西方の山岳国家マイラール †
領土 †
酒場のある街より遥か西方に位置する山岳国家
主な生産物は山岳より採れる鉄鋼などの一般的な金属の他に希少な魔術的価値のある金属など
他にはジャガイモやたまねぎなども主要な生産品ではあるがこちらは内需だけであり輸出はされていない
帝国制であり代々の皇帝が国家のトップとされているが実際は地方領主達の力が強く
領主達の結びつきによって国が成り立っていると言っても過言ではない状況となっている
帝国の中心地である城塞都市から四方にそれぞれ有力な領主達が居り
更に大小様々な領主達が有力な領主達に協力をし国を繁栄させている
山岳国家ではあるが非常に遺跡群が多く遺跡から調度品などが多く発掘される
発掘された調度品やそのレプリカを旅人が好んで購入をしていくので第三の産業として注目を集めている
ただし時折遺跡より発見される強力な力を秘めた品は領主や帝国が接収する事が多い
風習として子を多く作りその中で最も優れた男に家督を…というものがかつてはあったが
現在では形骸化しており子供に努力を怠らせないためとして扱われ長男が家を継ぐ事がほぼとなっている
文化レベルはそれなりに高く科学、魔法どちらかに偏る事無く発達している
ただし多くは一から研究した物ではなく遺跡から発掘された技術を基盤としている
国教と呼べる物は現在は無いため信教自体は自由となっている
ただし古参の貴族達の中では古代文明への憧憬にも似た信奉を持つ集団が在る
帝都マイラール †
見た目的には山岳の上にオブリの帝都、地下にドゥーマーの遺跡がある感じ
見渡す限り山々の地にそこだけ繰り抜いたかのように山の上に鎮座する帝国の首都。
標高的にはかなり高く本来過ごしにくい地だが都市全体を結界が包んでおり、
平地に近い環境を保っている為比較的過ごしやすいものとなっている。
太古に造られた時の姿を色濃く残しているが近代化の改修の際に様々なインフラが整えられ、
近代的な魔導線や電線、ロープウェイなどが設置されており不思議な光景を醸し出している。
かつては首都に辿り着くのは高い峰を乗り越えねばならず輸送に手間が掛かったが、
現在はトンネルが開通し遠方用のゲートも存在する為非常に容易となっている。
南方公爵領 †
最大の海港を持ち多種族の都市を複数形成している。
四方の貴族の領地の中で最も異国色豊かで文化も混在している。
統治者はブリエッタ・エルミアレス・マルクス・サネスティトラ。
見た目は白髪赤眼の幼い少女だが実年齢は200歳を超える陽の下を生きる不死者。
東方の侯爵と同じく民草の言葉をよく聞き最善の統治を尽くしている。
東方侯爵領 †
南方程ではないが幾つもの異文明と交流をしており、
東洋風の建築物や蟻人の作る様な建築物なども見られる。
統治者はネフィエール侯爵、代々金色の髪色と青い瞳を持つ。
百数十年程昔の統治者エレエン・トリアルテル・クリミオ・ネフィエール?の案により、
平民の参政権を認め制限君主制の形を取っている。
西方辺境伯領 †
他の方面よりも高い峰々が多く更に長らく隣国と不穏な関係であった為、
交流と言える交流が無かった為古くから伝わる習慣や建築物が多く残っている。
統治者は150年程昔は別の辺境伯であったが「神王の帰還」と呼ばれる
この国にとって悲願と呼ばれていた大事件をミスト男爵家が成し遂げた事により、
新たにミスト家が辺境伯として格上げがされた。
このミスト家はアッシュの妹達が継いだものである為血族としての正当性も高く、
辺境伯の交代においてそこまでの問題は起きなかったとされている。
現在の外交姿勢は交流を重視した和平を主としたもの。
北方公爵領 †
マイラールにおいて最大の魔術都市と工業都市を有している。
