名簿/500628
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FF/個人イベント/駆り立てるのは野心と欲望、横たわるのは犬と豚
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FF/0893
2024-03-02
あ、やせいのスジモンが飛び出してきた!
2024-03-01
さのばうぃっち!
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ボム・バザンガズ
2024-02-20
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と薔薇の日々
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2024-02-15
猫耳ハプニングが起きてる
ソート表示
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家名順
年齢順
更新日順
前職
ワープゲート
冒険中ゲート
更新順ダム
チャット部長
ガイドマップ
ASH課金マネージャー
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名簿
例えば、小路に咲く小さな花を綺麗だと思えたり、
雨の後の空を見て、ああ気持ちがいい空だなと思えたり、
そんな当たり前の積み重ねが、幸福な人生なんだろうなって、私は思うのです。
アーロンデルク家出身 ノーリ 501213
†
ID:
500628
名前:
ノーリ
出身家:
アーロンデルク
年齢:
18
性別:
男
女
男?
女?
元男
元女
無性
両性
実は男
実は女
男装の女
女装の男
秘密
前職:
上級兵士
下級兵士
樵
人足
衛兵
ならずもの
ごろつき
鍛冶屋
農夫
鉱夫
漁師
貴族の側近
貴族の召使
猟師
船乗り
旅籠の主人
旅籠の下働き
馬丁
牧童
職人
徒弟
学者
文士
学生
占い師
芸術家
医者
薬草売り
商人
丁稚
墓守
理由:
一攫千金を狙って
立身出世を目論んで
国の現状を憂えて
平凡な生活に飽きて
己を鍛えるため
何となく
やむをえない事情により
裏社会に魅入られて
故郷に錦を飾りたくて
世界を救うため
弱きものを救うため
悪い奴を倒すため
親に言われて
運命に導かれて
出身地を追われて
食うに困って
状態:
冒険中
重傷
行方不明
野垂れ死に
引退
師範
方針:
特になし
討伐を優先
捜索を優先
護衛を優先
探検を優先
難易度:
安全第一
危うきに近寄らず
実力相応
多少の危険も辞さない
危険であるほど良い
信頼性:
あまり気にしない
気にする
とても気にする
低い方が良い
その他:
ステータス
/
戦歴
/
冒険中
?
コメント欄へ
絵:
○通常
○目色+体型
企画:
↑
簡単に
†
5歳まで出向に出てた宗家の娘が、出戻ってきた。
同い年まで「お兄さま、お姉さま」扱い。
年下は「○○さん」で統一。
冒険でやられてしまったので、以降は従者を冒険に出します。
いい意味でも悪い意味でも貴族的な考え方について理解はある。
立場をわきまえた行動をとることも多く、
従者に対しては貴族然とした振る舞いを取ることも。
一定の価値観に基づいて行動している。
寝る時は裸派。柔らかな布団を肌で感じていないと寝れない。
寝起き
もうそろそろ屋敷の中では一度会っている体で話しかけてくれてもいいかもしれない
一人称は「わたし」ではなく「わたくし」です。
↑
自室
†
ノーリ>名簿/500628 COLOR(#ff69b4){}
お名前:
ほの暗い闇の中、抽送の音が聞こえる。
月明かりだけを明かりにした部屋の中に、柔らかい肉が蹂躙される獣音が響いていた。
瀟洒なベッドの上、少女はその体に肉欲を打ち込まれながら声を押し殺す。
既に体は開かれているし、そのことは後ろから彼女を貪る男にも、下腹部の火傷を齎しそうな温度と水音で理解出来ていた。
だとするなら、後ろからこれ程までに突き崩されていながらも声を上げないのは単なる羞恥のためか、それをはしたないと少女が感じているからに他ならない。
男は今まで感じたことのない程、下半身に獣の欲が滾るのを感じる。
