ARA個人イベント『皓月千里、夢幻が如く』
- 皓月千里、夢幻が如く --
- 「くだらないッ!!」
「君を懐柔すれば御しやすく殺しやすいかと思ってやったに過ぎない!!」 「ユイくん……!! 君が生まれたせいで大勢が惜春に斬られたんだ!!」 剣気の奔流を受けて薄青いシルエットから血が噴出する。 「それを自覚したまえ!!」 ノエを斬った瞬間、カウンターで発動した魔術に。 無数に突き出す紫水晶、その概念の大部分を斬り捨てることができずに全身を貫かれる。 「ぐあ……っ! その女は悪魔なんだ!! いるだけで人を狂わせる!!」 「見ろ、ガキ一人犠牲にしてまだ戦うつもりだろう!? このガキは……ユイくんのせいで死んだんだ!!」 シリウスに小刀を弾かれれば舌打ちし、現れる無数のウサギを無限の斬撃で切り払い続ける!! 「チィ!! なんの小細工!!」 ウサギの正体を見きれぬままに、際限なく現れるそれらへの対応に追われる!! 「貴様ぁぁぁぁぁ!!!」 シリウスに激昂した瞬間、オリヴェールに惜春の弱点を指摘される。 そう、この刀は一太刀に一つの概念しか斬れない。 そして。 「ぐ、ううう……!?」 炸裂する冷気に全身が強張り、シルエットは月下に白い息を吐く。 「こ、この程度で!! 僕が!!」 即座に自分の足の甲に惜春を突き立てる。冷気の影響を殺す、そのためだけに。 テンバーの行動に不可解な点を観測しながらも、今はただ。 最後の攻撃のために。 「ちょっとおじさん見くびっちゃったな……君たちのことを…」 「それじゃ行くよ……最後の奥義だッ!!」 自分の手の甲を浅く斬る。同時に、自分の肉体的限界という概念を斬って!! 「この攻撃は避けられない。少なくとも……今、この瞬間にッ!! ユイ・キサラギは死ぬ!!」 天宮城流禁忌の剣、六連流星。 大きく弧を描くように掬い上げる斬撃、三日月斬り。 切り下ろしと切り上げをほぼ同時に行う連続剣、咬竜剣。 背骨を含む全身27箇所の関節の回転を連結加速させ、音速を超える斬撃を放つ、音速剣。 敵の影を切ることで足を封じる魔剣技、魔刻断絶剣。 相手の喉を狙って放たれる餓狼の瞬発力、魔天流狼剣。 そして色彩が反転した光が切っ先から放たれる最終剣、神天散光剣。 圧倒的な速度で、膂力で、技術で――――放たれる六つの魔たる流れ星。 -- 天宮城トウマ
- (奥義が来る、きっとこれでこの運命に決着がつく)
(だから)パーティコール!!(全員に最後の攻撃を指示した) -- ユイ
- (トウマが自らの手の甲・・・そこにある『肉体的限界』その概念が・・・・・飛んできた石に当たってちょっとズレた)
(圧倒的な速度と膂力、技術でもって放たれるはずだった六つの大技・・・その精度は、概念を完璧に斬り切れなかったが為に完全な物にはならないだろう)
・・・要するにお前は、概念っていう誰も認識できない無防備な部分を狙っていたんだ(だがそれが無防備ではなくなったのなら?概念への干渉が、惜春の専売特許でなくなったら?) (テンバーが付与した効果は『概念に干渉できる座標を動かせる』という事だけ、惜春の様に斬ったりできる訳ではない・・・だが今まで意識していなかった部分への干渉は、トウマの精神を確実に揺さぶる・・・そう信じたい) ・・・くるっ(それでも技がなくなる訳じゃない、構えて──) -- テンバー
- (全身から生えた水晶が、生命の終焉と共にマナとして霧散し、杖の刃を形成していた水晶も消えていく…が、その魔石は輝き続けている。いや、眩いほどに輝き始める)