高い峰々の中にあるマイラールの中でも最北に位置するだけあり最も過酷な環境だが、
首都で使用されている結界や魔導式、機械式の環境軟化装置によって居住可能な領域を広げている。
古代人の特徴である三原色に近い、もしくは色素の薄い髪色や瞳の色を尊ぶ貴族達において、
漆黒の髪色と瞳を持つ者が代々爵位を継いでいるという風変わりな統治者を持つ。
統治者は「黒毛の」と呼ばれるカラマーゾフ家。
現公爵はアルカディー・ヴェリキア・マルコス・カラマーゾフ。
神王が進めている神の不要な国作りの理解者の一人であり、
神王の帰還以前の代から遺跡からの発掘品の技術に頼らない技術開発に力を注ぐなど、
4つの力を持った貴族達の中でも最も謎が多い。
文物 †
神王の帰還 †
黄金歴100年に起きた先史文明を率いたとされる現人神の帰還を指す。
この件に関してはミスト男爵家を追放されたアッシュ・ミストが深く関わっており、
結果善悪含めた様々な事件の引鉄となったとも言われている。
王の血脈 †
本来王の血筋とは高貴な血筋とされているがマイラールでは多くの国民に流れており、
王権神授としての意味合いは極めて薄いモノとなっている。
事実神王の帰還が成されるまで皇帝を名乗っていた一族は、
神王がこの世を去った代での大臣が代理で名乗っていたという経緯がある。
この血脈は極稀に人間では到底辿り着けない権能を持つ者をこの世に生み出し、
そうした者は後述の先史文明復元機関に送られ二度と戻って来ない等の、
表にはけして出す事の出来ない暗部がかつて存在していた。
皇立先史文明復元機関 †
表向きとしてはその名の通り古代の高度な技術を現代に復活させ、
国の糧とする事を第一の目的とした研究機関である。
事実多くの先史遺産を一般的な技術へと変え国へと齎している。
しかし設立された真の目的はかつて存在した伝説の王をこの世に復元する事であり、
かつての王の権能を発現させた者を用いた非人道的な実験を日夜行っていた。
その為王が帰還した折に王とアッシュ・ミストにより真っ先に取り潰されている。
現在の王の肉体はほぼオリジナルに等しい物だが差異もあり、
それを認める事の出来ない者と倫理を欠いた者が取り潰されるより前に離脱し、
クラフツマンと呼ばれる非合法の科学者集団を形成した過去がある。
じゃがいも †
平均的に気温が低めのマイラールに於いて重要な食物として太古より愛されてきた。
マイラール特有の種と気候が生み出すほっこりねっとりとした食感と、
柔らかな甘味は丸焼きにする事でより際立ち、
そこにバターの塩気と油気を加えたじゃがバターは単純ながらも絶品である。
賭郎 †
元ネタ通りの非合法のギャンブルを取り仕切る闇の一大組織。
力があり忠誠を誓える者ならば身分過去を問わずという組織であり、
先史文明復元機関から脱走したウォテアなども所属していた。
現在でも強力な立会人を多数抱えており強大な権力は健在だが、
闇の蔓延る時代でもない為政治に食い込むまでの動きはしていない。
M&Tエッグ †
稀にマイラール及び近隣国で遺跡から発掘される極めて強力な遺物。
黒色の金属製に見える手乗りサイズ程の球体で既存の技術では破壊出来ない程の強度を持つ。
球体上部に設置されたボタンを押す事で使用者を球体の中の異空間へと転送し、
異空間内で使用者の任意の環境、時間の遅滞などを可能とする。
特定の環境で固定された物なども存在し古代の研究所が丸ごと設置されていたなど、
国が騒然となるような事態も発生した。
選定の剣 †
選定の剣とは名の通りミスト家を継ぐ資格があるかを調べる豪華な見た目の黒い剣でありオーソドックスに石の台座に刺さっている。
特殊な魔法がかけられておりミスト家の者がある一定の能力に至った場合に台座から抜く事が出来る。