鍛えあげられた自分の体躯とは程遠いこの柔らかい肉の固まりを、心から屈服させたくなった。
抽送を早めると、少女はたまらず、きゃ、だの、ふっ、だの短い悲鳴のような喘ぎを上げ始める。
その声が、一層後ろから彼女の肉を突く男を興奮させた。
--
2013-07-23 (火) 23:40:38
誘ってきたのは相手だ。好きに出来る。
万一咎められようことがあったとしても、ここまで悦んでいる相手が自分を裏切ることが出来るわけがない。
性的な征服感による恍惚が、男から冷静な判断を失わせ、ただ腰を振るだけの獣と化させる。
脱ぎ散らかされた服には、それを初めて付けたときには誇らしいと思えたはずの近衛兵長の名札がある。
衣紋掛けにすら掛けられなかったそれは、一刻も早く性合を行いたい男の焦りを表していた。
突かれる少女の体が緩むと、男は笑いを零す。
相手は非力な女だ、腕力で屈服させられることは当たり前のことだった。
ましてや、清楚な顔をして、このノーリ・アーロンデルクという少女は、かなりの好き者であることを、この一時間程度の交わりではっきりと理解出来ていた。
抽送を辞め、焦らすように腰を回してからそれを引き抜くと、普段当たらぬ場所に当たったのか、少女は小さく声を漏らした。
羞恥に赤く染まる顔を腕で隠したまま、くたりと横たわるその表情は伺えない。
だが、それはあちらも同じようで、互いに絶頂に至らぬまま中止された行為への疑問が、彼女の顔を覆う腕をどけさせた。
暗闇の中、真っ直ぐに目が合い、少女は慌てた素振りで顔を背け、覆う。
自らの視線に、期待と不安が入り混じったモノが乗ってしまっていることに、自分で気づいたらしい。
その娼婦と少女の性質をない交ぜにしたような所作に、下半身は更に哮りに痛いばかりに力む。
--
2013-07-23 (火) 23:50:05
男は少女をどけるように抱え上げる。脇の下を持つようにして持ち上げると、不可解な行動に少女は疑問符を浮かべた。
柔らかい肉に己の指が沈み込む感触と、それでいながら自分の腕力に対して余りにも軽いその身体に、僅かに破壊衝動すら浮かぶ。
身体を入れ替えるように少女の寝ていたベッドの上に横たわり、少女の身体を自分の太ももの上に載せた。
肉感的な太ももが自分の健脚の上にふわりと乗る感触を楽しみながら、男はそのまま枕に頭をつける。
そのまま、片手でノーリを指し、何かを促すようにしてから両手を頭の後ろで組んだ。
僅かな所作であったが、ノーリは男の求めんとしていることを理解し、顔を更に赤くさせる。
戸惑いはするが、拒みはしない。自ら挿入れろというその男の尊厳を十二分に満足させる程度の時間を以って、羞恥よりも快楽を選ぶ。
男の腰の位置を確かめるように動き、少しだけ腰を浮かすと片手で位置を整えて、丸で咥え込むようにゆっくりと腰を下ろした。
少女は、堪らず鳴いた。
深くまで届くその感触に、抑えられない声を小さな悲鳴にして、零す。
ぐずぐずに溶けるほど熱くなった胎内は隙間なく男を包み、呼吸をするように心臓の鼓動に合わせて蠢く。
何かを飲む時の喉のような動きを胎内に感じ、男はその感触を少女に分からぬように歯を食いしばって耐えた。
経験が少ないわけでもない男にとっても、そのノーリの膣内の動きは余りにも予想外だった。
--
2013-07-23 (火) 23:59:29
けして男が命じた訳ではない。
少女は、耐え切れず腰を動かし始める。
今までされるがままだった少女に、自ら快楽を貪ることが許されたがゆえに、それは貪欲に自己の欲求を満足させようと腰を使う。
ただ肉同士が擦れ合うだけでも達する男と違い、女は様々な角度を以ってその行為を愉しむ事が出来る。
口の端から涎まで垂らした虚ろに似た笑顔で、少女はかき混ぜるようにして男の上で踊った。
淫らでありながらも美しさすら感じるその動作に、男も笑う。
扇情的に弾む柔らかな二つの肉の固まりを乱暴に掴むと、それすらも快楽に変えられるようで、少女はその手に自分の手を重ねてその行為を求めた。
ときに何かを求め、欲しがるかのように激しく、ときに高まった自分を抑えるように静かに円を描くように剛直を肚の内で舐めまわす。
滴る汗が男の胸板に落ちて混ざり合うが、それよりも熱い水音の弾ける音が男女の交合を生々しく自覚させる。
--
