企画/ゴルロア聖杯戦争

ソーマ家出身 カグラ 510426 Edit

ID:510426
名前:カグラ
出身家:ソーマ
年齢:13
性別:
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前職:
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理由:
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状態:
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その他:ステータス/戦歴/名簿Edit
霊圧:
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お知らせ:霊圧は一時前後まで。4月第二週中は夜安定していると思われます
文通で問題無い、朝昼でもマスターと遊んでくれるという方は歓迎です

マスター
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設定等
月角種(ルナコーン)と呼ばれる有角種族。絶大な魔力を角に宿すと言われ、過去乱獲が行われ現在は希少種とされている
とある国の森を保護区と指定され、穏やかな暮らしをしていたが国の崩壊に伴い角を狙った無法者によって森は壊滅。カグラはその最後の生き残りとなった
高い魔力を持ってはいるがそれを行使する為の魔法は殆ど知らず、魔力を大きく消費するバーサーカーの維持の為に使っている
代わりに一族が培ってきた薬学や地学の知識が豊富
望まぬ死を迎えた一族の復活を聖杯の力で願おうと考えている
通常時は男装し、自らを男だと言いはるが実際の性別は女性。
身長は140cmに満たない程度、小柄。外出時は目深にフードを被り、角を隠している
【性格等】
良く言えば慎重、悪く言えば臆病で少々卑屈な性格
一族以外の人間とは余り関わりを持った事が無い為人見知りをする、誰に対しても敬語
物腰こそ大人しい雰囲気を与えるが目的の為の手段は選ばない
【保有スキル】
【薬学知識】:D
本人が若年の為正確には薬草知識が正しい。本人が作れる薬はそれ程多くはない
【地学】:C
自然に関する知識。野外における地形把握や特性をいち早く察知出来る。
【感知】:A+
聖杯戦争開幕後に発覚、純魔力の塊である角で魔力の流れや質をある程度把握する事が出来る。遮断能力がある場合はその限りではない
【月の巫女】:EX
月角種の巫女、『月姫』としての素質。EXであればその身に神たる月を降ろす事すら出来る。
【令呪】
左手の甲に蝶のような形をしたものが刻まれている。普段は手袋をして隠している
名前:カグラ・ソーマ
サーヴァント:バーサーカー
属性:秩序・中庸
聖杯への願い:望まない死を迎えた一族を蘇らせる
戦闘タイプ:主にサーヴァント頼り。本人が戦わなくてはならない場合は短剣と弓を多少使ったり、陣地内であれば罠を張ったりも。
方針その他の情報:冒険には出ていません
バーサーカーは強いけどマスターは貧弱なのでマスタースレイヤー=サンには狙い目かもしれません
基本的に余り街中には出てきません。(角が目立つ為)町外れの魔物が出るという噂で人が寄り付かない森を拠点としています
森の陣地付近には鳴子や(鳥獣に使うような簡易な)罠が仕掛けてあります

現在は瓦礫城を拠点としています。使われていなかった元は何らかの店であったと思しき廃屋で雨風と人目を凌いでいます
状況が切羽詰まった事もあり街中を出歩き情報を求める事にも躊躇が無くなっています、マスターの単独行動も有り

本戦用コメント欄 Edit

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お名前:
  • 一つの伝説の終章(新たな伝説の序章) -- 2014-04-19 (土) 21:06:33
    • (――新たに得た友たちと別れて、勇者の男は平原を後にした。)
      (そして、訪れていた。はじまりの場所に。焼け落ち、色を失った世界。カグラと共に過ごした、森。)
      (力を使い果たした少女を抱いたまま、男はそこに足を踏み入れた。生命の光なき。滅んでしまった世界に、今一度現れた。)

      ……このはじまりの地を、一つの伝せつのおわりにしよう。
      そして……(自らの腕の中のカグラを静かに見る。 -- ケイタ 2014-04-19 (土) 21:11:32
      • (角が砕け、倒れ伏した少女は今、勇者の腕の中で安らかな寝息を立てていた)
        (ずっと張り詰め続けていた緊張と、成さねばならなかった事の重圧)
        (本来であればとても行使する事が出来ない儀式の連続で、小さな体に掛かった負荷)
        (縛られ続けてきた悪夢のような過去…その全てから解き放たれて)
        (安堵と、解放に、身を委ねて…眠りについていた)

