SLV/0019

  •   -- 2021-01-17 (日) 15:32:43
  •   -- 2021-01-17 (日) 15:32:40
  • 海上の人工庭園では、ミスラが小型の端末を手に周辺の海域情報を確認している。
    アナンタが撃破された後の混乱に乗じ、海中に潜航したヴァースキと入れ替わるようにして、一人海上に残った少女。
    シェーシャには悟られぬよう、ナノマシンを通じた情報同期を経由して、スラオシャとドーンに指示を飛ばしている。
    「シェーシャ……この周辺は私の庭であることをお忘れなく」
    少女は意志の籠った青い瞳を引き絞って、アルクスが向かう指定地点の内、更に細かい座標をスラオシャに伝える。
    -- 2021-01-16 (土) 23:01:35
    • (『夜明けの剣』による電磁力と空気の層の操作、加えてアルクスの反重力アンカーの機能)
      (それにより、海中を激しく動き回るアルクスの背の上でも少年は安定した姿勢で剣を構えている)
      (深海を自在に駆けるアルクスの機動は、飛来する虚影を見事に翻弄し、衝突する気配は微塵も無い)
      (少しでも敵の足を止めるべく、絶対物理防壁を纏わせた斬撃を飛ばし、死角をカバーするように立ち回る間)
      (ドーンがナノマシンを通じて送ってくる情報に変化が現れた)
      ……シェラ。10秒後に急速浮上。最大船速で直上を目指してくれ。
      (無線を使わずに囁いては、剣を振るう。長くも短い10秒間。その時を稼ぐため、少年はより意志の力を高めて白銀の刀身を握りしめる)
      -- フォス 2021-01-16 (土) 23:02:08
      • ちょこまかとどこまでも鬱陶しい。
        いつまでも捉えきれぬアルクスの変幻自在の機動に、四つの蛇影を操るシェーシャは苛立ちを募らせる。
        オリジナルであるアナンタに加え、高精度の模造ヌールを四体も失った。
        全知の書を手にすれば、いくらでも帳尻の合う範囲内とはいえ、全く問題視していなかった存在にこうまで好きにされるのは我慢がならない。
        「……いつまで逃げ回っているつもりかしら! 時間稼ぎをしても無駄だというのに!」
        オープンチャンネルで激した感情を吐露しつつも、その裏で走る冷静な思考では、持久戦でもまだこちらに分があると踏んでいる。
        先にエネルギーを使い果たすのは『夜明けの剣』の方。その時が訪れれば形成は一気にこちらに傾く。

        「鬼ごっこはもう終わりですよ」
        シェーシャの声に答える様に、涼しい女の声が無線回線に響く。
        アルクスが指定ポイントに到達した先では、玄妙な輝きを湛えた拳を翳すドーンが、光の届かぬ深海を明るく照らし出している。
        月の光も星の輝きも絶えた闇夜のような深海を、虹色に輝く神秘の光が煌めいている。
        千変万化する不可思議な輝きが、はっきりと視認できる有り得ざる光景に、蛇身と化したシェーシャの瞳と意識が奪われた瞬間。
        それはフォスがシェラへと伝えていた10秒後に起きた。

        海底から地を抉り取る異音と振動が周囲に響き渡る。
        人一人が通れるほどの穴が穿たれた海底に、また一つ間隔を空けて穴が生まれ、そこから漆黒のヴェールを纏ったスラオシャが飛び出してくる。
        程無くして砕けた岩盤から、弾ける無数の泡と気体が爆発的な勢いで発生し、水流と共に海上へと立ち昇っていく。
        その奔流に巻き込まれた五つの蛇影が、上昇していく流れに押し出され、凄まじい勢いで水面に打ち上げられていく。

        「これは……メタンハイドレート!? しかしこの程度ならば……!!」
        絶対物理防壁を最大出力で展開すれば問題は無い。物理的影響ならば無に出来る。
        シェーシャはすぐさま防壁の出力を上げようとするが……。
        「出力が上がらない……!? ……いえ、これは!」
        シェーシャの視界の端に、虹色に輝く拳を此方に翳したドーン・ブレイカーの姿が映った。
        これはなんだ。こんな遠距離から防壁を中和出来る筈が無い。出力がどんどん下がり続けている。
        あの光はなんだ。あの不可解な輝きはなんだというのだ。こんなものはヌールの機能に存在しない。

        「……ドーン・ブレイカーーーー!!!」
        機械仕掛けの黒蛇が咆哮と共に水面を割り開く。
        スラオシャが抉り出したメタンハイドレートの鉱床によって発生した衝撃と圧力によって、五体の蛇影は防壁を展開出来ずに、海上の宙へと打ち上げられる。
        無防備な体を曝す五つの蛇頭が、怒りと困惑の叫びを海上に轟かせた。
        -- 2021-01-16 (土) 23:03:12
      • (10秒。果てしなく長い時間だった。形こそ蛇の影を翻弄する灰銀の海獣であれど、それは僅かでも舵取りを誤れば即座に消滅へと繋がる死の舞踊)
        (深海の暗闇を映す内部モニタの深度計と座標軸の数値はぶん殴られたように目まぐるしく変わり、高速度戦闘機の如く激しく揺さぶられる身体には強い加速度がかかり身体が軋み痛む)
        (聴き、避ける。聞き、避ける。気が狂うほど繰り返し、躱しきれぬと思った瞬間は、幾度も、幾度もあった。そして、そのたびに、白銀の光が煌めき、活路を開いてくれた)
        (だから、信じる。10秒間の無明の闇の先を。夜明けの、時を)

        来たっっ!(幻想的なドーンの姿に…強い異音。シェーシャよりもいち早くそれを悟った少女は、海底から吹き上がる泡に殆ど直感によって"乗る")
        (元より超空洞航行により泡の扱いはお手の物だ。慌てふためき打ち上げられる蛇影とは違い、姿勢を崩さずぐんぐんと海中を急上昇し…)

        (視界が、明るくなる。その瞬間、輪環を操作。放出される五つの物体。それは、正八面体の青く輝く結晶体)
        (海を貫き上昇するファトゥウス・ラピス…愚者の石。オリジナルである賢者の石をコピーした、模造超越結晶)
        (その輝きを、フォスとドーンは知っている。それは嵐の結界を形作っていた結晶と同じもの)
        (最外縁をアルクスのように銀の輪で縁取られた結晶体は、灰銀の海獣と共に勢いよく上昇し…そして両者は海を割って飛び出す)
        (海上へ高く高くジャンプした大きな海豚の身体は、きらりと太陽の光を浴びて光り、結晶体は反重力制御で飛び、大蛇たちの周囲へと浮遊する)
        (ここが正念場、ドーンの力が効いているうちに畳み掛ける。体勢を立て直す時間など与えはしない)
        ……システム・レクイエム。起動。
        (呟きと共に輪環との同調を最高レベルに。更には輪環を通じ、五つの結晶体とも本体を同期)
        (瞬きの間に、舞台は整う。そうして、少女はひとつ、深く息を吸い意識を整え……)
        ……─── Ah ───……
        (どこか、物悲しげな歌を、唄った)
        (灰銀の海獣がその音色を拾い、頭部の中央演算処理装置、兼、外部拡張反響装置であるメロン体組織によって増幅、調整)
        (更にアルクスと完全同期した五つの結晶体が、共鳴するように、全く同じ音域、全く同じ波長のそれを囲んだ蛇達へと投射する)
        (幾百年もの間、世界を断絶する嵐を維持する程の出力をもって、しかしその全ての力を対象である大蛇だけに、結晶体は集中する)
        (あまねく万物の物体とは、物体であり、波そのものでもある。遥か遠き過去に確立された理論に基づいた、それ)
        (対象の固有振動数、物質波、ありとあらゆる波動現象と重ね合わされ、相反し、侵食し、停止することによって、存在そのものを崩壊させる波)
        (人類救済計画において、実現させるための前提である対象の詳細な観測が困難であることを理由に、破棄されたプランの一つ。絶対崩壊波動)
        (だが、大蛇の音は、嫌になるほど聞いた。…だからその音も、よく、よく、知っている)
        (少女は歌う。獣は歌う。石は歌う)
        (失われた世界の力を使い、失わせないために。願いを込められ作られた存在であるヌールを模造し振るう愚かな蛇へと)
        (模造された賢者の力を持って、彼の者が愚者であることを思い出させるために)
        『memento mori』(終わりは いつも すぐ側に)。それは、慈悲。どんなに狂気に色塗れ、どんなに逸脱した倫理から生まれたものであっても、始まりは間違っていなかった、終極の歌だ) -- シェラ 2021-01-17 (日) 00:46:27
      • 海上を一際強く風が吹きつけた。
        色とりどりの花びらが舞い散る中、海風に曝される灰色の髪を抑えながら、黒衣の少女は青い瞳でしっかりと見据える。
        少女の視線の先には水飛沫と共に打ち上がった、禍々しき五つの黒い蛇影。
        そして陽光を受けて光り輝く灰銀色の海獣と金色の髪。
        それらを取り巻くのはどこまでも広がる海原を思わせる蒼い結晶の煌き。

        ああ。なんと綺麗で、透き通って……心の底が震える歌声だろうか。
        美しくも哀切の響きを纏ったメロディーに、少女は胸の前に組んだ手をぎゅっと握りしめる。
        ざばりと海を割って少女の傍らに着地した眼帯の女が、銀槍の石突を床に付いて、空高くを見上げる。
        耳朶を打つ歌声に、女はふっと細く長い息を吐いて、静かに瞳を揺らしながら切れ長の目を細める。

        天から降り注ぐ陽の光に溶かされたかのように、蛇達を覆う薄闇のヴェールは剥がされた。
        歌が綴られていくにつれ、蛇達を構成する黒鉄の体が微細に振動を続け、ぼろぼろと装甲が剥がれ落ちていく。
        声にならない叫びを上げて、鱗が剥がれ落ちる様に黒き蛇達が崩壊していく。
        明日を創るための力を、破壊にのみ用いようとした偽りの力が、音を立てて崩れ落ちていく。

        滅びの歌に抗おうと、もがき続ける蛇が居た。
        空中でのたうつ蛇頭から伸びる手が一つ。ひび割れて黒い女の上体が、その手に何かを掴もうと。
        有り得ない。有り得ない。有り得ない。こんな終わりは認められない。
        呪詛の言葉を吐き出して、蛇の頭から這い出す黒い女のシルエットは、直上の太陽に照らされてもなお影の如く。
        際のところで他の蛇と構成する姿形を変じた歪な姿が、僅かながら滅びの時を遅らせて、その手に蛇頭から引きずり出したヌールを掴む。
        -- 2021-01-17 (日) 02:05:56
      • (なんて甘く寂しい歌だろうか)
        (宙を舞う少年は、空に響き渡る愛しい少女の歌声に、胸を締め付けられる)
        (アルクスが海面を跳び上がり五つの結晶体を空へと展開させた直後)
        (海獣の背を蹴ってさらに上空へと跳び上がった少年は、自由落下の内に剣を構える)
        (その視線の先には、崩壊していく蛇頭の上で、手を差し伸ばしている黒い女の影)
        (一瞬だけ、父親と母親の事が胸を過った)
        (ちくりと刺すような痛みも、心に染みわたってくる歌声で徐々にさぁっと溶けていく)

        (この唄があるからこそ。この少女がいるからこそ。自分は怨讐など超えていけるのだと)

        (透徹した白銀の刀身が振り抜かれ、銀光が黒い影を真っ二つに断ち切った)
        (跡形も無く崩壊していく黒い蛇影の残滓と共に、少年は水面へと落ちていく)
        (蒼い瞳をゆっくりと伏せ。口元には微かな笑みを湛え。耳に至上の心地よさを覚えつつ)
        (ざばんと大きな水柱が海面に一つ立ち上がり、きらきらと飛沫が舞い散る空にはもう、蛇の影はどこにも無かった)
        -- フォス 2021-01-17 (日) 02:07:19
      • (光り輝く金色の髪を広げ、白銀を掲げて彼が行く。夜は、終わる。太陽が登っていく)
        (そうして、光は降り注ぐ。闇から這い出すことさえ許されずに、影は光の元にかき消えていく)
        (綺麗だと、思った。そしてそれが、自らの愛し人であることに、誇りさえ覚えた)
        (落下し、着水する彼の元へ、ゆっくりとアルクスを泳がせる。その間に力を使い果たした結晶体は、ぽちゃぽちゃんと海に落ちていく)
        (そうして浮かび上がったフォスの元へたどり着き、アルクスの背面装甲を開けて、少女がぴょん、と飛び出す)
        (そのまま満面の笑顔を浮かべたまま海面へと飛び込み、彼へと抱きついた。自分が世界で一番頼りにする、一番、大好きな人へ)
        かっこよかったよ、フォス!(極地の海は、冷たく、身に染みる。けれども、そんな事は全く気にならない)
        (腕の中にある彼の体温は、とても、とても、変えがたいものだから。こみ上げる愛しさに、彼と顔を合わせ、その蒼い瞳を覗き込み…)
        (彼と成し遂げた喜びを小さな胸に。少女は期待を込めて、静かに翡翠色の瞳を閉じる)
        (明日を、生きよう。輝ける未来を紡ごう。その力はここにある。それは、失われたはずの利器などではなく…)
        (共に有り続け、寄り添い歩んでいく、この思いこそが、全てに勝る力なのだ) -- シェラ 2021-01-17 (日) 02:42:19
      • (少女の操る海獣と暗い海中から水面へと駆けあがる時。太陽の光が今までにない眩い煌めきをしていた)
        (そして今。陽光を背に飛び込んでくる少女の姿は、空に浮かぶどんな天体よりも光輝いて見える)
        あっはっはっは! そりゃこっちの台詞だってシェラ! 本当に、ホントにさ……お前ってやつは。
        (本当に彼女には敵わない。いつだって彼女の溢れんばかりの情熱と行動力に助けられてきた)
        (万感の思いに言葉を詰まらせ、少女の体温を愛おし気に掻き抱く。愛くるしい笑顔と、翡翠の輝きをしっかりと目に収め)
        (瞳を閉じた少女の顔に自然と吸い寄せられ、ゆっくりと優しく口づけを交わす)
        (触れ合う肌と唇の先から、二人の熱と鼓動は溶け合って一つになる)
        (彼女がいれば。自分はどこへだって、どこまでも行ける)
        (その想いを確かめて、少年は胸に宿る温かい火を分かち合う様に、愛する人を抱きしめる)
        (二人を照らす陽の光は、力強くも柔らかに。少年と少女の行く道を明るく照らすように輝いていた)
        -- フォス 2021-01-17 (日) 03:09:03
  • 黒いヴェールを纏った白銀の光が、蛇影の群れを引き裂いていく。
    新たに湧き出る海蛇を一匹たりともアルクスに近づけまいと、スラオシャが蛇影を散らしていく最中。
    深海へと放たれる魚雷の姿を確認すると、すぐさま防壁を最大出力で展開する。
    陽の光も届かぬ深い暗色の海中を、雷光の如き迅さで五つの矢が駆け抜ける。
    少女の超人的な聴力で詳らかにされた虚無へと、五つの矢が突き刺さった瞬間。
    凄まじい爆音と振動の下で揺れる漆黒の薄膜が、喪われた科学の光で溶け出すように、隠された姿を明らかにしていく。

    並外れた威力の水雷により、出力が低下した絶対物理防壁の内側には、異形の怪物が静かに鎮座していた。
    ゆうに全長100メートルを超す巨体は、肥大化した蛭のような白い身体を備え、その頭部と思しき箇所では無数の海蛇がのたうっている。
    五つの魚雷が炸裂させた電子励起爆薬のエネルギー量でも、未だ健在である防壁へ、第六の矢が突き刺さる。
    穿ち放たれた槍の穂先は、黒い薄膜を螺旋状に歪ませて食い破り、白い巨体へと沈んでいく。
    異形の白き怪物の姿がぐにゃりと歪む。
    歪曲魚雷が着弾した地点を中心として、周囲の海水や展開されていた防壁、炸裂していた爆発まで吸い込まれるように凝縮していく。
    瞬き一つの間で音も無く。捻じ曲げられた空間に耐え切れず、白く歪んだ巨体が崩壊していく。

    海中で新たに発生した爆音。その数秒後、シェーシャの顔から余裕の笑みが消えた。
    「……アナンタの反応が消失した?」
    まさか、そんな、有り得ない。
    リンクしていた情報では、アナンタの近くにスラオシャもドーン・ブレイカーの反応も無かった。
    今この海域においては、ヌール以外に絶対物理防壁を破る手段など存在する筈が無い。
    そもそもの話、いくらあの巨体といえど広大な海中でアナンタを探し当てるのは、砂漠で特定の砂の一粒を見つけるのに等しい。
    あの海獣か。取るに足らぬと判断していたあの小娘か。今や海の藻屑と化した旧時代の計画の残滓か。
    -- 2021-01-14 (木) 20:37:10
    • そんな女の思考の隙を衝くようにして、付近の海面に座していた九頭竜の体が大きく揺れる。
      シェーシャが視線を転じれば、そこには水面から突き出した白銀の船体と九頭竜が、互いの防壁を隔ててぶつかり合う場面であった。
      「……ふふ。姿を消した時からこの展開は織り込み済みです。ヴァースキに不意討ちは通用しませんよ」
      女が口元に笑みを蘇らせた直後。

      水面を割って飛び出した影が、陽光に銀の髪を踊らせて、一直線にシェーシャへと向かっていく。
      「……そして。私を直接狙ってくるのも予想の範囲内です」
      女は向かい来る人影に手のひらを翳して、三日月の形に目を細ませる。
      振り抜いたドーンの拳が、不可視のフィールドに阻まれて、その勢いを殺される。
      「あらぁ? 主の方を囮にしたのですか。薄情な従者ですこと」
      「この反応……! 防壁を展開しているのはあの蛇ではない……!」
      すぐさまドーンも防壁を展開するも、出力比で押し負けて、その身を大きく弾き飛ばされる。
      シェーシャは薄笑いを張りつかせたまま、指をパチンと打ち鳴らす。
      「餌は有難く頂戴しましょう。ヴァースキ」
      九頭の蛇が咆哮を上げる。互いに展開していた防壁が中和され、九頭竜の巨体が白銀の船体へと圧し掛かる。
      複数の蛇腹が船体に絡みつき、開け放たれた黒い顎が拘束した獲物へと食らいついていく。
      我先にと小型艇へと齧りつく蛇頭が、鋭利な牙で船体を噛み砕いていく最中、その内の一頭は人工庭園上の獲物に狙いを定めて鎌首を擡げる。
      鞭のように撓らせた蛇腹が、ドーンに叩きつけられる刹那、水面から銀閃が煌めいた。

      転瞬の内に伸びきった蛇腹を半ばから断ち切った『夜明けの剣』の刀身が、余勢を駆って蛇頭の一つを両断する。
      斬り落とされた蛇身が転がる人工庭園に、海中から飛び出した少年が着地して、手にした白銀の刀身をゆっくりとシェーシャに向ける。
      「まず一つ」
      「……ヴァースキ! 黙らせなさい!」
      小型艇を咀嚼していた八頭が、ぐるりと人工庭園上に向き直り、一斉に大口を開けて殺到していく。
      不敵に笑う少年は、ドーンと共に手を取って、再び海中へと潜っていく。
      -- 2021-01-14 (木) 20:37:32
      • 舌打ちした女は蛇頭の一つにひらりと飛び移り、その目に剣呑な光を宿らせる。
        「生かしたまま捕えるのは止めにしましょう。死体の一欠けらでも残っていればいい」
        残された小型艇を捕食し終えた蛇たちが、再び獰猛な叫び声を上げる。
        船体を構成していたナノマテリアルを糧として、再構成された急造の蛇頭をくねらせる。
        「稀少なオリジナルであるアナンタを消失させた代償は高くつきますよ」
        組成されたばかりの蛇頭の上へと立つ女は、怒気を滲ませた瞳を引き絞って、手のひらを足元に押し当てる。
        スブズブと手首が、足先が、蛇頭へと沈んでいき、終いには女の全身が機械仕掛けの蛇へと溶け込んでいく。
        ヌールの生体同化機能により、予め自身の体へと融合させていたヌールを介して、シェーシャは一頭の蛇と同化を果たす。
        黒い蛇の目を爛々と輝かせて、ひときわ強く咆哮した蛇を頂に、九頭竜が海中へと潜行していく。

        まずはあの灰銀の海獣と小娘から。
        9つのヌールが瞬時に周辺海域の状況を把握し、アルクスの居場所を捉えると、九頭竜は蛇身を伸ばして爆発的に加速する。
        展開した防壁により極限まで水抵抗を低減した巨体が、音速に比する速さでアルクスに迫る。
        大口を開けた9つの咢が、ちっぽけな獲物を丸呑みせんと襲い掛かる。
        -- 2021-01-14 (木) 20:37:56
      • (アナンタを仕留めたことを確認すれば、水上でフォスたちが巨大な九頭竜との戦闘に移行していることを、海面越しの音で察知する)
        (先の電子励起魚雷の余波で状況は大まかにしか掴めないが…芳しくないことは分かった。一瞬、歯噛みするも)
        …ったく、ようやくあたしがただのモルモットじゃないって分かってくれたみたいだね。
        (迫る九頭竜の音紋を聞き取り、微笑みさえ見せる。あの女がこちらを驚異とみなした。それはつまり、戦力になれるということだ)
        (そして、相手はもはや一人…今は、一匹とでも言おうか。フォスと力を合わせれば、きっと)
        (如何に亜音速で接近したとて、海中の音の速度は空気中の凡そ五倍。ヴァースキの挙動は巨大が故によく"聴こえて"いる)
        (アルクスの周囲が、ぶわり、と白く染まる。そしてそのまま九頭竜とは比較にならない速度で海中を泳ぎ、九つの牙を置き去りにする)
        (それは超空洞航行技術。すなわち、自身の周囲に空気を纏い海水の抗力を無視するスーパーキャビテーション)
        (抵抗の軽減ではなく、無視。その差を持ってヴァースキをひらりと掻い潜り…)
        鬼さんこっちらー!(すれ違いざま、二発の歪曲魚雷を斉射。アナンタを撃沈せしめたことから、絶対物理防壁にもこれがある程度通用することは分かっている)
        (簡単には抜けなくとも何かしらの対処を必要とするはずと目算し、フォスが潜ったと思われるポイントへ大小様々な泡を靡かせて突き進む) -- シェラ 2021-01-14 (木) 22:00:26
      • ヌールの演算で得られた敵の反応はアルクスのみ。
        こちらが海中に潜行してからスラオシャとドーン・ブレイカーの反応は消失している。
        狙いは明白。先ほどのフォスとドーン・ブレイカーのように、防壁展開の隙を衝いた不意討ちか。
        まあ、芸の無いこと。
        正面からならこちらの勝ち筋は揺るがない、とシェーシャは内心で嘲笑う。

        ひらりひらりと宙を舞う綿毛のように大振りの牙を回避するアルクスの動き。
        そこに新たな反応をヌールのセンサーが感知すれば、自動的に展開された防壁が投網の様に射出される。
        広範囲に展開された防壁がすれ違いざまに発射された歪曲魚雷を絡め取り、そこに二重三重と新たな防壁が展開されていく。
        それとほぼ同時に、九頭竜の巨体が九つの影に分かたれる。
        絡まり合っていた糸が一本一本解れるかのように、九つの蛇身がそれぞれ独立した蛇へと分離する。
        分離した瞬間に防壁の反発力を利用して、急転回しながらバラバラに飛び散った蛇影が、逃れていく海獣を追走していく。
        蛇の内の三体が速度を緩めながら大口を開き、黒い光が収束していく。
        収束した黒光は球状となって、アルクスに目掛け放たれる。
        進路上の海水を飲み込み、蛇身とは比較にならぬ速さで打ち出されるそれは、絶対物理防壁が圧縮された虚無の光。
        命中すれば容赦なく物質を消失させる凶光。一つはアルクス本体を狙い、残りの2つがその進路上を狭める軌道で射出される。
        -- 2021-01-14 (木) 23:38:03
      • (やはりか、と思う。相手は歪曲魚雷をモロに食う事は避け、抑え込んでくる形で防いだ)
        (逆に言えばそれはいなす必要がある程度には効くのだろうということだが…こうなってくると電子励起魚雷は少々使いづらい)
        (範囲面積辺りの威力が落ちる上に、自身の動きを制限する可能性がある。と、瞬間で判断し僅かながら距離を稼ぐも)
        ……っとぉ!あんたも分かれるの!?(分裂したヴァースキの反応を聞き取り、まさかと叫ぶ)
        (これは厄介だ、結局は相手の探知を超越的な聴覚に頼るこちらは、音だけでは元凶であるシェーシャがどの蛇と合身しているかを判断することは困難)
        (決定的な打撃を与えるにはやはり単騎では無理がある、と考える間もあればこそ、先ほどのアナンタを感知したときにも似た…音の消える、音)
        やば…っ!アルクス!きゅーそくせんこー!!(直感でその危険さを感じ取る。これははヤバい。恐らくは…触れるだけでも)
        (2つの弾体は進路を阻んでいる。心の中だけで舌打ちをして、尾での推進だけではなく、電磁推進、反重力制御まで駆使してアクロバティックに航路を変え回避)
        (それだけでは高速で飛来するこちらそのものを狙う弾体を躱しきれないが…なら、食わせてやればいい)
        (輪環から、平たく折りたたまれている灰銀の金属片が幾つか、放出される。それは海中でぱたぱたと広がり、灰銀の海獣と同じ程度の大きさに膨れ…)
        (そして、それそのものも電磁推進で四方八方へ進む。視覚的、体積的、音響的、温度的にアルクスとほぼ同じ囮。デコイだ)
        (偽アルクスから巧妙に離れ、それらを盾にして凌ぎ…息を潜める。活路を、その先に見出すために) -- シェラ 2021-01-15 (金) 00:38:33
      • アルクスを狙った黒光がデコイの一つを消し飛ばす。
        次いで複数出現したデコイをヌールの感知機能が捉えれば、逡巡する間もなく、その内の一体を集中して付け狙う。
        「うふふふ。聞こえていらっしゃるでしょう、ドーン・ブレイカーにフォス・ファジュル」
        シェーシャはオープンチャンネルで無線へと呼びかけて、含み笑いを漏らす。
        「こちらの感知機能では、どれが本物の海獣か判別は付きませんが……それはそちらも同じこと」
        逃れていくデコイの一つを取り囲むように追跡する九つの蛇影。蛇の咢が五つ、開け放たれる。
        「さて……次に消し飛ぶ海獣は本物かしら、偽物かしら? 本物だとして、まだ防御手段は残っているかしら?」

        アルクスから射出される歪曲地雷は、防壁を食い破る手段となり得るが、今や複数の防壁を展開できるヴァースキにとって然したる脅威に入らない。
        シェーシャにとって最大の脅威となるのはヌール……分けても実戦経験を積み、不可解な異界の力を手にしたドーン・ブレイカー。
        それを釣りだせれば勝利は揺るがぬと、収束した五つの光弾が偽のアルクス目掛けて放たれる。
        先程よりも執拗に、タイミングと地点をずらして機動の幅を殺すよう、必滅の黒光が射出される。
        -- 2021-01-15 (金) 01:22:19
      • (五つの弾体が発射された直後、光の差さぬ海よりなお暗く、薄闇のヴェールが駆け抜ける)
        (偽のアルクスを直撃する黒光の軌道上へ割り入って、最大出力で絶対物理防壁が展開される)
        (偽のアルクスを狙っていた黒球は、漆黒のヴェールに散らされ消えていく)