(いつも付けていたザリアライトではない。白い魔石が、暴走と言えるほどの勢いで癒しの魔法を発動させた) …狂わせる、ですか… 確かに、狂気の沙汰だと僕自身思います…く、ぅっ……!(先ほどまで死体同然だった姿が、起き上がり…小刀を引き抜く。その傷も瞬時に埋まっていく) ……で、誰が死んだんです?(まだ、誰の命も失われてはいない。服と、師から託されたとっておきの魔石がダメになっただけだ) (トウマの奥義が、やはりユイを狙うのであれば…やるべき事に迷いはない)石英の硬度を以て、邪悪を阻む壁となれ…石英の障壁! (分厚い水晶の壁を、トウマとユイの間に生みだす。ついでに何度か地面を踏み鳴らし、無詠唱で土壁を何枚も重ねて) ユイ姉……信じてるからねっ…!!(応援の言葉を送った) -- ノエ
- こんな初見殺しに引っかかってくれるようでは、剣士としては一流でも戦士としてはまだまだ(煽りに煽る 実際、うさぎ座には大した逸話はない 猛る大豪傑を宥めるために送り込まれただけのウサギ)
(それでも、「己の限界」という概念を切ってなお迫るトウマには顔を青くする) 何がユイ先輩が妬ましいですか。十分化け物ですよ貴方も……!!(瞬きする間に放たれんとする六連撃 武の才に見放された男には十分眩い輝き) なら、僕がすべきは武以外の手段だ。生憎と今の星空にないことが悔しいが……(渋々光の軌跡を描き、二つの受け皿を持つ意匠を描く) 貴方の行いに非がないなら、天秤は貴方を赦すでしょう。だが、貴方が悪であれば、裁きは下る。 其は悪を裁く正義の天秤 Libra(天秤の片方に光を乗せる 己の罪業によって敵を挫く術 その皿が傾くかは、トウマの罪業にかかる……) (そしてすかさず、天を指差す)とはいえ天の裁きが下るか否か、何れにせよ赦すか否かはユイ先輩次第なのです そういう訳で、乗り越えてください、ユイ先輩!Orion(最後に天に輝いたのは三つの星を象ったベルトを持つ、豪傑の狩人の星座) (この世の獣全てを狩りつくさんとした狩人の意匠 それは人ならざる力をユイに与えるだろう それでも力は絞りに絞っている 只人に使うには余りに強すぎる力 負担も大きい) -- シリウス
- (指を鳴らす。術式が起動する)
(雨によって空気中に十分に行き渡った水分が凝結し、無数の粒となってトウマの周囲に浮かび上がる) (それはあたかも無重力中の水滴のように。しかし空間上に固定されてある。トウマの肉体がその雨粒に触れる度、それは斬撃の速度を殺し角度を乱し刃筋を狂わせる) (本来は防御術式。それをトウマに対して内向きに行使したもの。その帰結はこうだ。彼は最早、水中で刀を振るに等しい) (足至り、腰至り、腕至る。剣撃には必ず肉体の動作が伴う) (そこを潰す) -- オリヴェール
- (ノエの応援の言葉に、頷いた)
(テンバーの致命的な狂いを齎す投石に! シリウスが信じてかけてくれた賦活に! オリヴェールが相手を鈍らせてくれた好機に!!) 審判の時は来た!!(相手に向けて駆け出していく)
(三日月斬りを刀の柄尻で受けて捌いた) (同時に上下から襲いかかってくる咬竜剣は妖刀『咬薙』を抜いて二刀で受ける) (音速剣は同じ技を放つことで相殺) (魔刻断絶剣は振り抜かれる前に二刀をぶつける形で弾いた) (喉を狙う魔天流狼剣を夕凪で受け) (咬薙で闇を放出しながら神天散光剣の歪光を打ち砕いていく)
(ここに六連流星は破れた)
(左手の咬薙に、流れる自らの血を吸い上げさせながら横薙ぎ一閃) (如月流奥義、神薙)
(相手に一刀を浴びせると、二振りの刀を鞘に収めた)死罪。(天秤は今、傾いた) -- ユイ