        (少女を見る、勇者の視線。それがくすぐったいかのように、身を捩らせれば…ゆっくりと、目を見開いて)
        (そこにある顔へと手を伸ばす。自分のよく知る、絶望と憎悪に染められた悲しい表情ではなく)
        (赦しと希望に満ちた、その顔に触れれば。先ほどの出来事が夢では無かったのだと解って)
        ………おはよう、ケイタ。此処は………ニーナ・ミュウと、セイバーは………
        (周囲を見渡せばそこは…ラヴィータ・ポヴェリーノを埋葬した時にも見た、尽きた生命の世界)
        ………この、始まりの地で、終わりを告げようと言うのですね
        (全てを、理解した) -- カグラ 2014-04-19 (土) 21:21:53
      • (この小さな体にはあまりに重大な儀式。神を降し、神となり、勇者を転生させた神業。)
        (カグラへの負荷はかなり大きい。魔力を蓄えていた角も今はない。)
        (過去と定めから解き放たれて。そこにいたのは普通の少女。安らかな寝息を立てる小さな少女だった。)
        (……ケイタは少女に言われるまで気づいてはいなかったけれど、少女は既に救われていたのだ。そして、ケイタは少女によって救われた。)
        (それをねぎらうように、男は少女の頭を撫でた。)

        ……ああ、おはよう。カグラ。(少女の手が自らの顔に伸びる。バーサーカーと呼ばれた男の表情は、かつてのものではない。)
        (目に光が宿り、希望に満ちている。あの絶望と悲しみの男はもういない。)
        ここは、おれたちの森だ。君とおれがであった、はじまりのばしょだ。
        セイバーとマスターは別れをつげたよ。おれが彼らに紋章を与えて……そして、おれたちは友となったんだ。

        ……そうだ。
        (カグラの言葉に静かに頷く。
        このはじまりの地で、終わりを告げよう。おれたちの聖杯戦争に。
        戦いにまきこまれ、きえてしまったこの場所で。
        この場所を。

        ――再世の物語の、はじまりとしよう。

        (静かに目を閉じる。男のデクスの紋章が光を放ち始める。)

        もう、神にあやつられ、神の螺旋でおどらされるゆう者はいない。

        きみに、救われたから。

        (死した地を、幻想的な光が包む。)

        だから、見ていてくれ。みとどけてくれ。このはじまりを。きみによって誕生した、あらたなゆう者の物語の始まりを――

        (少女を地に降ろすと、ケイタは森の中央部天に向かって手を掲げる。) -- ケイタ 2014-04-19 (土) 21:43:09
      • あの二人と…友に…(嬉しい、言葉だった)
        (自分の我儘で、この終末を迎える為の戦いに巻き込み…そして、激しく消耗をさせた筈)
        (それを全て受け入れて、赦し、願いを叶えてくれた二人)
        (優しくて 強くて 想像を越えて魔王を討ち果たしてくれるもの。彼等は、正しく自分の希望を)
        (…希望以上を、私達にもたらしてくれた。言葉を交わす事が出来なかったのは、残念だけど)
        (…友達になれたのならば、きっとまた…出逢うことだって、出来る筈だ)
        (もう一組の友達になってくれた、メルセフォーネとキャスター達にもそれを願っているが…)
        (…彼等の行く末に、今の私を包んでくれているような、安寧と、幸福が訪れる事を願う)


        (令呪は既に無く、魔力の源であった角は砕けて。今もまだ、彼との間に繋がりは残っているけれど)
        (セイヴァーとなった彼を維持出来る程の魔力は自分にはもう、無い)
        (分かっていた事だ。残された時間は限り無く少ない。その時を如何にして過ごすのか…)
        …分かりました。既に私は、貴方に最後の願いを伝えています。
        貴方の、成したい事を。この目で、見届ける事とします。

