TOP 携帯用 FAQ 質問箱
最新の3件を表示しています。 コメントページを参照
これと言った目立った特徴はなく、入試の成績も平凡。 ただし、学園都市への入学以前の経歴についての資料はなし。 恐らく何処かからの流民と思われる。 また、本人には何の特徴もないが面接の際に小さな違和感を感じる。 害があるような感じでもないが、一応留意すること。 以上の報告をもって、エマ・ワイスを普通科1年に配属するものとする。
体臭であるとか、普段の息遣いによる体の微弱な動きであるとか そういった普通の人なら誰にでもあるようなものがない。 気をつけないと解らないようなものではあるが、見る人間には何かしらの違和感として映る
洋上都市から遠く離れた土地の療養所に一人の少女がおりました。 彼女は幼い頃から患う病のため、学校などにもいけず一人窓から外を羨む日々を送っておりました。 ある夜、ふと目を覚ますと窓辺に一人の女が立っていました。 窓から差し込む月明かりの下に立つ女は、とても恐ろしいものに思えました。 そんな気持ちに気付いてか気付かずか、女は少女に問いかけます。 「健康な体で、学校に通わせてあげようか?」と。 その言葉はとても魅力的で、それでいてとても恐ろしい提案のようで 「あなたは、悪魔なの?どうして、私のところに来たの?」 少女は震える声で誰何し、質問には答えられませんでした。 「そう見えるのなら、悪魔なのかもね。 偶然あなたが目についただけ。それ以上の理由なんて無いよ。 さて、どうするの?」 未知への不安、目の前の存在に対する恐怖、手が届かないはずだったものへの憧れ 少女の逡巡はそう長くは続きませんでした。 小さく頷く少女に微笑み、悪魔は静かに説明を始めます。 場所は、少女のことを知っている人間がいない土地であること。 その場所に偽の体を用意し、その体で卒業するまで学校生活を送ること。 その間、こっちの体は眠り続けることになるがその間の命や待遇に関しては保証すること。 そして、一年に一度、この体に戻らなければならないことを告げました。 「戻る時期は生誕祭の日、皆が神様に祈るから悪魔の力が弱まるってことにしておこう。 それじゃあ、いってらっしゃい。」 目を開くと、そこは見知らぬ土地。 地面を踏みしめる感触、街の中の喧騒。 全てが夢の中で思い描いていたもの。 それらに囲まれながら少女の短い旅路が始まるのでした。
目を開くと、忘れようのない見慣れた天井 やせ細った腕が、自由に動かない体の感覚が 元の体に戻ってきたことを自覚させる 「やあ、お久しぶり。気分はどう?」 白衣を着たあの時の悪魔が楽しげに笑っていた~。 返事をしようとしたが声がつまり、目を閉じて俯く 「あ、この服は気にしないで。 眠っているキミの側にいるにはこの方が何かと都合がよくってね。」 さて、今の気分は良くはなさそうだね? そりゃそうだろう、キミは知ってしまったものね 羨んできたものが窓の外の生活が実際どんなものなのか。 どれだけキミの世界が窮屈なのかを」 シーツを握り、ただ俯き 不安や怒りでくしゃくしゃになりそうな私に悪魔は笑いかける。 「折角お話するのを楽しみにしていたのに黙りなんてつれないな。 ……安心するといい、明日の朝にはキミはまたあの街にいる。 私はちゃんと約束は守るさ。 じゃ、ほんの少しの間元の生活を楽しんでね」 それだけ言い残して悪魔は姿を消した。 知らなければ、羨むだけでいれば楽だったなんて最初からわかっていたことなのに なんでこんなに苦しいんだろう 涙が溢れてくる 窓の外へ、あの街へ思いを馳せる クリスマスの街中はどんなに綺麗なんだろうか パン屋さん、クリスマス限定のメニューがあるって言ってたな 今日は、走れないな 預けたオルゴールはもう治っちゃったかな