- 「何がパーティコールだッ!! 稚拙な合図を臆面もなく!!」
次の瞬間、概念が斬れなかった。なぜ? どうしてこんなことが。 テンバーだ。彼の放った投石は概念を少しだけずらした。 奥義が完璧なものでなくなる。 どうして……どうして剣客としての最後の勝負にこんな横槍が!! 「っ!!」 死んだと思っていたノエが起き上がる!! 治癒すれば傷ついてもいいというのは病的な考えだ!! なのに!! なのになのになのに!! 水晶の壁と土壁を幾重にも破りながら、そしてその都度に勢いを殺されながら考える!! 何故、ユイくんだけが人に支えられる!? 「うおおおおおおおおおおおぉぉ!!」 シリウスの星座魔術により、自らを裁く天秤を幻視する。 考えるまでもない、マアトの羽根は僕を裁くだろう!! 「だからなんだ!?」 元より地獄行きは覚悟の上!! それでもユイを殺さなければ死んでも死にきれない!! オリヴェールの妨害の術は手足の……いや、刀剣の握りすら甘くしてしまう!! 「邪魔を…………」 あとは気迫のみ。心があの女を殺すまで進むのみ!! 「するなあああああああああああああぁぁ!!」 六連流星は破られた。 これが人の心だというのなら。 僕は心なんて要らない。 -- 天宮城トウマ
- 「ぐ………あ!?」
流れる血と同時に全ての存在する力を失って輪郭が茫洋の海へ溶けていく。 「惜春を握って……虚月を破るまで待って………どうして勝てない…」 「僕は………僕は…っ」 -- 天宮城トウマ
- トウマおじさん。(死に、そして裁かれ、消滅していく姿を見下ろしながら)
全部、嘘よね………おじさんは、妖刀に狂わされただけで…… -- ユイ
- その言葉を聞いて。最後に口の端を持ち上げた。
「ああ……僕は正気に戻った………ユイくん、大きくなったねぇ…」
それは悪意に満ちた、最後の斬撃。 そのまま息絶えると、死体は世界の理の外に弾かれ、妖刀『惜春』だけが残った。 -- 天宮城トウマ
- ……嘘つき。(そう呟くと負傷に蹲った)
(白い月は何も語ることはない) -- ユイ
- 白い月が登る夜 --
- 某日。ユイが下校している。部活で遅くなったのか、既に白い満月が空から見下ろしている。
それを物陰から睨んでいる、薄い青のヒトガタ……刀を持ったシルエットとしか言いようのない人物。 如月家の分家である天宮城家の後継者、天宮城トウマだ。 --
- トウマおじさん。(立ち止まって声をかける)殺気……隠しきれてないから。
(震える声でそう呼びかけた) -- ユイ
- (民家の屋根の上から、不意に飛び降りてくる人影 それは、物理法則を無視したように地面の手前でふわりと減速し…着地した)
ユイ姉は…やらせません。というか……降伏をおすすめ、しておきます 事情は、後でじっくり聞かせてもらいますけどっ… (杖の先には薄い紫水晶の刃を出し、大鎌の状態にて、既に臨戦態勢) -- ノエ
- (対峙するユイとトウマ、彼らから幾分離れた所・・・直前まで誰もいなかった暗がりに不意にぬるりと現れる)・・・
(問答に加わるつもりはないらしい。油断なく、それでいて深く観察するような目をトウマに向けている) -- テンバー
- うん。予想通りだね。(逃げ道を塞ぐような形で、路の先から現れる白い影)
……貴方が天宮城トウマ、なるほど。(紅の瞳に涼やかな微笑を浮かべ)貴方に逃げ場はない。勝ちの目もね。 剣を捨てて頂けないかな? -- オリヴェール
- (白い満月と共に星々が煌めく夜空 対峙するユイとトウマの姿を認めるや、路地裏から姿を表す)