        (光が、溢れていく)
        (暖かくて、優しい、幻想的な光)
        (勇者の傍らに寄り添いながら、彼の一挙一動を見逃すまいと)
        (…伝説の編纂者の一族、最後の生き残りとして。新たな伝説の始まりを、見届ける)
        (…彼に救われ、彼を救った者として。ケイタが成さんとする事を、見守る) -- カグラ 2014-04-19 (土) 21:55:29
      • (光の粒子が大地より溢れ出していく。)
        (まさに、神話のような、伝説のような、そんな奇跡が起ころうとしている。)
        いまこそ、きみの最後のねがいをはたそう。

        ――おれは、新たなる伝説をつむごう。おれの、ほんとうにしたいことを、しよう。

        (眩いばかりの光が、デクスの紋章から溢れだす。洪水のような光が、森だった場所を包み込んでいく。)

        (これは、一つの伝説の終わり。勇者だった男が魔王に堕ち、勇者に倒されたお話。)

        (これは、一つの伝説の始まり。魔王だった男が勇者に転生し、世界を救うお話。)

        ――これは、再世の物語――

        (ケイタが、決戦の後に手にしたカグラの角の破片。それが、ケイタの懐より、飛び出し、輝いていく。)

        さあ、君とおれの力で、物語をはじめよう。世界を、再生しよう。

        これは、おれだけの物語じゃない。きみの、すべての、物語――

        (刹那、デクスの紋章と同じ輝きを得た角から、森全体を包む光が溢れ出す。空は晴れ、光が世界に満ちる。)

        (そして――森が蘇っていく。死した世界が、破壊された物語が、蘇っていく。)

        (魔物の住む森などではない。そこは、遥か過去に、勇者とそれを救った少女が出会った場所、伝説の場所となるところ――)

        (木々は伸び、草花が萌え、緑が二人を覆っていく。)

        (森が、燃えたはずの森が、蘇っていた。)

        (ケイタとカグラの、再世の力によって。)

        ……世界は絶望にあふれてなんかいない。こんなにも、かがやいている。
        どんな存在だって、ふたたびあるきだすことができるんだ。ゆう者じゃなくても、神の如き力が無くても。
        あるいていける。すすんでいける。物語をつむげる。だれもが、主人公になれる。

        ――聖杯に願わなくても、夢は叶うんだ。絶対者の力なんて、なくても。


        おれたちは、輝いていける。おれは、それをみんなにつたえよう。おれのたたかいはまだまだつづく。だけど。


        おれは、すくわれたよ。きみに、カグラに。


        ありがとう -- ケイタ 2014-04-19 (土) 22:11:26
      • 私の…力?私にはもう、何かを成せるような、力なんて…
        (ケイタの懐から飛び出していったもの。自分であったものの、欠片)
        (今はもう無い、角のあった額に手を当てれば)
        (デクスの紋章と同じ光を放ち始めたそれを、唖然としたような表情で、眺める)

        貴方と…私の、力。これが…新たな、伝説の…物語の、始まり…

        (死した世界に、命が溢れていく。生命の光が、溢れて行く)

        (眩い輝きが、木々を、草花を、そこで死した動物達を、蘇らせて行く)

        (目を覆いたくなる程に、眩しい筈なのに。その光は、暖かくて、優しくて)

        (再生した植物達は以前よりももっと、生命の灯火を輝かせているように見えて)

        これが…再生の、勇者の力………私達の、力………

        (再生した森は、以前と同じようで…少しだけ、変化を見せていた)

        (此処にはある筈の無い、育つ筈の無い植物が、カグラの目に止まった)

        (それは、あの日…全てを失った日に、燃え尽きていった筈の、故郷の森に生えていたもの)

        (…其処に暮らしていた人達は、戻ってくる事は無かったけれど)

        (当然だ、彼等は自分の死を迎え入れて…その魂の帰り着く先、月で自分達を見守ってくれているのだから)

        (…声が、聞こえる。失った、人達の。ヴァルナ・ソーマの家族の、友の、一族の、声が)

        (もう一度聞きたかった、大好きだった、人達の声が)

        (ケイタにもそれが届いたのかは、分からない。自分だけに聞こえた、幻だったのかもしれない)

        (自分のした事を、禁忌を破った自分を、許す言葉)

        (辛く、悲しい運命に苦しめられた自分を労ってくれる言葉)

        (これからも、強く生きていって欲しいという、願いの言葉)

        (これから歩んでいく未来に、幸福と希望を願う、愛情の言葉)

        (雫がカグラの頬を伝っていく…あの日、全て出し尽くして、失ったと思っていた…涙が、溢れてくる)

        お父さん…お母さん…皆………ありがとう………っ………私、私も…皆が、大好き………
        ………今までも、これからも………だから、私は………皆の事、忘れないからっ………
        皆が、望んでくれたように………笑って、幸せになれるように…歩いて行くから………っ!


