月角種 †
月角種は総じて生まれ付き高い魔力を宿しているが、その魔力を魔法で行使する事を良しとせず自然で素朴な暮らしをしていた
特徴でもある角には絶大な魔力が貯め込まれているとされ、事実その通りでありそれを目的とした無法者に狩りの対象とされてきた
角には彼等自身の高い魔力を調整する制御弁的な役割も有り、角を取られた月角種は魔力のバランスを崩し死亡する
希少種とされていた理由は個体の少なさとその魔力の高さも理由ではあるが、古代種と呼ばれる程に古くから存在していた事も起因している
人間種がまだ未熟であった旧き時代はエルフと並ぶ森の賢者として、エルフ以上に友好的な種族として人間の良き友であり教師役を務めていたという
その当時は世界各地に彼等はいたとされ、数を大きく減らしてからも希少種として保護されるまでは各地を放浪していた為あらゆる地の伝承や伝説が彼等には伝わっている
その名前にも付いている月を信仰している。月の光には魔力が宿っているとしており、その魔力が自らの角に宿っていると彼等は信じている
その為角の魔力を行使する事は神の力を扱う事として、彼等の中では禁忌として固く禁じられていた
魔力を使わない生活をしている為、地学や薬学等の知識は極めて高い。
月角種の角について †
彼等の持つ高い魔力が結晶化したものではないか、と考えられている
高純度の魔力媒介として一角獣の角等と同様に魔術師に高い需要があり、しかしその希少性から高額で取引される
個体によって形や大きさの差異は勿論有るが、共通した特徴として生きている間は薄らと発光している事が挙げられる
生きたまま角を剥ぎ取る事でその光は消えずに残り、以後魔力が尽きるまで発光を続ける
太陽光等光源の下ではその灯りは見えないが、暗闇の中でぼんやりと輝く様は何処か幻想的であり
魔術師だけではなく一部の蒐集家・好事家の間でもインテリアとしての人気が有る
月へ還る †
月角種特有の言い回し、一般的に言う天に召される、土へ還る等というような意味合い
自分達の祖先が月から降った神の化身であると信じる彼等は死を迎えた時、その魂が月へと戻ると考えている
彼らが祈りを捧げるのは神たる月への信仰心と同時に、月へ還った祖先への感謝も含まれている
ソーマの一族 †
月角種が発祥したと言われる地に住まう、彼等の中でも最も尊いと呼ばれる一族
カグラはこの一族の出身であり、特別な御役目を担う存在として育てられていた
聖杯戦争が始まる三年前、カグラ一人を残して全滅している
月角種それ自体は世界各地に散らばっている為、種としては絶滅状態という訳ではない
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