        シェラ! どれか1、2体でもいい! 確実に命中させられそうなのに魚雷ブッ放してくれ!
        (シェーシャの目論見通り、灰銀の海獣を守るべくして姿を現した少年は、『夜明けの剣』を通した無線で呼びかける)
        (これまで偽のアルクスを追随していた九つの蛇影は、フォスへと標的を定める)
        (蛇影の半数は防壁を展開したまま、白銀の刀身を携えた少年に向かっていき、残りは四方に散って大口を開けている)
        -- フォス 2021-01-15 (金) 01:23:02
      • (ねっとりとした女の声。質が悪い。性根まで蛇なのか。そんなことを思いながら通信を苛立たしげに聞く)
        (おまけに…悪運まで割と良いときた。今彼女が追っている偽物の一匹、そのすぐ隣が歯噛みしてデコイと巡航速度を合わせている本物だ)
        (シェーシャがでデコイを撃破し、単純に次の獲物を近場から選べば次はこちらだ。その間に次の手を考えねば)
        (そう考えていた矢先に…聞き慣れた声。ほんの少しだけ離れていただけなのに、まるで何年ぶりかに聞こえるような…彼の声)
        …りょーかい!流れ弾のことは考えないからね!!(元気よく若干辛辣なセリフで答える。何を遠慮することがあろうか、今ここに居る少年を、誰よりも信じる少女が)
        (彼の言葉の意図も考えない。出来るかどうかなんて更に考えない。彼がやれといったのだ。なら、やるだけだ)
        (何処か散漫な動きをしていたデコイと動きを合わせていた本体が、突如機敏に動きを変える)
        (狙うは今まさに砲を向けている口を開けた大蛇。外すことは許されない、その動きをこれまで以上の精度で捕らえる)
        (周辺海域の対流層の水温、近辺の塩分濃度。視界の悪い内部半円周モニタに表示されているそれらの推測値まで考慮した分析を行う)
        (実際に聴こえている音に、脳内で更に要素を加え補正、今まで聞いた大蛇の音紋を細心の注意をもって浮かび上がらせ…)
        …ここっ!(最後の最後は、勘。歪曲魚雷を三基、一斉射。一匹の大蛇の動きの先を読む、狙撃にも似た研ぎ澄ませた一撃が、海を裂き放たれた) -- シェラ 2021-01-15 (金) 01:55:56
      • (少年の方へ襲い来る蛇影は五つ。残る四体が四方に散り、フォスに向けて開いた咢を向けている)
        (ここで凌げば勝機が見える。この一年で幾多の窮地を乗り切った少年の勝負勘がそう告げる)
        (向かってくる蛇影の群れへと敢えて突っ込み、飛び交う牙を躱しては打ち払い、防壁を纏った蛇身を避けては防壁で防ぎ)
        (凌げ、凌げ、凌げ、凌げ!)
        (幸か不幸か、魚雷の発射に備える本物のアルクスには目もくれず、五つの蛇影はフォスに集中している)
        -- フォス 2021-01-15 (金) 03:14:04
      • 無線の内容を傍受して、シェーシャは密かにほくそ笑む。
        あの魚雷ならば、防壁が3枚ほどあれば十分に対処が出来ると。
        四方に散って大口を開けていた四つの蛇影が一か所に寄り集まっていく。
        一匹がなおも大口を開けてフォスに狙いを定め、脇を固める三体が、魚雷と伏兵に備えて周囲を警戒する。
        大方、ドーン・ブレイカーと連携して防壁の隙を衝くのだろうが、そうはいかない。

        「あっは。このままで宜しいんですか? 主が今にも死にそうですよ、ドーン・ブレイカー」
        哄笑を転がしながら、シェーシャと同化した蛇影がフォスの展開した防壁を執拗に消耗させていく。
        五つの蛇影に紛れたシェーシャは、自身も攻撃に加わりつつ、絶対に安全な位置取りを崩さずに蛇身を蠢かせる。

        そうしてシェラの狙い澄ました歪曲魚雷がアルクスより斉射されれば。
        魚雷の進路を阻むように集まった三つの蛇影が、それぞれ絶対物理防壁を展開させる。
        三基の魚雷が防壁に阻まれようとした瞬間、ヴァースキのセンサーが新たな反応を捉えた。
        魚雷の軌道上に存在する四体の蛇影の間近に、銀槍を手にした女が眼帯を取り外している姿があった。

        「ヴィディヤー、起動」
        眼帯を取り去ったスラオシャの左眼が四体の蛇影を視界に捉える。
        展開されていた黒いヴェールは掻き消えて、歪曲魚雷は動きの静止した蛇達を直撃する。
        ぐにゃりと黒い蛇身が歪む。間近の三体も巻き込んで、周囲の空間ごと捻じ曲がる歪みがスラオシャをも巻き込もうとした時。
        また新たに現れた銀光が、スラオシャを背後から抱え、防壁を展開しながらその場を離脱していく。
        「スラオシャ! 早く目瞑って! 私のほう見ないで! 私を見ないで!」
        スラオシャを抱えたドーンが、口からがぼがぼと泡を吹いて慌てふためいている。
        -- 2021-01-15 (金) 03:15:08
      • 計算違いも甚だしい。こんなことは有り得ない。
        歪曲魚雷で崩壊していく四つの蛇影から、ヌールの反応が途絶えた。
        スラオシャのヌール無効化兵装は視界に狭まる海中ならば、ほとんど効果を発揮しないはずだった。
        況してや無効化兵装の起動中は、防壁をはじめとする他の機能が使用不可となり、この魚雷に併せてくるのは自身の身も危うい。
        例え近接戦の連携でも、ドーン・ブレイカーやフォスの所持する剣型ユニットの機能も無効化される危険を孕む為、水中戦では問題にならぬと考えていた。

        あの機械仕掛けの海獣と小娘が全てを狂わせた。
        シェーシャは烈火の如く燃え立つ怒りを蛇頭の黒い瞳に滾らせて、シェラが乗り込むアルクスを睨みつける。
        爆発の間隙を衝いて残る五体の蛇影の囲みから抜け出したフォスが、アルクスの背びれに掴まるのを視界に捉える。
        -- 2021-01-15 (金) 03:15:53
      • シェラ。あと5つだ。ちょっとばっかし疲れたんで、アルクスの背中を借りるぜ。
        (上出来上出来と労う様に撫でながら、アルクスの背びれをしっかりと掴んで体を寄せる)
        (この距離ならば、無線を使わずともシェラの耳には届くだろうと、アルクスの背に唇が触れんばかりのところで囁く)
        水面付近まで上昇するか、海底近くに潜るか。速度が出る方で頼みたいんだけどさ、どっちが得意?
        (残る五つの蛇影が、一斉にアルクスの方へ向かってくる反応を捉えつつも、実に暢気な様子で語りかける)
        (あーさっさと片付けて早くシェラの顔見たいなー、抱きしめたいなー、キスしたいなー、などと呟いている)
        -- フォス 2021-01-15 (金) 03:16:28
      • (四つの音源が、消えた。話だけは聞いていたスラオシャの魔眼の恐ろしさを思い知る。…そして、アスワドはよくアレを相手にしたものだと)
        (きゅう、と背を撫でられたアルクスが嬉しそうに一声鳴けば、それに対する返答は無線で行われる)
        加速に使える空間は広ければ広いほど速度出せるから……それじゃ海底の方に行くよ。振り落とされないようにね!
        (更に言うならば…現在の海域においては海底付近が最も音を感知できる速度が早くなる水深だ)
        (機動力が落ち、音を聞き取りづらくなる水面よりもよほど戦いやすい。しかしそれは、万が一損傷を受けた際に脱出を困難とさせるが…)
        (ごん、とフォスがアルクスに触れている場所の内部から、抗議を示すような打撃音。ああ、今が海中で良かった。顔が赤くなっていることは分からないだろうから)
        (撃沈される事など考えるものか。あの怒り狂う傲慢な蛇に震え上がったりなどしてやるものか。私達は私達らしく)
        (ごん、ごん、ごん、と呑気な打撃音を響かせて、少年と海獣の姿は海底へと素早く潜っていった) -- シェラ 2021-01-15 (金) 21:32:18
      • (ごんごんと響く打撃音に口元を緩ませて、愛おし気な手つきでアルクスを撫でる)
        シェラ。このポイントまで向かってくれ。大丈夫だったら無線は無しで、3回ノックして返事くれ。
        (再び口頭で深度と方角、距離をシェラに伝える。人型ユニットのドーンと情報同期した『夜明けの剣』より、ナノマシンを通じて伝達された情報)
        (何を企図してそのポイントに誘い込むのか。座標を伝えたのをシェーシャに悟られぬよう、としかドーンからの説明は無い)
        (仕掛けはあるけどその場の判断で上手く対処しろってことか)
        (深度が増すにつれて闇が濃くなる海中に眼差しを細め、アルクスの背びれにしっかりと掴まりながら、少年は傍らの剣を握りなおす)
        -- フォス 2021-01-16 (土) 10:23:43
      • 水深は1000を超えて完全なる闇の中。
        大陸棚の付近に建造された遺伝子貯蔵庫の周辺海域は、極圏の中でも比較的浅い箇所に海底が位置している。
        それでも水深1500の海底付近では、陽の光が一切届かぬ暗黒の世界。
        人工の光なくば視界の効かぬ闇の中、シェーシャはフォスが所持する『夜明けの剣』に搭載されたヌールの反応を探ることで正確な位置を把握している。

        もう構うものか。小僧も小娘も消し去ってやる。
        次元断層の彼方に消し飛ばすか、光の差さぬ海底の暗黒に沈めてやるか、手段は問わない。
        厄介者を片付けた後で、人型ユニットのドーン・ブレイカーさえ確保すれば、それでいい。

        灰銀の海獣を追いすがる五匹の蛇が、漆黒の殺意を具現化した薄闇のヴェールをその身に纏う。
        シェーシャを除く四つの蛇影が、完全なる虚無の光と化して、アルクスとフォスに向けて放たれる。
        絶対物理防壁を前面にフル出力で展開し、全ての物理的な影響を無にして、爆発的に加速する。
        断続的に出力を弱め、シェーシャが検知した『夜明けの剣』の位置情報を同期して、方位を修正しながら突撃を仕掛ける。
        先ほど蛇身の口から発射された黒光の弾体に比肩する速度で、漆黒のヴェールを纏った四つの蛇影が四方八方から襲い来る。
        触れれば一撃で物体を消失させる黒い影が、司令塔の正確無比な誘導に従って、縦横無尽に暗黒の海中を駆け巡る。
        -- 2021-01-16 (土) 10:24:20
      • (こここん、と今度は普通の肯定の意を示したノックで返事をしつつ、指定されたポイントへと速度を上げて潜っていく)
        (何らかの意図があることは間違いない、余りにも馬鹿正直に直線距離で向かえばあの頭に血が登った女とて何かに気づくかもしれない、と)
        (ある程度、様子を伺うような、迷うような動きをしつつ向かっていれば…虚無の音が、四つ生まれたのを聞く)
        …こりゃまた随分とご立腹で。若さが憎いお年頃なのかなー?あたしたち血とか飲まれちゃうんじゃない?
        (軽口を叩きつつ、集中。またもやアルクスが泡を纏う。同時に輪環と本体を同調、電磁・反重力推進の出力を高める)
        (超空洞航行は、飛躍的な速度の増加を果たすがその性質上小回りが効きづらい。その分をカバーするための一手だ)
        ま、させないけど、ね!ちゃんと捕まってて!(まるで砲弾そのものと化した蛇の影をすんでのところで躱し、抜け、捻り、外す)
        (直接触れずとも海水を消滅させながら飛び交う死の巨影は、軌跡にある海流をぐちゃぐちゃにかき回し乱流としてしまう)
        (しかし、それさえも。翡翠の眼差しをしっかを見据えた少女は、聞き取り、計測し、予測し、逆にその勢いを利用して泳ぐ)
        (放つが正確な必殺であるからこそ仇となるその変化自在の動きを熱くなった彼の女は捕られれまい)
        (少女に積み上げた長年の経験と、海獣が蓄積した歴史が組み合わさり、くるりくるりと、舞うが如くに華麗に翻弄する)
        (無論、そうして巨影を凌いでいる最中も、指定のポイントへ移動することは忘れない。海老で鯛を釣ってやろうではないか、と) -- シェラ 2021-01-16 (土) 20:52:56
  • シェラとフォスがアザラ島より帰還して数日後。
    ドーン・ブレイカーに纏わる話が二人の間で交わされた。

    『夜明けの剣』の出自……ヌールが開発された経緯から、ファジュルとアルファルドの対立の末にヌールが多数失われ散逸したこと。
    数百年の時を経て、極北の海底シェルターで復元されたドーン・ブレイカーと、アスワドがそのマスターとなり、都市中枢艦『ゴールデンロア号』に漂着した経緯。
    直近にシェーシャという女から、遺伝子貯蔵庫の情報と模造ヌールが齎されたこと。
    そしてその後、ミスラとスラオシャの話に及び、シェーシャという女が如何に危険な人物で奸計を張り巡らせているか、
    また、ヴィイが元の世界に帰還する際の状況と絡めて、残された『全知の書』を狙い、何がしかを企んでいること。
    シェーシャがどういった目的を持っているか確かめるために、極北にある遺伝子貯蔵庫に向かうこと。

    フォスは長い時間を掛けて訥々と説明を続け、最後にこう結んだ。
    十中八九、危険が待ち受けているが、シェラの手を貸してほしい。
    -- 2021-01-12 (火) 22:29:22
    • 海洋暦XXX2年7月。
      極北の冷たい風を切り裂いて、全長30メートルほどの小型艇が海を征く。
      波をかき分ける白銀の船体が、目的地である遺伝子貯蔵庫に近づくと、周辺の気候に変化が表れ始める。
      吹き付ける風の冷たさが和らぎ、時折り水面に覗いていた流氷も全く見当たらない。
      座標は間違いないのかと、同行していたミスラは訝し気にスラオシャへ訊ねるも、従者は頷きを返すのみだった。
      海底に建造された遺伝子貯蔵庫まであと一kmというところで、気候は明らかな異常を示す。
      気温も海水温も20℃付近まで上昇し、防寒着では汗ばむほどの陽気になっている。

      「……あれは? あんなものは無かった筈ですが……」
      ミスラがポツリと呟いた。
      目的地の海上まで目視できる距離に達すれば、海の上にぽつりと円形の緑が視界に映る。
      海上には半径50メートルほどの円形内部に、季節感を無視した色とりどりの花と緑が咲き乱れている。
      その中心部では、石材を敷き詰めた床の上にティーテーブルが配置され、椅子にゆったりと腰かけている人影があった。
      海上に浮かぶ円形の庭園に、数十メートルの距離まで近づいた小型艇の船上からは、その人影がはっきりと視認できる。
      漆黒のドレスに身を包み、濡れ烏の髪を靡かせてティーカップに口を付けているのは、シェーシャその人であった。

      「あら。ずいぶんとまた遅いご到着でしたわね? 待ちくたびれておりましたわ」
      口元にうっすらと笑みを湛え、半月目で訪問客を見遣る女は、ティーカップをそっとテーブルに置く。
      その声は遠間の距離を歪めたように小型艇の近間から響き、薄笑いの吐息まで聞こえてくる。

      「最も新しい暁の戦士。ドーン・ブレイカー。贈り物は有効活用していただけたようで何よりです。あっは」
      「勇者サマの後裔であるお嬢さん。良くいらっしゃいました。貴女も歓迎いたしますよ。貴重な献体として……うふふふ」
      「まだ生きてらしたんですかミスラ? 貴女はもう何の価値もありませんよ? スラオシャを残して消えなさい」

      嘲るような笑いを隠そうともせず、黒い瞳をすぅっと引き絞ってシェーシャは大きく息を吐く。
      「アスワド・ファジュルがいらっしゃらないのは少し残念ですが……後でこちらからご挨拶に伺うと致しましょう」
      -- 2021-01-12 (火) 22:29:54
      • はぁーーー? 何余裕ぶっこいて囀ってるんですかーーー? そんなのが辞世の句でよろしいんですかーーー?
        (船上から庭園の女目掛けて、親指を地面に向けながらブーイング) -- ドーン 2021-01-12 (火) 22:32:07
      • ……いやぁ、こー色々ときーてはいたものの…。実際言われてみるとなるとこりゃなかなかだねー?
        (思わず浮かぶ苦笑い。この黒髪の女性はこちらの事情も殆どご存知という訳だ、と乾いた笑いしか浮かばない)
        (今まで見たこともないような敵愾心を丸出しにしてシェーシャを煽るドーンを珍しげに横目で見つつ、ミスラの方を見る)
        (ここまでの道程で彼女の事情もある程度は聞き…そして彼女自身の人柄も少しは掴めた。不器用で、儚げで、…純粋)
        (恐らくは特殊な環境下に置かれた事によるものだろうが、彼女は彼女なりに精一杯の努力をしていたはずだ。それを、この女は)
        フォスくん、覚えておくといーよ。こんなひたむきでかわいー子をこーゆーふーに言う人はダメダメ。もう駄目の駄目。
        男の子なら頑張ってる子はいつだって褒めてあげられるよーな格好良さをもってなきゃね!(言外に若干自分も褒めろ的な意思を込めつつ不敵に笑う)
        で、優雅なお茶の時間を邪魔して悪いんだけどさ。何やらかそーとしてる訳?なんたらの書はヴィイさんの友達が持つべき物だし、
        アスワドおじさんにフォスくんは貴方達の小競り合いに興味無いんだよ。だからさ、引っ込んでてくれないかなぁ。…ね、"おばさん"?
        (黒髪の女性に、にこーと作り笑いを浮かべつつも、舌で上顎を舌打ちするように叩いて空気を叩くようなノック音を小さく奏でる)
        (それは、小型艇に並走してこの海域まで付いてきた、隣の海面のすぐ下に居る長年の相棒への合図。すなわち、眼前の目標を警戒せよ、だ) -- シェラ 2021-01-12 (火) 23:28:45
      • (以前は直接的に言葉に出されることはなかったが、常に他人を下に見ている空気を纏わせていたな、と思い返す)
        価値なんて人によりけりだろー。それにあんた知らないだろ? ミスラがどんだけ赤ん坊をあやすのが上手いのか。
        (シェーシャに鋭い視線を向けながら不敵に笑うシェラの肩を抱き寄せて)あとこっちのお嬢さんは、そっちにやれねーから。
        -- フォス 2021-01-13 (水) 01:12:45
      • そーだ、そーだ! ヴィイ君のラジエーターの書は渡さないし、アスワドもフォスも陰険ババアにはこれっぽちも興味ないぞー!
        茶飲みババアは大人しく隠居してくださーい! い・ん・きょ! い・ん・きょ! -- ドーン 2021-01-13 (水) 01:13:04
      • 「あらぁ? そのご様子ではまだ気づいてらしていない? 舌は回っても、頭の方は鈍いようで」
        向けられる言葉の数々には涼しい顔をし、指先をこめかみに当ててぐりぐりと。
        紅を引いた唇を歪ませて、黒いドレスを翻す女は、人口庭園に落ちた葉の一枚を拾い上げる。
        「そもそもこの星が海洋惑星となるに至った直後、人類には喫緊の課題がありました」
        「陸地が没したことによる資源・食料・居住空間の欠乏……それらはあくまで二の次の問題です」
        「最大の問題は陸地に存在していた植物が喪われたこと……大気成分を調整する光合成量の不足です」
        シェーシャが手に取った葉が風に流れて洋上へと落ちていく。

        「陸地が存在していた当時、植物による光合成量はこの星の四割を占めていました」
        「残りの大部分を占めていたのが……海中に広く分布する水生の光合成真核生物。藍藻を祖とした藻類です」
        「この遺伝子貯蔵庫になぜ藻類の遺伝情報が綿密に記録保存されていたか……ミスラは思い至らなかったようですね」
        クスクスと笑って黒い髪をかき上げ、小型艇上に居るミスラへと嘲りの眼を向ける。

        「水没直後、この施設が当時の遺失技術を最大限活用して大量の藻類を培養し、海中に散布したことで大気の酸素濃度は維持されました」
        「幸いなことに水没の原因となった異空間から流入した水にも、藻類が含まれていたので、大気成分を維持する為の調整は最低限で済みましたが」
        「うふふ……藻類の遺伝改良自体は極めて容易なんですよ? 光合成能力を喪わせるのも容易いことでした」
        「問題は如何にこの星全てに分布する藻類を作り変える工程でしたが……」
        人型ユニットであるドーンの手先へと視線を転じ、女はよりいっそう深い笑みを浮かべる。

        「数十年規模の計画でいましたが、あらゆる知を網羅する『全知の書』があるのならば、時計の針はもっと早く進むでしょう」
        「私の代わりに見つけて頂いてご苦労様でしたドーン・ブレイカー。後程ゆっくりと、貴女の記憶領域から保管場所を引き上げるとしましょう」
        「計画通りに行けばこの星の生命体の9割以上が死滅し、人類の技術と資産を結集した新たな環境構築が可能となります」
        庭園に咲いた青い薔薇。その花びらを一つ摘み上げ、シェーシャは小型艇上の面々を順繰りに見渡す。

        「フォス・ファジュル。完全稼働するヌールは次代の環境構築に有用です。その担い手として命だけは生き永らえせてあげましょう」
        「プルウィウスのお嬢さん。酸素濃度の低下した環境下で貴女がどこまで生存可能か些か興味があります。ご協力いただけるなら生存だけはお約束しましょう」
        「スラオシャ。貴方は補助兵装と併せれば独立完全稼働する希少なヌールです。まぁその性質上、お飾りのマスターには何の価値もありませんが」

        青い花びらがひらりと宙に舞う中、爪の先を赤く彩る女がその指先をパチリと鳴らす。
        「来なさい。ヴァースキ」
        その瞬間、海中で絶対物理防壁を展開して身を潜めていた巨大な影が、海面を割り開いて現れる。
        人工庭園と小型艇の間に、黒々とした9つの頭を持つ蛇身が、その巨体を海上に躍らせる。

        「スラオシャ。貴方のヌール無効化兵装は少々厄介なので真っ先に潰すとしましょう」
        小型艇の眼前に現れた、ヴァースキと呼称される機械仕掛けの九頭竜が一同の耳目を引き付ける中。
        全くの別方向から海中を進む無数の影があった。

        「アナンタ。後始末の時間です」
        小型艇が下から突き上げられた衝撃で大きくぐらりと揺れ、バランスを崩したミスラが宙へと投げ出される。
        それを追う様にスラオシャが電光石火の速さでミスラへと飛びつき、二人は共に海中に没していく。
        シェーシャの哄笑が響く中、海中では全長10メートル程の巨大な海蛇が無数に蠢いている。
        その数はざっと見ても数十匹は下らなく、小型艇の周りは見渡す限り、海蛇の影で溢れている。
        -- 2021-01-13 (水) 01:13:47
      • シェラ! 目の前のデカブツは私と同じように防壁を展開できます! 生半可な攻撃は通りませんし、防壁には触らない様に注意!
        (九頭の蛇身を指差して大声を張り上げ、次いで周囲の海中へと視線を転じる)
        海の中でにょろにょろしてる方は、多分防壁張れません! でも数多い! 反応がどんどん増えてる!
        あとミスラはスラオシャが付いてるので大丈夫です! まずは自分の身を優先してください! ……なるべく自分の身を優先してください!
        (大事なことなので二回言うが、シェラの性格を鑑みて微妙に表現を変える) -- ドーン 2021-01-13 (水) 01:14:25
      • (肩を抱き寄せられて、笑みが漏れる。作り物ではない、自然な笑みが)…だってさ。もーなんか言う気も無くなってきたけども。
        (少女には女の言うことが半分ほどにしか理解できない。そも、植物がほぼほぼ失われた世界の人間として光合成というシステムそのものの知識が余りない)
        (しかし、分かる。その黒の装いにひときわ赤く歪ませた唇が、狂気に満ち満ちた言葉を紡ぐ舌先が、舐めずり食らいつくそうとしているものが)
        (そう、御伽噺において奸計を巡らせ、人を陥れ堕落させ、丸呑みにしてしまう…蛇のように)
        ……でも一つだけは分かる。あんたは絶対に、止めなきゃいけないってことだけはね!(肩を抱くフォスの手を、ぎゅ、と一つ握りしめ、彼と顔を合わせ一つ頷き)
        (海に覆われ未来の見えぬこの世界だとて、薄氷を渡り続けているようなこの世界だとて、この世界が好きなのだ。己が生き…彼と共に歩むこの世界が)
        アルクス!(それを壊させはしない。もはや様子を伺っているような状況ではなく、叫ぶと同時、小型艇から飛び出して海へと飛ぶ)
        (あわや海面へと沈むかと思われたその時、海中から現れる灰銀色をした命なき海獣の姿。その背は割れ、少女を飲み込む)
        (素早く主の搭乗を終えれば、背中の隔壁は閉じて身を踊らせ海中へと。巨大な海蛇たちのおぞましき巣と化した領域へ)
        (灰銀色の身は、常とは違い胴を中心にやや幅広い。それはアルクスの身を一本の指とするならば、太い指輪を嵌めたような円形の外装を纏っているからだ)
        (それでいて、海獣の動きを阻害せず、むしろ)……あのウネウネの多い方へ!ミスラちゃん達が体勢立て直す時間稼ぐよ!
        (まるで海中を飛んでいるかのような機動力で、危機の只中へと突っ込んでいく。なるべく、の結果として、自らを囮にしながら) -- シェラ 2021-01-13 (水) 02:05:37
      • (黒衣の女が語る事柄の多くが、少年の耳を上滑りしていく。はっきり分かる事といえば2点)
        (この女を放っておけば多数の命が喪われるということ。そして今まさに身近な生命や尊厳が奪われようとしていること)
        (それだけ分かれば十分だった。過去の怨讐など関係はない。自身の大切なものを脅かそうとする存在が目の前に居る)
        ドーン! 目の前のデカブツは防壁展開出来るんだろ! 全力で押さえるぞ!
        (船上に残された相棒に激を飛ばしつつ、小型艇の舵輪に差し込んだ『夜明けの剣』の柄をしっかりと握りなおす)
        (淡く輝く白銀の船体が黒い薄膜に覆われて、九頭の蛇身へと急加速していく)
        (100%の出力で展開した絶対物理防壁が周囲の海水を消し飛ばしながら、滑るように駆ける船体が突撃を仕掛ける)
        -- フォス 2021-01-13 (水) 03:16:03
      • 海中に没したミスラとスラオシャを取り囲むように蠢く海蛇達が、その鋭い牙を光らせて二人に殺到しようとした刹那。
        灰銀色のイルカが凄まじい速度で海中を割り迫る姿に、蛇の群れが一瞬動きを止める。
        その隙を縫ってミスラを抱きかかえたスラオシャが、絶対物理防壁を展開させ、手にした銀槍から放出されるハイドロジェットで水中を駆ける。
        槍を前に突撃していく先から、海蛇の巨体が引き裂かれ、或いは展開された防壁に頭を消し飛ばされていく。
        一体一体は然程の脅威たりえないが、恐るべきはその数。
        海中を泳ぐ影はどんどん増えていき、未だ果てを知らぬように、少女らとアルクスの周りを細長い影が覆いつくそうとしている。
        『シェラ。この数を相手にしていては此方のエネルギーが持ちません』
        スラオシャが冷静な顔で無線信号を飛ばし、アルクスの内部へと呼びかける。
        ミスラを抱えながら水中呼吸や水圧調整、移動の為に防壁を展開し続け、かつ戦闘機動での負担により、エネルギー残量を消費し続けている。
        シェーシャの意志に呼応するように操られている、この海蛇の群れは一体何なのか?
        ヌールがコントロールする機械仕掛けでもなく、純粋な生物とも言い難い。
        鋼鉄を容易く断ち切る牙を光らせ、鯨をも絞め殺す荘強な身をくねらせる海蛇達が、四方八方から獲物を狙って襲い来る。