        (声が、聞こえる。願いを叶えてくれた、再生の勇者の声が)

        …うん……うんっ………私は……もう、絶望に…身を委ねたりなんて、しない……
        私が、貴方にそうであるよう願ったように…貴方が、私にそう願ってくれているように……

        …私の物語を。希望の物語を、紡いでいく……!

        (零れ落ちる涙はまだ止まってはくれない。だけど、それでいい)
        (これは悲しみの涙じゃなくて、喜びの涙だから)
        (だから、笑う。 泣きながら、笑う)
        (勇者の紋章から溢れた光と、同じくらいの輝きをたたえて)

        …私は、貴方に…また、苦難を背負わせる事になってしまったのかもしれません。
        だけど、今の貴方だったら…きっと、どんなに苦しい運命にでも、運命を弄ぶ神にも、負けることは無いって、信じています
        …例え、同じ空の下にはいなくても…どんなに遠く離れていても…私達の夢は、決して終わらない

        私は、救われたんです。貴方に、ケイタに。

        ありがとう…

        (再生の光が消え去っていったのと同じくして、新たな、光が立ち上ってくる)
        (月は落ちて、太陽が上る)
        (長い、長い夜は明けて。新たなる明日を運んでくる)

        (朝日に包まれながら、少女は勇者の胸元に駆け寄り。縋るように、勇者の背に腕を回す)
        私の心はいつも、貴方の中にいます。忘れないで下さい…私を。 -- カグラ 2014-04-19 (土) 22:45:17
      • 消えても、消えてはいない。

        きみの失ったものは、ここにあるんだから。

        (涙をあふれさせるカグラを見て言う。聞こえているのだ。失ったものたちの声が。)
        (家族の声が。)
        (幼い少女が、もう一度と求めていたものが。)

        (その願いは、決して間違ってなどいない。)
        (誰しもが、求めるものだから。)
        (涙をあふれさせながら少女は笑う。これまでにない、最高の笑顔で。)

        いいや、苦難なんかじゃないさ。
        それは、おれの力になる。
        きみの願いが、きみの思いこそが、ゆう者にとっては力なんだ。

        だから、もうぜつ望に潰えたりなんかはしない。たとえ、負けてもたちあがれる。

        そのためのたたかいに、おれはおもむく。

        (朝日が昇る。新しい世界の復活を照らす。)
        (夜が、ようやく明けた。絶望の満ちた夜は、もう、ない。)
        (明るい世界が蘇る。希望にあふれた世界が蘇る。)
        (嘲笑響かせる神の笑いなど、ここには届かない。神はここにはやってこれない。)
        (もう、世界は神の玩具箱ではなくなった。)

        ああ、どんなにはなれていても。どれだけ時がたとうとも。
        世界をこえて、時間をこえて、おれと君はいっしょだ。

        決して、おれたちの夢は終わらない。かならず、かなえよう。

        (少女が駆け寄ってくる。勇者にすがるように、その背に腕を回して。)
        (勇者は静かにそれに応え、少女を強く抱きしめる。)

        ……わすれなんかしないよ。ぜったいに。君とすごした日々は、わすれられない。

        その証を、きみに――

        (ケイタは背に回されたカグラの左手を優しく握る。光が溢れ――カグラの左手には、あの、蝶のような紋章が浮かび上がっていた。)
        (それは、神に運命を弄ばれるものの証ではない。)
        (勇者と少女の、かけがえのない、絆の証――)