分かりませんねミスター天宮城。分家本家の争いは醜き人の性なれど、根切りにしなければならないほどの恨みは、ユイ先輩からは聞けませんでしたが (青白い人影を牽制するように天を指差す 星々は罪を咎めるように光を放つ) -- シリウス
- 殺気を気取られると物陰から姿を現す。
「人の殺意すら感じ取れないようなら奇襲して殺すところだったよ、ユイくん」 「こんばんは、良い夜だね。でも女性が帰るには少し物騒だよ」 喉の奥を揺らすような笑い声が漏れる。 続いて現れたノエに、大仰な動きで肩を竦めて見せた。 「こんばんは……ユイ姉ときたッ! ユイくん、君はいつから兄弟ができたんだね?」 「降伏なんてしないさ、もう時は来た。今夜、如月流は潰えるッ!!」 テンバーの視線に人差し指を向ける。トウマの体の反対側にある月が彼の体を透かして見えている。 「年上にそんな剣呑な視線を向けるものじゃあないよ、君」 「どうやらユイくんは数を揃えてきたようだね……無駄だよ、妖刀『惜春』は全てを斬る」 オリヴェールの予想、という言葉には溜息をついて。 「誰の予想かは知らないけれど、腕の良い占い師もいたもんだ……」 「僕の刀はね、勝ちの目がないという概念すら斬る。君にできるのは楽に死ねるよう慈悲を乞うことだけさ」 シリウスの言葉には一瞬の沈黙で答える。だが。 「僕だって剣の道を志して長い……だが僕の剣に生きた人生は全く無駄だったと察した瞬間がある」 「それはね、ユイくん。君の剣技を見てからさ」 青白い指がユイを向く。 「傍流の天宮城の剣では及ばない如月の剣術……」 「さらにユイくんは稀代の天才剣士」 「15で魔剣『虚月』が使えるようになったのはユイくんくらいなものさ……」 「気に入らない。剣術も才能も努力も何もかも及ばないまま、負け犬として生きることはできない」 「そして今、今日、この瞬間になら」 「僕は如月流を………虚月を!! ユイくんを超えられる!!」 巻き込むような剣気を纏わせ、ユイに向けて叩きつける天宮城流秘技『一刀螺旋』。 そして君たちは気付くだろう。妖刀の反作用で存在が希薄になりすぎて認識が…… 天宮城トウマの視認が難しいことに。 -- 天宮城トウマ
- そんな……そんなことのためにスラムで大勢を斬ったの…?
……!!(魔剣─────虚月ッ!!) (相手が先手を取れば飛び越えながら上から斬り) (相手が後手に回ればすれ違い様に斬り捨てる一対一では絶対に負けない奥義)
(だが) ……っ!!(トウマおじさんがよく見えない!! 相手を認識できないと一対一にはならない!!) -- ユイ
- (指をさされ、声を掛けられても応えない、問答は無用といった所か)
(対峙するユイとトウマ、ユイに加勢するために駆け付けた皆からは少し離れた位置に立つ) ・・・(そのまま静かに祈りを捧げる・・・空には白い満月や星々が輝き、街の明かりもある・・・にも拘わらず、彼らから数歩離れた周囲が深い闇へと閉ざされていく) (闇に潜み、姿を消し、音もなく・・・それでもあからさまな程に観察されている実感は与えてくる) (暗がりより不意にトウマ目掛けてナイフが3つ放たれる・・・ひどく目視しづらいトウマだが汎魔呼吸法によるマナ知覚とノクティアの加護、これらにアウトレンジからの俯瞰という立ち位置が加われば問題はない) (ユイは語った、「相手の斬撃を回避したら、次の瞬間に返す刀で『避けた』っていう概念を斬れば。惜春は命中したことになる。そういう刀。」) (詰まる所惜春は刀であり、「斬る」という動作からは逃れられない・・・だから『隠れ』『距離を取る』・・・実力にせよ、概念を斬るにせよ、トウマがテンバーに斬りかかるには相手を捕捉し、刀の間合いに入らなければならない筈だ・・) (テンバーはその2アクションを時間的猶予とし、『斬る』か『守る』かの択をトウマにつきつければいい) -- テンバー
