわよね?)

        …しょうがないわけないじゃない
        (頭の中で必死に言い訳をする自分に、吐き捨てるように呟く)
        (これが言い訳ばかりして、逃げ回っていた自分にかけられた呪いだとしたら)
        (罰を受けるのは自分であるべきだ。)
        (しょうがない、なんてことは何もない。)
        (全部自分が望んだことだ、ほんの少しの勇気を出すのを恐れて)
        (傷つかない方、傷つかない方へと逃げた。)
        (その結果を目の前にして、まだ逃げるのか?いつまで同じことを?)


        https://lh5.googleusercontent.com/-ytP4jZmoBTw/UZY8l6xvbuI/AAAAAAAAEww/tvJU0pX6Mho/s560/eriza.jpg 

        (自分自身への憤りと嫌悪で全身の血が沸騰しそうになる。)
        (全身で自らの異能を否定する、それは愛ではないと)
        (そんな愛し方しか知らないならばいっそ死んでしまえ、と)
        (愛を起点とした異能が、反転する。 反転した)

        (愛は惜しみなく与う)
        (私へ近づく人へ触れる人へ私を愛する人へ、愛を惜しみなく)
        (大丈夫、愛し方は皆が教えてくれました。与え方は貴方が教えてくれました。)
        (貴方へ私を捧げます、私の愛、私の生命私の全てをこの生命が続く限り)
        -- エリザベート 2013-05-17 (金) 23:35:48

      • (異変は直ぐに起こった。)
        (エリザベートを中心に、地面に罅が入る。あるはずのない生命が芽吹く。)
        (鎖に苔が浮く、蔦が絡み景色を緑へ塗り替えていく。変化は近く遠く、目に入る風景が緑に満たされていく。)
        (生き物の輪から外れたエリザベートの生命を浪費して、周囲に生命が満ちていく。)
        (なにもない所に生命が生まれるのなら、失われた生命を蘇らせることだって) -- エリザベート 2013-05-17 (金) 23:43:06




      • とくん



        (それは確かに、たった今潰えた筈の生命)


        とくん


        (摘み取られ、焼きつくされた筈であった、生命の苗木)


        とくん とくん

        (闇に覆われていた世界に、再び太陽が登る)
        (眠りについた生命が、その眩い、暖かな光を浴びて)
        (もう、砂しか存在しなかった筈の不毛の大地に、再び生命の芽が、生まれる)

        (折られ、潰され、貫かれ)
        (肉の塊に成り下がった身体が、少しずつ元の姿を取り戻していく)



        (…眩しい)
        (……………眩しい…………?)
        (あれだけ重かった瞼が、開いた)
        (黒に塗り潰されて、彩りを失った筈の目に飛び込んできたのは)
        (光に満ち、草花が咲き乱れた彩り豊かな世界)

        (そして、その中心には)
        (息を呑むほどの神々しさを放ち、立つ、エリザベートの姿があった)

        -- ジロー 2013-05-18 (土) 00:26:46

      •  
         
        ──成った
         
         
        果たされた
         
        ──ジローの死より生まれ変わる新たな異能
         
        命を与える異能。奪うものから、与えるものへ
         
        ──計画は成功。第二実験から第三段階へ移行。
         
         
        11素体によるプランの進行を確認
         
        進行不可 素体資格喪失及び素体の存在既定欠損を確認
         
        ──何故
         
         
        (そしてソレは自らの異変に気付く。今、目の前にいる異能の反転により蘇生した少年ではなく)
         
        (あの少女が反転した異能。それが、また、自身にも影響を及ぼしていることを──)
         
        (人の姿をした神を落とす存在機械から人へ)
         
        (それはまさしく…新たな世界の創造主となる神如きものが、人へと堕ちるような)
         