        海上では人工庭園に立つシェーシャが余裕の笑みを浮かべて、九頭竜に迫る白銀の船体を見ている。
        「確かに。ナノマテリアルで構成された船体ならば、ヌールの出力の恩恵を余すところなく受けられますが……」
        薄闇のヴェール、最大出力で展開された絶対物理防壁を纏った突撃は、ヌールを搭載したユニットの最大の攻撃手段となる。
        九頭の蛇身へと防壁が衝突する瞬間、黒い蛇が展開した防壁により、あっさりと互いの防壁が中和される。
        間を置かず、九つの頭がそれぞれ独立した動きで巨大な首をくねらせ、白銀の船体を薙ぎ払う。
        「模造ヌールとはいえ、こちらは9つの出力機関。総合出力でも持久戦でも、そちらに勝ちの目はありませんわ」
        -- 2021-01-13 (水) 03:16:43
      • …だねっ!(スラオシャの通信をアルクスの中で受け取れば、短い肯定。海蛇たちを右へ左へ上へ下へと掻い潜り速度差を生かしてギリギリをすり抜ける)
        (ミスラたちから出来るだけ海蛇を引きつけ、自身へと集める。こちらも防壁など存在しないのは蛇達にも分かっているだろう。ならば与し易いと判断するのはどちらか)
        わっ…っとっ!…よし、ここっ!(そう彼女が言った瞬間、アルクスの額…頭部の丸い箇所から、こぉん。と硬質な音が海中に大きく響き渡る)
        (それは、探針音。瞬間、少女はその耳を研ぎ澄ませる。元より海蛇たちの動きは耳で捕らえてはいたものの、スクリューなどの機械動作機構を持たぬ海蛇たちの動きは大まかにしか掴めなかった)
        (ならば、探ればいい。イルカがエコロケーションに用いる主に超音波領域における鳴き声、クリックス。それのアルクスによる増幅版)
        (途端に灰銀色の海獣の動きが良くなる。その内の少女の耳がひくひくと動く。少女の脳裏に描かれるは、立体的に全ての要素が描かれる海中での全天周囲図)
        (断続的にアルクスがピンガーを打ち、それをシェラが聞き、操る。人馬一体ならぬ人機一体となった一匹の動きで、先ほどの動きが嘘のように海蛇たちを翻弄し…)
        …スラオシャ!このうざったいの散らすよ!5秒後にどかーんって行くから防壁しっかりね!(強いGがかかり続けるアルクスの船内でそう無線を飛ばす)
        (叫ぶや否や、海獣は海蛇を引きつけたまま、距離を離す。少女は振り向かず、脳内に描かれた海中マップで海蛇達の群れを一匹残らず捕らえ続け、その偏り集まった位置を割り出す)
        そこ!(一転、宙返りのような急速転回。アルクスの顔が、追ってくる蛇たちと向かい合う形になった瞬間…アルクスの胴の輪環の側面から、何かが、ひとつ、ふたつ、みっつ、飛び出した)
        (それは、魚雷。円柱状であり、尾部安定翼を持った魚雷だ。しかし、サイズは明らかに小さい。少女の腕よりも細く、察知したとて大した脅威には思えないだろう、それ)
        (しかし、数百ノットを越え、空を往くが稲妻が如く海中を進む魚雷は的紛うことなく海を征き…)
        (宣言からきっかり5秒後。辺りの海面を衝撃で一瞬真っ白にする程の爆発を生み出し、大きな水柱を3つ、作り出した) -- シェラ 2021-01-13 (水) 22:19:06
      • 銀槍と不可視の力に散らされる仲間の姿を見て、海蛇達は灰銀の海獣へと殺到していく。
        逃げ回るだけの新たな獲物を狩り獲るべく、長大な蛇腹を波打たせて、鈍く光る牙を海中に走らせる。
        アルクスが大多数の海蛇を引き付ける中、それでもなお湧き続ける新たな蛇影がミスラとスラオシャを取り囲む。
        包囲されぬよう海中を直線的な軌道で駆け巡るスラオシャに、シェラの無線が返ってくれば、その意を察したミスラが声を上げる。
        「スラオシャ。停止して防壁を展開。それとこれまでに海蛇の出現が確認できた地点を算出しなさい」
        主の言葉に従って停止したスラオシャに、数多の影が殺到する。
        展開された防壁の外側で牙を剝く蛇の群れを一瞥しながら、海蛇の出現地点の演算に集中しているスラオシャの傍らで。
        襲来する蛇影を華麗に翻弄するアルクスの姿を、しかとミスラは視界に収めていた。
        シェラの通信からきっかり五秒後。美しく弧を描いた灰銀の海獣より放たれた魚雷が、海蛇の群れへと炸裂する。

        大きく上がった水柱に、シェーシャは一瞬眉を顰めるが、すぐさま口元に余裕の笑みを形作る。
        「あっは。無駄です無駄。アナンタの反応は未だ健在……あら?」
        つと海面を見渡せば、先ほど九頭竜に弾き飛ばされた白銀の船体は影も形も無い。
        「うっふふふふ。かくれんぼ? それとも奇襲? はたまたお仲間を助けに?」
        いずれにしても無駄なことだ。黒衣の女は泡立つ海面を流し見て、くすくすと嗤い続ける。
        -- 2021-01-14 (木) 00:00:00
      • アルクスの発射した魚雷の爆発で搔き回された海中が収まりを見せる頃、そこかしこに海蛇の残骸が漂う中、また新たな蛇影が湧き出してくる。
        「シェラ。いいですか? この海蛇達は不自然な出現パターンをしています。海中に突如として発生しているのです」
        スラオシャの解析データを、体内のナノマシン経由で伝達されたミスラが、アルクスの無線へと呼びかける。
        「海蛇の発生は海中を一定間隔で断続的に行われています。恐らくは……隠れ潜んで移動している『何かが』海蛇を発生させています」
        ヴァースキと呼ばれた九頭竜が出現した時の状況がミスラの脳裏に過る。アレは絶対物理防壁を利用して姿を隠していた。それならば……。
        「もしそれがヌールだとするならば、防壁によって姿を隠しています。防壁は出力を強めれば、光学も電波も音波もシャットアウトしますが……」
        「逆にそれが仇となることもあります。不自然に音が消失する地点、そこに海蛇の発生源がある可能性が高いのです」
        「こちらは海中の音響分析まで高精度に行えるセンサーがありません。そちらはどうでしょうか?」
        -- 2021-01-14 (木) 00:01:00
      • (未知なる驚異に際し、彼の地より持ち出し、気が進まないながらも相棒へと取り付けた外部増加艤装である輪環)
        (それこそは魔王城においてブラッキアーレと名付けられた慈悲無き…いや、慈悲そのものだったはずの兵器)
        (人類救済計画におけるサブプランの一つとして、救済者の率いる金属の獣たちが人々を殲滅すべく使われる予定だったその一つだ)
        (先に発射した小型魚雷は輪環により統制、制御され重金属を電子励起状態にし準安定化させ、ひとつまみの爆薬が家一軒を跡形もなく吹き飛ばすエネルギーを秘めた、電子励起炸薬を用いたものであり)
        (雷の意を込められたそれは、トニトルスと呼ばれ救済を阻むものをことごとく討ち滅ぼすとされた。ある意味では…今や、もっとも正しく使われているとも言えるが)
        …つつ……うっさいなやっぱこれ!(難点は、その威力そのものか。凄まじき爆発の残滓は、海中を高密度の雑音で満たしてしまっている)
        (それが薄れれば…ミスラの声がする)…あー…そーゆーこと。こっちの蛇は、石の影に隠れるのがお好きって訳だ!(得心した、といった風の声を返せば、…耳を澄ます)
        (聞き分けろ、聞き分けろ。まだ海域は先ほどの衝撃の残り香が充分に残っている。それは即ち、音で満ちた領域ということ)
        (漣のような、潮騒のような空間に残る音の波の厚さを、薄さをナノdBの差さえ許さずに聴き取るのだ)
        (自身の、心臓の音がうるさい。血流がうるさい。筋肉の軋みがうるさい。目を閉じて一意専心に研ぎ澄ませば……何故か、フォスの顔が浮かんだ)
        ………!聞こえたッ!!深度805、2時方向!やっちゃえアルクス!(もはや少女の脳裏の海中マップには、まるでブラックホールのように虚無を孕んだ点が浮かんでいる)
        (叫ぶと同時、操縦桿を操作。トルトニスを五基、絶対に逃さぬという意思込めて点を囲むようにして斉射)
        (海水を磁化しそれそのものを推進力とする電磁推進により、海中にてなお音速を越える無慈悲な雷。更には)
        もいっちょ!(トルトニスとはまた別の魚雷が、一基、放たれる。絶対物理防壁に対しては、如何な大威力の水雷とは言え炸薬の爆破は効果は薄いだろう)
        (ならば、面ではなく、点ならば?遅れて槍の如く放たれるそれは、スパティウム。別の名を歪曲魚雷。効果半径こそ狭いが、空間そのものを捻じ曲げ破砕する必滅の穂先だ) -- シェラ 2021-01-14 (木) 00:44:52
      • (先の魚雷の爆発に紛れて、海中へと潜行していた白銀の船体がぴたりと静止している)
        (ドーンを通じて無線の状況を把握していた少年は機を伺うように海中で息を潜めている)
        (最低限の水圧調整と呼吸のみに力を絞って無音停止を続ける船体では、舵輪替わりの剣を手にした少年と甲板で腕組みをしている女の髪がゆらゆらと水に揺れている)
        (海蛇の群れやその発生源など、少年は一切気にしていない。それは、灰銀の海獣に乗った少女が居ればこそ)
        (今まで乗り越えてきた困難を思えば、この程度の障害は何ら問題にならないと確信して、少年は意識を研ぎ澄ませる)
        『魚雷発射音確認しました』
        (ナノマシンを通じて流れ込むドーンの意に呼応して、船首は海面へと転回し無音浮上を開始する)
        (次いで訪れる振動と爆音に押される様にして、防壁を纏った白銀の船体は最大船速で海水を切り裂いていく)
        -- フォス 2021-01-14 (木) 20:36:21
  •   -- 2021-01-12 (火) 22:28:53
  •   -- 2021-01-12 (火) 22:28:48
  • (彼女の胸の中に抱きすくめられ、その表情は伺い知れねど、纏わせる空気がまた色を変えていく)
    (何よりも己を狂わせる彼女の声が、たっぷりと淫猥に塗れて耳元に囁かれる)
    (呟かれる言葉の意を介する前に、淫らな調の媚薬によって脳天から心の奥底まで楔を打ち込まれる)
    (追い打ちをかけるような嬌声に、雄の本能が更なる刺激を受けて、指先の動きが加速する)
    (薄く張り付く布越しに触れた先。今までのどの箇所とも異なる柔らかさと、しとどに濡れた熱い手触り)
    (ここは触れても大丈夫なのか。異質な感触と、男からすれば急所ともいえる位置ゆえに、一瞬の逡巡が生まれる)
    (それも彼女が背に手を回して抱き着いて来れば。間近にある横顔に快楽の証を見た途端、指先は再び動き出す)
    シェラ……直接触るぞ?
    (下着越しに触れていた手がするりと内側に滑り込み、指先が溢れる蜜に塗れながら媚肉へと埋もれていく)
    (人差し指と中指が吸い付いてくる肉襞に絡み取られ、引きずり込まれる様に内側へと徐々に沈んでいく)
    (くちゅくちゅと水音を立てて指先を蠢かせる少年の視線の先には、愛しい女の見知らぬ表情があった)
    (変わらぬ翡翠色の輝きの下に、艶のある形に唇をたゆませ、甘い響きを漏らす女に目を奪われる)
    (貪るように口づけを交わし、ただ唇を合わせるだけでは飽き足らず、互いの舌先を絡ませて無上の味わいに酔い痴れる)
    (唇を食み、舌先を吸い、唾液を啜り、歯列をなぞり、存分に口内を味わい尽くしながらも。彼女の下腹部で指先の抽挿が繰り返される)
    -- フォス 2021-01-03 (日) 21:29:00
    • ……ん…して…。あたしの外側も、内側も……知って…(荒い息のまま、彼の指を求める。もはや下着はほぼ用をなしていない)
      …ぅ…あんっ…あ……あっ、…あっ!はぁ…あっ…!!(入ってくる。その指先が、未だなにものをも受けれいた事のないそこへ)
      (自分の指などとは、全く違う。他人の…焦がれた愛しい人の指が、ぬめり熱く蠢く肉の壺を容赦なくかき回す)
      は…ふっ…ああっ…!(下半身からせり上がってくる大きな快楽の波に少女の裸身が打ち震える。頭の中で幾つもの白い花が咲く)
      (そんな状況でも鋭敏なる聴覚は、男の指が引き起こす、ちゅくちゅくと水音を鳴らす自身の秘裂の音を捕らえてしまい、恥ずかしさを覚え、何事かを言おうとすれば)
      (その唇が塞がれる。ぬるりとした舌が侵入してくる。愛おしさと劣情を綯い交ぜにして、その舌を強く吸い、また伸ばし彼の味を知ろうとする)
      (唇の裏側、歯肉の盛り上がり、頬の内側の曲線。こんな味も、あったのだと思った。砂糖などなくともそれは甘く、甘く脳髄を蕩かすようで)
      …ぷあっ……。フォスばっかり、ずるい(お互いの唾液まみれになった唇を離し、恨めしげに言う。私だって、彼を知りたいのだ。彼を感じたいのだ)
      (そんな思いを込めて潤んだ瞳で彼を上目遣いで見つつ、白く細い腕を下方へ伸ばす。目指すは跨る形になっている自分の下半身の更に下)
      (腰穿きを履いたままのフォスの股間へ、この後に及んでおっかなびっくりに、男性の象徴を感じ取りたいと細い指先が伸びる) -- シェラ 2021-01-03 (日) 22:15:45
      • (お互いの味と愛情を確かめ合う濃密な口づけの後。上目遣いで軽く詰ってくる女の指先が、衣服の下で張り詰めた下腹に)
        うあっ……!(おずおずと可憐な指がそこに触れれば、びくりと大きく身を震わせて。得も知れぬ快楽に背筋を震わせる)
        ま、待った! ちょっ、ちょい待ち! ストップ!
        (名残惜しくも彼女の秘所から指を引き抜き、抱えていた彼女の身を敷布の上に横たえて、落ち着かない様子で立ち上がる)
        (他人はおろか、自身の手ですら快楽を企図した行為で触れてこなかった局部)
        (シェラの温もりを肌で知った後、彼女を思って固く屹立させたことはあれど。悶々としたままに翌朝下着を汚すだけに留まっている)
        (これまでは本能の赴くままに好いた女の身体を求めていた少年は、額に汗を浮かべながら記憶の引き出しを開いている)
        (意を決したように、薄く張り付いた黒い肌着を脱ぎ捨て、巻きついた腰紐を解いては腰穿きを下ろす)
        (張り詰めた先に薄く染みを滲ませた下着も脱ぎ去って、固く上向いた男性の徴がびくびくと脈打っている)
        (──服を脱いで裸になる。なんやかんやしながらくっつく。なんかを入れたり出したりする)
        (恐ろしいまでに性的な事に無頓着だった少年は、男女の営みについて歯抜けの知識しか持ち合わせていない)
        シェラ……俺はほんっと抜けてるヤツだからさ……この後どうしたらよいかイマイチ良く分かんねぇ!
        (素直に分からないことは分からないと。変な見栄や意地は張らずに、堂々と裸身の腰に手を当てて)
        さっきシェラに俺のを触られた時、なんつーか……初めての感覚で、すっげぇ気持ち良かったんだけどさ。
        シェラにも気持ちよくなって欲しいから……どうすりゃいいかな?
        -- フォス 2021-01-03 (日) 23:07:18
      • …硬い…(と服越しのそれに驚きを覚えつつもストップがかかり目をぱちくりとさせれば、ばばっと服を脱ぐ彼)
        わ、わ、わ!(一気に鍛えられた裸身をさらせば、その中心で雄々しくそそり立つ、それ)
        (顔を真赤にさせて目を逸らしてしまうも、そんなことでどうするのだと、自分を叱咤しゆっくりと視線を戻す)
        (夢追い人を常としつつも、そこは年頃の少女。なんだかんだとその手の知識は知らぬではない)
        (まあ、その知識も主には概ねいわゆる濡れ場を含んだ色々な御伽噺で知ったものではあり、当然ながら実地の見識などありはしないが)
        …ぷ(思わず笑みが溢れる)あははは!(楽しそうに、笑って)…うん、分かったよ(どうやら、この分野では自分が先駆者のようだ、と楽しげに)
        あたしも大して知ってる訳じゃないけど…それじゃ…一緒に知ろう(腰に引き下ろされていたワンピースを改めて脱ぎ、敷布の端へ畳んでおく)
        (下半身を覆っていた白い下着を外に晒し、改めてぐっしょりと濡れて粗相をしたようになっているそれを目で確認し、顔が赤くなる)
        うー……えいっ(しかしもはや何を照れることがあろうか。意を決して下履きを下ろし足から引き抜き、愛撫で充血し色づいている少女の秘めたる場所を露わにする)
        (そうして…やけに堂々とした彼に苦笑を覚えながらも、彼らしい、なんて思いながら布一切れ纏わぬ白い裸身の身を寄せ)
        ……そこに、仰向けに寝っ転がって。あたしに身を任せて(愛おしげにそそり立つそれに触れるか触れぬか程度に手を添えながら、優しげに微笑む) -- シェラ 2021-01-03 (日) 23:40:40
      • ふっはははははは! ……うん。一緒に教えてくれ。
        (楽し気に笑う彼女に同じ表情で笑みを浮かべる。知らぬことは恥ではない。まして彼女と共に知れるのであればその喜びが勝る)
        (浮かべる笑みも彼女が服を脱ぎ出せば、すぐに引っ込み、興味深げにまじまじと白い裸身に視線が釘付けとなる)
        (控えめに曲線を描く胸のラインから柔らかにたわむ腰。下履きに覆われていた女性らしい丸みと赤く色づく秘所)
        (その全てに先ほどまで触れていたのかと思うと、不思議な感慨と共に、落ち着いてい来た胸の火がまた激しく燃え盛る)
        (情欲を隠そうともせず震えている肉茎に、彼女の可憐な手が添えられれば、それだけでびくんと全身に電流が奔り)
        (今すぐに彼女の裸身へむしゃぶりつきたい衝動が生まれるも、その微笑みと言葉に促され、切なげに瞳を揺らす)
        ……う〜〜〜。寝っ転がって……このままでいーのか?
        (お預けを食らった犬の様に唸り声を潜めて、敷布へ仰向けに寝転がる。下から見上げる彼女の白い肌に、どくんどくんと男根は上向いている)
        -- フォス 2021-01-04 (月) 00:19:57
      • (仰向けになった彼の太ももにぺたん、と足を開いて裸の腰を下ろして彼を見おろす)
        (そこには毛の生えていない少女の恥丘の前に、その時を待ちわびんとする彼自身が屹立している)
        (まじまじと見れば…こんな大きなものが入ってしまうのだろうか、とごくりと喉を鳴らす)
        …この、フォスの気持ちいいところを、…あたしの気持ちいい所に入れるんだよ。そしたら、ふたりとも気持ちよくなれる。
        (どこかうっとりとしながら、微笑みを湛え、剛直へと触れ、その根本からすす、と先端へと手のひらを滑らせ、自らの下腹部と挟むように押し当てる)
        ふっ……(その感触に未知の快楽への期待と、彼を愛することの出来る喜びを覚え、秘裂の肉の覆いに鞘守られた陰核を押し当てれば鮮烈な刺激)
        (そのまま恥丘と手のひらでねぶるように屹立をはさみ上げ、ずるりと熱い熱いその熱を感じながらゆっくりと細い腰を上げる)
        …あと、あたし、血がでちゃうかもだけど気にしないこと。それはそーゆーものだからね。みんなそーだから。…たぶん。
        (自分にも言い聞かせるようにしてそんなことを言う。痛いだろうか、痛いだろうな、と内心思う)
        (でも、それ以上に、一つになりたいと思う。彼を受け入れたいと思う。自分の中にそんな気持ちがあっただなんて驚きさえ覚える)
        (彼と一緒に。知らないことを知ろう。未知を塗りつぶそう。だから大丈夫。痛くても、大丈夫)
        それじゃ……入れるね。…あたしを、感じて。
        (フォスの手を取り、指と指を深く絡ませ握る。そうして顔を合わせて彼の青い目を見る。思慕の念を熱い視線に込めて)
        んっ…(空いた手を彼自身に添えて、ひくひくと赤く蜜に照りつき濡れそぼった入り口に先端を当てる)
        (緊張と、期待と、色欲と、好意と、不安と、情愛と、色んな物を綯い交ぜにして…静かに腰を下ろしていく)
        (破瓜の痛みは、思ったよりも、痛くなかった) -- シェラ 2021-01-04 (月) 01:04:27
      • (身体の上にしっかりと彼女の重みを感じる。それは心地よく温かな実感となって胸の内に多幸感が満ちていく)
        (艶笑と共に滑る彼女の指先が、押し当てられる肉の感触が、この上ない快楽の呼び水となり総身を震わせる)
        (今ですらこんな気持ちが良いのに、これ以上があるというのか)
        (期待に震える剛直が熱を増し、更なる快感を待ち侘びて固く張り詰める先端からは、とろりと透明な液体が染み出す)
        ……え? 血? 血出るの? そーいうもんなの?
        (容易に看過できぬことが口に出されれば、見上げる彼女の瞳の中に、一抹の不安の色を見出す)
        (だがそれも、瞳が決意の輝きに上書きされ、片手にしなやかな指先が絡み付いて来れば)
        (彼女の言葉に頷きを返して、強く手を握り返す。今もお前を感じ、更に強く強く感じたい、一つになりたいと想いを込めて)
        (翡翠の瞳に優しく微笑み、少しでも彼女の不安を晴らそうと。滾る情火の火を抑えつけ、眼差しを柔らかく細める)
        (互いの秘所がぴたりと合わさり、二人の溢れる蜜を溶かし込んでいくように微かな水音を立て、剛直が秘唇へと埋まっていく)
        (完全に彼女の中へ包み込まれた瞬間、走り抜ける悦楽に、仰向けになった上体が跳ねる)
        (その勢いで跳ね上がった上半身が、片手は彼女の手を握りしめたまま、空いた手で愛しい女の体を抱きしめる)
        (結合した箇所は火を噴いたような熱に包まれ、細かく収縮して締め付けてくる媚肉の柔らかさで肉茎が悦びに震えている)
        (深く重なり合った隙間から流れる血の一筋に、ああ、と呟いては彼女の唇を啄む)
        ……大丈夫かシェラ? 痛くないか?
        (心配と情欲が入り混じる吐息を漏らし、求め与えるような口づけを繰り返しながら、心の内に複雑な想いが交錯する)
        (獣欲に支配されるがまま彼女の全て喰らいつくしたい肉欲と、彼女の不安や痛みを穏やかに温かく包み込みたい庇護欲が、胸中で葛藤する)
        -- フォス 2021-01-04 (月) 01:58:30
      • (想像していた身を裂くような激痛、という程ではない。言ってしまえばサルベージを生業とする中で出会った危険で負った幾つかの傷の方がもっともっと痛かった)
        (しかし自身の内側の痛みというのは別種の物。痛くないと言えば嘘になるくらいにはじんじんと響くあそこからの痛みは鋭い、…でも)
        ………痛いけど…。…痛くない。フォスのつけてくれた傷だもん。痛くないよ。
        (痛みを堪えて微笑んで口付けを交わす。それも、本当のこと。痛み以上に、喜びが勝る。気遣う彼の表情が、背中に回してくれた腕が、繋いだ手が、嬉しかった)
        (それでもすぐには動ける気はしなくて一つになったまま、心配げな色を見せる彼の金色の髪を撫ぜ、つ、つ、と唇を食みながらしばらくじっとする)
        …ふふ、あたしも、大人になっちゃった。どう?フォスは。大人になった感想は?気持ちいい?
        (なんて自分の中に居る彼をお腹の上から愛おしげに撫でつつ、ちょっと意地悪げに彼の耳元で囁いたりする)
        (長いようで短い時間をそうして過ごせば、出血も治まってきて痛みも和らいできた。生理は重くない方だが、それよりは若干マシかな、と思う)
        ……もう…動いても…いいよ。最初は…優しくね。おねがい。
        (今度は自分がぽふん、と敷布へ仰向けに横たわる。まさかこうなると思っていた訳ではないが、厚手のものを選んでいてよかった、などと少し間の抜けたことを考えながら)
        (そうすれば、二人の身体で隠されていてよく見えなかった結合部が、愛液で薄まった血で赤く染まっていたのが見えた)
        (ああ、彼と一つになれたんだな。と胸の底から湧き出るような感動を覚える。それもまた夢のひとつ。彼が居るからこそ見え、叶えられた夢だ) -- シェラ 2021-01-04 (月) 21:24:10
      • (いじらしくも愛くるしい微笑みに胸の中がいっぱいになる。触れ合い、深く繋がる箇所から伝わる熱も、一時忘れ)
        (髪を優しく撫でる彼女の指先の心地よさに目を細めながら、ただ静かで穏やかな口づけを交わす)
        大人になったって実感は無いな。ただこうしてシェラを感じているだけで、堪らなく幸せだなって。