- つい最近できた弟でして…って、それは置いときます。降伏してくれないのなら…(大鎌と化した杖を構える…が、トウマ以外の者が見ても素人と分かるだろう)
嫉妬で狙ってたっていうんですかっ!? だから妖刀に頼って勝とうって…それで勝って、嬉しいんですかっ… (まるで透明人間のようなトウマを即座に捉えることは困難だ しかし、惜春までもが消えかけている訳ではない…と思う その刀身の煌めきを目で追い…) (きれなかった)早いっ…!(だが相手の一番の狙いがユイなのに変わりはない。ユイの斜め後方に位置するように立ち…詠唱を始める) -- ノエ
- 嫉妬か。浅ましい、となじる事は僕には出来ないな。幸いにも星座魔術に優れはしたものの、僕にも他人の力が妬ましかったこともある
だからといってユイ先輩に向く刃を見逃すほど僕は優しくはないですよ(集中したマナを天に掲げれば、東の空にふたご座が象られる) ユイ先輩を狙う刃が見きれないなら……ユイ先輩を二人にすればいい。Gemini (夜空に浮かぶふたご座の輝きがユイを照らし、実態ある残像を作り出すだろう どちらかを狙えばどちらかが斬りかかる 二人纏めて切る大技ならば隙が生じる どう転んでも追い詰める「詰めろ」の一手) -- シリウス
- 占い、いいや。行動パターンからの推論さ。私のね。
そんなことまで出来るのか、面白い。殺せるのであれば殺してみせて欲しいところだよ。 (さて。まずは視覚の補助をすべきだろう。ではどうしたものか)……視覚的に不明瞭であれば、他の感覚に頼るか、他の物体を貼り付けるか、あるいは……。 (指を鳴らす。『慈みの雨』の術式を広域発動。月夜の戦場に雨が降る。降りしきる雨粒の中に、希薄化した空間が反転するように浮かび上がる) これでどうかな。 -- オリヴェール
- 「そんなこと?」
「僕の悩みは“そんなこと”かぁ!!」 「忌々しい如月の一人娘ッ!! 殺してくれる!!」 目標の定まらないユイに一刀螺旋を叩きつけると、テンバーから放たれた3本のナイフに向けて妖刀を振る。 「無駄だよ」 刃物が自分を狙ったという概念を断てば投げナイフは奇妙な機動を描いてトウマを避ける。 「だが発想は良い……君の寿命はあと10分ほど伸びるだろう」 詠唱するノエに向けて肉薄する。 「如月の閃駆の劣化版だが、天宮城にも縮地はあるッ!!」 そのままノエに向けて袈裟懸けに斬る。 当たればただの斬撃、回避すればノエが『たった今、詠唱した』という概念を斬る。 シリウスが星座魔術でユイを増やせば、足元に惜春を突き立てる。 「浅ましい者同士、見逃してはくれないかね……? なんてな、ハハハハハハハ!!」 瞬間、シリウスの足元が砂……いや、沼のように溶け始める。 「逃げたまえよ、逃げるという概念を斬って追いつくから!!」 オリヴェールの術で雨が振ると、慈雨の中で男のシルエットが確かに浮かび上がる。 「君が」 空中を逆袈裟に斬る。 「一番厄介だな」 斬撃が届かないという概念は絶たれた!! 空間の断裂が飛ぶ斬撃となってオリヴェールに向かう!! 「さーてさて、次はこうだ」 空中に小刀を放る、その数5本!! 「惜春で誰にも当たらないという概念を斬れば!!」 途端に空中に放り出された自由落下中の小刀が、全員に向かって一人でに動き出して襲いかかる!! -- 天宮城トウマ
- !!(一刀螺旋を受けて全身から血を吹き出しながら)