         
        参ったな、ここまでとは計算外だった。 -- 海空 2013-05-18 (土) 00:39:31
  • 【3月】 -- 2013-05-14 (火) 23:43:02
    • (卒業式が終わった後の事)
      (別れを惜しむ声、卒業を祝う声であちらこちら賑わっている中、海空の姿を探してキョロキョロ歩く)
      (なんやかんやで島に残る人も多いが、彼は卒業したらここを出る…と言っていた)
      (世話になったし、花ぐらいは贈りたい…と用意した花束を抱えて)
      (…ついでに、ほんの話のネタではあったろうが、先日の返答…「なんでも一つ叶えてくれる」らしい願いの件についても)
      (何か返答をしないとな、と…)
      …あ
      (いくらか歩いて、その姿を見つけ声を掛ける。大きく手を振りながら)
      あの、卒業おめでとうございます
      (頭を下げて、ひとまず花束を差し出した) -- エリザベート 2013-05-14 (火) 23:43:18
      • やぁエリ。ありがとう、いやぁなんだかんだで早い時間だったよ。
        (花を受け取り、礼を述べる。その姿は珍しく制服だった)
        どれ、少し歩こうか。色々話したいこともあるしね。
        君との3年間を懐かしむ時間があってもいいんじゃないかと、今思ったものでね。都合はいいかな。
        (あぁ、他意はないよ。似たようなことを言った子から怒られたんだよねさっき…とかなんとか言いつつ) -- 海空 2013-05-14 (火) 23:48:08
      • あ、流石に今日は制服なんですね…?
        (滅多に見たことのない姿に少し目を丸くして、それから卒業式だから当たり前か、と自己解決)
        (これといって予定もない、先日の返答もあるし拒む理由も無く、頷いて)
        怒られたんですか?……機嫌でも悪かったんですかね?
        (きょとん、としながら歩き出す)
        …本当にここから出て言っちゃうんですね、先輩… 聞いてはいましたけど…
        なんだか改めてそうなんだって思うと寂しいです -- エリザベート 2013-05-14 (火) 23:56:51
      • うん、部活の時も制服なんだけどね。いくつか兼任してたけどその内の一つはこの姿だったかな。
        卒業式にそんなことを言うものだから、愛の告白だと思われたようだよ。女性の心というのはわからないね。
        うん、今日でこの学園に来た目的も達せられるしね。改めてこの学園に来てよかったと思えるよ。
        人はもとより一人。出会いもあれば、また別れも必然である。しかしそれは永遠の別れならずと。
        一時の別離も、死別もまた本質的に言えば別れではないというものかな。
        いつかは皆、別れ出でてゆくもの。君と出会ったのも、また先に別れがある必然も内包している。
        自身を生んでくれた父母とも、いつかは別れるものだ。原初よりの出会い故にそれはまた重いと聞くが僕は顔を知らぬのでわからぬかな。
        エリと出会ったのも、春の時期だったね。なんだかんだでぼんやりしている時だったかな。
        (歩いていけば、出会った学園の敷地やらに一つ一つめぐりゆく。回想の如く。) -- 海空 2013-05-15 (水) 00:04:37
      • …?制服でしたっけ?ジャージだったような……あ、兼任…
        (農林水産部だけでも忙しそうなのに、すごいなあ、と感心する。言い回しに少し引っかかりは覚えたものの)
        (この先輩が妙な言い回しをするのはいつものことだ。)
        (むしろそれが聞けなくなるのだ、と思えば妙だと思うより、なんだかしんみりしてしまった)
        …あはは、第二ボタンとか…そういうあれですね
        それはちょっと先輩が悪いかもしれないですね……
        (歩きながら、語る海空を見上げる)
        (ああ、なんだか今日はいつもより余計に変だなあ、と首を傾げながら)
        ……あ、そ…そうでしたっけ…そう、だったかも
        入学式の辺りはあんまり…覚えてなくて…
        (1年の頃の自分の姿を、あまり思い出したくない…というのもあり、苦笑いする) -- エリザベート 2013-05-15 (水) 00:10:38
      • 寿司研究会、吉岡さんの留年を見守る会、忍部、雅楽部、悪魔封印修道会、東洋歌道研究会…今思うと懐かしいよ
        かわいい子だったんだけどね、いや僕卒業する身分でそういうのはどうかとも思うしね
        あの時はなんだか、そうだな。迷子になってしまったような、そんな雰囲気だったんだよねエリは。
        知らない場所に一人置いて行かれたような、周りは知らない人ばかり。入学式なんだから当然なんだけどね。
        そういうのとは別の、寂しさや孤独感、隔世感というのかな。そういうのを感じてね。声をかけたんだか声をかけられたんだか。
        (いつの間にか開けた海岸部へその足は運ばれる。入学シーズンゆえか、海開きもまだなので人はいない。)
        ここで海鳥と海を眺めていた時だったかなぁ -- 海空 2013-05-15 (水) 00:18:59
      • そん なに…そんなに(そんなに)
        うーん…ほら、文通とか…そういうのでつながるのも素敵だとおもいますし…
        (笑いながらも、昔の話をされればやはり眉がハの字になる)
        あの…はい、そうですね…あのころ、は…
        (追い出された、捨てられた、およそ家族と呼ばれる人間から)
        (そうやってここへやってきて、周囲は知らない人ばかりで、人と話す術も知らなくて)
        (誰も助けてくれなくて、しかしどうやって助けを求めれば良いのかもわからない)
        (こんなに目が眩むほどの人がいるのに、どうして自分だけこんなに孤独なんだろう…)
        (そんなことを、思っていた気がする)
        (だから、きっと声を掛けられたのだろう)
        (あの頃の自分が知らぬ人に声を掛けられるほど、勇気があったとも思えない)