        気持ちいいかは……聞くなよ。分かってるだろ? (少しだけ拗ねるような口振りで視線を横に流す)
        (麗らかに睦み合っていた時も、蠱惑的な彼女の囁きによって、またぞろ情欲の炎に火が灯る)
        (深く繋がった彼女の中で自らの分身が熱と固さを増し、快楽を示すようにびくびくと震える)
        (改めて強く実感する。ああ、自分は彼女に身体も心も囚われているのだと)
        (微笑み一つで心は和らぎ、涼やかな声に艶が乗れば身体はたちまち熱く滾る)
        ……分かった。ゆっくり優しく、シェラが気持ちよくなれるようにするから。
        (仰向けになる彼女の唇へまた一つキスを落し、上体を起こして互いの結合部に視線を移す)
        (桜色に染まった愛液の奥で、己を飲み込む秘裂)
        (まるで元々一つのものであったかのように、ぴたりと互いが合わさる光景に不思議な感慨を抱く)
        (わずかだって彼女の反応を見逃すまいと、眼下の愛らしい顔に視線を定め)
        (押し開くように彼女の膝裏に手を添えて、腰をゆっくりと引いていけば、絡み付いてくる媚肉に思わず吐息が漏れる)
        (奥に引き戻すように吸い付く襞へ、再び剛直を押し込んで、彼女の最奥を優しく刺激する)
        (ゆっくりと、だが徐々に速度を増して。己を刻み込むように抽挿を繰り返すたび、とてつもない快楽の波が全身を駆け抜ける)
        (息を弾ませ、吐息を漏らし。青い瞳は今までに無い情熱を宿して、愛しい女の顔を見つめている)
        -- フォス 2021-01-04 (月) 22:54:07
      • (彼が、彼自身が、動く。先ほどまでは痛みでそれどころでは無かったが、改めて感じれは太く、大きく、指などとは比べ物にならない)
        …んっ…(ゆっくりとした遅い動き。彼の優しさを感じて胸が疼くと共に…自身の中心が、甘い疼きを覚える)
        (初めて男の象徴を受け入れ硬く閉じていたそこも、しばしの時を置いたのがよかったのか、後から後から蜜を分泌し、二人の交わりを助けようとする)
        (知らぬとも、女。青い果実であれど食すに充分な少女の蜜壺は、ぎゅうぎゅうと剛直を締め付けながらも徐々にほぐれ淫靡にまとわりついていく)
        (押し、引かれるたびに強い快感が背筋を、頭を、全身を浸す。痛みは悦楽でかき消され、狭かった膣口はまるで甘噛をするように彼の根本を断続的に絞る)
        はっ………あっ、あっ………んっ………ああっ……(いつしか緩やかに漏れ出る嬌声。いつもの少女の声とは違う、甘く甘く蕩けるような声)
        (見下ろす彼の精悍な眼差しに瞳を合わせ、快楽に溺れる心のままに。自らの肢体が訴えるままに。少女は歌う)
        ………はぁ………あっ………あんっ…………んっ……あっ……(鼓動は強く、体温はあがり、頬が上気し、身体の各所が薄っすらと赤く色づいていく)
        (少女は歌う。恋の歌を。ただ一人に聴かせるための、ただ一人に向けた恋の歌。桜色をした、天上の歌声)
        (奏でるような喘ぎ声をあげつつも、もはやゆったりとした動きでは物足りなくなってきたのか、彼の腕を掴んで自ら腰を動かし始める)
        (ぎこちなく、つたない動き。汗に濡れた白く丸い尻を、彼の下腹部に押し付け、引き。愛液はしとどに溢れ、敷布を濡らす)
        (彼を、もっと感じたいと。自身を、もっと感じてほしいと。夢見心地の溶けるような微笑みのままに、少女は求める) -- シェラ 2021-01-04 (月) 23:33:38
      • (結合部でばじゅりと弾ける水音と、互いの肉を打ち付ける乾いた音が混じり合い、まぐわいの調が奏でられ)
        (そこに重ねられる少女の甘い歌声が、より淫猥な響きで二人の行為を艶やかに彩る)
        (高らかに響く恋の囀りが脳髄にじんと染み渡り、鼓動も熱も、腰の動きも加速していく)
        (ただ彼女の中を往復するだけで。うねるように纏わりつく肉襞が、迸る快楽を吸いつくさんと貪欲に蠢いている)
        (瞳に映る彼女の媚態、耳朶を打つ甘やかな嬌声、重ね合わせた肌と肉から伝わる熱と興奮)
        (情交の淫楽を示す証に、より交合の動きは激しく。愛し合う韻律に少女の腰の動きも加われば、渦巻く情欲が張り詰める)
        (互いに求め合う拙い動きさえも、愛情と肉欲を滾らせる火種となりて、下腹の欲望がますます膨れ上がる)
        (彼女の腰に手を添えて、重ねた肌から動きと呼吸を読み合わせ。より深く繋がる肉の交わりが、淫らな舞のリズムを刻む)
        (更にまた、彼女を強く感じる。これ以上は無いと思った瞬間、次から次へと新たな一面を覗かせる愛しい少女)
        (微笑みの先に更なる扉を垣間見せ、いざなわれるままに。強く強く、もっと彼女を感じたいと動きは性急に)
        (高まる予兆が彼女の内部を激しく抉り、固く尖らせた怒張が最奥をこつこつと叩く)
        シェラ……シェラ……シェラ……!
        (荒い息遣いで最愛の名を何度も告げる中、腹の底からこみ上げる欲望が限界を迎え、歯を食いしばって決壊に耐える)
        -- フォス 2021-01-05 (火) 01:12:40
      • (彼の形を、よく覚えられるように、感覚を集中して動く。膣肉を押し分けて亀頭が迫り穿つ。かと思えばかさが襞を掻きむしり抉っていく)
        (そのたびに、頭の中が快楽の渦で白くなっていく。もはや口を閉じることも忘れ、半開きになった薄桃色の唇からは、唾液さえも垂れ流しだ)
        …あっ、んふっ…あっ、やっ…んあっ…ああんっ…ふあっ…あっ、あんっ…んぅ、うっ、あっ、あっっ!
        (早くなった動きに喘ぎ声のテンポが上がる。自然、抽挿のリズムに合わせるように色に濡れた声が奏でられる)
        (幾度も出入りを繰り返した秘部からは、僅かに泡立ちさえして白く色を変えた愛液が重力に従い、幾筋も線を作る)
        (その華奢な背は仰け反るように。白くそれなりに贅肉の乗ってしまっているお腹を突き出すようにして、彼を受け止め続けて)
        (交わりは強く膣内どころか、自身の内側を全て全てかき混ぜられているよう。もはや彼が自分に入っていているのか、自分が彼を取り込んでいるのかさえもおぼつかない)
        フォス…!フォス……!あっ……んんぅっ……!(共鳴するように彼の名を呼ぶ。もっと、もっと。彼を感じたい。彼に感じてほしいと、強く思う)
        (彼の首に手を回し、離れたくないとばかりに力を込める。とろりと蕩けた表情で、それでも彼の青い瞳をまっすぐに見る)
        (妖しく波打ち蠢く膣内をぐちゃぐちゃにされて、激しい快感が身を悶えさせ烈火のように身が熱くなる。けれど、その芯にあるのは彼への愛しさ)
        ん、はぁ…あんっ…フォス…フォスぅ!(高く遠く。艶めいた歌声は響く。喜悦に真っ白に塗りつぶされそうになる頭の中で残ったただ一つの真実とばかりに、唄い上げる)
        あっ…あっ、あっ、ああああーーっ!!(満たされていく。満ち満ちていく。滂沱のように溢れる熱く柔らかく暖かく輝かしい何かで体中がいっぱいになり)
        フォス……!!!(びくんと激しく痙攣し、大きく弓そる身体。少女から女となった白き肢体が、至高の感覚と共に達した) -- シェラ 2021-01-05 (火) 01:54:53
      • (首に回された手に引かれるまま、ぴたりと寄せ合う身体が波のように揺れる)
        (見つめ合う瞳の中で互いの痴態を曝け出し、一体となって身を捩らせる姿はまるで一つの生き物のようで)
        (呼び合う互いの名のみが二人を分かつしるべとなり、艶美な歌声が一つの高みに昇り詰めていく)
        (大きく引かれた腰が、深く深く打ち込まれた瞬間。比翼連理の片割れが痙攣と共に、弓なりに身体を反らせば)
        (その震えが伝わって、総身にふつふつと汗を滴らせた男の体が一際大きく揺れた)
        (彼女の中で打ち込んだ楔がぎゅうぎゅうときつく締め付けられ、最奥に押し付けられた先端から生の奔流が迸る)
        ……っく、ああ! シェラ……! シェラ……!
        (視界がちかちかと明滅し、経験したことの無い至上の法悦に全身が細かく打ち震えても、なお呼び声は止まず)
        (鈴口から大量の精液を吐き出しながら、雄の本能が彼女の中を搔き回し、最奥や肉襞へと擦り付けるように抽挿が続く)
        (身体も心も全てを絞り出す迸りが収まれば、大量の白濁液が彼女の中をいっぱいに満たし、結合部からどろりと溢れ出す)
        (愛液と入り混じる白い泡立ちの奥で繋がったまま、茫洋とした意識で愛しい女の体に覆いかぶさる)
        シェラ……ああ、シェラ……。
        (うわ言のように呟いては、合間に彼女の唇を啄む。溢れ出る愛情と温かな想いが少しでも伝わるように)
        (それこそが至上の睦言であるかのように、繰り返し口づけと名を呼び続け、煌めく蒼い髪に手櫛を通していく)
        -- フォス 2021-01-05 (火) 03:02:09
      • (彼自身が、自分の中で跳ねたのが分かった。それに例えようもない喜びを感じた。分かたれていた物が一つになったと思った)
        (未来を形作る少女の小部屋が、猛々しい白い迸りで埋め尽くされていく。満たされていく)
        (それはお互いの熱い体温よりもなお熱く、思いを受け止めきれたのだと心の芯から深い深い充足感に包まれる)
        (全身に帯びた多幸感の残滓を、ぐったりと汗塗れの力の抜けた身体で味わいつつも、覆いかぶさってきた彼をぎゅ、と抱きしめる)
        (幾度も口付けを交わし、広がる蒼髪を撫ぜられる感触は、また違う心地よさを感じさせてくれ、弾けてしまった愛おしさがまたふつふつと浮かび上がっていき)
        ……大好きだよ。フォス。ずっと一緒に、夢を見よう。色んな夢を、二人で、ずっと、ずっと。
        (どうしようもなく、嬉しい気持ちが湧き上がる。彼と、一緒に。きっと、何処へだって行ける)
        (今なら果て無き彼方の星さえも掴めそうな気がする。思いは強く、心は踊る。一緒なら、何だって出来る)
        (汗ばんだ彼の頬を撫ぜるようにして、垂れ下がっていた金色の前髪を左右に分け、ずっと見つめていた彼の青い瞳を改めてじっと見る)
        (綺麗なものを、見たいと思ったのだ。星は、ここにも。輝けるものはここにある。蒼天の青空にも、滄海の大海にも思える蒼い煌めき)
        (そこに映っていたのは…きらきらと瞳輝かせ、大輪の花咲くような満面の笑顔の、蒼髪の少女の姿だった) -- シェラ 2021-01-05 (火) 21:47:57
  • (服から滴る水もそのままに湖畔沿いに進んでいけば、小高い丘の上へと。湖の回りを囲むように生えた林の木々もその丘には数少なく)
    (しかし緑の短い草が茂るそこを他愛ない話でも交わしつつのんびりと登っていけば、その頂上には一本の大きな木が見える)
    (枝ぶりも大きく丘の頂上にぽつんと生えているのは、桜。柔らかで淡い色合いの桃色の花びらを満開に咲かせた生き生きとした姿)
    (本来ならば植生的にも温帯に属し、遅咲きに咲くとしてもとっくに散っておかしくないその上品で優しい色をした花は、湖を見下ろすように咲き誇っている)
    …ん!まだ散ってなかった!よかったー!ほら、これもすごいでしょ!全部この綺麗なの花なんだよ!葉っぱじゃなくてね!
    気になって調べたんだけど…この花、桜って言うんだってさ。昔はずっとずっと東の国に生えてたっていう、綺麗な花。
    (などと楽しそうに言って桜の大樹の元へ。豊穣像のいかなる作用か、僅かに散り始めているとはいえ狂い咲きに咲いた桜を見上げる)
    (もう殆ど乾いている服をなびかせて、その光景を目を細めて見る。湖畔から吹く風は木々を揺らし、花びらを少女の周りへと舞わせる) -- シェラ 2020-12-30 (水) 02:46:01
    • (丘の上を一陣の風が吹く。優しい芳香の後にやってくる、ひらりと舞った花びら)
      (極北で降る雪の様に白く艶やかな花弁の先には、薄く色づいた無数の花が青空に映える)
      ……ああ、綺麗だな。
      (降って湧いた感情をそのままに、言葉少なに口にして。差し込む陽光の合間を咲き乱れる桃色に、蒼い瞳が釘付けとなる)
      (一歩一歩ゆっくりと近づくにつれ。ふわりと漂う香りも、華やかな彩りも、千変万化の装いを見せている)
      (大地にしっかりと根付く荘厳さを湛えた幹の先で、見事な枝振りがさやさやと微風に揺れて、空と地を可憐に染める)
      本当に綺麗だ。
      (知れず口から同じ言葉が零れだす。舞い散る花弁に瞳を誘われ、その先にある光景に促される様に)
      (濡れた髪の先から滴る水雫を拭うのも忘れ、大樹の下で花の雨に打たれる少女を眩しそうに見遣る)
      -- フォス 2020-12-30 (水) 03:25:54
      • (ふ、と彼の呟きに気づき桜を見上げていた視線を下ろせば、舞い散る桜の花びらの向こうでこちらを見る彼に気づく)
        (二言目の言葉は、何に向けられたのか。それに気づいて、顔を赤くさせる。照れくさそうにしつつも、嬉しげに微笑んで)
        ……でしょ?ほら、もう結構乾いただろうけど、これ使って(誤魔化すように言って、バックからタオルを取り出して渡す)
        (そして厚手の大きなブランケットと、小包を合わせて取り出す。草の上にブランケットを敷いて、自らも自分の分のタオルを取り出して、髪を拭きつつ)
        それでね、こうやって桜を見ながらおだんごを食べるのが作法なんだってさ。……お菓子初めて作ってみたんだけど一緒にたべよ?
        この前のアイスは…まあ、あたしが作ったんだけど、お料理したとは…ちょっと言い難いしね(などと言って、敷布に座って小包を広げる)
        (現れるのは大きさの余り揃っていない、不格好な桜色と白色と緑色の団子を串に刺した三色だんご)
        (桜色の物はこの桜の花びらを塩漬けにしたものを刻んだもの、緑色の物は茶の葉を刻んで入れたもの、と説明をしつつ)
        あはは、頑張って作ってみたけど、味には期待しないでね?(苦笑して、どうぞ、と手のひらで団子を示して彼の様子をどきどきしながら伺う) -- シェラ 2020-12-30 (水) 03:55:43
      • (受け取ったタオルで髪を吹きつつ、敷かれたブランケットに腰を下ろし、結い髪を解いて風に遊ばせる)
        へえー。花を見ながらお茶をするってのは聞いたことあるけど、それと似たようなもんかな。
        何言ってんだよ。目玉焼きだって作れるだろ? 上等、上等。料理上手だよ。
        (小腹の空いていた少年には、小包の中の三色団子は充分に食指をそそる出来栄えだった)
        (不揃いな大きさも、手に持って頭上の桜と見比べてみれば、その色合いと相まって不思議な暖かみを感じられる)
        ああ。この色分けは桜の花とか葉と合わせてるって寸法か。大きさもそれに合わせてんだろ?
        (粋だねえ、と桜色の団子を一口で齧りつき。口内にふわりと広がる芳香、塩味が仄かな甘みを引き立てる塩梅)
        (続けて白い団子をもちもちと咀嚼すれば、こちらは素直な甘さが舌の上を溶けていく)
        (間を置かず、緑の団子を口に含めば。柔らかな苦みと甘みのコントラストに遅れて、風にそよぐ草木を思わせる香りが鼻腔を抜ける)
        (無言の内に一本を食べ終えて、シェラに人差し指と笑顔を向ける)
        もう一本くれ。いや……二、三本くらい纏めて欲しいな。あと何か飲み物ない?
        (味の評価は口にしないものの、立て続けの要求と、その表情が、何より雄弁に語っている)
        -- フォス 2020-12-30 (水) 04:44:21
      • (彼が団子を食べ終えて笑顔を向けてくれれば、先ほどまで胸に浮かんでいた不安とも期待ともつかない気持ちは淡雪のように溶けて、喜びで満たされる)
        …うん!いっぱい作ってきたからいっぱい食べてね!(満面の笑みと共にバックから大きな包みを更に取り出し開けば、十本まとめての団子の小山)
        (水筒も合わせて取り出し、そこからほどほどに熱いほうじ茶を携帯コップに注いで彼の手に渡す。その時、桜の花びらがひらりと一片、茶に落ちて薄桃色の彩りを添えて)
        あは、縁起がいいね(楽しそうに言って…少しだけ考えて、桜を見上げ青空を背景としたその美しい光景と、彼を交互に見、今度はバックから紙の束を取り出してその場に置き)
        …えっと、ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど、いいかな(と、彼の様子を伺って言う) -- シェラ 2020-12-30 (水) 22:34:26
      • いやった!(微かに曇っていた彼女の表情が晴れ、新たな団子が目に飛び込めば、相好を崩して指を鳴らす)
        (そういえば。こうした時にはすぐさま甘味を口にするシェラが、未だに手を付けていない事に違和感を覚え)
        (渡された茶と表面に浮かぶ花弁から、頭上の桜に視線を転じて、ゆっくりと焙じ茶を啜る)
        (ふくよかな香りを楽しみながら、シェラの様子を眺め、彼女が取り出した紙の束に疑問符を浮かべつつ)
        ? どしたよ改まって。何か悩み事か? それともまた何か新しいお宝の情報でも見つけたか?
        -- フォス 2020-12-30 (水) 23:15:41
      • (紙の束。紙の束だ。それそのものが高級品なその束には明らかに手書きではない整然とした文字列が印字されている)
        (書いてある文字はその大半が読み取れないだろう。何故ならばそれは数百年前に使われていた文字なのだから。現在に名残のある文字もあれど、一見では意味を成すまい)
        ふふ、さすがフォスくん。後者の方だね。…まあ、前者でもあるとも言えるけど(などと話しながらも自身の考えを整理するように言い)
        これ、魔王城で回収できた資料の一部なんだけどさ…あれからずっと解読してて、つい最近やっと何を書いてる資料なのか分かったんだよね。
        大まかな意味が分かったってだけで詳細はまだまだなんだけど…タイトルは『ヴァルホルの実存可能性についての考察報告書』。
        ものすごいざっくり言うと…今も、この世界のどこかに神様の家があるかも、っていう内容。そして…そこに神様がいるかも、っていう感じの。
        (そうして紙の束の中からそれだけはひときわ古いボロボロの地図を横滑りさせて敷物の上に置く。それは何か硬質な透明な板で密封されているように見える)
        で、これがその神様の家へとたどり着くための…たぶん手がかりの地図。中身そのものを検査できてないから推定だけど…数千年は軽く昔のものだと思う。 -- シェラ 2020-12-30 (水) 23:36:59
      • (魔王城から回収された資料、という件を耳にすれば、泰平楽の顔に僅かだが真剣な色が混じり)
        ヴァルホルの…………(まずい。と少年に緊張が走る。眉根を寄せ、細心の注意力を以て、シェラの話に耳を欹てる)
        (ドーンがいれば都度注釈を入れてきたり後で幾らでも話を聞き返せるが、今はその手が使えない)
        (ぐむむと唸りながら腕組みをして、密封されたボロボロの地図を見つめながら、今聞いたばかりの内容を反芻する)
        ……まずさ。あの魔王城で見つかったものなんだろ? あいつらが言うところの『神様』なんて額面通りに受け取れねぇやな。
        その『神様』がどういうもんなのかは、もう分かってんのかな? 『神様』の『家』っていうのも引っかかる……。
        んでその地図っぽい何か。数千年は昔のものってことだけど、解析できるアテはあんのか? 魔王城で見つかったんなら、アルクスがどーにかできそーなもんだけど。
        -- フォス 2020-12-31 (木) 00:03:54
      • (彼の言葉を、僅か俯きつつもしっかりと聞いて受け止める。分かる。彼とは長い付き合いだ。その言葉の数々は自身を慮っての言葉であることを)
        …フォスくんの言うことは最もだと思う。神様が本当に神様なのかは分かってないし、そこに居る神様がどんな神様なのかも『あらゆる呼び名を持つ』くらいのことしか解読できてないし
        この地図そのものを解析できる当てはないし、内容そのものもアルクスに見せてもきゅーって鳴くだけで何も分からなかった。
        でも(顔を上げる。そして彼の顔を見る。その青い瞳に、緑色の瞳を合わせ、真っ直ぐ前を向いて)
        あたしは、この地図を追おうと思うの(力強く、言い切る。その瞳には…きらきら、きらきらと輝く煌めきがいっぱいに宿っている)
        …偽物の神様なんかじゃない、本物の神様。聞きたいことは色々あるし、言いたいことも色々ある。パイニテンティアよりも分かってることは全然無いし
        解読できた文章の中には『危険性は非常に大であると言える』なんて内容のものもあった(視線を書類に落とす少女の言葉には、覚悟があり)
        それでも、あたしは、この地図を追う。……フォスくんは、そんなあたしを笑うかな?(なんて、苦笑して小首を傾げて言う) -- シェラ 2020-12-31 (木) 00:27:58
      • (こちらを真っ直ぐに見据えてくる強い意志を宿した瞳。そこに夢追い人の輝きが灯れば、敵わないなと頭を掻く)
        笑えねぇから困るんだよ (何とも言えない顔で眉間に皺を寄せていたが、小首を傾げる彼女に眦を緩め)
        (そもシェラがこの話を持ち出してきた時から、彼女がこの新しい夢を追うことは分かりきっていたことだった)
        無茶する時は一緒だって言ったろ? 付き合うさ、その神様の家探し。
        (頭を掠めるのは、ヴィイが元の世界に帰る際に招喚した存在。神と称される存在の力は伝え聞くだけでも極めて危うい)
        (そうした危険は承知の上で、いつもの気楽さを滲ませた笑顔を浮かべ、地図を覆う硬質な透明板に指をこつこつと弾ませる)
        -- フォス 2020-12-31 (木) 01:02:56
      • (彼の言葉を耳に留め、唇を噛みしめる。胸の内に湧き上がる熱い思いを抑え込むようにしてほんの僅かに嗚咽さえしてそれを飲み込み)
        …ありがとう。本当に、ありがとう。フォスくんがあたしの夢を守ってくれるって言ってくれたときも、よく覚えてる。
        すごく…すごくね、嬉しかった。それで、それならあたしだけが夢を手に入れるんじゃない。フォスくんと一緒にそれを感じたいって思ったんだ。
        すごいものを、素晴らしいものを、きれいなものを。一度だけじゃない、何度でも、何回でも。
        (空を見上げる。そこに咲き誇る狂い咲きの桜を。丘の向こうを見る。眼下に広がる美しい鏡映しの透き通った湖を)
        (思う。魔王城での戦いの後に上がった虹。レボルシオンで見た古く強き竜。白銀の煌めき宿す守りの護符。何よりも輝いて見えた、夜明けの光)
        (ああ、綺麗なものを、見たいと思ったのだ。それは遠い昔、御伽噺を聞いたときから抱いた衝動。そして朝焼けに光を放った、彼の落とした涙にも覚えた思い)
        (彼を、もっと知りたいと思った。だから、その思いのままに、もう一つ問いを重ねる。ずっと心の片隅で思い続けていた、それを)
        ……フォスくんは、あたしのことを、か、可愛くて、抱きしめ、たい、って言ってくれた、よね。
        (心臓は早鐘のように。顔を赤く赤くさせて、先ほどの夢を語る時の自信に溢れた様子はどこへやら、俯きどもりながら言葉を紡ぐ)
        それってさ、…あ、……あたしの(言葉に詰まる。迷いが生まれる。でも、前へ。そんなのは、自分らしくないから)
        ……それって、あたしのことが…好きってことで、いいのかな。
        (思いは、止められない。知りたいと思うことは、止められない) -- シェラ 2020-12-31 (木) 01:35:38
      • (豊穣の島の自然を巡っていくシェラの視線を追うように。空の蒼さを、薄く色づく花弁を、生い茂る緑を、きらきらと光りを照り返す水の輝きを、その瞳に焼き付けて)
        (同じ思いを何度でも、という彼女の言葉に促される様に、今でも鮮明に胸の内に息づいている数々の冒険が脳裏を過っていく)
        (自分にはかつて夢と呼べるようなものは何もなかった。もし夢というものが、何より己の心を沸き立たせることだというのならば)
        (それはいつだって、目の前の彼女が傍にいる時だった。この夢がいつまでも醒めずにいるのであれば、それは)