        おれは世界をまもるゆう者だが、この時、この瞬間……いや。

        おれは世界をまもるゆう者だが、同時に、えいえんに……


        君だけの、勇者だ――


        (そう、笑顔で告げて。)
        (サーヴァントとして召喚されたときの言葉を少し変えて。)
        (再び、誓う。これは消えることのない誓い。いつまでもいつまでも消えない誓い。)
        (少女の幸せを願って。少女の行く先を願って。)
        (そして、いつまでも一緒だという証を残して。)

        ――ありがとう。いつか、時の果て。世界の果て。おれの戦いが、終わるとき。

        また、会おう――

        (固く、そう約束して。)

        (ケイタはカグラより離れていく。そして、勇者の剣を抜いて――)

        (それを掲げれば、空間が割れ、あの原罪の地への扉が開いた。闇と絶望のあふれる世界。)

        (そこへ、ケイタは戻っていく。踵を返し、剣を手にして。)

        (そこに待つのは無限に続く神との戦い。彼の世界を創造した神との戦い。)

        (過酷な戦いが再び始まろうとしている。だけど。)

        (その顔は晴れやかで、希望に満ちていた。)

        (カグラの角のかけらを。しっかりと胸に抱いて。)



        (――彼の世界へと、戦いの地へと。勇者として再び、彼の地へと赴いて。)



        (――この世界から、消えていった――) -- ケイタ 2014-04-19 (土) 23:11:21
    • 〜 -- 2014-04-19 (土) 23:16:49
      • (再生の勇者との別れて、幾許かの時が流れた)

        『私は、今。故郷の森に良く似た…再生した、あの森で暮らしている』
        『再び、この森が無くなってしまう事が無いよう、護る為に』
        『魔が棲むと呼ばれた森は、破壊され、再生した場所として話題を呼んで』
        『今は多くの人達が訪れるようになっている』
        『人々が訪れれば、当然多少森を汚されてしまうが…それを、綺麗に再生させるのが私の役目だと、そう思っている』

        『一人で暮らす森では、生活を続ける事が出来ないので…私は森からそう遠く離れてはいない農場で働き始める事にもなった』
        『森の暮らしとは違う、大地に根ざす生活は新鮮で楽しく過ごせている』
        『私を拾ってくれた農場のご夫妻は年齢を聞けば驚く程に若々しく、とても優しかった』
        『彼等の子供達も良く懐いてくれて、新たな家族を得たような気持ちにさせてくれる』
        『…ただ、ご夫妻の仲が睦まじすぎて、時折当てられてしまうのだけが難といえば難なのだが…』
        『両親が生きていた頃も、そんな風に仲の良い姿を良く見ていただけに、懐かしくもある』

        『何時か旅費が貯まれば、一度、故郷の森に帰って…皆を正式に弔いたいと思っている』
        『風の噂によれば、崩壊した国はとある商会の手が入り、緩やかにながら復興が始まっているらしい』
        『あの森も何時かは…遠い未来になるかもしれないが、元のような、自然に満ちた姿を取り戻そうという動きも、あるそうだ』
        『もう、一族はそこにはいないけれど…そうなれば、嬉しく思う』
        『その手助けをする事が出来るようになればいいな、とも…思う』
        『何時か、と言えば…聖杯戦争で出会う事が出来た友達の元にも、行ってみたい』
        『彼女達がどのような結末を迎えたのか…それを知る事は出来ないけれど』
        『私の様に、希望を…掴んでくれていると、信じている』
        『お互いに、幸福を抱きあって…お話をする事が出来ればいいなと、願っている』

        『全てが順風満帆、とは流石に言えないけれど』
        『希望には満ちている生活』
        『貴方が救ってくれた、カグラ・ソーマという少女の物語は。そんな風に続いています』

        …ケイタ、貴方の物語は…どうですか?
        (ペンを置いて、窓から映る夜空を見上げる。あの日のような、真円の月が輝いている)
        (勇者が残してくれた伝説をもう一度書き綴り、残していく事。それが今の、少女の夢の一つ)
        …問い掛けるまでも、ありませんか
        (微笑む。そう、勇者の再生の伝説の行く末は…もう、決まっているようなものなのだから)