        (3月、まだ潮風も冷たい。人が居ないのも当然か、と寄る波を眺め)
        ……この季節だと、誰も居ないですね…
        (だから、ひょっとして入学式の頃の自分は逃げてきたのだろう)
        (大勢の中で感じる孤独より、一人で感じる孤独のほうがいくらかマシだと思ったから) -- エリザベート 2013-05-15 (水) 00:29:48
      • お話するにはちょうどいいさ、静かなくらいがね。
        (そうしてエリザベートへ向き直り、問うた)
         
        さてエリ。ここで聞こうか、決めて来たかな願いを。
        僕なら本当になんでも一つ叶えてあげられるんだけど君は何を望むのかな。
        (言葉遊びでもないよ、と最後に付けて問うた) -- 海空 2013-05-15 (水) 00:37:03
      • あ…
        (ハッとしたように海空を見る)
        (遠い過去の話なんてするから、妙に憂鬱な気持ちになってしまった)
        (それを振り払うように首を振って)
        …えーと……なんだろう、本当にあの…考えたんですけど…
        (向き直り、言葉を濁しながら指あそびをする)
        (どうせ冗談の類だ、と思っている。だから適当な事を言ってしまえば良いのだが…)
        ……異能、が…あの、私の異能が、無くなれば良いなあ…みたいな…
        (自分の両手を見る、両手だけでは無く全身)
        (誰かから奪うことしか出来ない、自分のことを深く知ろうとしてくれた人ほど傷つけるだけの異能)
        ああ…だから、なんだろう……
        …こんなものなくても、ないほうが…なんだろう、どうして私……
        (こんな異能に目覚めちゃったんだろう、と震える両の手を見ながら目を伏せた)

        (その理由は自分が一番分かっている。)
        (愛を信じられない、人を信じられない、どうせ皆離れていく…家族だって私を捨てたのに)
        (どうして、赤の他人が自分を愛してくれるだろう…だから、そのぐらいなら)
        (…そういう、酷く身勝手で恥ずかしい意識が自分にはある。)
        (きっとその罰だ)
        (そうでなければ、最初から誰も近づいて来なければ、期待することもない)
        (愛されたいと願うこともない…、それでも一人は寂しい)
        (でも「しょうがない」よね、私には「こんな」異能があるんだから…)
        (そういう言い訳の為の、私の浅ましさの現れだ。)

        (…どちらにせよ、異能が消えた所で自分がどうしようもない事実に変わりはない)

        …こんなこと言われても、困っちゃいますよね
        あの、アイス奢ってくれるとかそういうので良いですよ、お願い
        (話題を代えるように笑って) -- エリザベート 2013-05-15 (水) 00:57:49
      • 知ってるよ。エリがその異能を疎ましく思っていることも。
        (そのままエリザベートへ歩き、すれ違うように、彼女の隣へ歩み寄り)
         
        知っているよ。エリがその異能を発現したから。あのような格好をしているのも。
        (その肩に、手を置く。囁くように。赦すように。)
         
        その異能を疎ましく思いながらも、それもまた優しい誰かを呼び寄せるため。「仕方ない」とし
        優しい誰かが、声をかけているから。その人の目を引く姿をしているのも。
        そうしなければ、誰も近づかないだろうという寂しさ。
        こんな異能があるからこのような浅ましきこともできるという許しのような、愛おしさも感じていることを。
         
        (この男にエリザベートの異能の効果は現れていない。確かに触れているはずであるのに)
         
        エリ、君の本当の願いは異能を消すことなのかい?異能を消すことが最初の願いなのかい
         
        ──抗う術などない
         
        君が異能を発現させたとき

        ──苦悩が苦悶へと変わり

        何を願ったんだい

        ──叫びへと変わる時

        ──私は、お前を救ってやろう -- 海空 2013-05-15 (水) 01:14:06
      • (不意に吹いた風に、てんでに引かれた髪を抑える。)
        (波音が喧しい、それでも海空の声は不思議と、恐ろしいほどに耳に届いて)
        …先輩…?
        (それが何故か妙に、恐ろしく感じた。)
        (彼の目は真っ直ぐにこちらを見ている。というより見過ぎている。)
        (まるで自分の表層よりもっと深い、ドロドロした部分を見透かすようで)
        せ、先輩…先輩
        もう戻りましょう、もう……
        (部員の人も待ってますよ、打ち上げするんですよね…?そんな言葉は虚しく空回り)
        (肩に触れる手、耳朶に囁かれる声)
        (その声色は優しいのに、綴れる言葉は容赦なく内面を抉っていく)