        (続いて訥々と紡がれていく彼女の言葉を、ただ黙ってじっと。結んだ唇には微笑を散らし、見つめる瞳を柔らかく細め、正面から受け止める)
        (結びの問いに、身体は自然と動き出していた。舞い散る桜の中で美しく映える蒼い髪を、そっと撫でつけ、空いた手は彼女の背に回し)
        (ゆっくりと彼女を引き寄せて、胸にかき抱く様に。彼女の頭を己の胸の内に収めて、小さく囁きかける)
        聞こえるだろ。シェラの事が、好きだっていう音。
        (涼し気な笑みを浮かべておきながら、少年の内で息づく心音はどくどくと。今までに無いほど性急なリズムで脈動する生を告げている)
        -- フォス 2020-12-31 (木) 02:21:11
      • (分かっていた。その問を放つ前からずっと分かっていた。でも、目を背けた。見ない振りをした。…聞こえない振りをした)
        (夢を追い続け、夢の世界だけを目指し続けて走り続けた自分にはそんなことはありえないだろうと思ってしまっていたから)
        (でも、いいのだ。夢を見てもいいのだ。そんな形の夢があってもいい。誰かに思われ、誰かを思うそんな夢を)
        (綺麗なものを、見たいと思ったのだ。一時だけではなく、ずっと、ずっと。いつまでも。一緒に)
        (そんな思いを誰かに向けてもいい。同じ夢を見ても、いいのだ)
        ……聞こえないはず、ないじゃない。フォスの意地悪。
        (口をへの字に曲げて、彼の背へ細い両手を回して、ぎゅう、と抱きしめる。鍛えられた背筋の手応えは…あの時よりも、なお硬く思え)
        (それをもっと感じたいと、知りたいと思った。体中で彼の音を聞き、彼の音で自身を満たしたいと思った。聞こえぬ振りなど、もうできなかった)
        なんか、さ。あたしもようやく大人になれそうな気がしてきたよ。あたしがこんな気持になれるなんて…考えてもみなかった。
        (幼年期は終わる。少女は少女自身だけではない、繋ぐ手があることを知り、手を伸ばし、取る)
        (熱い鼓動を感じ、彼の暖かさを重ね合わせた体から感じながら、同じように高まる体温の体を抱え、それでも心には穏やかさと喜びが溢れてくる)
        (もっと感じたい。他の誰でもない彼を知りたい。そして…自分を知ってほしいと。思った。だから、それはきっと…)
        ……あたしも、好きだよ。フォス。
        (言葉にすれば、それだけのこと。それでも万感の思いを込めて。新しい夢を教えてくれた、大切な人へ)
        (これから一緒に夢を見る…大切な人へ。言の葉を音にして。よく通る涼やかな声で、少女の歌を、唄った) -- シェラ 2020-12-31 (木) 02:51:14
      • シェラが楽しい時は、俺も横で笑っていたい (耳朶を打つ彼女の声。その甘い響きに、赤く染まっていく頬が緩み)
        寂しい時は、一人じゃないよってこうして寄り添っていたい (より強く感じる鼓動と熱に、胸の高鳴りと安らぎを覚え)
        悲しい時は、一緒に乗り越えていきたい (胸の内から湧き出でる、際限のない暖かな思いを伝える様に、掌と指が彼女の頭を優しく撫ぜていく)
        気づけばシェラの事を想って、会えば視線は吸い寄せられる。頭でどう考えたって止められない。
        シェラが好きだ。ああ、そうだ。俺はシェラのことが、どうしようもなく好きなんだな。
        (口に出してみれば胸にすとんと落ちてくる。あるべきところに収まったとでもいうように、今までふわふわと判然としていなかった思いが)
        (ふつふつと沸き立つ衝動のままに、重ねた体の熱と鼓動を確かめる様に。いつのまにか差が付いてしまった、彼女の小さく細い身体を強く抱きしめ)
        (どこか花を思わせる彼女の香りにいざなわれ、その首筋と柔らかな蒼い髪に顔を近づけて、鼻先を埋める)
        -- フォス 2020-12-31 (木) 03:30:27
      • (彼が言葉を重ねていくほどに、心の中が暖かさと柔らかいもので満たされていくような気持ちになる)
        楽しいこと、いっぱいしようね。フォスが笑い疲れちゃうくらいに、いっぱい(蒼髪を撫ぜられる心地よさに目を細める)
        寄り添うだけじゃダメだよ。ぎゅって抱きしめて、今みたいに。痛くなるくらいに(力いっぱいに腕の力を込める。このまま一つになってしまえというほどに)
        悲しさなんて跳ね除けちゃおう。一人なら無理でも二人ならきっと出来るよ。あたしたちなら(微笑む。口に出せば、本当にそんな気になってくる)
        この島のこと、誰に見せたいかって思った時にフォスの顔が真っ先に浮かんだんだ。自分の手で作るお菓子作りなんて出来る気しなかったけど頑張ったよ。
        きっと、フォスなら喜んで食べてくれると思ったからさ。…もっと、お菓子だけじゃなくてお料理も覚えるね。
        ふふ…いっぱい作ってあげて、いっぱい食べてほしいから。大好きなフォスのために、ね。
        (彼のためにしてあげられることがあることに、喜びを覚える。何処か澱のように自身の底にあった不安も消え、自然な微笑みが生まれる)
        (首筋に埋まる彼の顔。その吐息がくすぐったくて、くすくすと思わず忍び笑いを漏らしてしまう)
        こぉら。もー犬じゃないんだから(嗜めるように言いつつも、横を向いて直ぐ側の彼の耳元へ、口元を近づけて)
        ………しっかり覚えてね?二度と忘れないように(揺らめく波のような囁き声のウィスパーボイス。甘く蕩けるように、鼓膜を揺らす) -- シェラ 2020-12-31 (木) 04:00:13
      • 俺にはまだまだ至らないこと、たくさんあるけどさ。シェラと一緒なら何だって出来る気がするんだ。
        (重なり合う身体と言葉。その熱も鼓動も、しなやかな柔らかさも、口にされることも、そこに感じ取れる想いも)
        (彼女から発せられる全てが、自分に力を与えてくれる。その可憐な微笑みだけで、全てが許されるような心持になってくる)
        シェラが俺の為に何かをしてくれることが、堪らなく嬉しいし、俺も貰った分だけ……いや、それ以上にただシェラを喜ばせたい。
        (ただ彼女を感じるだけで、心は解れて。自然と己の内にある想いが溶け出すように、言葉が紡がれていく)
        (『大切なものは言葉の内に無い。音に聞こえ、目に見えるものだけが、重要なわけでもない。』)
        (そんな父親の口癖の一つを補う様に、『思いを形にするのは大事なこと』だと、ドーンは言っていた)
        (自身の標である二人が本当に言いたかったのは、きっとこういう事なのだと、触れ合う存在が確かな実感を与えてくれる)