2013-07-24 (水) 00:08:31
唐突に、蠢いてはいたが温かく包み込んでいた少女の胎内が、痛いほどに締め付けられる。
その変化は思わず男の腰が浮くほどの衝撃を齎し、男は顔を見上げる。
蠕動する腹部と僅かな震えと共に俯き、何かに耐えるように声を押し殺すその動作に、彼女の方が先に限界が訪れたのだと知る。
叩きつけられた快楽に反射的に男の腰が浮き、自身の射精から逃げるように腰を引くと、少女の身体がそのまま後ろに倒れこむ。
絶頂の余韻で気を失いかけたのかと、少女の身を案じて男が体を起こすと、接合部が男自身を咥え込んだまま、引き込むように彼を導く。
吸い付くようなその感触は、男の逃げ腰だった下半身を前に押し出させる程に蠱惑的であったため、男はそのまま少女を追って身体を起こし、倒す。
騎上位から正常位へと変わったその体位の変化の中でも、交合が途切れないようにする身体の捌き方は、単なる偶然が齎したものだったのだろうか。
絶頂の余韻に溶けたような視線を、自身の胸ごしに送ってくる少女は、まるで童女のような笑みを浮かべていた。
その余裕を打ち砕こうと腰を打ちつけようとして、今度は先ほどとは比べ物にならない程の快楽が腰の裏から這い上がってくる。
丸で根本から甘く絞られるような感覚は、性器ごと引き抜かれるのではないかという危機感と共に、自分の意思とは関係なく射精を齎した。
腰が抜けるのではないかという程の圧倒的快楽に精を搾り取られ、今度は男が声を上げる。
今まで、経験したことのない程の量を快楽に後押しされるように少女の身体の中にぶちまけると、まるでそれを飲み干すかのごとく少女の胎内が蠢き、悦んだ。
そのまま、下半身の虚脱感に後押しされるようにゆっくりと少女の身体の方に倒れこむと、彼女の柔らかな二つの肉がそれを受け止め、同時に少女は男の身体を抱きしめるように腕を伸ばした。
--
2013-07-24 (水) 00:25:10
少女は男の耳元で囁く。
私は、貴方となら、きっと幸せになれると思う。
それは、空いた心に染みこんでくるような安堵を齎す声色だった。
男は射精の余韻で白濁する視界の中、ノーリの頭を掻き抱き、その柔らかな髪の毛に指を通した。
この部屋に誘われた時、この少女は肉欲を求める相手だったはずだ。
だが、そこに感じたのは失い難い愛着と、子供のような独占欲だった。
少女はその不器用で硬い抱擁にも文句を言わずくすくすと微笑み。
すぐに、小さくため息を漏らした。
こんなときが、ずっと続けばいいのに。
それは、少女が夢物語を語るときの声色ではなく。
すぐ側にある障害によって、その細やかな願いが叶えられない憂いを含んだ声色だった。
男は、言葉を返す。
その褥の呟きを聞いた男は、自分しか居ないのだから。
男は、言葉を返さねばならなかった。
……何か、心配なことでも。
--
2013-07-24 (水) 00:32:02
その、世界一愚かな問いに。
少女は、小さく憂いを零した。
……私には。
……ジェイムスという、弟がいるんです。
少女の手は、引き金を引くには余りに非力であったため。
その銃は恐らく、自分からその弾を静かに生み出そうとしていた。
--
2013-07-24 (水) 00:34:53
「ごきげんよう」
私が五歳の頃、初めてその屋敷に足を踏み入れた時、私はそう挨拶をしたことを今でも覚えている。
アーロンデルクの淑女たれ、貴族の娘の振るまいたれと、
両手の指でも数えられる歳の頃から言い聞かされてきた家訓によって、私はノーリ・アーロンデルクという少女の形に成形されていた。
だから、その屋敷に足を踏み入れた時、下ろしたてのドレスの裾を少しだけ持ち上げて、
その小さな淑女は作法に則って小さく会釈をしたのだ。
この家に嫁いだ姉二人の妹として恥じぬよう。
アーロンデルクよりの養女を、疎ましがられぬよう。
--
2013-07-22 (月) 23:05:28
――もう少し賢しければ、あるいは、あと3年でも歳を重ねていれば。
小さく会釈をした少女に向けられた視線が、嘲りや侮蔑のそれであることに気づけただろう。
それは、その家に嫁いできた者の妹を見る目でも、アーロンデルクというお家の貴族を見る目でもなく、
同じ人間を見る目ですらなかったことに、少女は気づけなかった。
愚かしさはいつもその代償を承諾の返事なしに奪っていく。