        ち…
        (見透かされている、見透かされている見透かされている)
        (どうしようもなく浅ましくて恥ずかしい自分が、見透かされている)
        (違う、と言いたいのに声にならず、必死に首を振る。)

        (ああどうしてこの人には、自分の力が効かないのだろう)
        わ、私…か、かえる…かえります…
        せ…先、輩変ですよ……おかしいです…
        (海空の身体を押しのけようと、みっともない程に震える手を伸ばす)
        (このままここに居てはいけない、このままここにいたら)
        (きっともっと、取り返しが付かないぐらい醜い自分を引き摺り出されてしまう) -- エリザベート 2013-05-15 (水) 22:48:35

      •  
        いいんだよ、エリ。
        知っているからそう怯えなくてもいいんだ。
        (伸ばされた手を取る。それは優しく、支えるような手。力ではなく心に訴えかける、抑えるような穏やかさ)
         
         
        気づいていないのかい?それとも、言葉に出せないのかな。
        単純なことだからね、そんなことで異能が表れたとは思えないのかな。
        簡単なことだよ。願い。それは願いだからね。願いという純粋な求め。
        君は強く願ったんだろう。恥じることではないさ。
         
         
        一人は嫌だったんだろう?寂しいのは嫌だったんだろう?
        愛されないのは嫌だったんだろう?孤独は嫌だったんだろう?
        不要とされるのが嫌だったんだろう?必要とされたかったんだろう?どのような形でも…そのような浅ましい姿で
        悪い子ですから、注意してください。構ってください。寂しいんです。とみんなに伝えていたんだろう?
         
         
        求めていたんだろう、人を。愛されたかったんだろう、人に。
        例えその誰かの都合も、心も、体も奪うこととなったとしても一人は嫌だったんだろう?
        奪う、とは違うか。その誰かを、人形のようにしてでも…フフフ、自分のように。飾られるだけの物にしてでも。
         
        孤独は嫌だったんだろう。
         
        故に、その異能を手に入れてから尚更恐れた。
         
        みんな自分恐れ、離れていくだろうと。誰も自分の側にいなくなる。本当に一人になると。
         
        だからそんな恰好をして、わざと向こうから優しい人が声をかけてくれるように装ったんだ。
         
        その人の優しさを利用してでも、一人は嫌だったんだろう?
         
         
        そう、だから君が今ここにいるんだろう?ジロー君 -- 海空 2013-05-15 (水) 23:16:40

      • …そうっすね。
        (遮るものも無い、海辺の開けた空間の中。呟くような声が響いた)
        (何時からそこにいたのだろうか、気配も無く、音も無く)
        (問い掛けに応えるように、ふっと、静かにその姿を現した)

        (目深に被られた帽子でその表情を伺う事は出来ない)
        (海空が生み出した幻であるかのように、ただ、その場に立ち尽くし)
        (それでも彼等を見ている、という事だけは分かる視線だけをエリザベートと、海空へと向け、佇む) -- ジロー 2013-05-15 (水) 23:40:15
      • (ただただ、壊れたおもちゃのように首を振る。)
        (声はひたらすらに優しく、自分の酷く弱い所へ訴えてくる。)
        (必死に隠して、そのまま忘れてしまおうとしていた汚い部分をゆっくりと裸にしていく)

        やめてください、やめて…やめて…
        おね、が…い…おねがいします…ごめんなさい…ごめんなさい…

        (一人は嫌 寂しいのは嫌、愛されないのは嫌、愛されない自分が嫌)

        (我慢するのは嫌、でも愛して、構って一人にしないでと口にだすのは嫌)

        (「可哀想な私」を誰か愛して)

        (改めて言葉にされなくても、こんな汚い自分、自分が一番良くわかっている)
        (そしてこんな自分が誰かに愛されるわけないのも、自分が一番良くわかっている)

        やめて、わかってるから やめて…!
        だって…だってしょうがないじゃなっ…い…!!
        だってしょうがないじゃない…!皆どうせ離れて行ってしまうなら

        (ヒステリックに叫んで、手を振り払う)
        (何も聞きたくない、と耳を塞いで首を振る)

        わかってる、わかってる…わたしが間違ってることなんてわかってるけど…
        もうどうすれば良いかわからないんだもの…!!
        (理屈ではわかっている。自分が歪んでいることなんてもうずっと前からわかっている。)
        (だからこんな自分が人と触れ合う資格なんて無いことも)
        (それでも寂しくて我慢出来なくて求めてしまう。)
        (しょうがない、しょうがない、といつもの言い訳をして目を逸らしてここまできて)