        (鼻腔に広がる彼女の甘い匂いと、頬を撫でる蒼髪の心地よさ。陶然と目を細めて耽溺していれば)
        (耳孔に流し込まれる彼女の囁きが、甘美な響きで脳を揺らせば、かっと生まれた熱情が瞬く間に全身を駆け抜ける)
        (どくりと跳ね上がる鼓動が熱く滾り、焦がれる胸の疼きに導かれて、間近にある彼女の顔をまじまじと見つめ)
        (一瞬の間、静止した二人の影を縫うように風が吹きつける。頭上から舞い散る花びらが、少年と少女の髪や肌を飾っていく)
        (視界を横切る桃色の欠片がシェラの唇に止まり、それを指先で摘まみ上げ。そのまま自然と指先が、彼女の桜色の唇をなぞっていく)
        (彼女が欲しい。こみ上げる情動のままに心と身体が衝き動かされ、ゆっくりと愛らしい色づきに顔を近づけていき)
        (情火を宿した蒼い瞳が、眩く澄んだ深緑の輝きへと静かに落ちていく)
        (その熱も、鼓動も、息遣いさえも。一つに溶け合おうと、互いの唇を重ね合わせる)
        -- フォス 2021-01-01 (金) 06:39:20
      • (吹く風、舞い散る桜の花びら。幾ばくかここを訪れた時よりも増えるそれは遅い春を告げていたのかもしれない)
        (だが、それも終わる。散りゆく花は降りしきる雪のように。北極点で見た吹雪にも似たそれには、今は暖かさしか感じない)
        (消え入りそうに美しく…儚く。自分の唇をなぞる指からも伝わるそれを、愛おしく、思った)
        (離れたくない、と、思った)
        (合わさった瞳から、伝わるのは共感。心の内に生まれいでた感情と同じものを彼も覚えていることがすぐに分かった)
        (一人ではなく、二人で。同じものを見て、感じ、思う。なんとそれは素晴らしいことなのだろうかと心より思う)
        (視界が彼でいっぱいになる。吐息の熱さを感じる。…耳をすませば、今までは気を回す余裕のなかったその鼓動音も、よく、聞こえる)
        (柔らかな唇と唇が、触れ合う。ほんの僅かに湿り気を帯びた、暖かいそれを重ね合わせて思いを伝える)
        (感じたい、彼を。彼の体を、彼の心を、彼の思いを。おずおずと触るようなそれは、思い募れば比例して強さを増す)
        (背中に手を回し、抱きしめるように。ささやかな胸を、鍛え上げられた胸板へと押し付ける)
        (小さな器に収まりきらない思いに、熱く鼓動を打っているそのことを、彼に伝えたくて) -- シェラ 2021-01-01 (金) 22:20:48
      • (散りゆく花の弥終は、新たな芽吹きの最先となる)
        (巡る想いもまた等しく、生まれ出づる情感が過ぎゆく間もなく、次から次へと湧き出でる)
        (溢れ出る想いを伝えるように、唇は優しく情熱的に重ねられ、寄せて返す波の様に、浅く深い口づけを繰り返す)
        (口づけを交わすたび、互いの吐息が混じり合い、熱を帯びた視線は心の内まで交感するように交差して)
        (どちらからともなく手繰り寄せ合う身体から伝わる鼓動。熱く激しく脈打つリズムは共振し、より高く昇り詰めていく)
        (全てを蕩かす口づけの中、胸に押し当てられた微かな膨らみが、特別な存在感を以てなけなしの理性を刺激する)
        ……ほんっと、シェラはどこもかしこも柔らかいな。
        (彼女の項に回していた手をその頬へ。指の間でむにむにと、摘ままない程度の力加減で、もちもちの肌を味わい)
        (啄ばむように彼女の唇を食みながら、背に回していた方の手が細い腰と脇腹に触れ、指先はふにゃりと柔らかい肉に埋もれていく)
        -- フォス 2021-01-02 (土) 21:02:58
      • (頬を程よく摘まれる未満に撫ぜられれば、瞬間、もっと幼かった頃の記憶を思い出す。あの時はなんだったか、彼のお菓子を横取りして取った時だだろうか?)
        (お互いが男と女なのだという発想さえも浮かばなかった記憶。それが、いまや。ああ、彼の口付けの甘露なること。心をとろけさすそれは如何なる菓子とて敵わない)
        (腰から脇に流れた指の感触。落ち着いていた顔が赤くなる。団子の試作という言い訳で好き放題つまんだ甘味はその感触の一助になってしまっている)
        …うっさい。やーらかくなくていいのそこは(抗議の意味を込めて彼の下唇を吸ってその小さな前歯で少し痛いくらいに甘噛みをしてやる)
        (そうして、更に顔を赤くさせながら、内肘を使ってすぼめ、脇にあった彼の腕を誘導し、手のひらを背中側の下の方へと押しやる)
        そんなとこ触るくらいなら……。まだこっちのほーがマシだし。…よく知らないけど、男の子ってここにもお肉あった方が嬉しいんでしょ?
        フォスの好みなんてしらないけど、さ。(崖から飛び降りたくなるような気持ちで恥ずかしそうに目を伏せる)
        (もじもじと身を捩れば、軽く揺れるワンピースのスカート。それを布の下から大きく押し上げ女性らしい丸みを帯びているラインが、彼の手の下にある)
        (普段の不摂生からどうしてもカロリーオーバー気味とは言え、日々の鍛錬と過酷な仕事を欠かしたことはない身だ)
        (それなりの脂肪は乗ってしまっても、支える筋肉は年頃の少女としてはかなりのもの。結果的に貧相な胸よりもよほど魅力的なラインを描いているそれが、期待と不安とに揺れる)
        (今更ながら、内心思う。ドーンみたいに胸がおおきかったらよかったなぁ、とか、あんな綺麗な腰の線だったらなぁ、とか)
        (そうしたら、彼も、もっと喜んでくれただろうか、なんて、詮無きことを考えて、どきどき、びくびくと少女は揺れる) -- シェラ 2021-01-02 (土) 22:19:24
      • (甘美な口吸いの後にチクリと刺すような痛み。それすらも心地よい刺激となって、噛まれた痕がじわりと熱を帯びる)
        ってぇ〜……えー? そっかなー? 良い手触りだったの、に……?
        (彼女に導かれるまま掌が触れた感触。布を隔てても感じられる瑞々しい弾力と柔らかさ)
        (先ほどまで触れていた横腹とは比較にならぬほど、抗いがたい魅惑の触感に、指先は自然と柔肉へ沈みこんでいく)
        い、いや。他の好みとか分らんし、俺も好みとか良く分かんねーけどさ……。
        (今にして思えば。人型ユニットのドーンが良く身を寄せてきて、身体に押し当ててくるアレコレの感触)
        (豊かな弾力と肉感には何の感慨も抱かず、ただただ心地よく包み込まれる安心感だけを覚えていた)
        (それに引き比べて今手の内にある感触はどうか? 胸に押し当てられる控えめな膨らみの感触はどうか?)
        触れてるのがシェラの身体ってだけで……ああ、もう。頭がどうにかなりそうだ。ずっとシェラに触れていたいし……。
        (胸の内に燻る情火が、頭の奥底をぐらぐらと煮立たせ。未知の情動に戸惑いながらも、その動きは止められない)
        (身を捩らせる彼女の動きに合わせ、腰から下腹部にかけての魅惑の曲線を掬い上げる様に、柔肉を揉みしだく手は止まらず)
        もっと、もっと。シェラの色んなところに触れたい。その全部に。
        (彼女の頬に触れていた指先がするりと首筋を流れていき、合わせていた胸元へと滑り込んでいく)
        (優しく覆うように。彼女の鼓動を掌で直接感じて、ささやかながらも温かみのある柔らかさを服越しに)
        (両手で異なる肉と肌の弾力を味わいながら、昂ぶる狂熱のまま彼女の首筋に唇を押し当て、強く吸い付く)
        -- フォス 2021-01-02 (土) 23:45:06
      • (彼の手を、感じる。薄い幾枚かのスカートの布地越しに、未だ青い果実は愛しき者の指でほぐされ、うねり、受け入れる)
        ん…んっ…ぅ……(まずは、驚き。何者もがまともに触れたことのないような、自らの肌は、肉は、しびれるような刺激を返した)
        (他者の…それも、彼が、他でもない彼が触れただけで、雷がぴりり、と走るが如くの甘い疼きが体を抜ける)
        (そんな反応を体がしたことに、我ながら驚きを覚え…納得してしまった。体に教えられた。彼が、好きなのだなと)
        あっ……(感慨深い実感に浸る間もあればこそ、彼の手が動く。その手にすっぽりと覆われてしまう小さな膨らみが、囚われる)
        (普段からブラをつけていないことが多い少女の乳房は、幸か不幸か彼の指先にほぼほぼそのままのささやかながらも張りのある弾力を伝えたろう)
        (サイズアップするブラ、つけておけばよかった。いやこの場合は着けてなかったほうが良かったのかな、などと考えていたのもつかの間)
        ……っ、や、っ…ん(熱い吐息が漏れた。貪るように胸に取り付いた彼の手のひらは、何度も握ったよく知るそれ)
        (しかし指先が与えてくる感覚は、全く知らぬ全身が総毛立つような未知の感覚を強かに与えてきて、止まることがない)
        (足に力が入らない。自らの覚えた感覚に戸惑いながら、彼の手に、体に身を預けるようにもたれかかる)
        あ、あっ…!(首筋に、熱い熱い彼の熱。何かに貫かれたような快感が少女の身をぶるりと一つ震わせて、自身の上げた声に恥ずかしさを覚えて顔を赤くすれば)
        (どこか悔しいような気持ちを覚え、すぐ横の彼の耳たぶに吸い付いて、小さな赤い舌でぺろりと舐め口付ける)
        …………フォスの、えっち(精一杯の負け惜しみを、力いっぱいに。甘く、甘く。情熱の甘き毒を乗せて、耳孔に口付けたまま囁く) -- シェラ 2021-01-03 (日) 00:48:04
      • (指先から伝わる感触が煽情的に揺れ、視界には艶のある声を漏らす横顔)
        (彼女の首筋をなぞる舌先から微かに感じる汗の味。鼻腔をくすぐる甘やかな芳香)
        (初めて見、感じる彼女の様相。五感の全てが刺激され、身体の中心から好いた女を欲する衝動が起ち上がる)
        可愛いな、シェラは。
        (何度でも口にすると誓った言葉が、今までとは趣を異にして零れだす)
        (胸中の情火が命じるままに蠢く指先が、彼女の身体を熱く震わせ。弱々しくも身を預けてくる姿に、愛おしさがこみ上げる)
        (夢中で首筋に口づけをしていれば、耳朶をなぞる唇と舌先に、くっと低い呻き声を漏らす)
        ……こんなことするのも、したいと思うのもお前だけだからさ。許してくれな?
        (ささめきはどこまでも甘やかで。五感の奥を刺激する甘美な囁きに、情欲の火は更に燃え盛る)

        (凭れ掛かる彼女の身をしっかりと抱き上げて、足元の敷布に腰を下ろす)
        (向き合うような姿勢で胡坐を組んだ足の上に、彼女の身体を乗せると、再び細くしなやかな首筋へと唇を落し)
        (そのまま下っていく舌先と合わせる様に、ワンピースの肩紐をするりと下ろし、胸元まで大きくはだけさせ)
        (首筋から鎖骨、胸元へとキスの雨を降らしながら、服の奥に隠れていた白い膨らみへと直に掌と指先は触れ)
        (その控えめな膨らみの先端で色づく蕾へと辿り着いた唇と舌が。優しく吸い付き、徐々に激しく、白い肌の上で踊っていく)
        -- フォス 2021-01-03 (日) 02:04:02
      • (彼の足の上に、両足を大きく開いたような形で座り込む。もう僅かに震えさえする体は完全に彼に無抵抗に身を任せ)
        (上気する頬は赤く、息遣いは熱く、瞳は潤んで。彼の唇が体に触れるごとに、電流のような疼きがぴくりぴくりと少女の身体を跳ねさせる)
        (だから、肩紐がその細く白い肩から抜かれるのにも、ぼんやりとした熱に浮かされたような表情を浮かべたまま、するに任せる)
        (それでも、その同年代に比べれば、発育の悪い胸をさらけ出す時はほんの少し申し訳なさそうな顔をして)
        …ちいさくて、ごめんね(などと苦笑混じりの微笑みを浮かべつつも…心には期待が浮かぶ。ああ、服越しでなく、直接に触れらればどうなってしまうのだろう、と)
        (鼓動は高まる。周りには舞い散る薄紅色の花弁。肌にそよそとと吹き付ける湖よりの風)
        …あっ!(彼の己よりも大きな手のひらが、一回り太いその指先が触れれば、びくん、と背が跳ねた)
        (布で分散されぬ、直接の刺激。白い肌を撫ぜ、柔肉を押し込む指先、何よりも、そこから伝わる、彼の体温)
        (何もかもが心地よいノックとなって、少女の身体の内の芯を熱く蕩かすように背筋に電撃が走って)
        …んっ…そんな、ところまで、キス、するんだね…。……ん…あぁっ、ふぅっ……ん、んっ…!やっ、…あんっ…。
        (二人を包むように舞う花びらのように、ほのかな桜色をした肉の突起が骨をむしゃぶる犬のように舐めすくめられる)
        (彼が少し動けば、そのたびに痙攣するように少女の裸身は震え、揺れ、桜色の甘い声が漏れ出していく)
        (更に熱くなる体温、僅かに汗ばみ始める肌。いつしか彼の頭を細い腕で抱えて、自身の薄い胸へと押し付けるように。なおも、快楽を求めんと) -- シェラ 2021-01-03 (日) 02:49:09
      • (指先で、唇で、舌先で、直に触れる弾力と柔らかさは、極上の美酒の様に意識を蕩かせる)
        (耳朶を打つ嬌声は頭の奥を痺れさせ、口内に含んだ桃色の突起にますます酔い痴れる)
        (大きさなんて関係はない。シェラの身体だからこそ、ここまで自分は溺れられるのだと)
        (その意を込めて、より密着してくる柔肉に激しく吸い付き、思いの丈をぶつけるように突起を甘噛みする)
        (頭を掻き抱いてくる心地よい腕の感触。ふつふつと汗の浮かぶ上気した肌が、匂い立つ女の香りを強くする)
        シェラ。お前の身体全部だ。指先も、唇も、触れていないところなんて無くしてやる。
        (宣言通りに片手がゆっくりと、彼女の下腹部へと降りていき、花の様に大きく広がったワンピースの裾へと潜り込む)
        (己の膝の上で開いた彼女の足。むっちりとした太腿に指先を這わせ、その付け根にほど近い場所へと昇っていく)
        (先程からふにふにと膝上を柔らかく刺激していた臀部に誘われ、指先は下着越しに二つの張り出した曲線へと沈んでいく)
        (服越しに触れた時よりも、驚くほどの張りで指先を押し戻す感触に、再び胸の疼きが煽られる)
        (彼女の胸の内で荒い呼吸を弾ませて、下腹部で這い回る指先がその勢いを増し、やや乱暴に柔肉を鷲掴む)
        (やわやわと掌の内にある弾力を揉みしだきつつも、新たな感触を求めて。彼女の中心、秘めたる箇所へと指先は伸びていく)
        -- フォス 2021-01-03 (日) 03:44:43
      • (肉蕾への甘噛に、大きく背が跳ねた。彼の思いを感じて快感とも喜びともつかぬ笑みが思わず浮かんでしまう)
        (そして投げかけられた彼の言葉に、ただのそれだけでぞくぞくと背筋を粘体の生き物が這いまわるような快感が走る)
        (私はこれから、彼に食べられてしまうのだ。つま先の先から髪の一本まで、彼のものになってしまうのだ、と)
        (既に蕩けていた少女の表情に、妖艶とまで呼べるような淫靡さが滲む色が浮かぶ)
        (うっとりとしたその相貌は今や幼い子どもの面影などない、一人の女の顔を見せ始めている)
        (それでも、少女のその翡翠の瞳には…きらきらとした輝きだけは確かに、ある)
        フォス。全部、全部探して。あたしが知らないあたしを見つけて。…好きにして、いいからさ。
        (抱えたままの彼の頭の耳元で、頭蓋を溶かすような透き通る涼やかな少女の…いや、ねとりと絡みつく色を求む女の囁き声)
        ああっ…!ん…っ、いい、よっ…!(今までとは少し違う強い彼の指先。柔肉は負けじとその強さのままに跳ね押し戻し、その味わいを深く伝える)
        (そうして自らさえも、一人寂しく身を持て余す夜に、稀に手を伸ばす程度のそこへ、するりと指が滑り込んでいく)
        (小さな胸ははち切れんばかりに。自身のものではない、愛しき人の指を待受んと、しとどに濡れて半ば透けている白い下着の奥が疼き)
        …………っっっ!!!(その瞬間、頭の中で何かが弾けたような感覚がした。思わず歯を噛み合わせてしまった程の、悦楽)
        (言葉もなく、抱えていた彼の頭を手放してしまう。その代わりに彼の背に手を回して自分から身を押し付けるように)
        (指先にはびっしょりと溢れる花蜜と、ひときわ熱く柔らかく蠢き、彼を受け入れようとする少女の花弁の感触がするだろう)
        (それは、尽きる事無く後から後から湧き出す快楽を与え、全身をびりびりとしびれるような感覚で包む) -- シェラ 2021-01-03 (日) 04:37:00
  • (時は、水無月の頃を迎えしばらくのころ。例によって蒼髪の少女が唐突に「面白いものがある」と彼を連れてアルクスに乗せて海を出てしばらくのこと)
    (やたらとサメやら何やらの危険な海洋生物がうじゃうじゃといる海域を持ち前の操舵技術とカンで抜けて着いたのは島)
    (アーニック海におけるそこはアザラ島。アザラシの少女アルフィンが発見し、黄金の豊穣像を埋めた小さな島だ)
    (そう、そこは小さいながらも立派な島であり…豊穣像のおかげで多種多様の木々が青々と茂っており、天然の果物さえもなっている)
    (元は高山の山頂付近であったことを思わせるような地形のそこへ降り立てば…自慢気にその光景を彼に見せながら薄い胸を張る少女の姿があった)
    ……でね、アルフィンは妖精郷に帰ったんだけど、この島をあたしにくれるとかなんとか。とは言っても島まるごと貰っちゃうってのもアレだから
    また来るかもな時までの一時的な管理人?的な?感じかなーって感じなんだけどね!(などと笑いながらフォスに言う少女)
    これとか頑張って作ったんだよ!総天然木の家とかめっちゃ贅沢じゃない!?(木々茂る島の半ば、建てられているのは島の木を使って作られたのであろう小さな小屋)
    (無いよりはマシ、程度の掘っ建て小屋ではあるがまたもや自慢げにしつつ、保存の効く缶詰など運び込んできた荷物を小屋に収めていく) -- シェラ 2020-12-28 (月) 23:49:06
    • (南国の陽が降り注ぐ中、島の大地に立つ少年は眼前に広がる光景に青い瞳を輝かせる)
      (鬱蒼とした緑の数々。島の中心に座す湖水がきらきらと陽光を照り返し、充満する生の鼓動を浮き立たせている)
      (アーニック海では幾つか小規模の無人島や岩礁が発見されているが、ここまで自然豊かな陸地は他に類を見ない)
      っはぁ〜〜〜〜。すっげぇーな! これ全部天然モノなんだろ!? プラントでもお目に掛れないようなのがいっぱい……果物! あの果物採っていいか!?
      (目に映る全てのものが鮮烈で、少年の感嘆の声は尽きることなく、胸に湧き上がる感動を隠すことなくはしゃいでいる)
      これ木なのか!? 木で家って作れたのか!? 雨とか風とか大丈夫なのか!?
      (上がりきったテンションで思いついたままに言葉を吐き出しつつ、小屋の内外を物珍しそうな目で隅から隅まで見分し)
      (壁や柱に触れたり拳で軽くノックしてみたり。顔を近づけて嗅ぎ慣れぬ木の香りを堪能したりと、どこか犬染みた様子で)
      シェラ! 島の中央にあるの「湖」ってやつだろ!? あそこに行きたい!
      (尻尾が有れば千切れんばかりに振っているだろう気勢で、小屋から微かに窺える湖面を指差している)
      -- フォス 2020-12-29 (火) 17:42:44
      • 果物取っちゃっていいよー、でも取りすぎないようにと食べるのはちょっと待ってね!(などと持ってきたイルカ型バッグをぽん、と叩いて言う。どうやら食べ物を持ってきているようだ)
        (そうしてアルクスには残った荷物の搬入と、その整理、ついでに小屋の番を申し付けておく。この島を訪れる際の拠点としてそれなりにきちんと整えているのだ)
        ふふーん、力仕事はだいたいアルクスだけどね!設計とか加工の指示はあたし!…しょーじき船団で手に入る鋼材とかの方がしっかりとしたもの作れたろーけど、まあ、折角だしね?
        (などと総天然素材の小屋にテンションが上がっているフォスを見てご満悦の笑顔。苦労したかいがあるというものだ、とその表情には出ている)
        ん!いいよー!元々そっちの方に行く予定だったしね!つまり…これは…ピクニックだよ!!(ばばーん、と顎に親指と人差し指を伸ばした手を当てて決めポーズ)
        (ある種、この時代においてはどんなに上流階層の人間でもできないそれは、少女が自慢げに言うのも当然ではあるが…明らかに浮かれているのもまたわかるだろう)
        じゃ、いこっか!(そうして彼の手を取り、アルクスを小屋に置いて林の中へと。既に何度か訪れているためか、獣道が出来ているそこへと歩む) -- シェラ 2020-12-29 (火) 20:56:02
      • (許可が出れば艶やかな色味をした果物を二つ三つと捥ぎり取り、餌を前に待てを食らった犬の顔をしてサイドバッグに渋々収め)
        (シェラの説明にふんふんと頷きながら、小屋に置いた嵩張る荷物から最低限の備えだけ手早く身支度をし)
        ……ピクニック……だと……???????? (未知の言葉に顔いっぱいの疑問符を浮かべ、得意気な少女にぽかんと口を開く)
        (自然と繋がれた手に導かれるまま、少女の背を追う少年は、木々に取り囲まれた林道に視線を奪われながら歩を進める)
        はぁ〜〜〜。土と気の匂いでいっぱいだ……すげぇなぁ……(もう何度口にしたか分からない簡単の言葉を繰り返し、きょろきょろと忙しなく瞳が動く)
        (傍から見れば、落ち着きのない年少の弟が迷子にならぬように手を引いて歩く姉、という構図に見えなくもない)
        -- フォス 2020-12-29 (火) 22:11:16
      • (そこからかー、と疑問府塗れの顔には苦笑を浮かべる。けどもそれはそれでいいだろう。とも思う。こんな何気ない探索がどれほど贅沢なことなのか、彼の様子を見ればよく分かっているのは明白だったから)
        そいや、前に土探してなかったっけ?ここのでいいなら持っていっても全然いいよ?ああ、でも出どころはアスワドおじさんとか信用できる人以外にはお口チャックだからね?
        アルフィンもここの事はひみつのひみつって言ってたし、あたしも人を連れてきたのなんてフォスくんが初めてなんだから(などと嬉しそうに、にこー、と笑う)
        (だからこそ、彼とここの事を共有出来たのは嬉しく思う。こんな素晴らしい場所を、他の誰でもない彼と。その事実に楽しい気持ちが沸き上がってくる)
        (歩む二人、木々の葉が触れ合うざわめきに、漂う草いきれ。豊穣像の恩恵か、辺りにはちらほらと本来の熱帯地域ではありえない植生の植物も見える)
        (とはいえ、そんな事まで分かる少女ではなく、まるで見知らぬ土地に連れられてきた子犬のようにも見えるフォスの手を引いて笑顔で林の中を進んでいく)
        (しばしの時が経てば…木々の切れ間が訪れる。その先に広がるのは潮の香りせぬ淡水の湖面。向こう岸の林と、その上に広がる青い空と白い雲を鏡のように映す美しき湖だ) -- シェラ 2020-12-29 (火) 22:34:56
      • 土欲しがってるの親父だからなぁ(必然父親に出所は説明することになるが、諸々を鑑みて父がどう思うか暫し考え)
        ……はは! さっき果物採っちゃったし今更か! アルフィンがまたこっちに来た時に、目一杯お礼してチャラにしてもらお。
        (それで勘定は釣り合うかなーと、貸し借りに厳格な父親を納得させる算段は脇に置いて、少女の笑みに口元を綻ばせる)
        (今の今まで体験したことの無い風景に心奪われていたが、彼女と二人、自然の大地を歩むことに不思議と感慨が湧き上がる)
        (掌から伝わる柔らかで暖かな感触が、周囲の光景をより煌めかせ、それが特別な宝物であるように胸の鼓動が告げている)
        (木漏れ日の列が途切れ、眼前の少女の蒼髪が降り注ぐ陽光で透けるような輝きを放つ先に、鏡合わせの空を見れば)
        ……湖だ! シェラ、シェラ! 急ごう! ほら、早く!
        (最早一刻の猶予もならんと少女の背を追い越して、その手を引きながら湖面へいざなわれる様に駆けだす)
        -- フォス 2020-12-29 (火) 23:21:03
      • わわっ!大丈夫だよ湖は逃げないって!(などと手を引っ張られながら自身も走り出して言う。しかしその気持ちも分かるのでそれ以上は窘めず、彼と歩調を合わせ)
        (すぐに二人は湖畔へとたどり着く。見渡す限り…とは行かないがそれでも岸からでは全てが視界には収められない程の大量の水)
        (時勢によってはコップ一杯の水が簡単な食事程度にも値段のつく今の時代では、この泉そのものが宝の山とも言えるだろう)
        (だが、そんな即物的な価値などとは別に…海とは違いさざめく波など無く、下を覗き込めば水底が見え、塩っけの無いしかし湿気を含んだしっとりとした湖風吹くそこは)
        (果てしない海を見慣れた者にとってはある種の別世界であったろう。幾度かこの光景を見ている自分も、失われたはずの自然が描くこの光景には息を飲み、ぎゅ、と彼の手を握る)
        ね、すごいでしょ!これぜーんぶ真水なんだよ!そのまま飲んでも大丈夫なくらい綺麗だし、海には居ない魚とかもいるんだ!
        (空いた手を大きく広げて自慢げに言う。この感動も分かち合いたくて、彼の顔を満面の笑顔で見つめて浮き立った心のまま) -- シェラ 2020-12-29 (火) 23:46:56
      • (所々に波紋が立つなだらかな湖面。金の結い髪を風に揺らして、思いっきり息を吸い込む)
        (潮の匂いなど一切なく、林と岸から薫る微かな緑が胸に満ち、眼前に広がる澄んだ水と光のコントラストに目を奪われる)
        (陽の光も水も、たった一里隔てただけで。本当に同じ構成物と思えぬほど、全く違った顔を見せている)
        (握られた手の先に視界を向ければ。快活な身振りと共に花咲くような笑顔を浮かべる少女)
        (こちらを覗き込んで来る翡翠の瞳に向けて、にやりと口の端を釣り上げ、繋いだ手をぱっと放し)
        (手早く靴を脱ぎ捨てて、背に帯びていた『夜明けの剣』を真っ直ぐに大地へと突き立てる)
        (砂浜へ駆け出すような勢いで、その足を岸から湖面へと着水させ……そのまま水面へと落ちていく)
        ……のわ!? …………うっはっはっはっはっは! いきなり深い! しょっぱくない! 海と全然違うんだな!
        (ざぶりと沈み込んだ頭を湖面から出して、口に含んだ水を吹き出しながらさも愉快そうに笑っている)
        (岸辺の水底へ両足を付けば、水深はちょうど胸元くらいで。波紋の広がる湖面に結い髪を浮かせて、水と戯れている)
        海水よりも冷たくて気持ちいいな! ……っと!(掌で掬った水をぱしゃぱしゃと、岸辺に立つシェラに飛沫を飛ばす)
        -- フォス 2020-12-30 (水) 00:28:03
      • (剣を突き立て何をするのかと思えば…たぷん、と上がる小さな水柱。分かる。とその行動にうんうんと頷く。何故なら自分もここに来た時やった)
        そうそう、そーなんだよねー。口に入った水がしょっぱくないとか衝撃的だよね。それに乾いてもべたべたしないからさ、水から上がってから体拭く必要もなくて…
        って、わっ、ちょっ(などと感慨深く言っていれば、フォスが投げてくる水しぶき。今まさに言ったようにちょっと濡れるくらいは訳ないが、バックに収めてある物にとっては不味い)
        まっ、待ってってばー!(手と体でバックを守るようにしつつ、肩から下げていたそれを外して地面に置く。そして)
        …もー!おしおきー!!(たたっ、と岸から走りだす。駆けるは湖面に彼の元へ。まったく躊躇のない踏み切りで飛び上がって)
        一生分真水のませちゃうぞー!(ダイブ。いつもの服を閃かせ宙へ。彼に飛びつくように飛び込んで、体全体の勢いのまま肩を掴んで湖の中へと押し倒す)
        (無論、自分もそのまま湖の中へと。ぶくぶくと気泡を纏わせ口からも吐きながら、透明度の高い澄んだ湖の水は、しっかりと彼の顔を水中でもよく見せてくれる)
        (そうして彼の青い瞳に目を合わせながら…にかり、と意地悪く笑って、ぎゅう、と水中で彼に抱きついた。さあ浮き上がれるものなら上がってみろ、とでも言いたげに)
        (その数秒後には……水の中でも、いや水の中だからこそしっかりと伝わる彼の体温に、胸がどくりと跳ねて腕の力を緩めることになるのだが)
        (時が来るまでは、宙に浮いたように浮かぶ二人を彩る大小様々な泡の庭が、無邪気にはしゃぐ少女と少年を幻想的に包んでいて) -- シェラ 2020-12-30 (水) 00:58:29
      • まーたーぬー。ふっはっはっはー! (けらけらと笑い声を立て、組み合わせた手から水鉄砲をシェラに浴びせる)
        (先般の水飛沫もだが、直撃はせぬように手心は加えていた。が、バックを地面に置いて駆け出した少女を見れば表情は変わり)
        うぉい! 待てって! おまえ、そのまま……うぉ……!? (止める間もなく服を着たまま飛び込んでくる少女)
        (避ける暇もなく肩を掴まれたまま仰向けに水面へと倒れ込んでいく。いくらか水を飲み込みながら泡立つ水中で目を見開き)
        (意趣返しの色を滲ませて弧を描く口元と翡翠色の輝きを間近で捉えれば、こちらも同様の笑みを返す)
        (我慢比べとでも言わんばかりに密着してきた細い体を抱きとめて、その背中に手を回し、水の中で溶け合うように二人の距離はゼロになる)
        (心地よい水の感覚に包まれる中、触れ合う箇所から伝わる熱と鼓動が、より湖水の冷たさを実感させ)
        (その冷たさから逃れる様に、身体は熱を求め。見つめる瞳の輝きに吸い込まれる様に、こつりと互いの額を打ち合わせる)
        -- フォス 2020-12-30 (水) 01:32:44
      • (触れ合う額と額。それは服越しに触れ合うよりも、お互いの熱をより直接的に感じさせてくれる)
        (文字通り目の前にある彼の顔。水のゆらぎ越しとはいえそれは、以前彼と白銀の護符を分け合ったときの事を思い出させて、体の熱を高めさせる)
        (その熱が伝わるのが恥ずかしいと思ったのか…それとも息が続かなかったのか。恐らくはどっちもなのだろう。思いを巡らせれば、酸素も減るものだ)
        (腕を解き放って水上へと。飛び出した顔は仄かに赤く。彼の目を直接見れず、目を背けながら大きく息を吸い、吐いて足りぬものを落ち着かせる)
        あーもー、あたしもびしょびしょになっちゃった…。フォスくんはしゃぎすぎー。この辺暖かいから大丈夫だけどさー。ちょっと乾かそ?
        (と、自分もテンションが上がってた事を誤魔化しつつ、岸へとよいせ、と上がる。そうして髪やら服やらを大まかに絞って水を抜く)
        ちょっといい場所見つけてあるんだよ。そこで休憩がてらにさ(なんて言って、濡れぬように気をつけてバックを持つ) -- シェラ 2020-12-30 (水) 01:56:15
      • (水面に顔を出せば軽くせき込んで、若干ながら気管に入っていた水を吐き出す)
        ……うぁー。いくら真水でもこれはなあ(咽て赤く染まった頬はやせ我慢ゆえにか、それとも別の要因か)
        (水から上がって結い髪を絞り、濡れて薄く張り付いた服はそのままに、靴を指に引っ掛けて)
        いい場所? 陽当たりの良い場所かー? (引き抜いた剣の刀身を肩に乗せ、バックを持ったシェラに付いていく)
        -- フォス 2020-12-30 (水) 02:17:13
  •   -- 2020-12-12 (土) 17:30:30
  •   -- 2020-12-12 (土) 17:30:25
  • (フォスの元へ、少女がやってくる。その傍らには…見慣れた金属の海獣。の、更にその背に見慣れぬ大型の機械。それに加えて少女の背にも大きめのバック)
    フォスくーんフォースくーーん!アイス作りに来たよ!(なんて、そんな大荷物を抱えて楽しそうに笑顔を見せて言う) -- シェラ 2020-12-08 (火) 22:02:10
    • なんだぁ藪から棒に……ってアイス!? シェラ、でかした! (楽しそうに笑う少女に負けず劣らず笑顔を輝かせて)
      『あー。これはウチの玄関通りませんね。お庭に運んでもらいましょう』
      (え。あれアイスクリームメーカーなの?という顔をしながら、人型ユニットのドーンがアルクスを庭先まで誘導)
      ずいぶんとまたデカイ荷物抱えてきたなー。百人分くらい作んの? (期待に目を輝かせている)
      -- フォス 2020-12-08 (火) 22:59:48
      • 残ってるミルク全部に香料にトッピングに何から何まで持ってきたからね!千人分だって作れるよ!(ばばーん、と手を広げる。まあ実際はそんなに作れないが)
        (きゅー、と小さめの自動販売機を一回り小さくした程度の機械を載せたアルクスが誘導に従って庭の方へ。落ちないように汎用マニピュレータを何本も出して支えている)
        ふふふあたしのアイス(クリームメーカでの)制作の腕、見せてくれよー!(などと言って、荷物を下ろせば…そこから、ぽろり、と手のひらに余る程の、白銀の宝箱が落ちる)
        っととと…。あ、とこれはアイスとは別…なんだけど、なんかなんとなーく持ってきた方がいいなって思って…ってあれ?(箱は、どこか不自然な動きをして、フォスの方へ転がっていく) -- シェラ 2020-12-08 (火) 23:12:54
      • 千人分! つーことは……ひのふのみの……最低でも1年分はあるな!(現実的なアレコレをすっ飛ばして夢は広がっていく)
        (ドーンはアルクスの補助をしながらアイスクリームメーカを庭の一角に設置すると、リビングの窓を開けて縁側に座り込む)
        いよっ! 待ってましたぁ名人芸!(と合いの手を打ったところで、転がってくる白銀の宝箱をひょいと拾い上げ)
        キレーな箱だなー……ってなんかこの感じ、見たことあるなー(記憶を探る様に眉根を寄せ、マフラーを外して襟元に手を突っ込む)
        (対応するものがあればすぐ開けられるようにと、首にぶら下げていた『銀の鍵』。取り出した途端、淡い光を放ち始める)
        うわ、なんか光ってる……箱に使付けると光が強くなるな。んー……なぁシェラー。この箱なんだ? 拾いモンか?
        -- フォス 2020-12-08 (火) 23:35:22
      • (『銀の鍵』が取り出された辺りから露骨に不機嫌な表情をしてジト目で鍵と箱を見ている) -- ドーン 2020-12-08 (火) 23:36:41
      • (一先ず材料もろもろは縁側にバックごと置いておいて、どうにも奇妙な動きをした白銀の宝箱の行方を見守れば…鍵が)
        その箱は、この前サルベージして揚げたものだけど……箱からして値打ちものだから気にしてたんだけど…それ、その鍵で開くんじゃない?
        (光輝きだした鍵に目を開く。明らかにフォスの持っていた鍵と白銀の宝箱は反応している。それに気づけば…笑みを深めて)
        開けてみようよ!!きっと、その箱と、鍵が今ここにあるのも何か意味があるのかも!!(なんて、目をきらきらさせて言う)
        (視界の端には、どうにも機嫌を損ねた様子の遺失技術製品が見えるが、そんなことは頭からスっぽ抜けている様子だ) -- シェラ 2020-12-09 (水) 00:00:07
      • (はー。私の方が光輝いてるのになー。はー。衆生を遍く照らす白光の如く。はー)
        (などと小声で呟きながら、掌を光らせて鍵と箱をジト目で見続けている) -- ドーン 2020-12-09 (水) 00:19:09
      • なるほどねえ(輝きを増す銀の鍵と、その光を受けて白銀を煌めかせる箱を、矯めつ眇めつ眺め)
        この箱はシェラが引揚げたものだろ。シェラが開けてくれ(あっさりとした様子で箱と鍵を少女に手渡す)
        (ドーンの刺すような視線には一切気付かず、所有者が開けた方がいいかなーくらいの軽い気持ちである)
        -- フォス 2020-12-09 (水) 00:19:31
      • (視界の端でなんか光ってるな…と思いつつ、そんな小声も聞き逃さない。はーん、拗ねてるな?などとドーンを見てちょっとだけにやにやするも)
        え?あたしでいーの?それならその鍵だってフォスくんのじゃ…ま、いっか(と箱と鍵を受け取って、二人に見えやすい位置に箱を置き輝く鍵を静かに箱の鍵穴にそっと差し入れる)
        (その感触は、まるであるべきものとあるべきものが出会ったかのような、元々一つであったものが分かたれたものが繋がった感触で…)
        あ、空いた(鍵を捻ることさえせず、白銀の箱はその身を二つに割る。現れたのは…円形の白銀に輝くタリスマン)
        (魔術に疎い自分でも分かる程の強い強い加護の力を感じる『白銀の守護符』。神秘的な輝きを目の前にして、思わず言葉を失う)
        こ、これなんかすごいよ!!しかも二つある!!(複雑な魔術的な意匠。それそのものが加護を強める精緻を極めた細工。手に取るだけで分かるだろう。それは、実に強力な守護の護符だ) -- シェラ 2020-12-09 (水) 00:43:47
      • (中身を見れば、半眼を見開いてしっかりと対象を捉える。拗ねた様子はどこへやら、真面目腐った顔つきで口を開く)
        複合的な防護魔術によって物理・魔術、両面に対し極めて強い抵抗力を有した護符ですね。
        ふっ。物理防御に関しては完全に私の下位互換でありますが、純粋魔力の産物や呪術の類も防護可能な辺り、汎用性は高いと言わざるを得ません。ちっ。 -- ドーン 2020-12-09 (水) 01:02:47
      • (箱の中を照らす玄妙な輝き。触れずとも微かに感じる、柔らかでいて強壮たる力の波動)
        (流麗な細工に見入っていたところ、ドーンの解説を耳にすればヒュウと口笛一つ吹き)
        おお、スゲーお守りじゃん! シェラ危なっかしいトコロあるし、これで少しは安心できるな! 二つあるなら予備も兼ねてバッチリだな!
        (いやー魔王城に入る前で良かった良かった、とシェラの安全が一段と高まったことに、機嫌よくニコニコと笑っている)
        -- フォス 2020-12-09 (水) 01:03:12
      • おおー…ドーンのお墨付きまでついた…(むしろあんな嫌そうな顔するとかそれだけで飛び抜けた宝物じゃないか、なんて思うも)
        …ん?(フォスの顔を見る。彼の笑みに対して何を言っているのだ、という顔をする。一拍の間。笑顔の少年と、段々呆れ顔になる少女の対比)
        ………フォスくん。これ、もう一個はフォスくんのね。今決めたからね、山分けだからね。引き揚げに際して分担を行った者には、分け前をもらう権利がある。これサルベージャの常識。
        (はぁ、と軽くため息さえついて言う。間違いなくそうそうは揚がらないこのお宝は決して一人で得たものではない、と)
        (それ以外にも…、理由はあるが。それは言い出せず、ほんの少しだけ視線を落として、白銀の宝箱を彼の胸元へ押し付ける) -- シェラ 2020-12-09 (水) 01:18:14
      • (いや、この護符常時効果が発動してるタイプだから入出力が必要な私より高性能なのでは?と愕然とした顔) -- ドーン 2020-12-09 (水) 01:39:09
      • え?(いいのか?と二の句も告げないまま、ポカンとした顔をしている。当然二つとシェラのものだろうと思っていた)
        (が、呆れた顔でサルベージャーの理を解く彼女の言。噛み合わない視線のまま、押し付けられる白銀の宝箱)
        (断り難い何かを感じると、銀の鍵に付けていた金属製の鎖を外し、箱の中に納まっていた片方の『白銀の護符』へと付け直す)
        (それをそっとシェラの首に掛けると、箱に残ったもう一つの護符を手の中に収めれば、彼女の目を見て不敵に笑う)
        んじゃ有難く分け前を頂戴する。返せたってもう返さねーからな? (もーらい、と上機嫌に口元を綻ばせる)
        -- フォス 2020-12-09 (水) 01:39:31
      • (首に掛けられた白銀のタリスマン。身につければそれだけで、感覚で分かった。持ち主を守ろうとする意思さえ感じる強い加護の力を)
        (それが…眼の前で護符をかけてくれた、彼の意思でもあるような気がして、胸が暖かくなるような思いを覚え、少しだけの沈黙のあと口を開く)
        もちろん返さなくていいよ。でも、絶対絶対きちんと付けてよね。寝る時だって起きてる時だっていつだって。
        …ドーンが居ない時だって(視線を上げ、彼の目を見て言う。その綺麗な碧眼を。ああ、と思う。その思いが意図せず)
        (ずっとずっと昔、父親に付いてかつてのタラッタに行った時の事を思い出す。その時の自分は小さくて、父の商談を見ているだけだったが)
        ……イーリスさんみたいになって欲しくないから(言葉を漏らした。同じ目をしていた…透き通るような、碧眼へ) -- シェラ 2020-12-09 (水) 02:00:33
      • (掌中の護符から伝わる、暖かく柔らかで脈動する生の力。それはかつて眼前の少女から感じた温もりを想起させる)
        ああ。これからはずっと付けてるよ。寝る時はもちろん、ドーンが居ない風呂の時だって外さねぇや。
        (少女の翡翠の目に映る顔がおどけた調子でくしゃりと笑い、白銀の護符を懐に仕舞いこむ。そして彼女の口から亡き母の名前が飛び出せば)
        (青い瞳に強い意志の輝きを宿らせ、シェラの手をそっと握ると、その掌を包み込みように胸元へと引き寄せる)
        俺はもう決めたんだ。自分がもっと上手くやれればとか、いっそ自分が居なければとか、思うのは止めた。
        (それはかつて母が自分を庇って死んだ後悔。そしてドーンが未だに父親の手に有れば、より多くの人の助けになったのであろうという、己への無力感)
        自分が生きることで誰か一人でも足しになるとしたら、何があっても生き延びて、やれるだけやってやろうって。
        それを気付かせてくれたシェラと、その夢を、絶対に守るんだって。
        (引き寄せた手に屈み込んだ顔を近づけて、華奢な少女の指先へと誓いを立てる様に唇をつける)
        -- フォス 2020-12-09 (水) 02:44:31
      • (その頃は彼のことを知らなかったが…後から知った。自分と同じ年頃で、同じような時に…母を失った子が居るのだと)
        (引き寄せられる手、細身に見えるがしっかりと鍛えられたその胸に導かれる。触れればきっとそれは、思うよりもきっと力強いのだろう)
        (彼が、常日頃から鍛錬を欠かさなかったことは知っている。単にそれは、サルベージャとして腕前を増すためなのかと思っていたが…)
        (続いた言葉に、それが違うことに気づいた。彼はずっともがきあがき続けていたのだ。自身に鞭打って)
        (こんな弱音を、彼から聞いたことはない。彼はいつだって無邪気で元気で…笑っていた姿ばかりが思い起こされる)
        …あたしは、そんな大したことしてないよ。それは、フォスくんが自分で考えて自分で見つけた…君の目指す道行き。
        守ってもらえるなら…嬉しい。とても嬉しいけど……あたしはそれ以上に嬉しい。
        フォスくんが夢を見つけることができた。そのことが…本当に嬉しい(深く染み入るような微笑みを浮かべる。瞳には輝きを、胸には温もりを灯し)
        (そうしていれば身を折る彼。え、と思う間もあればこそ…指先に、柔らかい暖かな感触。とたん、ぼ、と顔が赤くなる)
        (口をばくばくさせる。空いた方の手を出ない言葉の代わりに手信号のように奇妙に動かす。しかしそれも、少しの時が経ち落ち着いて)
        …あたしは、その夢も全力で応援するよ。でもね、無茶はしないでよね(赤味が残る顔を逸らした。首に掛けられた白銀の護符が、ちゃり、と揺れる)
        ………あたしだって大切な存在には、元気でいてほしいんだからさ(歌う時の声はどこへやら、もごもごと…それでも言い切って、また赤くなった) -- シェラ 2020-12-09 (水) 21:38:17
      • (両親を知らぬ友人が居た。母を亡くした友人が居た。知った時には、ああそうか、と思うだけだった)
        (でも今は違う。少年の胸に去来する思いも、浮かべる笑顔も。その時とは、ほんの少しだけ違った色を帯びている)
        俺一人じゃ見つけられなかったよ。皆が居たから。シェラが居たから。だから見つけられた。そのことが俺もすげー嬉しいんだ。
        (指先から唇を離して見上げれば、わたわたと落ち着きのない彼女の様子に自然と笑みが、そして胸の内を満たす温かさが湧いてくる)
        大切な存在って前に俺が口にした時、シェラに「もっと色々勉強しろー」って怒られたよな(思い出して苦笑を浮かべ)
        あれの意味さ、ちょっと分かった気がした。あの時の俺、親父とかドーンとかと同じような感じで大切じゃんって言ってたけどさ。
        (赤くなって顔を反らしている少女の頬を指先で捉え、くいっとこちらに向き直させれば、慈しむように目を細め)
        今はそれだけじゃない。シェラがすげー可愛くて、綺麗で、抱きしめたいなって思う。
        (そのまますっと顔を近づけて、少女の耳元で申し訳なさそうに囁く)無茶は止められねぇや。元気でいるからそれで許してくれ。
        -- フォス 2020-12-09 (水) 23:02:20
      • (鼓動が早まる。耳まで赤くなっているのが分かる。その赤くなっている事自体が恥ずかしくて、また鼓動が早まる)
        そ、そりゃ言ったけどさ、で、でもさー(もごもご。上手く口が回らない。言った、言ったが彼が早々に分かるだなんて思わなかった)
        …んっ(どうにも目を真っ直ぐ合わせられなくて、逸らしていた視線が、強制的に青い瞳と合わさる。彼が、とても優しい笑みをする)
        (あ、と思った。やっぱり、彼は成長しているんだな、と思った。何も考えず水平線に太陽が沈むまで遊び暮れていたあの頃とは違うのだな、と)
        もー……あーあ、やっぱフォスくんにはかないそうにないや。…ちょっとだけなら、いいよ。あたしは…まだ子供だからね。
        (幼年期の終りは、いつの間にか彼に訪れていたのだろう。近づき、囁かれる声に思わず背を伸ばし…)
        (静かに、おっかなびっくりと彼の背中に手を回す。隣に居たはずなのに先に行ってしまったその背は、記憶よりも高く、強く)
        (それでもこの胸の高鳴りは、いずれ来るその時の訪れを予感させ)それも…許す。だって多分…あたしが無茶しちゃうから(なんて、苦笑して言うのだ) -- シェラ 2020-12-09 (水) 23:25:22
      • (耳朶まで赤く染めた顔、いつもの歯切れ良い調子とは裏腹にもどかしい口調、初めて見る様相にまた一段と衝動が募る)
        俺だって子供だよ。早く大人になりたかったけど、まだまだ全然子供だった。ゆっくり一緒に大人になろーぜ。
        (遠慮がちに背へ触れてくる柔らかな手の感触。強く抱きしめたい衝動を抑えて、彼女の肩と腰に手を回して優しくそっと抱きしめる)
        (シェラに合わせる様に少し身を屈め、懐に入れた白銀のタリスマンが、彼女の首に掛けられた護符と布越しに擦れ合う)
        (互いの胸がぴったりと合わされば、どちらの鼓動か判別が付かぬほど、高まる心音が混じり合い溶けていく)
        あー。やっぱり柔らかくて、温かくて、シェラがすっげー可愛くて、心臓がバクバクしてて……落ち着くけどドキドキしてて。
        (触れ合うほどに未知の想いは募り、間近に迫ったシェラの顔を改めてまじまじと見つめ、可憐な翡翠の瞳に吸い込まれるように顔を近づけ)