トウマおじさん……私に剣の稽古をつけてくれたのも… (実態ある残像と共に刀を向ける) 風邪をひいたら必ず見舞いに来てくれたのも……全部、嘘だったの………? (今なら姿が見える、清風明月───幻影も同時に放つ剣気の奔流を伴う突き) (当たればトウマおじさんでもタダでは済まない、まして幻影で防御が難しい今なら) (幻影は自動攻撃の小刀が刺さって消えるも、本体のユイは無事で) -- ユイ
- (詠唱の声は震えている 杖を持つ手もだ)ノエ・マルベールが命ずる 石英の硬度を以て…我を…(瞬時に距離を詰めるトウマに対し、逆にこちらも一歩踏み出した)
(それだけでもはや大鎌の間合いではない。が、刀にとって最も切れ味の良い距離でもなくなる) ぐ、うあぁっ……!!(狙い違わず、惜春の刀身は肉を切り裂き、血を派手に散らすだろう)…かかって、くれました…(痛みに歪む顔で、血まみれの眼鏡の奥で、笑う) 残酷なる石英のアイアンメイデン…!(ノエの全身から、鋭く長い棘のように無数に突き出す紫水晶。相手を閉じ込める扉がないので拷問具としては再現度が低いが、至近距離だ) (カウンター気味に棘の塊に突っ込み、どこまでそれを回避できるか 返り血を浴びれば位置も幾らか分かりやすくなるだろう、という捨て身の魔法だ) …ユイ姉… 約束、忘れないで……下さい、ね……(結果を見届けることなく、放られた小刀の一つが背に突き立って…血だまりに倒れた) -- ノエ
- (足元が砂のように崩れていく 「地面」という概念を断ち切ったのか)
くっ……(足を取られ、動けなくなる 虚弱体質のシリウスに無理な機動は出来ない そこに)成る程、どうしても当たると(小刀が「絶対に当たらない」を裏返され、必中の刃として迫る 流石に冷や汗を流すが) もう一週間早かったら危うかったかもね Leo(東の空の端には、不壊の毛皮を持つ獅子が登っていた 輝きはシリウスに被さり、刃をせき止める) さて、これで僕は殺せない。と言っても、貴方の刀ならばしし座の「不壊」をも殺せるでしょう。……ここまで来ればの話ですが その間にどれだけユイ先輩が、皆が、貴方を痛めつけるか。ええ、僕は逃げませんよ。そして貴方に嫌がらせを続ける。いくらでも (天の炉が火を吹く。星で編まれた川が流れを作り押し流そうとする。無数のウサギが気を取らんと周囲を走り回る 冬の空に描かれる星座が無詠唱で魔術を発動させ続ける 一つ一つはトウマの「惜春」に取って取るに足らない妨害) (だが積み重なればユイへ刃を届かせることが難しくなる 止めようとシリウスに刃を振るうのは大きなロス 崩れる足場の中不敵な笑みで「鬱陶しい置物」を演じ、トウマの神経を削り続ける) -- シリウス
- お褒めにあずかり光栄だとも。
(オリヴェールがもう一度指を鳴らすと、マナの光を帯びた無数の鱗状の薄片が、オリヴェールの周囲を無造作に取り巻くように空間に現出し、飛来する斬撃と小刀を阻む) 防御術式は得意でね。推測するにその刀、『二つの概念は同時に斬れない』のではないかな? (爪先をこつりと鳴らす。トウマ目掛けて術式が地面を這い寄せる) (魔術の遠隔発動。魔術を斬るための斬撃を誘ってから、斬られるより先、寸前で術式を起動させ冷気を炸裂させる腹積もり) (雨で濡れているであろうトウマの肉体は) (冷気を浴びれば全身が凍り付くだろう――足は地面に貼り付き、腕は強張り、刀を扱う手の内は利かなくなる) (先に斬られて不発であればそれもよし。『地面を斬る』技は、対人剣術において不合理。それなりの隙にはなるだろう、ましてやユイという天才を間合いに入れているなら) -- オリヴェール