        (もうすっかり、どうすれば良いのか分からなくなってしまった。)
        (だから、しょうがない)
        (私は悪くない、皆が優しいから悪いんだ、皆が私に期待させるような優しさを見せるから……)

        http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst083544.jpg 
        …あ…
        (すっかり乱れきった心が、一瞬にして冷静になる)
        (その名前と、その声と…ああ、出来れば幻であって欲しかったけれど)
        ………ちが…っ……違う…、違うの…
        (ずっと出したかった言葉、ようやく喉から出た頃にはもう遅かった)
        (見られた、聞かれた、終わってしまった…という言葉で頭が真っ白になる)
        ………ちがう、ちがうの…ごめんなさい、ちがう… -- エリザベート 2013-05-16 (木) 00:35:35

      •  
         
        だ、そうだよ。ジロー君。でも、それでも問題ないよね。
         
        君はエリが大好きだからね。夏の臨海学校の時の頃かな。周囲からみてもわかるくらいにね。
         
        それでも、と君は言うのだろうね。君は優しいし、エリが好きだからね。
         
        仕方なくありません。自分が傍にいます。貴方が抱える問題も、一緒に解決していきましょう。
         
        僕がいます。大丈夫です。とかかな。
         
        あぁ勘違いしないでほしいけど、これは嘲りではないよ。
         
        そんな優しい君が大好きだし、だからこそ僕は君に色々教えてたわけだしね。
         
        僕もジロー君とエリなら、どんな困難でも乗り越えられると思うよ。
         
         
         
        そう
         
         
        二人とも
         
         
         
        ────人であれば、ね -- 海空 2013-05-16 (木) 00:54:39
      • 残念っすけど、俺にはそんな綺麗な言葉が吐けるような語彙は無ぇっすよ。下町生まれの下町育ちっすからね


        (ぽつり、言葉を紡いだ後帽子を被り直して、見据える)
        (傍らにいる海空の事等、目に入っていないかのように。)
        (恐怖と、焦燥と、絶望と、悲しみを、全てを綯い交ぜにしたような眼をしたエリザベートを)
        (一切の曇りはなく、澄んだ瞳をして。ただただ、真っ直ぐに見つめる)
        そんな目、しなくたって大丈夫っすよ。エリ先輩
        (一歩)
        汚い部分が無い人間なんて、この世にいないっすから
        (また一歩)
        綺麗なものと、汚いもの。二つが心の中にあるから人は人なんすよ
        (少しずつ、近寄っていく)
        だから、師匠の言った事は違くなんてない、本当の事の筈っす。

        だからって
        それがなんだって言うんっすか?
        目を背ける事なんて、無い。そんな所も全部ひっくるめて、エリ先輩は、エリ先輩なんすから。


        (手を伸ばせば、もう届く。そんな近くにまで歩を進めて)
        一緒に踊った時、言ったっすよね俺。嫌がられようと遊びに行くって。
        (笑みを浮かべる、普段なんて事の無い会話を交わす時に浮かべる、何時もどおりの微笑みを)
        心配いらないっす。俺は、エリ先輩をいらないなんて言わない、離れて行ったりしない。
        だから………────────


        (その手を、伸ばす)
        人の恋路を、邪魔しないで貰えますか
        師匠────いや…羽佐間海空ッ──────!!!!!
        (エリザベートに振り払われ、宙を彷徨ったままの海空の腕を全力の力を込め、掴む)
        (抑えきれない怒気を孕んだ、狂犬の瞳を相対する男へと向けた) -- ジロー 2013-05-16 (木) 01:36:39

      •  
         
        参ったなぁ。本当は君には関わらず見届けて欲しかったんだがこれでは悪人みたいじゃないか。
        いいかい、ジロー君。僕は君達の味方だよ。君達が好きだからね。もう一つの段階に至り、未来を築いて欲しいから今いるんだが
        (ジローが掴む腕を振り払おうともしない。動こうともしない。まるで、そう戦う気などないのか)
        (それとも。子犬に噛まれた程度として見ているのか)
         