顔を上げ、ドレスの裾を下ろしたところで、屋敷の大きな入り口が、がちゃりと、外界との境界を分かったように閉められる音が背後で鳴った。
--
2013-07-22 (月) 23:10:26
歓迎会が始まった。
その構成は、至って単純なもので、新しくこの家にやってきた花嫁に、この家の最低限のルールを教えるといった、
極在り来りな催しだった。
顔を上げると、踊り場の階段上に、二人の姉の姿があった。
その横には数日前に結婚を祝った彼女たちの夫の姿もあった。
大きなシャンデリアが綺羅びやかに輝いていたせいで、その人たちの表情は分からなかったが、記憶が違っていなければ微笑んでいたように思える。
見上げたその視界が一瞬だけぶれる。
急に何かを顔に押し付けられて、私はそれをどけようと両手を伸ばした。
それはびくともせず、良く触ってみると、地面であることに気づいた。
数秒のブランクを以って、私は何かで頭を叩かれ、地面に倒れている事に気づいた。
自覚をすると、首の後ろに感じたことのないような痛みが生まれ、それはずくんずくんと自己主張を始めた。
余りに痛みが強すぎて、何かを断続的に押し付けられているような圧迫感にしか思えず、私は泣いていいのかどうしていいのかわからなくなった。
--
2013-07-22 (月) 23:17:24
立ち上がれない私を見て、周囲の人間が何かを喋っている。
もし、頭の中で鐘を鳴らすような痛みがなければ、それが笑声であると気づけたかもしれない。
力の入らない腕で立ち上がろうとするが、震えで地面を押すことが出来ず、肘から曲がり、再び地面に突っ伏する。
鼻が潰れて痛くて涙が出そうになったが、アーロンデルクの淑女が涙を見せてはならないと、懸命に飲み込んだのを覚えている。
背後で、うめき声が聞こえた。
振り返ろうと思ったけれど、力が入らない。
うめき声は徐々に近寄ってきて、耳元まで迫ってくる。そこでようやく、それが自分の体より大きな犬であることを、私は知った。
屋敷の中で犬を飼っているのだろうかと、どこかぼんやりと夢心地だった自分は思い、手を伸ばそうとして、その手を掴まれる。
それは、大きい方の姉が嫁いだ先の旦那さんで、今までに見たことのない顔をして乱暴に私の体を持ち上げていた。
私は怖くなって顔を背けようとしたが、体はぐったりと動かなかった。
--
2013-07-22 (月) 23:24:51
大きな姉の旦那様は、片手で私の手を掴み上げたまま、反対の手に持った短刀で、私のドレスを切り裂いた。
ああ、お姉さまの妹として恥ずかしくないようにと、お兄さまが誂えてくれたドレスだったのに。
私は自分の両目から涙が溢れるのを我慢することが出来なかった。
なんて酷いことを、お姉さまの夫であったとしても、許されることではないはず。
私が身を捩ると、ドレスを切り裂いた義兄さまは私を地面に投げ捨て、再び私は地面に体を投げ出された。
ホールを埋め尽くすその家の貴族の方たちの笑い声はますます大きい物となり、私は何も分からないまま半裸を晒したまま地面に横たわるしかなかった。
--
2013-07-22 (月) 23:29:43
引き裂かれるような痛みが、どこかに来た。
どこかは分からない。意識はぼんやりとしていたし、何よりそれは未知の痛みであったために、それが何の痛みかは分からなかった。
ただ、動かないはずの体が逃げ出そうともがき、喉奥から動物を絞め殺したときのような悲鳴が出そこねて、妙な音を立てた。
髪を振り乱して逃げようとしたところで、肩口を何か大きな物が押さえつける。
それが何かを確かめる前に、耳のすぐ後ろで、先ほどの大きな犬が大きな唸り声を上げた。
どこから来ているか分からない痛みは、まるで痛み自体が生きているかのように体中を断続的に駆け巡り、
痛み自体が喉奥に絡みついて悲鳴すら上げさせてもらえない地獄のような時間が訪れた。
ぐちゃりぐちゃりと何かをかき混ぜるような音と水音が響き、体の中から何かがこぼれ落ちてしまっているのではないかと不安にすらなった。
もしかしたら私はこの犬に食べられてしまっているのかもしれない。
だとしたら、何故誰も助けてくれないのだろう。何故皆、それを見て微笑を浮かべているのだろう。
小さく体を揺さぶられながら私は誰も答えてくれないその問いを、虚ろになった瞳で問いかける。