        シェラ………………………………俺たちアイス作りのこと忘れてないか?
        (少年の視界の端に映るのは、極限まで存在を殺して明後日の方を向いているドーンとアルクスの姿だった)
        -- フォス 2020-12-09 (水) 23:58:29
      • (体温があがる。それ以上に触れ合う彼の温もりが分かる。自分の物ではない誰かの体温を、こうして感じる事があるとは思わなかった)
        (もっと触れ合いたいと思うのに、どこかそれは恐ろしくもあり、相反する心がそれでも僅かながらに服越しに腕に力を込めさせた)
        (ちん、とタリスマンが硬質な音を立てる。それはやけに大きく耳に響いた。だって、もう自分の耳は二つの太鼓をかき鳴らすような心臓の音にとっくに支配されていたから)
        ……ばっ、ばかっ!!そんなことは、言わなくても、いーの!!は…恥ずかしいじゃない!(そんな抗議の声を上げる。でも、悟られてしまったかもしれない。そこに僅かに滲んだ喜びの色に)
        (そうして向かい合う、顔と、顔。見つめたそれは、いつもの女性と見紛う端正な顔なのに…ああ彼はもう、男なんだな、なんて思ってしまい)

        ………………あ゛(こっちも視界の端に所在無げに設置されっぱのアイスクリームメーカーと、放り投げられたままのバックが移った)
        あ、あは、あはははは!!そ、そそそーだったね!!アイスつくらなきゃ!!折角持ってきた材料悪くなっちゃう!!(ばっ、と違う意味で顔を赤くして身を離した)
        (少女は慌ててバックを手に取り、誤魔化すようにしてアイスクリームメーカーをいじり始めただろう。…きっと、出来上がったそのアイスの味は、とてもとても…甘い) -- シェラ 2020-12-10 (木) 00:18:07
      • (離れていく少女の体温と鼓動に名残惜しそうな顔をして、アイスクリーム作りに取り掛かる彼女を見ながら呟く)
        ちぇー。黙ってりゃ良かったかなー……ずっと触れてたかったなー。シェラも喜んでたみたいだしなー。
        (やっば、気づかれたという顔をして、まだ気配を消しているドーンを半眼で見遣り、縁側に腰掛ける)
        (出来上がったアイスはとびきり甘く、香りも上品で、今までに食べたどのアイスよりも美味しく感じた)
        (少女と一緒に冷たい甘味を味わう中、アイスをまた一口してシェラにポツリと)無茶する時は一緒だからな。シェラ。
        -- フォス 2020-12-10 (木) 00:38:29
      • (なるべく存在を消しながらもアイスは遠慮なくパクパク食べているロステク) -- ドーン 2020-12-10 (木) 00:39:41
      • (ぎゅー。と、やっとか、みたいなちょっと濁った声で鳴くアルクス。どこか嬉しそうにその辺をくるくる泳ぐ)
        ………やー、さ、さとー入れすぎちゃったなー、あははー。天然のきちょーなやつなのになー(なんてドーンとアルクスをすごい絶妙な顔で見つつ、アイスをぱくぱくいつも以上の速さで食べて…)
        (おかわりを作ろうかな、と腰をあげれば…ぽつりと、声)…ふふっ、しかたないな!!(その時だけは、実に楽しげな声で言って)
        (しばしの間…二人と二体は、しばらく味わえぬ冬の寒気残る空の下で食べる氷菓を楽しんだだろう。もう、春は近かった) -- シェラ 2020-12-10 (木) 00:49:16
  •   -- 2020-12-04 (金) 20:30:18
  •   -- 2020-12-04 (金) 20:30:13
  • (アスワドから貰ったメモを元にフォスとドーンが良く居るという地点を探しに来る)
    うーんしかしどこもかしこも賑わっているねぇ、ハロウィンは良いんだがこの時期はあの男の生誕祭だから肩が凝るネ! -- ヴィイ 2020-11-29 (日) 23:35:57
    • 『よんじゅうきゅうー、ごーじゅうー。おやヴィイ君。サタンクロス君のお誕生日がどうかしましたか?』
      (中枢艦の船外作業場に近い甲板。人型のドーンが腕立て伏せをしているフォスの背中に乗っている)
      ぐぬぬぬぬ……ヴィイのおっちゃん……なんか、用事……っ? (腕立て伏せを続けながら顔だけヴィイに向けている)
      -- フォス 2020-11-29 (日) 23:45:31
      • ハッハッハ!魔族にとっては超メジャーどころな聖なる男の日だから居場所に困るという話さ!パーティー参加するけど!
        (やあやあと手を上げて挨拶しつつ背にドーンを乗せて鍛錬しているフォスを見てちょっと考える)
        (ただ女性の体重に関わる事なので口には…)あれドーン君って体重何キロ?(出す) -- ヴィイ 2020-11-29 (日) 23:51:11
      • へぇ……クリスマスって……そういう意味あったんだっ……プレゼント貰えるっ、日だけじゃ……ないんだなっ……!
        『何の操作もしなければ40kg程度ですね。その上、身長170cmのゴックンボディ。いやー世の女性に若干申し訳ないです』
        (腕立て伏せを続けるフォスの上で、髪をかき上げセクシーポーズをしているドーン)
        -- フォス 2020-11-30 (月) 00:05:34
      • 其の通り、だがめでたい日というのには変わりないからね。私からすれば、いや、中々皮肉な日となっているが
        (40kgと聞いておやっという顔)構成材が金属と言っていたしもう一桁あるかと思ったがそうでもないんだね
        いやそれでもフォス君は立派だが…おっといかん好奇心から目的が逸れかけた
        私の帰還時のあれそれについて少々詰めたいのだが構わないかな、フォス君かアスワド君が関わる可能性もあるしそのままで(指を上下に動かして腕立て伏せを表現) -- ヴィイ 2020-11-30 (月) 00:16:06
      • 『ふっふっふ。質量は軽い方が色々と都合が良いのです。まー今は昼作業も終わったところで疲労がピークのところに追い込みを掛けておりますが』
        (そのままで、と言われれば耳を傾けつつ、少年は腕立て伏せに集中している)
        『はい。勿論です。どうぞどうぞ。どんな無茶振りでも不可能でなければ受けて立ちますよー』
        -- フォス 2020-11-30 (月) 00:21:52
      • あっ休日とかでなく?スパルタだなぁ!だが何も言うまい…若さで大体乗り越えられるのだから!
        (促されればお礼を告げて)まず私の帰還だが幾つか極めて強度の高い結界を用意する、ある種の異界化とも言えるクラスのだ
        本来当然使えない規模なんだが…それはそれとしてその結界を更に君の機能で包んだり出来る?直径は50mぐらい -- ヴィイ 2020-11-30 (月) 00:27:48
      • (若さで乗り越えられる、と少年の耳に入れば、腕にさらなる力を込めて上下するスピードが上がっていく)
        『ふむ。結界を包むという事は、半円状か真円状にすっぽりと収める、ということですよね?』
        『もしそうであるならば、現行の出力では厳しいですね。少なくとも今のフォスには不可能です』
        (今のフォス、というところを強調し、女は少年の背の上で足を組み替える)
        -- フォス 2020-11-30 (月) 00:35:49
      • (加減を知らないその強さに若いなーと羨ましそうに目を細める、微笑ましく見ているとも言う)
        ああ出来れば完全に独立した空間にしたいと思ってね、だが先の話になるのなら仕方がないか
        (成長すれば、という補強をする様に男も口にして)これは出来たらいいなーぐらいの案でね
        本命は私が退散した後に残る強度の下がった空間をゴリッと削って欲しい、それで…現行の最大出力では形而上の存在とはいえ何m程度までは行けるかな -- ヴィイ 2020-11-30 (月) 00:46:42
      • 『どっかの不愛想な朴念仁がやる気出せば不可能ではないですね』
        (ヴィイとドーンの話を聞いている内、徐々に少年の腕立て伏せのペースは上がっていく。力不足を恥じ入るように歯を食いしばって)
        『さて。空間を削る、という事自体が出力100%でなければ不可能なのです。99%までだと、どう頑張っても反発力で圧し潰すとか弾き飛ばすとか蒸発させるとかとか』
        『まー仮に不愛想で朴念仁の不能男がヤル気になったとすれば、半径30メートルくらいはゴリっと削れるはずです』
        -- フォス 2020-11-30 (月) 01:00:30
      • 半径30m!いや想定よりかなり大きかった!最終的に半径5m程まで圧縮する予定だったので非常に助かる!
        では何もかも私に掛かっているという訳だね?やる気を出させるに足る物でなければと
        ふむ…(男は何度か頷いて、少し演技がかった考え込むような様子)
        今までに見た事が無い不穏な物が見れると約束しよう、だが安心した(ドーンの性能を知れて満足げな様子だ)
        少なくともそのやる気があればきっと為せるからね(フォスの熱意を指して言えばではまた、と男は去っていった) -- ヴィイ 2020-11-30 (月) 01:11:34
      • (そんなにできんの!? と少年はヴィイの驚声と共に目を見開いて動きを止める。が、またすぐに動きを再開させ)
        『やる気、元気、勇気の三拍子でお届けしております。その3つがあれば大抵何とかなるとエライ人も言ってました』
        (去り行くヴィイに手を振り振りした後、腕立てしている少年の背で怪しげに身悶えする)
        『今までに見たことが無い不穏なモノ。まさかこれはヴィイ×アスの予兆なのでは。やる気とはそういうことなのでは』
        よっく、わかんねーけど、違うだろ、それ……。
        -- フォス 2020-11-30 (月) 01:23:29
  • おお? これカジノ船で見た……トランプだ! うぉ、すげぇ!
    『年末年始に暇も潰せるお便利アイテム。しかも紙製ですか。これは中々の品物。サタンクロスくんも粋な計らいをするものです』
    (サルベージを終えて、部屋に置かれたクリスマスプレゼントに喜ぶ少年。どっか認識のズレている『夜明けの剣』)
    -- フォス 2020-11-29 (日) 18:29:45
  •  
  •  
  • せぇいっ!(気合一閃、現れるなり少年に叩きつけられる手袋もとい水着!男性用らしきそれには何故かフォスの名前が!) -- シェラ 2020-11-20 (金) 23:32:26
    • なんとぉ! (叩きつけられた水着をキャッチ。それは水着というより下衣の内側に付けるインナーと呼べるものである)
      (伸縮性のある黒い布地はスパッツやレギンスの形状に近い。それを訝し気に広げて見れば自身の名前を発見する)
      『窃盗:他人の金銭・品物をこっそり盗むこと。倫理的・道徳的に反社会的行為とされ、また、法的にも、不法行為責任および刑事責任が問われるのが通常となります。覚悟の準備をしておいてください』
      (『夜明けの剣』が感情の無い声音で告げる中、平素と変わらない眼差しでシェラの方をじーっと見ている)
      -- フォス 2020-11-21 (土) 00:05:24
      • あっ!なんか冷たい!!めっちゃ冷たい視線っ!!!(うあーと自分の肩を抱くさむさむムーブ)えっちょっとおかしくない?!海に落ちてたのを親切にも丁寧に届けてあげた友達に対してこの仕打とかひどくない!?
        (腕を上下にぶんぶん振って遺憾の意を全開で示す少女)それとドーンはドーンで事を大事にしすぎ!!(びしぃっと剣を指差す。どこだろいいや声出てるとこ)
        むしろここはえーっとなんだっけ落とし物を拾って届けたひとはその一割と貰えるとかのーー………(そこまで言って自分で気づく)要らない!!要りませんので!!!一欠片だって!!! -- シェラ 2020-11-21 (土) 00:21:42
      • 『以前から潜在犯の兆候はありましたが、このような事態になり誠に残念に思います』
        (少々おどけた口調の中性的な声は、『夜明けの剣』の持ち手の上部、鍔に該当する部分から空気を振動させて発声されている)
        いつもどーりの目だって。成り行きがどーなんのかなーって見てただけだよ。これ、サルベージに出た時に洋上で乾かしてたら失くしたヤツだな。
        (届けてくれてサンキューな、と笑顔で感謝を述べる。次いで、水着を指で摘まんでクルクル回しながら思案顔をし)
        お礼ねぇ。この前『海図』はやったし、シェラが何か喜びそーなモノ…………うーん…………コレかぁ?(『傷だらけの魔法の指輪』をシェラの目の前に差し出す)
        -- フォス 2020-11-21 (土) 00:45:36
      • 流れるようにカタに嵌めようとしないでくれるかなドーン!?あなたが言うとそれっぽく聞こえるからやめようね!?(鍔に手持ちのリボン巻いて隠蔽しようとする)
        いいやフォスは冷たい目してたね!!深海よりも深いやつのね!(と主張するも普通に礼を言われれば)……被害妄想だったかもね!!!(多分9割それ)
        あ、あの海図はありがとーね!まだきちんと確認はしてないんだけどさ、モノ自体の年代と保存状態とかから見るにお値打ちモノっぽい!!(そして、詳細な精査を行い、騒がしい今より更に騒がしくなったりするのだが、それは先のこと)
        ……え、指輪…?(一瞬考える。自分が喜ぶ…指輪…)まっ、えっ、そっ、そ、それってどーゆー意味で!?どーゆー意味でなの!?(傷が多いようだが、物自体は意匠も良さそうな指輪だ。それを見てちょっとわたわた) -- シェラ 2020-11-21 (土) 01:01:09
      • 『相手の挙動を深読みするのは心の疚しさの表れですよシェラ。この賄賂もその一環であると推察できます』(リボンを巻かれて声色が一段高くなる)
        そんぐらいにしとけよドーン。シェラはヤベーくらいおっちょこちょいの早とちりのおっちょこちょいなだけだろー。
        (割と容赦のない評をズバズバと。海図のことに話が及べば、何があるのか楽しみだと、わくわくに目を輝かせる)
        ??? 女は指輪とかネックレスとか、アクセサリー送れば喜ぶんだろ? 傷だらけだからイマイチだったか?
        『データベースを検索中……「指輪 プレゼント 重い」との結果が出ました』
        軽いだろこの指輪 (女性に指輪を送る意味など一ミリも理解していない様子で、わたわたしているシェラを不思議そうな目で見ている)
        -- フォス 2020-11-21 (土) 01:27:11
      • あっ、布巻いたくらいじゃ静かにならないんだこれ!(これ扱いである)じゃーもー賄賂でいいからそれで許してよ!海で拾ったいい匂いのリボンだからさ!(はて、ドーンは女だろうか男だろうか、なんて思いつつ)
        (少々挙動不審な動きをしていたものの、いつもと全く変わらない様子でのんきに指輪に対する評をするフォスを見る。スンッってなる)
        あ・の・ね?(一文字一文字をやたらと綺麗に区切り強調するスタッカート。つまりはそれだけ少女の思いが込められている訳だが)
        確かに女の子は指輪とかネックレスとかきらきらしたの貰えば嬉しいよ!嬉しいんだけどね!!それには気持ちがこもってないとダメなの!!!(ぐっと拳を握って主張)
        そんな気楽ぅーにポッキー一本食べるぅー?くらいにお出しされたのじゃ胸がどきどきなんてしないの!馬鹿なの!?(分かれ分かってくれ!という勢いの思い)
        そしてそれ以上に……フォスに百分の一でも、いや万分の一でもそーゆー意図があるかもしれないと考えたあたしが馬鹿だったぁぁーーー!!!!(がくーん、と膝をつく。うるせぇ) -- シェラ 2020-11-21 (土) 01:45:35
      • 『ふふふ。コレ扱いとは。ここまで私をコケにしたお馬鹿さんは貴女が初めてではありませんが、友誼の証としてリボンは頂戴いたします』
        (くるりと横軸に一回転してご機嫌な『夜明けの剣』。その主の方はシェラの勢いのある主張に、腕組みをしてムムムと考え込む)
        嬉しいのに気持ちがこもってないとダメ……? 気持ち? どういう気持ちなんだ……?
        『プレゼントに隠された意味:指輪編──相手を独占したい・束縛・大切な存在──こんなん出ましたけど』
        大切な存在なら合ってんじゃん。ほれみろシェラ。気持ちこもってるよコレ(ようやく合点のいった様子で無邪気な笑顔を浮かべ、シェラの目の前で指輪をちらちらと揺らす)
        -- フォス 2020-11-21 (土) 02:09:04
      • ちょっとぉー!?どんどん(意味的に)重くすんのやめてよぉドーン!?レビレト!!レビテト!!!(古代より伝わりしなんやかやを軽くするとされるおまじない連呼)
        そんなんされたら貰いづらくなるじゃん!最初に貰いづらくしたのはあたしだけどさー!ぬぬぬぬ!(ああもうこの際適当に指輪をぶんどってしまおうか、と考え始めたところ)
        (毒気の全く無い、爽やかなとも、朗らかなのとも違う。言うなれば…綺麗な笑顔を見せて、言うのだ。改めて気づいてしまえば線の細い端正な、その顔で。さらっと。何事もなく)
        ……あ、あり…がと(先ほどの勢いなどはどこへやら、若干呆けたように手を差し出して指輪を受け取る。傷のついた凹凸が、やけに手の中の存在感を強く感じさせる)
        で、でもでもでも!あたしが指輪貰いたいから拾ってきただなんて思わないでよね!?たまたまなんだから!たまたま!(ほんの少しだけ赤くなった顔で、またも今度は少年の方にびしっと指を突きつけて言う)
        折角だから貰ってあげるけど!もっと色々と勉強しておくこと!!(と叫んで逃げるように蒼髪の少女はくるりとその場を飛び出した)
        (本当に学んでほしい。アスワドおじさん辺りが言ってくれないだろうか。指輪などよりも、大切な存在、などという言葉を軽々しく取り出すな、と) -- シェラ 2020-11-21 (土) 02:29:55
      • 『その呪文では心の重力に効果はありませんね。もっと別の呪文や儀式が必要です』
        ドーンもシェラもさっきから意味分かんねーことばっかりだなぁ(少年からすると明後日の方向や矛盾した意味合いに転がっていく言葉の遣り取りに首を捻る)
        分かってる分かってるって。お礼だろお礼。指輪もたまたま。事前に指輪貰えるの分かってたらエスパーだろお前。
        (飛び出していく少女とは対照的に、太平楽極まれりといった様子で遠くなっていく蒼髪を見送る少年)
        なぁドーン。勉強って何の勉強なんだ?
        『あなた方親子が絶望的なまでに学習不可のジャンルですね。私はもう匙を投げました。痘痕も靨と言いますし』
        -- フォス 2020-11-21 (土) 02:51:24
  • (ロックの船の甲板上。呼び出したフォスと正対するロック)……お前が俺の身長超えてからは負けてばっかりなんだよなー喧嘩(ぼろぼろにされて次のコマで直るのはいつもの事)
    (ただし今日は)…真空の剣でどこまで戦えるかーみたいなところを試すんだからな!!刃引きするんだぞお互い!ドーンちゃん頼むよ!?(念を押し、こちらも指輪から風を展開する)
    (一度風を爆発させ吹き飛ばし、それにて生じる真空を逃さず固め、剣の形に固定する。拳を握ったまま、80cmほどの真空の剣を生成)どっちかが参ったって言ったら終わりな? -- ロック 2020-11-18 (水) 19:16:47
    • そうだっけ? 『そうでしたっけ?』(背はどんぐりの背比べ状態だし、勝敗については無頓着な両者)
      『では、これより私の機能を全て制限します。ただの固くてお喋りの出来るお茶目な鈍器ですよー』
      ふっはっは! 分かってるじゃねぇかドーン! 男のケンカに保護者がしゃしゃり出てくるのは野暮って話だもんな!
      (相対するロックが真空の刃を形成すると、ドーンブレイカーを両手で握り、構えを取る)
      ギブアップ以外に戦闘不能になった時点で終わりなー! そんじゃ
      (いくぞ。と言った瞬間少年は地を蹴って走り出す。完全に未知の相手と相対するつもりで、その眼光は鋭く、どんな挙動も見逃さまいと)
      (剣の間合いに入れば、ロックの胴体目掛けて大きな横薙ぎの一閃を繰り出す)
      -- フォス 2020-11-18 (水) 22:05:44
      • そうだぞ!!俺の覚えてる限りじゃ俺が気持ち良く勝ったのは13歳くらいの頃が最後だよ!!(気持ち良く勝たせることはほとんどない)
        ドーンちゃんの優しさに俺感動。俺も剣の形以外で風魔法を使う気はないからまー安心しろよぅ(ヒュンヒュンッ、と真空の剣を振って)
        おうよ(姿勢を低くして構える。…構えと言っていいかわからないが、とにかく戦闘開始。ロックの頭のスイッチが切りかわ)本気モードになると怖いんだよお前ーっ!!(…らない。後方に思いっきり跳ねて脱兎)
        (剣の間合いに入ってからの、フォスの一振りを十二分に避けうる速度で回避して)くそーっ!負けるかーっ!!(そのままちょこまかと…ゴキブリみたいな動きでフォスとの間合いを詰めたり離したり、円運動を描くように動く) -- ロック 2020-11-18 (水) 22:14:38
      • うおーい、逃げるだけかー? (様子見の一撃に何か仕掛けてくるかと思いきや拍子抜けし)
        (間合いの取り合いもロックから攻撃を仕掛けてくる気配が無いことを察すれば、足を止める)
        (剣の柄を右手一本に握りなおし、弧を描く様に動いているロックを視線だけで追う)
        (構えはほぼ、棒立ちに近い。この体勢から剣の振りが間に合うとは、到底思えぬような無防備さである)
        -- フォス 2020-11-18 (水) 22:25:42
      • この俺を逃げるだけの男だと思うなよーっ!!(実際逃げてるだけじゃねぇか…と思われるそれだが、突如)ていっ!(フォスに向けて刃が振り下ろされた)
        (フォスに向けて…という表現は正しい。なぜなら、ロックはフォスから離れるように動いた際に腕だけ振った。彼我の距離は明らかに剣の間合いではない……が、真空の剣は「伸ばせる」のだ)
        (少しでも油断してくれれば、とフォスの視界でわざと離れるように動いてからの一振り。頭への直撃を狙っている)その綺麗な頭どついちゃるわーっ! -- ロック 2020-11-18 (水) 22:32:11
      • (円を描くような『横』を織り交ぜた動きから、真空の刃を伸長する『奥行』の攻撃。これは視覚と距離感を誤認させる、理想的な奇襲である)
        っ!!!
        (予想を超えてきた一撃に、息を呑みながら不敵な笑みを浮かべる。振り下ろしの一撃へ咄嗟に合わせる様に、刀身の腹を相手に向けて受け止める)
        (このままでは間合いの外から押し切られる。その直感と共に少年の身体は半ば自動的に動き出す)
        (受け止めた真空の剣の勢いを流すように、刀身を右側面に流していき、そのまま自身の右後方の甲板へと叩きつける)
        (地面を打った斬撃の反発力をそのまま、前方の推進力へと変えて、『夜明けの剣』を手放した少年はロック目掛けて飛び掛かる)
        へへっ……捕まえたっと!
        (ロックの服の襟首を素早くしっかりと握れば、ニヤリと笑って強烈な頭突きを見舞う)
        -- フォス 2020-11-19 (木) 00:41:02
      • くっそ!!(止められたのを見れば舌打ちして)隙を付けたと思ったのにーっ!!(だがまだ間合いは剣戟の外、このまま長い真空の剣でぽかぽかしてやろうと思ったその時)
        っ(いやな勘。ロックがそれを感じた瞬間にフォスが動いた)ちっ…!(出来る対処は───考える前に、真空の剣が甲板へ叩きつけられた) (これか)
        ってめーっ!なんだそのパリィ技術はずっるー!!(剣を手放したフォスに飛び掛かられる。その速度に身を翻「さず」に、襟首をつかまれて)ふざけんなこの石頭ーっ!!
        (どひーっと泣きながら覚悟して目をつぶり、‘突きの衝撃に我慢する。∈玄蠅ら生み出していた、伸ばした真空の剣を操作する。同時に行った)
        (真空の剣は、伸ばした状態で甲板に突き刺さったままだが…長さも、形状も自由だ。刀身の中腹から新たに刃を生み出して、それを腕を振るうことなく操作しフォスの後頭部を追いかけるようにして刃を振るった) -- ロック 2020-11-19 (木) 19:05:18
      • っ! 石頭はお互い様だろっ!
        (額を打ち合わせた痛みと揺れに奥歯を噛みしめ、もう一発と頭を反らしたところで、不意の衝撃が後頭部を襲う)
        (脳を揺さぶる感覚に、ロックの襟首を拘束していた手の力は緩み、この状態を維持するのは不味いと直感が走る)
        (軽く跳び上がっては、ロック目掛けて蹴りを放ち、その反動を利用して『夜明けの剣』の傍らまでトンボ返り)
        ……いい勉強代になったぜ!
        (手早く己の得物を拾い上げ、出方を見る様に再度構えを取る。相対する風の剣の間合と範囲は全くの未知数)
        (己の判断の甘さを戒める様に、瞳には更なる闘志を宿して眦を決する。風の刃を注視しながら、再度間を詰めようとロックへ向けて駆けだす)
        -- フォス 2020-11-19 (木) 20:44:42
      • (頭突きの衝撃に、瞼の裏に星を生みながらも…言う通り、ロックもまた頭は固い。何度喧嘩で頭をぶつけてきたのかという話だ)身長差でお前のほうが有利だろうが…!!
        (思惑通り…フォスの後頭部を迎える形で真空の剣でブッ叩く。これで刃引きしてなければフォスの髪房をすっぱりって所だろうが)ざまーみろ!(このまま…さらに追撃を、と思ったところで)
        げふーっ!?(フォスの蹴りを思いっきり受けて後方に吹っ飛び転がる…衝撃を逸らすために無意識に後方に跳ねたようだ)んっ、く。チャンスが…!(ちくしょー、と間合いが離れた状態で真空の剣を元の長さに戻す)
        (この剣の変形、何度も使えない…魔力を食うのだ。煩悩でもあれば話は別だが)年下に舐められてたまるかーっ!俺だって戦えるようになったんじゃい!!(今度はこちらからも間合いを詰めるように、前へ駆ける)
        (ドーンブレイカー…武器としての性能は素晴らしいが、その反面、剣が大きい フォスの体躯では…)俺のほうが速いっ!!(真空の剣の長さは通常の剣のまま…先に、剣を振るう)
        (剣術も何もないがむしゃらな剣戟を繰り出す。型は無いが、早い。しかも刃筋を立てる必要のない、剣を持つのではなく手から生やしている都合…太刀筋が通常の剣に比べて読みにくいだろう)
        超こえーっ!!(号泣しながら、何度も剣同士を打ち付け合って……押し切るためにさらに加速した) -- ロック 2020-11-19 (木) 20:51:11
      • (風の刃と合金の塊がぶつかり合う。一合、二合と斬り結ぶ中、フォスの頭の中では冷静に戦況を分析していく)
        (振りの速さ以上に打突は重い。が、耐えきれぬほどではない。速さと予測の付きにくい相手の乱打に、最小限の動きで刀身の位置をずらし、剣で浮ききれぬ分は体で受ける)
        (刀身と身体で受ける風の斬撃は、自身の経験に照らせば、武器というよりも自然生物のそれ。海魔の触手に近い性質を感じ取る)
        (であるならば。一つの狙いが頭を掠め、乱打の最中に刀身を大きく振りかぶり、少年は猛然とした笑みを浮かべる)
        (旧知の仲、かつての喧嘩の内容など、今の少年の頭の中では影も形もなく。瞳の中に映るのは未知の強敵。そこに侮る向きは一切無い)
        (縦横無尽の風刃の流れを断ち切る様に、右半身を捻って放つ大振りの横薙ぎ。相対するロックの速さからすれば躱すに容易く、手痛い反撃を招くような大きな隙が生じる一撃だ)
        -- フォス 2020-11-19 (木) 21:28:36
      • (ひとつ、ふたつ…見える。ここ最近のあんまりにも濃密な戦いの経験と、元々の勘の良さで、慣れてくれば危なげなく剣戟を交わす)
        (もちろん、剣に扱いなれているフォスの剣筋と比べれば未熟ではあるが…だからこそ打てる一手を探しながら。全身を使うようにちょこまかと動き回り真空の剣を振るう)
        (狙いは頭…掠めて、その後のフォスの反撃が大きく振りかぶったのを見て)っ(チャンスか!?と頭で判断した)
        (大振りの横薙ぎ…その程度なら、避けて反撃ができるはず)だっ!!(跳躍。身軽なロックの体が宙へ飛び、横薙ぎを足元に回避して頭上からの振り下ろしの一撃を見舞ってやる、と───頭で判断して、繰り出した) -- ロック 2020-11-19 (木) 21:33:56
      • (変幻自在、伸縮自在の風の刃。だが剣質は軽い。剣の間にあるのならば速さで押し負けても、打たせて()る)
        我慢比べの時間だ!
        (相手が動きの制限される宙にいるならなおさら好都合。高さを乗せた一撃でも、構わず渾身の一撃を叩きこむ)
        (空振り前提で放った一撃は、跳躍した相手目掛けて途中で剣先が変化する)
        (横薙ぎから切り上げの一閃。上空から放たれる振り下ろしの一撃へと、相打ち覚悟で斬撃が放たれる)
        -- フォス 2020-11-19 (木) 21:51:13
      • 勘。 …が叫んだ。フォスの剣の重さ、跳躍した愚かさ…このまま振り下ろせば致命打は自分に降りかかると)やっべ…!!(咄嗟に、振り下ろそうとしていた手を止めて)
        (だがどうする空中だもう大きく態勢は変えられないやっぱり振り下ろすかいやもう止めちまったなら受ける)っ(とっさの判断で、真空の剣を己の脚の下へ)
        (そのまま、振り上げによるフォスの剣を…真空の剣で、受ける。その上で両脚で重さを+。ぎしっと強い音がして、剣戟を押しとどめる…留めきれては、いない)
        っ(いなし切れず、そのままロックの態勢が崩れた。フォスの一撃で仕留められる愚は何とか回避したがもうバランスはとれない…落ちる前に、せめて)だ……りゃー!!(落下の勢いを足して、剣戟ではなく、蹴り。踵落としのようにフォスの脳天へ叩きつける) -- ロック 2020-11-19 (木) 21:56:21
      • (ロックはいつも己の予想を超えてくる。しかしそれ故に。『予想を超えてくる』のも、己の想定の内であった)
        (切り上げの一撃が反らされたのを悟った瞬間、フォスは迷いなく『夜明けの剣』を手放して、注視していたロックの動きに対応する)
        (脳天目掛けて降り注ぐ蹴撃に、自身の身体を倒れ込ませるようにして、半身をずらす)
        (右の肩口に踵の一撃を受けながら、その蹴りの勢いに逆らわず、仰向けに倒れ込みながら両手をロックの足へと絡み付かせる)
        (変型ドラゴンスクリュー。古代の格闘技術の一種を期せずして再現した形となり、両者はそのまま地面へと叩きつけられる)
        っっっっってぇぇぇ! コレ鎖骨いってるな! いってんな! 折れてるか!? 砕けたか!? 面白くなってきたじゃねぇか!
        (地面に叩きつけられた衝撃と、肩口に奔る激痛に襲われながら、それでもロックの片足にしがみ付いて関節を極めようと涙目で叫んでいる)
        -- フォス 2020-11-19 (木) 22:35:05
      • 『判定。フォスの負けです。私を二回も無常に手放したことによる警告累積で判定負けです。あと鎖骨にヒビ入ってます』 -- 『夜明けの剣』 2020-11-19 (木) 22:35:33
      • (脳天を狙ったそれは肩口へと、避けられた……が、むしろうまく入ったか、深く刺さったと思う。が)んっげ!!(脚を掴まれ、そのまま捩じり引き摺り倒される様な感じに)
        (咄嗟に……本当に、咄嗟の判断は強い……体をフォスと同じ方向に捩じり、足首の破壊は避けた。その分)ぐえーっ!!(ビターン!!と甲板に顔面から落ちた)
        いってー、くそー(と…こちらはすぐに立ち上がろうとする。鼻血が見事に出ているがむしろ日常茶飯事なそれ、頭を打ったので少しぐわんぐわんするが…)足離せフォスーっ!!男に足掴まれて喜ぶ趣味はねーっ!!
        (げしげしげし、と関節極めようとしはじめるフォスを蹴る。ここで真空の剣で追撃すれば勝てるんじゃね?と思ったところで……)ほら!!ドーンちゃんも言ってるから終了!!終了です!!!(足離せーっ!)
        俺は脚を使っても剣技を試すって言う目的を忘れなかった!お前は忘れた!!挙句の果てにドーンちゃんを二回も手放したらそら怒られるわーっ!!俺に譲れーっ!!(あと足は離せーっ!じたばた) -- ロック 2020-11-19 (木) 22:41:07
      • (最初から「まいった」を言うつもりの無かった少年は、気絶するまで闘いを続けることだったであろう)
        俺の目的は喧嘩する以外ねぇよ! ドーンだって俺のやり方分かってる癖に、こういう時だけ口出ししてきやがって……っ痛ぅぅぅう!
        (徐々に戦闘の緊張感と高揚が薄れていき、その分だけ増してくる痛みに顔を顰めて、渋々といった様子でロックの足を離して立ち上がる)
        ちぇーーー。くっそ、まだ、やれんのになぁ……でもいい喧嘩だった! ロック、お前強くなったな! 驚いたぞ!
        (不貞腐れる表情から一転、明るい笑顔を浮かべると、瞳には驚嘆と賞賛の色を滲ませてロックの方を見ている)
        -- フォス 2020-11-19 (木) 22:57:05
      • 喧嘩と試合を一緒にするんじゃねーっ!!(脚をフォスの腕から引っこ抜き)血の気が多すぎるんだよお前はー。そんなに可愛い系IKEMENなのにモテない理由だちくしょー!
        (こちらも鼻血を次のコマで止めて、デカいたんこぶが生まれつつあるが)鎖骨やっちまったんだろ?無理すんなよー?そして俺は相手が男なので特に謝らない!!(おじさんには後で謝ろう…)
        あー、まぁお前に勝てたのは俺もそれなりに嬉しいけどよ。偶然みてーなところもあっかんなー(こちらは勝った実感はあんまりない様だが)
        ま、でもお前の剣を捌けるようになったってことで多少は強くなったのかな俺も!(と嬉しそうに笑顔を見せる そして同じく満面の笑みのフォスを見て)……(性転換薬早く拾わねぇとな…と心に誓ったらしい)
        (その後、船に積み込んであるファーストエイドキットでフォスの手当てをしてやって別れた。手当はダンジョンでよくやるだけあり恐ろしく手慣れていたという話だ) -- ロック 2020-11-19 (木) 23:02:55
      • はっはっは! 何も謝る事なんてねぇよ! 鎖骨やアバラにヒビなんて喧嘩やってりゃ日常茶飯事、勲章みてーなもんさ!
        (10歳のころから港湾人足に混じって船外作業を行っている身からすれば、その言葉は偽りの無い経験則であった)
        勝敗を分かつのは技量の差、時の運、人の運、天の運、って言うけどさ、それひっくるめて勝ったやつが『強い』んだよ。
        (お前は強い!と笑顔で太鼓判を押す)

        『互いの負傷度合いを見ても勝敗は明らかでしたからね。私を捨てたことも加味すれば惨敗でしょう』
        捨ててねーだろ。一瞬手放しただけだろーがよ。
        (ロックの手当を受けた後、痛みも大分引いていく中、不毛な遣り取りは暫く続ていたという)
        -- フォス 2020-11-19 (木) 23:19:55
  •   -- 2020-11-18 (水) 21:55:26
    • メメタァ!ツリー -- フォス 2020-11-19 (木) 19:59:43
      • ロックの真空の剣とか真空の刃って威力どんくらいなんだ?
        .侫帖爾侶と同様に斬れる 原理は良く分かんないけど切断能力はなく、鈍器みてーな扱い それ以外
        -- フォス 2020-11-19 (木) 20:00:13
      • ,任后でもそもそもこれ模擬戦だから最初に刃引きしてるので今回は△箸いΠ靴ぁ
        そうでもないと馴染みのダチの頭部にぶち込もうとしませんよロック君は。優しいですよ。なお煩悩がたまるとになってダンジョンで見せた暴力兵器になります -- ロック 2020-11-19 (木) 20:02:53
      • よし、分かった!(真空の刃の刃引きってなんだ?という顔) -- フォス 2020-11-19 (木) 20:17:48
      • (単純に円柱みたいな感じで固定してるんだろうきっと…フィーリングだよフィーリング!) -- ロック 2020-11-19 (木) 20:18:29
      • 重さはほとんどないから切れ味が無いとほとんど竹刀レベルのそれになりそうなイメージはあります…(まぁ何とかなるだろ…って顔) -- ロック 2020-11-19 (木) 20:19:49
      • 竹刀でも打ちどころ悪ければ死ぬから大丈夫だな!(別方向で何とかなるだろうという顔) -- フォス 2020-11-19 (木) 21:31:36
      • 勘はまだ何も叫んでないのがポイントやんね。 -- ロック 2020-11-19 (木) 21:34:22
      • 両者、露骨な伏線なのである! -- フォス 2020-11-19 (木) 21:51:51
      • よし!そろそろ最後の一撃になりそう!剣戟もできたし最後は剣に頼らずという手段をロック君も使うのだー! -- ロック 2020-11-19 (木) 21:56:55
      • このあとフツーに風の剣使われたら避けられないのでどう見ても俺の負けです。本当にありがとうございました。 -- フォス 2020-11-19 (木) 22:37:46
      • この発言を見る前に書いた内容の通りです。同じ思い。うん。おじさんに怒られないか不安ですよ俺は -- ロック 2020-11-19 (木) 22:41:46
      • 死ななきゃ安い。男同士の喧嘩に怪我は付き物。よくあること。 -- アスワド 2020-11-19 (木) 22:57:55
      • おじさん…!(サンキューおじさん!) -- ロック 2020-11-19 (木) 22:58:56
      • そして戦闘RPお疲れッした!戦いたい欲が発散できてうれしい!けどあれだ、ロック君戦闘狂タイプじゃないから逃げの一手をRP内で打つのが難しいなこれ!
        そういう新しい発見もあり、大変楽しかったです!またいろんなところで(シュバ) -- ロック 2020-11-19 (木) 23:03:55
      • お疲れ! そこら辺は色々難しいけど、ロックは上手い事やるからすげぇよな!
        時間掛かっちまってすまねぇ&ありがとな!
        -- フォス 2020-11-19 (木) 23:09:06
      • やだーこの子たちやばーん。男の子ってやーねー(にこにこして見てる)
        可愛い系男子たちのキャットファイト…オススメですよこれは(骨の一本二本は軽症という顔) -- シェラ 2020-11-19 (木) 23:49:58
      • そうか。何言ってんだお前。
        『腐食性ガスが発生してますね。適度にガス抜きを行ってください』
        -- フォス 2020-11-20 (金) 00:05:59
  •   -- 2020-12-07 (月) 22:47:18
  •   -- 2020-12-07 (月) 22:47:23
  •   -- 2020-12-07 (月) 22:47:30
  • 海洋暦XXX2年1月。年明けの陽が水平線から登りつつある。
    女は海風に髪を遊ばせながら、海の彼方に視線を定めている。
    「フォスはどうした」
    「さぁ?」
    タラッタ店外の炊事場で朝のコーヒーを淹れているアスワドが、そらとぼけた返事の女に眉根を寄せる。