        順序を追って説明しようか。先に結論を言うけど。エリはもう真っ当な人間じゃないんだよね。
        君のような獣人とか種族的ではなく、存在的意味合いでね。 
         
        あれは春だったかなぁ、エリの保護者というか監視者が来たでしょ。アルブレヒト先生。彼のお蔭で気づいたんだよね。
        彼はエリの異能が暴走した時のため、それを止める…息の根だね。ためにいるんだが。
        ちょっと考えてみようよ。エリの異能ってもう暴走しているようなものじゃないか。
        制御統治下を離れているよね、完全に。臨海学校の反動のときも暴走に近いのかなと思ったが、そうではなかったらしいね。
        ほとんど暴走しているのと同じなのになぜ、去年突然彼が着任したんだろうか。だってそうだろう。最初から監視を直接つけておけばいいのだから。
        つまりね、去年の今ごろ。エリの異能は本当に暴走したんだよ。観測は難しかったけどね。
        それが何の関わりがあるか、ということかな?考えてごらんよ、臨海学校の後の反動の広域封鎖のようなものがなかったんだよ。
        つまり、局所的にその暴走が強く発現したんじゃないかな。
        加えて、アルブレヒト君。彼ね。もしもの時の、とみんなは思うかもしれないが。
        そのもしもの時、遠距離からの一撃で十分じゃないかな、エリがただの人間だった場合彼女を殺す場合。
        委員会も統治会も無能ではないしね、起きれば対処できると思うよね。でもなぜ彼が必要か?人道、優しさ、生徒への思いやり?違う違う。
        その異能の暴走をきっかけに、エリ…彼女はね。
        そういった普通の人間や、異能使いに対処するために用いられるだろう殺し方が通じない存在になったんだよ。
        表向きは、人の形をしつつ。人ではないものになったんだ。
         
         
        エリ?エリザベート・ゲッテンベルム。
        君は自分の口で言えるかな、あの時何が起きて暴走して。自分が何になったかを。
        君を愛してくれている、ジロー君のためにも話してくれないか -- 海空 2013-05-16 (木) 02:03:48
      • (違う、と必死に呟きながら、泣きそうな顔で首を振る)
        (こんなタイミングで、一番知られたくない人に知られてしまった)
        …ちがうの…
        (真っ直ぐな視線から逃げるように顔を覆う。)
        (逃げ出したいのに足が動かない、逃げ出した所でもう取り返しがつかない。)
        (一歩、また一歩距離が近づく度に、体温が下がっていく気がする。)
        (耐え切れずに溢れてきた涙で喉がちくちくと痛む。こんな所見られたくなんてなかった。)
        (離れて行ってしまう、幻滅されてまたひとりになってしまう)

        (そのぐらいなら、そのぐらいなら…)

        ……あ
        (暗い色に染まりかけた思考が止まる)
        (恐る恐る、震えながら顔を上げればそこにはいつも通りの、いつもと同じ)
        (温かい微笑みがあって…手を伸ばせば届きそうで)
        (ほんの少し勇気を出せば、触れられそうで)

        (異能の事も忘れて、手を伸ばしかける)
        (救いを求めるように伸ばした手、それは何にも触れる前に動きを止めた)

        …っ

        (動きだけではなく、呼吸まで、心臓まで止まるかと)
        …あ、…私…あの……
        (どうだろう、彼は受け入れてくれるだろうか)
        (…くれるのかもしれない、なんてことはないと笑ってくれるかもしれない)

        わ、たし…あの……
        ……吸血鬼、に…襲われて……あの……
        (だから、問題はそこではなく)
        襲われて……異能が、暴走して……気がついたら…相手が、死んで、て…あの……
        (触れようとした手を引く、一歩一歩と距離を離す)
        た、たぶんね あのね…私…相手の、相手の全部を…奪っちゃって…し、死なないの…
        死なないし…、傷なんてすぐなおっちゃって……きっとね、見た目もね…多分ずっとこのままで…
        (つまり自分の本当の異能はそういうものなのだ)
        (愛する人の全てを自分の物にしたい、心も身体も、その力も)
        (全てを奪って、最後には自分一人しか残らない…人の形をした何か)
        (それがエリザベートという生き物…になってしまった。)
        (愛される訳がない、愛されてもそれを受け入れて良い訳がない)
        (そうしてしまえば最後、自分はきっと相手の全てを奪ってしまうのだ)
        ごめんなさい…ごめんなさい…違うの…
        ダメなの、私貴方が欲しいの…きっと私だけのものにしてしまいたくて…
        全部奪ってしまいたい…そ、そういう…そういう怪物なの…そうなっちゃったの…
        (泣き笑いの表情で、後ずさる足を止める)
        (ああもうどうしようもない、もう誰も救えない、救われない)
        ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい… -- エリザベート 2013-05-16 (木) 02:58:45
      • (握りつぶさんばかりの力を篭めている筈、それでも尚顔色一つ変わらない)
        (それどころか余裕すら垣間見せて、改めて男の実力を思い知らされる)
        (しかし、それで引く訳にはいかなかった。この男の目的は、一体何なのか)
        (それを見極め、必要とあれば…打ち倒さねばならない)
        (勝てるのか?身体能力も、技術も全てが海空には遠く及ばないというのに)
        (この凶人を討ち果たす事が、出来るのか?)
        (出来るか、出来ないか、ではない。やらねばならないのだ)
        (全ては、エリザベートの為に)