        -- カグラ 2014-04-19 (土) 23:36:02
      • そして伝説へ



        ――聖杯戦争終結後からすぐなのか、それともはてしない時を経た後なのか。
        それは、わからない。
        だが、勇者は黄金の伝説の世界から去ったのちに、幾多の戦いを経て、たどり着いた。

        ――神の下へ。



        そこは原罪の地。ケイタの住んでいた世界のあった場所。
        ケイタが魔王となって、その世界全てを、隣接する世界全てを滅ぼした原罪の、始まりの場所。
        今はもう何もない。無の空間。そこに勇者が現れた。
        希望を纏い、光と共に、それは現れた。


        「――ようやくたどりついたぞ、神……全能なる父よ」


        ケイタの声が闇に響く。その声を嗤うように、世界が震える。闇から声が響く。


        ――素晴らしい!! ついにここまでたどり着いたのか!

        無限なる絶望を得てもなお! 立ち上がる姿、素晴らしい――あの世界で、君は再び勇者となったらしい。

        おめでとう、ケイタ。君に、心からの祝福を。私の玩具の中で、君は一番だ。


        邪悪な声が響く。この世界の創造神。ケイタをはじめとするデクスの一族にデクスの紋章を与え、運命の螺旋に巻き込んだ張本人。
        世界を何度も繰り返させ、ケイタに救わせ、滅ぼし、そしてケイタを狂わせた邪悪なる神。
        ――全能なる父
        この宇宙すべてを操り、ケイタに絶望を与え続けた存在。邪悪なる混沌。
        ケイタの世界に至るまでの、「神殺し」とよばれた世界、「KreuzTraum」と呼ばれた世界、「ソリマ」と呼ばれた世界。それらを弄び、壊してきた存在が、そこにいた。
        この闇の中で。

        だが、どうする? 君の力は私が与えたものだ。

        そのデクスの紋章も! その勇者としての力も、何もかも!

        私が与えたものだ! 私が全て、用意したものだ! だから、君は勝てない。私には、勝てない。

        この時を待っていた。君がついに最高潮に達するときを。そう、それを、それを絶望させてこそ! それをぶち壊してこそ!!

        ――この世界を、弄んだ甲斐があるというもの。


        笑う。笑う。嗤う。嗤う。嗤う嗤う嗤う嗤う嗤う嗤う嗤う嗤う嗤う。
        神が、笑う。全能なる父と呼ばれた混沌が笑う。
        最高の時を迎えて。希望に満ちた勇者を滅ぼす時を迎えたと叫んで。


        だが――

        ――その嗤いも、消える。



        「そうだ。このデクスの紋章も、俺の勇者としても役割も、何もかもおまえにあたえられたものだ」

        「だが、もうちがう

        「おれは、もうお前のあやつり人形じゃない。おまえの、デクスの螺旋にとりこまれた勇者でもない」

        「おれはケイタ。ケイタ・デクス」

        「うん命をもてあそぶ、お前を倒すゆう者だ――!!」


        刹那、デクスの紋章が輝き――砕け散った!
        勇者としての誇りの証が、神の螺旋に取り込まれた勇者の力が、消え去った――!!


        ほぉら!! ほおら!! 無駄だと言ったじゃないか! 君の勇気も希望も愛も思いも何もかも何もかも何もかも何もかもッ!!


        無駄なんだよおおおっ!! ハハ、ハハハ、ハハハハハハハハハハ!!!!


        神の愉悦の笑いが響き渡る。最高だ、最高だ、最高に滑稽だと叫んで――

        だが――

        ケイタは、笑っていた。狂って、壊れた笑いなどではない。

        希望に満ちた笑みを、浮かべていた。


        「何をいってるんだ? なにがすべて無駄だと?」


        ――消えたはずのデクスの紋章が、ケイタの右手に宿っていた。

        ――ケイタの背後に、巨大なデクスの紋章が、闇に光り輝いていた。


        ……馬鹿な? どうなっている? 私はこんなことをしていないぞ。どうなっている、何をしたんだケイタ?

        ――お前は、何をしたんだっ!!