誰ひとり、今に至るまで、その答えを明確にくれた者はいない。
--
2013-07-22 (月) 23:36:41
一際大きく犬が吠え、耳元に涎を垂らす感触で、目を覚ます。
たった数秒であったが、意識を失っていたことは、もしかしたら幸運だったかもしれない。
目を覚ますと鈍器で断続的に殴られているような痛みと、体中に針が刺さったような痛みが蘇ってきて、私は悲鳴を上げた。
犬が私の体の上からどいた後でもその痛みは絶えず襲ってきていて、ようやく動くようになった体の向きを変えると、
そこには私の物であるだろう、たくさんの血が流れ出していた。
それを見て、自分はお腹を刺されてしまったのだと思った。
こんなに血が出ては、助かるわけはない。
何か悪いことをしたからこうなったのだろうか。
お姉さまは、何故私を助けてくれないのだろうか。
いくつもの疑問が浮かんだが、それを問う相手は居らず、義兄さまが再び私の腕を掴みあげた。
ぐったりとした私の顔を覗きこんで、彼は笑いながら言った。
「ちゃんと、お礼を言わないと。ありがとうございました、と。
君なら出来るよね、ノーリ」
何を言っているのか分からなかった。義兄は分からないままの私を再び地面に落とす。
顔をあげようとして、靴底が私の頭を押さえつけた。何をすればいいのか問う暇もなく、私は頭を地面にこすりつけて、義兄が何を望んでいるのかを探った。
目の前には、先ほどの犬が、小さい方の姉の夫である小義兄さまの横で、座り込んでいた。
私は悲鳴を上げて逃げようとしたが、頭を押さえつける義兄がそれを許してくれない。
私は、何をしたらいいのかわからなくなり、それでも、義兄さまが望むことを探ろうと、懸命に頭を働かせた。
--
2013-07-22 (月) 23:46:17
「ありがとう、ございました」
私が呟くと、ホールは爆笑の渦に飲み込まれた。
義兄も小義兄も皆、満足そうな顔をしていたので、それが正しかったのだと私はほっとした。
盛大に行われた歓迎会では、そうして、新しい花嫁二人に明確なルールを教えることになる。
ただ一つのシンプルなルール。
『逆らえば、お前もああなる。そうでなければ、それを高みから笑うこともできる』という……それだけを伝えるための、彼女達の妹に行われた明確な歓迎だった。
--
2013-07-22 (月) 23:50:35
少女の腕と首には鎖が繋がれた。
屋敷の中で服を着る自由を奪われ、直立する自由を奪われた。
義兄に連れられ、膝立ちで移動する様は屋敷ですれ違う全ての人間を笑わせ、自分はこうなるまいと口を噤む理由となった。
後から知った話だが、この家は代々そういった形で結束を強めていたらしい。
最底辺の人間を自分たちで設定することで、それ自体を恐怖の軛として利用するのが、彼らのやり方だった。
私はその贄として選ばれたのだという。
自分の価値観や常識を根底から覆され、少女はそれでもその世界に順応しようとした。
彼女なりの最善を尽くそうとした。
そうした心の強さが、彼女自身を苦しめることになるとも知らずに。
--
2013-07-23 (火) 00:02:11
獣との情交も度々繰り返された。
その遊びを、義兄の家族も、他ならぬ犬自身も痛く気に入った様子で、
事あるごとに催しの一つとして少女は犬と交わらされた。
泣き叫び、這いずり、逃げまわっても、巨躯と周囲の人間の悪意によって必ずその胎には精が注がれることになった。
その度に、義兄の家系は犬への感謝の言葉を述べることを強要した。
私などに精をくださり、ありがとうございます。
ご満足いただけましたでしょうか。
呪文のように何度も何度も言わされたその言葉に、犬が頷けばそこで催しは終わりにするという。
もちろん、犬に人の言葉は分からなかったし、例え犬が何かの気紛れで首を縦に振ったとしてもそれを許諾の意思と判定するのは、他ならぬそれをさせている義兄の家系の者であったのだから、
その場にいる誰もが満足するまで、その地獄の宴は終わりはしないのだ。
--
2013-07-23 (火) 00:06:42
やがて体が熟せば、彼女は人とも交わらされた。
三年余りも犬と交わらされていれば、体は男を受け入れる準備が出来ていた。
それでなくとも幼い体躯をとりわけ好む一部の好事家によってその体は何度も隠れて蹂躙はされていたし、