実は心の方は特に選定したりはしていない。
元々は朽ちる事も壊れる事も無いと言われる眉唾的な金属から作られており多くの強力な魔法がかけられた魔剣。
しかし現在は文献も失われ正に選定の為だけの剣となっている。
現在はその役目を終えた事により台座から取り外されミスト家の誰かが所有しているとされている。
人物 †
マイラールの悲願である伝説の王の帰還を助けたとされる旧ミスト男爵家の長子。
ミスト家は王の魂の依代となる事を宿命付けられていたと語られており、
彼はその王の一時的な依代となり先史文明復元機関の作り出した肉体まで運ぶ役目を担ったとされている。
しかし王の帰還時ミスト家の長子は20歳前後の筈であり、
ミスト家からの追放時点では長髪の端正な顔をした皮肉屋な青年であった事が分かっているが、
国に帰還した彼は壮年であり更に身長2mを超えた尋常ではない見た目をした暑苦しい人物であったなど、
本当にアッシュ・ミスト本人だったのか…など様々な疑問が残されている。
その後数年に渡り王と共に長年蓄積された国の暗部の是正に務めたとされ、
後に東に旅だったと伝えられている。
酒場のある街に彼と同名の英雄がいた事が語られる事があるが、
奇妙なまでに相似点はあるものの時系列として合わない点がある為深い研究はされていない。
神王アダマス †
マイラールの神話に於いて語られる伝説の人物。
神に造られし全能の神、人の上に立つべく現れた超越者など様々に語られ、
一般国民にはおとぎ話の中の人物として非実在の存在として伝えられていた。
実際に神話も複数の国々の神話を混在させて出来た物だが、
神に造られた人民を統治する為の存在という点は事実であり実在し、
皇帝と最古参の貴族達は彼を蘇らせる為に長い間腐心してきた。
かつて先史文明を未曾有の繁栄に導いた王であったが、
人は自らが居なくとも己の力だけで生きていける事を知っている彼は、
敢えて自分の血と力を人に拡散させる事でシステムとしての自分を希薄化させ長らく消えていた。
それが現在まで続く数多くの不幸を産むと分かっていて尚人の為に。
帰還した現在は自らが居なくとも続いてきた事実を元に、
より民衆が自らを必要としない国作りに努めている。
発現した王の血脈に於いても極めて稀な強靭な不死性を持った貴族。
その不死性は概念に対してさえ完全な抵抗力を持つ。
十代前半で発現してしまった為現在でもその姿を保っている。
かつて酒場のある街でブリエッタ・ホロウと名乗っていた過去を活かし、
より民衆に近い立場での統治を心がけている。
その不死性からかつて世界に絶望した過去もあるが、
ザ・クラッシャーと呼ばれる不死さえも殺す力を持った謎の人物に諭され、
未だ旅をする彼が時々齎す冒険譚と貴族としての誇りを胸に職務に務めている。
いつか彼女が疲れたその時彼がその手で殺すという約束と共に。
エレエン・トリアルテル・クリミオ・ネフィエール †
帝都の四方を囲う四大貴族の内東方を担うネフィエール侯爵家の継承者。
眩い程の艶を持つ金髪と青空のような澄んだ瞳を持つ長身の美丈夫であり、
マイラールの貴族の中でも最も貴族らしい外見と能力、雰囲気を持っている。
しかし性格に於いては天真爛漫さと極端なフェミニズムを持ち、
口を開けば最も上級貴族らしからぬ落ち着きの無い言動を放つ。
だがその性格は人生のレールが初めから決まっている貴族としての息苦しさ、
自由を求めるが故の焦燥感から来る物も含まれており、
アフラヤという蟻人の伴侶を得てからは多少の落ち着きを持ったという。
ソラヌム・ツベロスム †
じゃがいも農家の娘である。
医者でありながら斧をこよなく愛する奇癖を持つ。