        初めて。この神と呼ばれた存在が、初めて恐怖の声を上げていた。
        全て操れるはずの存在が、操れない。
        こんな結果は、自分が考えた物語の中に、ない。


        「――いったはずだ。おれはもう、おまえにあやつられるゆう者じゃない」

        「おれは、ケイタ。もう、デクスの螺旋の勇者じゃない」

        「デクスの螺旋はもう、ほうかいした。おれが、くだいた」

        「――いや、おれたちが、くだいたんだ」


        御守として、首に下げていた、ある有角の少女の角を、ケイタは強く握る。


        すると、世界に光が満ちていく。闇の世界が消え去っていき――


        今までケイタと出会った数多くの人が、そこにいた。皆、手にデクスの紋章を以て。


        「クリセスちゃん、伯爵、ブルー、トーコさん、ワタル、ルージィ君、ジュン――俺と出会って友となったひとびと、そして」

        「……カグラ」

        「おれに、力を、貸してくれ――!!!」


        そこにいる人々は無論本人ではない。だが、ケイタへの思いが形となって現れたもの。

        それらがケイタのデクスの紋章に力を与えていく。

        神から与えられた偽なるデクスの紋章ではなく――

        ――真なるデクスの紋章に!!


        ――素晴らしい!! 素晴らしい! 素晴らしい!!!

        ついに君は私から独立したんだ! 私と同じ存在になったんだ!! 私と同じところへ来たんだ!! ――神となったんだ!

        大成功だ!! 君は、ついに私と同じ存在となった!!


        「――ちがう。おれは、神になんてならない」

        「おれを待っている人いるんだ。再会をやくそくしたひとがいるんだ」

        「だから、おれはおまえを倒して、あの世界に帰る――おれは、勇者だからだ」


        叫びと共に、デクスの紋章が強く輝き――世界が、再生していく。

        ケイタが滅ぼした世界が、蘇り始めていた。

        奇跡の力によって。思いによって。神に運命を弄ばれた世界が、その鎖から解き放たれたのだ。


        ――ならば、来たまえ。この混沌たる私に勝てるというのなら。

        ――来い、来い、勇者よ!! 私を倒して見せるがいい!!


        「言われるまでもない」


        勇者の剣を手に。全ての世界を背負って。闇の中から現れる異形の神の化身どもを前に。
        臆すことなく、恐れることなく、絶望することなく。

        ケイタと同じ姿を取り、闇の彼方で嗤う邪悪な神目がけて――

        飛び出した――!!


        世界を再生させながら――!!




        そして遥か後に、少年は伝説となった。神話となった。蘇った世界で語り継がれる、創世の神話となって――





        新・劇場版ケイタの伝説〜外伝〜
        -MOON CHILD-月の少女と蝶の羽ばたき



        ―完―

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用語集的な他諸々 Edit

+  雑多に

相談用 Edit

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お名前:
  • 聖杯戦争改めまして新劇場版ケイタの伝説、完!(BGM) -- カグラ 2014-04-20 (日) 00:05:06
    • 絡んでくれた全ての皆様と、相方であるケイタに感謝感謝の仕切りです
      ありがとうございました!ケイタの伝説のヒロインを努めさせて頂きましたカグラ・ソーマです! -- カグラ 2014-04-20 (日) 00:06:18
      • いやあ! お疲れ様でしたカグラさん! ついにこの劇場版の公開までこぎつけましたね! -- ケイタ 2014-04-20 (日) 00:06:31
      • 構想を持ち掛けてここまで辿り着くまで時間的には一ヶ月程度ですけどようやくここまでこれましたね…!
        改めまして、ありがとうございました!本当に楽しかったです。全力全開をここまで注ぎ込んだの初めてかもしれないってくらい -- カグラ 2014-04-20 (日) 00:13:06
      • 僕は聖杯戦争初めてでしたが、とても、とてもよいものが出来たと思います!!
        絡んでくれた皆さん、そしてなによりカグラのおかげです!! ほんとうにありがとう!! 最高です!! -- ケイタ 2014-04-20 (日) 00:21:09
    • ◆キャラクター名
      カグラ・ソーマ