        悪人でなくとも、善人では無いって事くらいは分かってるっすよ
        そんなあんたっすから、碌でもない事を考えてるのは予想が付くっす。一体、何が目的なんすか
        なんで、エリ先輩に…近寄ってきたんすか。返答次第じゃあ………
        (その問い掛けは、エリザベートへの問い掛けに遮られて)



        (黙って、独白に、真実の吐露に、耳を傾けていた)
        (何時の間にか、海空の腕を握っていた手は離されて)
        (一歩、また一歩と…離れていくエリザベートの姿を、心を、見据えていた)
        (自惚れかもしれないが、少しずつ、距離を縮めていたと思っていた)
        (屈託無く笑う、その無邪気な笑顔に)
        (幼い子のようにムキになって怒る、そんな姿に)
        (今まで共に過ごしてきた時間の中で見てきた、その全てに)
        (心を惹かれて、同じ道を歩んでいきたいと駆け寄っていったこの人の心の奥に)
        (こんなにも。あぁ、こんなにも深い闇が隠されていたなんて)
        (何故 知らなかったのか)
        (何故 気が付かなかったのか)
        (自分は今、どんな表情をしているのだろう)
        (少なからずの衝撃は、受けている)
        (それは、顔に出てしまっているのだろうか)
        (衝撃の余りか、感覚が麻痺して、分からない)
        (…いや、違う。見据える先の、エリザベートの表情は、自分と鏡写しと考えていい筈だ)

        (泣き笑いの表情で、立ち尽くす彼女を見れば)
        (自分が”そういう表情”を、しているのが手に取るように分かってしまった)


        (───だが────それでも──────)


        (気が付けば駆け寄って。彼女の異能の事も忘れて)
        (エリザベートの体を、抱き竦めていた)
        (これ以上、彼女が涙を流さなくても済むように)
        (これ以上、彼女が謝らなくても済むように)

        (もう。これ以上、彼女が離れていってしまわないように)
        それが………それが、なんだって言うんすか!!

        何度だって、言わせてもらうっすよ!
        俺は!貴方から!!絶対、絶対に、離れたりしない!!!
        エリ先輩が、望むのであれば全部を奪われたって、構わない!!!!

        だから…だからもう………
        …そんな顔はしないで下さい…っ…!!! -- ジロー 2013-05-16 (木) 04:04:56
      • (嫌になるぐらい卑怯だ、と思う。)
        (そう言ってくれることも分かっていた、彼ならばそう言ってくれるだろう、とわかっていた。)
        (…そしてきっと、海空もわかっていた。)

        (そう答えるだろう、と分かっていて言わせたのだから、答えなければ良かったのに)

        (その言葉が聞きたかった。)
        (引き止めて欲しかったし、抱きしめて欲しかった。)

        (だから今そうされて、離れないとと思うよりずっと強く嬉しいと思ってしまう。)
        (その体を押し退けるより、抱き返したいと腕が震える。)

        いや、だめ、だめなの… こんなことしたい、したく…
        (必死に首を振って絞りだす拒絶の言葉)
        (けれどそれを嗤うように、自分の異能は緩やかに)
        (それでいて、確かにジローの生命を貪っていく。)
        (相手を殺してしまうかもしれない、という恐怖と、それ以上に)
        (それでも良い、と言ってくれたという歓喜。)
        (身体が動かない、動けない、このままでは本当に) -- エリザベート 2013-05-16 (木) 23:03:39

      •  
         
        僕の目的かい?それは世界を新しく生むことさ。
        そのためにはエリザベートの異能が必要なんだが、これがどうして中々難しいと思っていたところに君が来てくれてよかったよ。
        あぁ先に言っておこう、その世界は神も悪魔もいない。異能もない…人が人のために生きる世界であり、人の世界だ。
        君らが抱えている問題も解決してくれる新世界だ。
         
        君達には、その世界で幸せになって欲しいんだ。
        新しい世界に生きてくれ、ジロー君、エリちゃん。
         
         
         
        ───だからね、今ここで君にエリザベートの異能で死んでもらわれると、困るんだよね。
         
        (虚空から鎖が5!ジローの首!両手!両足に巻きつきエリザベートから強制的に引きはがし砂浜を撫でるように引き回し、放り投げる!)
        (そこに表れるは…海空の忠実なる配下、虚無衆!編み笠の下から朧なる光を瞬かせ今ここに参上した!) 
         
        ジロー君、君は優しくて本当にいい子だが考えがないのはいけないよ。
        そのまま抱き着いて死んでも、何も救われないからね。君の自己満足にエリちゃんを巻き込んで彼女の傷だけ増やしてもしょうがないことも、考えてほしいな
        そう、物事に関すること。なんにでも考え、最適最善なる結果を求めることをあきらめてはいけないよ。
        下町育ちだからといって、諦めてはいけない。語呂もないなら本を読みたまえ。それもまた君の力になる。
         
        (そうして虚無衆が鎖を離せば、呪詛か聖句かを唱え始め…この世界周辺がゆがんでいく)
        (これは…結界!周辺地域と隔絶するかのように、世界は歪み、結びつきまるで異世界の如く変容していく)
        (寺、ピラミッド、巨大な観音像、通信電波塔、巨大な艦船等等…世界のあらゆる何かがゆがみ結合した世界!)
         