    ──私はちょっと用がありますので一緒に初日の出は見れません。一人で見るか誰か誘ってください。

    数時間前の遣り取りを思い出しながら、鼻腔をくすぐるコーヒーの香りに、女はくるりと振り向いた。
    「私の分は」
    「無い。貴重な天然物だぞ」
    わざわざ新年の朝に焙煎までした珈琲を一人で飲むつもりなのかこの男は。
    が、用意されている湯や挽いた豆の量を見てすぐに認識は改まる。
    「私の分だけ無いということでしょうか」
    男は肩を竦めて、一杯分だけ抽出したコーヒーをカップに注ぎ、紙巻きタバコに火を点けていた。
    お前必要ないだろ。そういう顔をしている。
    日の出の訪れを見守る様にタバコを吹かしている男。
    その手にあるカップへ、すっと両手を伸ばした女は、そのまま身を屈めて琥珀色の液体を一口含む。
    「おい」
    「やっぱり挽きたて淹れたては香りが違いますね」
    ぺろりと舌を覗かせる女に、諦めた様子で男は紫煙を燻らせている。

    この男は出会った当初から私への態度が変わらない。20年以上前に初めて人型ユニットの姿を見せた時もそうだった。
    重ねる日々の中でも、彼の感情が表出することは稀だった。思っていても分かりやすく顔に出さない。
    それが崩れたのは恐らくあの時だけだ。私が直接見た範囲内での話ではあるが。
    -- ドーン 2020-12-07 (月) 22:48:51
    • 10年前。イーリスが亡くなったと聞いた時、アスワドはただただ茫然としていた。
      私とアスワドがサルベージで船団都市から離れていた間、都市中枢艦と偶発的に遭遇した巨大海魔。
      折り悪く、サルベージャーを始めとした多くの艦船が中枢艦を離れていたタイミング。
      そうした状況下でも残る船団の人々が最善を尽くし、被害は驚くほど少ないまま海魔を退けることに成功していた。
      それでも人的被害は少なくない。イーリスはその被害者の内の一人だった。
      海魔に呑み込まれ遺体すら残っていない、と状況を告げられる中、アスワドはただ黙って床に座り込んでいるままだった。
      何を言っても反応を見せないアスワドに、心配と困惑の視線を向けている人々。
      しばらく一人にさせて欲しいと私が告げ、タラッタの店内では私とアスワドだけが残された。
      イーリスのおかげで難を逃れたフォスは、店の奥の仮眠スペースで眠り続けている。

      どれほどの時間が経っただろう。重く静かに時が過ぎていく中で、アスワドはポツリと呟いた。
      「ドーン・ブレイカー。最後の命令だ」
      掠れた声でもハッキリとした意思を滲ませて。アスワドは訥々と言葉を口にしていく。
      「防壁を最大出力で展開しろ。次元切除で俺を消せ」
      承服しかねる命令に私が何も言えずに沈黙を続けていると、更にアスワドが言葉を重ねる。
      「俺はイーリスのいない世界で生きていたくない」
      「ふざけたことを言わないでください」
      何を言っているのだこの男は。何を勝手なことを。この世界にはまだ

      「……お父さん? ドーン? 帰ってきたの?」
      声の方に視界を向ければ、眠たげに目を擦りながらこちらを見ているフォスの姿があった。
      今まで顔から色が失せていたアスワドが、フォスを見るなり表情を歪ませていく。
      縋りつく様にフォスを抱きしめて、その名を何度も呼びながら、男は涙を流し続けている。
      抱きしめられたまま、不思議そうな顔をしているフォスは、ふにゃりと笑顔に変わって口を開いた。
      「お母さんがね。お父さんとドーンは必ず帰ってくるから、少し待っててねって言ってたんだ」
      お帰りなさい、と笑顔のまま続けるフォスに、アスワドは抱きしめる手に力を込め、ただいまと涙声で返している。
      「ドーン・ブレイカー」
      「はい」
      流れ続ける涙の奥で、決然とした輝きを取り戻した瞳が、じっと私を見据えてくる。
      「これからは片時もフォスの傍を離れるな。何があってもフォスを守れ」
      「はい」

      結局、アスワドの涙を見たのはこれっきりだった。
      一方のフォスは決して涙を見せなかった。
      それは5歳の幼さゆえに母親の死を理解していなかったのだと、私は判断していた。
      その後も母親を寂しがる様子も無く、アスワドと私に変わらず笑顔を向けていたのは、聡く聞きわけが良いからだと判断していた。
      しかしそれが間違いだったと気づかされたのは、随分と後のことであった。
      -- ドーン 2020-12-08 (火) 00:19:31
    • フォスは引込み思案で大人しい子だった。
      それに変化が訪れたのは10歳で船外作業員の見習いをはじめた時。
      見習いといえど体力勝負の船外作業員は大変負担が大きい。気は良くても仕事には厳しい作業員達の間では容赦なく怒声が飛び交う。
      当時のフォスは、気の強い方ではなく、体力だって特筆すべきところはない、至って普通の少年だった。
      長く続くことはない。すぐに音を上げるだろう。そう私は判断し、アスワドには内密に事を進めていた。
      どうせ過保護なアスワドが許可を出す筈もない。フォスが珍しく自らの意思で希望した事を束の間でも叶えてあげたい。
      アスワドに露見したところで、私が企図したことだ。後で私がドチャクソに怒られれば済むことだ。
      私は極めて軽い判断で、フォスとの秘密を愉しむことにした。そこに少しばかりの遊興と好奇の念が混じっていたのは否定できない。
      そもそもフォスが船外作業員の仕事をしたいという切欠や経緯も判然としなかった。
      恐らくは同年代の友人達の影響、そして大人達から度々聞かされてきたアスワドの過去の功績。
      その辺りから、年相応の憧憬で船外作業員を志すに至ったのであろう、と私は推測していた。
      その先はサルベージャー、ひいては父親の様な輝かしい功績を目指しているのだと。

      なにせ大人たちが口にするアスワドの業績は、誇張に塗れて偶像化され、一種の英雄譚のような有様だった。
      やれ半日で金貨300万枚に相当する希少資源を単身で引揚げた。やれ当時の賞金首を片っ端から狩り尽くしていった。
      確かにそれに近いことは、ごく短い期間でのみ行われていた。
      アスワドとイーリスが互いの想いを確かめ合った直後。
      調子に乗りまくっていたアスワドが、私の機能を全く自重せずに使い倒し、イーリスにそれとなく諫められるまでの短い間。
      「ねえアスワド。私は貴方が無事に帰ってきてくれれば、それでいいの」
      その言葉を聞くまでブレーキが完全にぶっ壊れていたアスワドは、私でも軽く引くほどのえげつない所業を控えるようになった。
      -- ドーン 2020-12-09 (水) 19:57:41
    • 「アスワドさんがサルベージを辞めちまったのは本当に勿体なかった」
      「荒事だって何てことない顔で片付けちまう。腕っぷしも相当なモンだった」
      辞めて正解だったと思いますが。
      休憩時間の与太話で船外作業員達が惜しむ姿に、私は内心で反駁していたが、フォスの方はうんうんと頷いて同意している。
      フォスが船外作業員の見習いをはじめて半年が経っていた。
      当初は先輩や監督役たちの怒号や拳骨に怯えながらも、一切泣き言を吐かずに一生懸命喰らいつき、
      私のフォロー無しでも見習いの仕事をこなせるようになってきていた。
      周りの荒くれ者達に影響されてか、性格も大分明るく外向的になり、口調や言葉遣いも染まり始めてきた。
      一人称が『僕』から『俺』に変わったのも、この頃だったと記憶している。
      まさか半年間も見習いの仕事を続けられるとは完全に私の想定外のことだった。
      口調や言葉遣い、気質の変化まで、アスワドが気付かない筈もない。
      ここまで隠し果せたのも幸運に助けらた部分が非常に大きい。遠からず露見するだろうとは予測していた。

      「フォス坊も立派になったもんだ。小せぇ体で良く頑張ってる。見習いもだいぶ板についてきた」
      「……何の話だ?」
      タラッタの店先、船外作業員との世間話で、ことはあっさりと発覚した。
      その日の内に事の次第を説明するに至り、アスワドは静かに私が語る経緯に耳を傾けていた。
      殺気漲らせた視線を私に向けるでもなく、ただ黙って静かに話を聞いているのが、逆に恐ろしい。
      これヤベェな、と私が内心で震えているのと対照的に、フォスは畏まることも無く堂々と構えていた。
      -- ドーン 2020-12-09 (水) 19:58:48
      • 「秘密にしていたのは私の一存です。アスワドに許可を貰っていると、管理局へ虚偽の申告をしたのも私です」
        「いや。俺も知ってて黙ってた。悪いのはドーンだけじゃない」
        「起きてしまったことはもういい。家族に黙って仕事をするのは止めろ」
        見習いでも仕事は仕事。責任はついて回る。今はまだお前達だけで責任を取れないことが沢山ある。
        そういった趣旨の事を述べると、深い溜息をついてアスワドは紙巻きタバコを咥える。
        「なぜ船外作業員の見習いをやろうと思った?」
        「それは」
        「ドーン・ブレイカー。お前に聞いているんじゃない。俺はフォスに聞いているんだ」
        口を挟んだ私にぴしゃりと言い放って、アスワドはフォスに静かな眼差しを向けている。
        視線を受けたフォスは口を真一文字に引き結んで、その青い瞳を引き絞る。
        「早く一人前になりたかった」
        「……それは船外作業員の見習いでなければ、出来ない事か?」
        「うん。船外作業の経験を積んで、サルベージャーになる。親父みたいな立派なサルベージャーに」

        やはりそういうことか。予測はしていたが、フォスの口から直接聞いたのは初めてのことだった。
        少年らしい稚気ゆえに、父親への憧れを抱いて同じ道を志す。
        親子の間でよく見られる一般的な光景だと。改めて問い質すこともないことだと。
        そう私は判断していた。その判断に誤りは無かった。
        これから親子の間で現実との折り合いをつける通過儀礼が始まるのだと。私は判断していた。
        -- ドーン 2020-12-09 (水) 19:59:37
      • 「フォス。焦ることはない。他に選択肢はいくらでもある。今はその可能性を広げることがお前にとって」
        「そんな悠長なこと言ってられるかよ」
        決然とした口調でフォスが父親の言葉を遮る。言葉面とは裏腹に、その瞳に反発の色は無く、透徹とした冷たい輝きが座している。
        どこか違う、常とは異なる息子の眼差しに、アスワドは火を点けようとしたタバコを指先の間に戻して、怪訝そうに眉根を寄せる。
        「俺が早く一人前になって親父に認めてもらえば、もうドーンの御守は必要ないだろ?」
        「……フォス。焦るな。お前はまだ」
        「子供だから? 10歳だから? 年なんて関係あるのか? もう手遅れだってのに」
        なんだろうこの違和感は。言葉面だけ見れば、背伸びしたい子供の焦燥感だというのに。
        ただ父親に己の力を認めてもらいたい。そうした子供心からの反発心とは違う何かが、フォスの瞳には宿っている。

        「俺がもっとちゃんとしてれば、お袋は死ななくて済んだ」
        それは違う。断じて違う。イーリスの死は、フォスのせいではない。
        思っても言葉が出てこない。

        「俺に自分を守れるだけの力があれば、今も親父はドーンと一緒に多くの人を助けられた」
        私とアスワドは完全に言葉を失くしていた。
        ただフォスが訥々と語る内容を、黙って聞くことしかできなかった。

        「いっそ俺が居なければって思った」
        そう言ってフォスは柔らかい笑顔をアスワドに向ける。

        「でも親父をまた泣かせるわけにはいかないもんな」
        -- ドーン 2020-12-09 (水) 20:00:34
      • 覚えていた。フォスはハッキリと覚えていた。
        母親が死に至るところから。
        例え一時でも父親が自分を顧みずに自死を願ったことを。
        贖罪のように自分に縋り付いて泣く父親の姿を。

        フォスが母親を寂しがることも無く、泣き言一つ言わなかったのは、その死を理解していなかったからでは無かった。
        私とアスワドが半ば目を逸らしていたイーリスの死に、フォスはたった一人で向き合い、自分だけで答えを出してしまった。
        誰にも何も言わず、涙も零さず、私達を心配させまいと笑顔を作り、ただ一人で耐えていた。
        そうさせたのは私達だ。イーリスの死とフォスの思いに至らず、向き合おうとしなかった私達の咎だ。

        「分かった」
        沈黙を守っていたアスワドが重々しく口を開く。
        「今日はもう遅い。お前達は先に帰って休んでいろ。明日も朝早くから仕事があるんだろう」
        暗に船外作業員の継続を認める言葉に、フォスは目を輝かせて嬉しそうに何度も頷いていた。
        私はその笑顔を見ている事が出来ず、視界をアスワドの方へと反らす。
        彼の指先の間では、ぐしゃぐしゃに折り曲げられた紙巻きタバコが細かく震えていた。
        店を出て、機嫌良さそうに帰路に就くフォスに付き従い、遠くなっていくタラッタに向けて聴覚センサーを引き絞る。

        ──……イーリス。俺はどうすれば良かった……!

        悔恨を滲ませた呟きと共に、壁を強く叩く音が何度も何度も響いていた。
        -- ドーン 2020-12-09 (水) 20:01:41
    • 海洋暦XXX2年1月1日。日は東の空へと浮かび、空は青く澄み渡っている。
      過去を思い起こしている内に、曙光はいつの間にか空を蒼く染め上げていた。
      夜明けを迎えて2時間弱は過ぎているだろうか。
      女は時を忘れたように中天へと昇っていく陽の光を茫洋と眺めていた。
      フォスは一人で日の出を迎えたのだろうか。それとも誰かと一緒に夜明けを迎えたのだろうか。
      ここ10年間、ほぼ毎日のように傍らで朝日を見ていた少年の姿は、どこにも無い。

      既にフォスは、もう自分を必要としないレベルの力量に達しようとしている。
      『夜明けの剣』の一部機能を、限定的に最大出力まで引き上げることに成功している。
      遠からず彼は、私の事を必要としなくなる。
      それはフォスの望みであり、アスワドの望むことでもあり、私も望むことである。
      それは大変喜ばしいことであり、それでいてどこか物悲しさを私に感じさせる。

      その望みの果てに何があるのか。
      アスワドも私も、フォスにはただ望むがままに生きて欲しいと願っている。
      幼いころから自分を殺し、自責と己への無力感を原動力に、存在しない罪を贖おうと一人で抗ってきた少年が。
      どこまでいけば自分を許そうと思えるのか。いかにして新たな望みが芽生えるというのか。
      私にもアスワドにも、その答えは分からない。
      当事者である私たちが幾ら言葉を弄したところで、フォスは決して納得はしない。
      私達に出来る事はフォスを見守り、何があっても信じて支え続けるだけだ。
      流れる時がやがて全てを解決していくのだと信じて、私達はその時を待ち続けている。
      -- ドーン 2020-12-09 (水) 22:37:52
      • 寒空に銀の髪が広がっていく。
        風に遊ばれるまま、陽光に銀糸が照らされて、淡い輝きを放っている。
        眩しい空の蒼さが、どこまでも続いていく水平線の蒼く澄んだ先が。
        誰かの瞳を思わせたところで、呼び声が聞こえてくる。

        振り返れば金の髪を揺らして息を弾ませている見慣れた少年の姿がある。
        こちらへと駆けてくるその表情は、昨日までとは僅かに違って見えて、思わず目を凝らしてしまう。
        陽の光を浴びた碧眼はいつもより輝いて見え、飾らない笑みを浮かべるその顔は少しだけ大人びて見える。

        「ドーン」
        間近で聞こえる呼び声が、蕩けるような温かい響きで私の胸に染み入ってくる。
        肩に置かれた手と、しっかりこちらを見据えてくる蒼い輝きに、私は言葉を失くして立ち尽くす。

        「今までありがとう」
        その言葉に存在しない心臓が跳ね上がる気がした。
        いずれきっと訪れるであろうと予見していた言葉が、こんなにも早く彼の口から飛び出すとは。
        それは別れの言葉だ。
        待ち望んでいたはずの、喜ばしいはずの言葉に、私は立ち竦んでいた。

        「そんでこれからもよろしく!」
        親指を立てて童心に溢れた笑顔が、視界に広がる。
        いつか目にしたような、初めて見るようなその表情に、私はただ目を奪われていた。
        ふとフォスの瞳に映った自分の顔が、とても間の抜けた表情をしていて、私は自然と声を立てて笑いが零れ出す。

        満足そうに口の端を綻ばせたフォスが、踵を返してタラッタの店内へと駆けこんでいく。
        聴覚センサーを集約させずとも、店外まで聞こえてくるのは、アスワドを呼ぶフォスの大声。
        次いで先ほど私に掛けた言葉が、一字一句違わず繰り返され、また自然と笑みが湧き上がってくる。

        アスワドはどんな顔をしているのだろう?
        きっと微かに口元だけ笑っているのだろう。
        いつもよりほんの少しだけ、口角を緩ませて。
        -- ドーン 2020-12-09 (水) 22:38:44
  •   -- 2020-12-12 (土) 17:30:38
  •   -- 2020-12-12 (土) 17:30:44
  •   -- 2020-12-12 (土) 17:30:49
  • 海洋暦XXX2年2月某日。
    北極点に到達した都市中枢艦『ゴールデンロア号』の甲板上。
    吹き付ける風は肌を切り裂く様に冷たく、昼下がりの陽光が申し訳程度に寒さを和らげている。
    船外作業を終えて帰途に就くフォスとドーンが、互いに金銀の髪を海風に靡かせて、人気の少ない甲板に足跡を響かせている。

    「まーた一段と冷えてきやがったなー。今すぐにでも親父の作ったスープが飲みてぇや」
    「ちょっと寄り道していきます?」
    ドーンがくいっと市場の方に親指を向ける。
    太陽も西に傾き始めた時間帯。
    寒さも影響して早めに店仕舞いを始める店舗もある中、いくつかの露店では温かい飲食物の湯気が立ち上っている。
    悪くない、と少年が立ち止まったところで、聞き覚えの無い声で呼び止められる。

    「フォス・ファジュル。ドーン・ブレイカー。少々お話するお時間を頂けますか?」
    声の主に目を遣れば、そこには見知らぬ女が一人。
    つば広帽の下で黒く艶やかな髪を風に揺らし、涼し気な黒い瞳がしっかりと此方を捉えている。

    IBE.png

    「いいけど」
    フルネームで呼び止められた少年は胡乱気な視線を向け、言外に見覚えのない女を誰何する。
    「新たな暁の戦士とそのヌール。ご帰還をお待ちしておりました」
    「ドーンの知合い?」
    「いえ。初めて見る顔ですね。ファジュルの者ですか?」
    女が現れた時から面倒そうに半眼で見遣っていたドーンが、心当たりのある単語を口にする。
    黒髪の女はうっすらとした笑みを深めて、ドーンに頷きを返す。
    「お二人にはお耳に入れておきたいことが御座いましてお伺いした次第です」
    切れ長の目を細める女と、あからさまにうんざりした様子のドーンを見比べて、フォスは暢気な調子で口を開く。
    「なんか温かい物でも飲みながら話聞いてもいーか?」
    -- 2020-12-12 (土) 17:31:10
    • 陽の傾きつつある市場の片隅で、二人の女と少年の立ち姿が地に長い影を落としている。
      「ご帰還、って何?」
      ミルクのたっぷり入ったコーヒーを啜りながら、フォスは先般の会話の疑問をさらりと口にする。
      黒髪の女はドーンの方を伺うように視線を向け、お好きにどうぞとでも言うように掌を向けられれば口を開く。
      「貴方の父君であるアスワド・ファジュルは、この極北の地で生を受けました。ドーン・ブレイカーが修復されたのも同じくこの地です」
      「え。そーなの?」
      そうです、と答える代わりに、ドーンは合成品のコーヒーを啜りながらコクコクと頷いている。
      「暁の戦士とヌールっていうのは?」
      「ヌールとはドーン・ブレイカーのように『対消滅反応炉』と『次元切除機関』を併せ持つユニットの総称です」
      フォスの素直な問いかけに、黒髪の女は唇に微笑を散らして、淀みなく答えていく。
      少年を見つめる黒い瞳。その中で漂う微かな媚の気配に、ドーンは溜息を吐いて眉をひくつかせる。
      「過去にヌールを作りし者達。彼らはファジュルと呼ばれ、その中でも戦いに特化したヌールを所持するマスターが暁の戦士と呼ばれていました」
      「そっかー」

      何てことない世間話をするような軽い返事を返す少年に、黒髪の女は一瞬だけ瞳に違う色を浮かべた。
      その微細な変化を見逃さずに見止めたドーンは、すぅっと蒼い瞳を細める。
      「……他に何か気になる点はありますか?」
      「ないよ。そんで耳に入れておきたい話ってぇのは何?」
      話が本題に及ぶと、黒髪の女はコーヒーカップを片手に腕組みをする。
      申し訳程度の防寒着の下で押し上げられた豊かな胸を撓ませて、少年の瞳をしっかりと視線で捉えた。
      「この極北の地にはアルファルドの遺伝子貯蔵庫が存在しています」
      -- 2020-12-12 (土) 19:00:34
      • 「アルファルドっていうのは?」
        「人類の孤独を謳う裏切者です。元々はファジュルの者達でしたが、人類の復興を良しとしない愚昧な俗人どもが造反を起こしたのです」
        黒髪の女の言葉に剣呑な調子が混ざり始める。口元には笑みを浮かべたままだが、黒い瞳には燻る様な火が灯っている。
        「アルファルドの我欲の果てに、多くのヌールと人命が失われ、人類の復興は遠のきました」
        「それって相当昔の話なんだろ? アルファルドもファジュルも、まだ残ってんの?」
        「オリジナルのヌールはそのほとんどが消失しました。ファジュルもアルファルドも、造反の末に組織的機能を維持できない程に減少してしまいました」

        黒髪の女の視線と指先が、フォスとドーンへ交互に移っていく。
        「貴方がたのように一個人としてヌールを所有されているケースは極めて稀です。ファジュルもアルファルドも、長い年月を経て各海洋都市国家に根を張り巡らせ、独自のネットワークを形成しています」
        「ふーん。どっちも頑張って生き残ってんだなぁ」
        他人事のような少年の言い様に、黒い髪の女は瞳に強い輝きを宿して、すっと身を寄せていく。
        手を握ってくる滑らかな指先の感触と、香水を含んだ女の匂いが忍び寄る。
        「フォス・ファジュル。最も新しい暁の戦士。あなたは数少ないファジュルのヌールの担い手なのです」
        「だからアルファルドの遺伝子貯蔵庫ってぇのをどうにかしろって?」
        答えの代わりに、にっこりと微笑んだ女が黒髪を揺らして、より少年の間近に身体を近づける。
        「アルファルドも少なからずオリジナルのヌールを保有しています。ヌールの力は極めて応用性が広く、遺伝子貯蔵庫の技術と併用することで、生物への形態変化すら可能です」

        冷めた目で二人の様子を見遣っていたドーンが、生物への形態変化に話が及ぶと、鋭い視線を黒髪の女に飛ばす。
        話の流れが読めているのか、いないのか。柳に風といった風情で、特段の反応を示さない少年の耳元に黒髪の女は囁く。
        「貴方の母君を害した海魔は、アルファルドのヌールによるものです」
        -- 2020-12-12 (土) 19:03:26
      • 地面にコーヒーの染みが点々と落ちていく。
        ぐしゃり握りつぶされた使い捨てのコップから、少年の手を伝って琥珀色の液体が流れ落ちていく。
        女は笑顔のまま黒髪を翻し、少年の様子をどこか満足げに見遣ると、防寒着のポケットからある物を取り出す。
        掌に収まるほどの大きさをした蒼い結晶。
        宝石や鉱石の類とも異なる淡い輝きが、夕暮れの甲板をうっすらと照らしている。
        無言の少年には目もくれず、黒髪の女はドーンの傍まで歩み寄ると、手に持つ蒼い結晶を厳かに差し出す。
        「高密度のナノマテリアルです。小型の艦船ならば構築できるほどの量をご用意させて頂きました」
        「手付金のつもりですか?」
        差し出された結晶と、同じ色の輝きを宿した瞳が、黒髪の女を射抜く様に見つめている。
        「どのような形であろうと、ファジュルの……ひいては人類の夜明けの為にお使い頂けるであろうと、私共は考えております」
        「では好きに使わせてもらいます」

        掻っ攫うように青い結晶を手にしたドーンへ、黒髪の女は満足そうな笑みを浮かべて、もう一つの品物を取り出す。
        白銀に輝く金属製の球体が、女の掌の上で転がっている。
        その煌めきは夜闇に点在する星の様に、落日の光を照り返している。
        「ヌールの模造品です。出力はオリジナルの3割ほど。人工知能は搭載されておりません。補助機関としてお使いください」
        「ご期待に添えられるとは限りませんよ?」
        女は黒髪を揺らしてただ静かに嗤う。もう同じ言葉を繰り返す必要は無いとでも言うように。
        ドーンは唇を真一文字に引き結んで、白銀の球体を摘まみ上げると上空に放る。
        薄暮の空を切り裂く様に銀光が軌跡を描いて、ドーンの黒鉄の手へと落ちていく。
        -- 2020-12-12 (土) 19:08:06
      • それを見届けると用件は終わったとばかりに黒髪の女は背を向ける。
        その背中を見てドーンは確信を抱いた。
        媚態を纏わせた黒い瞳。嘲りを滲ませた薄笑い。慇懃無礼な言葉遣い。
        あと軽薄に初対面の男へ身を寄せる破廉恥さ。
        そして何より。人が最も触れて欲しくないところへ土足で踏み込む無神経さ。
        「私は貴女が嫌いです」
        「あら。流石オリジナルのヌール。感情をエミュレートする機能にも翳りはありませんね」
        女はクスクスと笑って、振り返りもせずに歩を進めていく。
        「まだ口を付けていませんよね。コーヒー冷めますよ」
        「お気遣い感謝いたします。ではご機嫌よう、暁の戦士とドーン・ブレイカー」


        夕日を背負って市場を離れていく黒髪の女。
        人気が絶えたところで、手に持ったコーヒーを無表情に放り投げる。
        「お生憎様。合成品は口に合いませんの」
        -- 2020-12-12 (土) 19:09:54
    • 黒髪の女が立ち去れば、ドーンは静かにフォスの元まで歩み寄り、後ろから彼を抱きしめると肩越しに顔を覗き込む。
      「おや。意外と元気そうな顔」
      真横から覗き込んで来る女へ軽く鼻を鳴らし、ややぎこちないながらも不敵な笑みを浮かべる少年の姿があった。
      「むかっ腹立った時は頭冷やして冷静になれっていうだろ」
      「ケンカの時のテクニックですね、それ」
      ドーンがちらりと少年の手元に目を遣れば、コーヒーが伝った跡が軽く赤みを帯びている。
      軽度の火傷跡に、武骨な黒い掌が押し当てられ、控えめな冷気が肌を冷やしていく。

      「それで。冷静になって、どうでした?」
      「昔さ。親父が言ってたじゃん」
      何を?とドーンが視線で問えば、少年は金髪を揺らしてニヤリと笑う。
      「自分から名乗りもしない奴は信用できないって」
      「うーん。お利口さん」
      フォスからパッと身を放して、ドーンはコートのポケットを探ると、先ほど黒髪の女から受け取った白銀の球体を取り出す。
      「ご丁寧にアルファルドの遺伝子貯蔵庫の座標まで、情報として格納されています」
      「そもそもソコって本当にアルファルドの遺伝子貯蔵庫なのか? 何か別の施設か、それともアルファルドのモノじゃない可能性は?」
      「つまりフォスは、さっきの破廉恥女の素性まで疑っているわけですね」
      「あのねーちゃんの言う事、何一つ信用できねぇよ。正しいのってドーンも知ってる情報くらいじゃねぇの?」
      フォスは取り出された白銀の球体を手に取って、沈みゆく西日に照らしながら角度を変えて光の反射を見ている。
      「日が当たれば影が違う、色が違う、光が違う」
      「どの角度から見るか検証が必要ですね。ふふふ」
      嬉しそうに口元を綻ばせるドーンへ、白銀の球体をぽいっと放る少年は視線だけで問いかける。
      何を笑っているのだと。

      「いえ。フォスとアスワドは似ている点が一つあるな、と思いまして」
      「一つだけじゃねぇだろー? 親父の子なんだから腐るほどあんだろー?」
      「少なくとも一つ。女を見る目はありますよ」
      そりゃどーかねー、と肩の後ろで手を組んでいる少年の横を、女の影が付き従う。
      夕日に伸びた影は軽やかに、愉快で楽し気な足音を響かせている。
      「貰い物はどうします?」
      「安全だったら使い倒させてもらおうぜ」
      「同感です」

      ああ、彼は本当に大人になったのだと思う。
      一番の弱みに触れられても、強かに冷静でありながら、激する感情はきちんと動いている。
      それが誰の影響なのか。
      すぐに思い当たれば、落日に銀の髪を踊らせて、家路へと就く足取りも軽やかに。
      本当にこの男たちは女を見る目だけは間違いないのだと、女を形取る機心は満足気な表情で笑うのだった。
      -- 2020-12-13 (日) 03:56:39

Last-modified: 2021-01-17 Sun 15:32:43 JST (9d)