それが隠れて行われていようがいまいが、義兄の家系はそれを黙認していた。
他人の玩具を少し借りた程度で、誰かが罰せられるような「不条理」はこの屋敷にはありえなかったからだ。
剛直をねじ込まれると、少女は良く鳴いた。
精神的な嫌悪はあったはずだが、それ以上に犬との情交よりも人間との情交に体が慣れようとした結果の生理反応だったのかもしれない。
少女は人との情交に容易に快楽を感じ、それだけに縋るように一際大きく鳴いて好事家を喜ばせた。
良い玩具は愛着を齎す。
その良く鳴く人の形をした肉人形は、次第にそれを共有しようとする「流れ」を生み出し始める。
少女はその流れの中、男の上で腰を振り、淫乱に悦びながら、男がどのようにすれば悦ぶかをじっと見ていた。
時に情交の際に暴力を好む者に殴られ、片目の視力も失うこともあったが、
その時には「流れ」は共有された玩具を破壊しようとする者を咎めるところにまで流れ着いており、
それは水面下を流れる小川のように、屋敷の地下深くで着々と根を伸ばしていた。
--
2013-07-23 (火) 00:17:52
それが蜜壺ではなく、蠱毒の壺であったと、誰も気づいていなかった。
その肉欲は人の価値観を容易に崩すまでに成長を遂げていた。
指は男を喜ばす為に別の生物のように蠢き、触れば沈み込むような柔肉をその体に蓄え、
微笑みは無条件に人の心を癒し、膣内に一度入れば童の者など二秒と持たぬ性技を身に着けていた。
その屋敷の男で、彼女の誘いを断る男はいなくなっていたし、その中には彼女の姉達の夫も含まれていた。
所有していたはずの奴隷にも似た少女の体に手を伸ばした時には、彼女の技に絡め取られていた。
執着は愛着へと代わり、愛着は愛情へと変わる。
そしてそれは、容易に愛憎へと変わり得るのだった。
少女に、力はなかった。
知恵もあったとは言いづらい。
知識がないことは折り紙つきだったし、
器量とてそれほど良かった訳ではない。
何か特別な力が宿っているわけでもないし、
ましてや他人を自由にするような異能を所持しているようなことはけしてなかった。
ただ、少女は『悪意』で出来ていた。
大きな悪意を持っていたのではなく、悪意だけで構成されていた。
それが、彼女がこの屋敷で与えられ、育んだ唯一の物だった。
彼女は他人の善意がどういうものかを理解出来なかったし、理解しようとも思っていなかった。
その半面、積極的に他者を害する力もなかったから、ただこう呟いただけだ。
--
2013-07-23 (火) 00:30:56
「誰か一人でも、私を助けてくれる人がいれば。
きっと、私は幸せになれるのです」
兄が弟を殺した。
弟の嫁が、兄を殺した。
兄を殺してすぐ殺しに来た弟の嫁を、兄の従者が殺した。
少女は従者とも寝ていた。
従者は少女の唯一になろうとして、兄の嫁を殺し、近衛兵に殺された。
庭師が料理師を殺した。
その庭師は叔父に殺された。
叔父は少女との情交中にその妻によって殺された。
その妻は夫の死体の上で自ら死を選んだ。
近衛兵達が殺し合った。
少女が近衛兵の一人を選んだという噂によって。
その噂を立てた楽師は少女のためを思ってその噂を立てた。
褒めてもらえると喜びいさんで駆けつけたとき、少女は弟の従者に陵辱されていた。
激情した楽師は弟の従者を殺したが、自身も大きな傷を受けて死んだ。
叔母が乱心を起こす。
過去にメイドと叔父が交わりを持ったことで孕んだ記憶が呼び覚まされたのだろう。
彼女は一晩でメイドというメイドを殺し、叔父の死体を滅多刺しにしているところを近衛兵長に殺された。
近衛兵長が振り返ると、そこには少女がいた。
何度も何度もその体を味わい、肉欲を尽くしてきた相手が、静かに微笑んでいた。
少女が涙を零して彼を認めると、近衛兵長は泣き笑いのような笑顔で、自らの喉に剣を突き刺して死んだ。
少女は何もしなかった。
ただ寵愛を受け。
微笑んでいただけで、人が死んだ。
少女は涙を零しながら逃げ出し、その『近衛兵長が起こした大連鎖虐殺事件の唯一の生き残り』として保護され、
再びアーロンデルクの家へと戻ってくることとなった。
貴族世界でも歴史の闇に葬りたいこの事件は表に出ることはなかったし、かの家は分家が跡を継ぐことで何事もなかったかのように続いている。