親戚にナス農家などもある。
アッシュ・ミストのひ孫であり数代前のミスト商会の会長でもある。
現在の一大グループであるミスト商会の礎となったとされており、
曽祖父によく似た暑苦しい性格で培った信頼を元に大成した。
女性関係に関しては生真面目であり最後まで見合い結婚をした女性を愛したが、
結婚をする前はある女性を愛していたがついぞそれを口には出来なかったという。
祖母がアッシュの養子な為実際の血縁は無いが、
祖母もまた血脈の一人であり長命を発現していた為、
酒場のある街で冒険者をしていた際瀕死の折に彼もそれを発現。
その結果助かった…とされるが何者かの救助があったとも言われている。
パラドクス †
隣国と接する東方の森に突如現れた強大な力を持った魔女?。
その危険性は存在を認識した神王をして自らが滅ぼす事は叶わないと言う程であり、
誕生して即座にその場を巡回していた軍人達を喰らった程。
その正体はアッシュが歴史を改変する前に生まれる筈だった復元機関の最高傑作の一つ。
現在の王の肉体よりも完璧な力を持った彼女は歴史の改変にさえ抗う程の力を持ち、
世界にその全ての力を奪われた事で逆に全てを喰らう人の形をした虚無として生まれ変わった。
酒場のある街で冒険業の傍ら魔物達を大量に喰らい空腹を束の間満たし、
兄と呼ぶゲイラスや親しい魔女との日々から自分の危険性を見詰め、
何時か滅びを選ぶ覚悟を得る為に異国で過ごしているという。
クラフトマン †
クラフツマンの総帥にしてその名をそのままに掲げる狂気の科学者。
神王の完全なる再現という永遠に叶わぬ夢を追い求めており、
その神王に幾度誅されようとも止まる事無く神の似姿を生み出し続けている。
その正体はマイラールに於いても神代と語られる時代での貴族の一人。
かつてはソレイル・レクセクシオ・マルコス・サネスティトラと呼ばれていた。
しかし現在では完全な同一人物とは言い難い存在となっている。
それは神の再現という遠大な目標に対し人間の寿命では到底不可能である事から、
ある媒体…紙や石、または磁気媒体…等々に自らの全てを刻み寿命の解消を図った為。
各時代に応じた媒体を用いた複製は増えていく過程で変質が起きており、
知的好奇心の為に超人種の量産に邁進したソルトピトのクラフツマンや、
人類種の幸福の為の進化に賛同した個体など多くが当初の目的から逸脱している。
その他 †
ザ・ヒートとも呼ばれる謎の人物。
身長は2mを軽く超え凄まじいまでの暑苦しい笑みを見せるおとぎ話の怪人物。
悪が在るところに現れその悪を尽く倒す所からそう名付けられたとも、
修理が得意と言いながら壊す方が余程得意だからそう名付けられたとも、
様々な憶測がされているが真実は未だ明かされていない。
「彼」が様々な土地でお伽話や実話として現れた時期と、
アッシュ・ミストが旅だった時期が重なる為同一人物では?という説もあるが、
現在も尚酷似した人物を異国で見たという報告がある為真偽は謎のままである。
クラフツマンによって生み出された偽神を崇める新興宗教団体。
本拠地はマイラール外にありマイラール含め国々からは邪教と指定されている。
かつては神王を生み出す過程で出来てしまった失敗作を象徴として利用し、
不完全な願望機としての能力で信徒を集め活動資金を得る為に利用されていたが、
現在は偽神に魅入られた者達がクラフツマンから離脱し真の宗教団体と化した。
正邪を問わず望むがままに求める事を教義としているため、
その神職にある者達はそれらを望む者達の願いが円滑に叶うよう行動している。
不完全な願望機としての機能を持つ偽神は対価としてとある致命的なモノを使用するため、
教団の宗教的象徴は十字架から一片が欠けたTの字となっている。