      ◆あらすじ(物語)
      本名はヴァルナという、月角種(ルナコーン)と呼ばれる有角種最後の生き残り
      北方の小国にて保護区と指定された森で穏やかな暮らしをしていたが国が崩壊
      それに伴い絶大な魔力を宿すと言われる角を狙う無法者により一族は全滅した
      一族の復活を願い、伝承に伝わる勇者をバーサーカーとして召喚し聖杯を望む
      聖杯を巡る戦いの中での様々な邂逅を経て、その志は少しずつ変化していく
      眉雪のキャスターの宝具により堕ちた"D"の姿を見てその想いを確信すれば
      ニーナ&セイバーを担い手として『勇者が魔王を倒す』予定調和の終焉へ導く
      その後、巫女『月姫』として儀式を行い"D"を救世主として転生させた
      願い、救い出した勇者ケイタ・デクスの新たな伝説の序章を見届けて
      勇者に救われた少女の、新たな物語を。希望の中で紡ぎ始めた
      -- カグラ 2014-05-02 (金) 12:55:26
      • 帰宅したら僕も投下します! -- バーサーカー? 2014-05-02 (金) 13:08:58
      • あらすじ

        カグラによってバーサーカーとして召喚されたサーヴァント。通称D。
        かつて勇者として世界を救い、神が与えた絶望により魔王となり世界を滅ぼし、
        そしてなお勇者であろうとし続ける者。カグラを守り願いを叶えるために絶大な力を
        振るい勇者として戦ったが、アルヴィンとの邂逅、眉雪のキャスターの宝具により
        狂い、世界を壊す魔王となる。
        そのために決意したカグラの、ニーナとセイバーを担い手とした計画により
        魔王として敗北する。そしてカグラによって行われた千夜一夜の儀式において
        救世主(セイヴァ―)として転生し、勇者ケイタ・デクスとしての心を取り戻した。
        敗退後、焼失したかつての拠点の森を復活させ、カグラに見送られながら
        再世の勇者として神との戦いに赴き、遥かなる時の果てに、ケイタは伝説となった。- -- バーサーカー 2014-05-02 (金) 20:55:08

      • 宝具1
        【Dの剣(ソードオブブレイバー)】
        Dの紋章が彫りこまれた剣。ランクはEX級。Dの勇者の意志のままに動き、
        たとえ投擲したとしても、自ずからDの勇者の手に戻る。複数本の出現も可能。
        Kの伝説の中にも登場し、様々な伝承が残されている。曰く、その刃は成層圏
        まで到達した。曰く、魔王の城を両断した。そして世界を破壊した剣である。
        【Dの紋章発動時、または魔王化時】対城宝具、対界宝具と化す。マスターの
        消耗が非常に激しいため、連続して使用するのは危険である。バーサーカー自
        体もしばらくは動けない。対城宝具、対界宝具、対星宝具、対神宝具となるこ
        とがKの伝説の中で確認されている。光と闇を纏い、万象切り裂く伝説の剣で
        ある。

        種別:対城宝具 ランク;EX レンジ1〜99 最大捕捉1人〜全世界 -- バーサーカー 2014-05-02 (金) 21:18:33
      • 宝具2
        【伝説の書(Kの伝説)】
        かつての勇者の伝説が記されているという一冊の古めかしい書物。勇者Kにま
        つわる軌跡、伝説が全て記されているという。実際にはこの書物が宝具という
        よりは、Kの伝説という「伝説そのもの」が宝具であると言える。かたちとし
        ての書物である。そして、その伝説は現在も記され続けている。独自の空間、
        結界を呼び出すことが出来る。固有結界とはバーサーカーが破壊した自らの世
        界そのもの。その絶望を再び目にすることにより、バーサーカーは狂気と絶望
        で自らを苦しめつつ、無限の力を、恐るべき破壊の力を得る。
        魔王としては絶望の世界として呼び出し、セイヴァ―と転生
        した際には、希望にあふれた世界として固有結界を呼び出した。

        ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1〜? -- バーサーカー 2014-05-02 (金) 21:33:39
      • まとめ版、無事に完成しました。
        念のためチェックはしていますが、表記データに誤りがある場合も考えられます。その際はお気軽に声をかけてください。
        ありがとうございました -- データ募集 2014-05-07 (水) 23:17:54

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Last-modified: 2014-04-12 Sat 21:04:45 JST (3667d)