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2013-07-23 (火) 00:46:36
少女は女へと成長し、その屋敷の跡の前で、一人佇んでいた。
ノーリ・アーロンデルク。
彼女には、一つだけ欲しいものがあった。
きっと、それは無欲な彼女が生涯でたった一つだけどうしても手に入れたい物であったのだと思う。
彼女はそれを手に入れた後、両手でそれを抱きしめて上げた後、静かに地面に叩きつけようと思っていた。
彼女は何もしていない。
何も出来ない程に無力であったから。
それでも、他の誰かが本当に欲しいものを持っていたとき。
それを力ではなく因果で譲り受けることは出来ると思っていた。
ノーリは呟く。
ドレスの裾を持ち上げ、淑女足らんという家訓に基づき、
小さく頭を下げて、その跡形もない屋敷のあった場所に向けて、小さく会釈をした。
「ごきげんよう、皆さま」
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2013-07-23 (火) 00:51:44
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【身体的特徴】(カッコ内は秘匿事項)
身長160cm
ボリュームのある体をゆったりとしたドレスの中に収める。
(性的な開発を施されており、他者から触れられることに快楽的に弱い。
反面男を悦ばせる手管について卓越した技術を持つ)
実際の体躯より太く見られる事が多い。
本人は不満。
女性としての性徴に恵まれた体躯は、母親譲りで、物心ついた頃にはその兆候は彼女の体に表れていた。
若干栄養が脂肪になりやすい体質であるため、摂取する糖質の量を厳しく管理している。
箸より重い物、とは言わないが、筋肉が余りなく、圧倒的に非力であり、
重い物の運搬は出来ない。
足も遅い。
(原因は五歳から十歳までの圧倒的運動不足により筋肉が衰えたため)
瞳の色はルビーの紅だが、左右の瞳の色がぱっと見でも分かるほど違う
正面に立ったとき左の眼の色が濃く、右の眼の色が薄い
(左目の視力が殆どない。
原因は拳での殴打による眼球白濁)
(また、他者の区別は出来るが、彼女の視界に色と輪郭は存在しない。
原因は幼少期の過剰なストレスによる潜在的他者への恐怖による)
良く笑い、良く泣き、良くたしなめる。
貴族という世界の中で生きてきたために、極端に言葉や態度を崩したりする方ではないが、
感情表現は豊かな方である。
気づきにくいが、心の隙間に入ってくるような、透き通るような美声である。
ただし音痴であり、その鼻歌や創作歌は赤の他人が聞いていても突っ込みたくなるほど音程が不安定である。
(精神的な圧迫による難聴による。
他人の声は聞こえても自分の声を聴くことができない)
【来歴】
5歳の頃アーロンデルクの家から、宗家の娘として他貴族の家に出向している。
今回は出戻り、出向に出てからは一度も屋敷に戻ってきてはいなかった。
5歳以前に会ったことがあれば既知可。
出向先はアーロンデルクの近縁の貴族の家。
財政的に苦しんでいた時にアーロンデルクに出資した恩義があったため、
奉公先として、二人の姉と共に出向いていた。
二人の姉はそのままその名家に嫁いでいる。
(出向先では家畜同然の生活を強いられていた。
尊厳をすべて奪われて新しい価値観を生み出したのもこの時期)
【精神面】
あまり欲がない。
(何かを欲しいと思える程他者に価値を見出したことがないため)
貴族然とした振る舞いが心根にまで染み付いている。
喋り方も優雅でありながら、機知に富み、少女らしい冗談を零すことも多い。
他人や、集団の心理状況にとても敏感である。
これを、本人は「他人の心が読めるんです」と嘯く。
(相手の所作から機嫌や気分を伺うことに長ける。
幼少時の記憶による処世術)
読書が好きで、部屋に本棚を持つ。
主に物語を好むが、学術書から遊興本まで幅広く嗜む。
読書中は非常に集中している。
多少触れられるくらいであれば気づかない程。
好きな花はスイレン
1つだけ欲しいものがある。
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Last-modified: 2013-07-07 Sun 22:36:18 JST (3917d)