- (──斬ったな・・あれが『概念』か)
(なんの意味もなく観察していた訳がない・・・世界はマナで満ちていて、汎魔呼吸法はマナと同調し、全てを見る・・・『概念』をそしてそれを『斬る』とはどういうことなのかを・・・テンバーは魔術師としての観点から理解しようとしていた) (静かに構え・・・準備に入る) ・・・!(トウマが小刀の概念を斬り、飛ばしてくる『誰にも当たらない』が斬られたので『皆に当たる』・・『何にも』でもないのが中々にいやらしい) (素早く左腕を突き出し、受ける)・・・っ!(当たりはしたのでそれ以上の進行はない)・・・なるほどね・・・つかめて来たよ (言葉を発した為か、テンバーの姿が暗闇から浮かび上がる・・・しかし、痛みをこらえながらも強がりとは違う厭らしい笑みを浮かべていた) つまり・・・『こう』か(魔術を発動する、テンバーの周囲の空間に対し、二人羽織の様に空間が創られて・・・それだけ。テンバーは投石の構えをとったまま、まだ何も起こさない) -- テンバー
- --
- 夜の闇は、邪な事をする者にとっては都合の良い時間
立ち上る血風と飛び散る臓物、倒れる人影を巧みに包み隠すからだ そんな闇の中誘いの光を発するかの様に刀剣を携えた、幽鬼の如く立つ者ひとつ スラムで近頃人斬り騒ぎを起こしている元凶の男 それに誘われた蛾の如く今宵も犠牲者がフラフラと近づいてきた かと、思われたが。近づいてきたそれは犠牲者などではなくもっと別の者だった --
- あぁ、やっと見つけた。本当に手間がかかったよ
俺も結構人探しには自信があったんだが まさか、目当ての相手が存在が消えかかってるとは思わなくて…コイツは誤算だった(今日も得物をとスラム街を巡回するトウマへ声がかけられる) (闇の中同色の服を着た男。よく見ると学生の制服らしき物を纏った黒縁メガネの男は含み笑いを浮かべ。トウマの元へ歩み寄る) -- 名も無き魔族?
- はて?(振り下ろす)どこかで(振り下ろす)会ったかな?(執拗に犠牲者に妖刀を振り下ろす)
ふぅ〜〜〜〜……失礼。(そう言って振り返る男の輪郭は曖昧にぼやけていた) お待たせしました。人間、分割されてもなかなか死なないものだ。 -- 天宮城トウマ
- いやいや一見さんだよ。ちょうどこの近くで良い腕の肉屋がお店を開いてるって聞いてね
どんなものかとは拝見に来たわけだが、丁度お仕事中だったようだ。失礼 (輪郭がぼやけた相手の様子を眺めながら、悪戯っぽい。というよりは悪魔の微笑を浮かべて話す男) (トウマが正常であり、腕の立つ者なら瞬時に理解するだろう、コイツは普通の人間ではなく魔族だと) (地面に倒れ、切り刻まれた犠牲者とそこから赤い染みが広がっていくのも気にした様子もなく話を続ける) それで、今日はもう店仕舞かな?…できればひとつオーダーを聞いて欲しいんだが (続ける言葉は悪魔の提案) -- 名も無き魔族?
- 屑肉なんか誰も欲しがらないさ。
魔族か。(抜き身の刀を握ったまま、恐らく血が付着しているであろう顔を袖で拭った) オーダー? とはいってもね、私ももう年だから。(柔和な口調で笑って) それで、どんな話だい? -- 天宮城トウマ
- アルミネラ王立学院に在籍しているユイ・キサラギの仲間であるところの
レオン・ゼッファー、刀夜・ヴァレンタイン。このふたりを (トウマの下に転がる死体に向け顎をしゃくり)そこの肉と同じようにしてもらいたい どうかな?有能なブッチャーなら造作もないと思うのだが(どこか楽しそうに殺しの依頼を注文する) -- 名も無き魔族?