        さて、ジロー君。困っていたんだがね、どうエリザベートを昇華させようか。そこで導き出したんだ。
        つまり、そう教えてくれないか。君は何度目で死ぬのかな、ということをね。
        最大限抵抗していいよ、もしかしたら死なないかもしれないけど。
        いやでも、死んでもらうけどね。ここで。 -- 海空 2013-05-16 (木) 23:25:13

      • (じわり、じわりと。蝕むように身体から力が、命が抜け落ちていくのが分かる)
        (何度かの経験はあったものの、ここまで強く、エリザベートと触れ合った事は無かった)
        (エナジードレイン。彼女が抱える闇、その根幹たる異能)
        (海空と行った修行の、その最中。幾度と無くも聞いた、死の足音が今もまた聞こえてくる)
        (それでも、腕を離せなかった。離したく無かった。)
        (それはただの自己満足かもしれない、しかし、今この手を離せば二度と彼女を、救い出せないような、そんな気がして)
        ………っ………!!
        (言葉を、紡ぎ出そうとした。その時)


        (突然の、浮遊感。それが何かを確認する暇もなく、砂浜へと叩き付けられ)
        カッ…ハッ…!(それがエリザベートの異能によるものか、叩き付けられたショックによるものかは分からないが)
        (血を吐き出す。何度感じても慣れない、嫌な味が口内一杯に広がった)

        (生命力を食われ、朦朧とした意識の中で海空の声を)
        (修行の最中でそうしてきたのと同じような、導くかのような、諭すかのような言葉を、聞く)
        余計な、お世話っすよ…そんな、狂った考え方をする人に…何を、言われたところで…
        聞く耳を、持ちたかねえっすからね。
        (単なる強がりだと自分でも分かっていた。実際には耳が痛くなるような、図星ばかりを突かれている)
        (そう、分かっていても、認めたくはなかった。如何に、自分をここまで引き上げてくれた、師の言葉であっても)

        あんたの理想が、素晴らしいものであろう、という事は何となく、分からないでもないっすよ
        理想の実現の為には、犠牲が必要になるんだろうって事も、分かるっす
        …それでも、その犠牲が…俺の大事なものだっていうなら。俺は、抗う。
        バカな考えだって言われたって、抗うしか…ねえんすよ!
        (歪に変わっていく世界の中で、吠える)
        (奪われた生命力は、既に再生されていた。本人も知らない、気付いていない自分自身の持つ異能の力によって)
        …何を言ってるのか全然、分からねえっすよ。俺は、単なる人っすよ。何度目だとか、意味のわかんねえ事を…
        (海空は勘づいているのだろう)
        (ジローには、ただ頑丈であるというだけでは説明の付かない生命力が秘められている事を)

        (海空の言葉に、もう耳を貸すつもりは無かった。故に、構える。相対する男によって教えられた法を。)
        (そして、常人には知覚すら儘ならないシノビの世界へと。高速機動へとその身を委ねた) -- ジロー 2013-05-17 (金) 00:07:57

最新の5件を表示しています。 コメントページを参照

詳細設定 Edit

農業科の4年。 ハザマ カイクウと読む
外見は斡旋所より。ありがとうございます。

農業区画で農林水産部に所属していて、土を耕し野菜を育てて
その一角で陶芸をしてる男
土をいじることで土を理解し人を理解するとか言ってる
異能は不明。土いじりばっかやってるのでなんだかわからない

イメージCV:ファフナーの頃あたりの宮野真守

コメントアウt Edit

エクストラ・エトセトラ Edit

一人遊びです。これ以下はネタバレを多く含みますので云々。

──例題です Edit

残 念 で し 

お名前:
  • 第六章

最新の1件を表示しています。 コメントページを参照

限定公開設定 Edit

総会決戦の参加者とエリザベート、ジロー及び彼らから話された者のみ既知とす。

http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp025549.png

総会の総会長
異能学生の自由な異能行使を愉しみ奨励し、総会を作り上げた。

素質のあるものの覚醒のため、暴力や人間の暗部である心理を利用する。

目的

黄金瞳を持つものと世界介入を受けた者を取り込み、奇跡と未来をかき混ぜて新たな現象段階の実験を行うこと。
第二の鐘。


Last-modified: 2013-04-19 Fri 17:02:29 JST (3997d)