- ふむ。(話を聞くと首をかくんと横に倒す、それは人類の首の稼働限界で)
僕に何かメリットはあるのかな。(口があると思われる部分から声が出て、そう聞いた) -- 天宮城トウマ
- メリット…?あぁ…楽しい以外に必要なのかな?
随分楽しそうにしているから解体に快楽を見出しているのかと思っていた。コイツは失礼(クスクスと笑い声を発する) なら、こう言った方がいいかな…アンタのお目当て。ユイ・キサラギ 彼女とやり合う時に彼等は間違いなくアンタの邪魔をするっていう事 先に排除しておけばその分楽にアンタのやりたい事ができる事 あとは…そうだな、必要なら俺がその二人をアンタの望む場所に誘き寄せてもいい これでどうだい?結構な出血大サービスだと思うんだが…嫌いかな?出血(つまらない冗談を言うと再び笑う) -- 名も無き魔族?
- なにか誤解があるようだ。僕は楽しくて人を殺しているわけじゃない。
ユイくんを確実に殺すために必要にかられて嫌々已む無く仕方なく! 斬っているだけなんだよ。 君は……(鞘なんか最初から持っていない白刃を振って血を払い)交渉のコツを知っているかな? それは事前の準備で八割が決まるものだよ。自分が知っていて相手が欲しがるものを如何に準備するか、さ。 僕に有益な情報も本心も明かさずに不都合な奴を斬ってくれじゃあまりにも誠意がないとは思わないかね。 僕の目標は如月家の根絶やしであって、その邪魔をするならレ……レオ? その二人も斬るけどね。 しっかりしたまえよ魔族。魔族は誘惑する者だろう。相手が垂涎の餌を目の前にぶら下げるくらいの気持ちでちょうどいい。 -- 天宮城トウマ
- (にべもなく断られるのも気にした様子もなく)
君が欲しがるものは血と肉、それ以外は無いと思っていたんだが なるほど。取り込まれているとその判断もつかないのか…笑える。クッハハハハハ! (ひとしきり笑い呆けると、突然飽きたかのようにその笑いを納め) ああ、使える玩具だと思ったんだが、どうやら見込み違いだったらしい これは交渉じゃないんだよ。ただ手を差し伸べてあげただけ…俺はほら、誰にでも優しいからさ… まあ、乗ろうが乗るまいが、俺としては構わないんだ。君は何れ彼等と当たる事になるだろうから。乗ってくれればいささか楽になるかな。と思っただけでね 考え無しに戦ってそれでその時困った事になっても、それは君自身の先見の明のなさ… ウッフフフ…その時アンタがどんな顔して死んでいくのか楽しみでしょうがないよ… それとも這う這うの体でこのスラムに逃げかえってくるのかな?何れにしても笑えることこの上ないが オーケイ、なら話は終わりだ。俺は間近でアンタが無様に負けるところを眺めさせてもらおう (踵を返して立ち去り際)精々、頑張ってくれよ。オ・ジ・サ・ン♪(煽る様に付け加え闇の中へと消えて行った) -- 名も無き魔族?
- ふぅむ。君はまだ勘違いしているようだ。
君自身は全く笑える要素がないんだよ。面白くないんだ。 先見の明のなさはお互い様さ、君には自分が喋った言葉にウィットがないことすら気づけていない。 こと、君に関して言えば。勝ち負け以前の問題だ。 つまらない、ああつまらない!(シルエットは両腕を広げて)その程度の話術で人を誑かす自分かっこいいと思っているなら!! 紙一重でバァァァァァァァァァァカだなッ!! (ゲラゲラ笑っていたが、人の気配を感じ取るとそちらへ)ああ、まだ足りないかな。(惨劇は終わらない) -- 天宮城トウマ
|